JP2019148678A - 光偏向器 - Google Patents

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清朗 大島
友崇 矢部
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友崇 矢部
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【課題】反射板の振角を大きくしつつ小型化することができる光偏向器を提供する。【解決手段】ベース部7の突出部51が、基端斜辺51と第1縁部52と第2縁部53とを有することで、基端斜辺51を固定端とするとともに、第1縁部52と第2縁部53との交点54を自由端として、突出部5A、5Bが反り変形する。従って、突出部5A、5Bは反射板2に近い交点54において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られるように反り変形し、駆動素子6A、6Bの面積を小さくしても反射板2の振角を大きくすることができる。即ち、光偏向器1Aを小型化しつつも、反射板2の振角を大きくすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、光偏向器に関する。
従来、光を走査するための光偏向器として、アーム部(ベース部)の自由端側にミラー部(反射板)が接続され、圧電素子(駆動素子)がアーム部に設けられることにより、ミラー部を回動させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された光偏向器では、アーム部の自由端側に、圧電素子を設けない受動領域を形成することにより、アーム部が反り変形した際に圧電素子が損傷することを抑制している。
特開2014−153703号公報
特許文献1に記載されたような駆動方式の光偏向器においては、駆動素子の面積を大きくして駆動素子による駆動力を向上させれば、梁状部の反り(先端の変位量)を大きくして反射板の振角を大きくすることができる。しかしながら、駆動素子の面積を大きくすると光偏向器全体も大型化してしまい、反射板の振角を大きくしつつ光偏向器を小型化することは困難であった。
したがって、本発明の課題は、反射板の振角を大きくしつつ小型化することができる光偏向器を提供することが一例として挙げられる。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の光偏向器は、反射板と、前記反射板の回動軸を定める一対の軸部と、前記一対の軸部を支持するベース部と、前記反射板を回動させる駆動素子と、を備え、前記ベース部は、前記反射板の周囲に配置される枠状部と、該枠状部から前記反射板に向かって突出するとともに前記駆動素子が配置される突出部と、を有し、前記突出部は、前記回動軸の方向において前記反射板から離れるにしたがって前記回動軸に近づくように延びる基端斜辺と、前記基端斜辺のうち前記回動軸に近い一端部から前記反射板に向かって延びる第1縁部と、他端部から前記回動軸に向かって延びる第2縁部と、を有することを特徴としている。
本発明の実施例に係る光偏向器を示す平面図である。 前記光偏向器において反射板が回動した様子を示す斜視図である。 比較例の光偏向器を示す平面図である。 前記光偏向器において反射板が回動した様子を示す斜視図である。 本発明の実施例に係る光偏向器のベース部を形成するためのウエハを示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る光偏向器は、反射板と、反射板の回動軸を定める一対の軸部と、一対の軸部を支持するベース部と、反射板を回動させる駆動素子と、を備える。ベース部は、反射板の周囲に配置される枠状部と、枠状部から反射板に向かって突出するとともに駆動素子が配置される突出部と、を有する。突出部は、回動軸の方向において反射板から離れるにしたがって回動軸に近づくように延びる基端斜辺と、基端斜辺のうち回動軸に近い一端部から反射板に向かって延びる第1縁部と、他端部から回動軸に向かって延びる第2縁部と、を有する。
ベース部の突出部では、第1縁部において基端斜辺側が固定端となるとともに反射板側が自由端となり、第2縁部において基端斜辺側が固定端となるとともに反射板側が自由端となる。従って、突出部は反射板に近い位置において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られるように反り変形し、駆動素子の面積を小さくしても反射板の振角を大きくすることができる。即ち、反射板の振角を大きくしつつ光偏向器を小型化することができる。
これに対し、回動軸の方向において反射板から離れた位置においてもベース部が反り変形しやすい構成においては、駆動素子の面積に対して得られる振角が小さい。例えば、ベース部の突出部が矩形状に形成され、軸部から回動軸に沿って延びる縁部(第1縁部に相当)の両端において突出部が同様に反り変形する構成においては、駆動素子の駆動力が、反射板の回動に寄与しにくい位置においても突出部の反り変形に利用される。従って、このような構成においては、装置の小型化と、反射板の振角を大きくすることと、の両立が困難である。
駆動素子は、基端斜辺と第1縁部と第2縁部とのそれぞれに沿った辺を有して三角形状に形成されていることが好ましい。これにより、突出部を、基端斜辺と対向する頂点において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られるように反り変形させやすい。
枠状部が六角形状に形成されていることが好ましい。これにより、円板状材料によって複数のベース部を形成する場合に、占積率を向上させることができる。このとき、枠状部は正六角形状であることがより好ましい。
第1縁部と第2縁部との交点において、軸部がベース部に接続されることが好ましい。突出部が反り変形する際、第1縁部と第2縁部との交点において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られやすい。このような交点において軸部がベース部に接続されることで、反射板の振角を大きくすることができる。
一対の軸部と一対の突出部と駆動素子とが駆動ユニットを構成し、回動軸との直交方向に並ぶように配置された2組の駆動ユニットを備えていてもよい。2組の駆動ユニットによって反射板を互いに反対向きに交互に回動させるようにすれば、反射板の合計の振角を大きくすることができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。光偏向器1Aは、図1に示すように、反射板2と、枠状部3と、2組の駆動ユニット10A、10Bと、を備える。光偏向器1Aは、例えば車両に搭載されて赤外線等の光を送受信することで他車両や設置物等との距離を検出する検出装置において、赤外線を走査するために用いられる。本実施例では、反射板2の回動軸O1、O2の軸方向をX方向とし、後述するように板状に形成されたベース部7の面内においてX方向と直交する方向をY方向とし、ベース部7の板厚方向をZ方向とする。
反射板2は、光を反射する反射面を片面に有し、矩形板状に形成されている。枠状部3は、外縁が正六角形の枠状に形成されたものであって、反射板2と2組の駆動ユニット10A、10Bとをその内側に収容する。即ち、枠状部3は反射板2の周囲に配置される。枠状部3は、Y方向の一方側(図1中上側)において、X方向に沿って延びる平行辺部31と、平行辺部31の両端に接続されてX方向に対して傾斜して延びる2つの傾斜辺部32、33と、を有し、Y方向の他方側において、X方向に沿って延びる平行辺部34と、平行辺部34の両端に接続されてX方向に対して傾斜して延びる2つの傾斜辺部35、36と、を有する。
駆動ユニット10Aは、一対の軸部4A、4Bと、一対の突出部5A、5Bと、一対の駆動素子6A、6Bと、を備える。駆動ユニット10Bも駆動ユニット10Aと同様の構成を有するとともに、ZX平面を対称面として駆動ユニット10Aと対称な形状を有しており、以下では主として駆動ユニット10Aについて説明する。このように、光偏向器1Aは、Y方向に並ぶように配置された2組の駆動ユニット10A、10Bを備える。
一対の軸部4A、4Bは、反射板2におけるY方向に沿った辺と接続しており、一対の軸部4Aのそれぞれの軸は、反射板2の中央部からY方向の一方側(図1における上側)及び他方側(図1における下側)にずれた位置からX方向に沿って延びている。一対の軸部4Bについても同様であるが、反射板2における一対の軸部4Aの接続部分の反対側に接続されている。一対の軸部4A、4BはX方向において連続している。
一対の突出部5Aは、それぞれ枠状部3の傾斜辺部32、35から反射板2に向かって突出しており、一対の突出部5Bは、それぞれ枠状部3の傾斜辺部33、36から反射板2に向かって突出している。突出部5A、5Bは枠状部3と一体に形成されており、枠状部3と突出部5A、5Bとがベース部7を構成する。尚、駆動ユニット10Aのベース部7と、駆動ユニット10Bのベース部7と、は枠状部3を共有する。ベース部7は、全体が平板状に形成されている。
突出部5A、5Bは、それぞれ、基端斜辺51と第1縁部52と第2縁部53とを有し、平面視において直角三角形状に形成されている。基端斜辺51は、第1縁部52と第2縁部53の、軸部が設けられた側と反対側の端部をつなぐ辺によって定義されるものであって、X方向において反射板2から離れるにしたがって回動軸O1に近づくように、X方向に対して傾斜している。第1縁部52は、基端斜辺51のうち回動軸O1に近い一端部511から、反射板2に向かってX方向に沿って延びる。第2縁部53は、基端斜辺51の他端部512から回動軸O1に向かってY方向に沿って延びる。
ベース部7を構成する突出部5A、5Bに対し、第1縁部52と第2縁部53との交点54において、軸部4A、4Bが接続されている。
駆動素子6A、6Bは、例えばシリコン基板上に下部電極と圧電体と上部電極とがこの順に積層された圧電素子であって、電極間に電圧が印加されることにより伸縮するものである。駆動素子6A、6Bは突出部5A、5Bに配置されており、駆動素子6A、6Bが伸縮することにより、突出部5A、5Bが反り変形する。本実施例では、電圧印加時に突出部5A、5Bがその先端にかけてZ方向の一方側(図1における紙面手前側)に向かうように変位する。
駆動素子6A、6Bは、基端斜辺51に沿った斜辺61と、第1縁部52に沿ってX方向に延びる平行辺62と、第2縁部53に沿ってY方向に延びる直交辺63と、を有し、平面視において直角三角形状に形成されている。駆動素子6A、6Bは、突出部5A、5B全体に配置されている。
ここで、駆動素子6A、6Bによって突出部5A、5Bを反り変形させる際の態様について説明する。突出部5A、5Bでは、第1縁部52において、基端斜辺51との交点となる一端部511が固定端となるとともに、第2縁部53との交点54が自由端となる。第2縁部53において、基端斜辺51との交点となる他端部512が固定端となるとともに、第1縁部52との交点54が自由端となる。従って、突出部5A、5Bは、図2に示すように、反射板2に近い交点54において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られるように反り変形する。このとき、突出部5A、5Bは固定端においてほとんど反り変形しない。
このとき、駆動ユニット10Aの駆動素子6A、6Bと、駆動ユニット10Bの駆動素子6A、6Bと、には互いに異なるタイミングで電圧が印加される。従って、駆動ユニット10Aにおいて突出部5A、5Bが反り変形しようとする際には、駆動ユニット10Bの突出部5A、5Bは反り変形しようとしない。これにより、反射板2は、回動軸O2(駆動ユニット10Bの軸部4A、4Bを通る回動軸)を中心に回動する。さらに、駆動ユニット10Bにおいて突出部5A、5Bが反り変形しようとする際には、駆動ユニット10Aの突出部5A、5Bは反り変形しようとしない。これにより、反射板2は、回動軸O1を中心に回動する。
これに対し、図3に示すような比較例の光偏向器100においては、突出部101は以下に説明するように反り変形する。光偏向器100は、突出部101と矩形状の枠状部102とを有する。突出部101は、枠状部102のうちX方向に沿った辺から、Y方向に沿って内側に向かって突出しており、矩形状に形成されている。突出部101におけるY方向に沿って延びる辺103と、枠状部102と、の間には隙間が形成されており、突出部101はX方向において反射板2から離れた位置においても変形可能となっている。
このような突出部101の全体に、矩形状の駆動素子104が配置されている。駆動素子104によって突出部101を反り変形させようとすると、図4に示すように、突出部101の先端辺105がY方向全体にわたってZ方向に向かって変位しようとする。このとき、先端辺105全体が突出部101の自由端となる。即ち、突出部101は、先端辺105のうち反射板2から離れた側の端部においても反り変形するが、当該位置における反り変形は、反射板2の回動に寄与しにくい。
本実施例にかかるベース部7は、図5に示すように、板状のウエハWを材料として形成される。このとき、枠状部3の外縁が正六角形状であることから、1つのベース部7の周囲に6つのベース部7を配置するようにして複数のベース部7を形成すればよい。
上記の構成により、ベース部7の突出部51が、基端斜辺51と第1縁部52と第2縁部53とを有することで、基端斜辺51を固定端とするとともに、第1縁部52と第2縁部53との交点54を自由端として、突出部5A、5Bが反り変形する。従って、突出部5A、5Bは反射板2に近い交点54において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られるように反り変形し、駆動素子6A、6Bの面積を比較例に比べて小さくしても反射板2の振角を大きくすることができる。即ち、光偏向器1Aを小型化しつつも、反射板2の振角を大きくすることができる。
また、駆動素子6A、6Bが斜辺61と平行辺62と直交辺63とを有して直角三角形状に形成されていることで、突出部5A、5Bを、基端斜辺51と対向する頂点(交点54)において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られるように反り変形させやすい。
また、枠状部3が六角形状に形成されていることで、円板状のウエハWによって複数のベース部7を形成する場合に、占積率を向上させることができる。
第1縁部52と第2縁部53との交点54において軸部4A、4Bがベース部7に接続されることで、突出部5A、5Bが反り変形する際、交点54において駆動力を集中させることができるため、最大変位が得られやすい。このような交点54において軸部4A、4Bがベース部7に接続されることで、反射板2の振角を大きくすることができる。
光偏向器1Aが、Y方向に並ぶように配置された2組の駆動ユニット10A、10Bを備え、2組の駆動ユニット10A、10Bによって反射板2を互いに反対向きに回動させることにより、反射板2の合計の振角を大きくすることができる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、駆動素子6A、6Bが斜辺61と平行辺62と直交辺63とを有して直角三角形状に形成されているものとしたが、駆動素子は突出部に配置されるものであればよく、その形状は任意である。即ち、駆動素子が突出部全体に配置されていなくてもよく、反射板の振角に影響を与えにくい部分において駆動素子を省略すれば、低コスト化することができる。
また、前記実施例では、枠状部3が六角形状に形成されているものとしたが、枠状部は他の形状を有していてもよい。例えば、光偏向器が搭載される装置において、光偏向器の形状や寸法が制限される場合、このような制限に応じて枠状部の形状を決定してもよい。
また、前記実施例では、第1縁部52と第2縁部53との交点54において軸部4A、4Bがベース部7に接続されるものとしたが、軸部4A、4Bの接続位置は、この交点54から多少ずれていてもよい。
また、前記実施例では、光偏向器1Aが2組の駆動ユニット10A、10Bを備えるものとしたが、光偏向器は1組の駆動ユニットのみを備えていてもよく、振角の設計値に応じて駆動ユニットの数を適宜に設定すればよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1A 光偏向器
2 反射板
3 枠状部
4A、4B 軸部
5A、5B 突出部
51 基端斜辺
52 第1縁部
53 第2縁部
54 交点
6A、6B 駆動素子
7 ベース部
10A、10B 駆動ユニット

Claims (5)

  1. 反射板と、
    前記反射板の回動軸を定める一対の軸部と、
    前記一対の軸部を支持するベース部と、
    前記反射板を回動させる駆動素子と、を備え、
    前記ベース部は、前記反射板の周囲に配置される枠状部と、該枠状部から前記反射板に向かって突出するとともに前記駆動素子が配置される突出部と、を有し、
    前記突出部は、前記回動軸の方向において前記反射板から離れるにしたがって前記回動軸に近づくように延びる基端斜辺と、前記基端斜辺のうち前記回動軸に近い一端部から前記反射板に向かって延びる第1縁部と、他端部から前記回動軸に向かって延びる第2縁部と、を有することを特徴とする光偏向器。
  2. 前記駆動素子は、前記基端斜辺と前記第1縁部と前記第2縁部とのそれぞれに沿った辺を有して三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記枠状部が六角形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光偏向器。
  4. 前記第1縁部と前記第2縁部との交点において、前記軸部が前記ベース部に接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光偏向器。
  5. 前記一対の軸部と一対の前記突出部と前記駆動素子とが駆動ユニットを構成し、
    前記回動軸との直交方向に並ぶように配置された2組の前記駆動ユニットを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光偏向器。
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