JP4360136B2 - オーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厨房、食器、浴槽、便器、家電製品、建材製品、車輌等に使用されるステンレス鋼に関し、特にプレス加工後の耐時期割れ性と耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は、優れた加工性と耐食性を有することから、厨房、食器、浴槽、便器、家電製品、建材製品、車輌等に幅広く利用されている。これらステンレス鋼板は、加工誘起マルテンサイト変態によりプレス加工における張出し性に優れるが、深絞り加工後に放置した製品に時期割れと呼ばれる割れが発生する問題がある。近年、意匠性や経済性の観点から、複雑な形状にプレス加工することができ、かつプレス加工後に放置された製品において時期割れを発生しないことが望まれている。
【0003】
例えば、台所用の流し台には、人工大理石と比較して安価なSUS304鋼板を用いて、多段プレス加工を施した異形シンクの生産量が年々増加している。これら機器メーカーからは、生産の歩留まりロスや、消費者クレームを解消するために、素材としては、多段プレス加工(深絞り加工)時に割れないことに加え、製品の耐時期割れ性に優れることが望まれている。さらに、製品の時期割れは、使用中に発生する腐食(孔食や隙間腐食)に起因する可能性も示唆されるため、耐食性に優れた素材であることも重要とされる。
【0004】
従来、SUS304鋼板の耐時期割れ性を改善するため、Niの代替元素として多量のCuを添加したオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【0005】
特許文献1には、C:0.08%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:8.0〜9.0%、Cr:18.0〜20.0%、N:0.06%以下、Mo:0.5%以下及びCu:0.4〜2.0%を含有する加工性および耐時期割れ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼と、Cu合金成分の一部又は全部を最終精錬段階で溶鋼に添加して成分調整する製造方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、C:0.01〜0.1%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、Ni:6.0〜10.0%、Cr:15.0〜19.0%、Mo:0.03〜3.0%、Cu:1.0〜4.0%、Al:0.2〜2.5%およびN:0.05%以下、必要によりB:0.0010〜0.020%を含有する耐時期割れ性および深絞り性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【0007】
さらに特許文献3には、C:0.05%未満、Si:1.0〜2.5%、Mn:5.0%以下、Ni:5.0〜9.0%、Cr:14.0〜19.0%、Cu:4.0%以下、N:0.04%以下、Mo:1.0%以下、C+N:0.06%未満、かつ下式のa値が−0.30〜1.00の範囲に維持される関係が成立する時期割れ性に優れた高速連続プレス加工用オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
a値=19.43−10.8C−0.14Si−0.54Mn−1.02Ni−0.57Cr−0.49Cu−7.53N
【特許文献1】
特開平5−287459号公報
【特許文献2】
特開平8−269633号公報
【特許文献3】
特開平8−269638号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記に開示された技術は、オーステナイト形成元素であるNiの代替としてCuを使用し、高度の加工が施された部位の加工誘起マルテンサイト量を抑制して時期割れ性を改善するものである。Cu含有ステンレス鋼の製造には、溶鋼を連続操業する大量生産において、Cu合金成分を全く不要とする鋼種の溶鋼に溶け込んで汚染する、Cu汚染の問題がある。加えて、精錬後に排出されるスラグに多量のCuが含まれるためにその後処理も問題である。従って、Cu汚染を対処するために種々の操業規制を強化する必要があり、生産性に支障をきたす場合がある。さらに、多量のCu添加は、Cu溶融脆性を誘発するなど熱間加工性を低下させる場合もある。また、Niの代替として多量にCu添加したオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性が良いものかも疑問であるという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、SUS304鋼板の加工性を有し、耐時期割れ性と耐食性を大幅に改善したオーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、第3297704号(特開2000−169952号公報)において、耐孔食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法を提案している。これは、体積比率で
ガス:20%以上および
ガス:40%以上、必要により
NHガスを2%以下
含む雰囲気ガス中で、950〜1150℃の温度範囲内で光輝焼鈍を行い、鋼板表面から深さ10μmまでの表層における窒素濃度を0.15質量%以上にするオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法である。雰囲気ガスの露点は、特に限定はないものの、工業的に実施可能な−45〜−50℃の範囲を推奨した。
【0011】
本発明らは、上記の製造方法で得られる耐孔食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板にプレス加工後の耐時期割れ性を付与するために、実機ラインの設備更新を実施し、種々の実験と検討を重ねた結果以下の知見を得るに至ったものである。
【0012】
表1に化学組成を示す1.1mm厚のSUS304冷間圧延鋼板を脱脂・洗浄した後、連続光輝焼鈍炉を通板し、窒素吸収材と窒素吸収がないものを試作した。
【表1】
Figure 0004360136
【0013】
上記冷間圧延鋼板を、表2に示す各光輝焼鈍条件にて焼鈍を実施し、2種の供試材(試番X、Y)を得た。また、各供試材の表面から深さ20μmまでの表層(以下において単に「表層」とのみ記すことがある。)の窒素濃度を、鋼板の断面より測定し、窒素測定専用の分光結晶LAD(人工多層膜)を有するEPMA(電子線マイクロアナライザー)装置により定量した。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004360136
【0014】
耐時期割れ性は、円筒深絞り加工により評価した。 円筒深絞り加工は、前記試番X、Yの供試材からそれぞれ直径90、96、98、100、102、104、106mmのブランク材を切り出し、ポンチ径50mm、及びダイス径53mmである2個の金型の間に該ブランク材を押し込み、絞り加工を行った。絞り加工における潤滑剤として、ジョンソン社製のジョンソンワックスを使用した。
【0015】
上記円筒深絞り加工を行った供試材を85°の温水中に浸漬し、5分後に取り出し、割れ発生の有無を目視観察した。割れ無しのものを「○」、割れが発生したものを「△」、加工中に破断したものを「×」と評価して記録した。表3に得られた結果を示す。
【表3】
Figure 0004360136
【0016】
成形限界(成形可能なブランク径:表3に示されるブランク径においては104mm)は、窒素吸収の有無によっては変わらなかった。しかし、時期割れ限界(時期割れが発生するブランク径)は、表層に0.22質量%の窒素を吸収した試番Xにおいて大幅に向上する結果が得られた。
【0017】
試番Xの窒素吸収材が耐時期割れ性に極めて優れる原因を調べるために、時期割れ進展位置表面の加工誘起マルテンサイト量を測定した。加工誘起マルテンサイト量の測定にはフェライトスコープを用いた。得られた結果を図1に示す。
【0018】
割れ進展位置表面の加工誘起マルテンサイト量は、窒素吸収がない試番Yにおいて20%を越え、ブランク径の増加とともに上昇した。他方、表層に0.22質量%の窒素を吸収した試番Xでは、表面のマルテンサイトサイト生成量が抑制されて20%以下となった。窒素は、Ms点(マルテンサイト変態温度)を低下させる効果がある。表層へ吸収された窒素は、円筒深絞り加工による表面の加工誘起マルテンサイト生成を効果的に抑制した結果、耐時期割れ性が大幅に改善したと推察される。
【0019】
かかる知見から、本願発明者らは、連続光輝焼鈍時の表面反応により、鋼板表層(表面から深さ20μm)に窒素を吸収させることがプレス加工後の耐時期割れ性と耐食性の両立に極めて有効であることを見出し、本発明を完成させるにいたったものである。
【0020】
かくして第一の本発明は、鋼板の窒化により母材よりも窒素濃度が高められた層である表層の厚みが50μm以内であり、鋼板の表面から深さが20μmまでの窒素濃度が0.15質量%以上であり、孔食電位が0.25V以上、且つ耐時期割れ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板を提供するものである。
【0021】
この第一の本発明によれば、表層の窒素濃度が高いので、塑性加工により誘起されるマルテンサイト生成を効果的に抑制することができ、耐時期割れ性を改善することができる。
【0022】
第一の本発明において、オーステナイト系ステンレス鋼板は、質量%で、C:0.15%以下、Cr:16〜20%、Ni:6〜10%、Si:2.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Mo:1.0%以下、Cu:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Ti:0.05%以下、V:0.2%以下、N:0.15%以下、Al:0.05%以下、残部がFeおよび不純物からなることが好ましい。
【0023】
かかる化学組成をとることにより、耐時期割れ性の改善と耐食性の向上とを同時に図ることが容易となる。
【0024】
また、第一の本発明において、用途が塑性加工用原板であることとしてもよい。ここに「塑性加工」とは、本発明においては、特に、絞り、押出し、引き抜き、プレス、圧延等に限定し、いわゆる切り屑の出る切削や研削、ブローチ、孔あけ、ねじ切り等、及び実質的に塑性変形がほとんどない打ち抜き等の各加工法を除外するものとする。これらの中でも特に、オーステナイト系ステンレス鋼板を使用した場合に時期加工割れの発生しやすい深絞りに本発明を適用する意義が深い。また、「塑性加工用原板」とは、上記に定義される塑性加工に供されるべき、鋼板、又は鋼板から所定形状に切り抜かれた板をいう。
【0025】
第2の本発明は、冷間圧延の後に、少なくとも鋼板温度が50℃以上、300℃以下の温度域において、ガスシール帯を通板させて搬送中の鋼板表面の随伴流を遮断する工程と、窒素が20〜60体積%、および水素ガスが40〜80体積%を含有する混合ガスで露点が−50℃以下からなる雰囲気中で、鋼板温度が1000〜1200℃の温度域で、20〜200秒間、光輝焼鈍を行う工程と、を備えた、上記第一の本発明にかかるオーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法である。
【0026】
この第二の本発明によれば、搬送される鋼板表面の随伴流が遮断されるので、鋼板表面近傍に存在する水分や酸素を鋼板近傍から離脱させることができ、後の光輝焼鈍工程で鋼板表面への窒素原子の吸着を容易なものとすることができ、第一の本発明にかかるオーステナイト系ステンレス鋼板を製造することが容易なものとなる。
【0028】
第二の本発明によれば、鋼板がガスシール帯中を通過するとき、それまで鋼板表面に付着していた水分、酸素等を含む随伴流を断ち切ることができ、鋼板表面に窒素原子を到達させることが容易となる。
【0029】
上記第の本発明にかかる製造方法において、ガスシール帯に使用されるガスは窒素ガスであることが好ましい。
【0030】
このようにすれば、次工程の光輝焼鈍炉内の雰囲気ガスとのコンタミネーションを防止することができ、ガスシール帯においても鋼板表面への窒素ガスの吸着が可能となり、安全性、さらにはコスト等の観点から有利なものとなる。
【0031】
また上記第の本発明にかかる製造方法において、前記ガスシール帯を前記鋼板が通過する時間は1〜180秒であることが好ましい。通過時間が1秒未満では、十分な随伴流の遮断効果を得ることができない。また通過時間が180秒を超えると、随伴流の遮断は十分にできるが生産性が低下するので好ましくない。さらに好ましい通過時間は30〜90秒である。
【0032】
記第の発明にかかる製造方法において、前記ガスシール帯を通過する鋼板の温度は常温〜300℃であることが好ましい。ガスシール帯を通過する鋼板温度が常温未満であると、鋼板表面に付着している水分や酸素が離脱しないため、後工程の光輝焼鈍において鋼板表面が酸化されるので好ましくない。また通過温度が300℃を超えると、ガスシール帯内で水分や酸素が鋼板表面と反応して鋼板表面に酸化物層を形成するので好ましくない。さらに好ましい鋼板温度は、50〜200℃である。
【0033】
本発明のこのような作用及び効果は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(1)オーステナイト系ステンレス鋼の化学組成
本発明の対象は、SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼板とする。すなわち、質量%でC:0.15%以下、Cr:16〜20%、Ni:6〜10%を基本組成とするオーステナイト系ステンレス鋼である。上記以外の元素は以下の通りとする。
【0035】
Si:Siは脱酸剤として利用され、耐酸化性の向上に有効な元素であるため、通常0.2〜1.0%含有される。しかし、SiはCrと同様に代表的なフェライト形成元素であり、過剰に含有させるとNiなどオーステナイト形成元素の含有量を増加させることになるので、その上限は2.0%とすることが好ましい。
【0036】
Mn:Mnは脱酸剤として有効であり、オーステナイト形成元素でもあるため、通常0.5〜2.0%含有される。しかし、Mnは過剰に含有させると耐食性を低下させる作用もあるので、その上限は3.0%とすることが好ましい。
P:Pは強度を向上させる作用がある。上記の効果を得るには、0.030%以上含有させるのが好ましい。しかし、Pを過剰に含有させると溶接性が損なわれるため、上限は0.05%とすることが好ましい。
【0037】
S:Sは不純物であり、熱間加工性と靱性を低下させる作用がある。その含有量は0.030%以下とすることが好ましい。
【0038】
Mo:Moはフェライト形成元素であるとともに、耐食性を著しく向上させる作用がある。従って、必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合は、0.2%以上とすることが好ましい。
しかし、Moは高価であり過剰に含有させると経済性を損なううえ、製品の強度低下を招く恐れがあるため、その上限は1.0%とすることが好ましい。
【0039】
Cu:Cuはオーステナイト形成元素であり、オーステナイト相の強度調整に有効な元素であるが、上述したようにCu汚染や熱間脆性の問題がある。従って、スクラップなどから不可避的に混入する0.5%以下とすることが好ましい。
【0040】
Nb、Ti:Nb、Tiはフェライト形成元素であるとともに、C、Nを固定して焼鈍時や溶接時の鋭敏化現象を抑制する作用がある。従って、必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合は、Nbが0.01%、Tiが0.003%以上とすることが好ましい。他方、NbやTiを過剰に含有させると鋼中のC、N元素を固定して強度低下を招く恐れがあるため、その上限はNbが0.1%、Tiが0.05%とすることが好ましい。
【0041】
V:Vは強度を得るために効果的な元素である。従って、必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合は0.05%以上とすることが好ましい。しかし、0.2%を超えると効果が飽和するので、その上限は0.2%以下とすることが好ましい。
【0042】
N:Nは代表的なオーステナイト形成元素であるため、通常0.02〜0.06%含有される。さらに、Nはオーステナイト相の強度や耐食性の向上に有効な元素である。従って、0.06%を越えて含有させても構わない。しかし、Nは過剰に含有させると熱間加工性や冷間加工性を損なうために、その上限は0.15%とすることが好ましい。
【0043】
Al:Alは脱酸剤として有効な元素であるため、添加しても構わない。しかし、Al系酸化物の生成による連続鋳造時のノズル閉塞や熱間および冷間圧延時に表面疵を誘発する恐れもある。その上限は0.05%とすることが好ましい。
【0044】
希土類元素:鋼の耐酸化性や熱間加工性を向上させる元素であるため含有させても構わない。しかし、合計量で0.1%を越えて含有させると効果が飽和するうえコストが高くなるので0.1%以下とすることが好ましい。
【0045】
残部はFeおよび不純物である。
【0046】
(2)製造方法
2−1.冷延鋼板の製造
上記化学組成を有する熱延鋼板は、通常の方法により製造したものでよい。例えば、転炉や電気炉で鋼を溶解した後、真空脱ガスを行い、連続鋳造によりスラブ(厚さ120〜280mm、幅700〜1200mm、長さ8〜10m程度)を製造し、この連続鋳造スラブを1100〜1300℃程度の加熱した後、熱間圧延して厚さ2〜10mm程度の熱延鋼板とする。その後、焼鈍処理と酸洗処理を施して、さらに冷間圧延と焼鈍を適宜繰り返して0.2〜2.0mm程度の冷延鋼板とする。本発明においては、冷延鋼板は以下に説明する光輝焼鈍に供される。
【0047】
2−2.焼鈍工程の概要
図2は、本発明を実施するための光輝焼鈍設備の一例としての、連続焼鈍設備100を示す概略図である。図の右端に表されたペイオフリール1から巻き出された冷間圧延鋼板は溶接機2の間を通過して、脱脂槽3にて鋼板表面に付着している冷間圧延油等の除去が行われる。次いで鋼板は湯洗・水洗・乾燥装置4に送られて、鋼板表面から脱脂槽において付着した脱脂液が除去され、さらに清浄なものとなる。次いで鋼板はルーパー5に送られる。ルーパー5は、ペイオフリール1の冷間圧延鋼板コイルの最終端部を次のコイルの先端部に溶接機2を用いて溶接する際に、連続焼鈍設備100全体としての連続操業を確保するための装置である。コイルの溶接中であっても、後に説明する焼鈍タワー6内に連続的に鋼板を供給するため、溶接中はルーパー5内に配置された上下のロール間の距離が変化する。
【0048】
次いで、鋼板は焼鈍タワー6に供給される。焼鈍タワー6の下部入口部にはガスシール帯10が設けられ、ガスシール帯10と焼鈍タワー6炉体との間には、入り側シール11が設けられている。入り側シール11より焼鈍タワー6の炉体内部に送られた鋼板は、そこで所定の雰囲気下、所定の温度で所定時間焼鈍される。焼鈍温度は通常オーステナイト系ステンレス鋼板の再結晶温度である900℃程度から、それより300℃ほど高い温度すなわち900〜1200℃に設定される。焼鈍を終えた鋼板は炉体上部に配置された冷却装置13にて所定の温度勾配を持って、所定の温度まで冷却される。そして出側シール14を通過して炉外へと送られて、巻き取りロール15にて巻きとられる。
【0049】
2−3.光輝焼鈍
光輝焼鈍は、鋼板の表面への窒素の富化や表層への窒素吸収(以下、「吸窒反応」と記す。)により、汚れ落ち性を向上させるために実施する。光輝焼鈍は、ガスシール帯10を保有する連続式光輝焼鈍炉により実施するのが好ましい。ガスシール帯10の詳細については後述する。
【0050】
吸窒反応を効率的に行うには、冷延鋼板の表面に残留する酸素や水分の光輝焼鈍炉内への持ち込みを極力防止しなければならない。そのため、冷延鋼板は、光輝焼鈍炉の通板に先だって、ガスシール帯を通板させることが本発明においては必須である。
【0051】
光輝焼鈍炉内の雰囲気ガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスとする。窒素ガスは、吸窒反応のために雰囲気ガス中に体積比率で20%以上とする。他方、水素ガスは雰囲気ガス中に不可避的に混入する酸素や水分を還元して、吸窒反応を促進する作用がある。従って、水素ガスの効果を得るために、窒素ガスの上限は60%(水素ガスの下限は40%)とする。
【0052】
雰囲気ガスの露点は−50℃以下とする。雰囲気ガスの露点が高いと、不可避的に混入する酸素や水分の量が多くなり、酸化皮膜の成長により吸窒反応が抑制される。吸窒反応を効率的に行うために、露点を−50℃以下とする。下限は、特に規定しない。しかし、工業的に使用されるガスの純度を考慮すると−70℃程度である。
【0053】
焼鈍温度は、1000〜1200℃とする。吸窒反応が生じるために、1000℃以上とする。他方、1200℃を超えると、結晶粒径が粗大化し、鋼板の機械的性質(強度、加工性、靱性)の劣化を招くことになる。
【0054】
均熱時間は、連続焼鈍炉で実施可能な20〜200秒、好ましくは30〜150秒の範囲とする。焼鈍後の冷却速度は、通常の連続焼鈍炉で実施される5〜50℃/秒の範囲が好ましい。
【0055】
2−4.ガスシール帯
鋼板表層への窒素吸収を効率的に行うには、冷延鋼板表面の酸化反応を抑制し、窒素ガスの鋼板表面への吸着を促進する必要がある。しかし、従来の方法で焼鈍を行った場合には、窒素の吸収が小さく本発明で規定する「吸窒反応」が生じず、ガスシール帯を通板させた場合のみ本願で規定する窒素の吸収が生じることが判明した。この理由については以下のように推定している。
【0056】
すなわち、従来の光輝焼鈍炉では、余熱帯、加熱帯、均熱帯と一体となった炉構造の製造装置が多い。一方、鋼板の表面には水分や酸素が付着している。これら水分、酸素は、鋼板加熱時に放出されるが、鋼板表面近傍の雰囲気は層流を構成しており、その多くは随伴流(鋼板とともに移動するガスの流れ)とともに鋼板表面近傍にとどまり、さらに高温に鋼板が加熱された際に、鋼板の表面を酸化させてしまうことになる。すなわち、焼鈍炉内の雰囲気全体を表す露点より、鋼板近傍の露点の方がかなり高くなっているものと推察される。
【0057】
そこで、随伴流の光輝焼鈍炉内への持ち込みを規制するため、遮断する必要がある。この遮断方法については、随伴流を遮断できる方法であればどのような方法でもよく、従来から使用されている公知の方法を用いても良い。例えば、ガスワイパーで、ガスを鋼板表面に吹き付け、上記層流を乱流に変えて随伴流を断ち切るようにしても良い。また、完全に仕切られたシール室中に鋼板を通板させ、出側で前記のガスワイピングを行う方法はさらに効果があり好ましい。その後の加熱および均熱帯への酸素や水分の持ち込みが少なくなり、特に露点等の雰囲気制御をより容易に行うことができるからである。また、ガスワイピング以外の方法としては、一対のロールセット間に鋼板を通板する方法がある。この場合には、ロールと鋼板の表面との間に微小な隙間が生じる可能性があるため、例えばロール出側からロールバイト部へガスを吹きつけて随伴流を完全に遮断することが望ましい。
【0058】
冷延鋼板は、光輝焼鈍炉の通板に先だって、ガスシール帯を通板させる。ガスシール帯は、大気から鋼板を遮断することができる、ガスを流通させたシール帯、あるいはガスを鋼板表面に吹きつけることができるシール帯を意味する。上記したように、これらシール帯に鋼板を通板させることで、表面に残留する酸素や水分の除去に加えて、続く光輝焼鈍において鋼板への窒素吸収を促進させることが容易となる。光輝焼鈍での窒素吸収を促進するために、ガスシール帯において、鋼板表面から離脱した酸素や水分を続く光輝焼鈍炉内へ持ち込まないことが必要である。鋼板はこれらシール部を通過後、連続式光輝焼鈍炉へと通板される。
【0059】
本発明においては、ガスシール帯に使用される雰囲気ガスの種類については、1.鋼板表面の水分、酸素等を含む随伴流を遮断することができ、
2.続く光輝焼鈍炉内の露点に悪影響を与えないもの、
3.鋼板表面と反応をおこしたり、鋼板の性能に悪影響を与えたりするような合金化学成分を鋼板との間に生成するものではないこと。
などの条件を満たす限りにおいて、特に限定されるものではなく、窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、及び、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスを制限なく使用することができる。
【0060】
これらの中でも、次工程の光輝焼鈍炉内の雰囲気ガスとのコンタミネーション防止、ガスシール帯においても鋼板表面への窒素ガスの吸着が可能であること、安全性、さらにはコスト等の観点から、窒素ガスを使用することが好ましい。
【0061】
一般的な連続光輝焼鈍炉は、均熱帯と予加熱帯が一体型の構成であり、その場合、予加熱帯を利用しても上記の効果は得られ難い。通常、予加熱帯の設定温度は均熱帯より若干低めに設定される。従って、鋼板表面温度は数秒の滞留時間で300℃を超えるため、表面に吸着した酸素や水分により酸化物が生成・成長し、均熱帯での表面反応(窒素吸収)が阻害される。仮に、設定温度を低くしても、一体型の炉では水分や酸素を多く含む随伴流を遮断できないため、鋼板表面の酸化が生じるという問題がある。
【0062】
本発明において、「ガスシール帯」とは、上記で説明した鋼板表面の酸素や水分を多く含む随伴流を遮断するためのガスシール帯を指し、前記したとおり、シール室を設けた構造の装置でも良く、また単にガスワイパーで遮断する構造でも良い。
【0063】
上記のガスシール帯を通板することでの効果を得るために、ガスシール帯の通板時間は1秒以上、上限は生産性の観点から180秒以下が好ましい。その際、ガスシール帯の温度は、常温〜300℃とすることが好ましい。常温未満にしてもガスシール帯として何ら効果が増すわけではなく、次の焼鈍炉内での昇温に余分な時間とエネルギーを要してしまうばかりか、鋼板表面に吸着した水分や酸素の離脱が生じず、その後の焼鈍炉内で酸化が生じ吸窒反応を阻害する。300℃を超えると、鋼板表面の酸化皮膜の成長を促進し、続く光輝焼鈍において吸窒反応を阻害する恐れがある。
【0064】
2−5.鋼板の表層
本発明の鋼板は、表面から深さ20μmまでの表層の窒素濃度が0.15質量%を超えるものとする。表層に吸収した窒素は、耐食性を高めるとともに、表面の加工誘起マルテンサイト生成を抑制してプレス加工後の耐時期割れ性を著しく向上させる効果がある。
【0065】
表層の厚みは、表面の加工誘起マルテンサイトの生成を抑制して耐時期割れ性を大幅に向上させるために20μm以上とする。表層の厚みが10〜20μm未満の場合、優れた耐食性は得られるものの、耐時期割れ性の改善には及ばない。表層の厚みは、焼鈍温度や均熱時間の上昇により増加する。表層の厚みが過度に厚くなると、加工性に加えて、これを製造するために生産性まで阻害される。加工性と生産効率の観点から、表層の厚みを50μm以下とすることが好ましい。
【0066】
表層の窒素濃度は、耐食性と耐時期割れ性を両立させるために0.15質量%以上とする。好ましくは、0.2質量%以上である。過度に窒素濃度を高めると鋼の固溶度を越えてCr窒化物として鋼中に析出する。Cr窒化物が鋼中に析出すると、その周囲においてCr欠乏を生じて耐食性が劣化する恐れがある。従って、窒素濃度の上限は、鋼の窒素固溶限にもよるが、0.5%以下が好ましい。
【0067】
【実施例】
以下に実施例により本発明をより具体的に開示する。ただし本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0068】
(1)供試材
実施例に供したオーステナイト系ステンレス熱延鋼板供試材の化学組成を表4に示す。表中の数字はいずれも質量%である。
【表4】
Figure 0004360136
【0069】
これらSUS304系熱延鋼板を冷間圧延して、板厚0.8〜1.1mmの鋼板を製造した。冷延鋼板は、表6に示す各種の条件で連続光輝焼鈍炉を通板した。比較のために、供試鋼および光輝焼鈍条件は本発明に規定する範囲外にも設定した。
【0070】
焼鈍炉として、窒素ガスシール帯を保有する連続光輝焼鈍炉および窒素ガスシール帯を保有しない連続光輝焼鈍炉を用いた。窒素ガスシール帯の温度は室温〜100℃の範囲とし、通板時間は30〜90秒とした。光輝焼鈍には、NガスとHガスの混合および単独ガスを使用した。雰囲気ガスの露点は−40〜−65℃とした。ヒートパターンは、平均の加熱および冷却速度をそれぞれ10〜30℃/秒とした。均熱温度は1000〜1150℃とし、均熱時間は30〜120秒とした。これより、冷延鋼板の表面はJIS G4305(1999、冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)に規定するBA仕様とした。
【0071】
(2)評価方法
得られた鋼板で耐時期割れ性を評価し、孔食電位を測定し、合わせて表層の窒素濃度を調査した。
【0072】
2−1.耐時期割れ性の評価
耐時期割れ性は、3段円筒深絞り加工による時期割れ発生の有無で評価し、時期割れ発生無しを「○」、時期割れ発生ありを「×」とし、あわせて総絞り比を記録した。3段円筒深絞り加工は表5に示す条件で実施した。
【表5】
Figure 0004360136
【0073】
2−2.孔食電位の測定
孔食電位は、JIS G0577(1981、ステンレス鋼の孔食電位測定方法)に準拠する方法で評価した。Ar脱気下の30℃、3.5%NaCl水溶液中で孔食発生電位V'c10を測定した。試料調整は、表面の不働態化処理(60℃−20%硝酸水溶液浸漬)を施し、電極試験片を作成し、続いて測定部をエメリー紙で研磨して不働態膜を破ることにより行った。
【0074】
2−3.表層の窒素濃度
表層の窒素濃度は、N専用の分光結晶LAD(人工コーティング多層膜)を有するEPMA装置を使用して窒素濃度と窒素濃度分布(表層の厚み)を測定した。前記測定値の検証として、以下の2方法でも測定を行い、測定精度に問題がないことを確認した。
(1)化学研磨により表層の薄片を採取し、ガス分析法によりppm精度で分析を行った。
(2)標準試料で窒素濃度と格子定数との関係を別途求めた後に、表層のX線回折法でも窒素濃度と表層の厚みを求めた。表6に調査結果を示す。
【表6】
Figure 0004360136
【0075】
(3)結果
試番1、5、7(鋼種A、B、Cのオ−ステナイト系ステンレス鋼板)は、3段円筒絞り後に時期割れが発生せず、かつ鋼種EのSUS316Lを上回る高い孔食電位を示した。これらステンレス鋼は、表層の厚みが20μ以上であり、表層の窒素濃度が0.15%以上であり、本発明に規定する光輝焼鈍条件で製造されたものである。
【0076】
試番10(鋼種D)も、3段円筒絞り後に時期割れが発生せず、かつ鋼種EのSUS316Lを上回る高い孔食電位を示した。このステンレス鋼も、表層の厚みが20μ以上であり、表層の窒素濃度が0.15%以上であり、本発明に規定する光輝焼鈍条件で製造されたものである。
【0077】
試番2、3、4、6、8(鋼種A、B、C)は、円筒深絞り工程において時期割れが発生したオーステナイト系ステンレス鋼板である。これらステンレス鋼板は、表層の厚みが20μm未満およびまたは表層の窒素濃度が0.15%未満であり、本発明に規定する光輝焼鈍条件(ガスシール帯の通板を含む。)を全て満たすものではなかった。
【0078】
試番9、11(鋼種D)は、3段円筒深絞り後に時期割れが発生しないが、SUS304と比較して孔食電位が低位であり、本発明が目的とする耐時期割れと耐食性を兼備するものではなかった。これらステンレス鋼(鋼種D)はCu添加したものである。
【0079】
試番12(鋼種E)は、高い孔食電位を示すが、円筒深絞り成形が困難であった。このステンレス鋼(鋼種E)はMoを含有するSUS316Lである。
【0080】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うオーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0081】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明により、汎用性のあるステンレス製造プロセスにおいて、SUS304鋼板の加工性を有し、耐時期割れ性と耐食性を大幅に改善したオーステナイト系ステンレス鋼板を得ることができる。特に、流し台や浴槽に使用されるステンレス鋼板として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】時期割れ進展位置の加工誘起マルテンサイト量とブランク径との関係を示す図である。
【図2】光輝焼鈍設備の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ガスシール帯

Claims (6)

  1. 鋼板の窒化により母材よりも窒素濃度が高められた層である表層の厚みが50μm以内であり、前記鋼板の表面から深さが20μmまでの窒素濃度が0.15質量%以上であり、孔食電位が0.25V以上、且つ耐時期割れ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板。
  2. 質量%で、C:0.15%以下、Cr:16〜20%、Ni:6〜10%、Si:2.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Mo:1.0%以下、Cu:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Ti:0.05%以下、V:0.2%以下、N:0.15%以下、Al:0.05%以下、残部がFeおよび不純物からなることを特徴とする、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
  3. 用途が塑性加工用原板であることを特徴とする、請求項1または2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
  4. 冷間圧延の後に、少なくとも鋼板温度が50℃以上、300℃以下の温度域において、ガスシール帯を通板させて搬送中の鋼板表面の随伴流を遮断する工程と、
    窒素が20〜60体積%、および水素ガスが40〜80体積%を含有する混合ガスで露点が−50℃以下からなる雰囲気中で、鋼板温度が1000〜1200℃の温度域で、20〜200秒間、光輝焼鈍を行う工程と、を備えた、請求項1〜3のいずれかに記載のオーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法。
  5. 前記ガスシール帯に使用されるガスは窒素ガスである請求項4に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
  6. 前記ガスシール帯を前記鋼板が通過する時間は1〜180秒である請求項4又は5に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
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