JP3897855B2 - 水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性,加工性,表面性状に優れた建材用光沢ステンレス鋼板であって、特に光輝焼鈍に起因する水素脆化を防止したステンレス鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼は代表的な耐食材料として各種用途に使用されている。特に最近では屋根・外装などの建築用資材として使用されるようになってきた。これらの用途では、単に腐食による穴開きが生じないといった機能面が要求されるだけでなく、発銹による見映えの低下が問題になる。
建材用のステンレス鋼板は、主に屋根、外装、内装に使用される。屋根用の材料には、表面光沢を抑えた防眩性が要求されるため、一般にダル仕上げ材が用いられる。外装用、内装用の材料には、意匠性の面から種々の仕上げ材が使用され、特に、玄関周りのフロント材やドア・サッシのフレーム材にはHL仕上げ材や鏡面仕上げ材が使用される場合が多い。鏡面仕上げ材は通常、光輝焼鈍仕上げ材をベースにバフ研磨等の鏡面研磨を施して作られる。
【0003】
これら建材用に使用されるステンレス鋼としては、従来、SUS304やSUS316に代表されるオーステナイト系のステンレス鋼が使用されていたが、海岸地区など海塩粒子が飛散する環境においては耐発銹性が不十分である場合もある。また、オーステナイト系ステンレス鋼は、フェライト系ステンレス鋼に比べ熱膨張係数が大きいため、長尺の屋根に適用した場合、フェライト系ステンレス鋼より温度サイクルによる材料の劣化が起こりやすい。このような観点から、最近ではフェライト系ステンレス鋼を屋根・外装用材料として使用する場合が増えてきた。
【0004】
しかし、フェライト系ステンレス鋼は、一般的にはオーステナイト系ステンレス鋼よりも耐食性が劣り、例えば代表的なSUS430では田園地区等の腐食環境の穏やかな場所においても比較的短期間で赤錆を生じる。また、溶接時の加熱・冷却によって粒界腐食が生じやすくなるという欠点もある。そこで、これらの欠点を改善すべく、種々の高耐食性フェライト系ステンレス鋼が開発されている。例えば、Cr含有量の増加やMoの添加およびC,Nを固定するNb,Tiの添加により耐食性を改善した、低炭素低窒素の22Cr−1Mo−Nb鋼,30Cr−2Mo−Nb鋼が開発されている。また、本発明者らは、C,Nの固定のためだけではなく酸洗仕上げ後の皮膜を積極的に改質するためにTiとAlを複合で添加してさらなる耐食性の向上を図った22Cr−1.2Mo−Nb−Ti−Al鋼や30Cr−2Mo−Nb−Ti−Al鋼を開発した。
【0005】
フェライト系ステンレス鋼の光輝焼鈍仕上げ材は従来から自動車のモール材や自転車のリム材として使用されており、多くの発明が開示されている。これらの発明では表面の皮膜組成をSiあるいはCrに富む組成として耐食性の向上を図った例は多く、また、C,Nの安定化元素としては主としてNbが使用されており、Tiはあえて添加しないか副次的に添加されるものがほとんどである。光輝焼鈍材にTi添加鋼を適用するのが一般的でない大きな理由は、光輝焼鈍時にTi窒化物が生じやすいことである。Ti窒化物は材料の加工性を阻害し、また、TiN等の粗大な介在物が生成すれば製品に表面疵が発生して意匠性を損なう。Nb添加ではそのような窒化物の問題はない。
【0006】
ところが、先に示した高耐候性開発鋼である22Cr−1.2Mo−Nb−Ti−Al鋼や30Cr−2Mo−Nb−Ti−Al鋼では、酸洗後の耐食性向上や加工性向上の観点からTiの添加は欠くことができない。したがって、これらの開発鋼を光輝焼鈍材に供する場合には前述のTi窒化物の問題が残る。一方、同等な耐食性を示す2種類の鋼種を持ち合わせて酸洗仕上げ用と光輝焼鈍仕上げ用に使い分けるのは、材料メーカーや流通業者にとって不経済なことである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、特願平8−27447号において、Tiを含有する高Crフェライト系ステンレス鋼が本来有している優れた耐食性を維持しつつ、窒化を防止して加工性を改善し、かつTiN等の介在物の生成を抑制して表面性状を改善した建材用光輝焼鈍仕上げステンレス鋼板、およびその光輝焼鈍条件を開示した。その窒化を防止した光輝焼鈍条件は、雰囲気中の窒素濃度と露点・焼鈍温度の関係を適正化するものであり、▲1▼窒素濃度をできるだけ下げる(=水素濃度をできるだけ高める)か、あるいは、▲2▼窒化が起こらずかつ酸化着色も起こらない範囲に露点および温度を厳密にコントロールする手段を採用するものである。
ところが、一般的に用いられている連続光輝焼鈍ラインでは設備的に露点の厳密なコントロールが困難であるため、大量生産を考慮した場合、上記▲2▼の手段は採用し難い。そのため、上記▲1▼の手段、すなわち、水素濃度をできるだけ高めた操業を行う方が実操業面では有利である。
【0008】
しかし、本発明者らの検討の結果、営業用の連続光輝焼鈍ラインにおいて水素濃度を高めた場合、Ti窒化物の生成は防止できるものの、今度は新たに水素脆化に起因すると考えられる現象が生じ、加工性の改善が必ずしも達成されるとは限らないことがわかってきた。このような水素脆化はラボ実験では見られなかったものであり、その原因は後述するように連続焼鈍ラインでは鋼板の冷却速度が非常に速いためであると考えられた。なお、水素脆化は光輝焼鈍後の鋼板を長期間放置することで徐々に解消していくが、営業生産においては長期間の放置は納期を遅らせ好ましくない。
そこで、本発明では、一般的な連続光輝焼鈍ラインで製造でき、光輝焼鈍での窒化の防止を図りつつ長期間放置することなく水素脆化を解消した高耐候性Ti,Al含有高Crフェライト系ステンレス鋼板を特定するとともに、その製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、Cr:16.0〜35.0重量%、Ti:0.05〜(0.5−10×N)重量%、Al:0.005〜0.3重量%、Mo 6.0重量%以下、Nb 1.0重量%以下を含有し、C:0.02重量%以下、Si:1.0重量%以下、Mn:1.0重量%以下、P:0.04重量%以下、S:0.003重量%以下、Ni:0.6重量%以下、Cu:0.5重量%以下であり、かつNの含有量を0.02重量%以下に制限し、残部Fe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼の鋼板であって、表面には光輝焼鈍を経て形成された不動態皮膜を有しており、その不動態皮膜にはTi濃化層およびAl濃化層が存在し、表面から深さ50μmまでの表層に窒化物層が存在せず、かつ、調質圧延を経て形成された光沢表面を有している、水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板を提供するものである。
ここで、Ti濃化層とは、ステンレス鋼素地のTi含有量に対して原子比で2倍以上のTiが存在する層を意味する。同様に、Al濃化層とは、ステンレス鋼素地のAl含有量に対して原子比で2倍以上のAlが存在する層を意味する。なお、光沢表面が調質圧延を経て形成されたものであるか否かは、表面や断面のミクロ的な観察や硬度測定によって客観的に特定できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、当該鋼板に180°密着曲げ試験を施したとき割れが発生しない点を構成要素として加えたものである。
ここで、180°密着曲げ試験による評価を行う時期は問わない。すなわち、180°密着曲げ試験は例えば調質圧延直後に実施しても良く、また、数ヶ月経過後に実施しても良い。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明における「調質圧延を経て形成された光沢表面」を、特に「JIS Z8741に規定される鏡面光沢度Gs(20°)が900以上の高い光沢度を示すもの」に限定したものである。
【0012】
請求項4の発明は、前記請求項1,2または3に係る鋼板の製造方法を特定したものであり、具体的には、水素濃度が85体積%以上の光輝焼鈍雰囲気中で焼鈍された鋼帯に対して、伸び率が0.7〜3.5%の調質圧延を施して水素脆性を除去しながら光沢表面を形成させることを特徴とするものである。
ここで、水素脆性を除去するとは、鋼板の性質を水素脆化による加工割れが起こらない性質に変えることをいう。加工割れが起こるか否かは、当該鋼板に180°密着曲げ試験を施したときの割れ発生有無によって判定できる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、調質圧延に供される鋼帯を、特に、水素濃度が85体積%以上,露点が−30℃以下の水素−窒素混合雰囲気中で900〜1100℃の焼鈍を受けた鋼帯に規定したものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4または5の発明において、調質圧延に用いるワークロールを、特に、ロールクラウンが200〜600μmのワークロールに規定したものである。
ここで、ロールクラウンとは、ロール中央部の最大直径とロールの圧延有効長さ端部の最小直径との差を意味する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係るステンレス鋼板においては、光輝焼鈍により形成される表面皮膜(不動態皮膜)にTi濃化層およびAl濃化層が存在していることを要件とする。光輝焼鈍のような還元性の雰囲気でTiとAlを含有する高Cr鋼を焼鈍すると、より酸化されやすい元素であるTiおよびAlがCrよりも優先的に酸化され、TiとAlが表面に濃化する。表面にTi濃化層およびAl濃化層がいち早く形成されるため、Crの酸化ロスが抑制され、表層直下の素地におけるCr濃度は高く維持される。その結果、Crに富む不動態皮膜が形成され、高い耐食性が付与される。つまり、Ti濃化層とAl濃化層の早期形成は、高Cr鋼本来の高い耐食性を付与するうえで必要不可欠の現象である。Siも同様の作用をし、Ti,Alの作用を補足する元素として使用することができるが、従来鋼のように表面のほとんどをSi皮膜とする程度の量を添加した場合、Siの固溶強化の作用が働き、材料が硬質になる。このため、軟質な建材用鋼板を目的とする本発明では、Siに上記のような作用を委ねていない。
【0016】
ところで、通常の光輝焼鈍は75%水素−25%窒素雰囲気中で材料をその再結晶温度以上に加熱することによって行われる。その際、露点は材料の酸化を防止するためにより低い条件を目標として下げられる。しかし、Ti,Alは酸素だけでなく窒素との親和力も非常に高いため、Ti,Alを含有する高Cr鋼板に対しては通常の条件では窒化物層の生成を防止することが困難である。本発明者らが調査した結果、この窒化物層が表面から50μm以内の部分に存在するとき、加工性に悪影響を及ぼすことがわかった。
【0017】
本発明では先に述べたように、このような光輝焼鈍時の窒化物の生成を防止する手段として、一般的な営業生産の光輝焼鈍ラインにおいて容易に実現できるように、光輝焼鈍雰囲気中の水素濃度を高める方法を採用する。本発明者らが光輝焼鈍雰囲気中の水素濃度と窒化の関係を詳細に調査したところ、水素濃度が85体積%以上の雰囲気中で焼鈍を行えば、露点を特に厳密にコントロールすることなく、Ti,Alを含有する高Cr鋼板においても十分に窒化物の生成が防止できることがわかった。ただし、酸化をより安定に防止するうで、露点は−30℃以下にすることが望ましい。また、本発明で規定する組成の鋼においては、焼鈍温度が900℃未満では再結晶が不十分になる恐れがあり、逆に1100℃を超えて高温になると結晶粒の粗大化の進行が著しく、靭性が低下する恐れもある。したがって、光輝焼鈍温度は900〜1100℃の範囲とすることが望ましい。
【0018】
Ti,Alを含有する高Cr鋼板に対して水素濃度が85体積%以上という高い水素濃度での光輝焼鈍を施したとき、先述のように水素脆化の問題が生じる。しかもこの現象は、冷却速度の速い実操業ラインで焼鈍した場合に顕著に現れる。本発明者らが、実際に実操業ラインで光輝焼鈍を施した材料で加工割れが生じて問題となったサンプルを調べたところ、窒化物層の生成は見られなかった。ところがそのサンプル中の水素濃度を調べると、ラボで光輝焼鈍を行った材料で加工割れの生じなかったサンプルと比較して、明らかに高い濃度の水素が検出された。このことから、実操業で問題となった加工割れは、窒化物に起因するものではなく、水素脆化によるものであると考えられた。
【0019】
冷却速度の速い実操業ラインによる場合に水素脆化が生じる理由は現時点で定かではないが、次のように考えられる。すなわち、本発明対象鋼は高Cr鋼のため水素の拡散速度が遅い。しかも、表面皮膜中にTi濃化層・Al濃化層が形成されており、Tiはhcp構造,Alはfcc構造といずれも稠密構造を有するため、それらの濃化した皮膜は稠密度が高い。このため、光輝焼鈍中にbcc構造の鋼中に固溶した水素は、表面から容易に放出されにくく、冷却速度が速い場合には鋼中の水素は冷却後も鋼中に凍結されるものと推測される。
【0020】
次に、上記のような光輝焼鈍で生じた水素脆化を解消するために行う「調質圧延」について説明する。
本発明者らは、実ラインにおいて90体積%の水素を含む水素−窒素混合雰囲気中で光輝焼鈍を行った材料について、種々の条件で調質圧延施し、180°密着曲げによる加工性評価を行った。その一例を示すと、調質圧延率(伸び率)が0.5%と低い場合は加工性が改善できず、光沢度も低いレベルであった。0.64%の調質圧延を行うとコイル内でばらつきはあるものの、加工性は概ね改善された。0.7〜3.5%の範囲で調質圧延を行うと、安定して180°密着曲げによる加工割れが発生しなくなり、光沢も良好であった。しかし3.5%を超える調質圧延を行うと、形状不良が生じたり、材料が硬質化することに起因する加工割れが生じたりする別の問題が顕在化した。このような多くの実験により、水素濃度が85体積%以上の光輝焼鈍雰囲気中で焼鈍されたTi,Al含有高Crフェライト系ステンレス鋼帯に対してトータル伸び率が0.7〜3.5%の調質圧延を施すことにより、水素脆化に起因する加工割れを安定的に回避することが可能であることがわかった。また、調質圧延により光沢も同時に改善できるので、単に長期間放置することによって水素脆化を解消する場合と比べ、意匠性に関しても優れたものが得られる。
【0021】
調質圧延率が0.7〜3.5%の範囲で良好な鋼板形状を得るためには、ロールクラウンが200〜600μmのワークロールを使用することが望ましい。また、調質圧延は通常リバース圧延機で奇数パス行うが、1パスでは十分に水素脆化を防止することは困難であり、良好な表面光沢も得られない。したがって、調質圧延のパス回数は3パス以上とすることが望ましい。
【0022】
調質圧延によって水素脆化が解消する原因について、いくつかのメカニズムが考えられる。例えば、調質圧延によって皮膜中に微細なクラックが発生するとともにミクロ的な摩擦によって表面温度が上昇し、その結果、鋼中に凍結されていた水素の拡散が促進されて表面に放出されるメカニズムが考えられる。しかし、現時点ではそのメカニズムを特定するには至っていない。
【0023】
なお、水素脆化による加工割れは、加工度が大きい場合に特に生じ易い。そこで本発明者らは建材用途を前提に水素脆化に起因する鋼板の加工割れが発生するか否かを判定する手法を検討したところ、180°密着曲げ試験を施すことによってほぼ適切に評価できることを確認した。つまり、当該鋼板に180°密着曲げを施した場合にその曲げ部に割れが発生しなければ建材用途として加工したときに問題が生じないことがわかった。また、この180°密着曲げ試験によって、同時に窒化物に起因する加工割れの有無も判定することができる。
【0024】
次に、本発明の対象となる鋼を構成する各元素の作用について述べる。
Cは、ステンレス鋼に不可避的に含まれる元素である。C含有量を低減すると軟質になり、加工性が向上すると共に炭化物の生成が少なくなる。また、C含有量の低減に伴って溶接性および溶接部の耐食性も向上する。従って、建材用に供される本発明の対象鋼においてはC含有量は低いほど良く、0.02重量%以下にすることが望ましい。
【0025】
Nは、Cと同様にステンレス鋼に不可避的に含まれる元素である。N含有量を低減すると軟質になり、加工性が向上するとともに窒化物の生成が少なくなる。また、N含有量を低減するとTiとの共存によって生成する粗大な非金属介在物TiNに起因した表面疵の発生を抑制することができる。従って、Tiを含有する本発明の対象鋼においてはN含有量を低減することが重要であり、上限を0.02重量%に制限する必要がある。
【0026】
Siは、溶接部の高温割れや溶接部の靱性に対して有害な元素である。また、ステンレス鋼を硬質にするので、建材用途ではSi含有量は低い方が良く、1.0重量%以下とすることが望ましい。
【0027】
Mnは、ステンレス鋼中に微量に存在するSと結合して可溶性硫化物MnSを生成するので、特に建材用途では、耐候性を低下させる有害な元素である。本用途ではMn含有量を1.0重量%以下に抑えることが望ましい。
【0028】
Pは、母材および溶接部の靭性を損なうのでP含有量は低い方が好ましい。しかし、本発明対象鋼のような高Cr鋼について脱Pすることは難しく、P含有量を極度に低下させることは製造コストの上昇を招く。本発明が目的とする建材用途としてはP含有量は0.04重量%程度までは許容できる。
【0029】
Sは、耐食性および溶接部の耐高温割れ性に悪影響をおよぽす有害な元素であるため、S含有量は低い方が好ましい。一般的な外装材としては0.01重量%程度まで許容できるが、海岸近くで使用する場合や意匠性が特に要求される用途では0.003重量%以下とすることが望ましい。
【0030】
Niは、フェライト系ステンレス鋼の靭性改善に有効な元素である。しかし、多量のNi含有はコスト高の原因になるばかりでなく、硬さ上昇の原因にもなる。本発明においては、通常のフェライト系ステンレス鋼で不可避的不純物として混入する0.6重量%程度までは許容できる。
【0031】
Crは、ステンレス鋼の耐食性を高める主要元素であり、耐候性、耐孔食性、耐隙間腐食性および一般耐食性を著しく向上させる。建材用としては、少なくとも16.0重量%以上のCr含有量がなくては、たとえ内装用であっても満足できる耐食性は得られない。Cr含有量の増加とともに耐食性は向上するが、本発明者らの調査によると、23.0重量%を超える量のCrを含有させたとき、一般的な環境では、軒下,軒天部などの腐食性の高い部位においても鏡面研磨材の意匠性を損なうような発銹を著しく抑制できることが経験的に確認された。換言すれば、23.0重量%以下のCr含有量では、鏡面研磨材を軒下,軒天部などの外装材に適用した場合に必ずしも満足できる耐発銹性を有するとは言えない。したがって、Cr含有量は23.0重量%を超える量とすることが望ましい。また、海岸近くなどの厳しい腐食環境で軒下,軒天部などの部位に使用する場合を考慮したとき、Cr含有量は28.0重量%以上とすることがより望ましい。このように多量のCrを含有すると材料の靭性が低下してくるが、本発明における光輝焼鈍および調質圧延は鋼の靭性改善効果を有するので、特に多量のCrを含有する鋼に対して有効に作用する。しかし、Cr含有量が35.0重量%を超えると著しい脆化が生じ、薄板を製造すること自体が困難となる。
【0032】
Tiは、Sを固定してMnSの生成による耐孔食性の低下を防ぐとともに、C,Nを固定して粒界腐食を防止する効果もある。また、前述のとおり、光輝焼鈍皮膜の生成過程においてAlとともに優先的に皮膜中に濃化し、Cr欠乏層の形成を防止して耐食性の維持に寄与する。これらの作用を有効に発揮させるためには、0.05重量%以上のTiを含有する必要がある。しかし、TiはNとの親和力が強いために、鋼中のNと反応してTiNの粗大な介在物を生成させやすい。このTiNはクラスター状の介在物となって、鋼板表面の疵発生の原因となる。建材用途のうちでも鏡面研磨仕上げ材ではこのような疵は特に嫌われる。そこで、本発明では、TiN生成による疵発生の防止を重要な課題の1つとして位置付け、N含有量との関係においてTi量を規定した。図1に、Ti含有鋼の冷延板に発生するTiN介在物による疵と、鋼中のTiおよびNの含有量の関係を調査した結果の一例を示す。図1から、Tiの許容量はNの含有量に依存し、Nが0.02重量%以下の範囲において、疵を発生させないTi含有量の限界は(0.5−10×N)重量%(ここで、Nは鋼中のN含有量(重量%)を意味する)で表されることがわかる。図1中のプロットは一例にすぎないが、本発明の対象鋼ではTi含有量を(0.5−10×N)重量%以下に規制することによって建材に適用した際に問題となるTiNに起因する疵を防止できることを確認している。
【0033】
Alは、前述のとおり光輝焼鈍後の皮膜を改質して耐食性を向上させるうえで有効な元素である。すなわち、Tiとの複合添加により、加熱時に優先的に酸化皮膜を形成し、Crの酸化損失を防止し、再不動態化能の低下を抑制する。Al量が0.005重量%未満ではこのような作用が十分に発揮されない。しかし、0.3%を超えて含有すると表層の皮膜がAlを主成分とする皮膜となり、Crの不動態皮膜の生成をかえって阻害する。従って、Al量の範囲は0.005〜0.3重量%と規定した。
【0034】
Moは、Crとともに鋼の耐食性を高めるために有効な元素であり、その効果はCrが増すにつれて大きくなる。つまり、Moは溶液中に溶けてモリブデン酸イオンとなり、これがインヒビターとして作用して、仮に腐食が発生した場合でも腐食の進行を抑制する効果を有する。したがって、Moを添加することは耐食性を向上させる上で非常に望ましい。上記のようなMoの作用は0.3重量%以上含有させることによって顕著となる。ただし、6.0重量%を超えるMoの含有は鋼を硬質にし、靱性の低下を生じるため蓮板製造、製品加工などの際に困難を伴う。このため、Moを添加する場合は0.3〜6.0重量%の範囲とすることが望ましい。なお、外装材用途において要求される特性を耐食性と靭性の両面から検討した結果、Mo含有量を1.0〜3.0重量%の範囲とすることがより望ましい。
【0035】
Nbは、Tiとともに本発明対象鋼のC量レベルのフェライト系ステンレス鋼で問題となる粒界腐食を防止するのに有効な元素である。Tiに比べて耐孔食性の向上効果は小さいが、NbはC,Nを固定する効果が大きいので、溶接後の耐食性をより向上させる場合には添加することが望ましい。その効果は0.01重量%以上の含有により現れる。ただし、1.0重量%を超えるNbの含有は、溶接部の靭性を阻害する。そこで、Nbを添加する場合は0.01〜1.0重量%の範囲で含有させることが望ましい。さらにNbの効果を十分に享受するためには0.05〜1.0重量%の範囲とするのが良い。なお、溶接部の耐食性と靭性の両方を特に重視する用途においては、Nb含有量を0.1〜0.5重量%の範囲とすることがより望ましい。
【0036】
Cuは、亜硫酸ガス腐食環境下における耐候性を改善する元素であり、高濃度の亜硫酸ガス腐食環境下の建材へ適用する場合には添加することが望ましい。ただし、多量のCu含有は固溶強化により材料を硬質にし、材料の加工性を低下させる。Cuを添加する場合は、建材用途においては0.5重量%以下の含有量に抑えることが望ましい。
【0037】
Vは、通常、Cr原料の不純物として微量に混入するが、Ti,Nbと同様にC,Nを固定しフェライト系ステンレス鋼の粒界腐食を防止する効果を有するので、積極的に添加しても良い。しかし、VのC,Nを固定する効果はTi,Nbに比べて小さく、またVは高価である。従って、Vを添加する場合には0.3重量%以下の含有量とすることが望ましい。
【0038】
Coは、Niと同様にフェライト系ステンレス鋼の靭性を改善する効果がある。通常、Ni原料の不純物として微量に混入するが、積極的に添加しても良い。ただし、Coは高価な元素であるので、添加する場合は0.3重量%以下の含有量とすることが望ましい。
【0039】
ところで、本発明に係る鋼板の使用形態として、意匠性を一層向上させるためにさらに鏡面研磨に供され、鏡面研磨仕上げ材として使用されるケースが想定される。この鏡面研磨仕上げの研磨コストは原板の表面性状によって大きく異なってくる。通常、光輝焼鈍材を鏡面研磨仕上げにする場合、まず砥石を用いた粗研磨を行ったのち、仕上のバフ研磨を施すのが一般的である。しかし、原板の状態で既に高い光沢度を有している場合には粗研磨が省略でき、コストが低減される。本発明者らが検討したところ、原板の光沢度がJIS Z8741に規定される鏡面光沢度Gs(20°)で900以上に高くなっていれば、粗研磨を省いても建材用として十分な意匠性を有する鏡面研磨仕上げ材が得られることを知見した。しかし、原板の鏡面光沢度Gs(20°)が900未満である場合に粗研磨を省略すると、粗疵による凹凸がバフ研磨後も残存して却って意匠性を損なう場合がある。したがって本発明に係る鋼板では、調質圧延を経て形成された光沢表面はGs(20°)が900以上の高い光沢度になっていることが望ましい。
【0040】
このようにして得られたステンレス鋼板は、外装パネル,ビルフロント,ドア・サッシ等の建具など、各種建材用途に好適に使用できる他、イオンの溶出が問題となる各種食品プラントや冷温水機器用の材料としても高い性能が発揮でき、広範な分野で使用することができる。
【0041】
【実施例】
表1に示す化学組成のフェライト系ステンレス鋼を溶製し、通常の製造工程を経て板厚1.5mmの冷延鋼板を作製した。これらの冷延鋼板について、実機(営業生産用の連続焼鈍ライン)を用いた光輝焼鈍、および、ラボにおける光輝焼鈍を施した。光輝焼鈍は、通常の75%水素−25%窒素雰囲気の他、水素濃度を高めた雰囲気でも実施した。光輝焼鈍後のサンプルについて、鋼板断面の電子顕微鏡観察およびオージェ電子分光分析によって窒化物層の存在の有無を調べた。また、光輝焼鈍直後、および常温で3〜12ヶ月放置した後のサンプルについて、180°密着曲げ試験を行い、割れ発生の有無を調べた。その結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003897855
【0043】
【表2】
Figure 0003897855
【0044】
表2からわかるように、ラボ焼鈍および実機焼鈍いずれの場合も75%水素−25%窒素雰囲気で焼鈍したものは、表面に窒化物層が存在していた。しかし、水素濃度を高めた雰囲気で焼鈍したものにはいずれも窒化物層は生成していなかった。一方、曲げ試験結果はラボと実機で異なる挙動が見られた。すなわち、ラボ焼鈍では水素濃度を高めた場合に焼鈍直後から曲げ試験での割れが防止できたのに対し、実機焼鈍では水素濃度を高めても焼鈍直後には曲げ試験で割れが発生した。ただし、その割れが発生したものも、3〜12ヶ月放置することによって同じ曲げ試験で割れが発生しなくなった。
【0045】
次に、表2に示した実機焼鈍の鋼帯に対して種々の条件で調質圧延を施し、調質圧延後の鋼板表面の鏡面光沢度Gs(20°)の測定と、調質圧延後の鋼帯のトップ部およびボトム部の180°密着曲げ試験を実施した。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
Figure 0003897855
【0047】
表3からわかるように、伸び率が0.7〜3.0%の範囲で調質圧延を行った場合に、鋼帯のトップ部およびボトム部とも曲げ試験による割れが発生しなかった。また、鏡面光沢度Gs(20°)が900以上の高い光沢度も得られた。
【0048】
次に、いくつかのサンプルについて、表3の試験番号5の実験で得られた調質圧延後のサンプルについて、20%NaCl水溶液40℃における掃引速度20mV/minでの孔食電位と、CCT発銹率を調べた。その結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
Figure 0003897855
【0050】
表4中、試料記号aのものは表3の試験番号5によって得られた調質圧延後のサンプルであり、試料記号bのものはaと同じ鋼を通常の2D仕上げとしたサンプルであり、試料記号cのものは市販のSUS316の2B仕上のサンプルである。本発明に係る試料記号aのものは、通常の2D仕上と同等の高い耐食性を示すことがわかる。
【0051】
図2に、表4の試料記号aのサンプル(耐食性試験前)について、表面の不動態皮膜をGDSで分析した結果を示す。AlおよびTiが濃化した皮膜が形成されていることがわかる。なお、図2におけるGDS分析では、放電時間1秒が表面深さ約100オングストロームに相当する。
【0052】
【発明の効果】
本発明では、Ti,Alを含有する高耐候性高Crフェライト系ステンレス鋼板の光輝焼鈍を窒化が防止できる高い水素濃度で行ったときに問題となった「水素脆化」を、特定条件での調質圧延によって解消することを可能にした。つまり、通常の大量生産ラインを用いて鋼帯を製造することを前提にして、窒化物層に起因する加工割れの問題と水素脆化に起因する加工割れの問題を同時に解決することができた。したがって本発明は、高い意匠性が要求される建材用としての上記高耐候性鋼板の普及に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ti含有鋼の冷延板に発生するTiN介在物による疵と、鋼中のTiおよびNの含有量の関係を示すグラフ。
【図2】本発明対象鋼の光輝焼鈍後の試料について表面の光輝焼鈍皮膜をGDSで分析した結果を示すグラフ。

Claims (6)

  1. Cr:16.0〜35.0重量%、Ti:0.05〜(0.5−10×N)重量%、Al:0.005〜0.3重量%、Mo 6.0重量%以下、Nb 1.0重量%以下を含有し、C:0.02重量%以下、Si:1.0重量%以下、Mn:1.0重量%以下、P:0.04重量%以下、S:0.003重量%以下、Ni:0.6重量%以下、Cu:0.5重量%以下であり、かつNの含有量を0.02重量%以下に制限し、残部Fe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼の鋼板であって、表面には光輝焼鈍を経て形成された不動態皮膜を有しており、その不動態皮膜にはTi濃化層およびAl濃化層が存在し、表面から深さ50μmまでの表層に窒化物層が存在せず、かつ、調質圧延を経て形成された光沢表面を有している、水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板。
  2. Cr:16.0〜35.0重量%、Ti:0.05〜(0.5−10×N)重量%、Al:0.005〜0.3重量%、Mo 6.0重量%以下、Nb 1.0重量%以下を含有し、C:0.02重量%以下、Si:1.0重量%以下、Mn:1.0重量%以下、P:0.04重量%以下、S:0.003重量%以下、Ni:0.6重量%以下、Cu:0.5重量%以下であり、かつNの含有量を0.02重量%以下に制限し、残部Fe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼の鋼板であって、表面には光輝焼鈍を経て形成された不動態皮膜を有しており、その不動態皮膜にはTi濃化層およびAl濃化層が存在し、表面から深さ50μmまでの表層に窒化物層が存在せず、かつ、調質圧延を経て形成された光沢表面を有しており、なおかつ当該鋼板に180°密着曲げ試験を施したとき割れが発生しない、水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板。
  3. 調質圧延を経て形成された光沢表面はJIS Z8741に規定される鏡面光沢度Gs(20°)が900以上の高い光沢度を示すものである、請求項1または請求項2に記載の水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板。
  4. 水素濃度が85体積%以上の光輝焼鈍雰囲気中で焼鈍された鋼帯に対して、伸び率が0.7〜3.5%の調質圧延を施して水素脆性を除去しながら光沢表面を形成させる請求項1〜請求項3に記載の水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板の製造方法。
  5. 水素濃度が85体積%以上,露点が−30℃以下の水素−窒素混合雰囲気中で900〜1100℃の焼鈍を受けた鋼帯に対して、伸び率が0.7〜3.5%の調質圧延を施して水素脆性を除去しながら光沢表面を形成させる請求項1〜請求項3に記載の水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板の製造方法。
  6. 調質圧延は、ロールクラウンが200〜600μmのワークロールを用いて行う請求項4または請求項5に記載の水素脆化を防止した建材用光沢ステンレス鋼板の製造方法。
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