JP4968508B2 - 物品保管装置 - Google Patents

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本発明は、上下方向並びに横方向に並ぶ状態で物品を収納する複数の物品収納部を備えた収納棚と、その収納棚の前面に沿って形成された走行経路を走行自在で且つ前記各物品収納部と物品搬出入部との間での物品の搬送を行うスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンの運転を制御する運転制御手段とが備えられた物品保管装置に関する。
上記物品保管装置において、従来では、スタッカークレーンにおいて物品移載装置を備えて昇降自在に設けられる昇降台に、前記収納棚の前記各物品収納部に収納されている物品のはみ出しを検出するための反射型光センサからなる物品はみ出し検出器が設けられ、前記運転制御手段は、検査用のモードが指令されると、物品が上下方向に並ぶ1つの上下列について、昇降台を最下段の物品収納部に対する物品移載用位置から順次、上方側の物品収納部に対する物品移載用位置に向けて上昇させるようにして、その際に、物品はみ出し検出器によって、物品移載用位置にある物品収納部において物品がスタッカークレーン側に突出しているか否かを検出するように構成され、このような処理を複数の上下列に対して順次実行するように構成したものがあった(例えば、特許文献1参照。)。尚、物品の突出が検出されると、物品移載装置を利用して突出している物品を適正な収納用の載置位置に押し込み操作するようになっている。
説明を加えると、地震が発生した場合には、収納棚の各物品収納部に収納保管されている物品が適正な収納用の載置位置から位置ずれしてスタッカークレーン側に突出することがある。このような突出する物品があると、スタッカークレーンが、突出している物品に接触する不具合が発生したり、スタッカークレーンによる搬送作業を行うときに、搬送用の載置位置が適切な位置からずれて、走行中に物品が他物に接触する等の不利が発生するおそれがある。そこで、スタッカークレーンの構成を利用して、このような物品の突出を検出して、その後の対策をとることができるようにしているのである。
特許公報第2844182号
しかし、上記従来構成では、収納棚における複数の物品収納部の夫々について、各別に物品の突出を検出するようになっているから、収納棚に複数備えられている物品収納部の全ての物品収納部について、物品がスタッカークレーン側に突出しているか否か検出するための所要時間が長くかかる不利がある。その結果、地震が発生した後に、スタッカークレーンにより各物品収納部と物品搬出入部との間での物品の搬送を行う通常の運転状態に復帰するまでの間に時間がかかるものとなっていた。
特に、軽度の地震や中規模の地震のように、多くの物品は位置ずれしていないものの一部の物品だけが位置ずれしているようなおそれがあるような場合であっても、上記従来構成においては、複数の物品収納部の夫々について各別に物品の突出を検出するものであるから、所要時間が必要以上に長くかかる不利があった。
本発明の目的は、収納棚の複数の物品収納部に収納されている物品の夫々について、物品がスタッカークレーン側に突出しているか否かを極力迅速に検出することが可能となる物品保管装置を提供する点にある。
本発明に係る物品保管装置は、上下方向並びに横方向に並ぶ状態で物品を収納する複数の物品収納部を備えた収納棚と、その収納棚の前面に沿って形成された走行経路を走行自在で且つ前記各物品収納部と物品搬出入部との間での物品の搬送を行うスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンの運転を制御する運転制御手段とが備えられたものであって、その第1特徴構成は、
前記スタッカークレーンは、前記走行経路に沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に対して昇降自在な昇降台とを備えて構成され、
前記昇降台が、前記走行経路の左右方向で前記スタッカークレーンの他の部分よりも幅広に構成され、
前記スタッカークレーンの走行方向端部であって且つ前記収納棚の前面に近接する位置において、前記収納棚の最上部に位置する前記物品収納部よりも上方側の上部位置、又は、前記収納棚の最下部に位置する前記物品収納部よりも下方側の下部位置から上下方向に検出光を投射して、前記上部位置と前記下部位置との間に位置する前記物品収納部から物品が前記スタッカークレーン側に突出しているか否かを検出する突出状態検出手段が、前記スタッカークレーンの走行方向両端部の夫々に備えられ、
前記運転制御手段が、検査モードが手動操作により指令されると、その検査モードが指令されたときの前記スタッカークレーンの走行位置が前記走行経路の途中位置であると、現在位置から近い方の前記走行経路の一端部まで前記スタッカークレーンを物品搬送用の走行速度よりも低速の検査用走行速度で走行させ、次に、反対方向に向けて前記一端部から前記途中位置まで前記スタッカークレーンを前記物品搬送用の走行速度で走行させ、その後、前記途中位置から前記走行経路の他端部まで前記スタッカークレーンを前記検査用走行速度で走行させ、且つ、前記突出状態検出手段にて物品の突出を検出するように前記スタッカークレーンの運転を制御するように構成され、
前記収納棚が、前記スタッカークレーンの走行経路の左右両側に位置する状態で一対設けられ、
前記突出状態検出手段が、
前記スタッカークレーンの走行方向両端部の夫々における前記一対の収納棚夫々の前面に近接する位置において、前記検出光を投射して物品が突出しているか否かを検出するように構成されている点にある。
第1特徴構成によれば、地震が発生した後において、検査モードが指令されると、運転制御手段は、スタッカークレーンを物品搬送用の走行速度よりも低速の検査用走行速度で走行させ、且つ、突出状態検出手段にて物品の突出を検出するようにスタッカークレーンの運転を制御する。そのとき、前記突出状態検出手段は、スタッカークレーンの走行方向端部であって且つ収納棚の前面に近接する位置において、収納棚の最上部に位置する物品収納部よりも上方側の上部位置、又は、収納棚の最下部に位置する物品収納部よりも下方側の下部位置から上下方向に検出光を投射して、前記上部位置と前記下部位置との間に位置する物品収納部から物品がスタッカークレーン側に突出しているか否かを検出するのである。尚、地震の後において、検査モードが指令される前に、スタッカークレーンが走行する路面上に物品が落下しているか否かについて、作業員が予め目視にて検査しておく必要がある。
説明を加えると、突出状態検出手段によって、前記上部位置と前記下部位置との間に位置する物品収納部、言い換えると、収納棚の最上部に位置する物品収納部から収納棚の最下部に位置する物品収納部までの間において、上下方向に並ぶ複数の物品収納部の全てについて、一挙に、物品がスタッカークレーン側に突出しているか否かを検出することができる。そして、スタッカークレーンが走行することにより、そのような上下方向に並ぶ複数の物品収納部についての物品の突出の検出を、スタッカークレーンの走行経路に沿う方向すなわち横方向に並ぶ複数の物品収納部について順次実行することで、上下方向並びに横方向に並ぶ複数の物品収納部の全てについてスタッカークレーン側に突出しているか否かを検出することができる。
このようにして、収納棚に複数備えられる全ての物品収納部の夫々について、物品がスタッカークレーン側に突出しているか否かを検出する検出処理を短時間で能率よく実行することが可能となる。例えば、軽度の地震や中規模の地震のように、多くの物品は位置ずれしていないが一部の物品だけが位置ずれしているおそれがあるような場合においては、特に能率よく物品の突出を検出することが可能となる。
又、検査モードにおいて、スタッカークレーンが走行するときは、物品搬送用の走行速度よりも低速の検査用走行速度で走行するので、例えば、スタッカークレーン側に突出している物品が存在しているときに、そのことが検出されてから、極力短い距離でスタッカークレーンの走行を停止させることができ、突出している物品とスタッカークレーンとが衝突して物品を損傷させる等のおそれが少ないものになる。
従って、地震が発生したとき等において、収納棚の複数の物品収納部に収納されている物品の夫々について、物品がスタッカークレーン側に突出しているか否かを極力迅速に検出することが可能となる物品保管装置を提供できるに至った。
第1特徴構成によれば、スタッカークレーンは、一対の収納棚における各物品収納部と物品搬出入部との間での物品の搬送を行うことができ、前記突出状態検出手段は、スタッカークレーンの走行方向両端部の夫々における一対の収納棚夫々の前面に近接する位置において、検出光を投射して物品が突出しているか否かを検出することになる。
すなわち、スタッカークレーンの走行方向両端部の夫々において検出光を投射して物品が突出しているか否かが検出されるので、検査モードにおいて、スタッカークレーンが走行経路の一方向に向けて走行するだけでなく、反対方向に向けて走行する場合であっても、各物品収納部における物品の突出を適正に検出することができる。しかも、一対の収納棚夫々の前面に近接する位置において検出光を投射して物品が突出しているか否かが検出されるので、検査モードにおいて、一対の収納棚の夫々について同時に各物品収納部における物品の突出を適正に検出することができる。
従って、スタッカークレーンがどの方向に走行する場合であっても、一対の収納棚の夫々について同時に各物品収納部における物品の突出を適正に検出することができるから、物品がスタッカークレーン側に突出しているか否かを、さらに能率よく迅速に検出することが可能となる。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記運転制御手段が、前記検査モードにおいて、前記スタッカークレーンを走行させているときに前記突出状態検出手段にて物品の突出が検出されると、前記スタッカークレーンの走行を停止させる停止処理、及び、物品の突出が検出されたことを報知する報知手段を作動させる報知処理を実行するように構成されている点にある。
第2特徴構成によれば、前記検査モードにおいて、スタッカークレーンが走行しているときに突出状態検出手段にて物品の突出が検出されると、スタッカークレーンが走行を停止し、報知手段にて物品の突出が検出されたことが報知されるので、物品の突出が検出されたことが作業者に迅速に認識されることになり、しかも、スタッカークレーンは、走行を停止しているので、作業者が物品のはみ出しを修正する作業を行う場合、その作業を迅速に行うことができる。
従って、物品の突出が検出された後に、通常の運転状態に復帰させるために、物品のはみ出しを修正するための対策を迅速に取ることが可能となる。
以下、本発明の物品保管設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この物品保管装置は、図1に示すように、上下方向並びに横方向に並ぶ状態で物品を収納する複数の物品収納部4を備えた収納棚1と、その収納棚1の前面に沿って形成された走行経路2を走行自在で且つ前記各物品収納部4と物品搬出入部としての一対の荷載置台8との間での物品の搬送を行うスタッカークレーン3とを備えて構成されている。
前記収納棚1が、前記スタッカークレーン3の走行経路2の左右両側に位置する状態で一対設けられ、各収納棚1は、前後一対の支柱1aが左右方向に間隔を隔てて複数立設され、前後一対の支柱1aの夫々には、左右方向に延びる載置支持部1bを上下方向に間隔を隔てて複数配設されている。そして、前後一対の支柱1aと左右一対の載置支持部1bとにより一つの物品収納部4が形成され、この物品収納部4が縦横に複数並べて設けられている。
前記走行経路2には、その下方側に走行レール5が収納棚1の長手方向に沿って設置され、上方側にもガイドレール6が収納棚1の長手方向に沿って設置されている。そして、走行レール5の一端側には、スタッカークレーン3の運転を管理する地上側コントローラ7と、走行レール5を挟んで一対の荷載置台8とが設けられている。
前記スタッカークレーン3は、図2に示すように、走行レール5に沿って走行自在な走行台車10と、その走行台車10に対して昇降自在な昇降台12とを備えて構成され、昇降台12に物品収納部4あるいは荷載置台8との間で物品9を移載可能な物品移載装置11を設けている。そして、走行台車10の走行および昇降台12の昇降により、昇降台12が移載作業対象とする物品収納部4に対する目標停止位置に移動可能に構成されている。
前記昇降台12は、走行台車10に立設した前後一対の昇降マスト13にて昇降自在に案内支持されるものであり、その左右両側に連結した昇降用チェーン14にて吊下げ支持されるようになっている。この昇降用チェーン14は、ガイドレール6に沿って案内される上部フレーム15に設けた案内スプロケット16と一方の昇降マスト13に設けた案内スプロケット17とに巻き掛けられて、走行台車10の一端に装備した巻き取りドラム18に連結されている。
そして、巻き取りドラム18をインバータ式のモータである昇降用電動モータ19にて正逆に駆動回転させて、昇降用チェーン14の繰り出し操作や巻き取り操作で昇降台12を昇降させるように構成されている。
前記走行台車10には、その水平方向に測距用のビーム光を投射する昇降用レーザ測距計20と、その昇降用レーザ測距計20にて投射されたビーム光の進路を鉛直上方に屈曲させて昇降台12の下面に設置された反射板21に照射するためのミラー22とが設けられている。昇降用レーザ測距計20は、昇降台12の昇降方向において、走行台車10に設けられたミラー22の配設位置を基準位置として、その基準位置と昇降台12との距離を検出することにより、昇降経路上における昇降台12の昇降位置を検出するように構成されている。
また、走行台車10には、走行レール5上を走行自在な前後二つの車輪23が設けられ、それら二つの車輪23うちの車体前後方向の一端側の車輪が、インバータ式のモータである走行用電動モータ24にて駆動される推進用の駆動輪23aとして構成され、車体前後方向の他端側の車輪が、遊転自在な従動輪23bとして構成されている。走行台車10は、走行用電動モータ24の作動で走行レール5に沿って走行するように構成されている。
また、スタッカークレーン3の走行経路2の一端側箇所に備えられる地上側コントローラ7には、スタッカークレーン3の走行経路2に沿って水平方向に測距用のビーム光を投射する走行用レーザ測距計25が設けられ、走行台車10には、走行用レーザ測距計25からのビーム光を反射する反射板26が設けられている。走行用レーザ測距計25は、走行台車10に設置されている反射板26に向けて投射して、走行レール5の端部からの走行台車10の距離を検出することにより、走行経路2上における走行台車10の走行位置すなわちスタッカークレーン3の走行位置を検出するように構成されている。
このスタッカークレーン3には、図5に示すように、地上側コントローラ7からの指令に基づいて、スタッカークレーン3の運転を制御する運転制御手段としてのクレーン制御装置27が設けられている。このクレーン制御装置27に対して、昇降用レーザ測距計20の検出情報および走行用レーザ測距計25の検出情報が入力されるように構成されている。尚、地上側コントローラ7とクレーン制御装置27とは、図示しない無線式の通信手段を介して情報を通信可能に構成されている。
そして、クレーン制御装置27は、地上側コントローラ7から荷載置台8の物品9を複数の物品収納部4のいずれかに入庫する入庫指令を受けると、荷載置台8の物品9を指令された物品収納部4に入庫する入庫動作を実行し、地上側コントローラ7から複数の物品収納部4のいずれかに収納されている物品9を荷載置部8に出庫する出庫指令を受けると、指令された物品収納部4に収納されている物品9を荷載置部8に出庫する出庫動作を実行するように構成されている。
クレーン制御装置27は、物品9の入庫動作や出庫動作を行うときには、作業能率を向上するために、スタッカークレーン3の走行速度が速めに設定された物品搬送用の設定速度になるように、走行用電動モータ24の作動を制御するように構成されている。
そして、この物品保管装置では、スタッカークレーン3の走行方向両端部の夫々における一対の収納棚1、1夫々の前面1Aに近接する位置において、収納棚1,1の最上部に位置する物品収納部4よりも上方側の上部位置から下方側に向けて検出光を投射し、収納棚1の最下部に位置する物品収納部4よりも下方側の下部位置にて光を受光して、前記上部位置と前記下部位置との間に位置する物品収納部4から物品9がスタッカークレーン3側に突出しているか否かを検出する突出状態検出手段としての突出状態検出装置28が、スタッカークレーン3に備えられている。
すなわち、図3及び図4に示すように、スタッカークレーン3の走行方向両端部における上端側箇所の夫々に、その長手方向を走行経路2の横幅方向に向かう姿勢で長尺状の上部側の支持アーム29が設けられている。この上部側の支持アーム29は、その中間部が前後の昇降マスト13に固定状態で取り付けられ、走行経路2の横幅方向両側端部は、夫々、一対の収納棚1,1夫々の前面1Aに近接する位置にまで延びる状態で設けられている。
一方、スタッカークレーン3の走行方向両端部における下端側箇所の夫々に、その長手方向を走行経路2の横幅方向に向かう姿勢で長尺状の下部側の支持アーム31が設けられている。この下部側の支持アーム31は、その中間部が走行台車10に固定状態で取り付けられ、上部側の支持アーム29と同様に、走行経路2の横幅方向両側端部は、夫々、一対の収納棚1,1夫々の前面1Aに近接する位置にまで延びる状態で設けられている。
そして、上部側の支持アーム29の長手方向両端部夫々には下方側に向けて検出光を投射する投光器30が設けられ、下部側の支持アーム31の長手方向両端部夫々には投光器30から投射された光を受光する受光器32が設けられている。つまり、スタッカークレーン3の走行方向両端部の夫々における一対の収納棚1夫々の前面1Aに近接する位置において、投光器30及び受光器32により光電スイッチ33が構成され、合計4組の光電スイッチ33が設けられる構成となっており、この4組の光電スイッチ33により突出状態検出装置28が構成されている。
図4に示すように、各収納棚1における夫々の物品収納部4において、物品9が適正な収納用載置位置にあれば、前記各投光器30から投射された検出光が遮られることなく受光器32にて検出光を受光することになるが、物品9がスタッカークレーン3側に突出していると、投光器30から投射した検出光が遮られて受光器32が検出光を受光しない状態となる。
しかも、このとき、収納棚1の最上部に位置する物品収納部4から収納棚1の最下部に位置する物品収納部4までの上下方向に並ぶ上下列の複数の物品収納部4の全てについて、一挙に、物品9がスタッカークレーン3側に突出しているか否かを検出することができる。つまり、上下列の複数の物品収納部4のうちでいずれか1つでも突出していると、検出光が遮られるのでスタッカークレーン3側への突出を検出することになる。
そして、図5に示すように、前記突出状態検出装置28の検出情報はクレーン制御装置27に入力される構成となっており、クレーン制御装置27は、検査モードが指令されると、スタッカークレーン3を物品搬送用の設定速度よりも低速の検査用走行速度で走行させ、且つ、突出状態検出装置28にて物品9の突出を検出するようにスタッカークレーン3の運転を制御するように構成されている。又、クレーム制御装置27は、前記検査モードにおいて、スタッカークレーン3を走行させているときに突出状態検出装置28にて物品の突出が検出されると、スタッカークレーン3の走行を停止させる停止処理、及び、物品9の突出が検出されたことを報知する報知手段としての報知ランプ34及び報知ブザー35を作動させる報知処理を実行するように構成されている。
前記検査モードは、地震が発生した後において手動操作にて地上側コントローラ7側からクレーン制御装置27に指令されることになる。但し、地震が発生した後においては、物品9がスタッカークレーン3の走行経路中に落下していることも考えられるので、作業員が、目視で走行経路中へ落下している物品9、あるいは、スタッカークレーン3を走行させると接当するおそれのある物品9等の存否を確認して、そのような物品9は予め手作業で除去するか又は適正な載置位置にまで位置を修正しておき、その後、検査モードを指令することになる。尚、手作業で載置位置を修正するときは、図示しない梯子を用いて行うことになる。
前記検査モードについて説明する。
図6に示すように、クレーン制御装置27は、検査モードが指令されると、そのときの走行用レーザ測距計25の検出情報に基づいてスタッカークレーン3の走行位置を検出し、そのスタッカークレーン3の走行位置が走行経路2の途中位置であれば、走行経路2における予め設定された一端部、例えば現在位置から近い方の走行経路2の一端部に向かう方向に検査用速度でスタッカークレーン3を走行させる。そして、走行の途中で突出状態検出装置28にて物品9の突出が検出されると、スタッカークレーン3の走行を停止させる停止処理、及び、物品9の突出が検出されたことを報知する報知ランプ34及び報知ブザー35を作動させる報知処理を実行する(ステップ1〜4)。尚、クレーン制御装置27は、スタッカークレーン3の走行位置を前記走行用レーザ測距計25の検出情報に基づいて常に監視しながらスタッカークレーン3の走行状態を制御することになる。
尚、検査モードを開始したときにスタッカークレーン3が走行経路2における端部に位置しているときは、後述するステップ5にてそのことが検出されるので、走行することなくステップ6に移行することになる。
物品9の突出が検出されない状態のまま走行経路2の一端部に至ったことを検出すると、次に反対方向に向けてスタッカークレーン3を走行させるが、検査モードを開始したときのスタッカークレーン3の位置(開始位置)に到達するまでは物品搬送用の速度と同じ高速で走行させ(ステップ5、6)、その後は、検査用速度でスタッカークレーン3を走行させる状態に切り換える。走行の途中で突出状態検出装置28にて物品9の突出が検出されると、前記停止処理及び前記報知処理を実行し、物品9の突出が検出されない状態で走行経路2の他端側に至ると、スタッカークレーン3の走行を停止して検査モードを終了する(ステップ7〜12)。
前記突出状態検出装置28にて物品9の突出が検出され、前記停止処理及び前記報知処理が実行されたときは、例えば、図示しない梯子を用いて、作業員が手作業で物品9を適正な載置位置に戻すような処理を行うことになる。又、物品移載装置11を利用して物品の載置位置を修正するようにしてもよい。
又、物品9の突出が検出されて、スタッカークレーン3の走行を停止した後に、物品の載置位置の修正が行われた後に、スタッカークレーン3の位置が他端側にまで到達しておらず前記各収納棚1,1の全ての物品収納部4について検査が行われていないときは、再度、検査モードが指令され、その後の検査を続行することになる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、検査モードにおいて、物品の突出が検出されると、前記スタッカークレーンの走行を停止させる停止処理、及び、前記報知手段を作動させる報知処理を実行する構成としたが、このような構成に限らず、スタッカークレーンの走行を走行経路の他端側まで実行したのちに、突出が検出されていれば、そのことを地上側コントローラの表示部に表示させる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、前記突出状態検出手段として投光器と受光器からなる光電スイッチを使用する構成としたが、このような構成に代えて、例えば、前記収納棚の最上部に位置する前記物品収納部よりも上方側の上部位置、又は、前記収納棚の最下部に位置する前記物品収納部よりも下方側の下部位置から上下方向に検出光を投射するレーザ式測距計を備え、反対側の位置にレーザ光を反射する反射鏡を備える構成として、検出距離が前記上部位置と前記下部位置との離間距離より設定量以上短かければ物品が突出している状態であると検出する構成としてもよい。
)上記実施形態では、報知手段として、報知ランプと報知ブザーとを設ける構成としたが、報知ランプ及び報知ブザーのうちのいずれか一方を備える構成でもよく、報知手段としては、画像表示器に突出が検出されたことを表示する構成等、各種の形態で実施することができる。
物品保管装置の斜視図 スタッカークレーンの側面図 物品保管装置の平面図 物品保管装置の正面図 制御ブロック図 制御動作のフローチャート
符号の説明
1 収納棚
1A 前面
2 走行経路
3 スタッカークレーン
4 物品収納部
9 物品
27 運転制御手段
28 突出状態検出手段
34,35 報知手段

Claims (2)

  1. 上下方向並びに横方向に並ぶ状態で物品を収納する複数の物品収納部を備えた収納棚と、その収納棚の前面に沿って形成された走行経路を走行自在で且つ前記各物品収納部と物品搬出入部との間での物品の搬送を行うスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンの運転を制御する運転制御手段とが備えられた物品保管装置であって、
    前記スタッカークレーンは、前記走行経路に沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に対して昇降自在な昇降台とを備えて構成され、
    前記昇降台が、前記走行経路の左右方向で前記スタッカークレーンの他の部分よりも幅広に構成され、
    前記スタッカークレーンの走行方向端部であって且つ前記収納棚の前面に近接する位置において、前記収納棚の最上部に位置する前記物品収納部よりも上方側の上部位置、又は、前記収納棚の最下部に位置する前記物品収納部よりも下方側の下部位置から上下方向に検出光を投射して、前記上部位置と前記下部位置との間に位置する前記物品収納部から物品が前記スタッカークレーン側に突出しているか否かを検出する突出状態検出手段が、前記スタッカークレーンに備えられ、
    前記運転制御手段が、検査モードが手動操作により指令されると、その検査モードが指令されたときの前記スタッカークレーンの走行位置が前記走行経路の途中位置であると、現在位置から近い方の前記走行経路の一端部まで前記スタッカークレーンを物品搬送用の走行速度よりも低速の検査用走行速度で走行させ、次に、反対方向に向けて前記一端部から前記途中位置まで前記スタッカークレーンを前記物品搬送用の走行速度で走行させ、その後、前記途中位置から前記走行経路の他端部まで前記スタッカークレーンを前記検査用走行速度で走行させ、且つ、前記突出状態検出手段にて物品の突出を検出するように前記スタッカークレーンの運転を制御するように構成され、
    前記収納棚が、前記スタッカークレーンの走行経路の左右両側に位置する状態で一対設けられ、
    前記突出状態検出手段が、
    前記スタッカークレーンの走行方向両端部の夫々における前記一対の収納棚夫々の前面に近接する位置において、前記検出光を投射して物品が突出しているか否かを検出するように構成されている物品保管装置。
  2. 前記運転制御手段が、
    前記検査モードにおいて、前記スタッカークレーンを走行させているときに前記突出状態検出手段にて物品の突出が検出されると、前記スタッカークレーンの走行を停止させる停止処理、及び、物品の突出が検出されたことを報知する報知手段を作動させる報知処理を実行するように構成されている請求項1記載の物品保管装置。
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