JP2005297042A - 熱間成形における深絞り方法 - Google Patents

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純 真木
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Abstract

【課題】成型加工後の強度に優れる熱間成形における深絞り方法を提供する。
【解決手段】鋼板をAc3以上、融点以下の温度まで加熱した後、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度より高い温度で成形を開始し、しわ押え面とダイフェイスのクリアランスを、前記鋼板の板厚超かつ鋼板の同一表面が接触するしわが生じるクリアランス以下とすることを特徴とする、熱間成形における深絞り方法。好ましくは、成形後に金型中で保持し、マルテンサイト変態が生じる冷却速度以上でマルテンサイト変態開始温度まで鋼板を冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の構造部材・補強部材に使用されるような強度が必要とされる部材に関し、特に高温成形後の強度に優れた部品の製造方法に関する。
地球環境問題に端を発する自動車の燃費向上対策の一つとして車体の軽量化が進められており、自動車に使用される鋼板をできるだけ高強度化することが必要となる。しかし、自動車の軽量化のために一般に鋼板を高強度化していくと伸びやr値が低下し、成形性が劣化していく。このような課題を解決するために、温間で成形し、その際の熱を利用して強度上昇を図る技術が、特許文献1(特開2000−234153号公報)に開示されている。この技術では、鋼中成分を適切に制御し、200〜850℃の温度域で保持・成形加工し、この温度域における析出強化を利用して強度を上昇させることを狙っている。
また、特許文献2(特開2000−87183号公報)では、プレス成形精度を向上さ
せる目的で温間プレス時における降伏強度を低く、常温における降伏強度を高くする高強度鋼板が提案されている。しかしながら、これらの技術では得られる強度に限度がある可能性がある。より高強度を得る目的で、成形後に高温のオーステナイト単相域に加熱し、その後の冷却過程で硬質の相に変態させる技術が特許文献3(特開2002-282951号公報)に開示されている。この方法は、金型間のクリアランスを制限し、その間隙に冷媒を導入することで焼き入れを行い高強度でかつ形状凍結性に優れた部品を得ることができるものである。この文献の実施例として角筒深絞り金型が示されているが、実際のこの形状にてプレスを行う場合においては、高温のブランクをダイフェイスとしわ押えで挟んだ際に温度が低下してフランジ部の変形抵抗が上昇して、パンチ肩や側壁部に割れを生じることが多く、成形できる形状に制約が生じてしまう問題点がある。
特開2000−234153号公報 特開2000−87183号公報 特開2002-282951号公報
本発明は、上記の問題点を解決して成型加工後の強度に優れる熱間成形における深絞り方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために基礎的な検討を実施した。その結果、しわ押えの方法を工夫することにより解決できることを見出した。それは、成形中にダイフェイスとしわ押え面の間に板厚超の間隔を設けることにより、フランジ部の温度低下を抑制してフランジ部の変形抵抗上昇を抑制することである。フランジ部の変形抵抗が低ければ、絞り探さが増加する。
その隙間の大きさはしわ発生の程度で制限される。隙間を大きくしていった場合にはしわが発生する。しかし、そのしわが鋼板の同一表面が接触するような重なりしわにならない限りは、そのしわは下死点にて伸ばされて解消するため、しわが発生しても重なりしわにならないようなクリアランスを設定すればよい。この間隔をあける手段としては、1)しわ押さえ力を低くして、成形中にしわ発生によりダイフェイスとしわ押え面の間隔を得る方法、2)金型構造上でダイフェイスとしわ押さえ面との間に間隔を生じさせる方法、3)ディスタンスピースなどを用いて間隔を生じさせる方法等が考えられる。また金型構造として下死点にしわ押え面を配置し、しわ押えが作動することなく成形しても、重なりしわが発生しないストロークであれば問題無く成形できる。
ダイフェイスとしわ押さえ面の間に隙間を生じさせて成形した場合には、その隙間の大きさに応じたフランジしわが発生する。そのしわを解消するためには下死点にて隙間が解消すればよい。その手段としては、1)低いしわ押さえ力で成形している場合には、下死点にてしわ押さえ力を増加させる方法、2)金型構造上で間隔を生じさせている場合には、下死点にて間隔を減少させてしわを押しつぶす方法が考えられる。金型構造にて隙間を減少させる具体的方法としては、油圧制御やサーボモーター制御など様々な方法が考えられ、いかなる方法をとっても良い。また、単動プレスのダイクッション機構を用いて比較的簡便に間隔を変化させる機構を図1に示す。
図1において各部分の番号は、1:上型、2:しわ押え、3:下型、4:クッションピンA、5:クッションピンB、6:鋼板、7:穴を示す。しわ押えを保持するクッションピンAと異なる別のクッションピンBの長さを、その上面がしわ押え面から一定の高さだけ高くなるようにする。また、しわ押えを下死点にて底付きするようにしておく。この状態でプレスを行うと、成形中はクッションピンBの上面としわ押え面との間隔が保持された後、下死点にてクッションピンBが押し込まれて、クリアランスが減少する。クッションピンBの代わりにクッションピンと連動する工具を用いても良い。これを図2に示す。図2において各部分の番号は、1:上型、2:しわ押え、3:下型、4:クッションピン、5:クッションピンと連動する工具、6:鋼板、7:穴を示す。
このように成形された絞り成形部品をマルテンサイト変態終了温度まで保持することにより、成形部品が金型中で焼入れされ、成分に応じた焼き入れ強度を持つ形状凍結性に優れた部品が製造できる。
すなわち、本発明の要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)鋼板をAc3以上、融点以下の温度まで加熱した後、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度よりも高い温度で成形を開始し、しわ押え面とダイフェイスとのクリアランスを、前記鋼板の板厚超かつ該鋼板の同一表面が接触するしわが生じるクリアランス以下とすることを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
(2)鋼板をAc3以上、融点以下の温度まで加熱した後、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度よりも高い温度で成形を開始し、成形中に鋼板の同一表面が接触するしわが生じないようなしわ押さえ力にて、ダイフェイスとしわ押さえ面の間に前記鋼板の板厚超のクリアランスを保ちながら成形することを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
(3)鋼板をAc3以上、融点以下の温度まで加熱した後、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度よりも高い温度で成形を開始し、成形中にしわ押え面とダイフェイスのクリアランスが前記鋼板の板厚超となるようなしわ押さえ力にて成形し、下死点にてしわ押さえ力を増加させてしわを解消することを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
(4)(1)乃至(3)に記載の深絞り方法で成形した後、金型中で保持し、マルテンサイト変態が生じる冷却速度以上でマルテンサイト変態開始温度まで鋼板を冷却することを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
本発明により熱間成型加工後に強度と形状凍結性に優れた自動車部品が製造でき、車体が軽量で衝突安全性に優れた自動車が製造できるため、社会的貢献が大きいものである。
以下に本発明の範囲について詳細に説明する。
鋼板の加熱温度Ac3以上、融点以下としたのは成形後に焼入れ強化するために鋼板の組織をオーステナイトにしておくためである。また加熱温度が融点以上であるとプレス成形が不可能であるためである。
成形開始温度をフェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度より高い温度としたのはそのいずれかの温度以下で成形した場合には成形後の硬度が不十分であるためである。
請求項1において、しわ押え面とダイフェイスのクリアランスを、鋼板の同一表面が接触するしわが生じるクリアランス以下としたのは、鋼板の同一表面が接触する重なりしわが発生した場合は、下死点で解消するがことないため、欲しい製品形状が得られないためである。またクリアランスを板厚超としたのは、そのクリアランスが板厚以下となった場合は、フランジ部のブランクの温度が低下して変形抵抗が増加し、成形高さが低下するためである。鋼板の同一表面が接触するしわが生じるクリアランスは、金型の形状、例えばパンチやダイスのR(mm)などによって異なる。試行試験等によりによって求めることができる。
請求項2において、しわ押さえ力を、成形中に鋼板の同一表面が接触するしわが生じないようなしわ押さえ力としたのは、鋼板の同一表面が接触する重なりしわが発生した場合は、下死点で解消することないため、欲しい製品形状が得られないためである。また、そのクリアランスを板厚超としたのは、そのクリアランスが板厚以下となった場合は、フランジ部のブランクの温度が低下して変形抵抗が増加し、成形高さが低下するためである。
請求項3において、下死点にてしわ押さえ力を増加させてしわを解消するとしたのは、この工程によりフランジ部のしわが解消し、部品適用範囲が広がるからである。
請求項4において金型構造によりしわ押え面とダイフェイスのクリアランスを板厚超にするとしたのは、そのクリアランスが板厚以下となった場合は、フランジ部のブランクの温度が低下して変形抵抗が増加し、成形高さが低下するためである。
下死点にてしわ押さえ面とダイフェイスのクリアランスを板厚以下とし、しわ押え力を鋼板に作用させて、フランジ部のしわが解消するようにするのは、部品適用範囲が広がるので望ましい。
金型中でマルテンサイト変態が生じる冷却速度以上で鋼板を冷却すると、その冷却速度以下で生じるベイナイト、パーライト、フェライト変態などが生じず、マルテンサイト変態が生じるので望ましい。またマルテンサイト変態開始温度まで鋼板が冷却されるまで金型中で保持するのも鋼板強度上昇の点で望ましい。
装置としては、しわ押えを保持するクッションピンと異なる別のクッションピンの長さ、またはクッションピンと連動する工具長さとクッションピンの長さの和が、しわ押え面から一定の高さだけ高くなるようにすると、しわ押さえ面としわ押さえ面上にあるクッションピンまたは工具の上面との間隔が成形中は保持される。しわ押えが下死点にて底付きするようにすると、しわ押えが金型で保持されて、ダイスがしわ押えを保持するクッションピンと異なる別のクッションピン、またはクッションピンと連動する工具を押し込むことにより、ダイフェイスとしわ押さえ面の間のクリアランスが減少する。
金型の温度については特に限定しないが、加工の間隔が短く、金型の温度が上昇してマルテンサイト変態が進行せず、部品の強度が確保できない場合があるため、金型温度を300℃以下、望ましくは200℃以下とした方が良い。その冷却の方法については特に規定しないが、金型中に水冷配管する方法、金型の体積を確保し熱容量を大きくする方法、金型表面に冷媒により冷却する方法などを取ってもよい。
加熱方法についても特に限定しないが、電気炉、直火炉、ラジアントチューブ、電気通電、誘導過熱など様々な方法が考えられる。また雰囲気についても特に限定しないが、表面に酸化膜が発生しやすい鋼板を用いる場合には、酸素濃度を制御した雰囲気や還元雰囲気が望ましい。さらに種々の表面処理を施した鋼板においては、その表面処理に適した雰囲気を選定してもよい。
部品の強度が1000MPa以上必要な場合には、質量%でC:0.1〜0.55%、Mn:0.2%〜3%以下の化学成分を含有する鋼板を用いるのが望ましい。
Cは冷却後の組織をマルテンサイトとして材質を確保するために添加する元素であり、強度1000MPa以上を確保するためには0.1%以上添加することが望ましい。ところが、添加量が多すぎると、衝撃変形時の強度確保が困難となるため、その上限は0.55%が望ましい。
Mnは強度および焼入れ性を向上させる元素であり、0.2%未満では焼入れ時の強度を十分に得られず、また、3%を超えて添加しても効果が飽和するため、Mnは0.2〜3%の範囲が望ましい。
その他、必要に応じて以下の元素を添加しても良い。
Siは固溶強化型の合金元素であるが、1%を超えると、表面スケールの問題が生じる。
また、鋼板表面にメッキ処理を行う場合は、Siの添加量が多いとメッキ性が劣化するため、上限を0.5%とすることが好ましい。
Alは溶鋼の脱酸材として使われる必要な元素であり、またNを固定する元素でもあり、その量は結晶粒径や機械的性質に影響を及ぼす。このような効果を有するためには0.005%以上の含有量が必要であるが、0.1%を超えると非金属介在物が多くなり製品に表面疵が発生しやすくなる。このため、Alは0.005〜0.1%の範囲が望ましい。
Sは鋼中の非金属介在物に影響し、加工性を劣化させるとともに、靭性劣化、異方性および再熱割れ感受性の増大の原因となる。このため、Sは0.02%以下が望ましい。なお、さらに好ましくは、0.01%以下である。また、Sを0.005%以下に規制することにより、衝撃特性が飛躍的に向上する。
Pは溶接割れ性および靭性に悪影響を及ぼす元素であるため、Pは0.03%以下が望ましい。なお、好ましくは、0.02%以下である。また、更に好ましくは0.015%以下である。
Crは焼入れ性を向上させる元素であり、またマトリックス中へM23C6型炭化物を析出させる効果を有し、強度を高めるとともに、炭化物を微細化する作用を有する。0.01%未満ではこれらの効果が十分期待できず、また、1%を超えると降伏強度が過度に上昇する傾向にあるため、Crは0.01〜1%の範囲が望ましい。より望ましくは、0.05〜1%である。
Bはプレス成形中あるいはプレス成形後の冷却における焼入れ性を向上させるために添加するが、この効果を発揮させるためには0.0002%以上の添加が必要である。しかしながら、この添加量がむやみに増加すると熱間における割れの懸念があることや、その効果が飽和するためその上限は0.0050%が望ましい。
TiはBの効果を有効に発揮させるため、Bと化合物を生成するNを固着する目的で添加してもよい。この効果を発揮させるためには、(Ti−3.42×N)が0.001%以上必要であるが、Ti量がむやみに増加するとTiと結合していないC量が減少し冷却後に十分な強度が得られなくなるため、その上限として、Tiと結合していないC量が0.1%以上確保できるTi当量、すなわち、3.99×(C−0.1)%とした方がよい。
スクラップから混入すると考えられるNi,Cu,Snなどの元素が含有してもよい。更に介在物の形状制御の観点からCa,Mg,Y,As,Sb,REMを添加してもよい。さらに強度を向上する目的でTi,Nb,Zr,Mo,Vを添加してもよいが、これらの元素がむやみに増加するとこれらの元素と結合していないC量が減少し冷却後に十分な強度が得られなくなる。
Nについては特に規制しないが、0.01%を超えると窒化物の粗大化および固溶Nによる時効硬化により、靭性が劣化する傾向がみられる。このため、Nは0.01%以下の含有が望ましい。
Oについても特に規制しないが、過度の添加は靭性に悪影響を及ぼす酸化物の生成の原因となるとともに、疲労破壊の起点となる酸化物を生成するため、0.015%以下の含有が望ましい。
その他、不可避的に含まれる不純物が含有しても特に問題は生じない。
以上の成分の鋼板にアルミめっき、アルミ・亜鉛めっき、亜鉛めっきを施しても良い。その製造方法は酸洗、冷間圧延は常法でよく、その後アルミめっき工程あるいはアルミ−亜鉛めっき工程、亜鉛めっきについても常法で問題ない。つまり、アルミめっきであれば浴中Si濃度は5〜12%が適しており、アルミ−亜鉛めっきでは浴中Zn濃度は40〜50%が適している。また、アルミめっき層中にMgやZnが混在しても、アルミ−亜鉛めっき層中にMgが混在しても特に問題なく同様の特性の鋼板を製造することができる。
なお、めっき工程における雰囲気については、無酸化炉を有する連続式めっき設備でも無酸化炉を有しない連続式めっき設備でも通常の条件とすることでめっき可能であり、本鋼板だけ特別な制御を必要としないことから生産性を阻害することもない。また、亜鉛めっき方法であれば、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっきなどいかなる方法と取っても良い。以上の製造条件ではめっき前に鋼板表面に金属プレめっきを施していないが、NiプレめっきやFeプレめっき、その他めっき性を向上させる金属プレめっきを施しても特に問題は無い。また、めっき層表面に異種の金属めっきや無機系、有機系化合物の皮膜などを付与しても特に問題は無い。
表1に示す化学成分のスラブを鋳造した。これらのスラブを1050〜1350℃に加熱し、熱間圧延にて仕上温度800〜900℃、巻取温度450〜680℃で板厚4mmの熱延鋼板とした。
また、一部の熱延鋼板を冷間圧延により板厚1.4mmの冷延鋼板とした。また、その冷延板の一部に溶融アルミめっき、溶融アルミ−亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融亜鉛めっきを施した。その後、それらの冷延鋼板、表面処理鋼板を炉加熱によりAc3点以上である950℃のオーステナイト領域に加熱した後、Ar3点以上である900℃から水冷式金型を有するプレス機にて熱間成型加工を行った。
Figure 2005297042
金型形状を図3、4、5に示す。図3、4、5中の凡例は、1:ダイス、2:パンチ、3:しわ押えである。その成形品の模式図を図6に示す。金型はパンチ形状に倣い、板厚1.4mmのクリアランスにてダイスの形状と決定した。成形条件としては、ブランクサイズを1.4mm厚×150mmφの円板とし、パンチ速度10mm/s、加圧力100トン、下死点における保持時間を5秒とした。
また、金型中のしわ押えの配置を図7に示す。これは符号Bの金型を例として示した。
図7中の凡例は、1:ダイス、2:パンチ、3:しわ押え、4:ブランク、5:ディスタンスピースである。図7のケース1はしわ押えを低く配置し、ダイフェイスとしわ押さえ面のクリアランスを大きくした場合である。しわ押さえ面とパンチ上面との間隔は150mmとした。ケース2はしわ押えを下方に配置して、成形中は動かさずに、成形終了時にダイフェイスとしわ押え面とのクリアランスがブランク板厚と等しい1.4mmとなるように配置した場合である。ケース3は成形開始前にパンチ上面と等しい面がしわ押さえ面となるようにしわ押えを配置し、成形途中には30kNのしわ押さえ力を与えて成形する場合を示す。
ケース4は成形開始前にパンチ上面と等しい面がしわ押さえ面となるようにしわ押えを配置し、成形途中には3kNのしわ押さえ力を与えて成形する場合を示す。この場合は、フランジしわが発生して、しわ押え面とダイフェイスの間に板厚超のクリアランスが生じることになる。ケース5はケース4と成形途中までは同じで、成形終了時にしわ押さえ力を30kNに増加させて、しわ押え面とダイフェイスの間のクリアランスを板厚以下とするようにした場合である。この際、成形で生じたフランジしわは解消した。ケース6は成形開始前にパンチ上面と等しい面がしわ押さえ面となるようにしわ押えを配置し、ディスタンスピースを用いて、成形途中にダイフェイスとしわ押さえ面のクリアランスを3mmとした場合である。この場合のしわ押え力は30kNとした。ケース7は成形途中まではケース5と同じであり、成形終了時に図2に示す機構を用いて、しわ押え面とダイフェイスの間のクリアランスを板厚以下とするようにした場合である。この場合のしわ押え力は30kNとした。
表2に鋼種と金型の組み合わせを示す。表3にめっき種の凡例を示す。
Figure 2005297042
Figure 2005297042
成形後に金型から取り出し、目視にて割れ、ネッキング発生、割れを判定し、成形結果とした。この結果は表2に併せて示す。またこの凡例を表4に示す。
Figure 2005297042
また、フランジしわ、側壁部の重なりしわの様子を目視で観察し、しわ発生結果とした。
この結果は表2に併せて示す。またこの凡例を表5に示す。
Figure 2005297042
成形の可否は、割れ無し、かつ側壁部のしわ発生の無かった場合に成形可とした。この結果は表2に併せて示す。
その後、部品を切り出し、ビッカース硬度を測定した。硬度は成形前の鋼板をAc3点以上である950℃のオーステナイト領域に加熱した後、Ac3点以上である900℃から水焼き入れした時の硬度を基準に、強度が必要とされる部位に70%以下の硬度の部位があった場合不合格とした。硬度測定範囲は側壁、パンチ底部とし、フランジ部は測定の範囲から除いた。その実験結果を表2にあわせて示す。硬度の結果についての凡例を表6に示す。
Figure 2005297042
実験番号1,15,22,29,36,43,50はダイフェイスとしわ押さえ面のクリアランスが大きいために、側壁部に重なりしわが生じた。実験番号3,17,24,31,38,45,52は成形中のダイフェイスとしわ押さえ面のクリアランスが板厚以下となったために、流入が抑制されて、割れが発生した。実験番号51,53,54,55,56は請求項1〜5,7の範囲を満足するために成形は可能であったが、成形終了後にブランクが金型に接触していない部分があり、成形後の硬度が水焼き入れの硬度よりも低くなった。その他の実験番号については、請求項1〜4の条件を満足するため、成形可で高強度の部品が製造できた。
本発明方法(長さの異なるクッションピン使用の例)を示す図である。 本発明方法(クッションピンと連動する工具を使用の例)を示す図である。 本発明方法に使用する金型(金型A)を示す図である。 本発明方法に使用する金型(金型B)を示す図である 本発明方法に使用する金型(金型C)を示す図である 本発明方法による成型品を示す図である。 金型中のしわ押えの配置を示す図である。
符号の説明
1 ダイス
2 パンチ
3 しわ押え
4 ブランク
5 ディスタンスピース
6 鋼板
7 穴

Claims (4)

  1. 鋼板をAc3以上、融点以下の温度まで加熱した後、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度よりも高い温度で成形を開始し、しわ押え面とダイフェイスとのクリアランスを、前記鋼板の板厚超かつ該鋼板の同一表面が接触するしわが生じるクリアランス以下とすることを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
  2. 鋼板をAc3以上、融点以下の温度まで加熱した後、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度よりも高い温度で成形を開始し、成形中に鋼板の同一表面が接触するしわが生じないようなしわ押さえ力にて、ダイフェイスとしわ押さえ面の間に前記鋼板の板厚超のクリアランスを保ちながら成形することを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
  3. 鋼板をAc3以上、融点以下の温度まで加熱した後、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト変態のいずれかが生じる温度よりも高い温度で成形を開始し、成形中にしわ押え面とダイフェイスのクリアランスが前記鋼板の板厚超となるようなしわ押さえ力にて成形し、下死点にてしわ押さえ力を増加させてしわを解消することを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載の深絞り方法で成形した後、金型中で保持し、マルテンサイト変態が生じる冷却速度以上でマルテンサイト変態開始温度まで鋼板を冷却することを特徴とする熱間成形における深絞り方法。
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