JP2675957B2 - 耐候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェライト系ステンレス鋼

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JP2675957B2 JP5032047A JP3204793A JP2675957B2 JP 2675957 B2 JP2675957 B2 JP 2675957B2 JP 5032047 A JP5032047 A JP 5032047A JP 3204793 A JP3204793 A JP 3204793A JP 2675957 B2 JP2675957 B2 JP 2675957B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐候性、耐銹性および
溶接部特性に優れた高Cr、P添加フェライト系ステン
レス鋼に関する。本発明鋼は、建築外装用素材、一部構
造物など特に耐候性と耐銹性を必要とされる条件で使用
するフェライト系ステンレス鋼に幅広く利用可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のステンレス鋼板は耐候性が要求さ
れる建築外装用材として、パネル、サッシ、カーテン・
ウォールに代表されるような比較的小さい面積で用いら
れることが多かった。
【0003】しかし、近年、ステンレス鋼が持つ意匠
性、美観、耐食性、耐候性の良さが認識され、さらにそ
の施工技術の開発と相まって屋根材に代表される大型建
築物外装材としてもその需要が伸びてきた。この場合、
例えば屋根材としては、ステンレス鋼板を素地としてこ
れに塗装着色した塗装ステンレス鋼板が主に用いられて
いる。これは、従来のトタン屋根材では塗膜の劣化によ
り塗装に欠陥が生じて使用不能になるという欠点を克服
しようとするものである。この塗装使用ステンレス鋼板
としては、主に、オーステナイト系ステンレス鋼である
SUS304(18Cr−8Ni)がその加工性の良さ
という点から採用されてきた。しかしながら、上述の塗
装ステンレス鋼板では、表面に塗膜があるためステンレ
ス鋼が本来持つ銀白色の金属光沢による意匠性が生かせ
ないとともに、オーステナイト系ステンレス鋼は高価な
Niを多く含むため価格が高くなることも考えられる。
【0004】また、熱膨張率がフェライト系ステンレス
鋼の約1.5〜2倍あるため長尺物には不向きといえ
る。そこで建築物外装材としてフェライト系ステンレス
鋼が注目を集めているわけであるが、フェライト系ステ
ンレス鋼を建築物外装材、特に屋根材として無塗装など
で用いる際には、長期間赤銹や海塩粒子の付着による孔
食等の腐食を生じない十分な野外耐候性・耐銹性が必然
的に要求される。このようなことから、従来、特開昭5
5−138058号に代表されるように、高耐候性・高
耐銹性フェライト系ステンレス鋼としてはC,Nを低減
し、しかもCrの増量やMo添加量を増大することによ
り耐食性を高めることが試みられてきた。しかしなが
ら、ただ単にCrの増量、Mo添加量の増大だけでは高
合金になり価格が高価になり経済的な面から制約を受け
るとともに、硬質化に伴う成形性低下、さらには靱性低
下に伴う製造性劣化が問題となる。そこで、Cr,Mo
以外の元素添加で耐候性、耐銹性の向上が期待でき、し
かもより安価な材料開発が強く望まれていた。
【0005】一方、施工上、溶接をせざるを得ない部位
に用いられる場合には従来の高Cr鋼やMo含有鋼で
は、溶接部の靱性や耐銹性が十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
要求を満たすことを目的とし、20重量%を超えるCr
添加鋼にPを0.06重量%を超え、0.2重量%以下
の範囲で添加することで従来鋼に比べて安価でしかも耐
候性、耐銹性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供
するものである。すなわち、本発明は、従来、鋼にとっ
ては有害元素とされていたPを製造可能な領域範囲内で
積極的に添加することにより耐候性、耐銹性を向上する
ことができるフェライト系ステンレス鋼を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、重量%において、C :0.02%以
下, Si:1.0%以下,Mn:1.0%以下,
S :0.03%以下,Cr:20%超〜40%,
N :0.015%以下,Al:0.5%以下,
P :0.06%超〜0.20%以下 を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる耐
候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェライト系ステ
ンレス鋼を提供する。
【0008】本発明のステンレス鋼は上記鋼成分に加え
てさらに下記の(1)〜(3)のグループの1種以上を
含有していてもよい。 (1)Mo:4.0%以下 (2)Ti:1.0%以下,Nb:1.0%以下Ta:
1.0%以下,V:1.0%以下,W:1.0%以下,
Zr:1.0%以下およびB:0.01%以下の1種ま
たは2種以上 (3)Cu:1.0%以下,Ni:5.0%以下および
Co:1.0%以下の1種または2種以上
【0009】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
のフェライト系ステンレス鋼は、従来有害元素として極
力その含有量を減らすべく努力が払われてきたPを積極
的にしかも成形加工性を損ねることなく、製造可能な程
度の添加量範囲で添加することを特徴とするものであ
る。Pがステンレス鋼の耐食性に及ぼす影響については
その含有量が0.1%以下の完全固溶状態ではその影響
は殆どなく、Pの含有量が増大すると孔食感受性が増
し、その結果、耐食性を低下させることが「ステンレス
鋼便覧」に記載されている。従来ステンレス鋼中のP添
加量を極力低減することを試みた原因としては上述した
通りPの靱性低下に伴う製造性の劣化に原因があると思
われる。すなわち、製造性についてはPは偏析を起こし
やすく熱間割れ性を高め、溶接部の亀裂感受性を助長す
ることが一般に知られている。このことから構造が体心
立方構造であり靱性がオーステナイトステンレス鋼に比
べ低いフェライト系ステンレス鋼にとってPは極めて有
害であるとみなされ、その添加量を極力低下する方法で
検討がなされてきた。事実JIS G4304等で規定
されているようにSUS447J1のような高Crフェ
ライト系ステンレス鋼についてはPの添加量は0.03
%以下と限定されている。また、その他の鋼種について
も0.04%以下との規定がある。
【0010】そこで本発明者らは、高Crステンレス鋼
へのPの積極的な添加が、耐候性、耐銹性に及ぼす影響
を系統的に調査し、従来のJISに規定されている範囲
以上にPを積極的に添加することにより耐候性、耐銹性
を向上させることができるという新しい知見を得て本発
明に到ったものである。
【0011】また、さらに溶接部の靱性、耐銹性に及ぼ
すPの影響を系統的に調査した結果、意外にもPはT
i、Nb、V、Zr、Ta、W、Bの適正量添加により
溶接部靱性を何ら低下させることなく、母材のみならず
溶接部耐銹性も向上させることが明らかとなったのであ
る。
【0012】一方、製造性の観点からC,Mn,Mo,
Ni,Ti,Nb,Cu,NおよびAl等の含有量の適
正化をはかった。
【0013】Pの添加によるメリットとしては、この他
に耐候性向上に極めて有効であることが知られているC
r,Moの添加量を安価なPにより代替させ得るため、
コスト的に安価で済む、また従来の低P化の工程が不要
もしくは省工程化が可能なため原料費、脱Pにかかった
コストの大幅削減が期待できるというメリットも含まれ
る。このようなことから本発明鋼は産業上非常に大きな
効果を発揮することが期待される。このような効果を発
揮させるためには、Pは0.06重量%超、0.2重量
%以下を添加する。
【0014】以下に鋼組成を限定した理由について説明
する。 (C、N)C、Nはフェライト系ステンレス鋼の加工性
や靱性、耐銹性、溶接部特性に大きく影響を与える成分
元素である。本発明鋼においては、靱性低下に伴う製造
性の低下や、溶接部靱性の低下が生じないように、上限
をCについては0.02重量%、Nについては0.01
5重量%とした。また、これらの元素の低減効果は飽和
することがなくC、Nの含有量は少ない程好ましいため
下限は定めない。
【0015】(Si)Siは通常脱酸剤として添加さ
れ、特に耐酸化性向上に有効である。また、耐候性や耐
銹性向上にも有効であるが、多量の添加は、それ自身の
固溶強化による母材の靭性、加工性低下をまねくばかり
でなく溶接部の靱性が低下する。特に1.0重量%を超
えると、後述するTi、Nb、Zr、V、Ta、W、B
の添加を行っても著しく溶接部靱性の低下が生じるので
上限を1.0重量%とした。
【0016】(Mn)Mnは通常脱酸剤として添加され
るが、オーステナイト安定化元素であり過剰の添加は、
高温でオーステナイトが生成し、フェライト単相組織が
得られないばかりか、耐食性が劣化する。従って上限を
1.0重量%とした。
【0017】(S)Sは耐食性を低下させる元素であ
り、その含有量は少ない方が好ましい。特に、0.03
重量%を超えると、前述した本発明の主眼である。P添
加を行っても耐食性劣化が著しいので、その上限を0.
03重量%とした。
【0018】(Cr)Crは本発明鋼の基本的な耐食性
を決定する重要な元素である。一般的に、その含有量の
増加と伴に耐食性は向上するが、40重量%を超えて添
加すると靱性の低下が著しく、製造性が著しく悪くな
る。一方、20重量%以下では、海岸などの塩害腐食環
境下での赤銹の発生を十分に防止することができず、本
発明の目的とした鋼板が得られないので、下限は20重
量%超とした。
【0019】(Al)Alは脱酸材として添加される
が、0.50重量%を超えて添加した場合、介在物の散
在によって加工性が低下する。また溶接時にスラグスポ
ットが生じやすくなり、特性的に好ましくないので、そ
の添加範囲を0.50重量%以下とした。
【0020】(P)Pは本発明で特に重要な元素であ
り、耐候性、耐銹性、さらに溶接部の耐銹性向上に有効
な元素である。その効果は0.06%を超えないと明確
に表われないのでその下限を0.06%超とした。一
方、0.2%を超えて添加すると耐候性、耐銹性がむし
ろ低下するとともに靭性が低下し、製造が困難となるの
でその上限を0.20%とした。
【0021】(Mo)Moは耐候性、耐銹性を改善する
添加元素であり、添加量に応じて効果があるが、4.0
重量%を超えるとその効果がほぼ飽和し不経済となるば
かりか、母材の靱性や溶接部靱性を著しく低下させるの
で、上限は4.0重量%とした。なお、好ましくは0.
1重量%以上の添加が耐食性の点からは好ましい。
【0022】(Ti、Nb、V、Zr、W、Ta、B)
Ti、Nb、V、Zr、W、Taは炭窒化物形成元素で
あり、Bは窒化物形成元素である。従って溶接時の熱影
響でのCr炭窒化物の粒界析出を抑制するとともに、溶
接時に雰囲気ガスよりピックアップされる窒素による窒
化を防ぎ、溶接部の靱性を向上させる効果がある。ま
た、本発明のように積極的なPの添加との相乗効果で、
溶接部の耐銹性が著しく改善される。添加量は、Ti、
Nb、V、W、Zr、Taについては上限は1.0重量
%であり、Bについては上限は0.01重量%とする。
さらに、その効果を得るための好ましい添加量は、各元
素を重量%で表示して次式(I)を満足する範囲でT
i、Nb、V、Zr、W、Ta、Bの添加を行うのがよ
い。 8×(C+N)≦Ti+Nb+V+Zr+W+Ta+B≦1…(I)
【0023】(Cu、Ni、Co)Cu、Ni、Co
は、耐酸性を向上し、耐候性、耐銹性改善に有効な元素
である。Cuについては1.0重量%を超えて含有させ
ると熱間延性が劣化し、応力腐食割れ感受性も高くなる
とともに、溶接部靱性が劣化するので、上限を1.0重
量%とした。Niについては5.0重量%を超えて含有
させると加工性が低下し、また溶接時にγ相が生成し、
耐銹性が劣化するので、上限を5.0重量%とした。C
oについては、1.0重量%を超えると加工性が低下す
るので、上限を1.0重量%とした。これら元素の効果
を得るには、好ましくは0.05重量%以上の含有が必
要である。
【0024】なお、その他、不可避的不純物とO、C
a、Mgなどが考えられるが、Oについては、0.01
重量%を超えると加工性と耐食性が低下するので0.0
1重量%以下が好ましい。また、Ca、Mgは製鋼段階
で炉の耐火物などより混入し易く、さらに連鋳時のモー
ルドフラックスに用いられたり、ノズル詰まり防止のた
めに有効であるが、それぞれ0.002重量%を超える
と耐候性や耐銹性を低下させる原因となるので、0.0
02重量%以下が好ましい。
【0025】本発明では上述したような化学組成におい
て所定量のPを含有することで耐候性・耐銹性に優れた
高CrのP添加フェライト系ステンレス鋼としている。
【0026】本発明鋼は、建築外装用素材や温水器缶体
など、特に耐候性と耐銹性を必要とする条件で使用され
るフェライト系ステンレス鋼に幅広く利用可能である。
また、本発明鋼は、通常の製造工程、即ち溶製−熱延−
焼鈍−酸洗−冷延−焼鈍−(酸洗)−(調質圧延)で製
造できる。さらに、本発明鋼は使用される状態が熱延焼
鈍板であろうと、冷延焼鈍板(2D、2B、BA、H
L、研磨仕上)であろうと十分にその効果は得られる。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0028】(実施例1)表1−1、1−2および1−
3に示す組成の50kg小型鋼塊を真空高周波炉で溶製
し、1250℃、1時間加熱後4mm厚の熱延板とした
後、焼鈍し熱延焼鈍板とした。この板をショットブラス
トにかけ、さらに酸洗し表面のスケールを除去後0.6
mm厚まで冷間圧延し、この板を950〜1150℃の
温度範囲で30秒間再加熱し、冷延焼鈍板とした。この
素材に対しエメリー紙で500番研磨を行った試料を用
いて海岸線から5mの距離での大気暴露試験(JIS
Z2381)、同じ試料を用いてCASS試験(JIS
−D0201)を240時間行い、発銹の程度をA→D
(A:全く発銹なし、B:発銹程度小、C:発銹程度
中、D:発銹程度大)の4ランクで評価した。
【0029】また、アノード分極曲線測定による活性態
における溶解挙動をアノード分極曲線による活性態ピー
ク電流密度で評価した。ここでアノード分極曲線の測定
は20mV/minの動電位法で行った。
【0030】なお試験方法の詳細はJISにそれぞれ準
拠したが、実環境の耐候性を調査する大気暴露試験は南
向き36度の角度の架台に15cm×10cmの大きさ
の試験片を各鋼番につき3枚ずつ用い2年間暴露し、そ
の発銹量を定量的に評価した。
【0031】図1と2に24重量%Cr鋼(表1−1中
鋼番1〜7)と24重量%Cr−2重量%Mo鋼(表1
−2中鋼番1〜8)の大気暴露試験後の発銹面積率に及
ぼすP添加の影響を示す(ただし、ここで記載した発銹
面積率とは赤銹ではなく、しみ状の発銹面積率であ
る)。P量が0.06重量%を超えると、24重量%鋼
では赤銹発生が抑制され、24重量%Cr−2重量%M
o鋼ではしみ状発銹面積率が低下し、耐候性が著しく改
善されることがわかる。しかしながら、P量0.2重量
%を超えると逆に耐候性が低下し始めることもわかる。
【0032】一方、図3、4に22重量%Cr−0.2
重量%Nb鋼の発銹面積率、耐銹性評価を示すが、Pを
0.06重量%を超えて添加することにより著しく耐候
性が改善されることがわかる。しかしながら、0.2重
量%を超えると逆に耐候性が低下しはじめる。
【0033】図5に24重量%Cr−2重量%Mo鋼に
ついて調べたアノード分極曲線から求めた活性態ピーク
電流密度に及ぼすPの影響を示す。これらの結果からも
同様に0.06重量%を超え0.2重量%以下のPの添
加で最も活性態ピーク電流密度が低い領域があることが
わかる。なお、図中の番号は表1−2の鋼番を示す。
【0034】2年間の大気暴露試験結果、240時間の
CASS試験による評価を表2(2−1−1,2−1−
2,2−2)に示すが、ここで大気暴露試験については
赤サビ発生の有無(○:発生なし、×:赤サビ発生)
で、CASS試験については図4と同じ評価である。ま
た、溶接部の耐食性は、1000時間浸漬後の貫通孔の
有無で評価するとともに、溶接部の靱性をシャルピー衝
撃試験(−20℃、0℃)で評価した。結果を同様に表
2に示す。 注)大気暴露試験 ○:赤銹発生なし ×:赤銹発生 溶接部耐食性 1000時間浸漬後の貫通孔の有無 ○:無 ×:有 溶接部靱性 ○:延性破面 △:延性、脆性混在
×:脆性破面
【0035】図6に24重量%Cr−0.1重量%P鋼
の大気暴露試験後の発銹面積率に及ぼすMoの影響を同
様に示す。Moの増加により発銹面積率が低下するが、
0.5重量%添加で、添加前の約1/2となることがわ
かる。
【0036】さらに、26重量%Cr鋼ベース(C/
0.003〜0.008重量%、N/0.006〜0.
007重量%、他成分Sは本発明鋼成分)にP、Nb、
Ti、V、Zr、Bを変化させた50kg小型鋼塊(高
周波真空溶解)を熱延、焼鈍、ショット、酸洗、冷延、
焼鈍し、板厚1.0mmの板とした。さらに鋼板表面を
エメリー500番で研磨し、TIG溶接により突き合わ
せ溶接を行った。この溶接部を80℃、(1160pp
mCl- +800ppmCu++)を含んだ水溶液中(p
H3.5)で10日間浸漬試験を行った。その時に試験
片に生じた最大孔食深さを図7に示すが、Nb、Ti、
V、Zr、Bを適性量添加し、Pを0.06重量%超
0.2重量%以下添加することにより著しく溶接部の耐
銹性が改善されることがわかる。すなわち、Pと(N
b、Ti、V、Zr、W、Ta、B)の複合添加により
著しく溶接部耐銹性が改善されることがわかる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
るので、本発明に準拠して溶製した成分系のフェライト
系ステンレス鋼は、耐候性、耐銹性、さらに溶接部特性
に優れ、しかも安価に製造可能というメリットがあり、
産業上有用な効果がもたされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】24%Cr鋼において、Pの添加が発銹面積率
に及ぼす影響を示す図である。
【図2】24%Cr−2%Mo鋼において、Pの添加が
発銹面積率に及ぼす影響を示す図である。
【図3】P量の耐候性に及ぼす影響を示す図である。
【図4】P量の耐銹性に及ぼす影響を示す図である。
【図5】24%Cr−2%Mo鋼において、Pの添加が
活性態ピーク電流密度に及ぼす影響を示す図である。
【図6】24%Cr−0.1%P鋼において、Moの添
加が発銹面積率に及ぼす影響を示す図である。
【図7】P量の溶接部耐銹性に及ぼす影響を示す図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 吉 岡 啓 一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 蓮 野 貞 夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平1−306237(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%において、 C :0.02%以下, Si:1.0%以下,M
    n:1.0%以下, S :0.03%以下,C
    r:20%超〜40%, N :0.015%以下,A
    l:0.5%以下, P :0.06%超〜0.2
    0%以下 を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる耐
    候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェライト系ステ
    ンレス鋼。
  2. 【請求項2】さらにMo:4.0%以下を含有する請求
    項1に記載の耐候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フ
    ェライト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】さらにTi:1.0%以下,Nb:1.0
    %以下,Ta:1.0%以下,V:1.0%以下,W:
    1.0%以下,Zr:1.0%以下およびB:0.01
    %以下の1種または2種以上を含有する請求項1に記載
    の耐候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェライト系
    ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】さらにCu:1.0%以下,Ni:5.0
    %以下,およびCo:1.0%以下の1種または2種以
    上を含有する請求項1に記載の耐候性、耐銹性に優れた
    高Cr,P添加フェライト系ステンレス鋼。
  5. 【請求項5】Mo:4.0%以下を含有し、さらにT
    i:1.0%以下,Nb:1.0%以下,Ta:1.0
    %以下,V:1.0%以下,W:1.0%以下,Zr:
    1.0%以下およびB:0.01%以下の1種または2
    種以上を含有する請求項1に記載の耐候性、耐銹性に優
    れた高Cr,P添加フェライト系ステンレス鋼。
  6. 【請求項6】Mo:4.0%以下を含有し、さらにC
    u:1.0%以下,Ni:5.0%以下,およびCo:
    1.0%以下の1種または2種以上を含有する請求項1
    に記載の耐候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェラ
    イト系ステンレス鋼。
  7. 【請求項7】さらに、Ti:1.0%以下,Nb:1.
    0%以下,Ta:1.0%以下,V:1.0%以下,
    W:1.0%以下,Zr:1.0%以下およびB:0.
    01%以下の1種または2種以上とCu:1.0%以
    下,Ni:5.0%以下,およびCo:1.0%以下の
    1種または2種以上を含有する請求項1に記載の耐候
    性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェライト系ステン
    レス鋼。
  8. 【請求項8】Mo:4.0%以下を含有し、さらにT
    i:1.0%以下,Nb:1.0%以下,Ta:1.0
    %以下,V:1.0%以下,W:1.0%以下,Zr:
    1.0%以下およびB:0.01%以下の1種または2
    種以上とCu:1.0%以下,Ni:5.0%以下,お
    よびCo:1.0%以下の1種または2種以上を含有す
    る請求項1に記載の耐候性、耐銹性に優れた高Cr,P
    添加フェライト系ステンレス鋼。
JP5032047A 1992-02-25 1993-02-22 耐候性、耐銹性に優れた高Cr,P添加フェライト系ステンレス鋼 Expired - Fee Related JP2675957B2 (ja)

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