JP2011174115A - 部材内で強度差を有するエネルギ吸収部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一つの部材の中で強度の異なる領域を形成させたエネルギ吸収部材を製造する方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.19〜0.35%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜1%、P:0.015%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜0.05%、N:0.001〜0.003%を含みかつ、Ti、Nb、V及びMoのうち1種以上をそれぞれTi:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.02%、V:0.01〜0.1%、Mo:0.01〜0.1%の範囲で合計:0.005〜0.15%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなるスラブを熱間圧延、冷間圧延および連続焼鈍のいずれかまでを行って得られた鋼板を、
Ac3点以上の温度域に加熱後冷却するに際し、Ar3〜300℃の温度域を200℃/s以上で冷却する急冷部分と、150℃/s未満で冷却する緩冷部分との強度差(ΔTS)が490MPa以上となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、部材内で強度差を有するエネルギ吸収部材の製造方法に関する。
従来、一つの部材の中で強度の異なる領域を有する部材を作製する方法として、例えばテーラードブランクにより強度の異なる鋼板を接合した後、プレス成形する方法が知られている。しかし、鋼成分によって接合部の強度が高くなり過ぎ、変形能の低下による成形性の劣化が懸念される。
一方、熱間プレスにより、一つの部材の中で強度が異なる領域を有する部品を製造する方法として、特許文献1に記載されている。すなわち、鋼板を熱輻射により加熱する際に、鋼板に比べて熱伝導率の小さな断熱材を装着することにより、部分的にAc3点よりも低い温度域に入れることにより、その後に続くプレス加工及び冷却により得られる強度を変化させるものである。したがって、部材全体をAc3点よりも高い温度域まで加熱する本発明とは、全くその狙いが異なるものである。
特開2009−61473号公報
自動車用部品、例えばフロントサイドメンバー等の部品は、衝突時にエネルギを効率良く吸収する部分と、耐力を確保し、変形せずに衝突時のエネルギを伝達させる部分とに分かれている。そのため、一体成形化する場合、例えばテーラードブランクによって必要な鋼板強度の鋼板を成形前に溶接した後、プレス成形が実施されている。
しかしながら、さらなる車体軽量化とエネルギ吸収特性の向上を図るためには、鋼板強度を上げる必要があることから、プレス成形がますます困難になるばかりでなく、とくにテーラードブランク材においては溶接部の強度が上がりやすいことから、成形時に溶接部での破断の危険性があるばかりでなく、同様の原因から衝突時変形特性の劣化も懸念される。
したがって、一つの部品の中で溶接部分を含むことなく強度レベルの異なる部位を有する部品の製造方法が求められている。
そこで、本発明者らはこうした実情に鑑み、一つの衝突用部材において、エネルギを効率良く吸収する部分と、耐力を確保する部分をプレス成形中に作り込む技術として、本発明を完成させた。
その要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.19〜0.35%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜1%、P:0.015%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜0.05%、N:0.001〜0.003%を含みかつ、Ti、Nb、V及びMoのうち1種以上をそれぞれTi:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.02%、V:0.01〜0.1%、Mo:0.01〜0.1%の範囲で合計:0.005〜0.15%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなるスラブを加熱後に、順次に熱間圧延、冷間圧延および連続焼鈍の3工程のいずれかの製造工程までを行って得られた鋼板を、
Ac3点以上の温度域に加熱後冷却するに際し、Ar3〜300℃の温度域を200℃/s以上の冷却速度で冷却する急冷部分と、150℃/s未満の冷却速度で冷却する緩冷部分を有し、相対的に高強度の急冷部分と相対的に低強度の緩冷部分との強度差(ΔTS)が490MPa以上となることを特徴とする、部材内で強度差を有するエネルギ吸収部材の製造方法。
(2)上記(1)において、上記3工程のいずれかの製造工程までを終了後、更にメッキを施してから、Ac3点以上の温度域に加熱後冷却する上記の処理を行なうことを特徴とする、部材内で強度差を有するエネルギ吸収部材の製造方法。
すなわち本発明は、所定の化学組成のスラブを熱間圧延→冷間圧延→連続焼鈍の3工程のいずれかの製造工程までを終了後、Ac3変態点以上に加熱後、所定温度域を部材領域によって異なる所定速度で冷却することによりミクロ組織を作り分け、一つの部材の中で強度の異なる領域を形成させる方法である。あるいは、上記3工程のいずれかの製造工程までを終了後、更にメッキ処理してから、上記の加熱・冷却を行なってもよい。
すなわち、部品の成形工程において、鋼板をAc3変態点以上の温度域に加熱後、Ar3変態点以上の温度域で成形を終了させ、直ちに冷却を施し、その際に強度の異なる部位を形成させることを特徴とするエネルギ吸収部材を製造する方法である。
本発明により、ホットスタンプ成形後に行う冷却条件を調整し、いわゆる焼分けを行うことにより一つの部材内において強度の異なるミクロ組織を作り分け、衝突時のエネルギ吸収性能を高めることにより、車体軽量化に寄与するものである。
冷却速度の違いによる焼入れ性の違いを示す図である。 遅れ破壊特性試験片を示す図である。
まず、本発明を完成させるに至った実験について説明する。
本発明者らは、表1に示す成分を有する板厚:1.6mmの冷延・焼鈍板を使用し、冷却速度とビッカース硬度(荷重:1kgf)との関係を調査した。得られた結果を図1に示す。
Figure 2011174115
すなわち、従来添加されていた焼入れ性を向上させる元素を低減、あるいは省くことにより、強度が冷却速度の影響を受け、A鋼(従来鋼)では、25℃/s未満の冷却速度まで緩冷却されないと強度差が出現しないのに対し、B鋼(本発明鋼)では、150℃/s未満の冷却速度で強度差が表われ、しかも冷却速度により強度調整が可能であることを知見した。
こうした実験事実をもとに本発明を完成させるに至った。
以下に本発明の限定理由について説明する。
まず、成分元素の含有量を限定する理由を説明する。
以下において、含有量に下限値がある成分元素は必須成分であり、下限値がない成分元素は不純物である。
〔C:0.19〜0.35%〕
Cは、本発明において重要な役割を果たす元素であり、とくに焼入れ後の強度に与える影響が大きい。したがって、1470MPa以上の強度を得るには0.19%以上の添加が必要である。一方、0.35%を超えると、衝撃変形時に破断が生じやすくなるとともに、溶接性の劣化と溶接部の強度が低下するため、これを上限とする。
〔Si:0.1〜0.5%〕
Siは、固溶強化元素であると同時に、セメンタイトの析出を抑制する元素でもあることから、0.1%以上添加する。一方、過度に添加すると後述するように、メッキを施す場合にはそのメッキ性が劣化するため、0.5%を上限とする。
〔Mn:0.1〜1%〕
Mnは、焼入れ性の確保にとって重要な元素の一つであり、本発明における冷却速度においても0.1%以上の添加が必要である。一方、1%を超えて添加されると焼入れ性が高くなり、強度を低く抑えることができなくなることからこれを上限とする。
〔P:0.015%以下〕
Pは、固溶強化元素であり、比較的安価に鋼板の強度を上げることができるが、粒界に偏析し、強度が高い場合には低温脆化が問題になることから、0.015%を上限とする。一方、0.001%よりも低くすることは脱Pコストを極端に高めるため好ましくないことから、好ましくはこれを下限とする。
〔S:0.01%以下〕
Sは鋼の熱間脆性に影響を与える元素であるとともに、とくに熱間での加工性を劣化させる元素でもあるばかりでなく、冷間での加工性を劣化させるため、少ない方が好ましい。そのため、0.01%を上限とする。しかし、0.001%未満とする場合には、脱硫コストの極端な上昇を招くため、好ましくはこれを下限とする。
なお、P、Sは共に本発明においては不可避的不純物の一部である。
〔Al:0.005〜0.05%〕
Alは、脱酸のために添加されるものである。0.005%未満では脱酸が不十分となり、鋼中に酸化物が多量に残存し、とくに局部変形能が劣化するとともに、特性バラツキも大きくなる。一方、0.05%を超えて含有されると、鋼中にアルミナを主体とする酸化物が多く残存し、やはり局部変形能の劣化を招くため、好ましくない。
〔N:0.001〜0.003%〕
Nも、極端に下げることはコストアップとなり好ましくないため、0.001%を下限とする。一方、0.003%を超えて含有されると、介在物を形成し、焼入れ後の靭性が劣化するため、これを上限とする。
〔Ti, Nb, V, Moの合計:0.005〜0.15%〕
Ti、Nb、V、Moは、靭性確保の視点から、組織微細化のために添加される元素である。つまり、合計で0.005%未満ではその効果が得られない。一方、0.15%を超えて添加してもその効果が飽和し、コストアップになるため、これを上限とする。
〔Ti:0.005〜0.1%〕
Tiは、鋼板をAc3点以上に加熱した場合、微細な炭化物の形成により、再結晶及び粒成長を抑制してオーステナイト粒を細粒にするため、靭性を改善する効果がある。そのため、0.005%を下限とする。一方、0.1%を超えて添加してもその効果が飽和するばかりでなく、コストアップを招くことからこれを上限とする。
〔Nb:0.005〜0.02%〕
NbもTiと同様に、鋼板をAc3点以上に加熱した場合、微細な炭化物の形成により、再結晶及び粒成長を抑制してオーステナイト粒を細粒にするため、靭性を改善する効果がある。そのため、0.005%を下限とする。一方、0.02%を超えて添加してもその効果が飽和するばかりでなく、コストアップを招くことからこれを上限とする。
〔V:0.01〜0.1%〕
Vは、TiやNbと同様に、鋼板をAc3点以上に加熱した場合、微細な炭化物の形成により、再結晶及び粒成長を抑制してオーステナイト粒を細粒にするため、靭性を改善する効果がある。そのため、0.01%を下限とする。一方、0.1%を超えて添加してもその効果が飽和するばかりでなく、コストアップを招くことからこれを上限とする。
〔Mo:0.01〜0.1%〕
Moも、V、Ti及びNbと同様に、鋼板をAc3点以上に加熱した場合、微細な炭化物の形成により、再結晶及び粒成長を抑制してオーステナイト粒を細粒にするため、靭性を改善する効果がある。そのため、0.01%を下限とする。一方、0.1%を超えて添加してもその効果が飽和するばかりでなく、コストアップを招くことからこれを上限とする。
〔不可避的不純物〕
Bは、焼入れ性を上げる元素のため、基本的には添加しないが、スクラップ等から混入する場合でも0.0002%未満とする必要がある。
なお、上記に示す鋼成分は、製鋼段階においてスクラップを利用することによるCu,Cr,Sn,Ni,Mo等の元素が含まれる場合や、脱酸元素としてCaやCe等を含むREMを使用した場合についても、本発明における効果は何ら変わるものではない。また、連続鋳造方法もとくに規定されるものではなく、通常の連続鋳造方法やスラブ厚みが100mm以下の薄スラブ法によるものによっても、本発明における効果は何ら変わるものではない。
次に、本発明の製造条件について説明する。
本発明における熱間圧延条件は通常実施される範囲でかまわない。すなわち、加熱温度は、その後に続く熱間圧延工程での圧延を可能とする変形抵抗が得られる条件であれば良い。また、仕上温度もAr3点以上の温度域で実施すれば良く、その後に続く冷却条件もとくに規定する必要はなく、750℃以下の温度域で巻取を実施する。しかし、400℃未満の温度で巻取ると熱延板強度が高くなり過ぎることから、これを下限とする。
熱間圧延に続く冷間圧延条件、焼鈍条件及びメッキ条件についても、とくに本発明においては規定されるものではなく、通常の範囲で実施すれば良い。すなわち、冷間圧延は、通常実施されている冷延圧下率の範囲で実施するものとし、具体的には、40〜80%で実施するものとする。メッキは、熱間圧延後酸洗した後、あるいは冷間圧延まま、あるいは再結晶焼鈍を実施した後に実施するものであるが、加熱条件や冷却条件はとくに規定されるものではない。さらに、メッキ種についてもZnあるいはAlがメッキされるが、とくにZnメッキについては合金化の有無については限定しない。また、Alメッキについてはメッキ中にSiを含んでも本発明に何ら影響を与えるものではない。
焼鈍後あるいはメッキ後の調質圧延についても、とくに規定するものではなく、形状を適切に調整するために実施するものである。その場合、過度に実施するとYPが増加するため、1%を上限とする。
いずれの条件で得られた鋼板についても、鋼板内においてΔTSで490MPa以上の強度差を得るためには、Ar3点から300℃の間を200℃/s以上とする部分と、同温度範囲を150℃/s未満とする必要がある。すなわち、200℃/s以上とした部分はマルテンサイトのみの組織が得られるが、150℃/s未満ではマルテンサイトを全く含まない組織となることから、ΔTSで490MPa以上の強度差が得られる。
表2に示す成分の鋼を転炉にて出鋼し、スラブとした後、望ましい熱延条件(加熱温度:1220℃、仕上温度:870℃、巻取温度:600℃)で熱間圧延を実施し、3mmの熱延鋼板とした。この熱延鋼板を1.4mmの冷延鋼板とした後、表3に示す条件で連続焼鈍を行うか、あるいは焼鈍後にメッキ処理を実施した。その際のメッキ処理は、溶融亜鉛メッキ(GI(合金化処理なし)/GA(合金化処理あり))あるいはSiを10%含む溶融アルミメッキ(Al)を施した。
Figure 2011174115
Figure 2011174115
これらの鋼板について、実験室の加熱炉で900℃に加熱後、表面から水が噴出する給水口とその水を吸い込む排水口を有する金型に挟み込み、水を噴射させることにより室温まで冷却を行った。その際に、部分的に水の噴出を止めた部分を作り、金型に挟んだままで室温まで冷却した。
Ar3〜300℃の温度域での冷却速度は、水を噴射させた水冷部で300℃/s、水の噴射を止めた非水冷部で100℃/sであった。測定方法は下記のとおりである。
<冷却速度の測定方法>
冷却速度は、放射温度計を使用し、プレス成形前後の鋼板表面温度を測定し、成形時間(5s)から求めた。
熱処理後の強度の評価は、それぞれ冷却条件の異なる部位よりサンプルを切り出し、JIS Z 2201に記載の5号試験片に加工し、JIS Z 2241に記載の試験方法にしたがって実施した引張試験を行った。得られた結果を同表に示す。
また、水冷部(高強度部分)については、遅れ破壊特性と低温靭性の評価もあわせて実施した。
遅れ破壊特性特性については、図2に示すようなVノッチを付与した試験片を使用し、室温にてチオシアン酸アンモニウム3g/lを3%食塩水に溶かした水溶液に24h浸漬させ、破断の有無により判定した(破断無し:○、破断有り:×)。
一方、低温脆性については、-40℃でシャルピー試験を行い、50%以上の延性破面率が得られた場合を合格(○)とし、50%未満では不合格(×)とした。
本発明に従った鋼(A鋼〜S鋼)において、水を噴射させた部分(水冷部)については、TS:1470〜1960MPaの強度が得られ、水の噴出を止めた部分(非水冷部)では、980MPa(100kgf/mm2)未満の強度となり、一つの部材内で強度差(ΔTS)が490MPa以上となっている。
一方、C量が低く外れたT鋼では、水を噴射させた部分においても1490MPa未満の強度しか得られていない。
また、C量が高く外れたU鋼では、ΔTSが490MPa以上となるものの、強度が2450MPaとなり、水の噴出を止めた部分でも1180MPaを超えている。そのため、遅れ破壊特性や低温脆性の劣化が懸念される。
Siが1%を超えて高く外れたV及びW鋼では、メッキ性が悪い(×)。
また、Mnが高く外れたX及びY鋼や、Bが混入したZ鋼では、水の噴出を止めた部分でも1470MPaの強度が出ており、ΔTSが490MPa未満となることから、本発明の範囲外である。
表2のC鋼、K鋼及びO鋼について、望ましい熱延条件(加熱温度:1250℃、仕上温度:880℃、巻取温度:550℃)で板厚:2mmの熱延鋼板とした後に酸洗を行い、そのまま実験室の加熱炉で930℃に加熱後、表面から水が噴出する給水口とその水を吸い込む排水口を有する金型に挟み込み、水を噴射させることにより室温まで冷却を行った。その際に、実施例1と同様に、部分的に水の噴出を止めた部分を作り、金型に挟んだままで室温まで冷却した。さらに、酸洗の後に亜鉛(GI、GA)あるいはSiを10%含む溶融アルミメッキを施してから、同様の加熱-冷却処理を施した。一方、望ましい熱延条件(加熱温度:1250℃、仕上温度:890℃、巻取温度:500℃)で板厚:3.2mmの熱延鋼板とした後、同様の酸洗後に50%の冷延率で1.6mmの冷延鋼板としてから、実験室の加熱炉で900℃に加熱後、上記と同様の金型による冷却を行う際に、部分的に水の噴出を止めた部分を作り、金型に挟んだままで室温まで冷却した。得られた鋼板について、実施例1と同様の材質特性を評価し、得られた結果を表4に示す。いずれも本発明に従った鋼であることから、遅れ破壊特性や低温靭性に問題は無く、本発明での特性が得られている。
Figure 2011174115
本発明により、Ac3点以上の温度域に加熱後冷却する際の冷却工程で、冷却速度を部分的に変化させることにより部材内で強度を変化させることで、優れたエネルギ吸収特性を有する部材の製造が可能となる。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.19〜0.35%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜1%、P:0.015%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜0.05%、N:0.001〜0.003%を含みかつ、Ti、Nb、V及びMoのうち1種以上をそれぞれTi:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.02%、V:0.01〜0.1%、Mo:0.01〜0.1%の範囲で合計:0.005〜0.15%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなるスラブを加熱後に順次に熱間圧延、冷間圧延および連続焼鈍の3工程のいずれかの製造工程までを行って得られた鋼板を、
    Ac3点以上の温度域に加熱後冷却するに際し、Ar3〜300℃の温度域を200℃/s以上の冷却速度で冷却する急冷部分と、150℃/s未満の冷却速度で冷却する緩冷部分を有し、相対的に高強度の急冷部分と相対的に低強度の緩冷部分との強度差(ΔTS)が490MPa以上となることを特徴とする、部材内で強度差を有するエネルギ吸収部材の製造方法。
  2. 請求項1において、上記3工程のいずれかの製造工程までを終了後、更にメッキを施してから、Ac3点以上の温度域に加熱後冷却する上記の処理を行なうことを特徴とする、部材内で強度差を有するエネルギ吸収部材の製造方法。
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