JP2020152959A - ブレーキマルテンサイト系ステンレス鋼板およびその製造方法、ブレーキディスク、ならびにマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ - Google Patents

ブレーキマルテンサイト系ステンレス鋼板およびその製造方法、ブレーキディスク、ならびにマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ Download PDF

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Abstract

【課題】表面疵が少ないブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼に提供することを目的とする。【解決手段】質量%で、C:0.025〜0.060%、Si:0.05%〜0.80%、Mn:0.50〜1.50%、P:0.035%以下、S:0.015%以下、Cr:10.5〜14.0%、Ni:0.01〜0.20%、Cu:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.20%、V:0.01〜0.10%、Al:0.050%以下、N:0.025〜0.060%、B:0.0003〜0.0012%を含有し、かつ、C+1/2N:0.040〜0.080%、式(1)で表わされる熱間圧延時の相バランス指標であるγpが90.0〜120.0、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、析出B量が0.0003%未満であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼板。γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-52Al-12Mo-47Nb-7Sn-49Ti-48Zr-49V+189・・・式(1)(式(1)中の元素記号は各元素の含有量(質量%)をあらわす。)【選択図】なし

Description

本発明は、ブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼に関し、表面疵が少なく、製造性に優れたブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼に関するものである。
二輪車のブレーキディスクには、耐磨耗性、耐銹性、靭性等の特性が要求される。耐磨耗性は一般に硬さが高いほど大きくなる。一方、硬さが高すぎるとブレーキディスクとパッドの間でいわゆるブレーキの鳴きが生じるため、ブレーキディスクの硬さは、32〜38HRC(ロックウエル硬さCスケール)が求められる。これらの要求特性から、二輪車のブレーキディスクにはマルテンサイト系ステンレス鋼板が用いられている。
従来、ステンレス鋼SUS420J2を焼入れ焼戻しすることにより、所望の硬さに調整し、ブレーキディスク用鋼板としていた。しかし、この場合、焼入れと焼戻しの2つの熱処理工程を要する問題があった。これに対し、特許文献1において、SUS420J2鋼の従来鋼より広い焼入れ温度範囲で、安定して所望の硬さを得ることができ、かつ、焼入れたままで使用することができる鋼組成を有するブレーキ用材料の発明が開示された。この材料は、SUS410、SUS403、SUS410S鋼と同様に低C化し、かつ、低C化によるオーステナイト単相温度域の縮小、つまり焼入れ加熱温度域が狭くなることを、オーステナイト安定化元素であるMnを添加することで補っている。
また、特許文献2において、低Mn鋼で焼入れしたままで使用されるオートバイブレーキディスク用鋼板に関する発明が開示されている。この鋼板は、Mnの含有量を低下させる代わりに、オーステナイト形成元素として同様の効果を持つ、NiおよびCuを添加したものである。
近年、二輪車においても車体の軽量化が望まれており、二輪ブレーキディスクの軽量化が検討されている。この場合、課題となるのが、制動時の発熱に起因するディスク材軟化による、ディスク変形であり、これを解決するためには、ディスク材の耐熱性を向上させる必要がある。この解決策の1つとして、焼戻し軟化抵抗の向上があり、特許文献3において、Nb、Mo添加による耐熱性向上法に関する発明が開示されている。
特許文献4において、1000℃を超える温度からの焼入れ処理を行うことにより、優れた耐熱性を有するディスク材に関する発明が開示されている。焼戻し軟化抵抗に優れたブレーキディスクとして、特許文献5には旧オーステナイト粒の平均粒径を8μm以上とするマルテンサイト組織を有するブレーキディスクが、が開示されている。特許文献6には焼入れ後の組織の面積率で75%以上がマルテンサイト組織であり、Nbを0.10%以上0.60%以下とするブレーキディスク用鋼板の発明が開示されている。
さらには、これらの鋼の四輪自動車用ディスクブレーキへの適用が検討されている。
特開昭57−198249号公報 特開平8−60309号公報 特開2001−220654号公報 特開2005−133204号公報 特開2006−322071号公報 特開2011−12343号公報
このような技術により、二輪車のブレーキディスク用材料として普及した低Cマルテンサイト系ステンレス鋼であるが、熱延鋼板の表面疵、特に幅方向端面近傍の表面疵が課題となってきている。この理由はディスクブレーキのコスト削減が大きな課題であるにもかかわらず、ディスク製造の最終工程である表面研削でも取りきれない表面疵が残った場合は、ディスク製品とならず、歩留り落ちとなるからである。
また、四輪自動車用途適用でも、この課題は同様である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、表面疵が少ないブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼に提供することを目的とする。
本発明者等は、低Cマルテンサイト系ステンレス鋼の表面疵を低減させるために、表面疵発生のメカニズムを解明するとともに鋼の成分とミクロ組織の詳細な検討を行ってきた。
その結果、表面疵は熱延時に発生するが、その前のスラブの段階での微小割れによる微小疵も原因の1つとなっていることがわかった。特に硬さを発現させ、耐銹性を向上させる元素としてNを主として用いる鋼において、微小疵が顕著にみられることを明らかになった。さらに、その改善策として、焼き入れ性を向上させるために添加しているBを精密に制御することによりスラブの微小割れが低減し、ディスク製品の表面疵が低減できることを見出した。
これらの知見に基づいて、ディスク製品の表面疵の低減、その他の特性、耐摩耗性、靭性、焼入れ性、焼き戻し軟化抵抗等も具備する本発明のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板に到ったのである。
本発明の課題を解決する手段、すなわち、本発明のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板は以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.025〜0.060%、Si:0.05%〜0.80%、Mn:0.50〜1.50%、P:0.035%以下、S:0.015%以下、Cr:10.5〜14.0%、Ni:0.01〜0.20%、Cu:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.20%、V:0.01〜0.10%、Al:0.050%以下、N:0.025〜0.060%、B:0.0003〜0.0012%を含有し、かつ、C+1/2N:0.040〜0.080%であり、式(1)で表わされる熱間圧延時の相バランス指標であるγが90.0〜120.0であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、析出B量が0.0003%未満であることを特徴とするブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
γ=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn−11.5Cr−11.5Si−52Al−12Mo―47Nb−7Sn−49Ti−48Zr−49V+189
・・・式(1)
(式(1)中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。)
(2)さらに、質量%で、Ti:0.03%以下、Nb:0.30%以下の1種または2種を含有することを特徴とする前記(1)に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(3)さらに、質量%で、Sn:0.10%以下、Bi:0.20%以下の1種または2種を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(4)板厚が3.0〜8.0mmの鋼板であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(5)鋼板の表面疵の長さを測定し、合計した長さ量を鋼板全長で除した、表面疵の存在比率が0.100以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(6)ブレーキディスク素材が、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のマルテンサイト系ステンレス鋼板であることを特徴とするブレーキディスク。
(7)硬度が32〜38HRCであることを特徴とする前記(6)に記載のブレーキディスク。
(8)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の成分を有し、その平均硬さが300HV以下であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
(9)スラブ中から抽出残渣法で採取した析出B量が、0.0003%未満であることを特徴とする前記(8)に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
(10)前記(8)または(9)に記載のスラブを使用することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載のマルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法。
本発明のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板を用いれば、製造工程での疵低減工程を省略できる、表面疵の少ない鋼板が得られ、コストも低減できる。さらには、ディスク製造の歩留りも向上する。これらの理由から産業上好ましい効果が得られることは明らかである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<ブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板の化学成分>
まず、本発明のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板(以下、単に「ステンレス鋼板」ともいう)の鋼組成を限定した理由について説明する。なお、組成についての%の表記は、特に断りのない場合は、質量%を意味する。
C:0.025〜0.060%
Cは、焼入れ後所定の硬さを得るために必須な元素であり、所定の硬度レベルになるようにNと組み合わせて添加する。Cの過剰な添加を避けてNの効果を最大限に利用するために、本発明では0.060%を上限とする。これを超えて添加すると硬度が硬すぎて、ブレーキの鳴き、靭性低下等の不具合を生じるからである。また、一方、0.025%未満では、硬さを得るためにNを過剰に添加しなければならないことから、0.025%を下限とする。焼入れ硬度の安定性の点からは0.040%以上とすることが望ましい。
Si:0.05%〜0.80%
Siは、溶解精錬時における脱酸のために必要であるほか、焼入れ熱処理時の酸化スケール生成を抑制するのにも有用であり、その効果は0.05%以上で発現するため、0.05%以上とした。但し、Siは溶銑等の原料から混入するため、過度な低下はコスト増に繋がるため、0.20%以上にすることが望ましい。またSiはオーステナイト単相温度域を狭くし、焼入れ安定性を損ねるために、0.80%以下とした。なお、オーステナイト安定化元素の添加量を低減しコストを下げるためには0.60%以下が望ましい。
Mn:0.50〜1.50%
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、オーステナイト単相域を拡大し焼入れ性の向上に寄与する。その効果は0.50%以上で明確に現れるため、0.50%以上とする。安定して焼入れ性を確保するためには1.10%以上にすることが望ましい。但し、Mnは焼入れ加熱時の酸化スケールの生成を促進し、その後の研磨負荷を増加させるため、その上限を1.50%以下とした。MnS等の粒化物に起因する耐食性の低下も考慮すると1.30%以下が望ましい。
P:0.035%以下
Pは原料である溶銑やフェロクロム等の主原料中に不純物として含まれる元素である。焼入れ後の靭性に対しては有害な元素であるため、0.035%以下とする。なお、好ましくは0.030%以下である。過度な低減は高純度原料の使用を必須にするなど、コストの増加に繋がるため好ましくは、Pの下限は0.010%である。
S:0.015%以下
Sは、硫化物系介在物を形成し、鋼材の一般的な耐食性(全面腐食や孔食)を劣化させる、また、熱間加工性を低下させ熱延鋼板の耳割れ感受性を高めるため、その含有量の上限は少ないほうが好ましく、0.015%とする。また、Sの含有量は少ないほど耐食性は良好となるが、低S化には脱硫負荷が増大し、製造コストが増大するので、その下限を0.001%とするのが好ましい。なお、好ましくは0.001〜0.008%である。
Cr:10.5〜14.0%
Crは、本発明において、耐酸化性や耐食性確保のために必須な元素である。10.5%未満では、これらの効果は発現せず、一方で、14.0%超ではオーステナイト単相域が縮小し焼入れ性を損ねるため、10.5〜14.0%とする。なお、本発明では耐食性を向上させる効果のあるNを多く添加するため、コスト低減からもCrを低減でき、焼き入れ性とのバランスを考慮すると、11.0%〜12.5%が望ましい。
Ni:0.01〜0.20%
Niは、フェライト系ステンレス鋼の合金原料中に不可避的不純物として混入し、一般的に0.01〜0.10%の範囲で含有される。また、孔食の進展抑制に有効な元素であり、その効果は0.05%以上の添加で安定して発揮されるため下限を0.05%とすることが好ましい。一方、多量の添加は、固溶強化による低下を招くおそれがあるため、その上限を0.20%とする。なお、合金コストを考慮すると0.03〜0.15%が望ましい。
Cu:0.01〜0.20%
Cuは、δフェライトを含むマルテンサイト組織の耐食性向上に有効であり、その効果は0.01%以上で発現する。また、オーステナイト安定化元素として焼入れ性の向上のために積極的な添加が行われる場合もある。但し、過度な添加は熱間加工性の低下や、原料コストの増加に繋がるために0.20%以下を上限とする。酸性雨による発銹などを考慮すると下限を0.02%以上にすることが望ましい。また熱延板焼鋼板のプレス成形性も考慮すると、0.08%以下が好ましい。
Mo:0.01〜0.20%
Moは、δフェライトを含むマルテンサイト組織の耐食性向上に有効であり、その効果は0.01%以上で発現するため、下限を0.01%とする。焼き入れ性の向上および焼き入れ後の耐熱性向上にも有効なため0.02%以上が好ましい。ここで焼き入れ後の耐食性とは、焼き入れ後の加熱により焼き戻され、硬度低下が起こるが、その硬度低下の幅が小さいことを意味する。焼き戻し軟化抵抗とも言われる。ディスクブレーキは焼き入れて使用されるが、使用時のブレーキングでの抵抗発熱によりディスク材は加熱される。そのため、この特性は重要である。
Moはフェライト相の安定化元素であり、過度の添加は、オーステナイト単相温度域を狭くすることで焼入れ特性を損ねるため、その上限を0.20%以下とする。
焼き入れ後の耐熱性の向上にはNbとの複合添加が望ましく、同時添加の場合は、Mo:0.05〜0.20%、Nb:0.05〜0.20%が特に好ましい範囲である。
V:0.01〜0.10%
Vは、フェライト系ステンレス鋼の合金原料に不可避的不純物として混入し、精錬工程における除去が困難であるため、一般的に0.01〜0.10%の範囲で含有される。また、微細な炭窒化物を形成し、ブレーキディスクの耐磨耗性を向上させるほか、耐食性の向上にも効果を有するため、必要に応じて、意図的な添加も行われる元素である。その効果は0.01%以上の添加で安定して発現するため、下限を0.01%とすることが好ましい。一方、過剰に添加すると、析出物の粗大化を招くおそれがあり、その結果、焼入れ後の靭性が低下してしまうため、上限を0.10%とする。なお、製造コストや製造性を考慮すると、0.03%〜0.08%とすることが望ましい。
Al:0.050%以下
Alは、脱酸元素として添加される他、耐酸化性を向上させる元素である。その効果は0.001%以上で得られるため、下限を0.001%以上にすることが好ましい。一方、固溶強化や大型の酸化物系介在物の形成によりブレーキディスクの靭性を損ねるため、その上限は0.05%とする。好ましくは0.03%以下とすることが望ましい。Alは含有していなくても良い。
N:0.025〜0.060%
Nは、本発明において非常に重要な元素のひとつである。Cと同様に焼入れ後に所定の硬度を得るためには必須の元素であり、所定の硬度レベルになるようにCと組み合わせて添加する。また、焼入れ加熱時にオーステナイトとフェライトの二相組織として焼入れる場合にはCr炭化物の析出、すなわち鋭敏化現象が生じやすくなり耐食性が低下することがあるが、窒素はCr炭化物の析出を抑制し耐食性の向上効果を示すことがある。その効果は0.025%以上で発現するため、下限を0.025%以上とする。一方、その効果は0.060%で飽和し、気泡系欠陥の形成による歩留まりの低下をもたらすことが危惧されるため、0.060%を上限とする。不動態皮膜の強化による耐食性の向上効果も考慮すると、0.030%以上、0.050%以下の範囲にすることが望ましい。
B:0.0003〜0.0012%
Bは、熱間加工性の向上に有効な元素であり、熱間圧延時の熱延鋼板の耳割れ防止に有効である。そのため添加することが好ましい。ところが、本発明鋼のようにNが多く添加されている場合、熱延でエッジにへげ疵(微小な表面疵)が発生しやすいことが分かった、また、そのへげ疵がスラブコーナー部の微小疵に起因するものであることも判明した。その改善検討を行った結果、Bを一定範囲で制御すると、へげ疵発生が低減することが分かった。すなわち、その効果は0.0003%以上で発現するため、0.0003%以上添加する。また、ディスク製造時の焼き入れ性も向上させる。一方、本発明鋼はNが添加されているため、過度な添加はへげ疵発生を招くため、0.0012%を上限とする。疵の一層の低減が必要な場合、0.0010%以下が望ましい。
なお、Bを低減するとへげ疵が低減する機構については明らかでないが、B低減に伴いスラブの硬さが減少していることと粒界でBNが見いだせなくなることから、割れ感受性を低下させていると考えられる。
C+1/2N:0.040〜0.080%
本発明の鋼はディスクブレーキ用に使用されるため、焼き入れ後、一定の硬さ(32〜38HRC)が必要である。焼き入れ条件の影響もあるが、その実現には、C+1/2Nを一定範囲に制御する必要がある。この値が0.040%未満であると、硬さが32HRC未満となりやすいため好ましくなく、0.080%を超えて添加すると、硬さが38HRCを超えやすくなるため好ましくない。
残部がFeおよび不可避的不純物
ステンレス鋼板の鋼組成の上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物よりなるものである。不可避的不純物とは、材料特性上除が好ましいが、精錬工程で除去できない元素のことで、Ti、Nb、Sn、Bi、Co,Zn、Pb、Se、Sb、H、Ga、Ta、Ca、Mg、Zrが代表的である。また、これ以外の元素も極微量に含まれている。
析出B量が0.0005%以下
本発明ではB添加量の制限を行っているが、鋼板やスラブ中では、その存在は固溶Bと析出Bに分かれる。固溶Bは粒界を強化し、割れや疵を低減し、靱性を向上させる効果を持つとともに焼き入れ性も向上させる。しかし、析出物となるとそれらへの効果がなくなるため、析出B量を制限する必要がある。析出の完全阻止は困難なため、析出物が効果を及ぼさない量を検討した結果、本発明では、スラブおよび鋼鈑中の析出Bを0005%以下とする。好ましくは0.0001%以上0.0003%未満である。
相バランス指標γ
さらに、必要な硬さを得るためには、これらの元素を相互調整し、一定範囲に制御する必要がある。下記(1)式で表されるγが90.0〜120.0となるように相互調整を行う。γとは高温でオーステナイト相へのなりやすさの指標であり、90.0未満であると、高温でのγ相率が低くなりすぎ、焼き入れ時のマルテンサイト変態量が少なくなり必要な硬さが得られない。また、120.0を超えるとオーステナイト相が安定になりすぎ、焼き入れ時にマルテンサイト変態せず、残留オーステナイト相をなる量が多くなり、これも硬さが得られなくなる。より好ましくは、90.0〜100.0の範囲である。
γ=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn−11.5Cr−11.5Si−52Al−12Mo―47Nb−7Sn−49Ti−48Zr−49V+189
・・・式(1)
(式(1)中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。)
また、本発明では、上記元素に加えて、耐銹性、耐熱性等を向上させるために、以下の元素を添加できる。
Ti:0.03%以下
Tiは、炭窒化物を形成することで、ステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。0.001%以上が好ましい。しかしながら、ブレーキディスクにおいては、大きいTiNを形成することで、靭性の低下や鳴きの原因になるため、その上限は0.03%以下とする。冬季の靭性を考慮すると0.01%以下にすることが望ましい。Tiは含有していなくても良い。
Nb:0.30%以下
Nbは、炭窒化物を形成することでステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。0.001%以上が好ましい。さらに、焼き入れ後の耐熱性を大きく向上させる元素である。ここで、耐熱性とは、焼き入れ後、熱を受けたときにどの程度軟化しがたいか、つまり、焼き戻し軟化抵抗とも呼ばれる。
しかし、Nbを過剰に添加して場合、ブレーキディスクにおいては、NbNを形成することで、靭性の低下や鳴きの原因になるため、好ましくなく、0.30%を上限とする。
焼き入れ後の耐熱性の向上にはMoとの複合添加が望ましく、同時添加の場合は、Mo:0.05〜0.20%、Nb:0.05〜0.20%が特に好ましい範囲である。
Sn:0.10%以下
Snは焼入れ後の耐食性向上に有効な元素であり、0.001%以上が好ましく、必要に応じて0.02%以上添加することが好ましい。但し、過度な添加は熱延時の耳割れを促進するため0.10%以下にすることが好ましい。
Bi:0.20%以下
Biは、耐食性を向上させる元素である。その機構については明確になっていないが、発銹起点となり易いMnSをBi添加により微細化する効果あるため、発銹起点となる確率を低下させると考えている。0.01%以上の添加で効果を発揮する。0.20%超添加しても効果は飽和するだけなので、上限を0.20%とする。
以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。一般的な不純物元素である前述のP、Sを始め、Zn、Pb、Se、Sb、H、Ga、Ta、Ca、Mg、Zr、等は可能な限り低減することが好ましい。
一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、その含有割合が制御され、必要に応じて、Zn≦100ppm、Pb≦100ppm、Se≦100ppm、Sb≦500ppm、Ga≦500ppm、Ta≦500ppm、Ca≦120ppm、Mg≦120ppm、Zr≦120ppmの1種以上を含有してもよい。
<鋼板の製造方法>
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、通常用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法を用いて、製造可能である。つまり、溶解・鋳造−熱延−熱延板焼鈍により製造される。熱延板焼鈍は省略しても良い。また、最終工程として、ショットブラスト、または、酸洗によりスケールを除去して製品とする。
溶解・鋳造工程で得られるマルテンサイト系ステンレス鋼スラブは、その大きさのため、放冷でも室温までゆっくりと冷却されるが、それでもかなりの部分でマルテンサイト変態が起こり、その時の組織は、フェライト相+マルテンサイト相となっている。また、残留オーステナイト相が含まれている場合もある。
マルテンサイト系ステンレス鋼スラブの冷却時に、スラブコーナー部に微小割れが発生することが分かっており、その機構は、内部でマルテンサイト変態が起こることによる体積膨張により、スラブコーナー部に引張応力がかかり、微小割れが発生したと推定している。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼スラブでは、Bを一定程度に制限することによりスラブ硬さが減少している。これは、変態するマルテンサイト量が減少したためと推定される。その結果、スラブの硬さが減少し、その平均硬さが300HV以下となるとスラブの微小割れが減少し、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼板の製造に好ましいスラブとなる。300HVを超えているとスラブの微小割れは減少しないので好ましくない。
また、スラブの成分のBを制限することにより、スラブ中の粒界に生成するBNが減少しており、粒界強化が図れたと推定している。析出したBN量はスラブから採取した析出物のB量を分析することで確認でき、析出したB量を0.0005%以下とすることで、割れ感受性に低いスラブを得ることができる。析出したB量が0.0005%を超えると、BNが相当量析出していることを意味し、粒界強度を低下させ、スラブの割れ感受性を増加させるので好ましくない。析出を完全に阻止することは困難であるが、少ないほど良好となるため0.0001%以上0.0003%未満が好ましい。
本発明でスラブの成分のB量を制限しているので、析出しにくいが、BNの析出をより厳密に抑制するためには、スラブの冷却時において、スラブ表面温度が900〜700℃の範囲の冷却速度を0.05℃/s以上とすることが好ましい。
以上から、本発明のスラブは微小割れ感受性が低下し、その結果、鋼板のへげ疵が低位となったと考えられる。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法では、熱延および熱延鋼板焼鈍工程は特に限定しない。したがって、マルテンサイト系ステンレス鋼の定法の製造法を適用できる。熱延工程では、スラブを1100〜1300℃に加熱後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、板厚3.0〜11.0mmの熱延鋼板に仕上げる。熱延鋼板焼鈍工程では、750〜900℃で焼鈍を行う。その後、ショットブラスト仕上げとするか、さらに、酸洗をして、表面のスケールを除去して、製品とする。
ステンレス鋼製品板においても、スラブと同様にBN生成量を確認できる。析出したBN量は鋼板から採取した析出物のB量を分析することで確認でき、析出したB量が0.0005%を超えると、粒界のB偏析量が少なくなるため、ブレーキディスク製造時の焼き入れ性が低下するため好ましくない。0.0001%以上0.0003%未満がさらに好ましい。本発明ではBの添加量を制限しているので、析出しにくいが、析出B量を厳密に抑制するためには、熱延板焼鈍において、焼鈍温度〜700℃までの範囲の冷却速度を0.005℃/s以上とすることが好ましい。
<ブレーキディスク>
製造されたマルテンサイト系ステンレス鋼板をブレーキディスク素材として、使用する場合は、前記マルテンサイト系ステンレス鋼を900〜1100℃の温度に加熱後、焼き入れを行う。焼き入れ条件は、加熱方法、炉の形式により異なるが、平均加熱速度が10〜200℃/s、保持時間は、0.1s〜10min、200℃までの平均冷却速度が10〜200℃/sであれば良い。この焼入れ処理により、硬さ32〜38HRCのブレーキディスクを得ることができる。硬さが32HRC未満であると、ブレーキ制動により変形しやすいため好ましくなく、38HRCを超えると、ブレーキ制動時にブレーキの鳴きが発生するため好ましくないためである。
また、用いられる鋼板の板厚は特に制限しないが、3.0mm〜11.0mmが好ましい。3.0mm未満であると、製造時のプレスで変形しやすいだけでなく、使用中のブレーキ制動時に変形しやすいため、好ましくなく、11.0mmを超えると、製造時のプレスで割れやすいだけでなく、重すぎて、制動性能を低下させるため、好ましくないからである。
鋼板にみられる表面疵(へげ疵)は、その個数、長さ、深さが問題となるが歩留りに影響する要因はその存在比率である。本発明では、目視により鋼板コイル全ての疵の個数、長さを測定し、その長さの合計をコイル全面積で除した表面疵の存在率で評価した。その比率が低いほど、ディスク製造時の歩留りが向上する。ただし、長さ10mm未満の疵は浅く歩留りに影響しない場合がほとんどなので、疵としてカウントしなかった。本発明ではこの表面疵の存在率が0.010/m以下であることが好ましい。また、疵の個数に関しては、少ないほど良く、単位面積当たりの個数で評価し、0.10個/m以下が好ましい。なお。検査方法は目視に限定されるわけではなく、疵の個数、長さを検出できる手法(例えば、光学的疵検査装置)も使用できる。
なお、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼はCとNの含有量が比較的低く、焼き戻しをせずに靱性が確保できる。よって、製造工程において焼き入れ後に意図的な焼き戻しをする必要はない。
以下、実施例(発明例、比較例)により本発明の効果を説明するが、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
本実施例では、まず、表1、表2に示す成分組成の供試鋼を溶製して250mm厚のスラブに鋳造し。室温まで冷却した。なお、スラブの表面温度の900〜700℃間の冷却速度は0.03℃/s程度であり、サンプルA4Aのみ0.01℃/s程度とした。
その後、スラブの一部を切り出し、鋳造方向に垂直な断面で均等に幅方向10行、厚み方向8列に分割しその分割線の交点計42か所の硬さを測定し、その平均値をスラブ硬さとした。
硬さ測定方法は特に定めないが、本実施例ではリーブ硬さ試験(試験機:ミツトヨ製携帯リーブ硬さ試験機)を実施し、各交点近傍で3か所測定し、HV硬度に換算し、その平均値をその交点の硬さとした。さらに全体の交点の値を平均してスラブの平均硬さとした。300HV以下を○(合格)、300超を×(不合格)とした。
また、抽出残渣法でスラブから析出物を採取し、BN生成量を確認するため、それらの化学分析行うことにより、析出B量を測定した。
本実施例では、は以下のように行った。鋼板を溶媒(アセチルアセトン−塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール液、通称AA液)中電解して一定量溶解する。この時析出物は溶解せず、鋼板から離脱して溶液中に沈殿した。その溶液をフィルターで濾して残渣(これが析出物に相当する)を採取した後、その残渣の化学分析を行い、残渣(すなわち、析出物)中の元素分析を行った。用いる化学分析法として、今回は吸光光度法(使用機器:島津製UVmini-1240)を用いた。析出したB量が、0.0005%以下が○(合格)で、それを超えると×(不合格)とした。
これらのスラブを1150〜1250℃に加熱後、粗熱延、仕上熱延を経て板厚3.3〜7.6mmの熱延鋼板コイル(長さ:約200〜600m)を得た。今回はコイル幅を1mとした。引き続き熱延鋼板の焼鈍を箱焼鈍で行った。最高加熱温度を800℃以上、900℃以下の温度域とした。焼鈍後の鋼板表面のスケールをショットブラストで除去し、酸洗した。なお、箱焼鈍において、焼鈍温度〜700℃の冷却速度は0.010℃/s程度であったが、サンプルA4Aのみ0.005℃/s程度とした。
この時、コイル全長全幅を観察し、へげ疵の状況を調査した。長さ10mm未満のへげ疵は問題とならない場合が多いので、長さ10mm以上のへげ疵を対象とし、目視で疵の個数(個/m)、長さを測定して合計し、それをコイル全面積(約200〜600m×1m)で割った値を表面疵の存在比率として評価した。
表面疵存在率が0.01/m以下を○(合格)、0.005/m以下を◎(優秀)、0.01/超を×(不合格)とした。
また、前述の抽出残渣法で鋼板から析出物を採取し、スラブの場合と同様に析出B量を測定した。析出したB量が、0.0005%以下が○(合格)で、それを超えると×(不合格)とした。
得られた鋼板から、プレス成形により打ち抜きで直径240mmの円盤状のブレーキディスクを得て、焼き入れを行った。ブレーキディスクの焼入れの条件は、平均加熱速度を約50℃/sとし、一定温度、時間で保持後、平均冷却速度約70℃/sで常温まで冷却した。保持条件は、950℃、5秒保持(低温焼き入れ条件)と、1000℃、5秒保持(標準焼き入れ条件)の2条件で行った。
焼き入れ硬度は、ブレーキディスク表面を#80研磨仕上げした後、表面硬度(焼入れ硬度)をJIS Z2245に準拠したロックウェル硬度計Cスケール(測定機器:明石製ロックウェル硬さ試験機)で評価し、32〜38HRCを合格(○)、それ以外を不合格(×)とした。
耐食性の評価は、得られたステンレス鋼板表面を#600研磨仕上げした後、塩水噴霧試験を24時間(JIS Z2371「塩水噴霧試験方法」)行い、さび面積率を測定し、さび面積率10%以上を不合格とし、それ未満を合格(○)とした。特にさび面積率がゼロであったものは、合格(◎)とした。なお、24時間以上塩水噴霧試験を行っても、それ以上錆が進展することは少ないため、24時間の結果をもって、耐銹性を判断した。
その結果を表3、表4に示す。本発明例のステンレス鋼板はいずれも表面疵が少ない上に、その他の特性も優れてを示し、ディスク用鋼板としても優れている。これに対し、比較例の鋼では、表面疵が多いか、その他の特性(焼き入れ性、耐食性等)が劣位であり、ディスク用鋼板として好ましくないことが明らかである。
Figure 2020152959
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以上の説明から明らかなように、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼板を、ブレーキディスクに適用することにより、歩留り良くブレーキディスクを低コストで製造できる。つまりは、本発明は、産業上の利用可能性を十分に有する。

Claims (10)

  1. 質量%で、
    C:0.025〜0.060%、
    Si:0.05%〜0.80%、
    Mn:0.50〜1.50%、
    P:0.035%以下、
    S:0.015%以下、
    Cr:10.5〜14.0%、
    Ni:0.01〜0.20%、
    Cu:0.01〜0.20%、
    Mo:0.01〜0.20%、
    V:0.01〜0.10%、
    Al:0.050%以下、
    N:0.025〜0.060%、
    B:0.0003〜0.0012%を含有し、
    かつ、C+1/2N:0.040〜0.080%であり、
    式(1)で表わされる熱間圧延時の相バランス指標であるγが90.0〜120.0であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    析出B量が0.0005%以下である
    ことを特徴とするブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
    γ=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn−11.5Cr−11.5Si−52Al−12Mo―47Nb−7Sn−49Ti−48Zr−49V+189
    ・・・式(1)
    (式(1)中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。)
  2. さらに、質量%で、Ti:0.03%以下、Nb:0.30%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
  3. さらに、質量%で、Sn:0.10%以下、Bi:0.20%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
  4. 板厚が3.0〜11.0mmの鋼板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
  5. 鋼板の表面疵の長さを測定し、合計した長さ量を鋼板の全面積で除した、表面疵の存在比率が0.100/m以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
  6. ブレーキディスク素材が、請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板であることを特徴とするブレーキディスク。
  7. 硬度が32〜38HRCであることを特徴とする請求項6に記載のブレーキディスク。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分を有し、その平均硬さが300HV以下であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
  9. スラブ中から抽出残渣法で採取した析出B量が、0.0005%以下であることを特徴とする請求項8に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
  10. 請求項8または9に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼スラブを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法。
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