JP4972774B2 - マイクロスキャナおよびそれを備える光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロスキャナおよびそれを備える光学機器に関するものである。
従来から、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた小型の光スキャナ(マイクロスキャナ)は種々開発されている。例えば、図16に示すような特許文献1の光スキャナLS’は、スキャン用のミラー部MR’、ミラー部MR’を支えるトーションバーTB’、およびミラー部MR’につながる振動板101を含んでいる。
そして、この光スキャナLS’は、ミラー部MR’を極力大きく偏向させるために、振動板101上における圧電アクチュエータ102の駆動周波数と、トーションバーTB’を含むミラー部MR’の機械的共振周波数とを一致させている。このようにすれば、圧電アクチュエータ102が低電圧駆動であっても、ミラー部MR’が共振して比較的大きく偏向するためである。
しかしながら、ミラー部MR’につながる振動板101の先端部103はねじれにくくなっている。そのため、振動板101に生じる力が回転トルクとしてミラー部MR’に作用しにくい。したがって、ミラー部MR’が十分に偏向しているとはいいがたい。
ここで、先端部103とミラー部MR’とが連結しないような光スキャナLS’も考えられる。例えば、図17に示すような光スキャナLS’である。この光スキャナLS’は、ミラー部MR’、圧電素子PE’によって変形する保持部HD’、およびミラー部MR’と保持部HD’とをつなぐ主軸部MA’を含んでいる。
そして、この光スキャナLS’は、保持部HD’の撓み変形に応じて、ミラー部MR’を、X’方向を基準に正逆回転させる(P’方向へ回転またはR’方向へ回転させる)。このようなミラー部MR’の偏向動作で撓み変形する保持部HD’を示した図が、図18Aおよび図18Bになる。これらの図は図17のa−a’線矢視断面図であり、図18Aが正回転の場合を示し、図18Bが逆回転の場合を示す。
なお、説明上、主軸部MA’の軸方向をX’方向(X’軸と称してもよい)、このX’方向に対して直交する保持部HD’の延び方向をY’方向、X’方向およびY’方向に対する直交方向をZ’方向とする。また、図17での紙面上側をY’方向のプラス{Y’(+)}、この+方向に対する逆方向をY’方向のマイナス{Y’(−)}とするとともに、図17での紙面表側をZ’方向のプラス{Z’(+)}、この+方向に対する逆方向をZ’方向のマイナス{Z’(−)}とする。
また、以降では、2つ有る保持部HD’(第1保持部HD1’・第2保持部HD2’)の一方のみについて説明するが、この一方の第1保持部HD1’がミラー部MR’を正回転または逆回転させようとしている場合、残りの第2保持部HD2’も同じようにミラー部MR’を正回転または逆回転させている。
ミラー部MR’が正回転する場合、図18Aに示すように、Y’(+)側の圧電素子PE’の圧電体PB’が伸びることで、Y’(+)側の保持部HD’における主軸部MA’側はZ(−)に垂れ下がる。一方、Y’(−)側の圧電素子PE’の圧電体PB’が縮むことで、Y’(−)側の保持部HD’における主軸部MA’側はZ(+)に跳ね上がる。すると、波打つように保持部HD’が撓み、その撓みに追従して主軸部MA’も正回転して傾く。
また、ミラー部MR’が逆回転する場合、図18Bに示すように、Y’(+)側の圧電素子PE’の圧電体PBが縮むことで、Y’(+)側の保持部HD’における主軸部MA’側はZ(+)に跳ね上がる。一方、Y’(−)側の圧電素子PE’の圧電体PBが伸びることで、Y’(−)側の保持部HD’における主軸部MA’側はZ(−)に垂れ下がる。すると、保持部HD’は、図18Aとは逆向きに波打って撓み、その撓みに追従して主軸部MA’も逆回転して傾く。
特開2005−128147号公報(段落0024等参照)
しかしながら、1枚状で均一な厚みを有する保持部HD’は、比較的高強度であり撓みにくい。その上、保持部HD’での波打ち部分(湾曲部分107)が、X’軸から比較的乖離した位置に生じることから、主軸部MA’につながる保持部HD’の一部分を傾かせにくい。そのため、かかる光スキャナLS’では、偏向角θ’を増大させることは難しい。
また、保持部HD’の一部分(湾曲部分107)の厚みを他部分の厚みよりも薄くすることで、保持部HD’を撓ませやすくするという対策もある。このような場合、例えば、エッチングが用いられるが、エッチングすることで保持部HD’の厚みを精度よく制御することは、加工条件の影響を受けるので、極めて難しい。
また、精度よくエッチングするために、保持部HD’の基体をSOI(Silicon on Insulator)基板とすることも考えられる。しかしながら、SOI基板は高価なため、光スキャナLS’のコスト上昇につながってしまう。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、偏向角を容易に増大させられるマイクロスキャナを提供することにある。
本発明は、変動部と、変動部を揺動可能に支持する主軸部と、主軸部を保持する変形可能な保持部と、を含むマイクロスキャナである。特に、かかるマイクロスキャナでは、保持部自身の撓み変形をねじれ変形に変化させるトーションバーが、保持部およびミラー部の少なくとも一方に形成されている。そして、このトーションバーに生じるねじれ変形を用いて、変動部は揺動するようになっている。
このようなトーションバーは比較的弱い力でねじれ変形するため、保持部はより撓みやすくなり、撓み量が大きくなる。そして、この増加した撓み量に起因して、変動部は比較的大きく揺動する。その結果、マイクロスキャナは、変動部の偏向角を容易に増大させられる。
なお、トーションバーは、例えば1つの基板から成る保持部にスリットを形成することによって設けられており、マイクロスキャナ自身は一基板に形成されている。また、保持部には、保持部自身を変形させる駆動部が設けられているとよい。また、変動部が、金属膜を含むことで光を反射させるミラー部である場合、マイクロスキャナは光スキャナとも称せる。
ここで、トーションバーについて詳説する。まず、保持部に位置するトーションバー(第1トーションバー)について説明する。第1トーションバーは、保持部自身の撓み変形をねじれ変形に変化させて主軸部に伝達させている。
保持部は変形可能な部材である。ただし、例えば均一な厚みを有する保持部は変形するもののその変形量は大きくなりにくい。そのため、保持部につながる主軸部に伝達されるエネルギーも大きくなりにくい。しかし、第1トーションバーが有れば、保持部の撓み変形が大きくなるので、主軸部に伝達されるエネルギーが比較的大きくなる。そのため、主軸部によって支えられている変動部も比較的大きく揺動することになる。
なお、第1トーションバーは、保持部の延び方向に対して交差する方向(例えば直交方向)に延びていると望ましい。このようになっていると、かかる延び方向に沿って保持部が撓んだ場合に、第1トーションバーはねじれやすい。つまり、ねじれ変形が容易に生じる。
また、第1トーションバーは、保持部に設けられているスリット以外の部分(例えば、保持部に並列して設けられている複数のスリット同士の間部分)から成っていると望ましい。このようにスリットにより生じる第1トーションバーが保持部に存在するということは、保持部内に間隙が生じるので、保持部の強度が低下する。そのため、かかる保持部は撓みやすくなる。なお、第1トーションバーは、保持部の延び方向に対して交差する方向に延びていることから、スリットも同方向に延びている。
ところで、延びた形状の保持部が撓む場合、保持部の撓み方向(保持部の厚み方向と同方向)に向く負荷が生じ、その負荷は第1トーションバーにもかかる。そして、この負荷による第1トーションバーの曲げ変形は、変動部を傾ける場合の損失となる。
そこで、第1トーションバーにおける厚み方向(すなわち保持部の厚み方向)の長さが、第1トーションバーにおける幅方向(保持部の延び方向)の長さよりも長いと望ましい。このようになっていると、一定のねじれ剛性を有するトーションバーであっても、保持部の厚み方向の変形に対して、変形しにくい構造となる。
また、延びた形状の保持部が撓む場合、保持部にその延び方向を中心基準とする回転振動も生じる。この回転振動が変動部の駆動周波数に近い場合、異常振動となって破壊の原因にもなり得る。そこで、第1トーションバーが、保持部の延び方向に対して交差する方向に沿って複数並んでいると望ましい。
このようになっていると、変形する保持部に生じる回転振動が、複数の第1トーションバーによって抑制される。そのため、この回転振動に起因して、第1トーションバーのねじれ変形の変形量が低下しない。
また、第1トーションバーは、保持部の延び方向に沿って複数並んでいると望ましい。このようになっていると、延び方向に沿う保持部の撓み変形が、延び方向に沿って並列する複数の第1トーションバーに分散して伝達される。そのため、各第1トーションバーのねじれ量が少なくてすむ。
ただし、保持部の延び方向に沿って複数並んでいる各第1トーションバーでは、各第1トーションバーの全長が異なっていると望ましい。詳説すると、各第1トーションバーの全長は、主軸部から離れるにつれて短くなっていると望ましい。
通常、第1トーションバーにかかるモーメントは、主軸部から離れるほど大きくなる。しかし、主軸部から離れるにつれて短くなっている第1トーションバーほど、剛性は大きくなる。すると、モーメントの大きさに対して適正な剛性が得られることになり、主軸部から離れた第1トーションバーだけに過剰なねじれ変形が発生する事態は起きない。
なお、剛性の大きさとモーメントの大きさとを適正化させた方策は、各第1トーションバーの長さを変えることだけに限定されるものではない。例えば、保持部の延び方向に沿って複数並んでいる各第1トーションバーでは、各第1トーションバーにおける幅方向の長さが異なっていてもよい。詳説すると、各第1トーションバーの幅方向の長さが、主軸部から離れるにつれて長くなっていてもよい。このようになっていても、剛性の大きさとモーメントの大きさとを適正化させることができる。
次に、変動部に位置するトーションバー(第2トーションバー)について説明する。この第2トーションバーは、変動片と、変動片を揺動可能に支持する副軸部と、副軸部につながりつつ変動片を囲んでいる可動枠と、を含み、かつ、可動枠を介して主軸部につながっている変動部を搭載するマイクロスキャナに用いられる。そして、かかる第2トーションバーは、保持部自身の撓み変形を、主軸部を介して受けつつねじれ変形に変化させるとともに、可動枠に伝達させている。
このようになっていると、保持部の撓み変形により可動枠が副軸部回りに回転する場合、第2トーションバーが曲がるので、保持部および第1トーションバーに、副軸部回りの回転力が伝わらない。その上、可動枠を挟持する主軸部同士が相反する上下方向(主軸方向および副軸方向に対して垂直方向)に移動することで、かかる可動枠が副軸部回りに回転するので、保持部および第1トーションバーが過剰に変形しない。そのため、可動枠ひいてはミラー部は、第2トーションバーの存在によって、効率的に回動させられているといえる。
なお、第2トーションバーが第1トーションバーと同様の構成になっていれば、かかる第2トーションバーも第1トーションバーと同様の作用効果を奏ずる。
また、以上のマイクロスキャナを搭載する光学機器も本発明といえる。
本発明によれば、保持部および変動部の少なくとも一方に有るトーションバーを用いて、変動部の回動に適した変化量を得ることができる。そのため、マイクロスキャナは、変動部の偏向角を容易に増大させられる。
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。ここでは、変動する部材(変動部)としてミラー部を例に挙げるとともに、このミラー部を変動させることで光を反射させスキャン動作を行うマイクロスキャナとして光スキャナを例に挙げる。なお、理解を容易にすべく、平面図であってもハッチングを付している。また、便宜上、部材符号・ハッチングを省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面上での黒丸は紙面に対し垂直方向を意味する。
図1は光スキャナLSの平面図であり、図2は図1での破線部分の拡大図である。光スキャナLSは、図1に示すように、ミラー部MR、主軸部MA、保持部HD、圧電素子PE、およびトーションバーTB(便宜上、第1トーションバーTB1と称する場合もある)を含んでいる。なお、これらの部材は、基体BSとなる変形可能なシリコン基板等をエッチングすることにより形成される。
ミラー部MRは、光源等からの光を反射させる部材である。かかるミラー部MRは、図1に示すような平面視で矩形状の基体BSに、開孔H(第1開孔H1・第2開孔H2)を並べて形成することで生じる島状部分(第1開孔H1と第2開孔H2との間に位置する残部)に、金やアルミニウム等の反射膜を貼り付けることで形成される。
なお、第1開孔H1と第2開孔H2とが並ぶ方向をY方向と称し、第1開孔H1側のY方向をY方向のプラス{Y(+)}、この+方向に対する逆方向をY方向のマイナス{Y(−)}とする。さらに、ミラー部MRの中心からY方向に伸びる方向をY軸と称する。
主軸部MA(第1主軸部MA1・第2主軸部MA2)は、ミラー部MRの外縁において対向する一端と他端とから外側に延びることで、そのミラー部MRを挟持して支える部材である。かかる主軸部MAは、ミラー部MRに接する第1開孔H1・第2開孔H2の隅からの進出部分H1a・H2aで、基体BSの一部分を棒状にさせることで形成される。
なお、この棒状の基体BSの一部分(すなわち主軸部MA1・MA2)は、Y方向に対して交差する方向(例えば直交方向)に延びている。そこで、この方向をX方向と称し、第2主軸部MA2側のX方向をX方向のプラス{X(+)}、この+方向に対する逆方向をX方向のマイナス{X(−)}とする。さらに、主軸部MAに重畳してX方向に伸びる方向をX軸(主軸方向/X軸方向)と称する。
保持部HD(第1保持部HD1・第2保持部HD2)は、主軸部MAを保持すること(主軸部MAにつながること)によってミラー部MRも保持する部材である。かかる保持部HDは、Y方向に延びた開孔H(第3開孔H3・第4開孔H4)で第1開孔H1・第2開孔H2を挟持した場合に生じる基体BSの残部で形成される。
すなわち、第3開孔H3と第1開孔H1・第2開孔H2との間に位置する基体BSの残部と、第4開孔H4と第1開孔H1・第2開孔H2との間に位置する基体BSの残部とが保持部HD(第1保持部HD1・第2保持部HD2)となる。なお、このような残部から成る保持部HDは、Y方向に延びる形状(線状)となるので撓みやすい(すなわち、Y方向は保持部HDの延び方向である)。
圧電素子PE(PEa〜PEd)は、電圧を力に変換する素子であり、分極処理された圧電体PB(PBa〜PBd)と、この圧電体PBを挟持する電極EE1・EE2(EE1a〜EE1d・EE2a〜EE2d)とを含んでいる(後述の図3参照)。そして、この圧電素子PEが保持部HDの面上に貼り付けられることで、ユニモルフ部(アクチュエータ)YMが形成される。詳説すると、圧電素子PEにおける一方の電極(第1電極)EE1と、保持部HDの一面とが貼り合うことで、ユニモルフ部YM(YMa〜YMd)が形成される。
特に、圧電素子PEa・PEbは、主軸部MA(第1主軸部MA1)を挟持するようにして、保持部HDに貼られ、圧電素子PEc・PEdも主軸部MA(第2主軸部MA2)を挟持するようにして、保持部HDに貼られる。そのため、圧電素子PEa・PEbおよび圧電素子PEc・PEdにおける圧電体PB(PBa〜PBd)の伸縮変形に応じて、保持部HDも変形(撓み変形/曲げ変形)する。光スキャナLSでは、この保持部HDの変形を利用して、ミラー部MRが主軸部MA(主軸方向)を基準に正逆回転方向に傾く(揺動可能となる)。なお、詳細については後述する。
トーションバーTB1は、保持部HDの変形(撓み変形等)をねじれ変形(回転トルク)に変化させて主軸部MAに伝達させる部材である(図2の点線部分を参照)。かかるトーションバーTB1は、保持部HDに形成される。
一例を挙げると、図2に示すように、第1開孔H1・第2開孔H2の進出部分H1a・H2aからX方向に延びる第1スリットST1・ST1と、この第1スリットST1・ST1と同方向(X方向)に延びるとともにY方向に沿って並列する第2スリットST2・ST2との間に位置する基体BSの一部分(要は、保持部HD上のスリットST以外の部分における一部)がトーションバーTB1となる。
また、第3開孔H3につながっている第3スリットST3、詳説すると、X方向に延びるとともにそのX方向に沿って第1スリットST1と並ぶ第3スリットST3と、第2スリットST2との間に位置する基体BSの一部分がトーションバーTB1となる。
なお、スリットSTによって生じるトーションバーTB1が保持部HDに存在するということは、保持部HD内に間隙が生じることになる。そのため、この間隙の存在によって、保持部HDの強度が低下する。そのため、かかる保持部HDは撓みやすくなる。
また、特に、これらのトーションバーは、保持部HDの延び方向(Y方向)に対して交差する方向(例えばX方向)に延びている。このようになっていると、保持部HDが撓んだ場合に、トーションバーTB1がねじれやすいためである。
なお、第1スリットST1・ST1同士の間に位置する基体BSの一部分BS1は主軸部MAにつながり、第3スリットST3・ST3同士の間に位置する基体BSの一部分BS3は、主軸部MAの主軸方向に沿って並ぶ。そこで、これら両部分BS1・BS3と、両部分BS1・BS3の間に位置する基体BSの一部分BSMとを含めて主軸部MAと称してもよい。また、部分BSMと第2スリットST2との間に位置する基体BSの一部分は、トーションバーTB1と主軸部MAとをつなげている。そこで、この部分を結合部CBと称する。
ここで、以上の光スキャナLSにおけるミラー部MRの偏向動作について、図3Aおよび図3Bを用いながら説明する。図3Aおよび図3Bは、図1におけるA−A’線矢視断面図である。
図1の光スキャナLSは、主軸部MA(主軸方向)を基準にミラー部MRを回動させる。そこで、主軸方向周りの一方向{X(+)からX(−)に向いて時計回りの回転}を正回転、正回転に対して逆方向の回転(反時計回りの回転)を逆回転とし、図3Aに正回転する主軸部MAを示し、図3Bに逆回転する主軸部MAを示す(正回転方向をP、逆回転方向をRで図示)。
また、X方向およびY方向に対して垂直な方向をZ方向(撓み方向)として図示し、便宜上、光を受光するミラー部MRの側をZ方向のプラス{Z(+)}、この+方向に対する逆方向をZ方向のマイナス{Z(−)}とする)。さらに、X軸とY軸との交点からZ方向に伸びる方向をZ軸と称する。
なお、以降では、2つ有る保持部HD(第1保持部HD1・第2保持部HD2)の一方のみについて説明するが、この一方の第1保持部HD1がミラー部MRを正回転または逆回転させようとしている場合、残りの第2保持部HD2も同じようにミラー部MRを正回転または逆回転させている。
図3Aおよび図3Bに示すように、圧電素子PE(PEa・PEb)には、第1電極EE1a・EE1bと、この第1電極EE1a・EE1bに圧電体PBa・PBbを介して対向する第2電極EE2a・EE2bとが含まれる。そして、この第1電極EE1aおよび第2電極EE2a(第1電極EE1b・第2電極EE2b)との間に、分極反転を起こさせない範囲で±の電圧(交流電圧)が印加されることで圧電体PBa・PBbが伸縮し、その伸縮に応じてユニモルフ部YMa・YMbが撓む。
具体的には、ミラー部MRが正回転する場合、図3Aに示すように、圧電体PBaを伸ばす電圧が印加されるとともに、圧電体PBbを縮ませる電圧(圧電体PBaに印加される電圧とは逆位相の電圧)が印加される。
このような電圧が印加されると、圧電体PBaが伸びることで第1電極EE1aに貼り付けられた第1保持部HD1の部分(保持片HD1a)が、Z(+)側を凸に撓む。その結果、保持片HD1aの主軸部MA側はZ(−)に垂れ下がる。一方、圧電体PBbが縮むことで第1電極EE1bに貼り付けられた第1保持部HD1の部分(保持片HD1b)が、Z(−)側を凸に撓む。その結果、保持片HD1bの主軸部MA側はZ(+)に跳ね上がる。
このような保持片HD1a・HD1bの撓みが生じると、トーションバーTB1(TB1a)を介して主軸部MAのY(+)側が押し下げられるとともに、トーションバーTB1(TB1b)を介して主軸部MAのY(−)側が押し上げられ、主軸部MAが正回転する。かかる場合、トーションバーTB1a・TB1bは、軸方向(バー軸方向)を基準に簡単にねじれる。そのため、トーションバーの無い光スキャナに比べて、トーションバーTB1を有する光スキャナLSは、ミラー部MRを大きく回動させられる。
逆に、ミラー部MRが逆回転する場合、図3Bに示すように、圧電体PBaを縮ませる電圧が印加されるとともに、圧電体PBbを伸ばす電圧が印加される。
このような電圧が印加されると、圧電体PBaが縮むことで第1電極EE1aに貼り付けられた保持片HD1aが、Z(−)側を凸に撓む。その結果、保持片HD1aの主軸部MA側はZ(+)に跳ね上がる。一方、圧電体PBbが伸びることで第1電極EE1bに貼り付けられた保持片HD1bが、Z(+)側を凸に撓む。その結果、保持片HD1bの主軸部MA側はZ(−)に垂れ下がる。
このような保持片HD1a・HD1bの撓みが生じると、トーションバーTB1(TB1a)を介して主軸部MAのY(+)側が押し上げられるとともに、トーションバーTB1(TB1b)を介して主軸部MAのY(−)側が押し下げられ{主軸部MAのY(+)側・Y(−)側が正回転の場合と逆に移動することで}、主軸部MAが逆回転する。
以上のように、ミラー部MRの回動(正回転・逆回転)には、主軸部MAを回動させやすいトーションバーTB1のねじれ変形と、保持片HD1a・HD1b(すなわち保持部HD)の撓みとが利用される。そのため、このような主軸部MAの回動量(正回転の回転角θまたは逆回転の回転角θ)は、保持部HDの撓みのみで主軸部MAを回動させる場合の回動量に比べて大きくなる(別表現すると、主軸部MAの回動量が効率よく確保できる)。
また、スリットST(ST1・ST2・ST3)によって形成されたトーションバーTB1(TB1a・TB1b)は主軸部MAに比較的近くに形成できる。このようになっていれば、保持部HDの一定の撓み量であっても、主軸部MAに比較的近い場合のトーションバーTB1のほうが、主軸部MAに対して比較的離れているトーションバーTB1に比べて回転角を大きくできる。
つまり、トーションバーTB1の存在、およびトーションバーTB1が主軸部MAに比較的近くに位置することに起因して、ミラー部MRは主軸部MAを基準に比較的大きく回動し、回転角θ(偏向角θ)を大きくできる。別表現すると、ユニモルフ部YMの撓み変形が比較的小さくても、トーションバーTB1の存在およびトーションバーTB1が主軸部MAに比較的近くに位置することに起因して、ミラー部MRが比較的大きく偏向する。
なお、回転角θとは、ユニモルフ部YMの影響を受けることなく不動状態にあるミラー部MRと、変動するミラー部MRとの間に生じる角度のことである。
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1では、主軸方向(X軸)を基準に回動するミラー部MR(1次元ミラー)を有する光スキャナLSを例に挙げて説明してきた。しかし、これに限定されるものではなく、X軸およびY軸を基準に回動するミラー部MR(2次元ミラー)を有する光スキャナLSであってもよい。そこで、実施の形態2では、2次元ミラーを有する光スキャナLSを図4を用いて説明する。
図4は光スキャナLSの平面を示している。この図4に示すように、2次元ミラーを有する光スキャナLSと図1の1次元ミラーを有する光スキャナLSとでは、ミラー部MRが異なり、保持部HD等は同じである。そこで、ミラー部MRを主として説明する。なお、ミラー部MRに含まれる部材は、実施の形態1同様に、基体BSとなる変形可能なシリコン基板等をエッチングすることにより形成される。
ミラー部MRは、可動枠11、ミラー片12、およびミラー片トーションバー(副軸部)13を含んでいる。
可動枠11は、ミラー片12を囲む部材である。詳説すると、可動枠11は、枠内にミラー片12を位置させつつ、ミラー片12から挟持するように延びるミラー片トーションバー13(13a・13b)につながっている。また、可動枠11は、主軸部MA(MA1・MA2)によって支えられる。そのため、この可動枠11は、実施の形態1同様に、保持部HDの変形を利用して主軸部MAを基準に正逆回転可能となっている。
ミラー片12は、可動枠11において並列する開孔H(第5開孔H5・第6開孔H6)によって生じる島状部分(第5開孔H5・第6開孔H6同士の間に位置する残部)に、アルミニウム等の金属を反射膜として貼り付けることで形成される。つまり、ミラー片12は、光を反射させる片材である。
ミラー片トーションバー13(13a・13b)は、ミラー片12の外縁において対向する一端と他端とから外側に延びることで、そのミラー片12を挟持しつつ揺動可能に支える部材である。かかるミラー片トーションバー13は、ミラー片12に接する第5開孔H5・第6開孔H6における隅から進出する部分(直線状のスリット部分SP)で、Y方向に延びる基体BSの一部分を棒状にさせることで形成される。
ここで、以上の光スキャナLSにおけるミラー部MRの偏向動作について、図3A・図3B、および図5A〜図5Dを用いて説明する。ここで、図3A・図3Bを流用するのは、図4のB−B’線矢視断面図と図1のA−A’線矢視断面図とで示される部材が一致し、かつ主軸部MAの回動状態も一致するためである。また、図5A・図5Cは図4のB−B’線矢視断面図を示し、図5B・図5Dは図4のC−C’線矢視断面図を示している。
まず、主軸部MAの主軸方向を基準とする回動動作について図3Aおよび図3Bを用いて説明する。この説明では、第1保持部HD1および第2保持部HD2のうち、一方のみについて説明するが、この一方の第1保持部HD1が、可動枠11を正回転または逆回転させることでミラー片12を正回転または逆回転させようとしている場合、残りの第2保持部HD2も同じように可動枠11を正回転または逆回転させている。
ミラー部MRが主軸方向を基準に正回転するとは、可動枠11が主軸部MAを基準に正回転し、その正回転によってミラー片12がX軸を基準に正回転することである。このためには、図3Aに示すように、圧電体PBaを伸ばす電圧が印加されるとともに、圧電素体PBbを縮ませる電圧が印加される。
このような電圧が印加されると、実施の形態1同様に、トーションバーTB1(TB1a)を介して主軸部MAのY(+)側が押し下げられるとともに、トーションバーTB1(TB1b)を介して主軸部MAのY(−)側が押し上げられ、主軸部MAが正回転する。かかる場合、トーションバーTB1a・TB1bは、軸方向(バー軸方向)を基準に簡単にねじれる。そのため、トーションバーの無い光スキャナに比べて、トーションバーTB1を有する光スキャナLSは、ミラー部MRを大きく回動させられる。
逆に、ミラー部MRが主軸方向を基準に逆回転するとは、可動枠11が主軸部MAを基準に逆回転し、その逆回転によってミラー片12がX軸を基準に逆回転することである。このためには、図3Bに示すように、圧電体PBaを縮ませる電圧が印加されるとともに、圧電体PBbを伸ばす電圧が印加される。
このような電圧が印加されると、実施の形態1同様に、トーションバーTB1(TB1a)を介して主軸部MAのY(+)側が押し上げられるとともに、トーションバーTB1(TB1b)を介して主軸部MAのY(−)側が押し下げられ{主軸部MAのY(+)側・Y(−)側が正回転の場合と逆に移動することで}、主軸部MAが逆回転する。
以上のような主軸部MAの主軸方向を基準とする回動動作の原理は、実施の形態1で説明した1次元ミラーを有する光スキャナLSと同様である。そのため、2次元ミラーを有する光スキャナLSであっても、実施の形態1で説明した作用効果が奏ずる。
続いて、Y軸を基準とする回動動作について図5A〜図5Dを用いて説明する。なお、図5Aおよび図5BはY方向を基準とする正回転の動作を示す一方、図5Cおよび図5DはY方向を基準とする逆回転の動作を示す。また、Y軸を基準とする正回転とは、Y(+)からY(−)に向いて時計回りの回転であり、逆回転は正回転に対して逆方向となる回転のことである(正回転方向をP、逆回転方向をRで図示)。
ミラー部MRがY方向を基準に正回転する場合、図5Aに示すように、第1保持部HD1の圧電体PBa・PBbを伸ばす電圧が印加される。このような電圧が印加されると、伸長する圧電体PBa・PBbによって、第1電極EE1a・EE1bに貼り付けられた保持片HD1a・HD1bが、Z(+)側を凸に撓む。その結果、保持片HD1a・HD1bの第1主軸部MA1側はZ(−)に垂れ下がり、第1主軸部MA1もZ(−)に向かって変位する。
一方で、図5Bに示すように、第2保持部HD2(第2保持片HD2c・HD2d)の圧電体PBc・PBdを縮ませる電圧が印加される。このような電圧が印加されると、収縮する電体PBc・PBdによって、第1電極EE1c・EE1dに貼り付けられた保持片HD2c・HD2dが、Z(−)側を凸に撓む。その結果、保持片HD2c・HD2dの第2主軸部MA2側はZ(+)に跳ね上がり、第2主軸部MA2もZ(+)に向かって変位する。
かかるように、第1保持部HD1が第1主軸部MA1をZ(−)に向かって変位させ、第2保持部HD2が第2主軸部MA2をZ(+)に向かって変位させると、第1主軸部MA1および第2主軸部MA2によって挟持されている可動枠11は傾く。このように可動枠11が傾くと、この可動枠11に備わっているミラー片12も傾く。そして、この傾きはY軸からほぼ等間隔で乖離している第1主軸部MA1および第2主軸部MA2の変位で生じる傾きである。そのため、Y軸を基準にして考えると、ミラー片12はこのY軸を基準にして正回転することになる。
次に、ミラー部MRがY方向を基準に逆回転する場合、図5Cに示すように、第1保持部HD1の圧電体PBa・PBbを縮ませる電圧が印加される。このような電圧が印加されると、収縮する圧電体PBa・PBbによって、保持片HD1a・HD1bが、Z(−)に突き出るように撓む。その結果、保持片HD1a・HD1bの第1主軸部MA1側はZ(+)に跳ね上がり、第1主軸部MA1もZ(+)に向かって変位する。
一方で、図5Dに示すように、第2保持部HD2の圧電体PBc・PBdを伸ばす電圧が印加される。このような電圧が印加されると、伸長する圧電体PBc・PBdによって、保持片HD2c・HD2dが、Z(+)側を凸に撓む。その結果、保持片HD2c・HD2dの第2主軸部M2側はZ(−)に垂れ下がり、第2主軸部MA2もZ(−)に向かって変位する。
かかるように、第1保持部HD1が第1主軸部MA1をZ(+)に向かって変位させ、第2保持部HD2が第2主軸部MA2をZ(−)に向かって変位させると、正回転同様に、ミラー片12が傾き、ひいては、ミラー片12はこのY軸を基準にして逆回転することになる。
ただし、以上のような、Y軸を基準とするミラー片12の正逆回転の回転角θ(偏向角θ)は、比較的小さい。しかしながら、可動枠11が傾くと、その傾きに追随して、Y軸(Y軸方向)に沿って延びているミラー片トーションバー13が回転しようとする。
そこで、2次元ミラーを有する光スキャナLSでは、可動枠11を傾かせるために用いる圧電素子PE(PEa〜PEd)への印加電圧の周波数が、ミラー片トーションバー13(Y軸方向)を基準とするミラー片12の回転振動の共振周波数近傍の周波数となっている。このようになっていると、可動枠11の傾き量が比較的小さかったとしても、ミラー片12が圧電素子PEに印加される電圧の周波数によって共振し、比較的大きく回動するためである。
なお、実際に圧電素子PEへの印加される電圧の信号は、X方向を基準にミラー部MRを回動させる信号とY方向を基準にミラー部MRを回動させる信号とを合成したものである。
[実施の形態3]
実施の形態3について説明する。なお、実施の形態1・2で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。この実施の形態3では、保持部HDに形成されるトーションバーTB1について詳説する。
まず、トーションバーTB1に生じるねじれ以外の変位について、図6を用いて説明する。なお、図6は、トーションバーTB1を有する第1保持部HD1の平面図と、その平面図におけるD−D’線矢視断面図とを示しており、ミラー部MRが正回転する場合を示している。
ミラー部MRが正回転する場合、保持片HD1aの主軸部MA側はZ(−)に垂れ下がる(図3A参照)。このように保持片HD1aの主軸部MA側が垂れ下がると、X方向において結合部CBから乖離したトーションバーTB1の一端付近における保持片HD1aの一部分に、負荷がかかる(斜線楕円参照)。
この負荷は、Z(−)に向く力(斜線矢印参照)であるので、負荷のかかる一部分はZ(−)に変位する。すると、負荷のかかる一部分とつながるトーションバーの一端も、Z(−)に変位してしまい、トーションバーTB1全体として、断面図に示すような曲がりが生じる。すなわち、トーションバーTB1の一端がZ方向に向かって変位し、結合部CBにつながるトーションバーTB1の他端は変位しないことで、かかるトーションバーTB1が曲がる。
このような曲がりは、ユニモルフ部YBの変位を吸収してしまうので、その変位によって設定上の回転角θを確保するミラー部MRにとっては望ましくない。そのために、トーションバーTB1の曲がりを極力防止できることが望ましいことになる。
そこで、光スキャナLSでは、トーションバーの厚み方向における長さ(厚みT)が、トーションバーの幅方向における長さ(幅W1)よりも長くなっている。このようになっていると、トーションバーTB1の一端にかかるZ方向の負荷が、比較的に厚いトーションバーTB1の厚みにかかることになり、トーションバーTB1が曲がりにくくなる。そのため、かかるような光スキャナLSであれば、トーションバーTB1の曲がりに起因して、ミラー部MRの回転角θが減少しない。
なお、トーションバーTB1の厚み方向は、基体BSの厚み方向と同方向である。詳説すると、トーションバーTB1の厚み方向は、主軸部MAの主軸方向(X軸方向)に対して垂直方向でかつ第1保持部HD1の延び方向に対して垂直方向(Z方向)になっている。一方、トーションバーTB1の幅方向は、主軸部MAの主軸方向に対して垂直方向でかつ第1保持部HD1の延び方向(Y方向)と同方向になっている。
また、トーションバーの厚みTをトーションバーの幅W1よりも長くすることは、シリコン基板等から成る基体BSをエッチングするだけで容易に実現できる。なぜなら、基体BSの厚み(トーションバーTB1の厚みと同義)が数10〜100μmであれば、10μm以下の幅(スリット幅)を有するスリットSTを極めて近づけて形成できるためである{なお、アスペクト比(スリットの幅:基体BSの厚み)を20程度に確保することは比較的容易といえる}。
その上、スリットSTは基体BSを貫通している。そのため、エッチングで貫通しない溝等を形成することでトーションバーTB1を形成する場合に比べて、スリットST同士の間部分から成るトーションバーTB1の形成は容易といえる。
次に、トーションバーTB1の個数や配置について説明する。トーションバーTB1は、保持部HD上において、エッチングによって形成されるスリットST以外の基体BSの一部分(例えば、基体BS上のスリットST同士の間部分)であるので、種々の個数や配置が容易にできる。
例えば、図7Aに示すように、主軸部MAを挟持するようにトーションバーTB1・TB1が位置してもよい。すなわち、X方向において1個のトーションバーTB1が各保持片HD1a・HD1bにあればよい。このように各保持片HD1a・HD1bに1個のトーションバーTB1が配置されているだけであっても、十分に保持部HDの撓み変形をねじれ変形に変化させることができるためである。
なお、通常、保持部HDが撓むと、その保持部HDには、主軸方向に対して交差する方向(Y方向等)を基準とする不要な回転振動Nが生じる(図7A参照)。そして、この回転振動Nは、トーションバーTB1のねじれ変形を吸収したり、共振振動しトーションバーTB1に異常な応力を与えたりする。すなわち、回転振動Nは、トーションバーTB1のねじれ変形の障害になる。そこで、この回転振動Nが極力生じないようにすることが望ましい。
すると、図7Bおよび図7Cのように、トーションバーTB1が、主軸部MAの主軸方向に沿って複数並んでいると望ましい。詳説すると、保持片HD1a・HD1b毎に、2個のトーションバーTB1がX方向において並列するとよいし(図7B参照)、保持片HD1a・HD1b毎に、4個のトーションバーTB1がX方向において並列するとよい(図7C参照)。
このようにトーションバーTB1が主軸部MAの主軸方向に沿って複数並んでいる場合、回転振動Nは、各トーションバーTB1に分散吸収される。そのため、かかる場合、トーションバーTB1が単数しかない場合に比べて、回転振動Nが抑制される。
また、複数のトーションバーTB1が主軸部MAの主軸方向に対して垂直(すなわちY方向)に並列してもよい。例えば、図8Aおよび図8Bに示すように、X方向に沿って並列しかつ主軸部MAに最も近いトーションバーTB1毎から、Y方向に沿いかつ主軸部MAから離れるように、別のトーションバーTB1が配置しているとよい(要は、各保持片HD1a・HD1bにおけるトーションバーTB1が、X方向およびY方向に並列し、マトリックス配置になっているとよい)。
このようになっていると、トーションバーTB1にかかる過剰な負担(過剰なねじれ量)の低減が図れる。例えば、図8Aの保持部HDがミラー部MRをある回転角θで回転させる場合と、図7Bの保持部HDがミラー部MRを同じ回転角θで回転させる場合とを比較すると、前者でのトーションバーTB1のねじれ量は、後者でのトーションバーTB1のねじれ量に比べて少なくなる。
これは、ミラー部MRをある回転角θまで回転させる場合に要する負荷が、複数のトーションバーTB1に分散するためである。すなわち、Y方向に沿う保持部HDの撓み変形(負荷)が、Y方向に沿って並列する複数のトーションバーTB1に分散して伝達されるためである。そして、このようにトーションバーTB1が分散された負荷によって比較的少量しかねじれない場合、そのトーションバーTB1の耐久性は向上することになる。
また、負荷が複数のトーションバーTB1に分散されるということは、いいかえると、比較的小さな負荷もトーションバーTB1に伝達されやすいともいえる。そのため、Y方向に複数並列したトーションバーTB1を備える光スキャナLSは、保持部HDの撓み力が小さい場合であっても、ミラー部MRを回動させることができる。
ところで、以上のように複数のトーションバーTB1がY方向に沿って並列している場合、トーションバーTB1にかかるモーメントは、主軸部MAに近い場合と遠い場合とで異なる。具体的には、主軸部MAから離れるほど、トーションバーTB1に大きなモーメントがかかる。そして、モーメントが大きいほど、トーションバーTB1のねじれ量も大きくなる。
そこで、Y方向に沿って複数並んでいる各トーションバーTB1では、各々長さ(各全長)が異なるようになっている。詳説すると、各トーションバーTB1の全長は、主軸部MAから離れるにつれて短くなっている。
このようになっていると、主軸部MAから離れたトーションバーTB1ほど、剛性(ねじれ剛性)が大きくなる。そのため、比較的大きい剛性を有するトーションバーTB1は、主軸部MAから離れることで増加したモーメントによって破損しない。また、剛性の比較的大きなトーションバーTB1には大きなモーメントがかかる一方、剛性の比較的小さなトーションバーTB1には小さなモーメントしかかからない(つまり、剛性の大きさとモーメントの大きさとがほぼ比例する)。そのため、各トーションバーTB1のねじれ量(ねじれ角)の調和が図れる(ねじれ角の配分調整が図れる)。
なお、剛性の大きさとモーメントの大きさとをほぼ比例させた方策は、各トーションバーTB1の長さを変えることだけに限定されるものではない。例えば、各トーションバーTB1における幅方向の長さ(幅W1;図6参照)が異なっていてもよい。詳説すると、各トーションバーTB1の全長はおなじであっても、各トーションバーTB1の幅方向の長さが、主軸部MAから離れるにつれて長くなっていてもよい。
このようになっていると、剛性の大きさとモーメントの大きさとがほぼ比例する。したがって、このような光スキャナLSであっても、トーションバーTB1の破損を防止しつつ、各トーションバーTB1のねじれ量の調和を図れる。
なお、各トーションバーTB1における幅方向の長さと各トーションバーの全長との双方が適宜異なるようにすることで、剛性の大きさとモーメントの大きさとをほぼ比例させた方策であってもよい。
[実施の形態4]
実施の形態4について説明する。なお、実施の形態1〜3で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その説明を省略する。
この実施の形態では、トーションバーTBを有するミラー部を備える光スキャナLSについて、図9〜図12を用いて説明する。なお、図9は平面図である。また、図10は図9のミラー部MRの拡大図であり、図11Aおよび図11Bは図10のE−E’矢視断面図である。さらに、図12は図9の破線部分の拡大図である。
図9の光スキャナLSは、2次元動作可能なミラー部MRを含んでいる。そして、このミラー部MRは、図4の光スキャナLSにおけるミラー部MR同様に、光を反射させるミラー片(変動片)12と、ミラー片12を揺動可能に支持するミラー片トーションバー13と、ミラー片トーションバー13につながりつつミラー片12を囲んでいる可動枠11と、を含み、さらに、可動枠11を介して主軸部MAにつながっている。
その上、このミラー部MRは、ミラー片トーションバー13とは別のトーションバーTBを有している(便宜上、第2トーションバーTB2と称す場合がある)。このトーションバーTB2は、主軸方向と交差する方向(直交方向等)に延びるスリット(第4スリットST4)を、主軸部MAにつながる可動枠11の端に設けることで形成される。
詳説すると、第1トーションバーTB1に対して直交する方向(例えばY方向)に延びた第4スリットST4と第1開孔H1・第2開孔H2との間に位置する基体BSの残部によって、第2トーションバーTB2は形成される(図12参照)。すなわち、第2トーションバーTB2が、可動枠11に設けられているスリット以外の部分から成っている。
なお、第4スリットST4により形成されるトーションバーTB2が可動枠11に存在するということは、可動枠11内に間隙が生じるので、その可動枠11の強度が低下する。そのため、トーションバーTB2を基準にして可動枠11が傾きやすくなる。
ここで、トーションバーTB2を備える光スキャナLSでのミラー部MRの偏向動作について説明する。なお、主軸部MA(X軸)を基準にミラー部MRを回動させる動作は、実施の形態2で既述しているので省略し、Y軸を基準とするミラー部MRの回動動作、特にトーションバーTB2に生じるねじれ変形について説明する。
ミラー部MRがY方向を基準に正回転する場合、第1保持部HD1の圧電体PBa・PBbを伸ばす電圧が印加され、その第1保持部HDaにおける保持片HD1a・HD1bの第1主軸部MA1側がZ(−)に垂れ下がり、第1主軸部MA1もZ(−)に向かって変位する。一方で、第2保持部HD2の圧電体PBc・PBdを縮ませる電圧が印加され、その第2保持部HDにおける保持片HD2c・HD2dの第2主軸部MA2側がZ(+)に跳ね上がり、第2主軸部MA2もZ(+)に向かって変位する。
かかるように、第1保持部HD1の第1主軸部MA1がZ(−)に向かって変位し、第2保持部HD2の第2主軸部MA2がZ(+)に向かって変位すると、第1主軸部MA1と第2主軸部MA2とによって挟持されている可動枠11は、図11Aに示すように傾く。
ところで、トーションバーTB2が無い場合、主軸部MAは可動枠11と一体になって、Y軸回りで傾かなくてはならない。つまり、トーションバーTB1および保持部HDにもY軸回りのねじれが必要になってくる。しかし、ミラー部MRから離れているトーションバーTB1の一部分にはZ方向に沿う大きな変位および応力がかかりやすく、それに起因してトーションバーTB1が破損するおそれもある。
トーションバーTB2(TB2a・TB2b)は、このような破損を防止するために、トーションバーTB1等にY軸回りのねじれを過剰に生じさせないようにしている。すなわち、トーションバーTB2は、主軸部MA(MA1・MA2)と可動枠11との間を曲がりやすくすることで、トーションバーTB1および保持部HDにねじれを生じさせないようにしている。そして、このように主軸部MA1・MA2と可動枠11との間が曲がりやすくなることで、主軸部MA1・MA2はZ方向に沿って相反して移動し、この移動によって、可動枠11は回転する。その結果、トーションバーTB1等が破損することなく、可動枠11ひいてはミラー部MRが効率よく回動することになる。
なお、ミラー部MRがY方向を基準に逆回転する場合は、ミラー部MRがY方向を基準に正回転する場合と同様に説明が可能であるので省略する。
また、トーションバーTB2は、主軸方向に対して交差する方向(例えばY方向)に延びている。このようになっていると、X軸方向に沿ってトーションバーTB2を挟持するように位置する第1主軸部MA1および第2主軸部MA2とが変位した場合に、トーションバーTB2がねじれやすいためである。
また、図13に示すように、トーションバーTB2における厚み方向の長さが、トーションバーTB2における幅方向の長さよりも長いとよい。その理由を図13を用いて説明する。なお、図13は、図12の可動枠11および第1主軸部MA1の拡大図と、その平面図におけるF−F’線矢視断面図とを示しており、ミラー部MRが正回転する場合を示している。
可動枠11(ひいてはミラー部MR)がY軸を基準に正回転する場合、第1主軸部MA1はZ(−)に垂れ下がる。このように第1主軸部MA1が垂れ下がると、第1主軸部MA1と可動枠11の繋ぎ目付近に、負荷がかかる(斜線楕円参照)。
この負荷は、Z(−)に向く力(斜線矢印参照)であるので、負荷のかかる一部分はZ(−)に変位する。すると、負荷のかかる一部分とつながるトーションバーTB2の一端も、Z(−)に変位してしまい、トーションバーTB2全体として、断面図に示すような曲がりが生じる。すなわち、トーションバーTB2の一端がZ方向に向かって変位し、可動枠11につながるトーションバーTB2の他端は変位しないことで、かかるトーションバーTB2が曲がる。
このような曲がりは、トーションバーTB2のねじれ変形に寄与しないため望ましくない。しかしながら、トーションバーTB2における厚み方向の長さ(厚みT)が、トーションバーTB2における幅方向の長さ(幅W2)よりも長いと、第1主軸部MA1の変位に起因する負荷の影響を低減させられるので、トーションバーTB2のねじれ変形が十分に確保できる。
なお、トーションバーTB2の厚み方向は、基体BSの厚み方向と同方向である。詳説すると、トーションバーTB2の厚み方向は、トーションバーTB2の延び方向(Y方向)と主軸部MAの主軸方向(X軸方向)とに対して垂直方向(Z方向)である。一方、トーションバーTB2の幅方向は、主軸部MAの主軸方向と同方向である。
また、以上のようなトーションバーTB2の個数は特に限定されない。すなわち、図12に示すように、トーションバーTB2が、X方向に対して交差するY方向に沿って2個形成される場合に限定されず、単数または3個以上形成されていてもよい。
このようになっていると、Y軸を基準とするミラー部MRを回動させようとする場合にもかかわらず、X軸を基準とする不要な回転振動Nが生じたとしても、かかる回転振動N(図12参照)は、各トーションバーTB2に分散吸収されるためである。
また、図14Aおよび図14Bに示すように、可動枠11内に、Y方向に延びる第4スリットST4がX方向に並列することで、より多数のトーションバーTB2が形成されてもよい。すなわち、トーションバーTB2が、主軸部MAの軸方向に沿って複数並んでいてもよい。なお、図14Aは同形状の第4スリットST4がX方向に並列している可動枠11を示し、図14Bは、形状の異なる第4スリットST4が並列している可動枠11を示している。
このようになっていると、主軸部MAの変位に基づくエネルギー(負荷)が、主軸方向に沿って並列する複数のトーションバーTB2に分散して伝達される。そのため、各トーションバーTB2のねじれ量が少なくてすむ。
また、負荷が複数のトーションバーTB2に分散されるということは、いいかえると、比較的小さな負荷もトーションバーTB2に伝達されやすいことになるので、主軸方向に複数並列したトーションバーTB2を備える光スキャナLSは、主軸部MAの変位量が小さい場合であっても、ミラー部MRを回動させることができる。
なお、実施の形態4では、保持部HDに形成されたトーションバーTB1と、ミラー部MRに形成されたトーションバーTB2とを備える光スキャナLSについて説明してきた。ただし、光スキャナLSは、これに限定されるものではない。
例えば、保持部HDにのみトーションバーTB1が形成されている光スキャナLS(図1および図4参照)、保持部HDおよびミラー部MRの両方にトーションバーTB1・TB2が形成されている光スキャナLS(図9参照)、ミラー部MRのみにトーションバーTB2が形成されている光スキャナLS、のいずれであってもよい。
要は、保持部HDおよびミラー部MRの少なくとも一方に、トーションバーTBが形成されていればよい。なぜなら、トーションバーTBが存在するだけで、そのトーションバーに生じるねじれ変形を用いて、ミラー部MRが揺動可能になるためである。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、圧電素子PEの形状やサイズ(面積)は特に限定されない。例えば、図1および図4に示すように、矩形状の圧電素子であってもよいし、図9に示すように、台形状の圧電素子PEであってもよい。
また、圧電素子PEのサイズは、保持部HDの一面内に包含される程度の面積であってもよいし(保持部HDの面積よりも小さい面積;図1および図4参照)、保持部HDの一面よりも大きな面積であってもよい(図9参照)。ただし、圧電素子PEのサイズが大きいほど、保持部HDを撓ませる力は大きくなるので望ましいといえる。
また、保持部HDを変形させる部材(駆動部)は、圧電素子PEに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、電磁コイル31と永久磁石32とから成る電磁ユニット33が駆動部であってもよい。このような電磁ユニット33は、保持部HDの一面(表面)に電磁コイル31を位置させるとともに、保持部HDの裏側に(保持部HDの裏面から乖離して)永久磁石32を位置させ、電磁コイル31と永久磁石32とによって生じる電磁力で、保持部HDを撓ませる。
また、2個の電極から成る静電ユニットが駆動部であってもよい。このような静電ユニットは、保持部HDの裏面に一方の電極を位置させるとともに、保持部HDの裏面から乖離して(保持部HDの裏側に)他方の電極を位置させ、両電極によって生じる静電力で、保持部HDを撓ませる。
なお、説明してきた光スキャナLSを搭載する光学機器は、種々想定される。例えば、プロジェクター(画像投影装置)、コピー機やプリンタ等の画像形成装置が一例として挙げられる。また、光スキャナ以外のマイクロスキャナとしては、ミラー部MRに代えてレンズ(屈曲光学系)が搭載されたものや、光源(発光素子)が搭載されたものが挙げられる。
は、1次元の光スキャナの平面図である。 は、図1の光スキャナの部分拡大図である。 は、図1のA−A’線矢視断面図であり、(A)は主軸方向を基準に正回転する状態を示し、(B)は主軸方向を基準に逆回転する状態を示している。 は、2次元の光スキャナの平面図である。 では、(A)・(C)は図4のB−B’線矢視断面図を示し、(B)・(D)は図4のC−C’線矢視断面図を示しており、(A)・(B)はY方向を基準とする正回転の動作を示す一方、(C)・(D)はY方向を基準とする逆回転の動作を示している。 は、第1トーションバーを有する第1保持部の平面図と、その平面図におけるD−D’線矢視断面図とを示している。 では、(A)はX方向において1個のトーションバーが位置する保持部を示す平面図であり、(B)はX方向において2個のトーションバーが位置する保持部を示す平面図であり、(C)はX方向において4個のトーションバーが位置する保持部を示す平面図である。 は、トーションバーが、X方向およびY方向に並列し、マトリックス配置になっている保持部を示す平面図であり、(A)は各トーションバーの全長が同一である保持部を示し、(B)は各トーションバーの全長が異なる保持部を示している。 は、図4とは異なる2次元の光スキャナの平面図である。 は、図9のミラー部の拡大図である。 は、図10のE−E’矢視断面図であり、(A)はY方向を基準とする正回転の動作を示す一方、(B)はY方向を基準とする逆回転の動作を示している。 は、図9の保持部の部分拡大図である。 は、第2トーションバーを有する可動枠の平面図と、その平面図におけるF−F’線矢視断面図とを示している。 では、(A)は同形状のスリットがX方向に並列している可動枠を示す平面図であり、(B)は、形状の異なるスリットがX方向に並列している可動枠を示す平面図である。 は、電磁方式を採用した光スキャナの平面図である。 は、従来の光スキャナの斜視図である。 は、図16とは異なる従来の光スキャナの平面図である。 は、図17のa−a’線矢視断面図である。
符号の説明
MR ミラー部(変動部)
11 可動枠
12 ミラー片(変動片)
13 ミラー片トーションバー(副軸部)
MA 主軸部
MA1 第1主軸部
MA2 第2主軸部
HD 保持部
HD1 第1保持部
HD2 第2保持部
PE 圧電素子(駆動部)
TB トーションバー
TB1 第1トーションバー
TB2 第2トーションバー
ST スリット
ST1 第1スリット
ST2 第2スリット
ST3 第3スリット
ST4 第4スリット
LS 光スキャナ(マイクロスキャナ)

Claims (11)

  1. 変動部と、
    上記変動部を揺動可能に支持する主軸部と、
    上記主軸部に垂直な方向に延びる変形可能な保持部と、
    上記保持部に設けられ、上記保持部自身を撓み変形させる駆動部と、
    上記主軸部と上記駆動部との間の上記保持部に、上記保持部の延び方向に対して交差する方向に延設され、上記主軸部を保持するとともに上記保持部自身の撓み変形をねじれ変形に変化させて上記主軸部に伝達する第1トーションバーと、
    を含み、上記第1トーションバーに生じるねじれ変形を用いて上記変動部が揺動するマイクロスキャナにあって、
    上記第1トーションバーの厚み方向の長さが、上記第1トーションバーの幅方向の長さよりも長いマイクロスキャナ。
  2. 上記第1トーションバーは、上記保持部にスリットを形成することによって設けられており、マイクロスキャナ自身は一基板に形成されている請求項1に記載のマイクロスキャナ。
  3. 上記変動部は、金属膜を含むことで光を反射させるミラー部になっている請求項1または2に記載のマイクロスキャナ。
  4. 上記第1トーションバーは、上記保持部の延び方向に対して交差する方向に沿って複数並んでいる請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロスキャナ。
  5. 上記第1トーションバーは、上記保持部の延び方向に沿って複数並んでいる請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロスキャナ。
  6. 上記保持部の延び方向に沿って複数並んでいる上記各第1トーションバーでは、各第1トーションバーの全長が異なっている請求項5に記載のマイクロスキャナ。
  7. 上記各第1トーションバーの全長は、上記主軸部から離れるにつれて短くなっている請求項6に記載のマイクロスキャナ。
  8. 上記保持部の延び方向に沿って複数並んでいる上記各第1トーションバーでは、各第1トーションバーにおける幅方向の長さが異なっている請求項に記載のマイクロスキャナ。
  9. 上記各第1トーションバーの幅方向の長さは、上記主軸部から離れるにつれて長くなっている請求項8に記載のマイクロスキャナ。
  10. 上記変動部が、
    変動片と、上記変動片を揺動可能に支持する副軸部と、上記副軸部につながりつつ上記変動片を囲んでいる可動枠と、を含み、
    上記主軸部と上記可動枠との間に、上記可動枠を保持するとともに、上記保持部自身の撓み変形を上記主軸部を介して受けつつ、上記主軸部と直交する方向のねじれ変形に変化させて上記可動枠に伝達する第2トーションバーが設けられている請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロスキャナ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロスキャナを搭載する光学機器。
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