JP2003328031A - プレス部品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部品 - Google Patents
プレス部品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部品Info
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Abstract
方法および焼入れ装置を提供する。 【解決手段】 成形型5の対向する成形面に窪み6A、
7Aを設け、投入された加熱鋼板Wを成形型5に接触す
る部位と窪み6A、7Aに臨む部位とで冷却速度を異な
らせて冷却し、プレス部品1に得られる焼入れ硬度を部
位によって変化させる。
Description
成形するプレス部品の焼入れ方法および焼入れ装置およ
びプレス部品に関し、特に、部分的に後加工可能なプレ
ス部品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部品
に関するものである。
り組立て形成する、例えば、車体等の軽量化のために鋼
板の強度を向上させる方法として、高強度鋼板(高張力
鋼板)を用いる従来からの方法に代えて、加熱状態の鋼
板をプレス成形により急冷・焼入れすることが提案され
ている。
傍まで加熱し、プレス成形型に投入して摂氏約800度
程度の鋼板をプレス成形するものである。プレス成形さ
れる鋼板は、高温のために材料強度が低下しており、成
形型に沿って素直に変形し、成形品の寸法精度が向上す
る。また、鋼板は成形型に挟まれることで成形型に熱が
奪われて急冷され焼入れされることとなり、成形品の母
材強度を大幅に向上させることができる。成形品は焼入
れ状態で形成されるため、スプリングバック等の寸法精
度の不良等も極めて少ない。
来例の成形品は、プレス成形型による焼入れにより硬度
が上昇するので以下のような問題点があった。
により硬度が上昇しており、剪断抵抗の増加により穴加
工やトリム加工が困難となる。また、加工できた場合で
も工具破損や工具摩耗の影響がある。
にピアス等の加工を行い、その後にプレス成形を行う
と、成形途中に生じる材料の移動等によって穴位置にず
れを生じ、その誤差により製品として成立しない恐れが
ある。そのため焼入れ前に加工を行ってもよい(誤差が
許容される)部位は限られる。
れたもので、部分的に後加工が可能なプレス部品の焼入
れ方法および焼入れ装置およびプレス部品を提供するこ
とを目的とする。
た加熱鋼板を成形型により成形品形状部位毎に冷却速度
を異ならせて冷却し、得られる焼入れ硬度を部位毎に変
化させるようにした。
型内でプレス成形され冷却・硬化する前に加工装置によ
り成形品を加工するようにした。
を部位毎に異ならせて成形品の焼入れ硬度を部位毎に選
択できるため、加工が必要な部位の焼入れ硬度を低下さ
せることでその部位の加工を容易とできる。
だけ靭性が高くなるため、成形品の強度や靭性を部位毎
の要求に対応してコントロールすることができる。
加えて、成形型内においてプレス成形により冷却・硬化
する前の成形品に加工を施すため、成形品材料が高温で
材料強度が低い状態のうちに加工が行え、剪断抵抗等の
加工力を低く抑えることができて加工が容易であると共
に工具破損防止や工具寿命を延長できる。
成形品材料は移動済みであり、加工による穴位置などの
ずれが回避でき、精度のよい加工が可能である。
の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部品を実現
する実施の形態を第1の実施形態に基づいて説明する。
おけるプレス部品の焼入れ方法および焼入れ装置および
プレス部品の第1の実施形態を示し、図1は鋼板からプ
レス成形されたプレス部品を、図2は図1のプレス部品
をプレス成形するプレス成形型を、図3は鋼板とプレス
成形型とによる要部の詳細を、図4は剛性低下部の硬度
の状態を夫々示す。
形状をなしており、例えば、図20に示す自動車の車体
構造において、エンジンコンパートメントを形成するサ
イドメンバSM、車室を形成するピラーPR、或いは、
サイドシルアウターSO等に適用される。これらのパネ
ル部品は、その剛性を向上させることで車体の剛性向上
に比較的大きく寄与する。
形時に、鋼板を1000℃近傍まで加熱しプレス成形型
にセットした段階で800℃程度となるようにし、プレ
ス成形により鋼板の熱を成形型により急激に奪うことで
急冷する。プレス成形されたプレス部品1は、全体が焼
入れされ(焼入れ部Aという)、その母材強度が大幅に
上昇する。使用する鋼板の材料は、焼入れ性を向上させ
るため、炭素(C)量がやや多め(0.2〜0.24%
程度)で、合金成分等が添加されている冷延鋼板材料、
例えばSPC20CBの改良材等を使用する。
計上のレベルの強度を必要としない部位や、穴加工(ピ
アス)や切断加工(トリム)等の後加工を行う部位もあ
り、この部位では、その剛性を低下させて、穴加工や切
断加工を可能とする必要がある。図1の斜線で囲んだ部
位が前記剛性低下部2(即ち、この部位では焼入れ硬度
を比較的低く形成する)である。以下、焼入れ部Aと剛
性低下部2とを備えたプレス部品1を成形するプレス成
形型について説明する。
ス成形型5の断面図を示し、ダイ6とポンチ7とブラン
クホルダ8を組み合わせた一般的なものである。ダイ6
とポンチ7の剛性低下部2に面する表面には、幅Wdの
範囲に亙って窪み6A、7Aを形成し、ダイ6およびポ
ンチ7が成形しようとする鋼板Wに接触させないように
する。窪み6A、7Aの幅Wdは、図3に示すように、
剛性低下部位2の幅Wpよりも若干大きく、即ち、鋼板
W自体を通って成形型5に伝熱・吸熱されて冷却される
長さXだけ大きく形成している。
鋼板Wを1000℃近傍まで加熱し、成形型5への投入
時に約800℃程度となり、高温のため材料強度が低下
している状態の鋼板Wをダイ6の保持部6Bとブランク
ホルダ8とで挟持し、ポンチ7によりプレス成形する。
鋼板Wはポンチ7とダイ6の窪み6A、7Aの部分によ
る剛性低下部2を除く焼入れ部Aにおいては、成形型5
に沿って素直に変形し、成形品1は高い寸法精度を備え
る。また、鋼板Wは成形型5に挟まれることで成形型5
に熱が奪われて急冷され焼入れされることとなり、成形
品1の母材強度を大幅に向上させることができる。成形
品1は焼入れ状態で形成されるため、スプリングバック
等の寸法精度の不良等も極めて少ない。
に臨む剛性低下部2の鋼板Wは、ポンチ7とダイ6に接
触しておらず、これら成形型5によっては変形および急
冷されず、即ち、冷却速度が低く焼入れ硬度、即ち、強
度・硬度が他の部分より低下された剛性低下部2を構成
する。成形型5と鋼板WSの接触状態を示す図3によれ
ば、ポンチ7およびダイ6と鋼板Wとは、剛性低下部2
の幅Wpに境界領域の幅をXを加えた幅Wdをもってダ
イ6およびポンチ7の窪み6A、7Aの幅が形成されて
いる。 図4は、窪み6A、7Aの縁からの距離(上記
境界領域X)を横軸に、成形品1の硬度(HV)を縦軸
にして、成形品1の硬度(ビッカース硬度HV)の変化
を示すものである。これによれば、窪み6A、7Aの縁
に近い5mmの位置では硬度500(HV)を超えてい
るが、縁から15mm離れている位置では硬度420
(HV)程度まで硬度が低下している。従って、成形時
に焼入れ硬度を低めに抑えたい範囲WPに対して、少な
くとも片側15mm以上大きな範囲Wdの窪みを確保す
ることにより、範囲Wp内の硬度が低下できることが実
験データから得られる。例えば、30mm幅の部位を低
硬度にしたい場合は、最低片側15mm以上、つまり6
0mmの幅でプレス成形型5に窪み6A、7Aを設ける
必要がある。なお、窪み6A、7Aの深さは、鋼板Wと
接触しなければよいので、数mmの深さでよい。また、
窪み6A、7Aの縁は、段差を持たせるのでなく、徐々
に深くして境界を滑らかに繋ぐことが望ましい。
後に、窪み6A、7Aに臨む鋼板W部分とポンチ7およ
びダイ6に接触する鋼板W部分の温度データをとりいく
つかの値の平均値を得ると、窪み6A、7Aに臨む部位
では約130℃であるのに対し成形型5への接触部分で
は約70℃であった。このことから、成形型5への接触
部分では焼入れが進んでいるが非接触している窪み6
A、7A部分においては相対的に焼入れが進んでいない
ことと理解できる。
5によりプレス成形し焼入れしても、トリム加工やピア
ス加工を施す部位の硬度を一般部位より低くすることが
可能となり、加工力を低下でき工具摩耗の防止が期待で
きる。
において、加熱した鋼板Wが、先ず、ブランクホルダ8
とダイ6のホルダ部6Bとの間で挟まれ、この両者によ
って急冷され焼入れされる懸念がある。この急冷を抑制
するために、ブランクホルダ8とダイ6のホルダ部6B
の鋼板Wと接触する部分に断熱部材や熱伝導性の低い部
材を介挿させると、その後のプレス成形される鋼板Wの
硬度を増加させない意味で効果的である。また、鋼板W
に直接接触する部分に断熱部材や熱伝導性の低い部材を
設けることが一番効果的であるが、耐磨耗性・耐蝕性の
優れた金属を介して鋼板Wに接触させるようにしてもよ
い。
A、7Aにより加熱した鋼板Wに接触させないものにつ
いて説明しているが、図示しないが、例えば、窪み6
A、7Aを多数のディンプルにより形成して熱の伝達面
積を減少させて、成形面の他の一般断面に対して冷却速
度を遅くするようにしてもよい。この場合には、剛性低
下部2においてもディンプルによる断続的な成形面によ
りプレス成形されるため、剛性低下部2の形状精度をよ
り一層向上できる。
効果を奏することができる。
より成形品1形状部位毎に冷却速度を異ならせて冷却
し、得られる焼入れ硬度を部位毎に変化させるため、加
工が必要な部位の焼入れ硬度を低下させることで剛性低
下部2を得ることができ、その部位の加工を容易とでき
る。
としての剛性低下部2はそれだけ靭性が高くなるため、
成形品1の強度や靭性を部位毎の要求に対応してコント
ロールすることができる。
成形面形状部位と鋼板Wとの単位面積あたりの接触面積
を変化させることにより異ならせるため、接触面積の多
い部位は冷却速度が速いので接触面積の少ない部位に比
べて焼入れ硬度を高くできる。
形型5の対向する成形面に設ける窪み6A、7Aの有無
により形成するため、成形型5の成形面に窪み6A、7
Aを設けるのみで形成でき、成形型5の成形面形状のプ
レス部品への高精度の転写を然程必要としない部位に適
用できる。
形型5の成形面に設けた複数の窪み、即ち、ディンプル
の密度により変化させる場合には、上記窪み6A、7A
によるプレス部品1よりさらに精度よく成形型5の成形
面形状をプレス部品1へ高精度に転写できる。
レス部品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部
品を実現する実施の形態を第2の実施形態に基づいて説
明する。
れ方法および焼入れ装置およびプレス部品の第2の実施
形態を示し、ポンチ7およびダイ6に窪み6A、7Aを
形成して鋼板Wに接触させないことにより剛性低下部2
を形成することに代えて、ポンチ7およびダイ6の鋼板
Wに接触する部位の型材を熱伝導率の低い材質の材料に
より構成することで剛性低下部2を形成するようにした
ものである。
されるポンチ7の剛性低下部2に対応する範囲の型材7
Cをステンレス材等の熱伝導率の低い材料により形成す
る。図示しないが、剛性低下部2に対応する範囲におい
てダイ6の型材6Cも同様にステンレス等の熱伝導率の
低い材料により形成する。ステンレス等の熱伝導率の低
い材料の型材7Cは、図5に示すポンチ7の例では、台
形のブロック状の型材7Cをポンチ7の基本となる材質
のブロックに嵌め込み(インサート構造)により固定し
ている。ダイ6側においても、ポンチ7の熱伝導率の低
い材料で形成された型材7Cに対応する範囲を含んで熱
伝導率の低い材料の型材6Cをブロック状に嵌め込み
(インサート構造)固定する。なお、熱伝導率の低い型
材6C、7Cを配置する範囲は、剛性低下部2の範囲よ
り、鋼板W自体で伝熱する境界領域Xの幅だけ大きく形
成する。また、ブランクホルダ8およびダイ6のホルダ
部6Bについては、第1実施形態で説明した構造とす
る。なお、熱伝導率の低い材料としてステンレスを挙げ
たが、他の金属、セラミック、樹脂等でも、耐熱性、耐
蝕性、および、型材としての条件を満足するものであれ
ばよい。
率、縦軸に硬度(HV)とし、得られる成形品の硬度変
化を示したグラフである。このグラフでも判るように、
型材6C、7Cの熱伝導率が高いほど成形品の硬度が上
昇し、熱伝導率が低いほど成形品の硬度を低下させるこ
とができる。
することで、熱伝導率の低い材質により形成した成形面
によりプレス成形される成形品部位は、急冷されること
が抑制され、焼入れ効果が緩和された剛性低下部2とす
る。他方、その他一般の材質の型材で形成した成形面に
よりプレス成形される成形品部位は、急冷され、焼入れ
効果を高くしてその硬度を高くする焼入れ部Aとするこ
とができる。
成形面にも、また、熱伝導率の低い材質で形成された成
形面にも、接触して成形されるため、いずれの部分をと
っても成形品の形状精度を高くできる。
材料により型材6C、7Cの成形面を形成するものにつ
いて説明しているが、図示しないが、例えば、型材の成
形面の一部を分離し、断熱材を介して固定するようにし
てもよい。この場合には、断熱材により熱的に浮いてい
るため、この部分の温度は加熱された鋼板からの入熱に
よりその温度を他の型材部分より高く維持することがで
きる。
よる効果(ア)、(イ)の効果に加えて、下記に記載し
た効果を奏することができる。
品形状部位毎に熱伝導の異なる材質の型材6C、7Cを
使用することで異ならせるため、例えば、高い焼入れ硬
度が必要な部位は鋼材や鋳物等の型材を使用し、低い焼
入れ硬度でよい箇所にはステンレス等の熱伝導率の低い
型材を使用することにより、焼き入れ硬度に変化を設け
ることができる。
接触するため、プレス部品1の形状精度を高精度とでき
る。
レス部品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部
品を実現する実施の形態を第3の実施形態に基づいて説
明する。
品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部品の第
3の実施形態を示し、鋼板に接触させない若しくは熱伝
導率の低い型材で接触させることにより剛性低下部を形
成することに代えて、発熱体により鋼板の温度低下を抑
制することで剛性低下部を形成するようにしたものであ
る。
し、ダイ6、ポンチ7、ブランクホルダ8およびクッシ
ョン9を備えた一般的な成形型5に加えて、ダイ6の成
形空間に突出した発熱体10を備えている。発熱体10
は断熱材11により保持され、断熱材11はダイ6に上
下方向に設けたガイド穴6D内に摺動自在に挿入され、
ガイド穴6Dの底部に配置されたスプリング12等の弾
性体により突出するよう付勢されている。前記発熱体1
0は、例えば、伝熱ヒータにより構成され、ガイド穴6
Dからダイ6の側方に延びた穴6Eに通した電力線13
を介して電力を供給される。発熱体10の温度は、鋼板
Wの炭素量により焼入れ効果が変化するため、炭素量に
応じて250℃〜900℃の間で設定する。発熱体10
は弾性体12により突出付勢されており、ダイ6がポン
チ7から離脱した型開き状態では、ダイ6のブランクホ
ルダ8と共に鋼板Wを保持するホルダ部6Bより下方に
突出して位置する。型締めによりダイ6がポンチ7と重
なるに連れて後退され、プレス成形を完了する時にはダ
イ6のガイド穴6D内にその全てが後退される。
おけるプレス成形過程を示したものであり、以下に説明
する。
鋼板Wが約1000℃近くに加熱され、図8(B)に示
すように、型開きしたプレス成形型5内に投入され、ポ
ンチ7若しくはブランクホルダ8上に載置される。
5のダイ6を下降させると、先ず、断熱材11に保持さ
れた発熱体10が鋼板Wに接触する。発熱体10は設定
された温度に維持されているため、鋼板Wの発熱体10
と接触する部位の温度は、発熱体10で設定された温度
までポンチ7を経由して放熱され、その後は発熱体10
の温度に維持される。
ブランクホルダ8で挟み、引き続き、ダイ6が下降され
ることで鋼板Wは成形型5に素直に変形し、成形面から
急激に冷却される。しかし、発熱体10に接触している
部位の鋼板Wは発熱体10によりその温度が維持され
る。
と、ブランクホルダ8も共に上昇して成形品1とポンチ
7との接触が離脱し、次いで、ブランクホルダ8と成形
品1との接触が解除される。この時点においても、成形
品1と発熱体10とは接触を維持し、発熱体10は成形
品1を温め続ける。成形品1が成形型5から離脱する
と、成形品1は空冷状態となり、徐々に冷却される。
度変化を召すものであり、プレス成形型5で急冷される
焼入れ部Aである一般断面部では、時点T1までは、図
8(A)の加熱炉15内で加熱され、剛性低下部2を除
いた部分は、時点T4において、鋼板Wがプレス成形さ
れて成形型5により時点T5まで急冷され、時点T5か
ら空気中で放冷される。
形により急冷される時点T4より前の時点T2から発熱
体10と接触して発熱体10の温度となる時点T3まで
冷却され、型開きされる時点T5より後の発熱体10が
成形品1から離脱する時点T6まで発熱体10の温度に
維持され、時点T6から空気中で放冷される。即ち、時
点T3から時点T6までは発熱体10の温度に維持さ
れ、一気に急冷されることがない。
れ方法による成形品1の斜視図を示す。成形品1は、発
熱体10を複数配置することで、図示のように、斜線図
示した剛性低下部2を複数配列することができる。
剛性低下部2との硬度を比較したものであり、一般断面
部での硬度が約500(HV)であるのに対し、剛性低
下部2では硬度が約400(HV)と剛性が低下してい
る。
熱体10と対向するポンチ7の先端に断熱体16を埋め
込んだものである。断熱体16は発熱体10と共に鋼板
Wを挟み込み、ポンチ7から逃げる熱量を抑制して、剛
性低下部2の冷却速度を低下させて、徐々に温度低下す
るようにした。この断熱材16の存在により、図10に
おける発熱体10の温度まで低下する時点T3が遅くな
り、その分だけ剛性低下部2の温度を高く維持して除冷
することができる。
イ6に進退自在に形成されたものについて説明している
が、図示しないが、例えば、ダイおよびまたはポンチの
成形面を構成するよう断熱材を介して固定された発熱体
であってもよい。この場合においても、剛性低下部は他
の一般断面部と同様に温度低下するが、発熱体の温度ま
で低下した後はその温度を維持し、急激な冷却による焼
入れを生じないようにできる。
おける効果(ア)、(イ)に加えて、下記に記載した効
果を奏することができる。
品形状部位毎に予めの型温度を変化させることで異なら
せるため、型温度が低い低温部は焼入れ硬度が高く、型
温度が高い高温部は焼入れ硬度が低く設定できる。
10により加熱することで変化させるため、発熱体10
の位置を変更すれば成形型5の成形面を変更することな
く焼入れ硬度の分布を変更することができる。
能且つ突出付勢し、投入されて成形面に接する前の鋼板
Wに接触し、鋼板Wが成形面により成形されるに伴い成
形面に収容されるよう配置したため、発熱体10が鋼板
Wに接触して鋼板Wの温度をより精度よく調整でき、プ
レス部品1の材料組成のコントロールが容易に行うこと
ができる。
レス部品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部
品を実現する実施の形態を第4の実施形態に基づいて説
明する。
部品の焼入れ方法および焼入れ装置およびプレス部品の
第4の実施形態を示し、プレス成形の成形型から離脱さ
せて別の後工程にて穴等の加工をするのに代えて、プレ
ス成形型内で穴等の加工を行うようにしたものである。
型5を示し、クッションピン9に支持されたブランクホ
ルダ8およびポンチ7で下型を形成し、ダイ6により上
型を形成している点は共通するが、ダイ6が上プレート
17にリテーナ18等で昇降自在となりゴムやタンカシ
リンダ等の圧力源19を介して支持された構成、上プレ
ート17にダイ6を貫通して配置したピアスポンチ20
の構成、および、ポンチ7にピアスポンチ20に対応し
て位置させてボタンダイ21を配置する構成を新規に備
える。
より下降され、図15〜図17に示す作動により、鋼板
Wがプレス成形され、引き続き、成形された成形品1に
ピアス加工がなされる。以下、詳細に説明する。
7、ダイ6、および、圧力源19が一体となって下降
し、ダイ6のホルダ部6Bが鋼板Wに接触して、ブラン
クホルダ8との間で鋼板Wを保持する。
ョンピン9にかかるクッション圧は、上型の圧力源19
よりも小さいため、ブランクホルダ8をダイ6により下
方に押し下げつつ、図16に示すように、鋼板Wをダイ
6とポンチ7との間でプレス成形する。
鋼板Wを挟んでそれ以上の下降を阻止されるため、上プ
レート17は圧力源19を圧縮して、図17に示すよう
に、ピアスポンチ20を下降させる。ピアスポンチ20
はボタンダイ21との間で鋼板Wにピアス加工を行う。
ピアスポンチ20、ダイ6ともに上昇し、加工は完了す
る。
度はポンチ7上に接触することにより低下しているが、
少なくとも摂氏500℃以上あるため、ピアス加工時の
せん断抵抗は小さくなる。このため、工具破損防止や工
具寿命の延長を図れる。
を行うことになるため、鋼板Wの材料移動は終了してお
り、穴位置のずれが回避でき、精度のよい穴加工が可能
となる。
す。これは、ピアス加工時にパッド22によって穴明け
周辺の鋼板Wを固定して、ピアスポンチ20によって精
度よくピアス加工を行うために提案したものである。
レート17に固定されるポンチリテーナ23に固定され
ており、ピアスポンチ20を包むように筒状のウレタン
ゴム等の弾性体24と弾性体24の先端に断熱材25を
介してやはり筒状のパッド22を固定している。断熱材
25はパッド22が高温の鋼板Wに接触する時、その熱
が弾性体24に伝達されて弾性体24が溶けることを防
止するために配置する。
れ方法の変形例を示し、ピアスポンチの穴開けタイミン
グの自由度を更に改善したものである。即ち、ピアスポ
ンチ20を作動させるために用いたリテーナ18および
圧力源19に代えて、上プレート17にシリンダ等のア
クチュエータ26を介してピアスポンチ20を配置する
ものである。なお、この場合のダイ6は上プレート17
に直に固定する。
ダイ6はブランクホルダ8との間で鋼板Wをブランクホ
ールドし、ポンチ7との間で鋼板Wにプレス成形を行
い、上プレート17は下死点にて保持される。
クチュエータ26によりピアスポンチ20を押し出し成
形品1に穴加工を行う。
いるため、ピアス加工のタイミングを任意に設定するこ
とができ、鋼板Wが最適と思われる温度に下降したタイ
ミングでのピアス加工ができる。なお、本構造でも鋼板
Wを押さえるパッド22を備えたピアスポンチ20とす
ることにより穴の形状精度が向上する。
おける効果(ア)、(イ)に加えて、下記に記載した効
果を奏することができる。
硬化する前に成形品1を加工するため、成形品1の材料
が高温で材料強度が低い状態のうちに加工が行え、剪断
抵抗等の加工力を低く抑えることができて加工が容易で
あると共に工具破損防止や工具寿命の延長につながる。
成形品1の材料は移動済みであり、加工による穴位置な
どのずれが回避でき、精度のよい加工が可能である。
してのピアスポンチ20およびボタンダイ21を成形型
5によるプレス成形の完了に連動して作動させるため、
ダイ6が上プレート17にリテーナ18等で昇降自在と
なりゴムやタンカシリンダ等の圧力源19を介して支持
してプレス機械に容易に適用できる。
してのピアスポンチ20を成形型5によるプレス成形と
独立して作動させるようにしたため、加工時の材料温度
を任意に選ぶことができ、精度の良い穴加工が可能であ
る。
ボタンダイ21とピアスポンチ20で構成する穴加工で
ある場合において、成形品1の穴開け部位の周囲をパッ
ド22により押さえることでより精度のよい穴加工を行
うことができる。なお、パッド22は断熱材25等を介
した弾性体24で鋼板Wに押圧するように構成すると、
弾性体24に鋼板Wの熱が伝達され難い。
品としてハット型断面を備えるものについて説明してい
るが、図示しないが、コ字状断面、L字状断面、さらに
は、平面状断面のものであってもよく、また、剛性低下
部を配置する部位がプレス部品の中央部に限定されるも
のでもない。
装置により得られたプレス部品の斜視図。
装置の断面図。
装置の斜視図。
とり得られる成形品の硬度変化を示したグラフ。
装置の断面図。
て示す工程図。
て示す工程図。
すグラフ。
視図。
フ。
の断面図。
れ装置の断面図。
図。
例を示す断面図。
示す車体構造の斜視図。
Claims (17)
- 【請求項1】 加熱された鋼板を成形型によりプレス成
形と同時に冷却して焼入れされた成形品を得るプレス部
品の焼入れ方法において、 成形型により投入された加熱鋼板を成形品形状部位毎に
冷却速度を異ならせて冷却し、 得られる焼入れ硬度を部位毎に変化させることを特徴と
するプレス部品の焼入れ方法。 - 【請求項2】 前記冷却速度は、成形型の成形品形状部
位と加熱鋼板との単位面積あたりの接触面積を変化させ
ることで異ならせることを特徴とする請求項1に記載の
プレス部品の焼入れ方法。 - 【請求項3】 前記単位面積あたりの接触面積の変化
は、成形型の対向する成形面に設ける窪みの有無により
形成することを特徴とする請求項2に記載のプレス部品
の焼入れ方法。 - 【請求項4】 前記単位面積あたりの接触面積は、成形
型の成形面に設けた複数の窪みの密度により変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載のプレス部品の焼入れ
方法。 - 【請求項5】 前記冷却速度は、成形型の成形品形状部
位毎に熱伝導の異なる材質の型材を使用することで異な
らせることを特徴とする請求項1に記載のプレス部品の
焼入れ方法。 - 【請求項6】 前記冷却速度は、成形型の成形品形状部
位毎に型温度を変化させて異ならせることを特徴とする
請求項1に記載のプレス部品の焼入れ方法。 - 【請求項7】 前記型温度は、加熱媒体による加熱によ
り変化させることを特徴とする請求項6に記載のプレス
部品の焼入れ方法。 - 【請求項8】 前記加熱媒体は、成形面から出没可能に
配置され且つ突出付勢され、成形面に接する前に加熱鋼
板に接触し、加熱鋼板が成形面により成形されるに伴い
成形面に収容されるよう配置されることを特徴とする請
求項6に記載のプレス部品の焼入れ方法。 - 【請求項9】 前記成形型は、プレス成形された成形品
を加工する加工装置を備え、プレス成形に引き続き成形
品が冷却され硬化する前に成形型内で加工装置により成
形品の加工を行うことを特徴とする請求項1に記載のプ
レス部品の焼入れ方法。 - 【請求項10】 前記加工装置は、成形型によるプレス
成形の完了に連動して作動されることを特徴とする請求
項9に記載のプレス部品の焼入れ方法。 - 【請求項11】 前記加工装置は、成形型によるプレス
成形と独立して作動されることを特徴とする請求項9に
記載のプレス部品の焼入れ方法。 - 【請求項12】 加熱された鋼板を成形型によりプレス
成形と同時に冷却して焼入れされた成形品を得るプレス
部品の焼入れ装置において、 成形型により投入された加熱鋼板を成形品形状部位毎に
冷却速度を異ならせて冷却し、得られる焼入れ硬度を部
位毎に変化させることを特徴とするプレス部品の焼入れ
装置。 - 【請求項13】 前記冷却速度を、成形型の成形品形状
部位と加熱鋼板との単位面積あたりの接触面積を変化さ
せて異ならせることを特徴とする請求項12に記載のプ
レス部品の焼入れ装置。 - 【請求項14】 前記冷却速度を、成形型の成形品形状
部位毎に熱伝導の異なる材質の型材を使用することで異
ならせることを特徴とする請求項12に記載のプレス部
品の焼入れ装置。 - 【請求項15】 前記冷却速度を、成形型の成形品形状
部位毎に型温度を変化させて異ならせることを特徴とす
る請求項12に記載のプレス部品の焼入れ装置。 - 【請求項16】 前記成形型は、プレス成形された成形
品を加工する加工装置を備え、プレス成形に引き続き成
形品が冷却され硬化する前に成形型内で加工装置により
成形品の加工を行うことを特徴とする請求項12に記載
のプレス部品の焼入れ装置。 - 【請求項17】 加熱した鋼板をプレス成形型によるプ
レス成形により成形品形状部位毎に冷却速度を異ならせ
て冷却することで焼入れ硬度を部位毎に変化させたこと
を特徴とするプレス部品。
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