JPH1096062A - 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた高強度高張力鋼 - Google Patents

耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた高強度高張力鋼

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JPH1096062A
JPH1096062A JP25206996A JP25206996A JPH1096062A JP H1096062 A JPH1096062 A JP H1096062A JP 25206996 A JP25206996 A JP 25206996A JP 25206996 A JP25206996 A JP 25206996A JP H1096062 A JPH1096062 A JP H1096062A
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JP
Japan
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less
steel
strength
ceqm
dip galvanizing
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Pending
Application number
JP25206996A
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English (en)
Inventor
Noriki Wada
典己 和田
Toshifumi Kojima
敏文 小嶋
Takekazu Arakawa
武和 荒川
Sadahiro Yamamoto
定弘 山本
Hiroyasu Yokoyama
泰康 横山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 780MPa以上の強度をもち、溶接部で亜
鉛メッキ割れが発生しない鋼を提供する。 【解決手段】 圧延後、再加熱焼き入れを前提とする鋼
で、C:0.06%〜0.12%、Si:0.1%〜
0.6%、Mn:1.0%〜2.0%、P:0.02%
以下、S:0.002%以下、V:0.01%〜0.2
0%、Ti:0.01%〜0.05%、Ca:0.00
1%〜0.005%、N:0.002%〜0.006
%、Al:0.005%〜0.1%、B:0.0005
%以下、O:0.005%以下、さらに、Cu:0.6
%以下、Ni:2%以下、Cr:1.0%以下、Mo:
0.6%以下、Nb:0.03%以下が添加され、残部
が鉄および不純物からなり、かつ Ceqm=C+(M
n/20)+(Si/30)+(Cu/20)+(Ni
/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/1
0)+5B+1.0 Nb 0.23%≦Ceqm≦0.27%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄塔、橋梁、建築
物などの防錆のために、溶接後、溶融亜鉛メッキを施さ
れる低合金高張力鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄塔、橋梁、建築物の防錆のため、それ
らに用いられる鋼材を構造部材に溶接した後、溶融亜鉛
メッキするという方法が広く使用されてきた。その際、
溶接熱影響部に割れが発生する場合がある。いわゆる、
液体金属脆化によるものである。
【0003】この割れを防止するために、精力的な研究
がなされてきた。それらの成果が鉄と鋼vol.79
(1993)p.1108−p.1114にまとめられ
ている。この文献はファブリケーターと鉄鋼4社で共同
執筆されたものであり、現在のところ公表された技術の
中で信頼がおける最先端のものと位置づけられている。
この論文では、鋼中の混入ボロンの影響について詳細に
述べており、Bは2ppm以下で、かつCEZmod=
C+Si/17+Mn/7.5+Cu/13+Ni/1
7+Cr/4.5+Mo/3+V/1.5+Nb/2+
Ti/4.5+420B≦0.44%を満たせば引張強
度(TS)590MPa級の鋼では、溶接後の溶融亜鉛
メッキ割れが発生しないということを明らかにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高張力鋼の成分設計で
は、一般に焼入性を高める元素や析出強化する元素が添
加されている。しかし、CEZmodの式でもわかるよ
うに、添加元素のほとんどすべては耐溶融亜鉛メッキ割
れ性を劣化させてしまうので、TS780MPa以上の
強度を確保し、且つ溶接部で亜鉛メッキ割れが発生しな
い鋼を開発するのは不可能視されてきた。
【0005】本発明の課題は、TS780MPa以上の
強度と溶接部で亜鉛メッキ割れが発生しない鋼を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の状況
を鑑み、耐溶融亜鉛メッキ割れ性を上昇させる添加元素
は無いか、また、引張強度(TS)780MPa以上の
強度と耐亜鉛メッキ割れ性を両立する成分設計はいかな
るものかと鋭意研究した。その結果、Ti添加−hig
hNにより耐溶融亜鉛メッキ割れ性が著しく改善され、
両者を複合添加し、かつ、Ceqm={C+(Mn/2
0)+(Si/30)+(Cu/20)+(Ni/6
0)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)
+5B+1.0 Nb}を0.23%以上0.27%以下で
成分設計すればTS780MPa以上の強度と耐溶融亜
鉛メッキ割れ性を両立できることを発見した。
【0007】本発明は、圧延後、再加熱焼き入れを前提
とする鋼で、その組成が重量%で、C:0.06%以上
0.12%以下、Si:0.1%以上0.6%以下、M
n:1.0%以上2.0%以下、P:0.02%以下、
S:0.002%以下、V:0.01%以上0.20%
以下、Ti:0.01%以上0.05%以下、Ca:
0.001%以上0.005%以下、N:0.002%
以上0.006%以下、Al:0.005%以上0.1
%以下、B:0.0005%以下、O:0.005%以
下、さらに、Cu:0.6%以下、Ni:2%以下、C
r:1.0%以下、Mo:0.6%以下、Nb:0.0
3%以下を1種または2種以上が添加され、残部が鉄お
よび不純物からなり、かつこれらの元素の組み合わせた
値として下式で与えられるCeqmが下記の範囲にある
ことを特徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた高強
度高張力鋼である。
【0008】Ceqm=C+(Mn/20)+(Si/
30)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/2
0)+(Mo/15)+(V/10)+5B+1.0 Nb 0.23%≦Ceqm≦0.27%
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は以下の知見に基づく。
【0010】まず、本発明ではTS780MPa級の鋼
を得ることが第1課題である。Vは少量の添加で著しく
強度上昇させるに有効な元素であり、本発明では必須の
元素である。0.01%未満の添加では780MPa以
上の強度を得るのが困難で、0.20%を越える添加は
鋼の脆化を招くので、0.01%以上0.20%以下に
限定した。また、再加熱焼入焼戻し(QT)処理する前
提では、図1に示すように、Ceqm={C+(Mn/
20)+(Si/30)+(Cu/20)+(Ni/6
0)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)
+5B+1.0 Nb}という炭素等量式で引張強度が整理
できることがわかった。さらに、Ceqm値を0.23
%以上に制御すれば、板厚40mm以下の範囲において
780MPa以上の強度が得られることが判明した。
【0011】本発明の第2課題は、溶接熱影響部で亜鉛
メッキ割れを防止することにある。それは、Ti−Ca
の複合添加とCeqmを0.27%以下に制御すること
で達成される。溶接部の亜鉛メッキ割れを防止するに
は、溶接加熱時の熱影響部のオーステナイト粒径を細く
し、溶接後の冷却時、オーステナイト粒にフェライトを
析出させることが重要である。CaとTiを複合添加す
ると、TiNが著しく細くなり、溶接加熱時の熱影響部
のオーステナイト粒の成長を抑制し、溶接後の冷却時に
は、フェライトの核生成サイトとして作用し、溶接熱影
響部の組織は粒界フェライトが析出した細い組織が得ら
れることが判明した。その結果、図2に示すごとく、C
aとTiを複合添加すれば、Ceqmが0.23%以上
0.27%以下の範囲で溶接部の亜鉛メッキ割れが防げ
ることがわかった。Ti添加量が0.01%未満では上
記のような溶接熱影響部の組織を得るだけの十分な数の
TiNが得られず、0.05%を超える添加をしてもT
iNの数の増加にはつながらずTiCを生成し溶接熱影
響部の脆化を招く。よって、Ti含有量を0.01%以
上0.05%以下に限定した。また、0.001%未満
のCa添加では上記TiNの微細化効果が十分でなく、
粒界フェライトが析出した細い組織を有する熱影響部が
得られない。また、0.005%を超えるCa添加は鋼
の清浄度を低下させ、靭性劣化を招く。よって、Ca含
有量は0.001%以上0.005%以下に限定した。
【0012】0.06%≦C≦0.12% Cは、強度を高めるのに必須の元素である。0.06%
未満では780MPa以上の強度を得るのが困難で、
0.12%を超えると鋼の靱性ならびに溶接性が著しく
劣化するため、0.06%以上0.12%以下に限定し
た。
【0013】0.1%≦Si≦0.6% Siは、メッキ後の外観状況と関係しており、0.1%
未満0.6%超えではメッキ焼けが発生し易くなる。よ
って、0.1%以上0.6%以下に限定した。
【0014】1.0%≦Mn≦2.0% Mnは強度、靱性の面から必須の元素であるが、1.0
%未満では780MPa以上の強度を得るのが困難で、
2.0%を超えると溶接性が著しく劣化するため、M
n:1.0%以上2.0%以下に限定した。
【0015】P≦0.02% Pは溶接高温割れの発生を助長する元素であり、0.0
2%を超えて含有するとその危険性が著しく高まるので
0.02%以下に限定した。
【0016】S≦0.002% SはCaと化合し、CaSを形成する。0.002%を
超えて含有しているとCaSクラスターを形成し、鋼の
靱性、溶接性を著しく劣化させる。したがって、0.0
02%以下に限定した。
【0017】0.002%≦N≦0.006% Nは、溶接熱影響部でTiNを生成するのに必要な元素
である。0.002%未満の含有では粒界フェライトが
析出した細い組織を有する熱影響部を得るに十分な数の
TiNが得られない。また、0.006%を超えるNの
含有は、溶接部の靱性を劣化させてしまう。よって、N
含有量を0.002%以上0.006%以下に限定し
た。
【0018】0.005%≦Al≦0.1% Alは脱酸のため必須の元素である。0.005%未満
では脱酸が不十分であり、0.1%を超えると多量のア
ルミナが発生し、鋼の清浄性を著しく劣化させる。した
がって、0.005%以上0.1%以下に限定した。
【0019】B≦0.0005% Bは鋼の焼入性を著しく向上させる。0.0005%を
超えると耐溶融亜鉛メッキ割れ性が著しく劣化させるの
で、Bを0.0005%以下に限定した。
【0020】O≦0.005% Oは鋼の清浄度を劣化させる。Ca添加の場合、0.0
05%を超えるOを含有するとCa−O−S系介在物ク
ラスターを生成しやすくなり鋼の靱性劣化を招くので、
0.005%以下に限定した。
【0021】Cu≦0.6% Cuは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、0.
6%を超えて添加した場合にはCu割れが発生し易い。
よって、0.6%以下に限定した。
【0022】Ni≦2% Niは鋼の強度upならびに靱性向上に有効な元素であ
るが、経済性を考慮し、2%以下に限定した。
【0023】Cr≦1.0% Crは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、1.
0%を超えて添加すると鋼の靱性、溶接性を劣化させる
ため、1.0%以下に限定した。
【0024】Mo≦0.6% Moは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、0.
6%を超えて添加すると鋼の靱性、溶接性を著しく劣化
させるため、0.6%以下に限定した。
【0025】Nb≦0.03% Nbは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高めるの
に有効な元素であるが、再加熱QT材では0.03%を
超えて添加しても強度が飽和するため、0.03%以下
に限定した。
【0026】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を溶解、鋳造し、熱
間圧延にて12−40mm厚の鋼材にした。熱間圧延
後、再加熱水焼き入れし、550℃〜650℃の範囲で
焼きもどし処理を行った。
【0027】これらの鋼板に対し、引張試験、拘束継手
亜鉛メッキ割れ試験、ボルト用穴開け加工部亜鉛メッキ
割れ試験を実施した。
【0028】拘束継手亜鉛メッキ割れ試験は、図3に示
す十字継手を作成後、470℃の亜鉛浴中に浸漬、メッ
キ後、試験ビード1のトウ部における割れの有無を調べ
る試験である。拘束ビード2のパス数は18パスであ
り、この拘束ビードにより、試験ビード1のトウ部に母
材の降伏応力相当の非常に高い残留応力が作用している
ことを確認している。したがって、この試験体で割れの
発生しない場合、実構造溶接部材の溶融亜鉛メッキにお
いても割れは発生しないと判断できる。
【0029】表中のボルト用穴開け加工部のメッキ割れ
の有無の項は、圧延した鋼に実際の施工と同様に、接合
用ボルトの穴開け加工をNCマシンを用いて実施した後
に溶融亜鉛メッキ浴中に浸漬し、穴開け加工部から割れ
が発生するかどうかを確認した結果である。
【0030】供試鋼の各試験結果を表2に示す。Ca−
Tiが添加され、Ceqmが0.23%以上0.27%
以下の鋼CP−LPの開発鋼は、780MPa以上のT
Sを示し、且つ拘束継手亜鉛メッキ割れ試験、穴開け加
工部メッキ割れ試験でも割れは発生しなかった。
【0031】一方、Ti−Caが添加されていない従来
鋼B〜Iは拘束継手亜鉛メッキ割れ試験、穴開け加工部
メッキ割れ試験で割れが発生している。従来鋼Aは拘束
継手亜鉛メッキ割れ試験、穴開け加工部メッキ割れ試験
でも割れは発生しなかったものの、Ceqmが0.23
%未満のため、780MPa以上のTSが得られていな
い。従来鋼HH〜IIはTi−Caが添加されているも
のの、Ceqmが0.27%を超えるため、拘束継手亜
鉛メッキ割れ試験、穴開け加工部メッキ割れ試験で割れ
が発生している。これらの結果は、上述の図1と図2に
整理したとおりである。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従い成分設計しQ−Tを施すと780MPa以上の引
張強度を有する鋼が得られ、鉄塔、橋梁、建築物などの
溶接構造物に使用され溶融亜鉛メッキが施されても、割
れを防止することができる。産業上、極めて大きな効果
を有すると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】Q−T処理された鋼板の引張強度とCeqmの
関係を示す図。供試鋼は表1の鋼A〜Iである。
【図2】Ceqmの関係並びにTi−Ca添加の効果を
示す亜鉛メッキ拘束割れ試験結果の図。供試鋼は表1の
鋼A〜G、鋼CP〜FPおよび鋼HH〜IIである。
【図3】拘束割れ試験体の大きさ、構成について示した
図である。
【符号の説明】
1…試験ビード、2…拘束ビード(18パス/1サイ
ド)、3…試験板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 定弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 横山 泰康 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延後、再加熱焼き入れを前提とする鋼
    で、その組成が重量%で、C:0.06%以上0.12
    %以下、Si:0.1%以上0.6%以下、Mn:1.
    0%以上2.0%以下、P:0.02%以下、S:0.
    002%以下、V:0.01%以上0.20%以下、T
    i:0.01%以上0.05%以下、Ca:0.001
    %以上0.005%以下、N:0.002%以上0.0
    06%以下、Al:0.005%以上0.1%以下、
    B:0.0005%以下、O:0.005%以下、さら
    に、Cu:0.6%以下、Ni:2%以下、Cr:1.
    0%以下、Mo:0.6%以下、Nb:0.03%以下
    を1種または2種以上が添加され、残部が鉄および不純
    物からなり、かつこれらの元素の組み合わせた値として
    下式で与えられるCeqmが下記の範囲にあることを特
    徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた高強度高張力
    鋼。 Ceqm=C+(Mn/20)+(Si/30)+(C
    u/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo
    /15)+(V/10)+5B+1.0 Nb 0.23%≦Ceqm≦0.27%
JP25206996A 1996-09-24 1996-09-24 耐溶融亜鉛メッキ割れ性に優れた高強度高張力鋼 Pending JPH1096062A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102676947A (zh) * 2012-05-17 2012-09-19 莱芜钢铁集团有限公司 一种焊接结构钢及其制造方法
JP2016522316A (ja) * 2013-06-19 2016-07-28 宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 耐亜鉛誘導亀裂鋼板およびその製造方法
US20160289809A1 (en) * 2013-09-19 2016-10-06 Tata Steel Ijmuiden B.V. Steel for hot forming

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CN102676947A (zh) * 2012-05-17 2012-09-19 莱芜钢铁集团有限公司 一种焊接结构钢及其制造方法
JP2016522316A (ja) * 2013-06-19 2016-07-28 宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 耐亜鉛誘導亀裂鋼板およびその製造方法
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