JP2007045584A - 物品移載装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 物品を移載可能な移載部11を備えた走行台車10の走行輪23とギア式減速手段を介して連係されて、走行輪23を駆動しかつ制動する駆動手段25と、走行台車10に対する走行指令情報に基づいて、駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、走行台車10の走行経路に設定された基準位置と走行台車10との間の距離を検出する測距手段29が設けられ、制御手段は、検査指令情報が指令されると、走行台車10を停止させるべく駆動手段を制動作用させてから設定時間が経過した後の測距手段29の検出情報に基づいて、基準位置と走行台車との間の距離の最小距離と最大距離との偏差である振幅値を求める振幅検査処理を行うように構成されている。
【選択図】 図2
Description
そこで、このような状態となる前に、駆動手段などについてのメンテナンスを行うために、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを検出することが求められている。そして、従来の物品移載装置では、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いに応じて走行台車が前後に揺れることから、走行台車を停止させた状態で、走行台車を前後に揺らすことにより、そのときの揺れ度合いによって、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを判別する人為作業を行うようにしている。
また、走行台車の揺れ度合いによってギア式減速手段におけるガタツキ度合いを判別するに当り、作業者の経験や感覚などに頼っており、しかも、走行台車の揺らし方によって走行台車の揺れ度合いが異なることから、判別されるガタツキ度合いにばらつきが生じ、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを的確に判別できない虞がある。
前記走行台車の走行経路に設定された基準位置と前記走行台車との間の距離を検出する測距手段が設けられ、前記制御手段は、検査指令情報が指令されると、前記走行台車を停止させるべく前記駆動手段を制動作用させてから設定時間が経過した後の前記測距手段の検出情報に基づいて、前記基準位置と前記走行台車との間の距離の最小距離と最大距離との偏差である振幅値を求める振幅検査処理を行うように構成されている点にある。
この振幅検査処理にて求められる振幅値は、ギア式減速手段にガタツキ度合いを反映しているものであるので、作業者は、振幅検査処理にて求められる振幅値に基づいて、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを判別できることになる。
前記駆動手段を制動作用させた当初は、ギア式減速手段におけるガタツキだけでなく、走行台車の車体の揺れによっても、走行台車が前後に移動することになる。とくに、走行台車に昇降自在な昇降台を設けるスタッカークレーンなどの物品移載装置では、走行台車に昇降台の昇降を案内する長尺状の昇降マストを立設することから、駆動手段を制動作用させた当初に昇降マストが揺れ易く、その昇降マストの揺れによって走行台車が前後に移動する。
前記走行台車の車体は、ギア式減速手段よりも剛性が強いので、走行台車の車体の揺れによる走行台車の前後移動は、ギア式減速手段におけるガタツキによる走行台車の前後移動よりも先に収束されることになる。したがって、駆動手段を制動作用させてから設定時間が経過した後では、ギア式減速手段におけるガタツキだけによって走行台車の前後移動することになる。
そこで、本発明は、駆動手段を制動作用させてから設定時間が経過した後の測距手段の検出情報から振幅値を求めることにより、走行台車の前後移動の要因として、走行台車の車体の揺れを除外し、ギア式減速手段におけるガタツキによるものとした状態で、振幅値を求めることができることになる。
このようにして求めた振幅値は、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを的確に示すものとなり、作業者は、その振幅値からギア式減速手段におけるガタツキ度合いをより正確に判別できることになる。
それに対して、制御手段は、振幅検査処理においては、停止用低速度よりも大きい検査用速度にて走行台車を走行させた状態で、駆動手段を制動作用させて走行台車を停止させることにより、振幅値を求めることになる。このように、停止用低速度よりも大きい検査用速度にて走行台車を走行させることにより、ギア式減速手段におけるガタツキによって走行台車が前後に移動しやすい状態を作りながら、振幅値を求めることができることになる。したがって、振幅値がギア式減速手段におけるガタツキ度合いを的確に示すものとなり、ギア式減速手段におけるガタツキ度合いを精度よく判別できることになる。
したがって、作業者は、ギア式減速手段の異常状態であると判別されることにより、ギア式減速手段についてメンテナンスを行うことができ、走行台車を目標停止位置に停止させることができない状態となる前の適正な時期にメンテナンスを行うことができることになる。
また、制御手段は、今回行われた振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差未満でありかつ今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値が異常用設定値以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別することになるので、経年変化によりギア式減速手段におけるガタツキ度合いが大きくなっていることを判別でき、作業者が駆動手段についてのメンテナンスを行うなどの適正な処置を行えることになる。
この物品保管設備は、図1に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した二つの収納棚1と、それらの収納棚1どうしの間に形成した作業通路2を自動走行するスタッカークレーン3とが設けられ、各収納棚1には多数の物品収納部4が上下多段かつ左右に並設されている。
そして、スタッカークレーン3は、走行台車10の走行、昇降台12の昇降、および、フォーク装置11の作動により、荷載置台8に載置されている物品9をパレットPごと物品収納部4に入庫したり、物品収納部4に収納されている物品9をパレットPごと荷載置台8に出庫するように構成されている。
そして、前後一対の昇降マスト13の上端部が、上部フレーム15にて連結されており、この上部フレーム15がガイドレール6に沿って案内される。
そして、走行台車10の走行方向において、上方側従動プーリ16が、上部フレーム15の両端部に設けられ、走行台車側従動プーリ17が、走行台車10の一端部および中央部に設けられている。また、昇降台側従動プーリ18が、昇降台12の中央下面部に設けられ、駆動プーリ19は、走行台車10の一端部に設けられている。
前記駆動プーリ19を駆動するインバータ式の昇降用電動モータ24が設けられ、この昇降用電動モータ24にて駆動プーリ19を正逆に回転駆動することにより、昇降用チェーン14を長手方向に移動させて昇降台12を昇降させる。
そして、昇降用レーザ測距計20は、昇降台12の昇降方向において、走行台車10に設けられたミラー22の配設位置を基準位置として、その基準位置と昇降台12との距離を検出することにより、昇降台12の昇降位置を検出するように構成されている。
そして、走行用電動モータ25の作動により駆動走行輪23aを駆動して、走行台車10を走行レール5に沿って走行させ、走行用電動モータ25を作動停止させかつブレーキをかけることにより駆動走行輪23aを制動して、走行台車10を走行停止させるようにしている。
そして、水平用レーザ測距計29は、作業通路2において、走行レール5の端部を基準位置として、その基準位置に設置されている反射板30に向けて投射して、基準位置と走行台車10との距離を検出することにより、走行台車10の走行位置を検出するように構成されている。
前記スタッカークレーン3には、走行用電動モータ25またはフォーク装置11を作動させる走行用インバータ31、昇降用電動モータ24を作動させる昇降用インバータ32、昇降用レーザ測距計20および水平用レーザ測距計29の検出情報を入出力可能な入出力装置33などが設けられている。
また、昇降用インバータ32は、昇降用電動モータ24に対して電流を出力して昇降用電動モータ24を作動させるように構成されている。
前記スタッカークレーン3側の通信コントローラ31a,32a,33a、地上側コントローラ7側の通信コントローラ7a、光伝送装置34により、通信ネットワークが構成されている。そして、この通信ネットワークは、地上側コントローラ7をマスタとし、かつ、走行用インバータ31、昇降用インバータ32、入出力装置33をスレーブとする状態で、各種情報を通信自在に構成されている。
前記地上側コントローラ7は、この通信ネットワークにて各種情報を通信することにより、スタッカークレーン3についての各種情報を管理しながら、スタッカークレーン3の運転を制御するように構成されている。
そして、荷載置台8に載置されているパレットPを掬うと、次に、地上側コントローラ7は、複数の物品収納部4のうちから、一つの物品収納部4を移載先として、その移載先の物品収納部4に対応する目標停止位置を移載用停止位置と設定して、通信ネットワークにより各種情報を通信しながら、走行台車10を走行させおよび昇降台12を昇降させて、昇降台12を移載用停止位置に停止させたのち、フォーク装置11を作動させて、移載先の物品収納部4にパレットPを卸す卸し動作を行うように構成されている。
まず、走行台車10の走行について説明すると、地上側コントローラ7が、走行方向をも指示する走行開始指令情報を通信ネットワークにて走行用インバータ31に通信する。そして、走行用インバータ31は、走行開始指令情報が指令されることにより、走行台車10の走行を開始させるべく、走行用電動モータ25に対して電流を供給する。
その後、地上側コントローラ7は、設定時間が経過するごとに、走行速度指令情報を通信ネットワークにて走行用インバータ31に送信する。そして、走行用インバータ31は、走行速度指令情報に基づいて、その走行速度指令情報にて指令された走行速度で走行台車10を走行させるべく、走行用電動モータ25に対する電流値を調整する。
前記走行速度情報については、走行を開始してからの経過時間または走行距離に応じて予め定められた走行速度カーブに基づいて、走行速度指令情報が指令される。
前記地上側コントローラ7は、走行台車10の走行位置を管理しながら走行させている状態において、走行台車10の走行位置が移載用停止位置よりも手前の減速用位置に達したと判別すると、走行台車10の走行速度を停止用低速度に減速させるための減速指令情報を通信ネットワークにて走行用インバータ31に通信する。そして、走行用インバータ31は、減速指令情報が指令されることにより、走行台車10の走行速度が停止用低速度になるべく、走行用電動モータ25に対する電流値を調整する。
前記地上側コントローラ7は、昇降台12を移載用停止位置に停止させるべく、昇降開始指令情報や昇降速度指令情報などの指令情報を通信ネットワークにて昇降用インバータ32に通信する。そして、昇降用インバータ32は、地上側コントローラ7からの指令情報に基づいて、昇降用電動モータ24に対する電流供給を調整する。
また、地上側コントローラ7は、通信ネットワークによる入出力装置33との通信により昇降用レーザ測距計20の検出情報を取得して、昇降台12の昇降位置を管理している。
そして、例えば、メンテナンス作業時などに、検査指令情報が指令されると、地上側コントローラ7が、振幅検査処理を行うように構成されている。
ちなみに、検査指令情報については、例えば、地上側コントローラ7に接続自在なハンディなどを用いて指令することが可能である。
また、地上側コントローラ7が、走行台車10を検査用速度(例えば、6m/min)で走行させている状態において、走行停止指令を行うタイミングになると、走行台車10を走行停止させるための走行停止指令情報を走行用インバータ31に通信して走行停止指令を行う。すると、走行用インバータ31が、走行用電動モータ25に対する電流供給を停止して走行用電動モータ25を作動停止させかつブレーキをかけることにより、走行用電動モータ25を制動作用させて、走行台車10を停止させる。
そして、地上側コントローラ7は、図5に示すように、通信ネットワークによる通信によって、常時、水平用レーザ測距計29の検出情報を入出力装置33から取得しているのであるが、走行停止指令を行ってから第一設定時間T1(例えば、6秒)が経過した後の第二設定時間T2(例えば、4秒)の間における水平用レーザ測距計29の検出情報に基づいて、最小距離R1と最大距離R2とから振幅値Wを求めるように構成されている。
ちなみに、走行停止指令を行うタイミングについては、例えば、複数の目標停止位置の一つを検査用として、走行台車10の走行位置が検査用の目標停止位置に到達したタイミングとしたり、あるいは、走行を開始してから設定時間が経過したタイミングとすることができる。
そして、図5では、水平用レーザ測距計29の検出情報について、走行停止指令を行ってからの時間経過に伴う変化を示しており、図5中点線は、例えば、検査用の目標停止位置を示している。また、図5では、縦軸および横軸の単位を示していないが、例えば、縦軸をmmとして5.0mmの範囲でのものを示しており、横軸をmsecとして走行停止指令を行ってから16000msecの範囲でのものを示している。
また、地上側コントローラ7は、振幅検査処理において、今回行われた振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差未満でありかつ今回行われた振幅検査処理にて求められた振幅値が異常用設定値以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別するように構成されている。
そして、地上側コントローラ7は、平均振幅値W1と振幅値W2との偏差ΔWが異常用設定偏差Wa以上であると、突発的な短期異常状態であると判別する。また、地上側コントローラ7は、平均振幅値W1と振幅値W2との偏差ΔWが異常用設定偏差Wa未満でありかつ振幅値W2が異常用設定値Wb以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別する。
このようにして、作業者は、ハンディなどにより検査指令情報を与えることにより、振幅検査処理にて求めた振幅値W2からギア式減速手段26におけるガタツキ度合いを判別することができる。また、短期異常状態と長期異常状態とを区別する状態で報知されるので、作業者は、短期異常状態と長期異常状態とに対して適正な処置を行うことができる。
前記地上側コントローラ7は、検査指令情報が指令されると、走行台車10を検査用速度(例えば、6m/min)で走行させたのち、走行台車を停止させるための走行停止指令情報を通信して走行停止指令を行う(ステップ1〜3)。
そして、地上側コントローラ7は、走行停止指令を行ってから第一設定時間T1が経過すると、その時点から第二設定時間T2の間における水平用レーザ測距計29の検出情報から振幅値W2を求める振幅値演算を行う(ステップ4,5)。
また、偏差ΔWが異常用設定偏差Wa未満であると、今回求めた振幅値W2と異常用設定値Wbとを比較し、振幅値W2が異常用設定値Wb以上であると、長期異常状態であると判別するようにしている(ステップ8,9)。
(1)上記実施形態では、地上側コントローラ7が、走行用インバータ31や昇降用インバータ32などと各種情報を直接通信することにより、スタッカークレーン3の運転を管理するようにしているが、スタッカークレーン3側に、制御手段として、走行用インバータ31や昇降用インバータ32の作動を制御するクレーン側コントローラを設けて、地上側コントローラ7が、クレーン側コントローラに対して、入庫指令、出庫指令、検査指令情報を指令するように構成して実施することも可能である。
10 走行台車
11 移載部
23 走行輪
25 駆動手段
26 ギア式減速手段
29 測距手段
Claims (4)
- 物品を移載可能な移載部を備えた走行台車の走行輪とギア式減速手段を介して連係されて、前記走行輪を駆動しかつ制動する駆動手段と、
前記走行台車に対する走行指令情報に基づいて、前記駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられている物品移載装置であって、
前記走行台車の走行経路に設定された基準位置と前記走行台車との間の距離を検出する測距手段が設けられ、
前記制御手段は、検査指令情報が指令されると、前記走行台車を停止させるべく前記駆動手段を制動作用させてから設定時間が経過した後の前記測距手段の検出情報に基づいて、前記基準位置と前記走行台車との間の距離の最小距離と最大距離との偏差である振幅値を求める振幅検査処理を行うように構成されている物品移載装置。 - 前記制御手段は、前記走行指令情報に基づいて前記走行台車を停止させる場合には、停止用低速度にて前記走行台車を走行させたのち、前記走行台車を停止させるように、前記駆動手段の作動を制御するように構成され、かつ、
前記検査指令情報が指令されている場合には、前記停止用低速度よりも大きい検査用速度にて前記走行台車を走行させたのち、前記走行台車を停止させるように、前記駆動手段の作動を制御して、前記振幅検査処理を行うように構成されている請求項1に記載の物品移載装置。 - 前記制御手段は、前記振幅検査処理において、求めた振幅値が異常用設定値以上であると、前記ギア式減速手段の異常状態であると判別するように構成されている請求項1または2に記載の物品移載装置。
- 前記制御手段は、前記振幅検査処理において、今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差以上である場合には、突発的な短期異常状態であると判別し、かつ、
今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値と以前に行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値との偏差が異常用設定偏差未満でありかつ今回行われた前記振幅検査処理にて求められた振幅値が異常用設定値以上である場合には、経年変化による長期異常状態であると判別するように構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品移載装置。
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