JP4963043B2 - 耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法に関するものである。
フェライト系ステンレス鋼板は、厨房機器、家電製品、電子機器など幅広い分野で使用されている。しかしながら、オ−ステナイト系ステンレス鋼板と比較して加工性に劣るため、用途限定される場合もあった。近年、精錬技術の向上により極低炭素・窒素化が可能となり、更にTiやNbなどの安定化元素の添加により、加工性を高めたフェライト系ステンレス鋼板は広範囲の加工用途へ適用されつつある。これは、フェライト系ステンレス鋼が多量のNiを添加するオ−ステナイト系ステンレス鋼よりも経済性に優れているためである。
加工性を高めたフェライト系ステンレス鋼板は、代表的なオ−ステナイト系ステンレス鋼板のSUS304(18Cr−8Ni)と比べ、Cr量が低い場合も多く,耐食性には課題がある。意匠性が要求されるステンレスシンク等の厨房機器や家電製品については、初期の発銹やしみなどの腐食による表面性状の劣化を問題とする場合が多い。
上述のような耐発銹性を改善するには、CrやMoを合金化する方法と、光輝焼鈍により鋼板表面に形成する皮膜を改質する方法とがある。前者は、合金化によるコスト上昇を招くとともに、加工性を阻害する要因となるため好ましくない。後者は、材料コストの上昇と加工性の低下を抑制する視点から有効な方法であり、光輝焼鈍を利用した皮膜改質については種々の発明が開示されている。
特許文献1には、非晶質シリカ(SiO2)を主成分とする皮膜を形成させることでステンレス光輝焼鈍材の耐発銹性を高めることを開示している。SiO2皮膜による耐発銹性の改善については、特許文献2において鋼中Al量と皮膜中Al量の規制により向上すること、特許文献3においてNb酸化物との共存により向上することも開示されている。
上述の光輝焼鈍を利用した耐発銹性の向上は、Siを主な脱酸元素としたものであり、実質的にSiを0.5%以上含むフェライト系ステンレス鋼である。近年、例えば、特許文献4,特許文献5の中で加工性の向上を図るために低Si化,Ti添加したフェライト系ステンレス鋼板が開示されている。低Si化,Ti添加したフェライト系ステンレス鋼の皮膜改質については、例えば、特許文献6,特許文献7,特許文献8において、皮膜中にAlとTiの両者を濃化させることで耐発銹性が向上することを開示している。
加工性に優れた低Si,Ti添加したフェライト系ステンレス鋼において、光輝焼鈍を利用した耐発銹性の向上技術は、鋼板表面に形成する皮膜のAlとTiの複合作用に基づいている。上記効果を得るには、Alを光輝焼鈍で皮膜中に濃化させることが必要であり、鋼中のAl含有量は実質的に、特許文献6では0.06%超、特許文献7および特許文献8では0.12%超としなければならない。すなわち、Ti単独の効果で耐発銹性の向上を達成したものではない。Alは、低Si化したフェライト系ステンレス鋼の脱酸元素として有効に作用するものの、0.05%を超えて脱酸の必要量以上に添加すると、鋼の加工性,靭性,溶接性を阻害することになる。
上述した通り、従来、光輝焼鈍を利用した耐発銹性向上技術は、脱酸元素であるSiやAlを積極的に添加することで成し得たものであり、加工性に優れたTi添加フェライト系ステンレス鋼の耐発銹性を著しく向上する技術は未だ開発されていない。すなわち、Ti単独の効果で耐発銹性の向上を図った例はない。従来、光輝焼鈍へのTi添加鋼の適用が一般的でない理由として、テンパ−カラ−を生じやすい,窒化物(TiN)を生じやすいなどが挙げられる。テンパ−カラ−は、表面の色調と光沢を著しく損なうとともに、耐発銹性にも悪影響を及ぼす。また、TiN等の粗大な析出物を生成すれば表面疵の起点となり意匠性を損なう。かくして、本発明の目的は、Ti添加フェライト系ステンレス鋼において、加工性を阻害するSiやAlを利用することなく,耐発銹性を著しく向上させた光輝焼鈍板を提供することにある。
特開昭58−197282号公報 特開昭63−235461号公報 特開昭61−235540号公報 特開2003−231954公報 特開2005−298854公報 特開平7−180001公報 特開平9−202945公報 特開平10−273760公報
本発明は、加工性に優れたTi添加フェライト系ステンレス鋼の耐発銹性を向上させるべく案出されたものであり、加工性を阻害するSiやAlを利用することなく光輝焼鈍時の皮膜改質により耐発銹性を向上させた鋼板とその製造方法について提供することを目的とする。
(1)質量%にて、C:0.001〜0.010%、Si:0.01〜0.20%、Mn:0.01〜0.30%、P:0.005〜0.050%、S:0.0001〜0.0100%、Cr:14〜22%、N:0.001〜0.020%、Ti:0.05〜0.30%、Al:0.005〜0.050%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼板であって、表面酸化皮膜内のCr/Fe原子濃度比>0.5かつ表面酸化皮膜にTiO2を含有し、表面の孔食電位V’c100が0.5V以上であることを特徴とする耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板。
(2)前記鋼が、さらに質量%にて、0.0050%以下、Nb:0.6%以下、Mo:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cu:2.0%以下、B:0.0003〜0.0050%の1種または2種以上含有していることを特徴とする請求項1に記載の耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板。
(3)請求項1または2に記載の鋼成分を有するフェライト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、その後冷間圧延と焼鈍を組み合わせて冷延鋼板を製造する最終焼鈍工程において、雰囲気中の水素ガスを70容量%以上とし、残部が実質的に窒素ガスからなり、常温〜700℃の昇温過程において雰囲気ガスの露点を−41℃以下,滞留時間を60〜600秒とし、700〜1000℃の均熱過程において雰囲気ガスの露点を−40℃以下,滞留時間を1〜60秒とし、次いで400℃までの冷却過程において雰囲気ガスの露点を−40℃以下,滞留時間を180秒以下として光輝焼鈍することを特徴とする、耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板の製造方法。
(4)常温〜700℃の昇温過程において雰囲気ガスの露点を−45℃以下,滞留時間を60〜600秒とし、700〜1000℃の均熱過程において雰囲気ガスの露点を−40℃以下,滞留時間を1〜60秒とし、次いで400℃までの冷却過程において雰囲気ガスの露点を−45℃以下,滞留時間を180秒以下とする光輝焼鈍を行うことを特徴とする、請求項3に記載の耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板の製造方法。
(5)光輝焼鈍に先立ち,常温から200℃の範囲で不活性ガスを鋼板表面に吹き付けるシ−ル設備を1〜180秒間通過する工程を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板の製造方法。
なお、表面酸化皮膜の化学的な状態は、X線光電子分光分析器(XPS)を用いて分析することが出来る。Cr23(Cr2P電子)の結合エネルギ−は575〜580eV,TiO2(Ti2P電子)の結合エネルギ−は455〜460eVである。TiO2の存在は、455〜460eVでのピ−クの検出により確認できる。また、孔食電位の測定はJISG0577に準拠し、30℃,1kmol/m3塩化ナトリウム水溶液中で、鋼板表面は無処理の状態のまま測定する。電極はAgClとし、孔食発生電位V’c100の値を測定したものである。
以上に説明したように、(1)〜(2)の本発明の光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板は、加工性を阻害するSiやAlを利用することなく,皮膜の化学的な状態を最適化することにより、SUS304を超える高い孔食電位を有し,耐発銹性を著しく向上させることが出来る。この光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板は、(3)〜(5)の本発明の方法によって、工業的に安定して製造することが可能である。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、Ti添加フェライト系ステンレス鋼板において、優れた耐発銹性を発現する皮膜の化学的な状態とそれら皮膜の製造方法について種々検討を行い、下記の新しい知見を得た。
(a)光輝焼鈍で生成する皮膜の化学的な状態は上述したようにXPSにより分析することができる。SiとAl量を低く規定したTi添加フェライト系ステンレス鋼光輝焼鈍板はCr23を主体とする酸化皮膜を生成し、皮膜中から検出されるSiやAlは極微量である。
(b)Tiは上記の皮膜中に濃化し,テンパカラ−を発生しない,すなわち色調を害さない表面状態において、TiO2の状態で存在する場合を見出した。
(c)表面酸化皮膜内のCr/Fe原子濃度比>0.5となるCr23を主体とする酸化皮膜にTiO2を含有する場合、鋼表面の孔食電位は、上述の測定条件で0.5V以上の値となる。この数値は、SUS304を上回る高い耐孔食性を示すものである。
(d)近年、ステンレス鋼の耐発銹性は、製造メ−カ−に限らず個々の需要家においても塩水噴霧などの加速試験により簡便的に評価される場合が多くなっている。上記の高い孔食電位を有する鋼板は、これら簡便的な評価においてSUS304やSUS316Lを上回る優れた耐発銹性を発現する。
(e)上記(c)に記載する酸化皮膜は、冷延鋼板を仕上げる光輝焼鈍の条件を最適化することによって工業的に安定して製造することができる。
(f)光輝焼鈍に使用される雰囲気ガスは、通常、露点−40℃以下である。露点−40℃以下では、Feは還元領域にあり、鋼表面はCrの選択酸化によりCr23を主体とする酸化皮膜を生成する。Tiは、Crよりも酸化物の生成自由エネルギ−が低く酸化されやすいとともに,酸化物中の拡散も速く酸化物が成長しやすいという特徴を持つ。そのため、TiはCr23を主体とする酸化皮膜中に濃化し,熱力学的に安定なTiO2として存在し得たものと推察する。
(g)しかしながら、工業的に光輝焼鈍の露点を(f)で述べた通り低く管理することは大変困難である。すなわち、工業的な製造においては、鋼表面に付着残存した酸素や水分が炉内へ持ち越される,大気が炉内に侵入する,炉壁から水分が放出される等の要因により鋼表面近傍の露点を低く管理することは容易でないと考えられる。さらに、高温での滞留時間が長くなるとTi酸化物の成長によるテンパ−カラ−も生じやすくなる。
(h)(g)の仮説に基づいて、鋼表面近傍の露点を低く管理する方法について検討した結果、700℃以下の昇温過程の露点を下げる,均熱過程の滞留時間を短くする,400℃までの冷却過程の露点を下げることが、(c)に記載した皮膜の製造に有効であることを知見した。
(i)さらに、(h)に述べた製造方法において、700℃以下の昇温過程で露点を下げることが最も有効であり、光輝焼鈍に先立ち鋼表面に不活性ガスを吹き付ける工程を取り入れて鋼表面に付着残存した酸素源を除去することが効果的な手段であることも知見した。
前記(1)〜(5)の本発明は、上記(a)〜(i)の知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)成分の限定理由を以下に説明する。
Cは、成形性と耐食性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良いため、上限を0.010%とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、下限を0.001%とした。好ましくは、耐食性や製造コストを考慮して0.002〜0.005%とする。
Siは、脱酸元素として添加される場合がある。しかし、固溶強化元素であり、伸びの低下抑制からその含有量は少ないほど良いため、上限を0.20%とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、下限を0.01%とした。好ましくは、加工性や製造コストを考慮して0.03〜0.15%とする。
Mnは、Siと同様、固溶強化元素であるため、その含有量は少ないほど良い。伸びの低下抑制から上限を0.30%とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、下限を0.01%とした。好ましくは、加工性と製造コストを考慮して0.03〜0.15%とする。
Pは、SiやMnと同様、固溶強化元素であるため、その含有量は少ないほど良い。伸びの低下抑制から上限を0.050%とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、下限を0.005%とした。好ましくは、製造コストと加工性を考慮して0.010〜0.020%とする。
Sは、不純物元素であり、熱間加工性や耐食性を阻害するため、その含有量は少ないほど良い。そのため、上限は0.0100%とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、下限を0.0001とした。好ましくは、耐食性や製造コストを考慮して0.0010〜0.0050%とする。
Crは、耐食性を確保するための必須元素であり、本発明の孔食電位を確保するために下限は14%とする。但し、22%超の添加はコストの上昇や本発明で重要視する加工性の低下に繋がる。よって、Crの上限は22%とした。好ましくは、耐食性および製造性と加工性を考慮して16〜18%とする。
Nは、Cと同様に加工性と耐食性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良いため、上限を0.020%とした。但し、過度の低下は凝固時にフェライト粒生成の核となるTiNが析出せず、凝固組織が柱状晶化し、製品の耐リジング性が劣化する懸念もある。そのため、下限を0.001%とした。好ましくは、加工性と耐食性を考慮して0.003〜0.012%とする。
Tiは、CやNを固定して加工性を向上させるために極めて有効な元素であるとともに、本発明の光輝焼鈍での皮膜改質による耐発銹性向上に必要不可欠である。Tiは、本発明で規定する光輝焼鈍条件によりCr23を主体とする皮膜中に濃化しTiO2として存在する。光輝焼鈍材の耐発銹性向上効果は、TiO2がCr23を主体とする皮膜中に存在することに起因している。このような耐発銹性向上効果を得るには、Tiを0.05%以上添加する必要がある。しかし、Tiも固溶強化元素であり、過度の添加は伸びの低下に繋がる。さらに、光輝焼鈍時のテンパカラ−を生じやすくし表面色調を阻害することにも繋がる。そのため、上限を0.30%とした。好ましくは、耐発銹性向上や加工性と製造性を考慮して0.10〜0.20%とする。
Alは、脱酸元素として有効な元素であるため、下限を0.005%とした。しかし、過度の添加は加工性や靭性および溶接性の劣化をもたらすため、上限を0.050%とした。好ましくは、精錬コストを考慮して0.01〜0.03%とする。
Mgは、溶鋼中でAlとともにMg酸化物を形成し脱酸剤として作用する他、TiNの晶出核として作用する。TiNは凝固過程においてフェライト相の凝固核となり、TiNの晶出を促進させることで、凝固時にフェライト相を微細生成させることができる。凝固組織を微細化させることにより、製品のリジングやロ−ピングなどの粗大凝固組織に起因した表面欠陥を防止できる他、加工性の向上をもたらす。TiNの晶出核となるMg酸化物の溶鋼中での積極的な形成は、Mg0.0001%から発現する。これら効果を得るため、下限を0.0001%とした。但し、0.0050%を超えると溶接性が劣化するため、上限を0.0050%とした。好ましくは、精錬コストを考慮して0.0003〜0.0020%とする。
Nbは、加工性と耐食性を向上させる元素であり、要求される用途に応じて添加する。添加する場合は、その効果が発現する0.01%以上とする。しかし、過度な添加は材料強度を上昇させて伸びの低下をもたらすため、上限を0.6%とした。好ましくは、製造性や加工性を考慮して0.1〜0.3%とする。
Mo、Ni、Cuは耐食性を向上させる元素であり、耐食性が要求される用途では添加する。添加する場合は、その効果が発現する0.1%以上とする。しかし、過度な添加は加工性、特に伸びの低下をもたらすため、上限を2.0%とした。好ましくは、製造性や加工性を考慮して0.5〜1.5%とする。
Bは、2次加工性を向上させる元素であり、Ti添加鋼への添加は有効である。Ti添加鋼はTiでCを固定するため、粒界の強度が低下し、2次加工の際に粒界割れが生じやすくなる。添加する場合は、その効果が発現する0.0003%以上とする。しかし、過度の添加は、伸びの低下をもたらすため、上限を0.0050%とした。好ましくは、精錬コストや加工性を考慮して0.0005〜0.0020%とする。
(B)鋼板表面の酸化皮膜に関する限定理由を以下に説明する。
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、(A)項で述べた成分を有し、耐発銹性の向上を図るために、光輝焼鈍で生成する酸化皮膜の化学的な状態を規定したものである。
表面酸化皮膜内のCr/Fe原子濃度比>0.5となるCr23を主体とする皮膜中にTiO2が存在すると、鋼表面の耐発銹性を著しく向上させる作用がある。詳細な作用機構は不明であるが、このTiO2による耐発銹性向上効果は、鋼表面から検出されるFeの存在が抑制される場合に顕著に発現する。ここで、Feは鋼表面において主としてFeOOHやFe23の混在状態で存在する。
既に述べたように、本発明でいう鋼表面のCrやTi,Feなど各元素の化学的な状態はX線光電子分光分析器(XPS)を用いて分析することが出来る。FeOOHやFe23(Fe2P電子)の結合エネルギ−は708〜712eVである。ここで、TiO2の存在は、450〜470eVの範囲において、455〜460eVに存在するTiO2のX線カウント数(cps)がその周辺であるX線カウント数(cps)に対して100cps以上高い状態にある場合とする。
鋼表面の孔食発生電位V’c100>0.5として耐発銹性の向上を図るには、酸化皮膜の組成としてはC,Nを除くOとカチオンイオンの存在割合でCr/Fe原子濃度比>0.5となるCr23主体の皮膜中にTiO2が存在するものとする。ここで、鋼表面の耐発銹性を著しく高める場合には、Cr/Fe原子濃度比>0.7のCr23主体の皮膜中にTiO2が存在することが好ましい。
酸化皮膜内のC,Nを除くOとカチオンイオンの濃度は、次の手法で求められる。Arイオンスパッタリングにより鋼表面の酸化皮膜を最表面から徐々に削っていきながらオ−ジェ電子分光法にて表面組成の変化を測定する。ここで、酸化皮膜の存在領域を把握し,その領域における検出元素の平均原子濃度(表記:atom%)を求めた。
酸化皮膜の膜厚は、光輝焼鈍の露点や温度および時間に依存して変化するため、明確な範囲は規定できないが、20オングストロ−ム以上であれば本発明の効果を発現する。しかし、1000オングストロ−ムを超えた場合には、テンパ−カラ−による着色を生じるため、表面の色調を損なう恐れがある。従って、膜厚は1000オングストロ−ム以下とする。耐発銹性と製造性を考慮して、膜厚は30〜100オングストロ−ムとすることが好ましい。
(C)製造方法に関する限定理由を以下に説明する。
前記(A)項に記載の成分を有するフェライト系ステンレス鋼において、前記(B)項に記載の皮膜を生成させるために、冷延鋼板の仕上げ光輝焼鈍条件を規定したものである。
光輝焼鈍時の雰囲気ガスは、水素ガスが70容量%以上とし,残部が実質的に窒素ガスからなるものとする。水素ガスは、光輝焼鈍時のFe系酸化物の還元作用を有するために、好ましくは80%以上とする。残部は、鋼の酸化に寄与しない不活性ガス,例えばアルゴンガスなどでもよいが、工業的なコスト面を考慮して窒素ガスとすることが好ましい。
雰囲気ガスの露点は、酸化皮膜中のFe系酸化物を還元してCr23を主体とする酸化膜とし、Cr/Fe原子濃度比>0.5とすると同時に、酸化皮膜中にTiO2を存在させるために、−40℃以下とする。Feの存在状態を十分に抑制してCr23を主体とする皮膜を生成させかつTiO2を存在させるには、以下に説明するように昇温過程,均熱過程,冷却過程の温度域に応じて露点と滞留時間を規定することが好ましい。
常温から700℃の昇温過程は、露点を−45℃以下とし,雰囲気ガス中での鋼板の滞留時間を60〜600秒とするのが好ましい。露点が−45℃を超える,あるいは滞留時間が600秒を超える場合は、テンパ−カラ−の要因となるFeとTiの酸化物が生成しやすい。また滞留時間が600秒以下であれば、Cr/Fe原子濃度比>0.5とすることができる。滞留時間を60秒未満とするのは、工業炉において実用上困難である。従って、滞留時間の下限は60秒とした。
700〜1000℃の均熱過程は、露点を−40℃以下とし,雰囲気ガス中での鋼板の滞留時間を1〜60秒とするのが好ましい。露点が−40℃を超える,あるいは滞留時間が60秒を越えると、テンパ−カラ−の要因となるFeとTiの酸化物が生成しやすい。また滞留時間が60秒以下であれば、Cr/Fe原子濃度比>0.5とすることができる。露点を低くしても,滞留時間が60秒を超えるとTi酸化物の成長により表面色調や皮膜組成に変化を及ぼしやすい。滞留時間を1秒未満とするのは、工業炉において実用上困難である。従って、滞留時間の下限は1秒とした。
均熱から400℃までの冷却過程は、露点を−40℃以下とし,雰囲気ガス中での鋼板の滞留時間を180秒以下とするのが好ましい。露点が−40℃を超える,あるいは滞留時間が180秒を超えると、生産性を阻害するとともにテンパ−カラ−の要因となるFeとTiの酸化物が成長しやすい。また滞留時間が180秒以下であれば、Cr/Fe原子濃度比>0.5とすることができる。
上記の光輝焼鈍条件に加え,より効率的に鋼表面近傍の露点を低くする手段として、光輝焼鈍に先立ち常温から200℃の範囲で不活性ガスを鋼表面に吹き付けるシ−ル設備を1〜180秒間通過する工程を含むことが好ましい。光輝焼鈍時の昇温過程で生成・成長する酸化物は、鋼表面に付着している水分などに含まれる酸素源に起因するところが大きい。そのため、光輝焼鈍に先立ち鋼表面に不活性ガスを吹き付けることによりこれを効率的に除去することができる。さらに、上記のシ−ル設備を有することにより、炉内への大気侵入も防止される。温度の上限を200℃としたのは、これを越えると逆に酸化を助長してしまうためである。通過時間が1秒未満では、鋼表面に付着残存する酸素源を除去する効果は得られない。180秒を越えるとシ−ル設備の増強によるコスト増や生産性を損ねる恐れもある。また、不活性ガスは工業的なコスト面から窒素ガスとすることが好ましい。
以下、本発明の鋼板について、実施例により更に詳しく説明する。
Figure 0004963043
表1の成分を有するフェライト系ステンレス鋼を溶製し、加熱温度1150〜1200℃の熱間圧延を行い板厚3.8mmの熱延鋼板とした。熱延鋼板は焼鈍し、酸洗後に板厚0.4mmまで冷間圧延し、仕上げの光輝焼鈍に供した。仕上げの光輝焼鈍は、表1に示す本発明で規定する範囲とそれ以外の条件でも実施した。比較にはSUS304(18%Cr−8%Ni)鋼とSUS316(17%Cr−12%Ni−2.0Mo)鋼を用いた。
上記のようにして得た厚さ0.4mmの光輝焼鈍鋼板について、表面の色調を目視で判定した。テンパカラ−による表面の色調変化が確認されない場合を「○」、テンパカラ−による色調変化を生じた場合を「×」とした。
また、各種試験片を採取して、皮膜の状態分析,鋼表面の孔食電位測定,塩水噴霧試験,キャス試験に供した。
既に述べたように、皮膜のCr/Fe原子濃度比はオ−ジェ電子分光法,皮膜の化学的状態はXPSを用いて分析した。孔食電位は、上述したJISG0577に準拠する方法で測定した。
塩水噴霧試験およびキャス試験は、JISZ2371に準拠する方法で実施した。試験には、いずれも、光輝焼鈍鋼板と円筒深絞りした加工品を使用した。円筒深絞りは、ブランク径φ80mm, ポンチ径φ40mm, ダイス径φ42mm, しわ押さえ圧1tonで実施し,潤滑にはフィルムを使用した。試験日数は7日間(168hr)とした。発銹の程度はSUS304と比較して、同等以上である場合を「○」,劣る場合を「×」,SUS316Lと比較して同等以上である場合を「◎」とし,耐発銹性を評価した。
Figure 0004963043
表2に各試験結果をまとめて示す。
表2から、試験番号1〜7の本発明の製造条件を満たすTi添加フェライト系ステンレス鋼板は、表面の色調変化が見られず,Cr/Fe原子濃度比>0.5のCr23を主体とする表面酸化皮膜にTiO2を有し,表面の孔食電位は0.5V以上である。これら光輝焼鈍板および円筒深絞りした加工品は、比較のSUS304(試験番号8)あるいはSUS316L(試験番号9)と同等以上の耐発銹性を示す。
これに対して、試験番号10〜17のTi添加フェライト系ステンレス鋼板は、本発明で規定する製造条件を満足しないものである。
試験番号10〜12のTi添加フェライト系ステンレス鋼板は、表面の色調変化はないものの,いずれも皮膜のCr/Fe原子濃度比<0.5でありTiO2を含有していても,孔食電位は0.5V未満である。そのため、これら光輝焼鈍板および円筒深絞りした加工品は、比較のSUS304(試験番号8)より耐発銹性に劣る。
試験番号13〜17のTi添加フェライト系ステンレス鋼板は、表面の色調変化を示し,いずれも皮膜のCr/Fe原子濃度比<0.5でありTiO2を含有していても,孔食電位は0.5V未満である。そのため、これら光輝焼鈍板および円筒深絞りした加工品は、比較のSUS304(試験番号8)より耐発銹性に劣る。
本発明によれば、Ti添加フェライト系ステンレス鋼板の優れた加工性を生かしつつ、耐発銹性を著しく向上させることが可能となり、オ−ステナイト系ステンレス鋼板と比較して経済性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の適応用途の拡大を図ることが出来る。

Claims (5)

  1. 質量%にて、C:0.001〜0.010%、Si:0.01〜0.20%、Mn:0.01〜0.30%、P:0.005〜0.050%、S:0.0001〜0.0100%、Cr:14〜22%、N:0.001〜0.020%、Ti:0.05〜0.30%、Al:0.005〜0.050%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼板であって、表面酸化皮膜内のCr/Fe原子濃度比>0.5かつ表面酸化皮膜にTiO2を含有し、表面の孔食電位V’c100が0.5V以上であることを特徴とする耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板。
  2. 前記鋼が、さらに質量%にて、Mg:0.0050%以下、Nb:0.6%以下、Mo:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cu:2.0%以下、B:0.0003〜0.0050%の1種または2種以上含有していることを特徴とする請求項1に記載の耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の鋼成分を有するフェライト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、その後冷間圧延と焼鈍を組み合わせて冷延鋼板を製造する最終焼鈍工程において、雰囲気中の水素ガスを70容量%以上とし、残部が実質的に窒素ガスからなり、常温〜700℃の昇温過程において雰囲気ガスの露点を−41℃以下,滞留時間を60〜600秒とし、700〜1000℃の均熱過程において雰囲気ガスの露点を−40℃以下,滞留時間を1〜60秒とし、次いで400℃までの冷却過程において雰囲気ガスの露点を−40℃以下,滞留時間を180秒以下として光輝焼鈍することを特徴とする、耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板の製造方法。
  4. 常温〜700℃の昇温過程において雰囲気ガスの露点を−45℃以下,滞留時間を60〜600秒とし、700〜1000℃の均熱過程において雰囲気ガスの露点を−40℃以下,滞留時間を1〜60秒とし、次いで400℃までの冷却過程において雰囲気ガスの露点を−45℃以下,滞留時間を180秒以下とする光輝焼鈍を行うことを特徴とする、請求項3に記載の耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板の製造方法。
  5. 光輝焼鈍に先立ち,常温から200℃の範囲で不活性ガスを鋼板表面に吹き付けるシ−ル設備を1〜180秒間通過する工程を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の耐発銹性と加工性に優れた光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板の製造方法。
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