JP3322139B2 - 耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼 - Google Patents

耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼

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JP3322139B2
JP3322139B2 JP25060196A JP25060196A JP3322139B2 JP 3322139 B2 JP3322139 B2 JP 3322139B2 JP 25060196 A JP25060196 A JP 25060196A JP 25060196 A JP25060196 A JP 25060196A JP 3322139 B2 JP3322139 B2 JP 3322139B2
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泰康 横山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として鉄塔用鋼
材として用いられる耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた
非調質高強度鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、使用鋼材の重量低減を目的とした
高強度鋼材が種々の分野で積極的に使用されるようにな
ってきた。送電用鉄塔向け鋼材にもこのような傾向が現
れてきており、現在引張強さが590MPa級の鋼材が
用いられている。また、大型送電鉄塔は、山中に建設さ
れることが多く、資材の運搬におけるコスト低減のため
更なる高張力化が求められている。
【0003】鉄塔用鋼材は建設された後にメンテナンス
フリーとするため溶融亜鉛メッキが施される。鉄塔用の
形鋼(例えば等辺等厚山形鋼)は、現地で溶接施工をす
ることなく鉄塔とすることが可能であるため、母材のメ
ッキ割れ感受性が重要視されるが、780MPa以上の
高強度形鋼ではメッキ処理時に形鋼のボルト接合用の穴
開け部からメッキ割れが生じるおそれがあるので高強度
化の大きな妨げとなっている。
【0004】溶融亜鉛メッキされる高強度鋼に関しては
従来より特開昭58−84959号公報および特開昭5
9−11316号公報などの技術が提案されてきたが、
いずれも溶接部において発生する割れを防止する鋼材に
関するものであり、ボルト穴加工部からの割れを防止す
る観点からの高強度鋼に関する知見は少ないのが現状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を根本的に解決するためのものであり、引張り強度が7
80MPa以上の高強度レベルを有する鋼において、ボ
ルト穴開け部の周辺部位に溶融亜鉛メッキ割れを生じな
耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するためになされたもので、 (1)重量比でC:0.08〜0.20%、Si:0.
6%以下、Mn:1.0〜2.0%、Cu:2.0%以
下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:
1.0%以下、Nb:0.1〜0.15%、V:0.1
〜0.2%、Nb+0.5V+Ti≧0.175%を含
み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、該不可
避的不純物のうちBが5ppm以下に抑えられ、780
MPa以上の引張り強度を有することを特徴とする耐溶
融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼。
【0007】(2)重量比でTi:0.2%以下を含有
することを特徴とする(1)に記載の耐溶融亜鉛メッキ
割れ特性に優れた非調質高強度鋼。 (3)重量比でCa:0.004%以下を添加すること
を特徴とする(1)または(2)に記載の耐溶融亜鉛メ
ッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、0.11C−0.
25Siを基本成分として、Mn,Nb,V,Ti添加
量を変化させ、さらにCaを添加した鋼も含め、熱間圧
延により等辺厚山形鋼とし、それより図2に示す引張試
験片を採取し、常温引張強度とメッキ浴中引張の伸びと
の関係における添加元素の影響を検討した。
【0009】その結果、Nb+0.5V+Ti値によっ
て両者の関係が一義的に整理され、ボルト穴加工等がさ
れる高強度鋼においてはNb+0.5V+Ti≧0.1
75重量%を満足させる必要があることを知見した。
【0010】すなわち、図1中に示すように、Nb+
0.5V+Ti添加量が0.06%の場合、メッキ浴中
引張における伸びは低く、高強度鋼では伸びが20%以
下となるが、0.175%を越えるようになると、高強
度鋼においてもメッキ浴中引張における伸びは20%以
上になる。更にTiもしくはCa又はTi−Caを複合
添加した場合に浴中引張伸びが増大するという効果が認
められた。
【0011】本発明鋼は、スラブ加熱温度1100〜1
350℃、圧延終了温度800℃以下で熱間圧延すれ
ば、厚板、形鋼等の品種にかかわらず引張り強度が78
0MPa以上の高強度レベルにおいて優れた耐溶融亜鉛
メッキ特性を確保することができる。
【0012】以下、添加成分の限定理由を説明する。 C:0.08〜0.20% Cは強度を高めるのに必須の元素である。0.08%未
満では高強度を得るのが困難で、0.20%を越えると
鋼の靱性が著しく劣化するため、0.08%以上、0.
20%以下に限定した。
【0013】Si:0.6%以下 Siはメッキ後の外観状況と関係しており、0.6%を
越えるとメッキ焼けが発生しやすくなる。よって、0.
6%以下に限定した。
【0014】Mn:1.0〜2.0% Mnは強度、靱性の面から必須の元素であるが、1.0
%未満では高強度を得るのが困難で、2.0%を越える
と焼き入れ性が高くなり粗いベイナイトが生成し、靱性
が著しく劣化するため、Mn:1.0%以上2.0%以
下に限定した。 P:不可避不純物 レベルPは粒界に偏析し、靱性を劣化するが、現状の精
錬技術で十分に低減されているため、上限値は限定しな
いが、低いほど望ましい。 S:不可避不純物レベル Sは主に介在物の形態で鋼中に存在し、脆化により材質
の劣化を引き起こすが、現状の精錬技術では十分に低減
されているため、上限値は限定しないが、低いほど望ま
しい。 Cu:2.0%以下 Cuは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、2.
0%を越えて添加した場合にはCu割れが発生しやす
い。よって2.0%以下に限定した。 Ni:2.0%以下 Niは鋼の強度上昇ならびに靱性向上に有効な元素であ
るが、経済性を考慮し、2.0%以下に限定した。 Cr:1.0%以下 Crは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、1.
0%を越えて添加すると鋼の靱性を劣化させるため、
1.0%以下に限定した。 Mo:1.0%以下 Moは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、1.
0%を越えて添加すると鋼の靱性を著しく劣化させるた
め、1.0%以下に限定した。 Ti:0.2%以下 Tiは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高め、ま
た耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた性質を示すため有
効な元素であるが、0.2%を越えて添加すると析出物
が粗くなり、鋼の靱性が著しく劣化するため、0.2%
以下を必要に応じて添加できるものとした。 Nb:0.1〜0.15%、V:0.1〜0.2% Nb、Vは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高め
るのに有効な元素であるが、Nb含有量が0.1〜0.
15%の範囲を外れるか、またはV含有量が0.1〜
0.2%の範囲を外れて過剰に添加されると、鋼の靭性
を著しく劣化させるため、上記範囲に限定した。 Nb+0.5V+Ti≧0.175% Ti,Nb,Vはいずれも析出強化により鋼の強度を高
めるのに有効な元素であるが、高強度を有し、耐溶融亜
鉛メッキ割れに優れた特性を示す条件として、Nb+
0.5V+Ti≧0.175%の関係式を満足させるも
のとする。なお、これらのうち2種以上を必要に応じて
添加できるものとする。 Ca:0.004%以下 Caは添加することで耐溶融亜鉛メッキ割れ特性を著し
く改善することができる唯一の元素である。しかし、
0.004%を越えて添加すると、Ca−O−Sのクラ
スターが発生し、鋼の清浄性が低下してしまう。従っ
て、Caを0.004%以下に限定した。 Al: Alは本発明においては脱酸のために添加する場合もあ
り、その場合は通常の添加量(0.005〜0.60
%)とする。型鋼などでSi脱酸においては不可避不純
物として扱う。 B:不可避不純物レベル Bは鋼の焼き入れ性を著しく向上させる一方、溶接部
の耐溶融亜鉛メッキ割れ性を著しく劣化させるため、
溶接される場合は不可避不純物レベルの2ppm以下
に管理されている。本発明鋼は原則として溶接施工を対
象とせず、拘束条件(応力集中係数)が溶接継手よりも
緩やかなボルト継手用の穴加工程度でよいので、B
上限値5ppm管理する。しかし、耐溶融亜鉛メッ
キ割れ性を向上させるためには不可避不純物元素として
のB量は低いほど望ましい。
【0015】
【実施例】表1に実施例を示す。本発明鋼は、例えばス
ラブ加熱温度1100〜1350℃、圧延終了温度85
0℃以下の条件の熱間圧延により製造されるが、実施例
ではいずれの鋼も等辺等厚山形鋼に圧延した。表中のメ
ッキ割れの有無の項は、圧延した山形鋼に実際の施工と
同様に、接合用ボルトの穴開け加工を施した後に溶融亜
鉛メッキ浴中に浸漬し、穴開け加工部から割れが発生す
るかどうかを確認した結果である。
【0016】1−3は低Cのため強度が低くなってい
る。また、1−6は低Mnのため強度が低めとなってい
る。1−12はNb+0.5V+Ti値が0.175%
を下回るため、強度レベルは780MPa級であるが、
穴開け加工部に割れが発生している。
【0017】1−5,1−7,1−8,1−9,1−1
0,1−11,1−13,1−14,1−15のそれぞ
れは、Si,Mn,Cu,Ni,Cr,Mo,Ti,N
b,Vの添加量が高く、強度が900MPa以上と高す
ぎるため、割れが生じている。
【0018】1−16はCa添加量が高く、鋼の清浄性
が劣るため、強度は780MPaレベルであるが、割れ
が発生している。一方、1−1,1−2,1−17,1
−18,1−19,1−20は供試鋼の成分が全て本発
明の範囲を満たしているため、強度が780MPa以上
と高く、割れの発生も認められない。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、引張り強度が780M
Pa以上の高強度レベルを有する鋼種において、鉄塔や
橋梁等の構造物部材でボルト穴加工等をした後、溶融亜
鉛メッキ処理されてもボルト穴加工部等で割れを生じな
い耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼材の常温強度TS(MPa)とメッキ浴中引
張試験の伸び(y)との関係を示す図。
【図2】溶融亜鉛中における母材の脆化を調べるための
引張試験片を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−17124(JP,A) 特開 昭62−50448(JP,A) 特開 平9−87802(JP,A) 特開 平8−158008(JP,A) 特開 平6−306457(JP,A) 特開 平6−136481(JP,A) 特開 平4−210419(JP,A) 特開 昭59−110724(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比でC:0.08〜0.20%、S
    i:0.6%以下、Mn:1.0〜2.0%、Cu:
    2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以
    下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1〜0.15%、
    V:0.1〜0.2%、Nb+0.5V+Ti≧0.1
    75%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からな
    り、該不可避的不純物のうちBが5ppm以下に抑えら
    れ、780MPa以上の引張り強度を有することを特徴
    とする耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度
    鋼。
  2. 【請求項2】 重量比でTi:0.2%以下を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の耐溶融亜鉛メッキ割れ
    特性に優れた非調質高強度鋼。
  3. 【請求項3】 重量比でCa:0.004%以下を添加
    することを特徴とする請求項1または請求項2記載の耐
    溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼。
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