JP3508698B2 - 耐初期発錆性に優れた土木・建築構造用ステンレス熱延鋼帯 - Google Patents

耐初期発錆性に優れた土木・建築構造用ステンレス熱延鋼帯

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JP3508698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐初期発錆性に優れ
た土木・建築構造用ステンレス熱延鋼帯に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】土木・建築構造用材料としては、従来、
主に SS400等の普通鋼、SM490 等の高張力鋼およびこれ
らの鋼材に塗装やめっきを施した材料が使用されてき
た。
【0003】しかしながら、近年、設計の多様化に伴
い、各種材料の利用が検討され始めている。なかでも、
耐食性や意匠性に優れたステンレス鋼は、発錆に対する
保守費用がほとんど必要ないため、ライフサイクルコス
ト(LCC)の観点から見ると、極めて魅力的な材料と
いえる。
【0004】特に、海岸地帯に建設される建築物は、短
寿命なことに加え、腐食抑制のための保守費用が増大す
るという問題を抱えており、またウォーターフロント開
発を推進する上でも、溶接性と耐食性、特に耐初期発錆
性に優れた土木・建築構造用耐食性機能材としてのステ
ンレス鋼の役割が大いに期待されている。
【0005】ステンレス鋼は、その金属組織から、SUS4
30に代表されるフェライト系ステンレス鋼、SUS410鋼に
代表されるマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS304に代
表されるオーステナイト系ステンレス鋼、SUS329鋼に代
表される2相ステンレス鋼およびSUS630に代表される析
出硬化型ステンレス鋼に大別される。
【0006】このような各種ステンレス鋼の中で、従来
から土木・建築構造用材料として検討されてきたのは、
材料強度、耐食性、溶接の容易さ、溶接部靱性および汎
用性を含めて使用実績が最も多い、オーステナイト系ス
テンレス鋼である。
【0007】オーステナイト系ステンレス鋼は、強度、
耐食性、耐火性および溶接部靱性等の土木・建築用材料
に要求される特性を十分に満足する特性を有している。
【0008】しかしながら、このオーステナイト系ステ
ンレス鋼は、 1) NiやCr等の合金元素を多量に含有しているために、
普通鋼に比べると格段に高価であること、 2) 応力腐食割れを生じること、 3) 熱膨張率が普通鋼に比べて大きく、また熱伝導度が
比較的小さいために、溶接時の熱影響に起因した歪みが
蓄積し易く、精度を要求される部材等には適用が難しい
こと、などのため、普通鋼やこれに塗装やめっきを施し
た材料が使用されていた汎用構造材への適用は難しく、
適用範囲が制限されるという問題があった。
【0009】このため、最近では、めっきや塗装を施し
た普通鋼の代替として、Cr含有量が15mass%以下の低Cr
含有合金鋼及びその塗装鋼板の土木・建築用鋼材への適
用が検討されつつある。
【0010】一般に、土木・建築構造材に使用されるス
テンレス鋼は、熱間圧延時に表層に形成される、いわゆ
る黒皮と呼ばれる酸化物スケール層を除去するため、通
常は、熱間圧延後に酸洗処理を行うのが普通であるが、
最近では、前記ステンレス鋼をできるだけ安価に提供す
るため、酸洗処理を行わずに酸化物スケール層が付着し
たままの状態で使用することも検討され始めている。酸
化物スケール層が付着したままの状態で使用することの
利点としては、酸洗処理工程を省略できるので製造コス
トの削減が図れることのほか、酸洗材で目立つ赤錆やし
み錆が酸化物スケール層の存在によって目立たなくなる
といったこともある。
【0011】また、ステンレス鋼の耐食性改善に関して
は、例えば、特開平11−302796号公報や特開平11−3027
97号公報に記載されている。これらの公報に記載された
ステンレス鋼はいずれも、鋼中の炭素と窒素の含有量の
総和を0.1mass %以下に制限したうえで,NiやCuの合金
元素の1種若しくは2種を0.1mass %以上、1.0mass%
未満で含有させることが耐食性を改善するための必須の
構成となっている。
【0012】しかしながら、鋼中にNiやCuの合金元素を
添加することは、製品コストの増加をもたらすため好ま
しくなく、また、上掲公報に記載されたステンレス鋼の
耐食性の改善はいずれも、ステンレス鋼の全般的な耐食
性の改善を意味したものであって、土木・建築構造用の
ステンレス鋼が、例えば出荷時や雨曝しになる現場施工
時の初期発錆を防止することを意図したものではなかっ
た。
【0013】また、ステンレス鋼の耐食性、溶接性及び
溶接部靭性を改善するための手段としては、高純度化を
図って鋼中の介在物の生成を抑制したり、あるいは、鋼
中にNbやTiを添加して炭素や窒素を炭化物や窒化物とし
て固定することが有効であり、かかる手段によって製造
した種々のステンレス鋼が開発されており、例えば、特
開昭60−13060 号公報には、炭素・窒素安定化元素のNb
を適量添加することによって耐食性の改善を図り、さら
にMo、Ni、Cuを添加するとより一層の耐食性の改善を図
ったステンレス鋼が開示されている。
【0014】しかしながら、鋼中のCやN等の低減を図
ることによって高純度化を図ったり、合金元素を添加す
ることは、コストの増加を招くことになり、また、高純
度化を図るには高精度な精錬を行う必要があり製造上の
限界もあった。
【0015】そのため、土木・建築構造用のステンレス
鋼の、例えば出荷時や雨曝しになる現場施工時におい
て、特に高純度化や合金元素を添加するなどによる鋼組
成を変更することなく、安価でかつ簡便に初期発錆を防
止できる手段を開発する必要があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記したような従来技術における問題点を解決し、耐初期
発錆性に優れた土木・建築構造用ステンレス熱延鋼帯を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記した目
的を達成するために、酸化物スケール層の残存した熱延
鋼帯に着目し、この酸化物スケール層の上層に適正な油
の層を形成することによって、鋼中の成分や熱処理等の
製造条件を厳密に制御することなく、特に出荷時や雨曝
しになる現場施工時の初期発錆が著しく抑制されること
を見出したものであり、しかも、この手段は、安価でか
つ簡便に行うことができる。
【0018】この発明は、上記知見に基づいて、さらに
検討を加えることによって完成させたものである。すな
わち、この発明の要旨構成は次のとおりである。 1.Cr:8mass%超え、15mass%未満 C: 0.0025 mass%超え、0.03mass%未満 N: 0.0025 mass%超え、0.03mass%未満 S: 0.03 mass%未満 Mn: 0.5 mass %超え、3.0 mass%未満 Al: 0.5 mass %未満 P: 0.04 mass%未満 Si: 0.1mass%超え、2.0 mass%未満 を含有し、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物の組
成になり、かつ、表面に形成される酸化物スケール層を
残したまま、この酸化物スケール層上に1〜100g/m2
の油を塗布して油層を形成することを特徴とする耐初
期発錆性に優れた土木・建築構造用ステンレス熱延鋼
帯。
【0019】2.上記1において、前記油層を形成する
ための油は、塗布時の動粘度が40℃で1.5 ×10-6〜10×
10-62/sであることを特徴とする耐初期発錆性に優れ
た土木・建築構造用ステンレス熱延鋼帯。
【0020】3.上記1又は2において、さらに Cu:3.0 mass%未満、 Mo:3.0 mass%未満およびNi:3.0 mass%未満 のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する組成にな
ることを特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構
造用ステンレス熱延鋼帯。
【0021】4.上記1、2又は3において、さらに Co:0.01mass%以上、0.5 mass%未満、 V:0.01mass%以上、0.5 mass%未満およびW:0.001
mass%以上、0.05mass%未満 のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する組成にな
ることを特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構
造用ステンレス熱延鋼帯。
【0022】5.上記1〜4のいずれか1項において、
さらに B:0.0002〜0.002 mass%を含有する組成になることを
特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構造用ステ
ンレス熱延鋼帯。
【0023】6.上記1〜5のいずれか1項において、
さらに Ti:0.7 mass%未満、 Nb:0.7 mass%未満、 Ta:0.7 mass%未満およびZr:0.5 mass%未満 のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する組成にな
ることを特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構
造用ステンレス熱延鋼帯。
【0024】尚、この発明でいう「ステンレス熱延鋼
帯」の概念には、ステンレス鋼を熱間圧延することによ
って得られる長尺の熱延鋼帯のほか、該鋼帯を切り出し
た熱延鋼板を含めることとする。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、この発明において、上記要
旨構成の通りに限定した理由について説明する。
【0026】Cr:8mass%超え、15mass%未満 Crは、耐食性の改善に有効な元素であるが、その含有量
が8mass%以下では十分な耐食性の確保が難しい。ま
た、Crはフェライト相(α相)安定化元素であるため、
15mass%以上の添加は加工性の低下を招くだけでなく、
オーステナイト相(γ相)の安定性を低下させることに
なって、焼入れ時に所定量のマルテンサイト相を確保で
きなくなるため、溶接部強度が低下する。従って、この
発明では、Cr含有量は、8mass%超え、15mass%未満と
した。尚、耐錆性、加工性及び溶接性を兼備する上で特
に好ましいCr含有量の範囲は10.0〜13.5mass%である。
【0027】C及びN:ともに 0.0025 mass%超え、0.
03mass%未満 溶接熱影響部の靱性および加工性の改善および溶接割れ
防止には、従来から知られているとおり、C,Nの低減
が有効である。またC,Nは、マルテンサイト相の硬さ
にも大きな影響を及ぼすだけでなく、(Fe,Cr)23C6 ,(F
e,Cr)7C3 ,(Fe,Cr)3C ,(Fe,Cr)2N ,(Fe,Cr)などのよう
なFe−Cr系の炭化物や窒化物を形成し、Cr欠乏相に伴う
耐食性劣化の原因にもなり、C及びNの含有量のそれぞ
れが0.03mass%以上の場合に炭化物等の形成が顕著にな
ることから、C及びNの含有量は、いずれも0.03mass%
未満とした。ただし、この発明の鋼組成範囲において、
C及びN含有量の低減は溶接部特性や加工性、耐食性等
の改善には有効ではあるが、C及びNの含有量をそれぞ
れ0.0025mass%以下にすることは、精錬負荷を増大させ
ることになるため、従って、C及びNの含有量は、いず
れも0.0025mass%超え、0.03mass%未満とした。尚、C
及びNの含有量は、いずれも 0.005〜0.02mass%とする
ことがより好適である。
【0028】S: 0.03 mass%未満 Sは、Mnと結合してMnSを形成し、初期発錆起点とな
る。またSは、結晶粒界に偏析して粒界脆化を促進する
有害元素でもあるので、極力低減することが好ましい。
特にS含有量が0.03mass%以上になると、その悪影響が
顕著になるので、Sの含有量は0.03mass%未満、より好
ましくは 0.006mass%以下に抑制するものとした。
【0029】Mn: 0.5 mass %超え、3.0 mass%未満 Mnは、オーステナイト相(γ相)安定化元素であり、溶
接熱影響部組織をマルテンサイト組織として溶接部靱性
の改善に有効に寄与する。また、Mnは、Siと同様、脱酸
剤としても有用な元素であり、Mn含有量が 0.5mass%以
下だと、十分な脱酸剤としての効果が得られないので、
Mn含有量は0.5mass %超えとした。一方、 3.0mass%以
上の過剰の添加は、加工性の低下やMnS の形成による耐
食性の低下を招くので、Mn含有量は 3.0mass%未満に制
限した。尚、Mn含有量は、0.7 〜1.5 mass%の範囲にす
ることがより好適である。
【0030】Al: 0.5 mass %未満 Alは、脱酸剤として有用な元素であるばかりでなく、溶
接部の靱性向上にも有効に寄与するが、その含有量が
0.5mass%以上となると介在物が多くなって機械的性質
の劣化を招くので、Al含有量は 0.5mass%未満に限定し
た。尚、MnやSiを所定量含有させる場合には、脱酸はそ
れで十分なので、Alは特に鋼中に含有されていなくても
よい。
【0031】P: 0.04 mass%未満 Pは、熱間加工性、成形性及び靱性を低下させるだけで
なく、耐食性に対しても有害な元素であり、特にP含有
量が0.04mass%以上になると、その影響が顕著になるの
で、P含有量は0.04mass%未満に抑制するものとした。
尚、P含有量は0.025mass %以下にすることがより好適
である。
【0032】Si: 0.1mass%超え、2.0 mass%未満 Siは、脱酸剤として有用な元素であるが、その含有量が
0.1mass%以下では十分な脱酸効果が得られず、一方、
2.0mass%以上の過剰添加は靱性や加工性の低下を招く
ので、Si含有量は 0.1 mass %超え、2.0 mass%未満と
した。尚、Si含有量は、0.3 〜0.5 mass%とすることが
より好適である。
【0033】以上、この発明に従うステンレス鋼中に含
有する必須成分について説明したが、この発明では、そ
の他にも以下に述べる各種元素を適宜含有させることが
できる。
【0034】Cu:3.0 mass%未満 Cuは、オーステナイト安定化元素であり、耐食性を向上
させるとともに、オーステナイト相を形成させ、溶接熱
影響部での粒成長を抑制し、靭性改善に有効な元素であ
る。ただし、Cu含有量が3.0 mass%以上になると、脆
化、特に熱間割れの感受性が強くなる傾向があることか
ら、Cu含有量は3.0mass%未満の範囲にすることが好ま
しい。尚、Cu含有量は、耐食性改善効果を顕著に発揮す
るようになる0.1 mass%を下限とし、熱間割れ感受性が
強くなる傾向がある0.6 mass%を上限とすることがより
好適である。
【0035】Mo:3.0 mass%未満 Moも、Cuと同様に耐食性の改善に有効な元素である。し
かしながら、Mo含有量が3.0 mass%以上だと、オーステ
ナイト相の安定性が低下して、靱性や加工性が低下する
傾向があるので、Mo含有量は3.0 mass%未満の範囲にす
ることが好ましい。尚、耐食性と加工性のバランスとい
う観点からは、Mo含有量は 0.1〜0.5 mass%の範囲にす
ることがより好適である。
【0036】Ni:3.0 mass%未満 Niは、延性や靭性を向上させる元素であり、特に溶接熱
影響部の靭性を向上させる必要がある場合には添加する
ことが好ましい。ただし、Ni含有量が3.0 mass%以上に
なると、反対に素材を硬質化するとともにその効果が小
さくなる傾向があるため、Ni含有量は3.0 mass%未満の
範囲にすることが好ましい。また、Niは酸化物スケール
層に濃化して耐錆性改善効果も有するため、耐錆性改善
効果を顕著に発揮させる必要がある場合には、Ni含有量
は0.1 mass%以上にすることが好ましい。
【0037】Co:0.01mass%以上、0.5 mass%未満、
V:0.01mass%以上、0.5 mass%未満、W:0.001 mass
%以上、0.05mass%未満 Co,V及びWは、高価なCr,Ni,Mo等を多量に添加した
り、C,Nを極端に低減することなしに、鋼の耐初期発
錆性の改善に有効な元素であり、必要に応じて適宜添加
することができる。Co,V及びWの含有量はそれぞれ、
上記改善効果が顕在化する0.01mass%, 0.01mass%,
0.001 mass %とすることが好ましい。また、V及びW
の含有量のそれぞれは、 0.5mass%以上及び 0.05mass
%以上になると、炭化物の析出によって素材の硬質化が
顕著になる傾向があるので、それぞれ 0.5mass%未満及
び0.05mass%未満に制限することが好ましく、Co含有量
は、0.5mass%以上だと、鋼の硬質化を招くおそれがあ
るため 0.5mass%未満に制限することが好ましい。尚、
より好適には、Co含有量が0.03〜0.2 mass%、V含有量
が0.05〜0.2 mass%、そして、W含有量が0.005 〜0.02
mass%である。
【0038】B:0.0002〜0.002 mass% Bは、鋼の焼入れ性改善に有効な元素である。しかしな
がら、B含有量が0.0002mass%未満では十分な上記改善
効果が得られず、また、0.002 mass%を超える場合に
は、却って素材が硬くなり、靭性や加工性を損なう傾向
があるため、B含有量は0.0002〜0.002 mass%とするこ
とが好ましい。尚、B含有量は0.0005〜0.001mass %で
あることがより好適である。
【0039】Ti:0.7 mass%未満、Nb:0.7 mass%未
満、Ta:0.7 mass%未満、Zr:0.5 mass%未満 Ti、Nb、Ta及びZrはいずれも、炭窒化物形成元素であ
り、溶接時や熱処理時にCr炭窒化物の粒界析出を抑制し
て、耐食性の向上に有効に作用する。また、Tiは、焼入
れ性の改善にも有効な元素である。しかしながら、Ti,
Nb,Ta含有量は 0.7mass%以上、またZr含有量は 0.5ma
ss%以上になると、素材が硬質化する傾向があるため、
Ti、Nb及びTaの含有量はいずれも0.7 mass%未満、Zr含
有量は0.5mass%未満とすることが好ましい。尚、Ti、N
b、Ta及びZrの含有量の好適範囲は、いずれも0.01〜0.3
mass%である。
【0040】残部Feおよび不可避的不純物 上述した鋼組成成分以外の残部は、Feおよび不可避的不
純物である。不可避的不純物としては、例えばO含有量
が0.010 mass%以下の範囲であることが容認される。
【0041】また、この発明の構成上の主な特徴は、上
記鋼組成に限定した上で、主に熱間圧延段階で表面に形
成される酸化物スケール層を残したまま、この酸化物ス
ケール層上に1〜100 g/m2 の油を塗布して油層を形
成することにあり、この構成を採用することによって、
例えば出荷時や雨曝しになる現場施工時において、特に
高純度化や合金元素を添加するなどによる鋼組成を変更
することなく、安価でかつ簡便に初期発錆を有効に防止
することができる。
【0042】前記油層は、主に市販の防錆を目的とした
油や機械の潤滑に用いられる作動油、潤滑油、切削油、
ワックス、グリース等や、これらを含む水溶性の防錆剤
を塗布することによって形成することが好ましい。尚、
この発明でいう油とは、主成分が鉱物油、有機カルボン
酸塩、有機アミン、その他無機物等であり、油に防錆添
加剤を含んだものの総称を意味する。
【0043】防錆添加剤は、極性基(-NH2, -OH, -CH=C
H2-COOH 等)をもっており、その極性基が金属面に緻密
に配列しその上に基油(鉱物油等)の炭化水素が重なり
合って、酸素、塩素イオン、水、金属粉末その他錆の生
成要因を阻害し錆の発生を抑制すると考えられている。
【0044】そして、前記油層を前記酸化物スケール層
上に形成することとしたのは以下の理由による。
【0045】すなわち、この発明の目的は、ステンレス
鋼の表面に酸化物スケール層を残存させたままの状態
で、鋼組成の成分や製造条件を変更することなく、耐初
期発錆性を有効に向上させることにあるが、発明者らが
鋭意検討した結果、酸化物スケール層上に適正量の油を
塗布して油層を形成すれば、耐初期発錆性が顕著に改善
されることがわかった。
【0046】一般に、熱間圧延後に酸洗処理を行うこと
によって酸化物スケール層を除去した平滑な表面を有す
るステンレス鋼の表面に防錆油を塗布すると、鋼表面が
外界と直接接触するのを回避できるため、耐初期発錆性
は当然向上するはずであるが、酸化物層を除去した表面
の場合には、油を塗布しても、表面が平滑であるため、
油が表面から流れ落ちて十分な膜厚の油層を鋼表面上に
形成することは難しく、また、十分な膜厚の油層を形成
しようとするには、多量の油を塗布する必要が生じた。
【0047】一方、表面に酸化物スケール層が残存する
ステンレス鋼の場合には、酸化物スケールはある程度の
凹凸やポーラスを有するので、かかるステンレス鋼の表
面に油を塗布しても、油が表面から流れ落ちにくく、十
分な膜厚の油層を形成することが容易になり、さらに、
酸化物スケール層中のポーラスな部分やクラック欠陥部
分に油が浸透し、前述したように少ない油の量で充分な
耐錆性が確保できる。このような油層と酸化物スケール
層の相互に耐初期発錆性を補完し合う作用によって、耐
初期発錆性を有効に向上させることができることを見出
し、この発明を完成させることに成功したのである。
【0048】また、酸化物スケール層上に油を塗布した
ステンレス鋼板は、仮に鋼板表面に錆が生じたとしても
スケールの色と相俟って、酸化物スケール層を除去した
(白皮)酸洗板に比べ錆が目立ちにくいという利点もあ
る。
【0049】また、油層を形成するための油の塗布量
は、油の種類(粘性や防錆効果等)によっても大きく異
なるが、いずれの種類の油の層とも、その塗布量が1g
/m2以上であれば十分な耐初期発錆性が得られるが、
前記塗布量が100 g/m2 を超えた場合には、耐初期発
錆性の向上効果が飽和するとともに塗布した油が流れ、
歩留りが著しく低下するという欠点が生じるため、前記
塗布量は1〜100 g/m 2 の範囲とした。
【0050】図1は、酸化物スケール層が残存したまま
の表面を有し、この酸化物スケール層上に塗布量の異な
る防錆油(主成分:アクリル変性アルキド樹脂、アルカ
ノールアミン、特殊脂肪酸及び水、動粘度:3.0 ×10-6
2/s)を塗布した種々のステンレス鋼について、大気
暴露試験を20日間行った後の錆発生率(%)を測定した
ときの結果を示したものであるが、この図から、前記塗
布量を1g/m2 以上にすれば、錆の発生が十分に抑制
されていることがわかる。
【0051】また、実際の作業性や歩留まりを考慮した
場合、前記油層を形成するために塗布する油の動粘度を
考慮することが好ましく、具体的には、塗布時の動粘度
が40℃で1.5 ×10-6〜10×10-62/sであることが好適
である。
【0052】前記動粘度が10×10-62/sよりも高い
と、油をノズル等で噴霧することによって酸化物スケー
ル層上に塗布する場合には、ノズル詰まりを起こし、油
の塗布作業が頻繁に中断するおそれがあるからであり、
また、油をロールや刷毛等を用いる手作業によって酸化
物スケール層上に塗布する場合には、均一に油が広がら
ず、十分な膜厚の油層を形成しようとすると大量の油が
必要となるため、経費がかかるほか、作業性が悪くなる
等の問題が生じるからである。
【0053】一方、前記動粘度が1.5 ×10-62/sより
も低いと、油は酸化物スケール層上に均一に塗布できる
ものの、塗布した油がそのままの位置に止まらずに流れ
やすくなり、十分な膜厚の油層を形成しようとすると、
大量の油が必要となるため、経費がかかるからである。
【0054】このようなことから、前記油層を形成する
ための油は、塗布時の動粘度が40℃で1.5 ×10-6〜10×
10-62/sであることが好ましい。
【0055】次にこの発明のステンレス鋼の好適な製造
方法の一例について説明する。まず、上記鋼成分組成に
調整した溶鋼を、転炉または電気炉等の通常公知の溶製
炉にて溶製したのち、真空脱ガス法(RH法)、VOD
法、AOD法等の公知の精錬方法で精錬し、ついで連続
鋳造法あるいは造塊法でスラブ等に鋳造して、鋼素材と
するのが好適である。
【0056】次いで、鋼素材は加熱され、熱間圧延工程
により熱延鋼板とされる。熱間圧延工程における加熱温
度は特に限定されないが、加熱温度が高すぎると結晶粒
の粗大化を招き、靱性、加工性を劣化させるので、加熱
温度は1300℃以下とするのが好ましい。
【0057】また、熱間圧延工程では所望の板厚の熱延
鋼板とすることができればよく、熱間圧延条件は特に限
定されないが、熱間圧延の仕上げ温度は 700℃以上とす
ることが、強度及び靱性を確保する点から好ましい。
【0058】しかしながら、加工性や延性、さらには良
好な表面性状が要求される場合には、熱間圧延における
仕上げ温度は 820℃以上、1000℃以下とするのが好まし
い。
【0059】また、巻き取り温度は、500 〜800 ℃の範
囲にするのが好ましい。
【0060】熱間圧延終了後に、軟質化のために熱延板
焼鈍を施すのが好ましい。この熱延板焼鈍は、焼鈍温
度:600 〜1100℃、保持時間:0.01〜20hとするのが、
軟質化のみならず、加工性の改善及び延性の確保の観点
から好ましい。
【0061】尚、熱延板にマルテンサイト組織が生成す
る場合には、熱延板焼鈍後、 600〜730 ℃の温度範囲を
50℃/h以下の冷却速度で徐冷するのが、軟質化の面でよ
り好ましい。
【0062】その後、徐冷後、表面に形成される酸化物
スケール層を残したまま、この酸化物スケール層上に1
〜100 g/m2 の油をノズルを用いた噴霧等によって塗
布することによって油層を形成し、最終製品であるステ
ンレス鋼帯を得ることができる。 尚、上述したところ
は、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求
の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0063】
【実施例】表1に示す組成の溶鋼を、転炉−2次精錬工
程で溶製し、連続鋳造法でスラブとした後、1200℃に再
加熱し、最終粗圧延の圧下率を30〜45%とする6パスの
粗圧延を施した後、最終仕上温度が840 〜990 ℃となる
7パスの仕上げ圧延により、4.2mm の熱延鋼板とした。
これら熱延鋼板に、650 〜950 ℃の温度範囲で熱延板焼
鈍を施した後、表面に表2に示す塗布量及びの溶剤希釈
型の防錆油(主成分は鉱物油)をノズルを用いた噴霧に
よって塗布し、大気暴露試験及び塩水噴霧試験を行い、
耐初期発錆性を評価した。表2に、その評価結果を示
す。
【0064】大気暴露試験は、JIS Z 2381に準拠し、護
岸壁から5mの位置、南向き地面に対して36度の傾きで
暴露する条件により行った。尚、表2では、赤錆発生面
積が5%以下のとき、耐初期発錆性が良好であるとし
た。
【0065】塩水噴霧試験は、JIS Z 2371に準拠し、5
%NaCl溶液、pH6.5〜7.2 、温度35℃± 2℃の条件によ
り行った。
【0066】また、ノズル詰まりの発生の有無、及び酸
化物スケール層上の油の定着率(%)についても併せて
調べたので表2に併記する。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表2に示す結果から、発明例はいずれも、
酸洗板(白皮)である比較例(サンプルNo.44 及び45)
とほぼ同等な耐初期発錆性に優れているのがわかる。一
方、油の塗布量がこの発明の適正範囲外である比較例
は、サンプルNo.44 及び45を除いて、耐初期発錆性が劣
っている。尚、比較例であるサンプルNo.44 及び45は、
酸洗処理工程を行うため、作業性及びコスト性が劣って
いる。
【0070】
【発明の効果】この発明によれば、表面に酸化物スケー
ル層が残ったままで、適正量の油を塗布することによっ
て、例えば出荷時や雨曝しになる現場施工時において、
特に高純度化や合金元素を添加するなどによる鋼組成や
製造条件を変更することなく、安価でかつ簡便に耐初期
発錆性に優れる土木・建築構造用のステンレス鋼の提供
が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化物スケール層上に塗布量の異なる防錆油
を塗布した種々のステンレス鋼について、大気暴露試験
を20日間行った後の錆発生率(%)を測定したときの結
果を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−241801(JP,A) 特開 平8−259979(JP,A) 特開 平11−302800(JP,A) 特開 平7−118806(JP,A) 特開2000−1912(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/00 - 49/14 C23F 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr:8mass%超え、15mass%未満 C: 0.0025 mass%超え、0.03mass%未満 N: 0.0025 mass%超え、0.03mass%未満 S: 0.03 mass%未満 Mn: 0.5 mass %超え、3.0 mass%未満 Al: 0.5 mass %未満 P: 0.04 mass%未満 Si: 0.1mass%超え、2.0 mass%未満 を含有し、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物の組
    成になり、かつ、表面に形成される酸化物スケール層を
    残したまま、この酸化物スケール層上に1〜100g/m2
    の油を塗布して油層を形成することを特徴とする耐初
    期発錆性に優れた土木・建築構造用ステンレス熱延鋼
    帯。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記油層を形成する
    ための油は、塗布時の動粘度が40℃で1.5 ×10-6〜10×
    10-62/sであることを特徴とする耐初期発錆性に優れ
    た土木・建築構造用ステンレス熱延鋼帯。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、さらに Cu:3.0 mass%未満、 Mo:3.0 mass%未満およびNi:3.0 mass%未満 のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する組成にな
    ることを特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構
    造用ステンレス熱延鋼帯。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3において、さらに Co:0.01mass%以上、0.5 mass%未満、 V:0.01mass%以上、0.5 mass%未満およびW:0.001
    mass%以上、0.05mass%未満 のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する組成にな
    ることを特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構
    造用ステンレス熱延鋼帯。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において、
    さらにB:0.0002〜0.002 mass%を含有する組成になる
    ことを特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構造
    用ステンレス熱延鋼帯。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において、
    さらに Ti:0.7 mass%未満、 Nb:0.7 mass%未満、 Ta:0.7 mass%未満およびZr:0.5 mass%未満 のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する組成にな
    ることを特徴とする耐初期発錆性に優れた土木・建築構
    造用ステンレス熱延鋼帯。
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