JP2015081368A - ホットスタンプ鋼材の製造方法、ホットスタンプ用鋼板の製造方法及びホットスタンプ用鋼板 - Google Patents

ホットスタンプ鋼材の製造方法、ホットスタンプ用鋼板の製造方法及びホットスタンプ用鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】塗装密着性を高めるホットスタンプ鋼材の製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態のホットスタンプ鋼材の製造方法は、鋼板を準備する工程と、鋼板に対して、Alを含有する溶融亜鉛めっき浴を利用した溶融亜鉛めっき処理を実施する工程と、溶融亜鉛めっき処理された鋼板を1.0〜6.0%の伸び率で冷間圧延する工程と、冷間圧延後の鋼板をAc3点〜950℃に加熱した後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼材の製造方法に関し、さらに詳しくは、ホットスタンプを利用したホットスタンプ鋼材の製造方法に関する。
自動車等に用いられる構造部材を高強度にするために、ホットスタンプにより構造部材を製造する場合がある。ホットスタンプでは、Ac3点以上に加熱された鋼板を、金型でプレスしつつ、金型で鋼板を急冷する。つまり、ホットスタンプでは、プレスと焼入れとを同時に行う。ホットスタンプにより、形状精度が高く、高強度の構造部材を製造できる。
鋼板に対してホットスタンプを実施した場合、鋼板表面に鉄酸化物が形成される。鉄酸化物は鋼板の塗装密着性を低下する。つまり、鉄酸化物が形成された場合、鋼板表面を塗装しても、塗膜が剥離しやすい。
特開2003−73774号公報(特許文献1)及び特開2003−129209号公報(特許文献2)及び特開2003−126921号公報(特許文献3)は、塗装密着性を改善する技術を提案する。
特許文献1〜特許文献3では、ホットスタンプ用鋼板として、溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板を利用する。溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板をホットスタンプに利用することにより、鉄酸化物が表面に形成されることなく、構造部材を成形できる。
特開2003−73774号公報 特開2003−129209号公報 特開2003−126921号公報
しかしながら、溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板をホットスタンプに利用した場合、りん酸塩処理により形成されるりん酸塩皮膜が付着しにくい(つまり、りん酸塩処理性が低い)場合がある。特に、ホットスタンプ工程において、通電加熱又は誘導加熱により鋼板をAc3点以上に急速に加熱した後、速やかにプレス成形を行う場合、りん酸塩処理性が低下する。この場合、塗装密着性も低下する。
本発明の目的は、塗装密着性を高めるホットスタンプ鋼材の製造方法を提供することである。
本実施の形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、鋼板に対して、Alを含有する溶融亜鉛めっき浴を利用した溶融亜鉛めっき処理を実施する工程と、溶融亜鉛めっき処理された鋼板を1.0〜6.0%の伸び率で冷間圧延する工程と、冷間圧延後の鋼板をAc3点〜950℃に加熱した後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備える。
本実施形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法により製造されたホットスタンプ鋼材では、塗装密着性が高まる。
図1は、溶融亜鉛めっき処理後に冷間圧延を実施することなくホットスタンプを実施した鋼材に対してりん酸塩処理を実施した場合の鋼材表面のSEM画像(倍率1000倍)である。 図2は、溶融亜鉛めっき処理後に3.0%の伸び率で冷間圧延を実施して、さらにホットスタンプを実施した鋼材に対してりん酸塩処理を実施した場合の鋼材表面のSEM画像(倍率1000倍)である。 図3は、通常のスキンパス(伸び率0.3%)を実施して製造されたホットスタンプ用鋼板の表面の反射電子組成像(倍率1000倍)である。 図4は、本実施形態による強圧下の冷間圧延(伸び率5.0%)を実施して製造されたホットスタンプ用鋼板の表面の反射電子組成像(倍率1000倍)である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本発明者らは、ホットスタンプ鋼材の塗装密着性に関して調査及び検討を行った。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
溶融亜鉛めっき処理に利用される溶融亜鉛めっき浴(以下、単にめっき浴という)には、Alが含有される。めっき浴の温度は440〜480℃程度であり、高温である。このような高温下でFeとZnとが接触すると、FeとZnとが継続的に合金化して、めっき皮膜厚さの制御が困難となる。めっき浴にAlが含有されれば、FeとZnとが反応する前に、FeとAlとが反応してZnとの過剰な合金化反応を抑制するため、めっき皮膜厚さの制御が可能となる。そのため、通常、溶融亜鉛めっき浴にはAlが含有される。
溶融亜鉛めっき浴にAlが含有されるため、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層にもAlが含有される。めっき層中のAlは拡散してめっき層の表層に移動して、Al酸化膜を形成する。Al酸化膜はりん酸に溶解しないため、りん酸塩(りん酸亜鉛、りん酸マンガン等)との反応が阻害される。そのため、Al酸化膜が形成された領域では、りん酸塩皮膜が形成されにくい。つまり、Al酸化膜が形成された領域は、りん酸塩処理性が低い。
そこで、本実施形態では、ホットスタンプ用鋼板を製造した後、ホットスタンプを実施する前に、ホットスタンプ用鋼板に対して、1.0%以上の伸び率で冷間圧延を実施する。以下、1.0%以上の伸び率を「強圧下」という。この場合、ホットスタンプ用鋼板の表層に形成されたAl酸化膜の一部は、強圧下の冷間圧延により表層から剥離する。さらに、剥離しなかったAl酸化膜は、強圧下の冷間圧延により破壊される。Al酸化膜が剥離又は破壊されたホットスタンプ用鋼板を用いた場合、ホットスタンプ後のホットスタンプ鋼材のりん酸塩処理性が高まる。その結果、ホットスタンプ鋼材の塗装密着性が高まる。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態のホットスタンプ鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、鋼板に対して、Alを含有する溶融亜鉛めっき浴を利用した溶融亜鉛めっき処理を実施する工程と、溶融亜鉛めっき処理された鋼板を1.0〜6.0%の伸び率で冷間圧延する工程と、冷間圧延後の鋼板をAc3点〜950℃に加熱した後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備える。
この場合、強圧下の冷間圧延により、ホットスタンプ用鋼板の表層に形成されたAl酸化膜が剥離又は破壊される。そのため、ホットスタンプ鋼材のりん酸塩処理性及び塗装密着性が高まる。
上記溶融亜鉛めっき処理をする工程では、溶融亜鉛めっき処理された鋼板を加熱して合金化処理を実施してもよい。
この場合、ホットスタンプ用鋼板として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を利用できる。合金化溶融亜鉛めっき鋼板であっても、上述の効果が得られる。
上記製造方法はさらに、冷間圧延後であってホットスタンプ鋼材を成形する前に、溶融亜鉛めっき処理された鋼板の表面に防錆油膜を形成する工程を備えてもよい。
冷間圧延後、ホットスタンプを実施するまでの間の期間が長い場合に、ホットスタンプ用鋼板の表面に錆が発生するのを抑制できる。
上記製造方法はさらに、防錆油膜が形成された鋼板に対してブランキング加工を実施する工程を備えてもよい。この場合、ホットスタンプ鋼材を成形する工程では、ブランキング加工が実施されたホットスタンプ用鋼板を利用する。
本実施の形態によるホットスタンプ用鋼板の製造方法は、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、鋼板に対して、Alを含有する溶融亜鉛めっき浴を利用した溶融亜鉛めっき処理を実施する工程と、溶融亜鉛めっき処理された鋼板を1.0〜6.0%の伸び率で冷間圧延する工程とを備える。
この場合、強圧下での冷間圧延により、ホットスタンプ用鋼板の表層に形成されたAl酸化膜が剥離又は破壊される。そのため、後工程のホットスタンプにより製造されたホットスタンプ鋼材のりん酸塩処理性及び塗装密着性が高まる。
本実施の形態によるホットスタンプ用鋼板は、母材と、合金化溶融亜鉛めっき層とを備える。母材は、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する。合金化溶融亜鉛めっき層は、母材上に形成される。合金化溶融亜鉛めっき層の表面のクラックの総長さは10000μm2あたり200μm以上である。
この場合、ホットスタンプ用鋼板の表層では、クラックによりAl酸化膜が十分に破壊及び分断されている。そのため、後工程のホットスタンプにより製造されたホットスタンプ鋼材のりん酸塩処理性及び塗装密着性が高まる。
以下、上述のホットスタンプ鋼材及びホットスタンプ用鋼板の製造方法について詳述する。
[製造工程]
本実施形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法は、準備工程と、溶融亜鉛めっき処理工程と、冷間圧延工程と、ホットスタンプ工程とを備える。以下、各工程について詳述する。
[準備工程]
初めに、鋼板を準備する。鋼板は、次の化学組成を有する。以下、元素に関する「%」は、質量%を意味する。
C:0.05〜0.4%
炭素(C)は、ホットスタンプ後の鋼材の強度を高める。C含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、ホットスタンプ後の強度は高くなるが、鋼板の靭性が低下する。すなわち所望の強度と靱性が得られるようC量は調整されればよい。その際に好ましいC含有量は、0.05〜0.4%である。C含有量の好ましい下限は0.10%である。C含有量の好ましい上限は0.35%である。
Si:0.5%以下
シリコン(Si)は一般的に鋼の脱酸目的で使用されることが多く、その場合不可避的に含有される。しかしながら、Si含有量が高すぎれば、ホットスタンプにおける加熱中に鋼中のSiが拡散し、鋼板表面に酸化物を形成する。酸化物はりん酸塩処理性を低下し得る。Siはさらに、鋼板のAc3点を上昇させる働きがあり、Ac3点が上昇するとホットスタンプ時の加熱温度が、Znめっきの蒸発温度を超えてしまう。したがって、Si含有量は0.5%以下である。好ましいSi含有量の上限は0.3%である。Si含有量の好ましい下限は、求められる脱酸レベルによるが、0.05%である。
Mn:0.5〜2.5%
マンガン(Mn)は、焼入れ性を高め、ホットスタンプ後の鋼材の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、その効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、Mn含有量は0.5〜2.5%である。Mn含有量の好ましい下限は0.6%である。Mn含有量の好ましい上限は2.4%である。
P:0.03%以下
りん(P)は鋼中に含まれる不純物である。Pは粒界に偏析して鋼の靭性を低下し、耐遅れ破壊性を低下する。したがって、P含有量はなるべく低い方が好ましい。P含有量は0.03%以下である。
S:0.01%以下
硫黄(S)は鋼中に含まれる不純物である。Sは硫化物を形成して鋼の靭性を低下し、耐遅れ破壊性を低下する。したがって、S含有量はなるべく低い方が好ましい。S含有量は0.01%以下である。
sol.Al:0.1%以下
アルミニウム(Al)は一般的に鋼の脱酸目的で使用されることが多く、その場合不可避的に含有される。一方、Al含有量が高すぎれば、脱酸は十分となるが、鋼板のAc3点が上昇して、ホットスタンプ時の必要な加熱温度がZnめっきの蒸発温度を超える。したがって、Al含有量は0.1%以下である。Al含有量の好ましい上限は0.05%である。Al含有量の好ましい下限は0.01%である。本明細書におけるAl含有量は、sol.Al(酸可溶Al)の含有量を意味する。
N:0.01%以下
窒素(N)は鋼中に不可避的に含まれる不純物である。Nは窒化物を形成して鋼の靭性を低下する。Nはさらに、Bが含有される場合、Bと結合して固溶B量を減らす。その結果、焼入れ性が低下する。したがって、N含有量はなるべく低い方が好ましい。N含有量は0.01%以下である。
本実施形態の鋼板の化学組成の残部はFe及び不純物からなる。本明細書において、不純物とは、鉄鋼材料を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入するものを意味する。
本実施形態による鋼板はさらに、B及びTiを含有してもよい。
B:0〜0.005%
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Bは鋼の焼入れ性を高め、ホットスタンプ後の鋼材の強度を高める。しかしながら、B含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、B含有量は、0〜0.005%である。B含有量の好ましい下限は0.0001%である。
Ti:0〜0.1%
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、TiはNと結合して窒化物を形成する。そのため、BとNとの結合が抑制され、BN形成による焼入れ性の低下を抑制できる。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、上記効果が飽和し、さらに、Ti窒化物が過剰に析出して鋼の靭性が低下する。したがって、Ti含有量は0〜0.1%である。Tiはそのピン止め効果により、ホットスタンプ加熱時のオーステナイト粒径を微細化し、それにより鋼材の靱性等を高める。Ti含有量の好ましい下限は0.01%である。
本実施形態による鋼板はさらに、Cr及びMoからなる群から選択される1種以上を含有する。これらの元素は任意元素であり、鋼の焼入れ性を高める。
Cr:0〜0.5%
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crは鋼の焼入れ性を高める。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、Cr炭化物が形成され、ホットスタンプの加熱時に炭化物が溶解しにくくなる。そのためオーステナイト化が進行しにくくなり、焼き入れ性が低下する。したがって、Cr含有量は0〜0.5%である。Cr含有量の好ましい下限は0.1%である。
Mo:0〜0.5%
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは鋼の焼入れ性を高める。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、Mo含有量は0〜0.5%である。Mo含有量の好ましい下限は0.05%である。
本実施形態による鋼板素材はさらに、Nb及びNiからなる群から選択される1種以上を含有してもよい。これらの元素は任意元素であり、鋼の靭性を高める。
Nb:0〜0.1%
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nbは炭化物を形成して、ホットスタンプ時に結晶粒を微細化する。細粒化により、鋼の靭性が高まる。しかしながらNb含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。Nb含有量が高すぎればさらに、焼入れ性が低下する。したがって、Nb含有量は0〜0.1%である。Nb含有量の好ましい下限は0.02%である。
Ni:0〜1.0%
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Niは鋼の靭性を高める。Niはさらに、ホットスタンプでの加熱時に、溶融Znに起因した脆化を抑制する。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、Ni含有量は0〜1.0%である。Ni含有量の好ましい下限は0.1%である。
上述の化学組成を有する鋼板素材は、次の方法で製造される。上述の化学組成を有する溶鋼を製造する。製造された溶鋼を用いて、鋳造法によりスラブを製造する。製造された溶鋼を用いて、造塊法によりインゴットを製造してもよい。製造されたスラブ又はインゴットを熱間圧延して鋼板素材(熱延鋼板)を製造する。必要に応じて、熱延鋼板に対して酸洗処理を実施し、酸洗処理後の熱延鋼板に対して冷間圧延を実施して鋼板素材(冷延鋼板)としてもよい。
[溶融亜鉛めっき処理工程]
上記鋼板に対して、溶融亜鉛めっき処理を実施する。具体的には、鋼板をめっき浴(溶融亜鉛めっき浴)に浸漬して鋼板表面にめっきを付着させる。めっきが付着した鋼板をめっき浴から引きあげる。好ましくは、鋼板表面のめっき付着量を調整して20〜100g/m2にする。鋼板の引き上げ速度や、ワイピングのガスの流量を調整することにより、めっき付着量を調整できる。めっき付着量のさらに好ましい下限は25g/m2である。めっき付着量のさらに好ましい上限は80g/m2である。
溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度は特に限定されない。好ましいAl濃度は、0.10〜0.25質量%である。めっき浴中のAl濃度が低すぎれば、FeAl合金相の形成が不十分となり、めっき皮膜が不均一に形成される。Al濃度が低すぎればさらに、鋼板中のFeがめっき浴中に溶出する。溶出されたFeはドロスを生成する。Al濃度が高すぎれば、めっき皮膜中のFeAl層が過剰に厚く形成される。後述する合金化処理を実施する場合、FeAl層が厚すぎれば、反応速度が遅くなり生産性が低下する。したがって、めっき浴中の好ましいAl濃度は0.10〜0.25%である。Al濃度のさらに好ましい上限は0.20%である。
[合金化処理工程]
溶融亜鉛めっき処理工程は、次に示す合金化処理工程を含む。合金化処理工程では、溶融亜鉛めっき処理によりめっき層(溶融亜鉛めっき層)が形成された鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板)を、470〜600℃で30秒以内加熱し、その後、冷却する。上記加熱温度まで加熱した直後に冷却してもよい。均熱時間は上述の時間に限定されない。めっき層中の所望のFe濃度に応じて、加熱温度及び均熱時間は適宜設定される。
合金化処理における加熱温度の好ましい下限は540℃である。この場合、合金化処理工程において、めっき層中のFe濃度が増加して、表層に形成されるAl酸化膜の量が増加する。そのため、次工程の強圧下での冷間圧延工程において、より多くのAl酸化膜が剥離又は破壊される。要するに、ホットスタンプ工程前に、あらかじめ多くのAl酸化膜を形成しておき、強圧下の冷間圧延により多くのAl酸化膜を剥離及び破壊する。そのため、ホットスタンプ後の鋼材のりん酸塩処理性及び塗装密着性が高まる。
以上の合金化処理により、めっき層として合金化溶融亜鉛めっき層を有するホットスタンプ用鋼板(GA)が製造される。
[冷間圧延工程]
溶融亜鉛めっき処理後の鋼板に対して、冷間圧延を実施する。冷間圧延はたとえば、スキンパスミルを用いて実施する。スキンパスミルは一対のワークロールと、一対のワークロールを収納するスタンドとを備える。スキンパスは、一列に配列された複数の一対のワークロールを備えてもよい。スキンパスは多段圧延機であってもよい。
溶融亜鉛めっき処理後の鋼板に対して、表面の平坦度を高めたり、ひずみを矯正したりすることを目的に、従来、冷間圧延(スキンパス)が実施される場合がある。上記の目的のための従来のスキンパスの伸び率は0.5%以下である。
これに対して、本実施形態での冷間圧延は、鋼板の表層に形成されたAl酸化膜の剥離又は破壊を目的とする。そのため、本実施形態での冷間圧延での伸び率は1.0%以上である。伸び率(%)は圧下率と同義である。一般的に、スキンパスミルの入側及び出側にはそれぞれ、ブライドルロールが配置されている。入側ブライドルロールのロール径がD0(m)、ロール周速がV0(回/s)あり、出側ブライドルロールのロール径がD1(m)、ロール周速がV1(回/s)である場合、伸び率(%)は、次の式で定義される。
伸び率=(D1×V1−D0×V0)/(D0×V0)×100
スキンパスミルの入側の鋼板速度VP0(m/s)とスキンパスミル出側の鋼板速度VP1(m/s)とを速度計で測定可能な場合、伸び率(%)は次の式でも定義できる。
伸び率=(VP1−VP0)/VP0×100
以上の工程により、本実施形態のホットスタンプ用鋼板が製造される。
本実施形態では、強圧下の冷間圧延を実施してホットスタンプ用鋼板を製造する。これにより、ホットスタンプ用鋼板の表層のAl酸化膜が破壊され、その一部が剥離する。そのため、ホットスタンプ後の鋼材のりん酸塩処理性が高まり、塗装密着性が高まる。
図1は、溶融亜鉛めっき処理後に通常のスキンパス(伸び率0.3%)を実施して製造された鋼板にホットスタンプを実施して製造された鋼材に対して、りん酸塩処理を実施した場合の鋼材表面のSEM画像(倍率1000倍)である。図2は、溶融亜鉛めっき処理後に3.0%の伸び率で冷間圧延を実施して、さらにホットスタンプを実施した鋼材に対してりん酸塩処理を実施した場合の鋼材表面のSEM画像(倍率1000倍)である。
図1及び図2を参照して、冷間圧延を実施しなかった鋼材表面(図1)では、りん酸塩皮膜20が形成されていない領域10が認められる。一方、3.0%の冷間圧延を実施した鋼材表面(図2)では、ほぼ全領域にわたってりん酸塩皮膜20が形成されている。
以上のとおり、強圧下の冷間圧延を実施すれば、ホットスタンプ後の鋼材のりん酸塩処理性が高まる。図3は、通常のスキンパス(伸び率0.3%)を実施して製造されたホットスタンプ用鋼板の表面のBSE組成像(倍率1000倍)である。図4は、本実施形態による強圧下の冷間圧延(伸び率5.0%)を実施して製造されたホットスタンプ用鋼板の表面のBSE組成像(倍率1000倍)である。
通常のスキンパスが実施されたホットスタンプ用鋼板の表面(図3)では、ワークロールと接触された領域30が平坦になっている。一方、その他の領域40の表面は粗く、凹凸を有する。しかしながら、図3の表面にはクラックがほぼ発生していない。
これに対して、強圧下の冷間圧延が実施されたホットスタンプ用鋼板の表面(図4)では、ワークロールと接触された平坦な領域30の割合が図3よりも大きくなっている。さらに、図4の表面には、クラック50が多数形成されている。
以上のことから、本実施形態の製造方法は、次の理由によりホットスタンプ後の鋼材のりん酸塩処理性を高めると考えられる。強圧下の冷間圧延によって、ワークロールと接触した広範囲の表層部分のAl酸化膜は、ワークロールとの接触により表層から剥離する。さらに、強圧下の冷間圧延は、鋼板のめっき層の表層部分に多数のクラック50を形成する。クラック50の形成により表層のAl酸化膜は破壊され、分断される。Al酸化膜が剥離又は破壊されることにより、ホットスタンプ後の鋼材のりん酸塩処理性が高まり、塗装密着性が高まる。
冷間圧延での伸び率の好ましい下限は1.5%であり、さらに好ましくは3.0%である。この場合、ホットスタンプ用鋼板の表層のAl酸化膜が十分に剥離又は破壊される。一方、伸び率が高すぎれば、スキンパスミルへの負荷が大きくなりすぎる。そのため、冷間圧延での伸び率の上限は6.0%である。伸び率の好ましい上限は6.0%未満であり、さらに好ましくは5.5%である。
[ホットスタンプ用鋼板の表層について]
以上の製造工程により製造されたホットスタンプ用鋼板は、板材である母材と、母材上に形成されるめっき層とを備える。母材は、上記鋼板と同じ化学組成を有する。本例のめっき層は合金化溶融亜鉛めっき層である。めっき層の表層に残存するAl酸化物は、強圧下の冷間圧延で形成されたクラックにより破壊及び分断されている。
具体的には、めっき層の表面のクラックの総長さが10000μm2あたり200μm以上である。以下、クラック総長さの測定方法について説明する。
[クラック総長さ]
めっき層が合金化溶融亜鉛めっき層である場合の、めっき層のクラック総長さは、次の方法で求める。ホットスタンプ用鋼板の表面のうち、任意の10視野(各視野の面積は100μm×100μm=10000μm2)を決定する。各視野のBSE組成像(倍率1000倍)を作成する。各視野でのクラックの総長さを求める。10視野のクラックの総長さの平均を、10000μm2あたりのクラック総長さ(μm)と定義する。
上述のとおり定義されたクラック総長さが200μm/10000μm2以上であれば、ホットスタンプ用鋼板の表層のAl酸化膜は十分に剥離及び破壊されている。そのため、ホットスタンプ鋼材のりん酸塩処理性及び塗装密着性が高まる。
[ホットスタンプ工程]
強圧下の冷間圧延により製造されたホットスタンプ用鋼板に対して、ホットスタンプを実施する。ホットスタンプには、緩加熱によるホットスタンプと、急速加熱によるホットスタンプとがある。
緩加熱によるホットスタンプでは、主に輻射熱を加熱に利用する。初めに、ホットスタンプ用鋼板を加熱炉(ガス炉、電気炉、赤外線炉等)に装入する。加熱炉内で、ホットスタンプ用鋼板をAc3点〜950℃に加熱し、この温度で保持(均熱)する。加熱によりめっき層中のZnが液化する。しかしながらホットスタンプ用鋼板を上記温度で均熱することにより、めっき層中の溶融ZnがFeと結合して固相(Fe−Zn固溶体相)となる。めっき層中の溶融ZnをFeと結合して固相化した後、加熱炉から鋼板を抽出する。均熱によりめっき層中の溶融ZnをFeと結合してFe−Zn固溶体相として加熱炉から抽出しプレス用の鋼板を準備してもよいし、加熱炉から抽出後、ZnFe合金相として固相化するまで降温させ、プレス用の鋼板を準備してもよい。
プレス用に準備された鋼板を、金型を用いてプレスする。鋼板をプレスするとき、金型により鋼板を焼入れする。金型内には冷却媒体(たとえば水)が循環しており、金型が鋼板を抜熱して焼入れする。以上の工程により、緩加熱によりホットスタンプ鋼材を製造する。
急速加熱によるホットスタンプでは、次の工程を実施する。初めに、ホットスタンプ用鋼板をAc3点〜950℃まで急速加熱する。急速加熱はたとえば、通電加熱又は誘導加熱により実施される。平均加熱速度は20℃/秒以上である。急速加熱の場合、鋼板をAc3点〜950℃に加熱した後、めっき層中の溶融ZnがFeと結合して固相(Fe−Zn固溶体相又はZnFe合金相)になるまで、プレス成形等、鋼材に応力を付与することなく冷却する。具体的には、少なくとも鋼板の温度が782℃以下になるまで冷却する。冷却後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れする。
緩加熱及び急速加熱のいずれの工程においても、成形されたホットスタンプ鋼材の組織は、体積率で90%以上のマルテンサイトを含有する。そのため、ホットスタンプ鋼材は高い強度を有する。
製造されたホットスタンプ鋼材は、優れたりん酸塩処理性及び塗装密着性を有する。特に、本実施形態の製造方法は、急速加熱によるホットスタンプを実施したときに効果を発揮する。従来のホットスタンプ鋼材の製造方法において、緩加熱によるホットスタンプを実施する場合、加熱炉で鋼板が均熱される。この場合、ホットスタンプ用鋼板のめっき層の表層にAl酸化膜が形成されても、長時間の加熱によりAl酸化膜が割れて分断される。一方、急速加熱によるホットスタンプを実施する場合、均熱時間が極めて短い。そのため、最表面に形成されたAl酸化膜は破壊されず、残存する。そのため、急速加熱によるホットスタンプでは、緩加熱によるホットスタンプと比較して、ホットスタンプ鋼材のりん酸塩処理性及び塗装密着性が低い。
本実施形態の製造方法を採用した場合、急速加熱によるホットスタンプを実施した場合であっても、ホットスタンプ鋼材は優れたりん酸塩処理性及び塗装密着性を有する。急速加熱を実施する前に、鋼板の表層のAl酸化膜が除去されているからである。
なお、本実施形態の製造方法を緩加熱によるホットスタンプを実施した場合も、従来の緩加熱によるホットスタンプを採用した製造方法と比較して、ホットスタンプ鋼材は優れたりん酸塩処理性及び塗装密着性を示す。
[溶融亜鉛めっき鋼板を用いたホットスタンプの製造方法]
上述の製造方法では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA:Galvannealed Iron)を用いてホットスタンプ鋼材を製造した。しかしながら、本実施形態のホットスタンプ鋼材の製造方法では、溶融亜鉛めっき鋼板(GI:Galvanized Iron)を用いてホットスタンプ鋼材を製造してもよい。具体的には、上述の溶融亜鉛めっき処理工程内の合金化処理工程を省略する。この場合、溶融亜鉛めっき鋼板に対して、冷間圧延工程を実施する。以降の工程は合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合と同じである。本実施形態の製造方法では、めっき層が合金化溶融亜鉛めっき層(GA)の方がAl酸化膜が破壊されやすく有効であるが、めっき層が溶融亜鉛めっき層(GI)の場合でもある程度の効果が得られる。
[防錆油膜形成工程]
上述の製造方法はさらに、冷間圧延工程後であってホットスタンプ工程の前に、防錆油膜形成工程を含んでもよい。
防錆油膜形成工程では、冷間圧延工程を実施後のホットスタンプ用鋼板の表面に、防錆油を塗布して防錆油膜を形成する。ホットスタンプ用鋼板が製造されてから、ホットスタンプ工程が実施されるまでの期間が長い場合があり得る。その場合、ホットスタンプ用鋼板の表面が酸化する場合があり得る。本工程により防錆油膜が形成された鋼板の表面は酸化しにくく、スケールの発生がより抑制される。
[ブランキング加工工程]
上述の製造方法はさらに、防錆油膜形成工程の後であって、ホットスタンプ工程の前に、ブランキング加工工程を実施してもよい。
ブランキング加工では、ホットスタンプ用鋼板に対して剪断加工及び/又は打ち抜き加工等を実施して、特定の形状に成形する。ブランキング加工後の鋼板の剪断面は酸化しやすい。鋼板表面に防錆油膜が形成されていれば、剪断面にも防錆油がある程度広がる。そのため、ブランキング加工後の鋼板の酸化が抑制される。
表1に示す化学組成を有する鋼A〜Fの鋼板を準備した。
表1を参照して、いずれの鋼の化学組成も、本実施形態の鋼板の化学組成を満たした。
上記化学組成の各鋼の溶鋼を製造した。溶鋼を用いて連続鋳造法によりスラブを製造した。スラブを熱間圧延し、熱延鋼板を製造した。熱延鋼板を酸洗した後、冷間圧延を実施して、冷延鋼板を製造した。冷延鋼板をホットスタンプ鋼材の製造に利用する鋼板とした。表1に示すとおり、各鋼種の鋼板の板厚はいずれも1.6mmであった。
鋼A〜Fの鋼板を利用して、表2中の試験番号1〜19の製造条件でホットスタンプ鋼材を製造した。
具体的には、試験番号1〜19の鋼板に対して、溶融亜鉛めっき処理を実施した。各試験番号で用いためっき浴のAl濃度はいずれも0.12%であり、0.10〜0.25%の範囲内であった。また、いずれの試験番号においても、20〜100g/m2の範囲内となるように、鋼板の引き上げ速度及びワイピングのガス流量を調整した。
さらに、試験番号1〜3、5、7〜10、12〜19の鋼板に対しては、合金化処理を実施した。合金化処理での最高温度はいずれも約530℃であり、約30秒加熱した後、室温まで冷却した。以上の工程により、試験番号1〜3、5、7〜10、12〜19では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)を製造し、試験番号4、6及び11では、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)を製造した。表2中の「鋼板種類」欄の「GA」は合金化溶融亜鉛めっき鋼板を意味し、「GI」は溶融亜鉛めっき鋼板を意味する。溶融亜鉛めっき処理を実施した後、後述の方法により、めっき付着量を測定した。
製造された各試験番号の鋼板に対して、表2に示す伸び率で冷間圧延を実施した。冷間圧延には、周知のスキンパスミルを用いた。
冷間圧延後、各試験番号の鋼板に対して、急速加熱によるホットスタンプを実施した。具体的には、試験番号1〜19の鋼板に対して通電加熱を実施して、鋼種A〜FのAc3点以上の温度である870℃に加熱した。加熱速度は85℃/秒であった。
通電加熱後、鋼板温度が650℃になるまで冷却した。冷却後、水冷ジャケットを備えた平板金型を利用して、鋼板を挟み込んでホットスタンプ鋼材(鋼板)を製造した。ホットスタンプ時冷却速度が遅い部分でも、マルテンサイト変態開始点である360℃程度まで、50℃/秒以上の冷却速度となるように焼入れした。
[評価試験]
上記製造工程により製造されたホットスタンプ用鋼板及びホットスタンプ鋼材に対して、次の評価試験を実施した。
[めっき付着量測定試験]
製造された溶融亜鉛めっき鋼板(GI)及び合金化された溶融亜鉛めっき鋼板(GA)からめっき層を含むサンプルを採取した。JIS H0401に準拠してサンプルのめっき層を塩酸で溶解した。溶解前のサンプル重量と、溶解後のサンプル重量と、めっき層が形成されていた面積とに基づいて、めっき付着量(g/m2)を求めた。測定の結果、いずれの試験番号のめっき付着量も20〜100g/m2の範囲内であった。
[りん酸塩処理性評価試験]
各試験番号の板状のホットスタンプ鋼材に対して、日本パーカライジング株式会社製の表面調整処理剤プレパレンX(商品名)を用いて表面調整を室温で20秒実施した。さらに、日本パーカライジング株式会社製のりん酸亜鉛処理液パルボンド3020(商品名)を用いてりん酸塩処理を実施した。処理液の温度は43℃とし、板状のホットスタンプ鋼材を処理液に120秒間浸漬した。
りん酸塩処理後、ホットスタンプ鋼材の任意の5視野(125μm×90μm)を1000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、反射電子像(BSE)を得た。反射電子像では、観察領域をグレースケールで画像表示した。反射電子像内において、りん酸塩皮膜が形成された部分と、りん酸塩皮膜が形成されていない部分とで、コントラストが異なる。そこで、りん酸塩皮膜が形成されていない部分の明度(複数階調)の数値範囲X1を、SEM及びEDS(エネルギ分散型X線マイクロアナライザ)によりあらかじめ決定した。
各視野の反射電子像において、画像処理により、数値範囲X1内のコントラストを示す領域の面積A1を求めた。そして、次の式(2)に基づいて、各視野の透け面積率TR(%)を求めた。
TR=A1/A0×100 (2)
ここで、A0は視野の全面積(125μm×90μm=11250μm2)である。5視野の透け面積率TR(%)の平均を、その試験番号のホットスタンプ鋼材の透け面積率(%)と定義した。
表2中の「りん酸塩処理性」欄の「×:NA」(Not Accepted)は、透け面積率が15%以上であったことを意味する。「○:G」(Good)は、透け面積率が5%以上15%未満であったことを意味する。「◎:E」(Excellent)は、透け面積率が5%未満であったことを意味する。透け評価において、「○:G」又は「◎:E」である場合、りん酸塩処理性に優れると判断した。
[塗装密着性評価試験]
上述のりん酸塩処理を実施した後、各試験番号の板状のホットスタンプ鋼材に対して、日本ペイント株式会社製のカチオン型電着塗料を電圧160Vのスロープ通電で電着塗装し、さらに、焼き付け温度170℃で20分間焼き付け塗装した。電着塗装後の塗料の膜厚の平均は、いずれの試験番号も10μmであった。
電着塗装後、ホットスタンプ鋼材を、50℃の温度を有する5%NaCl水溶液に500時間浸漬した。浸漬後、試験面60mm×120mmの領域(面積A10=60mm×120mm=7200mm2)全面に、ポリエステル製テープを貼り付けた。その後、テープを引きはがした。テープの引きはがしにより剥離した塗膜の面積A2(mm2)を求め、式(3)に基づいて塗膜剥離率(%)を求めた。
塗膜剥離率=A2/A10×100 (3)
表2中の「塗装密着性」欄の「×:NA」は、塗膜剥離率が10.0%以上であったことを意味する。「○:G」は塗膜剥離率が10.0%未満5.0%以上であったことを意味する。「◎:E」は塗膜剥離率が5.0%未満であったことを意味する。「塗装密着性」欄において、「○:G」又は「◎:E」である場合、塗装密着性に優れると判断した。
[試験結果]
表2に試験結果を示す。試験番号5〜8、10、11、13,15、17及び19では、鋼板の化学組成及び冷間圧延での伸び率が適切であった。そのため、製造されたホットスタンプ用鋼板の表層のクラック総長さは200μm/10000μm2以上であった。そのため、ホットスタンプ鋼材において、優れたりん酸塩処理性及び塗装密着性が得られた。
特に、試験番号7、8及び11では、伸び率が3.0%以上であったため、試験番号5、6、10、13、15、17及び19と比較して、優れたりん酸塩処理性及び塗装密着性が得られた。
一方、試験番号1〜4、9、12、4、16及び18では、冷間圧延での伸び率が1.0%未満であった。そのため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)において、クラック総長さが200μm/10000μm2未満であった。そのため、化成処理性及び塗装密着性が低かった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
本実施形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法は、ホットスタンプにより製造される鋼材の製造方法として広く適用可能である。急速加熱によるホットスタンプを実施する場合において、特に適する。
10、30及び40 領域
20 化成皮膜
50 クラック

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、
    前記鋼板に対して、Alを含有する溶融亜鉛めっき浴を利用した溶融亜鉛めっき処理を実施する工程と、
    前記溶融亜鉛めっき処理された前記鋼板を1.0〜6.0%の伸び率で冷間圧延する工程と、
    前記冷間圧延後の前記鋼板をAc3点〜950℃に加熱した後、金型を用いて前記鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備える、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  2. 請求項1に記載のホットスタンプ鋼材の製造方法であって、
    前記溶融亜鉛めっき処理をする工程は、前記溶融亜鉛めっき処理された前記鋼板を加熱して合金化処理を実施する工程を含む、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のホットスタンプ鋼材の製造方法であってさらに、
    前記冷間圧延後であって前記ホットスタンプ鋼材を成形する前に、前記溶融亜鉛めっき処理された前記鋼板の表面に防錆油膜を形成する工程を備える、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  4. 請求項3に記載のホットスタンプ鋼材の製造方法であってさらに、
    前記防錆油膜が形成された前記鋼板に対してブランキング加工を実施する工程を備え、
    前記ホットスタンプ鋼材を成形する工程では、前記ブランキング加工が実施されたホットスタンプ用鋼板を利用する、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  5. 質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、
    前記鋼板に対して、Alを含有する溶融亜鉛めっき浴を利用した溶融亜鉛めっき処理を実施する工程と、
    前記溶融亜鉛めっき処理された前記鋼板を1.0〜6.0%の伸び率で冷間圧延する工程とを備える、ホットスタンプ用鋼板の製造方法。
  6. 請求項5に記載のホットスタンプ用鋼板の製造方法であって、
    前記溶融亜鉛めっき処理をする工程は、前記溶融亜鉛めっき処理された前記鋼板を加熱して合金化処理を実施する工程を含む、ホットスタンプ用鋼板の製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載のホットスタンプ用鋼板の製造方法であってさらに、
    前記冷間圧延後に、前記鋼板の表面に防錆油膜を形成する工程を備える、ホットスタンプ用鋼板の製造方法。
  8. 質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する母材と、
    前記母材上に形成された合金化溶融亜鉛めっき層とを備え、
    前記合金化溶融亜鉛めっき層の表面のクラックの総長さが10000μm2あたり200μm以上である、ホットスタンプ用鋼板。
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