JP5476809B2 - 耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼 - Google Patents

耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼 Download PDF

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Description

本発明は、オートバイ、自転車など二輪車のディスクブレーキにおけるディスク(ブレーキパッドによる摺動部)用素材として好適であり、適正な焼入れ硬さを有し、ブレーキ制動発熱に対する焼戻し軟化抵抗に優れる低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼に関するものである。
オートバイや自転車等などの二輪車のディスクブレーキのディスク(ブレーキパッドとの摺動部材)は、制動には、ブレーキパッドとの摩擦熱により500℃程度まで繰り返し昇温される場合がある。そのため、ブレーキのディスクに用いられる素材には、制動時の発熱に対して軟質化しない耐熱性(耐焼戻し軟化性)が必要とされる。
一方、ディスクが硬過ぎると、制動時にブレーキ鳴きを起こしたり、ブレーキパッドの磨耗が大きくなったりする。従って、ブレーキディスクには、適正な硬さ範囲が存在し、通常、HRC(ロックウェル硬さのCスケール)で30〜38程度が適正とされている。ただし、その上限は、ブレーキパッドの種類やブレーキパッドとディスクとの組み合わせによっても変化するため、HRCで40を超えるレベルまで許容される場合もある。
また、ブレーキディスクは、美観上の問題や、ブレーキ性能劣化への悪影響が懸念されることから、耐食性(耐錆性)に優れることも要求される。このため、ブレーキディスク用の素材としては、従来、ブレーキディスクとして必要とされる耐食性を有するだけでなく、焼入れままの状態で適正な硬さを有し、かつ、500℃で1時間程度の焼戻し処理を受けても、ほぼ適正な硬さを保持することができる、12〜13質量%のCrを含有する低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼が多く使用されている。
しかしながら、ブレーキの高性能化や軽量化、あるいはデザイン性の多様化を図る観点からは、ブレーキディスクおよびその素材に対して、さらに優れた耐熱性が求められるようになってきている。この要求に応えるため、各種の高耐熱鋼が提案されている。
例えば、特許文献1および特許文献2には、C、Cu、Nb、V、Moなどの焼戻し軟化抵抗を高める元素を添加または増量して、焼入れ後だけでなく、550〜650℃で1時間程度の焼戻し後においても、HRCで30以上の硬さを保持することができる耐焼戻し軟化性に優れる鋼が提案されている。
特開2001−220654号公報 特開2007−70654号公報
日本鉄鋼協会 「鉄鋼便覧第四版(CD-ROM)」第四巻 2編3.5 G.K. Williams and R.E. Smallman : Philos. Mag., 8(1956),34
通常、オートバイや自転車などの制動時に、ブレーキディスクが650〜700℃の温度域まで加熱されることはほとんどない。しかし、ブレーキディスク用の素材がそのような温度域でも耐熱性を有することによって、ブレーキの高性能化や薄肉化による軽量化、あるいはデザインの自由度の拡大などのメリットが生じる。特に、大・中型オートバイ、中でもスポーツタイプのオートバイでは、そのメリットが大きく、素材の高耐熱化に対する期待は大きい。
そこで、本発明では、従来から使用されあるいは提案されている素材よりも高い耐熱性(耐焼戻し軟化性)を有するブレーキディスク用素材を提供することにある。具体的な本発明の目標は、700℃で1時間の焼戻し処理を行った後でもHRC30以上の適正な硬さを保持することができる耐焼戻し軟化性を有するブレーキディスク用素材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、Cr含有鋼の耐熱性に及ぼす各種成分の影響について詳細に調査した。その結果、焼入れ加熱時に生成し、焼き入れ後も残存するδフェライト相を低減するよう各元素の含有量を調整した上で、C、N、NbやVを適正量同時含有することにより、これらの元素の固溶効果と析出物の効果によって、700℃以下の温度での焼戻しに対しても十分な耐熱性を有することを見出した。
特に窒素量については、含有量だけでなく、形態別定量の考察から鋼中の含有窒素量[N]から安定な析出状態の窒素量[N']を差し引いたものの量([N]-[N'])を確保することが材質特性に良好な影響を与えることを見出した。さらに、Mo、Wを適正量含有することにより、より安定して耐熱性を確保できること、および、Bを適正量含有することによって、耐食性や製造性(熱間加工性)の改善を図ることができることを見出した。本発明は、上記知見にさらに検討を加えて発明したものであり、本発明の要旨は以下の通りである。
第一の発明は、質量%で、C:0.02〜0.10%、N:0.02〜0.10%、C+N:0.08〜0.16%、Si:0.5%以下、Al:0.1%以下(0%を含む)、Mn:0.3〜3.0%、Cr:10.5〜13.5%、Nb:0.05〜0.60%、V:0.15〜0.80%、Nb+V:0.25〜0.95%、Ni:0.02〜2.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、式(1)で表されるFp値が80.0〜96.0であり、鋼中の含有窒素量を[N]、臭素-メタノール混合溶液を用いて定量される析出状態の窒素量を[N']とした場合に、700℃で1時間の焼戻し後の[N]-[N']の値が0.057質量%以上であることを特徴とする耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼である。
第二の発明は、さらに、質量%で、MoおよびWの中から選ばれる1種または2種を合計で0.1〜2.0%含有することを特徴とする第一の発明に記載の耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼である。
第三の発明は、さらに、質量%で、B:0.0002〜0.0060%を含有することを特徴とする第一または第二の発明に記載の耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼である。
第四の発明は、第一乃至第三の発明のいずれか一つの発明に記載の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼を用いて製造されたことを特徴とする耐熱性に優れたブレーキディスクである。
本発明によれば、700℃の温度で焼戻しを受けても、HRC30以上の硬さを維持できる低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼を提供することができる。したがって、本発明の鋼をオートバイや自転車等のブレーキディスクに用いた場合には、ブレーキの高性能化や軽量化が図れるだけでなく、デザインの自由度を拡大することも可能となる。
本発明により製造された鋼中に観察される微細な析出物の観察状況を示す図である。 本発明例による[N]−[N']値とビッカース硬度の相関を示す図である。
本発明の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼は、ブレーキディスク用として焼入れままの状態における硬さがHRC30以上であり、かつ、700℃で1時間の焼戻し後においてもHRC30以上の硬さを維持できる耐熱性(耐焼戻し軟化性)を有することに特徴を有する。なお、上記焼入れままの状態には、焼入れ後、目的に応じて軽度の歪取り焼鈍や焼戻し処理を行なった状態も含むものとする。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.成分組成について
以下に、本発明に係る耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼の成分組成の限定理由を説明する。 なお、成分組成を示す単位は、全て質量%とする。
C:0.02〜0.10%、N:0.02〜0.10%、C+N:0.08〜0.16%
C、Nは、固溶し、または、NbやVなどと炭窒化物を形成して析出し、焼入れ後や焼戻し後の硬さを高める効果を有する本発明において重要な元素である。焼入れ後および焼戻し後においても所定の硬さを確保するためには、C量、N量は、それぞれ、0.02%以上含有することが必要であり、さらにCとNの合計で0.08%以上含有することが必要である。
しかし、Cは0.1%を越えて含有すると、粗大な析出物が増加し、却って、焼戻し軟化を抑制する効果を低下させ、また、耐食性や靭性も低下させる。また、Nも0.1%を越えて含有すると、鋳造性や熱間加工性が著しく低下し、鋼の製造が困難になる。
よって、C量およびN量の上限は、それぞれ、0.10%とする。さらにCとNの合計量が0.16%を越えると、製造性、打抜き加工性、耐熱性の何れの特性も低下する。よって、C量、N量はそれぞれ0.02〜0.10%の範囲とし、CとNの合計量は、0.08〜0.16%の範囲とする。
なお、耐熱性を安定して確保する観点からは、C量は0.03%以上、N量は0.04%以上であることが好ましく、CとNの合計量は0.10%以上であることが好ましい。
Si: 0.5%以下
Siは、脱酸剤として含有される元素であり、その効果を得るためには、0.05%以上含有することが望ましい。しかし、0.5%を越えて含有すると、焼入れ時にフェライト相が生成し易くなり、硬さが低下する原因となる。よって、Si量の上限は0.5%以下とする。
Al: 0.1%以下(0%を含む)
Alを脱酸剤として含有される元素であるが、0.04%を越えて含有しても脱酸効果が飽和する。また、Alの過剰な含有は、Al系介在物による表面欠陥の増加や打抜き加工性の低下を引き起こす。特にAlの含有量が0.1%を越えると、その悪影響が顕著となるので、Al量の上限は0.1%とする。好ましくは、0.04%以下(0%を含む)である。
さらにAlはSiと同様、焼入れ時にフェライト相を生成し易くするため、硬さ低下の原因にもなる。したがって、Siを0.1%以上含有する場合には、Al量の上限は0.02%以下(0%を含む)とするのが好ましい。
Mn: 0.3〜3.0%
Mnは、脱酸効果がある他、焼入れ時のフェライト相の生成を抑制し、焼入れ後に安定して適正な硬さを確保するために有用な元素であり、この効果を得るためには、0.3%以上含有する必要がある。しかし、過剰に含有すると、打抜き加工性や耐食性が著しく低下するため、Mn量の上限を3.0%以下とする。なお、焼入れ性を安定して確保する観点からは、2.5%以下であることが好ましい。
Cr: 10.5〜13.5%
Crは、本発明の鋼では、耐食性を向上するための必須元素であり、ブレーキディスク用素材に求められる耐食性を得るためには10.5%以上の含有が必要である。一方、13.5%を超えて含有すると、打抜き加工性や靭性が低下すると共に、焼入れ後に十分なマルテンサイト相が生成せず、適正な焼入れ硬さの確保が困難になる。よって、Cr量は10.5〜13.5%の範囲とする。なお、耐錆性を重視する場合には11.0%以上、打抜き加工性や耐熱性を重視する場合には13.0%以下であることが好ましい。
Nb:0.05〜0.60%、V:0.15〜0.80%、Nb+V:0.25〜0.95%
NbおよびVは、鋼中に固溶したり、C、Nと炭窒化物を形成したりすることにより、焼戻しによる軟質化を抑制する効果が高く、本発明が目的とする耐熱性、即ち、700℃で1時間の焼戻し後においてもHRC:30以上の硬さを確保するために必要な元素である。また、その効果を得るためには、NbとVを同時に含有することが重要であり、Nb量を0.05%以上、V量を0.15%以上、NbとVの合計量を0.25%以上とする必要がある。しかし、Nb、Vを過剰に含有すると、焼入れ時にフェライト相が生成し、却って、焼入れ後あるいは焼戻し後の硬さが低下する原因となるので、Nb量、V量は、それぞれ、0.60%以下、0.80%以下、NbとVの合計量を0.95%以下とする。
よって、Nb量は、0.05〜0.60%の範囲、V量は、0.15〜0.80%の範囲、NbとVの合計量を0.25〜0.95%の範囲とする。なお、耐熱を安定して確保する観点からは、Nb量を0.10%以上とし、NbとVの合計量は0.35%以上とすることが好ましい。
Ni:0.02〜2.0%
Niは、焼入れ時のフェライト相の生成を抑制し、焼入れ性を高めたり、耐食性を向上したりする元素である。それらの効果を得るためには0.02%以上含有する必要がある。一方、過剰に含有すると、焼入れ前の硬さが増加して打抜き加工性が低下し、また焼入れ後の硬さが、所定の範囲を越える場合もあるため、Ni量の上限は2.0%とする。特に打抜き加工性を確保するために、焼入れ前の硬さをHRBで95以下とするには、Ni量は1.5%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜1.4%の範囲である。
700℃で1時間の焼戻し後の[N]-[N'] : 0.057質量%以上
ここで、鋼中の含有窒素量[N]とは、鋼中に含有される全ての形態(固溶状態および析出状態の両方を含む)の窒素量であり、燃焼-赤外線吸収法等により求められる。
一方、析出物として析出した窒素の量は、鋼を適当な溶液で溶解し、その溶解液をろ過して得られる残渣として、鋼中に存在する介在物や析出物を分離した後、この残渣を混酸により加圧分解し、蒸留および吸光光度法で残渣中の窒素量を定量することにより、鋼に対する量(単位は質量%)として算出することができる。
上記鋼より析出物や介在物を分離する時に用いる溶解用の溶液の1つに臭素-メタノール液(以下、Br-MeOH溶液と記載)があり、この溶液を用いて定量される析出状態の窒素量を[N']とする。
同溶液による析出物の分離は、一般的には酸化物としての定量値を求める際の1工程であり、同溶液に対する、析出物や介在物の溶解挙動はやや複雑である。この溶液に対し、通常、ほとんどの酸化物は不溶、炭化物は可溶である。
そして窒化物の挙動については、窒化物の組成にも依存するが、通常は不溶なものが多い。但し、微細なVNの様な不安定な窒化物は溶解する場合がある。従って、[N]-[N’]の意味するものは、固溶窒素量およびBr-MeOH溶液に溶解する不安定な窒化物に含まれる窒素量の合計値と考えられる。
ここで、溶解しやすい析出物の物理化学的な特徴として、大きさが小さいことが考えられる。一方で微細な析出物は転位や粒界移動の抑制因子となるため、硬さを保持する観点からは好ましい影響を与えると考えられることから、微細な窒化物の量を反映していると推定される[N]-[N’]量で鋼材を規定することは、非常に重要である。後述の図2に一例を示すが、この図から、当該鋼中の含有窒素量[N]から700℃で1時間焼戻した後の析出状態の窒素量[N']を引いた量[N]-[N'] (本願ではこの量を、700℃で1時間の焼戻し後の[N]-[N']と呼ぶ)として0.057質量%以上が得られれば、700℃で1時間の焼戻し後においてもHRC30以上の良好な値が得られていると判断される。
Fp値:80.0〜96.0
本発明が目的とする耐熱性(耐焼戻し軟化性)を得るためには、上記した成分組成が、所定の範囲内にあることの他に、さらに、下記式(1)で定義されるFp値が、80.0〜96.0の範囲を満たすよう含有することが必要である。
このFp値は、焼入れ時におけるδフェライト相の生成のし易さを示すものであり、値が大きいほどδフェライト形成能が高いことを示す。焼入れ時に生成するδフェライト相の量が多いほど、焼戻しによる軟質化が進みやすくなる。特に700℃という高温の焼戻しに対して適正な硬さを維持するためには、少なくともδフェライト相が体積%で5%以下であることが必要であり、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。そのためには、Fp値は96.0以下である必要がある。好ましくは、95.0以下である。
一方、Fp値が80.0より低くなると、焼入れ前の硬さ増加による打抜き加工性の低下や焼入れ後の硬さ超過、あるいは残留オーステナイト相形成により、700℃焼戻し後に適正な硬さが得られなくなるので、80.0以上とする。よって、Fp値は、80.0〜96.0の範囲とする。好ましくは、85.0〜95.0の範囲である。
本発明の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼は、上記成分に加えてさらに、耐熱性を向上するために、MoおよびWの中から選ばれる1種または2種を、合計量で0.1〜2.0%の範囲で含有することができる。
MoおよびWは、鋼中に固溶しあるいは析出物を形成することにより、焼戻しによる軟質化を抑制する効果がある。特に、焼戻し温度が650℃を超える温度領域における軟質化の抑制に効果があるので、700℃での焼戻し後の硬さの低下も小さくなる。この効果を得るためには、MoおよびWの中から選ばれる1種また2種を合計で0.1%以上含有することが好ましい。
しかし、過剰に含有すると、熱間変形抵抗の増加による製造性の低下や、焼入れ前の硬さ上昇による打抜き加工性の低下、あるいは組織中に偏在して焼入れ時のフェライト相生成による700℃焼戻し後の硬さ低下などの原因となるため、合計で2.0%以下とすることが好ましい。
よって、MoおよびWは、耐熱性の要求レベルに応じて、1種または2種を合計で0.1〜2.0%の範囲で含有することが好ましい。なお、耐熱性向上の観点からは、0.2%以上であることがより好ましく、また、製造性や加工性あるいはコスト低減の観点からは、1.5%以下であることが好ましい。
また、本発明の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼は、上記成分に加えてさらに、製造性や耐食性を向上するために、B:0.0002〜0.0060%を含有することができる。
Bは、熱間加工性に有害なSやPの悪影響を抑制し、熱間圧延などの製造性の向上に効果がある。その効果を得るためには、0.0002%以上含有することが好ましい。しかし、過剰に含有すると、Bは、鋳造性や熱間加工性を低下させるため、0.0060%以下とするのが好ましい。
よって、B量は、必要に応じて0.0002〜0.0060%の範囲で含有することが好ましい。より好ましくは0.0005〜0.0060%の範囲である。
本発明の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。ただし、不可避的不純物のうち、PやSは、熱間加工性や靭性、耐食性を低下させる有害元素であるため、できるだけ低減するのが好ましく、P:0.05 %以下、S:0.008%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、P:0.03%以下、S:0.005%以下である。
また、本発明の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼は、本発明の作用効果を害さない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものでなく、例えば、耐熱性、耐食性、および製造性を向上する観点から、Taを0.1〜2.0%、Caを0.0002〜0.0030%、Mgを0.0002〜0.0030%、Cuを1.5%以下、より好ましくは0.5%以下、Tiを0.1%以下、Coを0.4%以下、あるいはREM、Hf、Y、Zr、Sbを合計で0.05%以下含有しても良い。
2.低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼の製造方法について
本発明の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼の製造方法について説明する。
上述した成分組成を有する鋼を、転炉、電気炉などで溶製し、さらに溶鋼をVODやAODなどで二次精錬した後、連続鋳造法あるいは造塊-分塊圧延法で、厚さ100〜250mmのスラブとする。なお、生産性や鋼板材質の均質性観点からは、連続鋳造法が好ましい。
次いで、前記スラブを、1000〜1300℃に加熱後、熱間圧延して、板厚が3〜10mmの熱延鋼板とし、必要に応じて熱延板焼鈍し、ショットブラストや酸洗、研削などを施してスケール除去し、さらに必要に応じてスキンパス圧延などの形状矯正を行い、ブレーキディスク用素材とする。この際、ブレーキディスクへの打抜き加工性を容易にするため、熱延板所焼鈍は650〜900℃の温度で行い、硬さをHRB(ロックウェル硬さBスケール)で100以下にするのが好ましい。HRB95以下であればさらに好ましい。
なお、厚さが3mm以下のブレーキディスクの場合には、その素材は、3mm以下に熱間圧延した熱延鋼板を用いるか、あるいは、3mm以上の熱延鋼板に、さらに冷間圧延を施し、さらに必要に応じて焼鈍、スケール除去、形状矯正などを行なった冷延鋼板を用いるのが好ましい。
3.ブレーキディスクの製造方法
次に、ブレーキディスクの製造方法について説明する。
上述した熱延鋼板あるいは冷延鋼板のコイルあるいは切り板から、打抜き加工などにより円盤状に打抜き、さらに冷却や磨耗粉などの排出機能を有する溝や小孔などを打抜き加工し、所望の形状とする。次いで、高周波誘導加熱装置や、バッチ式あるいは連続式の熱処理炉や高周波加熱装置を用いて、950〜1250℃の温度に加熱後、空冷以上の冷却速度で冷却する焼入れ処理を行い、その後、酸洗処理や表面研磨によるスケール除去、不動態化処理などの酸処理や塗装による防錆処理などを施してブレーキディスクとするのが好ましい。また必要に応じて、歪取り焼鈍を行なってもよい。さらに本発明の鋼は、焼入れ処理のみでブレーキディスクに使用できること(焼戻し処理不要)が大きな特徴の1つであるが、焼戻し処理を行ってから使用してもよい。
4.ブレーキディスクの硬さとマルテンサイト組織中の転位密度との関係
次に、発明者等はブレーキディスクの硬さとマルテンサイト組織中の転位密度との関係を調査した。その結果、硬さとマルテンサイト中の転位密度とは密接な関係があり、マルテンサイト中の転位密度を適正範囲に調整することにより、ブレーキディスクの硬さを適正範囲に制御することが可能であること、そして、ブレーキディスクの焼戻しによる軟化を防止するためには、マルテンサイト組織中の転位の回復を抑制することが有効であることを知見した。
鋼成分として前記式1を満たす合金(C:0.05%、N:0.06%、Si:0.3%、Al:0.003%、Mn:1.5%、Cr:12.2%、Nb:0.2%、V:0.2%、Ni:0.6%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼)を作製し、HRC硬さと転位密度の相関を調査した結果を表3に示す。
なお、転位密度に関しては、以下の方法で求めた。
供試材から25mm角の測定試料を切り出して測定面を鏡面研磨し、Cu-Kα線(λ=0.1788965nm)を線源とするX線回折(θ-2θ測定)を実施した。次に、測定された回折ピークの拡がりからWilliamson-Hall法を適用して、不均一歪(ε)を導出した。すなわち、母相bcc鉄の(110)、(211)および(220)面の回折ピークを用い、測定した回折ピークの半価幅(β)と回折角(θ)およびX線の波長との間でβcosθ/λとsinθ/λの関係をプロットし、これらの直線の傾きからεを導出した。表2の転位密度(ρ)はこのεとbcc鉄のバーガースベクトル(b)を用いて次記式(2)(非特許文献2より)から求めたものである。
転位密度は、焼入れ後に較べて、焼戻し処理によって低下するものの、700℃以上の焼戻しによっても依然として1015 /mオーダーの転位密度が維持されており、焼戻し後の硬度低下が顕著でないこととよく整合している。すなわち本発明鋼においては、初期の焼入れマルテンサイト組織の高密度転位組織が、焼戻しに代表される熱活性化過程においても回復しないことを示していると推定される。
さらに、転位の回復を阻害する手段について検討した結果、焼戻しを受けた際に、炭化物を転位上に微細に析出させる、あるいは固溶状態にある合金元素が存在することに加えて、鋼中の析出形態およびこれらの分散状態が密接に関係していると推定されたので、その理由について説明する。
すなわち、高温焼入れ処理によって得られる高い初期転位密度、焼戻しマルテンサイトラス組織の界面に析出する炭化物等に加え、粒内の可動転位障害となる極微細析出物の分散が重要であると知見された。特に、本発明鋼においては、透過型電子顕微鏡(以下TEM)観察により、母相と特定方位関係を有するMX型の極薄板状析出が高密度に粒内分散することで、焼戻し軟化抵抗が飛躍的に向上することが分かった。
この時の析出物の形態としては、厚み(d)が最大2nm程度、外形(l)が約10nm程度の板状あり、1/dをアスペクト比と規定した場合、そのほとんどが10以下であることが判明した。図1に典型的な板状析出形態の分散状況を示すTEM写真を示す。
上記板状析出は、一定の分散密度がないと可動転位の移動障害とならない。使用中の温度上昇が低い場合は、析出自体が起こらず、組織回復も進行しないため実質問題とはならないが、想定外の温度上昇や、不適切な成分設計により、析出物の成長が促進すると、使用中に好適な分散状態が維持できず、可動転位障害としての効果が発揮出来ない。発明者らが、想定される使用温度範囲で焼戻しをした材料中の析出物分散密度を、10万倍のTEM観察により評価した結果を表3に合わせて示す。
700℃の耐熱性の達成指標となる1時間の焼戻し処理後の硬さがHRCで30以上を示す材料においては、上記板状析出の平均的な視野中分散密度が2.0x1018/cm以上確保され、一般的なマルテンサイト組織の転位密度よりも高いレベルで析出物が存在することを確認した。
なお、TEM観察からの析出物分散密度の評価においては、この板状析出物が母相と特定の方位関係を有し、直交する3つのバリアントのうち観察面内に平行なものは極薄のために見えていないことを考慮し、観察視野内での析出物数を1.5倍して分散密度に換算した。TEM観察では、観察方向での析出物重なりに起因した数え落しがあるため、実質的には上記密度よりも更に高い存在が推定される。
このことから、本発明の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼においては、700℃以下で1時間の焼戻し処理を実施した際、焼戻しマルテンサイト母相中にアスペクト比10以下の極薄板状析出が分散し、この極薄板状析出の分散密度が2.0x1018/cm以上であることが特徴として挙げられる。
各種材料について 焼戻し後の[N]および[N’]を分析し、硬さとの相関を調査した。具体的には、以下の手順で試料作製および分析を行ない、発明内容の検証を行なった。
各種成分組成の鋼を高周波溶解炉で溶製し、100kgの鋼塊とした。次いで、1150℃に加熱後、熱間圧延によって、板厚4mmの熱延鋼板とした。さらに、800〜850℃で10時間保持した後、200℃まで20℃/時間で徐却し、その後空冷する焼鈍を施した。この熱延焼鈍板を1150〜1200℃で1分加熱、空冷する焼入れ処理を施した後、さらに、550〜700℃で0分(焼入れまま)から240時間までの各種の焼戻し処理を行なった。
各試料の化学組成と700℃で1時間の焼戻し後の[N]−[N’]を表1に、熱処理条件を表2に示す。
鋼種1、2は、1150℃で1分焼入れた後、表2に示す各条件で焼戻しを行った。鋼種3〜12は、それぞれ1150℃で1分、1200℃で2分 の2水準で焼入れた後、700℃で1時間の焼戻し処理を行なった。
焼入れ後の硬さ(HRC)と焼戻し後の硬さ(HRC)は、焼入れ、または、さらに焼戻し処理を行った試験片について、表面のスケールを研削、研磨して除去後、JIS Z2245の規定に準拠してロックウエル硬度計で表面硬さHRCを5点測定し、その平均値を求めたものである。得られた試料の焼入れ条件と焼入れ後の硬さ(HRC)、さらに焼戻し条件と焼戻し後の硬さ(HRC)を、表2に示す。
鋼中の含有窒素量[N]については、焼戻し処理を施した試料から切り粉を採取し、表面を酸で洗浄した後、適量を燃焼赤外法-酸素・窒素分析装置に供して定量した。但し、焼戻し処理により変化する可能性があるのは、固溶量-析出量のみであるため、鋼中の含有窒素量[N]は焼戻し前の試料を用いて定量しても構わない。
一方、安定な析出物として析出状態にある窒素量[N’]については以下の手順で分析した。まず、メタノール100mlと臭素10mlを混合した溶液中に5mm×5mm×1mmt程度の大きさに加工した各材料を浸漬させ、約0.5g程度を溶解させた。なお、実際の溶解量は浸漬前後の重量から求めた。続いて、未溶解試料を取り出した後の溶解液孔径を0.2μmのフィルタを用いて吸引ろ過し、得られた残渣をフィルタ上に捕捉する。同溶液に対して溶解性の無いものであれば材質は問わないが、セルロースアセテートやポリカーボネート製など、汎用的に入手できるものを使用できる。更に、外部加熱方式の加圧分解法で残渣を分解した後、蒸留-中和滴定法で定量した。
以上の特性評価結果と分析結果から、焼戻し後の硬さ(HRC)と[N]-[N']との関係をまとめたものを図2に示す。横軸に焼戻し後の硬さ(HRC)を、縦軸には焼戻し後の[N]-[N']の値を示す。この図から、焼戻し後の硬さ(HRC)と[N]-[N’]には、相関があることが明らかである。
つまり、焼戻し後の[N]-[N’]から焼戻し後の硬さ(HRC)が推測可能ということを示している。これは同鋼種の機械特性に鋼中窒素の存在形態が深く関与していることを示しており、成分設計を行なう際に、極めて有益な情報ともなり得る。さらにこの結果では、試料3−1〜9(符号:△)と試料4−1〜9(符号:▲)においては2点を除き、焼戻し後の[N]-[N’]が0.057質量%以上であれば焼戻し後の硬さ(HRC)が30以上を満たしている。外れた2点は鋼種7で、組成に関して本発明の規定を満たしていない。
また、鋼種2について焼戻し温度と時間を変化させた場合(試料2−1〜9、符号□)も、4点外れているが、これらは何れも焼戻し温度が高かったり、時間が長かったりした場合(試料2−6〜9)である。
以上、この図2と表1、表2より本発明に規定された組成を有し、700℃で1時間の焼戻し後の[N]-[N’]が0.057質量%を満たせば、焼入れ後の硬さ(HRC)は30以上、かつ、焼戻し後の硬さ(HRC)も、30以上が確保できることとが明確になった。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.10%、N:0.02〜0.10%、C+N:0.08〜0.16%、Si:0.5%以下、Al:0.1%以下(0%を含む)、Mn:0.3〜3.0%、Cr:10.5〜13.5%、Nb:0.05〜0.60%、V:0.15〜0.80%、Nb+V:0.25〜0.95%、Ni:0.02〜2.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、式(1)で表されるFp値が80.0〜96.0であり、鋼中の含有窒素量を[N]、臭素−メタノール混合溶液を用いて定量される析出状態の窒素量を[N’]とした場合に、700℃で1時間の焼戻し後の[N]−[N’]の値が0.057質量%以上であることを特徴とする耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼。
    Fp値=-230[C]+5[Si]-5[Mn]-6[Cu]+10[Cr]-12[Ni]+32[Nb]+22[V]+12[Mo]+8[W]+10[Ta]+40[Al]-220[N] ・・・・・(1)
    なお、上記式中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。
  2. さらに、質量%で、Moを0.1〜2.0%含有することを特徴とする請求項1に記載の耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼。
  3. さらに、質量%で、B:0.0002〜0.0060%を含有することを特徴とする請求項2に記載の耐熱性に優れた低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の低炭素マルテンサイト系Cr含有鋼を用いて製造されたことを特徴とする耐熱性に優れたブレーキディスク。
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