JP3267170B2 - 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた780MPa級高張力鋼 - Google Patents
耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた780MPa級高張力鋼Info
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- JP3267170B2 JP3267170B2 JP25289696A JP25289696A JP3267170B2 JP 3267170 B2 JP3267170 B2 JP 3267170B2 JP 25289696 A JP25289696 A JP 25289696A JP 25289696 A JP25289696 A JP 25289696A JP 3267170 B2 JP3267170 B2 JP 3267170B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄塔、橋梁、建築
物などの防錆のために、溶融亜鉛メッキを施される低合
金高張力鋼に関する。
物などの防錆のために、溶融亜鉛メッキを施される低合
金高張力鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄塔、橋梁、建築物の防錆のため、それ
らに用いられる鋼材を構造部材に溶接した後、溶融亜鉛
メッキするという方法が広く使用されてきた。その際、
溶接熱影響部に割れが発生する場合がある。いわゆる、
液体金属脆化によるものである。
らに用いられる鋼材を構造部材に溶接した後、溶融亜鉛
メッキするという方法が広く使用されてきた。その際、
溶接熱影響部に割れが発生する場合がある。いわゆる、
液体金属脆化によるものである。
【0003】この割れを防止するために、精力的な研究
がなされてきた。それらの成果が鉄と鋼vol.79
(1993)p.1108−p.1114にまとめられ
ている。この文献はファブリケーターと鉄鋼4社で共同
執筆されたものであり、現在のところ公表された技術の
中で信頼がおける最先端のものと位置づけられている。
この論文では、鋼中の混入ボロンの影響について詳細に
述べており、Bは2ppm以下で、かつCEZmod=
C+Si/17+Mn/7.5+Cu/13+Ni/1
7+Cr/4.5+Mo/3+V/1.5+Nb/2+
Ti/4.5+420B≦0.44%を満たせば引張強
度(TS)590MPa級の鋼では、溶接後の溶融亜鉛
メッキ割れが発生しないということを明らかにしてい
る。
がなされてきた。それらの成果が鉄と鋼vol.79
(1993)p.1108−p.1114にまとめられ
ている。この文献はファブリケーターと鉄鋼4社で共同
執筆されたものであり、現在のところ公表された技術の
中で信頼がおける最先端のものと位置づけられている。
この論文では、鋼中の混入ボロンの影響について詳細に
述べており、Bは2ppm以下で、かつCEZmod=
C+Si/17+Mn/7.5+Cu/13+Ni/1
7+Cr/4.5+Mo/3+V/1.5+Nb/2+
Ti/4.5+420B≦0.44%を満たせば引張強
度(TS)590MPa級の鋼では、溶接後の溶融亜鉛
メッキ割れが発生しないということを明らかにしてい
る。
【0004】特開平2−57669号は、このような技
術に関する提案であるが、その他にも溶接熱影響部の割
れを防止する技術として特開昭58−84959号、特
開昭59−11316号等多数の提案がある。
術に関する提案であるが、その他にも溶接熱影響部の割
れを防止する技術として特開昭58−84959号、特
開昭59−11316号等多数の提案がある。
【0005】しかし、溶融亜鉛メッキにより、鋼材のボ
ルト穴加工部から割れの発生する場合もあるが、その防
止技術についての提案は少ないのが現状である。
ルト穴加工部から割れの発生する場合もあるが、その防
止技術についての提案は少ないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高張力鋼の成分設計で
は、一般に焼入性を高める元素や析出強化する元素が添
加されている。しかし、添加元素のほとんどすべては耐
溶融亜鉛メッキ割れ性を劣化させてしまうので、高強度
を確保し、且つ亜鉛メッキ割れが発生しない鋼を開発す
るのは困難とされてきた。
は、一般に焼入性を高める元素や析出強化する元素が添
加されている。しかし、添加元素のほとんどすべては耐
溶融亜鉛メッキ割れ性を劣化させてしまうので、高強度
を確保し、且つ亜鉛メッキ割れが発生しない鋼を開発す
るのは困難とされてきた。
【0007】本発明の課題は、高強度で耐亜鉛メッキ割
れ性が発生しない鋼を提供するものである。
れ性が発生しない鋼を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の状況
を鑑み、耐溶融亜鉛メッキ割れ性を上昇させる添加元素
は無いか、また、高強度と耐亜鉛メッキ割れ性を両立す
る成分設計はいかなるものかと鋭意研究した。その結
果、0.8%以上のCuを添加しε−Cuの析出強化を
利用することで焼き入れ性をあげるC等の元素を極力低
減し、さらにTi−Ca添加を行うことで耐溶融亜鉛メ
ッキ割れ性が著しく改善され、TS780MPa以上の
強度と耐亜鉛メッキ割れ性を両立できることを発見し
た。
を鑑み、耐溶融亜鉛メッキ割れ性を上昇させる添加元素
は無いか、また、高強度と耐亜鉛メッキ割れ性を両立す
る成分設計はいかなるものかと鋭意研究した。その結
果、0.8%以上のCuを添加しε−Cuの析出強化を
利用することで焼き入れ性をあげるC等の元素を極力低
減し、さらにTi−Ca添加を行うことで耐溶融亜鉛メ
ッキ割れ性が著しく改善され、TS780MPa以上の
強度と耐亜鉛メッキ割れ性を両立できることを発見し
た。
【0009】本発明は、圧延後、再加熱焼き入れを前提
とする鋼で、その組成が重量%で、C:0.04%以上
0.08%以下、Si:0.1%以上0.6%以下、M
n:0.8%以上1.6%以下、P:0.02%以下、
S:0.005%以下、Cu:0.8%以上1.8%以
下、Ni:0.4%以上1.0%以下、V:0.01%
以上0.20%以下、Ti:0.01%以上0.05%
以下、Ca:0.001%以上0.005%以下、N:
0.002%以上0.006%以下、Al:0.005
%以上0.1%以下、O:0.005%以下、さらに、
Cr:0.5%以下、Mo:0.4%以下、Nb:0.
03%以下を1種または2種以上が添加され、残部が鉄
および不純物からなることを特徴とする溶接熱影響部の
耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた高張力鋼である。
とする鋼で、その組成が重量%で、C:0.04%以上
0.08%以下、Si:0.1%以上0.6%以下、M
n:0.8%以上1.6%以下、P:0.02%以下、
S:0.005%以下、Cu:0.8%以上1.8%以
下、Ni:0.4%以上1.0%以下、V:0.01%
以上0.20%以下、Ti:0.01%以上0.05%
以下、Ca:0.001%以上0.005%以下、N:
0.002%以上0.006%以下、Al:0.005
%以上0.1%以下、O:0.005%以下、さらに、
Cr:0.5%以下、Mo:0.4%以下、Nb:0.
03%以下を1種または2種以上が添加され、残部が鉄
および不純物からなることを特徴とする溶接熱影響部の
耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた高張力鋼である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は以下の知見に基づく。
【0011】図1は、鋼材(0.06C−0.25Si
−Mn−Cu−Ti,Nb,V,Ca系)の常温引張り
強度とメッキ浴中引張の伸びとの関係における添加元素
の影響を検討した結果を示すもので、Ti−Caの複合
添加の場合、ボルト穴加工部でも溶融亜鉛メッキによる
割れが防止される目安である浴中引張りでの伸び20%
以上が高強度鋼において確保されることが判明した。常
温引張り試験はJIS1A号、メッキ浴中引張り試験は
図2の試験片を用いた。
−Mn−Cu−Ti,Nb,V,Ca系)の常温引張り
強度とメッキ浴中引張の伸びとの関係における添加元素
の影響を検討した結果を示すもので、Ti−Caの複合
添加の場合、ボルト穴加工部でも溶融亜鉛メッキによる
割れが防止される目安である浴中引張りでの伸び20%
以上が高強度鋼において確保されることが判明した。常
温引張り試験はJIS1A号、メッキ浴中引張り試験は
図2の試験片を用いた。
【0012】すなわち、Ti単独添加の場合、Ti量が
0.01%であってもメッキ浴中引張における伸びは低
く、高強度側では20%以下となるが、更に0.001
%のCaを添加すると高強度鋼においても伸びは20%
以上となる。(Nb,Vにも伸び増加効果が認めら
る。) 次に、成分範囲限定理由について述べる。
0.01%であってもメッキ浴中引張における伸びは低
く、高強度側では20%以下となるが、更に0.001
%のCaを添加すると高強度鋼においても伸びは20%
以上となる。(Nb,Vにも伸び増加効果が認めら
る。) 次に、成分範囲限定理由について述べる。
【0013】0.04%≦C≦0.08% Cは、強度を高めるのに必須の元素であるが、本発明で
は、ε−Cuの析出強化を利用するので、高強度を確保
するのに0.08%を超えるCの添加は不要である。ま
た、0.04%未満のC量では高強度を確保するのが困
難である。
は、ε−Cuの析出強化を利用するので、高強度を確保
するのに0.08%を超えるCの添加は不要である。ま
た、0.04%未満のC量では高強度を確保するのが困
難である。
【0014】0.1%≦Si≦0.6% Siは、メッキ後の外観状況と関係しており、0.1%
未満0.6%超えではメッキ焼けが発生し易くなる。よ
って、0.1%以上0.6%以下に限定した。
未満0.6%超えではメッキ焼けが発生し易くなる。よ
って、0.1%以上0.6%以下に限定した。
【0015】0.8%≦Mn≦1.6% Mnは強度、靱性の面から必須の元素であるが、0.8
%未満では高強度を得るのが困難で、1.6%を超える
と効果が飽和するため、Mn:0.8%以上1.6%以
下に限定した。
%未満では高強度を得るのが困難で、1.6%を超える
と効果が飽和するため、Mn:0.8%以上1.6%以
下に限定した。
【0016】P≦0.02% Pは多量に含まれると靱性を劣化させるため0.02%
以下とした。
以下とした。
【0017】S≦0.005% SはCaと化合し、CaSを形成する。0.005%を
超えて含有しているとCaSのクラスターを形成し、鋼
の靱性、溶接性を著しく劣化させる。したがって、0.
005%以下に限定した。
超えて含有しているとCaSのクラスターを形成し、鋼
の靱性、溶接性を著しく劣化させる。したがって、0.
005%以下に限定した。
【0018】0.4%≦Ni≦1.0% NiはCu割れを防止させるのに有効で、本発明では必
須の元素である。そのためにはCu添加量の半分程度の
添加が必要なため、下限を0.4%に限定した。上限
は、経済性の観点から、1.0%に限定した。
須の元素である。そのためにはCu添加量の半分程度の
添加が必要なため、下限を0.4%に限定した。上限
は、経済性の観点から、1.0%に限定した。
【0019】0.01%≦V≦0.20% Vは再加熱焼き入れを前提とした本発明においては、必
須の元素である。少量添加で著しく強度上昇させ得る。
しかし、0.01%未満の添加では、高強度を得るのが
困難で、0.20%を超える添加は鋼の脆化を招くの
で、0.01%以上0.20%以下に限定した。
須の元素である。少量添加で著しく強度上昇させ得る。
しかし、0.01%未満の添加では、高強度を得るのが
困難で、0.20%を超える添加は鋼の脆化を招くの
で、0.01%以上0.20%以下に限定した。
【0020】0.002%≦N≦0.006% Nは、Al,Ti等と窒化物を生成し、鋼材の結晶粒径
を微細にし、強度、靱性を向上させる。0.002%未
満ではその効果がなく、多量に含ませると靱性を害する
ので0.006%を上限とする。
を微細にし、強度、靱性を向上させる。0.002%未
満ではその効果がなく、多量に含ませると靱性を害する
ので0.006%を上限とする。
【0021】0.005%≦Al≦0.1% Alは脱酸のため必須の元素である。0.005%未満
では脱酸が不十分であり、0.1%を超えると多量のア
ルミナが発生し、鋼の清浄性を著しく劣化させる。した
がって、0.005%以上0.1%以下に限定した。
では脱酸が不十分であり、0.1%を超えると多量のア
ルミナが発生し、鋼の清浄性を著しく劣化させる。した
がって、0.005%以上0.1%以下に限定した。
【0022】O≦0.005% Oは鋼の清浄度を劣化させる。Ca添加の場合、0.0
05%を超えるOを含有するとCa−O−S系介在物ク
ラスターを生成しやすくなり鋼の靱性劣化を招くので、
0.005%以下に限定した。
05%を超えるOを含有するとCa−O−S系介在物ク
ラスターを生成しやすくなり鋼の靱性劣化を招くので、
0.005%以下に限定した。
【0023】Cr≦0.5% Crは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、0.
5%を超えて添加すると溶接熱影響部を著しく硬化させ
るため、0.5%以下に限定した。
5%を超えて添加すると溶接熱影響部を著しく硬化させ
るため、0.5%以下に限定した。
【0024】Mo≦0.4% Moは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、0.
4%を超えて添加すると溶接熱影響部を著しく硬化させ
るため、0.4%以下に限定した。
4%を超えて添加すると溶接熱影響部を著しく硬化させ
るため、0.4%以下に限定した。
【0025】Nb≦0.03% Nbは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高めるの
に有効な元素であるが、再加熱QTの場合、0.03%
を超えて添加しても強度が飽和するため、0.03%以
下に限定した。
に有効な元素であるが、再加熱QTの場合、0.03%
を超えて添加しても強度が飽和するため、0.03%以
下に限定した。
【0026】Cu:0.8%以上1.8%以下 本発明では、ε−Cuの析出強化を利用することで高強
度を確保している。0.8%未満のCu添加では母材の
引張強度を確保できず、1.8%を超えるCu添加は母
材の靱性劣化、Cu割れの危険性が高まる。したがっ
て、Cu量を0.8%以上1.8%以下に限定した。
度を確保している。0.8%未満のCu添加では母材の
引張強度を確保できず、1.8%を超えるCu添加は母
材の靱性劣化、Cu割れの危険性が高まる。したがっ
て、Cu量を0.8%以上1.8%以下に限定した。
【0027】Ti:0.01%以上0.05%以下、 Ca:0.001%以上0.005%以下、 本発明は、TiとCaの複合添加を特徴とする。Caと
Tiを複合添加すると、鋼材の亜鉛メッキ浴中での伸び
が増大することが認められた。高強度鋼においてこのよ
うな効果は、Ca≧0.001%、Ti≧0.01%で
得られている。しかし、Tiが0.005%を越えると
その効果も飽和し、0.005%を越えるCaの添加
は、鋼の清浄度を低下させるため、ぞれぞれ上限とし
た。
Tiを複合添加すると、鋼材の亜鉛メッキ浴中での伸び
が増大することが認められた。高強度鋼においてこのよ
うな効果は、Ca≧0.001%、Ti≧0.01%で
得られている。しかし、Tiが0.005%を越えると
その効果も飽和し、0.005%を越えるCaの添加
は、鋼の清浄度を低下させるため、ぞれぞれ上限とし
た。
【0028】B:不可避不純物 Bは、鋼の焼入れ性を向上させるが、溶接部の耐溶融亜
鉛メッキ割れ性を著しく劣化させるため、溶接される場
合、2ppm以下に管理されている。
鉛メッキ割れ性を著しく劣化させるため、溶接される場
合、2ppm以下に管理されている。
【0029】本発明鋼は、原則として溶接施工を対象と
しないので、Bの上限は5ppm程度の管理とする。し
かし、低いほど望ましく、溶接が避けられない場合は、
上記に従う。
しないので、Bの上限は5ppm程度の管理とする。し
かし、低いほど望ましく、溶接が避けられない場合は、
上記に従う。
【0030】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を溶解、鋳造し、熱
間圧延にて12−40mm厚の鋼材にした。熱間圧延
後、再加熱焼き入れし、時効処理を行った。(再加熱温
度:930℃、時効処理:500〜550℃×30〜6
0分) これらの鋼材に対し、引張試験、ボルト用穴開け加工部
溶融亜鉛メッキ割れ試験を実施した。
間圧延にて12−40mm厚の鋼材にした。熱間圧延
後、再加熱焼き入れし、時効処理を行った。(再加熱温
度:930℃、時効処理:500〜550℃×30〜6
0分) これらの鋼材に対し、引張試験、ボルト用穴開け加工部
溶融亜鉛メッキ割れ試験を実施した。
【0031】表中のボルト用穴開け加工部のメッキ割れ
の有無の項は、圧延した鋼に実際の施工と同様に、接合
用ボルトの穴開け加工をNCマシンを用いて実施した後
に溶融亜鉛メッキ浴中に浸漬し、穴開け加工部から割れ
が発生するかどうかを確認した結果である。
の有無の項は、圧延した鋼に実際の施工と同様に、接合
用ボルトの穴開け加工をNCマシンを用いて実施した後
に溶融亜鉛メッキ浴中に浸漬し、穴開け加工部から割れ
が発生するかどうかを確認した結果である。
【0032】供試鋼の各試験結果を表2に示す。0.8
%以上のCuを添加し焼き入れ性をあげるC等の元素を
極力低減し、さらにTi−Ca添加を行った鋼DP−N
Pの発明鋼は、780MPa以上のTSを示し、且つ穴
開け加工部溶融亜鉛メッキ割れ試験でも割れは発生しな
かった。
%以上のCuを添加し焼き入れ性をあげるC等の元素を
極力低減し、さらにTi−Ca添加を行った鋼DP−N
Pの発明鋼は、780MPa以上のTSを示し、且つ穴
開け加工部溶融亜鉛メッキ割れ試験でも割れは発生しな
かった。
【0033】一方、焼き入れ性をあげる元素であるCや
MnやCrやMoを多量に含有した従来鋼A〜Cでは、
鋼Aは強度不足、鋼B〜Cで割れが発生している。Cu
添加によりC等の元素の添加を極力抑えてはいるがTi
−Caが添加されていない従来鋼D〜FではNb添加の
鋼Fのみ780MPa以上の引張強度が得られている
が、穴開け加工部の試験で亜鉛鍍金割れが発生してい
る。
MnやCrやMoを多量に含有した従来鋼A〜Cでは、
鋼Aは強度不足、鋼B〜Cで割れが発生している。Cu
添加によりC等の元素の添加を極力抑えてはいるがTi
−Caが添加されていない従来鋼D〜FではNb添加の
鋼Fのみ780MPa以上の引張強度が得られている
が、穴開け加工部の試験で亜鉛鍍金割れが発生してい
る。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明鋼は、高強度で且つボルト穴加工
後、溶融亜鉛メッキしても、割れを生じない。よって、
鉄塔、橋梁及び建築物に用いた場合、これら構造物の軽
量化に大きく貢献し、産業上極めて有用である。
後、溶融亜鉛メッキしても、割れを生じない。よって、
鉄塔、橋梁及び建築物に用いた場合、これら構造物の軽
量化に大きく貢献し、産業上極めて有用である。
【図1】鋼材の常温強度TS(MPa)とメッキ浴中引
張り試験の伸び(%)との関係を示す図。
張り試験の伸び(%)との関係を示す図。
【図2】溶融亜鉛中における母材の脆化を調べるための
引張り試験片形状を示す図。
引張り試験片形状を示す図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−96062(JP,A) 特開 平10−96060(JP,A) 特開 平9−125191(JP,A) 特開 昭63−93819(JP,A) 特開 平8−144008(JP,A) 特開 昭61−231141(JP,A) 特開 平10−96020(JP,A) 特開 平10−96057(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60
Claims (1)
- 【請求項1】 圧延後、再加熱焼き入れを前提とする鋼
で、その組成が重量%で、C:0.04%以上0.08
%以下、Si:0.1%以上0.6%以下、Mn:0.
8%以上1.6%以下、P:0.02%以下、S:0.
005%以下、Cu:0.8%以上1.8%以下、N
i:0.4%以上1.0%以下、V:0.01%以上
0.20%以下、Ti:0.01%以上0.05%以
下、Ca:0.001%以上0.005%以下、N:
0.002%以上0.006%以下、Al:0.005
%以上0.1%以下、O:0.005%以下、さらに、
Cr:0.5%以下、Mo:0.4%以下、Nb:0.
03%以下を1種または2種以上が添加され、残部が鉄
および不純物からなることを特徴とする耐溶融亜鉛メッ
キ割れ性に優れた780MPa級高張力鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25289696A JP3267170B2 (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた780MPa級高張力鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25289696A JP3267170B2 (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた780MPa級高張力鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102187A JPH10102187A (ja) | 1998-04-21 |
JP3267170B2 true JP3267170B2 (ja) | 2002-03-18 |
Family
ID=17243682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25289696A Expired - Fee Related JP3267170B2 (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた780MPa級高張力鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3267170B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005052205A1 (ja) * | 2003-11-27 | 2005-06-09 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 溶接部靭性に優れた高張力鋼および海洋構造物 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102719757B (zh) * | 2012-06-25 | 2014-03-19 | 宝山钢铁股份有限公司 | 无镍高韧性80公斤级高强钢及其制造方法 |
-
1996
- 1996-09-25 JP JP25289696A patent/JP3267170B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005052205A1 (ja) * | 2003-11-27 | 2005-06-09 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 溶接部靭性に優れた高張力鋼および海洋構造物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10102187A (ja) | 1998-04-21 |
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