JP4329026B2 - 物品移載装置 - Google Patents
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したがって、このような事態に陥る前に、駆動手段などについてのメンテナンスを行うために、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを検出することが求められており、従来では、走行台車を停止させた状態で、走行台車を走行方向に揺らすことにより、そのときの揺れ度合いが大きいか小さいかによって、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを判断する人為作業を行うようにしている。
また、走行台車の揺れ度合いが大きいか小さいかによって、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを判断することは、専門的な知識が必要であるなど、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを検出すること自体が難しいものとなっていた。
前記走行台車の走行経路に設定された基準位置と前記走行台車との間の距離を検出するレーザ測距計が設けられ、前記制御手段は、検査指令情報が指令されると、前記走行台車を停止させるべく前記駆動手段を制動作用させたときからの前記レーザ測距計の検出情報に基づいて、前記基準位置と前記走行台車との間の距離の最小距離と最大距離との偏差である振幅値を求める振幅検査処理を行うように構成され、前記振幅検査処理において、今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差以上である場合には、突発的な短期異常状態であると判別し、かつ、今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差未満でありかつ今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値が異常用設定値以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別するように構成されている点にある。
したがって、走行台車を停止させるべく駆動手段を制動作用させたときから、走行台車が前後に移動した移動量については、振幅検査処理にて求められる振幅値に反映させることになるので、制御手段が、検査指令情報が指令されることにより、振幅検査処理を行うことにより、振幅検査処理にて求められた振幅値に基づいて、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを検出することができることになる。
さらに、走行輪のスリップなどの一時的な異常が発生すると、振幅検査処理にて求められる振幅値が急激に大きくなり、経年変化によりギア式減速手段におけるガタツキ度合いが大きくなると、振幅検査処理にて求められる振幅値が、振幅検査処理を行うごとに徐々に大きくなり、最終的には、異常用設置値以上となる。
したがって、制御手段は、振幅検査処理において、今回行われた振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差以上である場合には、突発的な短期異常状態であると判別することにより、走行輪のスリップなどの一時的な異常が発生していることを判別でき、走行台車を停止させるなどの処置を行うことができることになる。
また、制御手段は、今回行われた振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差未満でありかつ今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値が異常用設定値以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別することにより、経年変化によりギア式減速手段におけるガタツキ度合いが大きくなっていることを判別でき、駆動手段についてのメンテナンスを行うことができることになる。
したがって、走行輪のスリップなどの一時的な異常が発生している場合と、経年変化によりギア式減速手段におけるガタツキ度合いが大きくなっている場合とを区別しながら判別することができることとなって、異常の種類に応じた適切な処置を行うことができることになる。
そして、停止用低速度では、その速度が低速度であるために、ギア式減速手段におけるガタツキによって、走行台車が前後に移動することが生じ難くなる。
そこで、制御手段は、検査指令情報が指令されている場合には、検査用速度にしたのち、走行台車を停止させて、振幅検査処理を行うことにより、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いが走行台車の前後の移動量に反映されやすい状態で、振幅検査処理を行うことができることとなり、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを精度よく検出することができることになる。
したがって、制御手段は、振幅検査処理において、ギア式減速手段の異常状態であると判別することにより、ギア式減速手段についてメンテナンスを行うように作業者に促すことができることになり、適正な時期にメンテナンスを行い易いものとなる。
この物品保管設備は、図1に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した二つの収納棚1と、それらの収納棚1どうしの間に形成した作業通路2を自動走行する移動体としてのスタッカークレーン3とが設けられ、各収納棚1には多数の物品収納部4が上下多段かつ左右に並設されている。
そして、スタッカークレーン3は、走行台車10の水平移動、昇降台12の昇降移動、および、フォーク装置11の作動により、荷載置台8に載置されているパレットPを物品収納部4に移載させたり、物品収納部4に収納されているパレットPを荷載置台8に移載させるように構成されている。
そして、前後一対の昇降マスト13の上端部が、ガイドレール6に沿って案内される上部フレーム15にて連結されている。
そして、上方側従動プーリ16は、上部フレーム15の前端部および後端部に設けられ、走行台車側従動プーリ17は、走行台車10の一端部および中央部に設けられ、昇降台側従動プーリ18は、昇降台12の中央下面部に設けられ、駆動プーリ19は、走行台車10の一端部に設けられている。
また、駆動プーリ19をインバータ式のモータである昇降用電動モータ24にて正逆に駆動回転させて、昇降用チェーン14の繰り出しや巻き取り操作で昇降台12を昇降移動させるように構成されている。
そして、昇降用レーザ測距計20は、昇降移動方向において、走行台車10に設けられたミラー22の配設位置を基準位置として、その基準位置と昇降台12との距離を検出することにより、昇降移動中における基準位置に対する昇降台12の昇降位置を検出するように構成されている。
そして、走行台車10は、走行用電動モータ25の作動で走行レール5に沿って水平移動するように構成されている。
そして、水平用レーザ測距計29は、作業通路2において、スタッカークレーン3の移動経路の端部を基準位置として、その基準位置に設置されている反射板30に向けて投射して、基準位置と走行台車10との距離を検出することにより、水平移動中における基準位置に対する走行台車10の走行位置を検出するように構成されている。
前記スタッカークレーン3には、走行用電動モータ25またはフォーク装置11を作動させる走行用インバータ31、昇降用電動モータ24を作動させる昇降用インバータ32、昇降用レーザ測距計20および水平用レーザ測距計29の検出情報を入出力可能な入出力装置33などが設けられている。
また、昇降用インバータ32は、昇降用電動モータ24に対して電流を出力して昇降用電動モータ24を作動させるように構成されている。
これらスタッカークレーン側の通信コントローラ31a,32a,33a、地上側コントローラ7の通信コントローラ7a、光伝送装置34により、通信ネットワークいわゆるデバイスネットが構成されており、地上側コントローラ7がマスタに構成され、走行用インバータ31、昇降用インバータ32、入出力装置33がスレーブに構成され、この通信ネットワークにより各種情報を通信自在に構成されている。
そして、この通信ネットワークにて各種情報を通信することにより、地上側コントローラ7は、スタッカークレーン3についての各種情報を管理しながら、スタッカークレーン3の運転を管理するように構成されている。
そして、荷載置台8に載置されているパレットPを掬うと、次に、地上側コントローラ7は、複数の物品収納部4のうちから、一つの物品収納部4を移載先とし、その移載先の物品収納部4に対応する目標停止位置を移載用停止位置と設定して、通信ネットワークにより各種情報を通信しながら、走行台車10を水平移動および昇降台12を昇降移動させて、昇降台12を移載用停止位置に停止させたのち、フォーク装置11を作動させて、移載先の物品収納部4にパレットPを卸すように構成されている。
まず、走行台車10を水平移動させる際の動作について説明すると、地上側コントローラ7が、走行台車10に対する走行指令情報に基づいて、走行台車10を水平移動方向における移載用停止位置に停止させるべく、走行用インバータ31に速度指令情報を送信するように構成され、走行用インバータ31が、地上側コントローラ7からの速度指令情報に基づいて、走行状態に切り換えて、走行用電動モータ25に対する電流値を調整することにより、走行台車10を移載用停止位置に停止させるように構成されている。
そして、走行台車10の走行中には、入出力装置33が、水平用レーザ測距計29の検出情報を地上側コントローラ7に送信することにより、地上側コントローラ7が、走行台車10の走行位置を管理するように構成されている。
そして、走行台車10を停止用低速度にて水平移動させている状態において、地上側コントローラ7が、走行台車10の走行位置が移載用停止位置に達したと判別すると、走行台車10を停止させるための速度指令情報を走行用インバータ31に送信することにより、走行用インバータ31が、ブレーキをかけて走行台車10を制動させるように走行用電動モータ25を作動させて、走行台車10を移載用停止位置に停止させるように構成されている。
前記地上側コントローラ7は、昇降台12に対する昇降指令情報に基づいて、昇降台12を昇降移動方向における移載用停止位置に停止させるべく、昇降用インバータ32に速度指令情報を送信するように構成され、昇降用インバータ32が、地上側コントローラ7からの速度指令情報に基づいて、昇降用電動モータ24に対する電流値を調整することにより、昇降台12を移載用停止位置に停止させるように構成されている。
前記地上側コントローラ7が、入出力装置33からの昇降用レーザ測距計20の検出情報に基づいて、昇降台12の昇降位置を管理しながら、昇降台12を昇降移動させるように構成されており、その状態において、昇降台12の昇降位置が減速用位置に達すると、昇降台12の移動速度を停止用低速度に減速させるための速度指令情報を地上側コントローラ7から昇降用インバータ32に送信することにより、昇降台12の移動速度を停止用低速度に減速させるように構成されている。
また、昇降台12を停止用低速度にて昇降移動させている状態において、昇降台12の昇降位置が移載用停止位置に達すると、昇降台12を停止させるための速度指令情報を地上側コントローラ7から昇降用インバータ32に送信することにより、昇降台12を移載用停止位置に停止させるように構成されている。
前記地上側コントローラ7は、昇降台12を移載用停止位置に停止させた状態において、パレットPの移載を行うべく、走行用インバータ31に移載指令情報を送信するように構成され、走行用インバータ31は、地上側コントローラ7からの移載指令情報に基づいて、フォーク装置11にて物品収納部4との間または荷載置台8との間でパレットPを移載させるように構成されている。
ちなみに、検査指令情報については、例えば、地上側コントローラ7に接続自在なハンディなどを用いて指令することが可能であり、地上側コントローラ7は、振幅検査処理の結果をハンディなどの表示装置に表示するように構成されている。
そして、地上側コントローラ7は、検査指令情報が指令されている場合には、停止用低速度よりも大きい検査用速度にて走行台車10を走行させたのち、走行台車10を停止させるように、走行用電動モータ25の作動を制御して、振幅検査処理を行うように構成されている。
また、地上側コントローラ7が、走行台車10を検査用速度(例えば、6m/min)で走行させている状態において、例えば、走行を開始してから設定時間が経過すると、停止させるための速度指令情報を走行用インバータ31に送信することにより、走行用インバータ31が、ブレーキをかけて走行台車10を制動させるように走行用電動モータ25を制動作用させて、走行台車10を停止させるように構成されている。
そして、地上側コントローラ7は、図5に示すように、停止させるための速度指令情報を走行用インバータ31に送信する停止指令を行ってからの水平用レーザ測距計29の検出情報を入出力装置33から受信することにより、最小距離R1と最大距離R2とから振幅値Wを求めるように構成されている。
また、地上側コントローラ7は、振幅検査処理において、今回行われた振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差未満でありかつ今回行われた振幅検査処理にて求められた振幅値が異常用設定値以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別するように構成されている。
そして、地上側コントローラ7は、平均振幅値W1と振幅値W2との偏差ΔWが異常用設定偏差Wa以上であると、突発的な短期異常状態であると判別するようにしている。
また、地上側コントローラ7は、平均振幅値W1と振幅値W2との偏差ΔWが異常用設定偏差Wa未満でありかつ振幅値W2が異常用設定値Wb以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別するようにしている。
前記地上側コントローラ7は、検査指令情報が指令されると、走行台車10を検査用速度(例えば、6m/min)で走行させたのち、停止させるための速度指令情報を送信して停止指令を行う(ステップ1〜3)。
そして、地上側コントローラ7は、停止指令を指令してからの水平用レーザ測距計29の検出情報から振幅値を求める振幅値演算を行う(ステップ4)。
また、偏差ΔWが異常用設定偏差Wa未満であると、今回求めた振幅値W2と異常用設定値Wbとを比較し、振幅値W2が異常用設定値Wb以上であると、長期異常状態であると判別するようにしている(ステップ7,8)。
(1)上記実施形態では、地上側コントローラ7が、走行用インバータ31や昇降用インバータ32などと各種情報を直接通信することにより、スタッカークレーン3の運転を管理するようにしているが、スタッカークレーン側に、制御手段として、走行用インバータ31や昇降用インバータ32の作動を制御するクレーン側コントローラを設けて、地上側コントローラ7が、クレーン側コントローラに対して、駆動指令情報や検査指令情報を指令するように構成して実施することも可能である。
10 スタッカークレーンにおける走行台車
11 移載部
23 走行輪
25 駆動手段
26 ギア式減速手段
29 レーザ測距計
Claims (3)
- 物品を移載可能な移載部を備えたスタッカークレーンにおける走行台車の走行輪とギア式減速手段を介して連係されて、前記走行輪を駆動しかつ制動する駆動手段と、
前記走行台車に対する走行指令情報に基づいて、前記駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられている物品移載装置であって、
前記走行台車の走行経路に設定された基準位置と前記走行台車との間の距離を検出するレーザ測距計が設けられ、
前記制御手段は、検査指令情報が指令されると、前記走行台車を停止させるべく前記駆動手段を制動作用させたときからの前記レーザ測距計の検出情報に基づいて、前記基準位置と前記走行台車との間の距離の最小距離と最大距離との偏差である振幅値を求める振幅検査処理を行うように構成され、
前記振幅検査処理において、今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差以上である場合には、突発的な短期異常状態であると判別し、かつ、
今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差未満でありかつ今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値が異常用設定値以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別するように構成されている物品移載装置。 - 前記制御手段は、前記走行指令情報に基づいて前記走行台車を停止させる場合には、停止用低速度にて前記走行台車を走行させたのち、前記走行台車を停止させるように、前記駆動手段の作動を制御するように構成され、かつ、
前記検査指令情報が指令されている場合には、前記停止用低速度よりも大きい検査用速度にて前記走行台車を走行させたのち、前記走行台車を停止させるように、前記駆動手段の作動を制御して、前記振幅検査処理を行うように構成されている請求項1に記載の物品移載装置。 - 前記制御手段は、前記振幅検査処理において、求めた振幅値が異常用設定値以上であると、前記ギア式減速手段の異常状態であると判別するように構成されている請求項1または2に記載の物品移載装置。
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