JP4808598B2 - 裸耐発錆性に優れた耐食鋼材 - Google Patents
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(1)質量%で、
C:0.005〜0.03%、
Si:0.01〜3.0%、
Mn:0.1〜3%未満、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
Cr:4〜7.96%、
Al:0.22〜5%、
N:0.02%以下
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、鋼材表面における圧延スケールの残存が表面積割合で10%以下で、かつ、残存スケールのひとつの大きさが0.01mm2以下であり、さらにJIS B0601で規定される最大高さがRyで100μm以下であることを特徴とする裸耐発錆性に優れた耐食鋼材、
(2)質量%で、
Cu:0.05〜10%、
Ni:0.05〜10%、
Mo:0.01〜1%、
V:0.005〜0.1%、
Nb:0.005〜0.050%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)記載の裸耐発錆性に優れた耐食鋼材、
(3)質量%で、
Ca:0.0005〜0.05%、
Mg:0.0005〜0.05%、
REM:0.001〜0.1%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の裸耐発錆性に優れた耐食鋼材、
である。
Cは、強度を改善する元素で0.005%以上必要であるが、一定以上の添加は炭化物の形成により耐食性を阻害するために、その添加量の上限を0.03%とした。
Siは、Crを2%以上含有する鋼に脱酸剤および強化元素として添加することが有効であるが、含有量が0.01%未満ではその脱酸効果が充分ではなく、3.0%を超えて含有するとその効果は飽和するので、含有量の範囲を0.01%以上3.0%以下に限定する。
Crは、耐食性を確保するために4%以上を含有させることが必要であるが、9%を超えて含有させてもコストを増すばかりか、母材の靭性を損なうので上限の含有量は9%とするが、実施例に記載のCrの上限7.96%に限定した。
Alは、本発明において耐食性を確保するためにCrと並んで重要な元素であって、Alの含有量は、耐食性を確保する観点から0.1%以上の必要であるが、実施例に記載のAlの下限0.22%に限定した。一方、5%超えて添加するとフェライト相変態の温度範囲が極めて広くなり製造過程での鋳片割れなどの原因となるので、その含有量は0.1%以上5%以下に限定する
Mnは本発明においては、主として強度の改善とオーステナイト形成元素として作用し、耐食性の観点から添加されているCrおよびAlにより助長される粗大フェライトの形成を抑制するために添加される。すなわち、CrおよびAlは周知のようにフェライト形成元素であり、これらが多量に添加されると、凝固から室温に至るまで変態を経ずしてフェライト単相組織となり、鋳片の割れなどが生じ、製造性が低下する。従って、Mn量は0.1%以上添加することが必要であるが、3%以上の添加では、母材の延性が著しく低下するために3%未満の添加とする。
Nは、鋼板の多量に添加されると窒化物の形成などで母材の延性や耐食性を阻害するために、上限の含有量は、0.02%とする。
Pは、耐食性を向上させる元素であるが、多量に存在すると延性を低下させ製造性が低下する懸念があるので本発明においては少ない方が望ましく、上限の含有量は0.03%とする。
Sも多量に存在すると耐孔食性を低下させるので少ない方が望ましく、上限の含有量は0.01%とする。SもPと同様に不可避的な混入量をできる限り少なくするのがよい。
Cu、Niともに強度を改善するとともに、フェライト生成を抑制する効果があると同様に特に、Niは母材の延性・靭性を改善する効果がある。その効果は、いずれも0.05%以上の添加を必要とするが、いずれも10%を越えて添加されると脆化が生じるために、両者ともに、その限定範囲を0.05〜10%とする。
Moは、CrおよびAlが添加された鋼において、0.01%以上添加されると、母材の特性を損なうことなく孔食の発生と成長を抑制する効果が認められるが、1.0%を超えて添加しても効果が飽和するばかりか母材の靭性を低下させるので、その範囲を0.01%〜1.0%とする。
Nbは耐食性を損なわずに、強度および靭性を改善する元素であり、その効果は0.005%から認められるが、0.05%を超えるとその効果が飽和するのでその範囲を0.005%〜0.050%とする。
Vは、Nbと同じく耐食性を損なわずに、強度を改善する元素であり、0.005%以上で効果が認められるが、多量の添加は周知のように延性を阻害するので、その上限を0.1%とする。
CaおよびMgはCrおよびAlを含有する鋼において、耐食性を改善できる元素である。現在のところその機構には不明点が多いが、いずれも5ppm以上で耐食性の向上が認められるが、500ppmを越えて添加すると耐食性向上効果が飽和するばかりではなく、母材の延性や靭性が低下する傾向が明らかとなっており、その添加量を5ppm以上500ppm以下に限定する。
本発明では、希土類元素(REM)を適宜添加してもその耐食性を損なわずに、母材の延性などを改善することが可能である。その添加量は、0.001%以上を必要とするが、多量の添加はそれを阻害するので、その上限を0.1%とする。
本発明の鋼材の製造方法においては、上記に述べた成分系を有する鋼片を出発材として、加熱・圧延工程、および必要に応じて熱処理工程を経て製造される。鋼片は、転炉あるいは、電気炉により成分調整され溶製後、連続鋳造法および造塊・分塊法などの工程により製造される。鋼片は加熱後、熱間圧延により鋼板、形鋼、もしくは鋼管などとして目的に応じて熱間圧延される。その後、必要に応じて焼入れ、焼戻しや焼きならしなどの熱処理を加えても、本鋼の耐食性に何ら影響を与えるものではない。
(1)製造性の評価
熱間圧延後、鋼板四周の状況を目視で観察し、割れの有無を評価した。
(2)残存スケール量および最大残存スケール面積の評価
走査型電子顕微鏡にて、倍率x100〜x400の反射電子像を観察し、残存する観察視野に対する残存スケールの面積率を求めた。また、観察の中で、最も面積が大きい残存スケールの大きさを計測した。
(3)Ry値
スケール除去処理を行った後、光波干渉式表面粗さ計で測定した。
(4)耐発錆性
試験鋼板から150mmx100mmの試験片を切り出し後、試験面をアセトンで拭き取り洗浄後、以下の2種類の条件にて評価試験を実施した。
A法:冷暖房設置の室内にて100日間暴放置した。
B法:温度25℃−湿度95%で4時間保持後、温度50℃−湿度85%で4時間保持するサイクルを25回繰返す処理を実施した。
なお、いずれも錆スポットの大きさを評点としてあらわした。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.005〜0.03%、
Si:0.01〜3.0%、
Mn:0.1〜3%未満、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
Cr:4〜7.96%、
Al:0.22〜5%、
N:0.02%以下
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、鋼材表面における圧延スケールの残存が表面積割合で10%以下で、かつ、残存スケールのひとつの大きさが0.01mm2以下であり、さらにJIS B 0601で規定される最大高さがRyで100μm以下であることを特徴とする裸耐発錆性に優れた耐食鋼材。 - 質量%で、さらに、
Cu:0.05〜10%、
Ni:0.05〜10%、
Mo:0.01〜1%、
V:0.005〜0.1%、
Nb:0.005〜0.050%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の裸耐発錆性に優れた耐食鋼材。 - 質量%で、さらに、
Ca:0.0005〜0.05%、
Mg:0.0005〜0.05%、
REM:0.001〜0.1%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載の裸耐発錆性に優れた耐食鋼材。
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JP2006315962A JP4808598B2 (ja) | 2006-11-22 | 2006-11-22 | 裸耐発錆性に優れた耐食鋼材 |
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JP2006315962A JP4808598B2 (ja) | 2006-11-22 | 2006-11-22 | 裸耐発錆性に優れた耐食鋼材 |
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JP2008127653A JP2008127653A (ja) | 2008-06-05 |
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JP2006315962A Active JP4808598B2 (ja) | 2006-11-22 | 2006-11-22 | 裸耐発錆性に優れた耐食鋼材 |
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2006
- 2006-11-22 JP JP2006315962A patent/JP4808598B2/ja active Active
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