JP4317517B2 - 加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食性熱延鋼板およびその製造法 - Google Patents

加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食性熱延鋼板およびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、加工性に優れた高耐食性鋼およびその製造法に係り、さらに詳しくは、結露腐食環境下もしくは室内環境で使用される各種容器、真空容器、低温熱交換機、浴室部材など、さらに、大気中腐食環境下で使用される橋梁、支柱、トンネル補強材、建築内外装材、屋根材、建具など、さらに各種鉄筋構造物、支柱等のコンクリート腐食環境、さらに船舶、橋梁、杭、矢板、海洋構造物等の海水腐食環境などの、腐食環境と利用形態において優れた耐食性を有する加工性に優れた高耐食性鋼およびその製造法に関する。
高温湿潤腐食環境、結露腐食環境、大気腐食環境、水道水腐食環境、土壌腐食環境、コンクリート腐食環境、海水腐食環境等の腐食環境で使用される鋼は、何らかの防食対策を併用することが多い。近年、信頼性の向上、製造・施工々程の簡素化、メンテナンスフリー化、省資源、等の観点から、鋼素地の耐食性向上を目的とした、Cr含有鋼やステンレス鋼の使用が増大している。しかしながら、従来の技術では、耐食性の向上は素材コストの上昇を招来し、経済性の観点から、現実的な対策とはならない場合が多く、また、オーステナイト系の場合には強度も低いために適用用途が制限される場合もある。
上記の例に見られるように、一般にCrをある程度含有する鋼では腐食環境が厳しくなると局部腐食が発生し易く、これに対する手段として腐食に対する抵抗を向上させるためには、さらにCrあるいはMoの含有量を増加させるのが極めて一般的な技術的手段であった。
近年、特許文献1〜8などにおいて、耐食性の向上あるいは耐食性と加工性の向上を目的としたCrにAlを添加した鋼が提案されている。これらの鋼は、耐食性あるいは耐食性と加工性の向上にはある程度有効性が認められるが、溶接部における特性に劣り、溶接構造物への適用に際し大きな妨げとなっている。
さらに、最近では、溶接熱影響部の靭性を改善した特許文献9などの発明がなされており、溶接構造用としての高耐食鋼製造への展開が図られた。しかしながらこの発明は厚板材への適用であり、このような耐食材料が多く使われる薄板材について、広く使われるためには、加工性と溶接熱影響部靭性の両立、さらに製造法として連続熱延を用いた高い生産性を実現することが課題となっている。
特開平5-279791号公報 特開平6-179949号公報 特開平6-179950号公報 特開平6-179951号公報 特開平6-212256号公報 特開平6-212257号公報 特開平7-3388号公報 特開平11-350082号公報 特開2004-162119号公報
現在、構造部材として耐食用途への適用は、塗装処理を施すか、もしくは、高価なステンレス鋼の適用が一般的である。このような耐食鋼材および鋼材を建材・橋梁などに適用する場合、曲げ加工性だけでなく、溶接熱影響部の靭性を確保し、構造物としての安全性を維持することが必要となる。さらに、板厚の薄い材料について、高い生産性を得るために、連続熱延鋼板としての製造ができることが必要である。CrおよびAlを添加された耐食材料の発明はいくつか認められるものの、上記のように、加工性と溶接部の靭性を両立する熱延鋼板の製造技術はいまだ開示されていない。
以上のような状況から、本発明は、加工性および溶接部の靭性を両立しうる高耐食熱延鋼板およびその製造法を提供するものである。
本発明の骨子は、次のとおりである。
(1) 質量%で、
C :0.02超え0.1%%以下
Si :0.01〜2.0%
Mn :1.5〜4%
P :0.03%以下
S :0.01%以下
Cr :5〜9%
Al :0.1〜2.0%
N :0.02%以下
残部がFe及び不可避的不純物からなり、連続熱延後の母材ミクロ組織中のマルテンサイト分率が70%以下であることを特徴とする加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板。
(2) 質量%で、
Cu :0.01〜2%
Ni :0.01〜2%
Mo :0.01〜1%
Nb :0.005〜0.05%
V :0.01〜0.1%
Ti :0.005〜0.012%
Ca :0.0005〜0.05%
Mg :0.0005〜0.05%
REM :0.001〜0.1%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)記載の加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板。
(3) 質量%で、
C :0.02超え0.1%%以下
Si :0.01〜2.0%
Mn :1.5〜4%
P :0.03%以下
S :0.01%以下
Cr :5〜9%
Al :0.1〜2.0%
N :0.02%以下
残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼塊を加熱後、熱間圧延を施し、圧延後800℃以上の温度で捲取りを行った後、室温まで空冷して製造することにより、(1)記載の熱延鋼板を得ることを特徴とする加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板の製造法。
(4)質量%で、
C :0.02超え0.1%%以下
Si :0.01〜2.0%
Mn :1.5〜4%
P :0.03%以下
S :0.01%以下
Cr :5〜9%
Al :0.1〜2.0%
N :0.02%以下
残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼塊を加熱後、熱間圧延を施し、800℃以上の温度で捲取り、室温まで冷却した後、Ac1点以下の温度に加熱し、室温まで冷却して製造することにより、(1)記載の熱延鋼板を得ることを特徴とする加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板の製造法。
(5) 鋼塊中に、質量%で、
Cu :0.01〜2%
Ni :0.01〜2%
Mo :0.01〜1%
Nb :0.005〜0.05%
V :0.01〜0.1%
Ti :0.005〜0.012%
Ca :0.0005〜0.05%
Mg :0.0005〜0.05%
REM :0.001〜0.1%
の1種または2種以上をさらに含有させたことを特徴とする(3)または(4)記載の加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板の製造法。
発明者らは、CrおよびAlを含有する耐食性材料の溶接部の特性および母材の製造方法について多くの実験を行った結果、熱延鋼板の製造を前提に、溶接部の靭性を確保しつつ、母材の加工性をも付与できる製造条件を検討した結果、下記のような知見を得た。
1)溶接部の靭性を向上するためのMnの添加:高Crおよび高Alなどのフェライト生成元素が添加されることで、溶接熱影響部において、粗大なフェライトの生成が生じ、溶接部の靭性が著しく低下する。これを防止するために、オーステナイト生成元素であるMnを適量添加することで、これを防止する。図1は、成分系として0.04%C−0.2%Si−0.004-5%P−0.003-6%S−6.6-6.8%Cr−0.85-1.1%Al−0.0070-90%Nを基本に、横軸に示したMn量を変化させた鋼を圧延後、その鋼板について、溶接熱サイクル(入熱:1.7kJ/mm)を付与し、0℃における衝撃特性を調べた結果である。この図から分かるように、Mn量の増加に伴い、靭性は向上しており、高Cr、高Al添加鋼においては、Mnの適切な添加により、溶接熱影響部の靭性が向上することが分かる。
2)母材加工性を向上させるための母材組織の適正化:上記のように、高Cr−高Al添加系にMnを加えた鋼の熱延後の母材ミクロ組織と加工性を検討した結果、セメンタイトが析出しない本鋼において、良好な加工性(延び特性)を付与するためには、圧延、捲取後の冷却で生成するマルテンサイト組織の生成を一定量の値に抑えることが重要であることを知見した。図2は、0.04-5%C−0.2%Si−0.004-8%P−0.003-6%S−6.6-6.8%Cr−0.85-1.1%Al−0.0070-90%Nを基本とする成分系の鋼を熱延後、850℃からの捲取を模擬した板厚4.5mmの鋼板において、母材の延び特性(圧延方向に採取)を調べた結果である。図中○印は、Mn量を3.5%および2.1%と変化させたもので、●は2.5%Mn鋼において、捲取温度を変化させたデータである。いずれのデータにおいて、横軸にとったマルテンサイト分率に依存して、延び特性は影響されることがわかる。
以上の実験事実から、添加合金元素の適切な添加により、溶接部の靭性および母材延性特性を両立できる可能性が得られる。
本発明を実施する上で、耐食鋼としての性質を保持しつつ、加工性および溶接熱影響部の靭性を付与するためには、合金組成の規定は非常に重要である。
C: Cは、強度を改善する元素であるが、オーステナイトを安定化するために必要であるが、一定以上の添加は母材および溶接熱影響部の靭性低下を招くので、その添加量を0.02%超え0.1%以下とした。
Si: Siは、Crを2%以上含有する鋼に脱酸剤および強化元素として添加することが有効であるが、含有量が0.01%未満ではその脱酸効果が充分ではなく、2.0%を超えて含有するとその効果は飽和している上に、かえって溶接熱影響部靭性を低下させるので、含有量の範囲を0.01%以上2.0%以下に限定する。
Mn: Mnは本発明においては、図1に示されたように、主として溶接熱影響部の靭性を改善するために添加されるもので、1.5%以上の添加で良好な靭性が確保できるようになるが、4%を越える添加では、硬化性が上昇し、加工性が低下するので、その上限を4%とする。
P: Pは、多量に存在すると靭性を低下させるので少ない方が望ましく、上限の含有量は0.03%とする。Pについては不可避的な混入量をできる限り少なくするのがよい。
S: Sも多量に存在すると耐孔食性を低下させるので少ない方が望ましく、上限の含有量は0.01%とする。SもPと同様に不可避的な混入量をできる限り少なくするのがよい。
Cr: CrはAlと同様に耐食性を確保するために添加されるが、その添加量が5%以上で効果を有し、9%を超えて含有させてもコストを増すばかりか、やはり母材、溶接熱影響部の靭性を損なうので上限の含有量は9%とする。
Al: Alは、本発明において耐食性を確保するためにCrと並んで重要な元素であって、Alの含有量は、耐食性を確保する観点から0.1%以上の必要であるが、一方、2%を超えて添加するとフェライト相変態の温度範囲が極めて広くなるので、その含有量は0.1%以上2%以下に限定する。
N: Nは、鋼板に多量に添加されると母材および溶接熱影響部の靭性を低下させるので、少ない方が望ましく、上限の含有量は、0.02%とする。
さらに、本発明では以下の元素を選択して添加できる。
Cu、Ni: Cu,Niともに強度を改善するとともに、フェライト生成を抑制する効果があると同様に特に、Niは母材および熱影響部の靭性を改善する効果がある。その効果は、いずれも0.01%以上の添加を必要とするが、いずれも1%を越えて添加されると焼入れ性を増加させるため加工性が低下する恐れがあるため、両者ともに、その限定範囲を0.01〜2%とする。
Mo: Moは、CrおよびAlが添加された鋼において、0.01%以上添加されると、母材の靭性を損なうことなく孔食の発生と成長を抑制する効果が認められるが、1%を超えて添加しても効果が飽和するばかりか靭性を低下させるので、その範囲を0.01%〜1%とする。
Nb: Nbは耐食性を損なわずに、強度および靭性を改善する元素であり、その効果は0.005%から認められるが、0.05%を越えると溶接熱影響部の靭性低下が顕著になるためにその範囲を0.005%〜0.05%とする。
V: Vは、同じく耐食性を損なわずに、強度を改善する元素であり、0.01%以上で効果が認められるが、多量の添加は周知のように靭性を阻害するので、その上限を0.1%とする。
Ti: Tiは窒化物の生成を通じて高温での結晶粒径の細粒化に寄与する元素であり、耐食性を損なわずに、特に溶接熱影響部の靭性を向上することができる。その効果は両者ともに0.005%以上から認められるが、多量に添加してもその効果が小さくなるので、その範囲を0.005%〜0.012%とする。
Ca,Mg:CaおよびMgはCrおよびAlを含有する鋼において、耐食性を改善できる元素である。現在のところその機構には不明点が多いが、いずれも5ppm以上で耐食性の向上が認められるが、500ppmを越えて添加すると耐食性向上効果が飽和するばかりではなく、靭性が低下する傾向が明らかとなっており、その添加量を5ppm以上500ppm以下に限定する。
REM:さらに、本発明では、希土類元素(REM)を適宜添加してもその耐食性を損なわずに、母材および溶接部の特性を改善することが可能である。その添加量は、0.001%以上を必要とするが、多量の添加は靭性などの阻害するので、その上限を0.1%とする。
さらに本発明では、本発明の骨子となる母材の加工性を付与するために、熱間圧延後の捲取温度などを制御し、母材ミクロ組織中のマルテンサイトを70%以下の割合にすることを規制する。この制約条件は、図2に示されたように、延び特性を改善するために必要であり、薄鋼板として良好な加工性を示す延び特性を20%とすると、それを満足するためのマルテンサイト分率が70%以下であることから、決定された。
なお、このようなマルテンサイト分率を得るためには、鋼塊を加熱後熱延後の捲取温度を800℃以上とし、空冷することで圧延ままの鋼板として、その条件を達成できる。さらに、本発明では圧延後、オフラインおよび連続焼鈍設備などで、Ac1点以下に再加熱し、その後冷却する焼戻し処理を施してもなんら差し支えない。
本発明鋼は高温湿潤腐食環境、結露腐食環境、大気腐食環境、水道水腐食環境、土壌腐食環境、コンクリート腐食環境、海水腐食環境、これらの腐食環境が複合した様々な腐食環境に適用することができる。
次に、本発明の実施例について述べる。表1に実施例に用いた供試鋼の化学成分を示す。各供試鋼は、造塊分塊法あるいは、連続鋳造法により鋼片として製造されたものであり、表の中で、A〜K鋼においては、本発明範囲の化学成分を有するもの、L〜U鋼は、本発明の化学成分範囲を逸脱して製造されたものである。そのような鋼塊を表2に示した製造条件により連続熱延により製造し、2.5mmから9.2mmまでの鋼板を製造した。
Figure 0004317517
表1に示した各鋼板について、下記に示す評価試験を実施した。
(1)母材の延び特性およびマルテンサイト分率の評価
圧延方向に全厚の引張試験片(標点間距離:50mm)を採取し、室温における延び特性を調べた。また、圧延直角方向における鋼板1/4厚み断面近傍のミクロ組織を光学顕微鏡(倍率:200倍)にて観察し、マルテンサイト分率を測定した。(2)溶接熱影響部の靱性評価試験
採取された鋼板に最高加熱温度:1350℃(保持:1秒)で 入熱:17kJ/mm相当の冷却速度の熱サイクルを付与し、2.5x10mm寸法の2mmVシャルピー試験片を3本製作、0℃での吸収エネルギーを求め、それらを10x10mm寸法の吸収エネルギーとして換算した値から平均値化して求めた。
(3)腐食試験
試験鋼板から切削により、厚さ2mmの腐食試験を採取し、一部、Zn系塗装(塗装厚:15〜25μm)を施した後、以下の条件にて試験を実施した。
室内環境:冷暖房設置の室内にて無塗装にて100日間暴露試験を実施
湿潤環境:−20℃に2時間保持後、湿度95%−25℃の環境に4時間保持することを13000回繰返す。いずれも錆スポットの大きさを評点としてあらわす。
塩害環境:海岸飛沫帯に試験片を17ヶ月間暴露する。
表2に製造条件と合わせて試験結果を示す。
Figure 0004317517
1鋼〜11鋼は、すべて本発明範囲のものであり、マルテンサイト分率はすべて70%以下であり、従って加工性を示す延び特性はすべて20%以上であった。さらに、溶接熱影響部の靭性では0℃ですべて30Jを示すと同時に、耐食性についても、一部に2mm以下の軽微な発錆が観察されたのみであり、すべて良好な特性を示している。
それに反し、12鋼〜23鋼は、すべて比較鋼である。すなわち、12,13鋼は、本発明範囲の中で、それぞれC、Si量が上限をはずれたものであり、いずれも延び特性および耐食性はほぼ良好であるが、溶接熱影響部の靭性が6、11Jと低い。14鋼はMn量が本発明範囲を逸脱したものである。この場合、溶接熱影響部の靭性と耐食性は良好であるが、延び特性が低下しており、母材の加工性が低い。
15、18鋼は、耐食元素であるCrおよびAl量が下限に満たないものである。この場合、延び特性および溶接熱影響部靭性は良好であるものの、耐食性が著しく低下している。
16、17鋼は、不純物元素であるPおよびSが上限値を超えて添加された例であり、延び特性および耐食性は良好であるが、溶接熱影響部の靭性が低い。さらに、19鋼はAlの添加量が上限を超えている場合である。この場合も加工性および耐食性は良好であるが、溶接熱影響部靭性が低い。
20鋼はNiが本発明の上限値を超えて添加された場合である。この場合、マルテンサイト分率が発明範囲を逸脱しており、延び特性が低下している。21鋼はVが上限値を」超えて添加された場合である。この場合、溶接熱影響部の靭性が低下している。
さらに、22、23鋼は、化学成分は本発明範囲内であるが、捲取温度条件が本発明範囲を逸脱している例である。両鋼ともに、捲取温度が720および650℃と本発明範囲である800℃に満たない温度条件で製造されており、その結果、マルテンサイト分率が70%を超えており、延び特性が低い。
本発明は結露腐食環境をはじめとして、室内環境、大気腐食環境、海水腐食環境等の種々の腐食環境において耐食性に優れるばかりでなく、加工性および溶接熱影響部の靭性に優れる鋼を低コストで提供することを可能としたものであり、産業の発展に貢献するところ極めて大である。
溶接熱影響部の靭性がMn量により変化していることを示す図である。 母材のマルテンサイト分率により、延び特性(El)が変化していることを示す図である。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.02超え0.1%%以下
    Si :0.01〜2.0%
    Mn :1.5〜4%
    P :0.03%以下
    S :0.01%以下
    Cr :5〜9%
    Al :0.1〜2.0%
    N :0.02%以下
    残部がFe及び不可避的不純物からなり、連続熱延後の母材ミクロ組織中のマルテンサイト分率が70%以下であることを特徴とする加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板。
  2. 質量%で、
    Cu :0.01〜2%
    Ni :0.01〜2%
    Mo :0.01〜1%
    Nb :0.005〜0.05%
    V :0.01〜0.1%
    Ti :0.005〜0.012%
    Ca :0.0005〜0.05%
    Mg :0.0005〜0.05%
    REM :0.001〜0.1%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板。
  3. 質量%で、
    C :0.02超え0.1%%以下
    Si :0.01〜2.0%
    Mn :1.5〜4%
    P :0.03%以下
    S :0.01%以下
    Cr :5〜9%
    Al :0.1〜2.0%
    N :0.02%以下
    残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼塊を加熱後、熱間圧延を施し、圧延後800℃以上の温度で捲取りを行った後、室温まで空冷して製造することにより、請求項1記載の熱延鋼板を得ることを特徴とする加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板の製造法。
  4. 質量%で、
    C :0.02超え0.1%%以下
    Si :0.01〜2.0%
    Mn :1.5〜4%
    P :0.03%以下
    S :0.01%以下
    Cr :5〜9%
    Al :0.1〜2.0%
    N :0.02%以下
    残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼塊を加熱後、熱間圧延を施し、800℃以上の温度で捲取り、室温まで冷却した後、Ac1点以下の温度に加熱し、室温まで冷却して製造することにより、請求項1記載の熱延鋼板を得ることを特徴とする加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板の製造法。
  5. 鋼塊中に、質量%で、
    Cu :0.01〜2%
    Ni :0.01〜2%
    Mo :0.01〜1%
    Nb :0.005〜0.05%
    V :0.01〜0.1%
    Ti :0.005〜0.012%
    Ca :0.0005〜0.05%
    Mg :0.0005〜0.05%
    REM :0.001〜0.1%
    の1種または2種以上をさらに含有させたことを特徴とする請求項3または4記載の加工性・溶接熱影響部靭性に優れた高耐食熱延鋼板の製造法。
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