JP7300859B2 - ブレーキマルテンサイト系ステンレス鋼板およびその製造方法、ブレーキディスク、ならびにマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ - Google Patents
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Description
さらには、これらの鋼の四輪自動車用ディスクブレーキへの適用が検討されている。
また、四輪自動車用途適用でも、この課題は同様である。
(1)質量%で、C:0.025~0.060%、Si:0.05%~0.80%、Mn:0.50~1.50%、P:0.035%以下、S:0.015%以下、Cr:10.5~14.0%、Ni:0.01~0.20%、Cu:0.01~0.20%、Mo:0.01~0.20%、V:0.01~0.10%、Al:0.050%以下、N:0.025~0.060%、B:0.0003~0.0012%を含有し、かつ、C+1/2N:0.040~0.080%であり、式(1)で表わされる熱間圧延時の相バランス指標であるγpが90.0~120.0であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、析出B量が0.0003%未満であることを特徴とするブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-52Al-12Mo―47Nb-7Sn-49Ti-48Zr-49V+189
・・・式(1)
(式(1)中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。)
(2)さらに、質量%で、Ti:0.03%以下、Nb:0.30%以下の1種または2種を含有することを特徴とする前記(1)に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(3)さらに、質量%で、Sn:0.10%以下、Bi:0.20%以下の1種または2種を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(4)板厚が3.0~8.0mmの鋼板であることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれか1つに記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(5)鋼板の表面疵の長さを測定し、合計した長さ量を鋼板全長で除した、表面疵の存在比率が0.100以下であることを特徴とする前記(1)~(4)のいずれか1つに記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
(6)ブレーキディスク素材が、前記(1)~(5)のいずれか1つに記載のマルテンサイト系ステンレス鋼板であることを特徴とするブレーキディスク。
(7)硬度が32~38HRCであることを特徴とする前記(6)に記載のブレーキディスク。
(8)前記(1)~(3)のいずれか1つに記載の成分を有し、その平均硬さが300HV以下であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
(9)スラブ中から抽出残渣法で採取した析出B量が、0.0003%未満であることを特徴とする前記(8)に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
(10)前記(8)または(9)に記載のスラブを使用することを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載のマルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法。
<ブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板の化学成分>
まず、本発明のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板(以下、単に「ステンレス鋼板」ともいう)の鋼組成を限定した理由について説明する。なお、組成についての%の表記は、特に断りのない場合は、質量%を意味する。
Cは、焼入れ後所定の硬さを得るために必須な元素であり、所定の硬度レベルになるようにNと組み合わせて添加する。Cの過剰な添加を避けてNの効果を最大限に利用するために、本発明では0.060%を上限とする。これを超えて添加すると硬度が硬すぎて、ブレーキの鳴き、靭性低下等の不具合を生じるからである。また、一方、0.025%未満では、硬さを得るためにNを過剰に添加しなければならないことから、0.025%を下限とする。焼入れ硬度の安定性の点からは0.040%以上とすることが望ましい。
Siは、溶解精錬時における脱酸のために必要であるほか、焼入れ熱処理時の酸化スケール生成を抑制するのにも有用であり、その効果は0.05%以上で発現するため、0.05%以上とした。但し、Siは溶銑等の原料から混入するため、過度な低下はコスト増に繋がるため、0.20%以上にすることが望ましい。またSiはオーステナイト単相温度域を狭くし、焼入れ安定性を損ねるために、0.80%以下とした。なお、オーステナイト安定化元素の添加量を低減しコストを下げるためには0.60%以下が望ましい。
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、オーステナイト単相域を拡大し焼入れ性の向上に寄与する。その効果は0.50%以上で明確に現れるため、0.50%以上とする。安定して焼入れ性を確保するためには1.10%以上にすることが望ましい。但し、Mnは焼入れ加熱時の酸化スケールの生成を促進し、その後の研磨負荷を増加させるため、その上限を1.50%以下とした。MnS等の粒化物に起因する耐食性の低下も考慮すると1.30%以下が望ましい。
Pは原料である溶銑やフェロクロム等の主原料中に不純物として含まれる元素である。焼入れ後の靭性に対しては有害な元素であるため、0.035%以下とする。なお、好ましくは0.030%以下である。過度な低減は高純度原料の使用を必須にするなど、コストの増加に繋がるため好ましくは、Pの下限は0.010%である。
Sは、硫化物系介在物を形成し、鋼材の一般的な耐食性(全面腐食や孔食)を劣化させる、また、熱間加工性を低下させ熱延鋼板の耳割れ感受性を高めるため、その含有量の上限は少ないほうが好ましく、0.015%とする。また、Sの含有量は少ないほど耐食性は良好となるが、低S化には脱硫負荷が増大し、製造コストが増大するので、その下限を0.001%とするのが好ましい。なお、好ましくは0.001~0.008%である。
Crは、本発明において、耐酸化性や耐食性確保のために必須な元素である。10.5%未満では、これらの効果は発現せず、一方で、14.0%超ではオーステナイト単相域が縮小し焼入れ性を損ねるため、10.5~14.0%とする。なお、本発明では耐食性を向上させる効果のあるNを多く添加するため、コスト低減からもCrを低減でき、焼き入れ性とのバランスを考慮すると、11.0%~12.5%が望ましい。
Niは、フェライト系ステンレス鋼の合金原料中に不可避的不純物として混入し、一般的に0.01~0.10%の範囲で含有される。また、孔食の進展抑制に有効な元素であり、その効果は0.05%以上の添加で安定して発揮されるため下限を0.05%とすることが好ましい。一方、多量の添加は、固溶強化による低下を招くおそれがあるため、その上限を0.20%とする。なお、合金コストを考慮すると0.03~0.15%が望ましい。
Cuは、δフェライトを含むマルテンサイト組織の耐食性向上に有効であり、その効果は0.01%以上で発現する。また、オーステナイト安定化元素として焼入れ性の向上のために積極的な添加が行われる場合もある。但し、過度な添加は熱間加工性の低下や、原料コストの増加に繋がるために0.20%以下を上限とする。酸性雨による発銹などを考慮すると下限を0.02%以上にすることが望ましい。また熱延板焼鋼板のプレス成形性も考慮すると、0.08%以下が好ましい。
Moは、δフェライトを含むマルテンサイト組織の耐食性向上に有効であり、その効果は0.01%以上で発現するため、下限を0.01%とする。焼き入れ性の向上および焼き入れ後の耐熱性向上にも有効なため0.02%以上が好ましい。ここで焼き入れ後の耐食性とは、焼き入れ後の加熱により焼き戻され、硬度低下が起こるが、その硬度低下の幅が小さいことを意味する。焼き戻し軟化抵抗とも言われる。ディスクブレーキは焼き入れて使用されるが、使用時のブレーキングでの抵抗発熱によりディスク材は加熱される。そのため、この特性は重要である。
Moはフェライト相の安定化元素であり、過度の添加は、オーステナイト単相温度域を狭くすることで焼入れ特性を損ねるため、その上限を0.20%以下とする。
焼き入れ後の耐熱性の向上にはNbとの複合添加が望ましく、同時添加の場合は、Mo:0.05~0.20%、Nb:0.05~0.20%が特に好ましい範囲である。
Vは、フェライト系ステンレス鋼の合金原料に不可避的不純物として混入し、精錬工程における除去が困難であるため、一般的に0.01~0.10%の範囲で含有される。また、微細な炭窒化物を形成し、ブレーキディスクの耐磨耗性を向上させるほか、耐食性の向上にも効果を有するため、必要に応じて、意図的な添加も行われる元素である。その効果は0.01%以上の添加で安定して発現するため、下限を0.01%とすることが好ましい。一方、過剰に添加すると、析出物の粗大化を招くおそれがあり、その結果、焼入れ後の靭性が低下してしまうため、上限を0.10%とする。なお、製造コストや製造性を考慮すると、0.03%~0.08%とすることが望ましい。
Alは、脱酸元素として添加される他、耐酸化性を向上させる元素である。その効果は0.001%以上で得られるため、下限を0.001%以上にすることが好ましい。一方、固溶強化や大型の酸化物系介在物の形成によりブレーキディスクの靭性を損ねるため、その上限は0.05%とする。好ましくは0.03%以下とすることが望ましい。Alは含有していなくても良い。
Nは、本発明において非常に重要な元素のひとつである。Cと同様に焼入れ後に所定の硬度を得るためには必須の元素であり、所定の硬度レベルになるようにCと組み合わせて添加する。また、焼入れ加熱時にオーステナイトとフェライトの二相組織として焼入れる場合にはCr炭化物の析出、すなわち鋭敏化現象が生じやすくなり耐食性が低下することがあるが、窒素はCr炭化物の析出を抑制し耐食性の向上効果を示すことがある。その効果は0.025%以上で発現するため、下限を0.025%以上とする。一方、その効果は0.060%で飽和し、気泡系欠陥の形成による歩留まりの低下をもたらすことが危惧されるため、0.060%を上限とする。不動態皮膜の強化による耐食性の向上効果も考慮すると、0.030%以上、0.050%以下の範囲にすることが望ましい。
Bは、熱間加工性の向上に有効な元素であり、熱間圧延時の熱延鋼板の耳割れ防止に有効である。そのため添加することが好ましい。ところが、本発明鋼のようにNが多く添加されている場合、熱延でエッジにへげ疵(微小な表面疵)が発生しやすいことが分かった、また、そのへげ疵がスラブコーナー部の微小疵に起因するものであることも判明した。その改善検討を行った結果、Bを一定範囲で制御すると、へげ疵発生が低減することが分かった。すなわち、その効果は0.0003%以上で発現するため、0.0003%以上添加する。また、ディスク製造時の焼き入れ性も向上させる。一方、本発明鋼はNが添加されているため、過度な添加はへげ疵発生を招くため、0.0012%を上限とする。疵の一層の低減が必要な場合、0.0010%以下が望ましい。
なお、Bを低減するとへげ疵が低減する機構については明らかでないが、B低減に伴いスラブの硬さが減少していることと粒界でBNが見いだせなくなることから、割れ感受性を低下させていると考えられる。
本発明の鋼はディスクブレーキ用に使用されるため、焼き入れ後、一定の硬さ(32~38HRC)が必要である。焼き入れ条件の影響もあるが、その実現には、C+1/2Nを一定範囲に制御する必要がある。この値が0.040%未満であると、硬さが32HRC未満となりやすいため好ましくなく、0.080%を超えて添加すると、硬さが38HRCを超えやすくなるため好ましくない。
ステンレス鋼板の鋼組成の上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物よりなるものである。不可避的不純物とは、材料特性上除が好ましいが、精錬工程で除去できない元素のことで、Ti、Nb、Sn、Bi、Co,Zn、Pb、Se、Sb、H、Ga、Ta、Ca、Mg、Zrが代表的である。また、これ以外の元素も極微量に含まれている。
本発明ではB添加量の制限を行っているが、鋼板やスラブ中では、その存在は固溶Bと析出Bに分かれる。固溶Bは粒界を強化し、割れや疵を低減し、靱性を向上させる効果を持つとともに焼き入れ性も向上させる。しかし、析出物となるとそれらへの効果がなくなるため、析出B量を制限する必要がある。析出の完全阻止は困難なため、析出物が効果を及ぼさない量を検討した結果、本発明では、スラブおよび鋼鈑中の析出Bを0005%以下とする。好ましくは0.0001%以上0.0003%未満である。
さらに、必要な硬さを得るためには、これらの元素を相互調整し、一定範囲に制御する必要がある。下記(1)式で表されるγpが90.0~120.0となるように相互調整を行う。γpとは高温でオーステナイト相へのなりやすさの指標であり、90.0未満であると、高温でのγ相率が低くなりすぎ、焼き入れ時のマルテンサイト変態量が少なくなり必要な硬さが得られない。また、120.0を超えるとオーステナイト相が安定になりすぎ、焼き入れ時にマルテンサイト変態せず、残留オーステナイト相をなる量が多くなり、これも硬さが得られなくなる。より好ましくは、90.0~100.0の範囲である。
γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-52Al-12Mo―47Nb-7Sn-49Ti-48Zr-49V+189
・・・式(1)
(式(1)中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。)
Tiは、炭窒化物を形成することで、ステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。0.001%以上が好ましい。しかしながら、ブレーキディスクにおいては、大きいTiNを形成することで、靭性の低下や鳴きの原因になるため、その上限は0.03%以下とする。冬季の靭性を考慮すると0.01%以下にすることが望ましい。Tiは含有していなくても良い。
Nbは、炭窒化物を形成することでステンレス鋼におけるクロム炭窒化物の析出による鋭敏化や耐食性の低下を抑制する元素である。0.001%以上が好ましい。さらに、焼き入れ後の耐熱性を大きく向上させる元素である。ここで、耐熱性とは、焼き入れ後、熱を受けたときにどの程度軟化しがたいか、つまり、焼き戻し軟化抵抗とも呼ばれる。
しかし、Nbを過剰に添加して場合、ブレーキディスクにおいては、NbNを形成することで、靭性の低下や鳴きの原因になるため、好ましくなく、0.30%を上限とする。
焼き入れ後の耐熱性の向上にはMoとの複合添加が望ましく、同時添加の場合は、Mo:0.05~0.20%、Nb:0.05~0.20%が特に好ましい範囲である。
Snは焼入れ後の耐食性向上に有効な元素であり、0.001%以上が好ましく、必要に応じて0.02%以上添加することが好ましい。但し、過度な添加は熱延時の耳割れを促進するため0.10%以下にすることが好ましい。
Biは、耐食性を向上させる元素である。その機構については明確になっていないが、発銹起点となり易いMnSをBi添加により微細化する効果あるため、発銹起点となる確率を低下させると考えている。0.01%以上の添加で効果を発揮する。0.20%超添加しても効果は飽和するだけなので、上限を0.20%とする。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、通常用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法を用いて、製造可能である。つまり、溶解・鋳造-熱延-熱延板焼鈍により製造される。熱延板焼鈍は省略しても良い。また、最終工程として、ショットブラスト、または、酸洗によりスケールを除去して製品とする。
マルテンサイト系ステンレス鋼スラブの冷却時に、スラブコーナー部に微小割れが発生することが分かっており、その機構は、内部でマルテンサイト変態が起こることによる体積膨張により、スラブコーナー部に引張応力がかかり、微小割れが発生したと推定している。
本発明でスラブの成分のB量を制限しているので、析出しにくいが、BNの析出をより厳密に抑制するためには、スラブの冷却時において、スラブ表面温度が900~700℃の範囲の冷却速度を0.05℃/s以上とすることが好ましい。
以上から、本発明のスラブは微小割れ感受性が低下し、その結果、鋼板のへげ疵が低位となったと考えられる。
製造されたマルテンサイト系ステンレス鋼板をブレーキディスク素材として、使用する場合は、前記マルテンサイト系ステンレス鋼を900~1100℃の温度に加熱後、焼き入れを行う。焼き入れ条件は、加熱方法、炉の形式により異なるが、平均加熱速度が10~200℃/s、保持時間は、0.1s~10min、200℃までの平均冷却速度が10~200℃/sであれば良い。この焼入れ処理により、硬さ32~38HRCのブレーキディスクを得ることができる。硬さが32HRC未満であると、ブレーキ制動により変形しやすいため好ましくなく、38HRCを超えると、ブレーキ制動時にブレーキの鳴きが発生するため好ましくないためである。
なお、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼はCとNの含有量が比較的低く、焼き戻しをせずに靱性が確保できる。よって、製造工程において焼き入れ後に意図的な焼き戻しをする必要はない。
本実施例では、は以下のように行った。鋼板を溶媒(アセチルアセトン-塩化テトラメチルアンモニウム-メタノール液、通称AA液)中電解して一定量溶解する。この時析出物は溶解せず、鋼板から離脱して溶液中に沈殿した。その溶液をフィルターで濾して残渣(これが析出物に相当する)を採取した後、その残渣の化学分析を行い、残渣(すなわち、析出物)中の元素分析を行った。用いる化学分析法として、今回は吸光光度法(使用機器:島津製UVmini-1240)を用いた。析出したB量が、0.0005%以下が○(合格)で、それを超えると×(不合格)とした。
Claims (10)
- 質量%で、
C:0.025~0.060%、
Si:0.05%~0.80%、
Mn:0.50~1.50%、
P:0.035%以下、
S:0.015%以下、
Cr:10.5~14.0%、
Ni:0.01~0.20%、
Cu:0.01~0.20%、
Mo:0.01~0.20%、
V:0.01~0.10%、
Al:0.050%以下、
N:0.025~0.060%、
B:0.0003~0.0012%を含有し、
かつ、C+1/2N:0.040~0.080%であり、
式(1)で表わされる熱間圧延時の相バランス指標であるγpが90.0~120.0であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
析出B量が0.0005%以下である
ことを特徴とするブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-52Al-12Mo―47Nb-7Sn-49Ti-48Zr-49V+189
・・・式(1)
(式(1)中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。) - さらに、質量%で、Ti:0.03%以下、Nb:0.30%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
- さらに、質量%で、Sn:0.10%以下、Bi:0.20%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
- 板厚が3.0~11.0mmの鋼板であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
- 鋼板の表面疵の長さを測定し、合計した長さ量を鋼板の全面積で除した、表面疵の存在比率が0.100/m以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板。
- ブレーキディスク素材が、請求項1~5のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板であることを特徴とするブレーキディスク。
- 硬度が32~38HRCであることを特徴とする請求項6に記載のブレーキディスク。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の成分を有し、その平均硬さが300HV以下であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
- スラブ中から抽出残渣法で採取した析出B量が、0.0005%以下であることを特徴とする請求項8に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼スラブ。
- 請求項8または9に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼スラブを使用することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のブレーキディスク用マルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法。
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