JP6662128B2 - プレス成形品の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、開口部を有するプレス成形品の製造方法及びその製造装置に関する。さらに詳しくは、自動車用ドアインナーパネルに適したプレス成形品の製造方法及びその製造装置に関する。
プレス成形品の製造方法としてホットスタンピングがある。ホットスタンピングは、ブランク材を熱間でプレス加工する。ホットスタンピングでは、プレス加工終了と同時にプレス成形品が焼入れされる。これにより、高強度のプレス成形品が製造される。
ホットスタンピングによって開口部を有するプレス成形品を製造する方法は、国際公開第2014/181882号(特許文献1)及び特開2005−138111号公報(特許文献2)に開示される。
特許文献1の製造方法では、ブランク材をホットスタンピングによりプレス加工した後、プレス成形品から開口部を打抜く。打抜き加工の際、プレス成形品の温度を適正な範囲に制御する。これにより、打抜かれた部分の遅れ破壊が抑制される、と特許文献1には記載されている。
特許文献2の製造方法では、ブランク材をホットスタンピングによりプレス加工した後、プレス成形品から開口部を打抜く。金型が下死点に達したとき、打抜かれた部分は冷却されない。したがって、高強度のプレス成形品であっても、容易に打抜き加工できる、と特許文献2には記載されている。
国際公開第2014/181882号 特開2005−138111号公報
しかしながら、特許文献1及び2の製造方法では、ホットスタンピングによるプレス加工が終了した後に、開口部を打抜く。すなわち、特許文献1及び2のホットスタンピングによる成形形態は終始絞り成形である。ホットスタンピングによる絞り成形ではプレス加工中にブランク材の縁部が優先して冷却される。そのため、ブランク材の縁部の材料の流動が起こりにくい。したがって、ホットスタンピングによる成形が絞り成形であると、成形高さの高いプレス成形品を製造する場合、プレス成形品に割れが生じやすい。
本発明の目的は、ホットスタンピングによって成形高さの高いプレス成形品の製造方法及びプレス装置を提供することである。
本発明の実施形態によるプレス成形品の製造方法は、準備工程と、加熱工程と、ホットスタンピング工程と、を備える。準備工程では、金属板からなるブランク材を準備する。加熱工程では、ブランク材を加熱する。ホットスタンピング工程では、加熱されたブランク材をプレス装置によりプレス加工する。ホットスタンピング工程では、開口部を有するプレス成形品を得る。ホットスタンピング工程では、プレス装置によるブランク材の加工開始から加工終了までの間に、ブランク材に開口部を設ける。
本発明の実施形態によるプレス装置は、ダイと、刃と、パンチと、ブランクホルダと、を備える。ダイは、底面を有する。刃は、ダイの底面に配置される。パンチは、ダイの底面と対向する。ブランクホルダは、ダイとによってブランク材を挟む。プレス装置は、ホットスタンピングにより開口部を有するプレス成形品を製造する。
本発明によるプレス成形品の製造方法及びプレス装置は、成形高さの高いプレス成形品を製造できる。
図1は、第1実施形態のプレス成形品を示す斜視図である。 図2は、第1実施形態のプレス装置の断面図である。 図3は、第1実施形態のホットスタンピング工程における絞り成形の段階を示す。 図4は、第1実施形態のホットスタンピング工程における伸びフランジ成形の段階を示す。 図5は、第1実施形態のホットスタンピング工程における成形下死点の段階を示す。 図6は、自動車のサイドドアの断面図である。 図7は、ドアインナーパネルの斜視図である。 図8は、第2実施形態のプレス装置を示す断面図である。 図9は、第2実施形態のホットスタンピング工程における絞り成形の段階を示す。 図10は、第2実施形態のホットスタンピング工程における伸びフランジ成形の段階を示す。 図11は、第2実施形態のホットスタンピング工程における成形下死点の段階を示す。
本実施形態によるプレス成形品の製造方法は、準備工程と、加熱工程と、ホットスタンピング工程と、を備える。準備工程では、金属板からなるブランク材を準備する。加熱工程では、ブランク材を加熱する。ホットスタンピング工程では、加熱されたブランク材をプレス装置によりプレス加工する。ホットスタンピング工程では、開口部を有するプレス成形品を得る。ホットスタンピング工程では、プレス装置によるブランク材の加工開始から加工終了までの間に、ブランク材に開口部を設ける。
本実施形態の製造方法では、ホットスタンピングによるプレス加工中にブランク材に開口部を設ける。つまり、ブランク材に開口部が設けられるまでの成形形態は絞り成形であり、開口部を設けた後の成形形態は伸びフランジ成形である。これにより、絞り成形による成形高さに伸びフランジ成形による成形高さが加えられる。したがって、絞り成形だけでブランク材を成形する場合又は伸びフランジ成形だけで成形する場合と比べて、プレス成形品の成形高さをより高くすることができる。
上述したようにホットスタンピングによる絞り成形では、成形高さは低い。したがって、ホットスタンピング工程では、ブランク材がプレス成形品の成形高さの50%の高さまで加工される前に、開口部が設けられるのが好ましい。これにより、プレス成形品の成形高さの半分以上は、ホットスタンピングに適する伸びフランジ成形で成形される。したがって、プレス成形品の割れを抑制しつつ、プレス成形品の成形高さを高くできる。
上述のホットスタンピング工程で用いられるプレス装置は、ダイと、ダイの底面に配置された刃と、パンチと、ブランクホルダとを備えるのが好ましい。この場合、ブランク材の開口部は、ダイの刃によって設けられる。
上述のプレス装置の刃は、加熱装置を含むのが好ましい。加熱装置は刃を加熱する。この場合、ブランク材が刃と接触しても、ブランク材は冷却されにくい。したがって、伸びフランジ成形による材料の流動が阻害されにくい。
本実施形態によるプレス装置は、ダイと、刃と、パンチと、ブランクホルダと、を備える。ダイは、底面を有する。刃は、ダイの底面にパンチに向けて配置される。パンチは、ダイの底面と対向する。ブランクホルダは、ダイとによってブランク材を挟む。プレス装置は、ホットスタンピングにより開口部を有するプレス成形品を製造する。
本実施形態によるプレス装置は、ホットスタンピングを実施する。プレス装置は、ダイの底面に刃を備える。金型が下死点に到達する前に加工されているブランク材を刃が貫通する。これにより、開口部が設けられる。開口部が設けられた後、ブランク材は伸びフランジ成形される。
ホットスタンピングでは、絞り成形よりも伸びフランジ成形の方がプレス成形品の成形高さを高くできる。成形高さの半分以上を伸びフランジ成形により成形するのが好ましい。したがって、上述のプレス装置の刃の高さは、ダイの深さの半分以上であるのが好ましい。また、刃は加熱装置を含むのが好ましい。加熱装置は刃を加熱する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中、同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[第1実施形態]
[プレス成形品]
図1は、第1実施形態のプレス成形品を示す斜視図である。図1に示すようなプレス成形品又は、図1に示すような形状部を有する部品は、例えば、サスペンションタワー、トレーリングアーム、ロアアーム、サブフレーム等を構成する部品である。プレス成形品16は、天板部17と、縦壁部18と、フランジ部19とを備える。天板部17は円形である。天板部17は開口部17Aを有する。天板部17の外縁は縦壁部18に繋がる。縦壁部18は円筒形状である。フランジ部19は縦壁部18に繋がる。
平板のブランク材から図1に示すようなプレス成形品16を成形する場合、絞り成形又は伸びフランジ成形(曲げ成形)を実施する。プレス成形品16の成形高さは、フランジ部19と天板部17との距離をいう。
[プレス装置]
図2は、第1実施形態のプレス装置の断面図である。プレス装置1は上型として、パンチ4及びブランクホルダ5を備える。プレス装置1は下型として、ダイ2を備える。また、プレス装置1は刃3を備える。プレス装置1は、図1に示すような開口部を有するプレス成形品を製造する。
ダイ2は、底面6を有する。ダイ2の底面6には、図1に示すプレス成形品の天板部17の形状が形成されている。
刃3は、ダイ2の底面6に配置される。刃3はパンチ4に向けて突出する。刃3の材質は、一般的な打抜き工具用の材質でよい。刃3は、プレス加工中にブランク材Sを貫通する。これにより、図1に示すプレス成形品16の開口部17Aが設けられる。プレス装置1は、ホットスタンピングを実施する。ホットスタンピングでは、加熱されたブランク材をプレス加工する。加熱されたブランク材は延性が高い。
ブランク材Sが刃3と接触すると、ブランク材Sは刃3により抜熱される。したがって、プレス加工中、ブランク材Sの延性を保つため、刃3は加熱されているのが好ましい。この場合、刃3にはカートリッジヒータ等の加熱装置を収容する穴が設けられる。また、加熱された刃3を用いる場合、刃3とダイ2の底面6との間には断熱材7が配置されるのが好ましい。ダイ2は、プレス成形品を焼入れするため、温度が低いためである。また、刃3のダイ2の底面6からの高さは、成形高さの半分以上であるのが好ましい。後述するように、ホットスタンピングでは伸びフランジ成形による成形高さの方が、絞り成形による成形高さよりも高いからである。ここで、プレス成形品の成形高さはダイ2の平坦部15と底面6との距離に相当する。
パンチ4は、ダイ2の底面6と対向する。パンチ4は、刃3と対向する領域に凹部9を有する。パンチ4には図1に示すプレス成形品の天板部17及び縦壁部18の形状が形成されている。パンチ4は、ブランク材Sをダイ2の底面6に押し込む。図2では、パンチ4が刃14を有する場合を示す。しかしながら、パンチ4は刃14を有していなくてもよい。ダイ2の底面6に配置された刃3のみで、ブランク材Sに開口部を設けることができる場合は、パンチ4の刃14は不要である。なお、ダイ2の底面6に配置された刃3と同様に、パンチ4の刃14とパンチ4との間には断熱材7が配置されるのが好ましい。
ブランクホルダ5は、パンチ4の外側に配置される。ブランクホルダ5は、ダイ2と対向する。ブランクホルダ5及びダイ2は、ブランク材Sを挟み込む。ブランクホルダ5には、図1に示すプレス成形品16のフランジ部19の形状が形成されている。
ダイ2、パンチ4及びブランクホルダ5は、内部に冷却路を有する。冷却路には冷却水等の冷却媒体が流通する。ダイ2、パンチ4及びブランクホルダ5は、冷却媒体により冷却される。これにより、成形下死点においてプレス成形品を焼入れできる。
パンチ4及びブランクホルダ5は、上型ホルダ10に支持される。上型ホルダ10は、図示しないスライドに取り付けられる。パンチ4及びブランクホルダ5と上型ホルダ10との間には、加圧部材11が設けられる。加圧部材は、油圧シリンダ、ガスシリンダ、ばね、ゴム等である。ダイ2は、下型ホルダ12に固定される。下型ホルダ12は、図示しないボルスタプレートに取り付けられる。
ここで、プレス装置1は、図2に示す場合に限定されない。例えば、パンチ4及びブランクホルダ5は、それぞれ個別に可動するスライドに取り付けられてもよい。また、図2では、プレス装置1がパンチ4及びブランクホルダ5を装置上方に有し、ダイ2を装置下方に有する場合を示す。しかしながら、これらの配置は図2に示す場合に限定されない。プレス装置1は、パンチ4及びブランクホルダ5と、ダイ2との配置は上下反転してもよい。要するに、パンチ4及びブランクホルダ5が、ダイ2に対して相対的に移動する構成であればよい。
[製造方法]
第1実施形態のプレス成形品の製造方法は、準備工程と、加熱工程と、ホットスタンピング工程と、を備える。ホットスタンピング工程では、ブランク材を焼入れする。そのため、ブランク材は鋼板であるのが好ましい。以下、鋼板からなるブランク材からプレス成形品を製造する場合について説明する。
[準備工程]
準備工程では、鋼板からなるブランク材を準備する。ブランク材は、鋼板コイルを所定の寸法に切断して得られる。鋼板からなるブランク材は、質量%で、炭素(C):0.11%以上含有するのが好ましい。ブランク材が0.11質量%以上の炭素を含有する場合、ホットスタンピング後のプレス成形品の強度が高くなるためである。しかしながら、ブランク材の炭素含有量が0.11質量%未満であっても、焼入れによりプレス成形品の強度はブランク材よりも高くなる。
[加熱工程]
加熱工程では、図示しない加熱装置によってブランク材が加熱される。ブランク材は、その材料のA1変態点以上に加熱されるのが好ましい。ブランク材はA3変態点以上に加熱されるのがさらに好ましい。ホットスタンピングでは、ブランク材をプレス加工するのと同時に、成形されたプレス成形品を焼入れする。A1点以上に加熱されたブランク材を焼入れすれば、焼入れ後のプレス成形品の金属組織はマルテンサイトとなり強度が高い。加熱温度はたとえば、700〜900℃である。加熱温度は、材料、成形難易度等によって適宜設定される。また、ブランク材を加熱すると、ブランク材の延性が高くなる。そのため、複雑な形状のプレス成形品を成形できる。
[ホットスタンピング工程]
図3〜図5は、本実施形態のホットスタンピング工程を示す断面図である。図3は絞り成形の段階を示す。図4は伸びフランジ成形の段階を示す。図5は成形下死点の段階を示す。ホットスタンピング工程は、図3〜図5の順に進行する。
図3を参照して、加熱されたブランク材Sはプレス装置1に配置される。ブランク材Sが配置された後、スライドが下降する。ブランク材Sは、ブランクホルダ5とダイ2とによって挟み込まれる。ただし、ブランクホルダ5とダイ2との間隔は、ブランク材Sの厚さよりも大きい方が好ましい。すなわち、ブランク材Sとブランクホルダ5との間に隙間が設けられる。隙間の大きさはたとえば、0.1mmである。ブランクホルダ5がブランク材Sに接触する場合、ブランク材Sがプレス加工される前に、ブランク材Sのブランクホルダ5と接触する領域が冷却される。そのため、ブランク材Sが絞り成形されている間、ブランク材Sの材料がダイ2の底面6側へ流入しにくい。この場合、ブランク材Sが割れやすい。したがって、ブランクホルダ5とブランク材Sとの間にはわずかな隙間が設けられるのが好ましい。
図3に示すように、ブランクホルダ5とダイ2とによってブランク材Sが挟まれた状態で、パンチ4がダイ2に押し込まれる。これにより、ブランク材Sの加工が開始される。図3に示すように、本実施形態のホットスタンピング工程においてブランク材Sは先ず、絞り成形される。ブランク材Sの絞り成形は、加工開始から刃3によってブランク材Sに開口部が設けられるまで続く。
図4を参照して、スライドが更に下降すると、刃3がブランク材Sを貫通する。これにより、ブランク材Sに開口部13が設けられる。このとき、パンチ4は成形下死点には到達していない。すなわち、プレス装置1によるブランク材Sの加工は終了していない。
スライドが更に下降し、開口部13が設けられたブランク材Sがプレス加工される。このとき、パンチ4の押し込みに伴い、ブランク材Sの開口部13は広がる(図4中の矢印参照)。この段階では、ブランク材Sの開口部13近傍は高温であるため、延性が高いからである。すなわち、ブランク材Sに開口部13が設けられた後、ブランク材Sは伸びフランジ成形される。ブランク材Sの伸びフランジ成形は、ブランク材Sに開口部13が設けられてから加工終了まで続く。
図5を参照して、パンチ4が成形下死点に到達するとブランク材Sの加工は終了し、プレス成形品Pが得られる。また、成形下死点では、プレス成形品Pはダイ2及びパンチ4と接触する。これにより、プレス成形品Pは焼入れされる。
要するに本実施形態のホットスタンピング工程では、プレス加工中にブランク材には絞り成形及び伸びフランジ成形の両方が実施される。これにより、絞り成形による成形高さに伸びフランジ成形による成形高さが加えられる。したがって、本実施形態のプレス成形品の成形高さは、絞り成形だけで成形された又は伸びフランジ成形だけで成形されたプレス成形品の成形高さよりも高い。
また、上述したように、ホットスタンピングによりブランク材を絞り成形した場合、割れが生じやすい。そのため、ホットスタンピングにより成形高さの高いプレス成形品を製造する場合、伸びフランジ成形が適用される。しかしながら、加工開始時から伸びフランジ成形を適用する場合、予め、ブランク材に開口部等を設けておく必要がある。すなわち、ホットスタンピング工程の前にブランク材に開口部を設ける工程を追加する必要がある。本実施形態の製造方法では、ホットスタンピングによるプレス加工中にブランク材に開口部を設ける。したがって、本実施形態の製造方法は、開口部を設ける別工程は必要なく、生産効率が高い。
上述したように、ホットスタンピングでは絞り成形による成形高さよりも、伸びフランジ成形による成形高さの方が高い。したがって、本実施形態のホットスタンピング工程では、プレス成形品の成形高さの半分以上を伸びフランジ成形で成形するのが好ましい。すなわち、ホットスタンピング工程では、ブランク材がプレス成形品の成形高さの50%の高さまで加工される前に、開口部が設けられるのが好ましい。より好ましくは、ブランク材がプレス成形品の成形高さの40%の高さまで加工される前に、開口部が設けられるのが好ましい。
プレス成形品の成形高さを最大限に高くするには、絞り成形による成形高さを可能な限り高くして、伸びフランジ成形に切り替えるのが好ましい。すなわち、ホットスタンピング工程においてブランク材に開口部を設けるタイミングは、ブランク材の絞り限界直前であるのが好ましい。絞り限界は、ブランク材が割れずに絞り成形できる限界をいう。
ブランク材の絞り限界は、ブランク材の大きさ、材質等によって異なる。ブランク材の絞り限界の求め方は、例えば、熱−成形連成解析がある。具体的には、ブランク材の板厚減少率等を予め解析する。解析結果に基づいて絞り限界を決定する。
[第2実施形態]
本実施形態のプレス成形品は、高い成形高さが求められる製品である。そのような製品としては、図1に示すプレス成形品以外にも、例えば、自動車用のドアインナーパネルがある。
[プレス成形品]
図6は、自動車のサイドドアの断面図である。図6は、自動車の上下方向からみた断面図である。自動車のドアは、主にドアインナーパネル20とドアアウターパネル21とを組み合わせて製造される。自動車のドアには、ウインドウ、ウインドウ駆動装置、音響スピーカ、取っ手等が取り付けられる。これらを収納するため、ドアインナーパネル20とドアアウターパネル21との間に空間SPが必要である。そのため、例えば、ドアインナーパネル20には縦壁部22が設けられる。この縦壁部22の高さ(ドアインナーパネルの成形高さ)は、自由に設計できるのが好ましい。ウインドウ等を収納する空間SPの広さを自由に設計できるからである。
図7は、ドアインナーパネルの斜視図である。ドアインナーパネル20は、天板部23と、縦壁部22と、段差部24と、開口部25とを備える。ドアインナーパネル20は、鋼板などの金属板からなる。
天板部23の平面形状は多角形である。天板部23の車両上側の辺はベルトラインBLを形成する。縦壁部22は天板部23の外側の辺から伸びる。段差部24は、天板部23に繋がる縦壁部22Aから外側に伸びる。段差部24の外縁は、フランジ部26に繋がる縦壁部22Bに繋がる。段差部24は、車体のピラー27等と対向し、車内を密閉する(図6参照)。車内の密閉性を高めるため、段差部24とピラー27等との間にはシール部材が配置される。開口部25は天板部23に設けられる。開口部25には、例えば、上述した音響スピーカ等が取り付けられる。
また、ドアインナーパネル20は乗員の安全を確保する役割を担う。そのため、ドアインナーパネル20の強度は高い方が好ましい。ドアインナーパネル20が鋼板である場合、ドアインナーパネル20の強度を高くするために、ホットスタンピングによりドアインナーパネル20を成形することがある。以下、本実施形態の製造方法により図7に示すような、開口部25及び段差部24を有するドアインナーパネル20を製造する場合を説明する。
第2実施形態は、第1実施形態を基本とする。以下では、第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
[プレス装置]
図8は、第2実施形態のプレス装置を示す断面図である。第2実施形態のプレス装置30は、パンチが分割されている点で第1実施形態と相違する。ドアインナーパネルのように、隣接する縦壁部が段差部を有する複雑な形状は成形が困難である。複雑な形状を1つのパンチで成形した場合、ドアインナーパネルに割れやシワ等が発生しやすい。したがって、第2実施形態のパンチは、第1パンチ31と、第2パンチ32とを有する。
第1パンチ31は、凹部39を有する。第1実施形態と同様に凹部39には刃37が設けられていてもよい。第1パンチ31には、ドアインナーパネルの天板部の形状が形成されている。第2パンチ32は、第1パンチ31の外側に配置される。第2パンチ32には、ドアインナーパネルの段差部の形状が形成されている。ブランクホルダ33は、第2パンチ32の外側に配置される。ブランクホルダ33には、ドアインナーパネルのフランジ部の形状が形成されている。
ダイ36は、第1パンチ31、第2パンチ32及びブランクホルダ35と対向する。第1実施形態と同様に、ダイ36の底面34には刃35が配置される。
[製造方法]
[ホットスタンピング工程]
図9〜図11は、第2実施形態のホットスタンピング工程を示す断面図である。図9は絞り成形の段階を示す。図10は伸びフランジ成形の段階を示す。図11は成形下死点の段階を示す。第2実施形態のホットスタンピング工程は、図9〜図11の順に進行する。
図9を参照して、加熱されたブランク材Sがブランクホルダ33とダイ36とによって挟み込まれた後、先ず、第2パンチ32によってドアインナーパネルの段差部が成形される。この段階では、ブランク材Sに開口部は設けられていない。したがって、ドアインナーパネルの段差部は絞り成形によって成形される。
図10を参照して、段差部が成形された後、第1パンチ31によってドアインナーパネルの天板部が成形される。天板部が成形されている間に、刃35によって開口部が設けられる。つまり、第1パンチ31による天板部の成形において、開口部が設けられるまでブランク材は絞り成形され、開口部が設けられた後ブランク材は伸びフランジ成形される。これにより、第1実施形態と同様に、絞り成形だけでブランク材を成形する場合又は伸びフランジ成形だけで成形する場合と比べて、プレス成形品の成形高さをより高くすることができる。すなわち、ドアインナーパネルの縦壁部の高さを高くできる。
図11を参照して、第1パンチ31が成形下死点に到達するとブランク材Sの加工は終了し、ドアインナーパネル20が得られる。また、成形下死点では、ブランク材Sはダイ36、第1パンチ31及び第2パンチ32と接触する。これにより、ドアインナーパネル20は焼入れされる。
上述したように本実施形態のプレス成形品は金属板からなる。金属板は、例えば、鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、複層鋼板、チタン板、マグネシウム板等である。本実施形態では、金属板の板厚が一定である場合を説明する。したがって、プレス成形品の板厚も全域にわたり一定である。ただし、厳密には、プレス成形により、板厚のわずかな増減は生じる。また、金属板はテーラードブランクであってもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 プレス装置
2 ダイ
3、14 刃
4 パンチ
5 ブランクホルダ
6 ダイの底面
7 断熱材
9 パンチの凹部
13 開口部
20 ドアインナーパネル
S ブランク材

Claims (4)

  1. 金属板からなるブランク材を準備する準備工程と、
    前記ブランク材を加熱する加熱工程と、
    前記加熱されたブランク材をプレス装置によりプレス加工し、開口部を有するプレス成形品を得るホットスタンピング工程と、を備え、
    前記プレス装置は、底面を有するダイと、前記ダイの前記底面から突出する固定の刃と、前記ダイの前記底面と対向し、かつ前記刃と対向する領域に凹部を有するパンチと、前記パンチの外側に配置されたブランクホルダと、を備え、
    前記刃は、前記刃自身を加熱する加熱装置を含み、
    前記ホットスタンピング工程では、
    前記プレス装置によるブランク材の加工開始から加工終了までの間であって、前記ブランク材が前記プレス成形品の成形高さの50%の高さまで加工される前に、前記加熱装置で加熱された前記刃によって前記ブランク材に前記開口部を設ける、プレス成形品の製造方法。
  2. 請求項1に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記プレス装置は、前記刃と前記ダイとの間に配置された断熱材を備える、プレス成形品の製造方法。
  3. ホットスタンピングにより開口部を有するプレス成形品を製造するプレス装置であって、
    底面を有するダイと、
    前記ダイの前記底面から突出し、前記開口部を形成するための固定の刃と、
    前記ダイの前記底面と対向し、かつ前記刃と対向する領域に凹部を有するパンチと、
    前記パンチの外側に配置され、前記ダイとによってブランク材を挟むブランクホルダと、を備え
    前記刃は、前記刃自身を加熱する加熱装置を含み、
    前記刃の高さは、前記ダイの深さの半分以上である、プレス装置。
  4. 請求項に記載のプレス装置であって、
    前記刃と前記ダイとの間に配置された断熱材を備える、プレス装置。
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