JP4943972B2 - 記憶媒体、及び記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は記憶媒体及びその製造方法並びに記憶装置に関するものであり、特に潤滑層を備えた記憶媒体及びその製造方法並びに記憶装置に関するものである。
近年、コンピュータの普及に伴って、日常的に多量の情報が取り扱われるようになっている。このような多量の情報を記録再生する装置の1つとして、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)に代表される記憶装置が使用されている。このHDDには、記憶媒体として情報が記録される円盤状の磁気ディスク(磁気記録媒体)、およびその磁気ディスクに情報を記録又は再生する磁気ヘッドが内蔵されている。
磁気ディスクは、非磁性の基板上に強磁性を示す材料からなる磁性層が形成されたものである。磁性層は、複数の各微小領域に区分けされ、これらの各微小領域における磁化の方向によって情報を担持するものである。磁性層の上には、カーボンなどからなる保護膜が形成され、さらに保護膜の上にはパーフルオロポリエーテル(PFPE)などからなる潤滑膜が形成されている。
磁気ディスクに代表される磁気記録媒体に対しては、年々記録密度を向上する要求が高まっている。磁気記録密度を向上させる一つの手段として、磁気記録装置内においてヘッドの浮上量を小さくする手段が挙げられる。ヘッドの浮上量を小さくする際には、ヘッドの浮上量はより精密に制御されることが要求される。
磁気記録装置内において磁気ヘッドの浮上量を一定に保つために、磁気記録再生装置の使用前に、磁気ヘッドが磁気ディスクに接触するときの位置情報の検出(以下、ゼロ高さの検出と称呼する場合がある)が行われる場合がある。ゼロ高さの検出を行った磁気記録装置は、検出された位置情報を基準(ゼロ)として所定の浮上量になるように、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔が制御されることにより、情報の記録再生に使用することができる。特に、磁気記録装置を構成する部品の寸法変化や空気分子密度等の変化等、磁気記録装置内の環境の変化により浮上量の変化を補正する、いわゆるDFH(ダイナミック・フライングハイト)と呼ばれる浮上制御方式の磁気ヘッドを用いた磁気記録装置において、上記ゼロ高さの検出は好ましく行われる。
DFH方式の磁気ヘッドを用いた磁気記録装置において、ゼロ高さの検出は、例えば、以下の工程を経て行われる。まず記録再生用の素子部周辺をヒーターで暖めることにより素子部を突き出させる。次いで、素子部が突き出した磁気ヘッドを磁気ディスクに接触させる。接触したときの素子部の先端の高さ情報が「ゼロ」として検出され、データを記憶させておくためのメモリに記憶される。
このゼロ高さの検出において、磁気記録媒体の潤滑層に磁気ヘッドの素子部の先端が接触する瞬間、磁気ヘッドが振動するという問題がある。この振動の振幅が大きい場合、その振動が素子部の先端の高さ情報を正確に検出することを阻害するおそれがある。
潤滑層は、通常、磁気ヘッドとの摺動に伴う磁気ディスク表面の磨耗を抑制し、また、磁気ヘッドとの接触(ヘッドクラッシュ)により磁性層に担持された情報が破壊されることを防ぐ役目を担っている。例えば特許文献1には、記録を行う内周部と磁気ヘッドをロードする外周部とを、互いに異なる潤滑剤で被覆した磁気記録媒体が開示されている。しかし、特許文献1に開示された磁気記録媒体は、磁気記録媒体の耐衝撃性を向上させる観点から潤滑剤が選択されており、内周部に被覆された潤滑剤又は外周部に被覆された潤滑剤に対してゼロ高さの検出を行うと、磁気ヘッドが振幅の大きい振動を生じる場合があった。
また、例えば特許文献2には、潤滑層が2層からなり、保護層側に、化学的に安定で且つ保護膜と適度な密着性を有する固定的層(ボンド層)を備え、表面側に、主に低摩擦係数の材料からなる流動的層(フリー層)を備える磁気記録媒体が開示されている。
しかし、特許文献2に開示された磁気記録媒体を用いて、固定的層と流動的層が積層された潤滑層に対してゼロ高さの検出を行うと、磁気ヘッドが振幅の大きい振動を生じる場合があった。
特開2004−199723号公報 特開2006−147012号公報
上記問題点に鑑み、本発明はゼロ高さの検出の際、ヘッドが記憶媒体に接触する瞬間に生じる振動の振幅が抑制されうる記憶装置、その記憶装置に用いられる記憶媒体、及びその記憶媒体の製造方法を提供することを目的とする。
この記憶装置は、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報を記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える記憶装置において、
前記記憶媒体の表面に、第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層とが配置された記憶媒体を備えることを特徴とする。
この記憶装置は、更に、前記第2の潤滑層が、前記を接触させて前記ヘッドと前記記憶媒体の間隔を調整するために配置されたことが好ましい。
この記憶装置は、更に、前記ヘッドが、該ヘッドと前記記憶媒体との間隔を調整する調整機構を備えることが好ましい。
この記憶装置は、更に、前記第1の潤滑層が、前記記録又は再生を行う際に前記第2の潤滑層よりも前記ヘッドと近接することが好ましい。
この記憶媒体は、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体において、
前記記憶媒体の少なくとも一方の表面に第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層とが配置されたことを特徴とする。
この記憶媒体は、更に、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報を記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える記憶装置に使用される記憶媒体において、
前記第2の潤滑層が、前記ヘッドを接触させて前記ヘッドと前記記憶媒体の間隔を調整するために配置されたことを特徴とする。
この記憶媒体は、更に、前記第2の潤滑層が、20℃において1Pa・s以下の粘度を有する潤滑剤を含むことが好ましい。
この記憶媒体は、更に前記第2の潤滑層が、末端基−CHOHを有し、末端基−CHOCHCH(OH)CHOHを有しないパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の含有量が80重量%以上であることが好ましい。
この記憶媒体は、更に、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報を記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える記憶装置に使用される記憶媒体において、
前記第1の潤滑層は、記録又は再生時に前記第2の潤滑層よりも前記ヘッドと近接することが好ましい。
この記憶媒体の製造方法は、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層を備えてなる積層物の表面に、第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層が配置された記憶媒体の製造方法において、
前記積層物上に前記第1の潤滑層を配置する工程と、
前記第1の潤滑層の外周部の少なくとも一部を除去する工程と、
前記第1の潤滑層が除去された外周部に前記第2の潤滑層を配置する工程
とを含むことを特徴とする。
本発明の記憶装置は、ゼロ高さ検出のために従来の潤滑層よりも粘性が低い潤滑層を表面に配置した記憶媒体を備えることにより、ゼロ検出時に、その粘性の低い潤滑層がヘッドへ与える衝撃を吸収することができる。よって、その衝撃により生じるヘッドの振幅が小さくなる分、ゼロ高さの検出精度が向上する。その結果、ヘッド浮上量が精度よく制御され、記憶媒体への情報の記録及び再生が安定に行われうる。
1.記憶媒体
本発明の記憶媒体は、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体において、前記記憶媒体の少なくとも一方の表面に第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層とが配置されたことを特徴とする。
まず、本発明の記憶媒体の一使用態様である磁気記録装置について、図1を用いて簡単に説明する。図1は、本発明の記憶媒体を用いた磁気記録装置(ハードディスクドライブ:HDD)を示す概略図である。図1において、HDD100は、ハウジング101を有する。ハウジング101には、スピンドルモータ102に装着される記憶媒体(磁気ディスク)103と、記憶媒体103に対向し磁気ヘッド108が搭載されたヘッドジンバル組立体104とが配置されている。磁気ヘッド108は、記憶媒体へ情報を記録する又は該記憶媒体の情報を再生する働きを有する。磁気ヘッド108は、記憶媒体103へ情報を記録する又は記憶媒体103の情報を再生するための素子部(図示せず)と、素子部を備え記憶媒体103に対向するように配置されたスライダ(図示せず)とを含んでなる。
磁気ヘッド108が搭載されたヘッドジンバル組立体104はシャフト105のまわりで揺動することができるキャリッジアーム106の先端に固定される。キャリッジアーム106はアクチュエータ107によって揺動駆動され、磁気ヘッド108が磁気ディスク103の所望の記録トラックに位置決めされる。それによって、磁気ヘッド108は記憶媒体103に情報を書き込み、あるいは記憶媒体103から情報を読み取ることができる。
以下、本発明の記憶媒体について、実施形態を挙げて説明する。図2は、本発明の記憶媒体の一実施形態である磁気記録媒体を示す模式的平面図及び模式的断面図である。磁気記録媒体1は、基板11に、軟磁性層12、中間層13、記録層14、保護層15が設けられてなる。保護層15の表面には更に潤滑層16がそれぞれ被覆されている。磁気記録媒体1の形状は、目的とする磁気記録媒体の形状に合わせて任意の形状とすることができるが、通常、円盤状である。
基板11は、その形状、構造、大きさ、材料等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記形状としては、本実施形態の磁気記録媒体が磁気ディスク装置に装填される磁気記録媒体である場合には、円盤状であり、また、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。また、基板11を構成する材料としては、磁気記録媒体の基板材料として公知のものの中から適宜選択することが可能であり、例えば、アルミニウム、NiPをメッキしたアルミニウム、ガラス、シリコン、石英、シリコン表面に熱酸化膜を形成してなるSiO/Si(尚、本明細書において「/」は、その前後の材料又は層が積層されていることを意味する。)等の非磁性基板のなかから選択することが可能である。さらに、これらの基板材料は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。基板11は、適宜製造したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
軟磁性層(Soft Under Layer:SUL)12は、その形状、構造、大きさについて特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。軟磁性層12の材料としては、例えば、Ru、Ru合金、NiFe、FeSiAl、FeC、FeCoB、FeCoNiB、及びCoZrNbから選択される少なくとも1種類の材料等が好適に使用可能である。また、これらの材料は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混用してもよい。
中間層13は、主に垂直磁気記録媒体において、記録層14の配向性を向上させるために設けられる層である。中間層13は、その形状、構造、大きさについて特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。中間層13のとしては、例えば、Ni系合金、Ru、Ru系合金、酸化物を有するCoCr系合金等から選択される材料が好適に使用可能である。
記録層14は、磁気記録媒体において、情報の記録、再生を行うために設けられる磁性を有する層である。記録層14の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt及びNiPtから選択される少なくとも1種類の材料等が好適な材料として使用可能である。また、これらの材料は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混用してもよい。記録層14の形状、構造は、前記材料により磁化膜として形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。記録層14の厚みとしては、本発明の効果を害さない限り特に制限はなく、記録時に使用される線記録密度等に応じて適宜選択することができる。
保護層15は、磁気記録装置の動作中に、磁気ヘッドと磁気記録媒体とが不慮の接触を起こした場合でも、記録又は再生性能が劣化しないように、記録層14の表面を物理的衝撃から保護する働きを有する。この保護層15を構成する材料は特に限定されるものではないが、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)を好ましく用いることができる。
軟磁性層12、中間層13、記録層14、保護層15の形成方法については、本発明では特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、スパッタリング、電着法、(交流)メッキ法等により行うことが可能である。
保護膜15は表面に極性基を有することが好ましい。固定的層17が極性基を有する潤滑剤を含む場合、保護膜15と固定的層17との極性基を介した分子間相互作用により密着性が向上し、その結果、潤滑層16全体の密着性が向上するからである。極性基の種類は特に限定されるものではないが、例えばニトリル基が表面に存在する保護膜を用いることができる。ニトリル基を表面に有するDLCの形成方法としては、例えば、プラズマCVD法により表面にニトリル基を有するDLC膜を形成することができる。また、例えば、スパッタリング法によりDLC膜を堆積させた後、更に窒素エッチングを行うことにより、堆積させたDLC膜の表面にニトリル基を配置してもよい。尚、本実施形態における、表面に極性基を有する保護膜は、本発明における第2の極性基を有する層に対応する。
潤滑層16は、保護層15上に被覆された固定的層17、及びその固定的層17上に被覆された流動的層18からなる。流動的層18は内周側に被覆された第1の潤滑層19及び外周側に被覆された第2の潤滑層20からなる。第1の潤滑層19及び第2の潤滑層20は磁気記録媒体の表面に配置されている。潤滑層16は、保護層15とともに表面を物理的衝撃から保護する働きを有する。また、潤滑層16は、軟磁性層、中間層、記録層の腐食を防止する働きも有する。
固定的層17は、保護層15と流動的層18の間に被覆される層である。固定的層17は保護層15との密着性を向上させる働きを有する。固定的層17に含まれる潤滑剤は特に限定されるものではないが、密着性の点から、後述するように固定的層17と第1の潤滑層19は、同一又は類似の主骨格(例えば、下記構造式(1)のXで表現される骨格構造)を有する潤滑剤を含むことが好ましく、特に第1の潤滑層19と同一の材料を含むことが好ましい。固定的層17の形成方法は特に限定されないが、例えば、極性基を有する第1の潤滑層19形成用潤滑剤を、表面に極性基を有する保護層15上に塗布した後、ベークを行うことにより保護層側に固定的層17を、表層側に第1の潤滑層19形成することができる。固定的層17に含まれる極性基と保護層15の表面に存在する極性基との分子間相互作用により、固定的層17は保護層15に固定される。形成された固定的層17の存在によって、固定的層17と保護膜15との間、及び固定的層17と流動的層18との間の密着性が向上する。このため、長時間の磁気記録媒体の回転による潤滑膜の減少が抑制され、磁気記録媒体の耐久性が保持される。固定的層17に含まれる極性基は特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシル基が挙げられる。尚、固定的層17の形成方法として、極性基を有する第1の潤滑層19形成用潤滑剤を、表面に極性基を有する保護層15上に塗布した後、ベークを行わなくても、保護層側に固定的層17を、表層側に第1の潤滑層19形成することができるが、ベークを行ったほうが、固定的層17が厚く形成されるため、上記密着性が向上するため好ましい。固定的層17の厚さは特に限定されないが、通常、1〜10Å程度、好ましくは5〜10Å程度である。
尚、固定的層17に含まれる極性基は、本発明における第1の極性基に対応する。また、固定的層に含まれる潤滑剤は、第1の潤滑層と異なる材料からなるものであってもよい。
第1の潤滑層19は、磁気記録媒体の表面上に、記録層14に対して記録又は再生を行う際に第2の潤滑層よりも磁気ヘッド108の素子部と近接する領域(記録領域)31に設けられる層である。第1の潤滑層19は、保護層15とともに、表面を物理的衝撃から保護する働きを有する。また、第1の潤滑層19は、軟磁性層、中間層、記録層の腐食を防止する働きも有する。
第1の潤滑層の粘度は第2の潤滑層よりも高いものであれば特に限定されるものではないが、20℃において4Pa・s以上であることが、第1の潤滑層に含まれる潤滑剤の磁気ヘッドへの付着を軽減することができる点から好ましい。
第1の潤滑層に含まれる潤滑剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混用してもよい。第1の潤滑層19を構成する材料は特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロポリエーテル(PFPE)系潤滑剤等のフッ素系材料を用いることができ、中でも、以下の構造式(1)で表現されるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を好ましく用いることができる。
R1−X−R2 (1)
X:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF
(但し、pは1000〜5000の中から選択される自然数、qは1000〜5000の中から選択される自然数である。)
R1、R2:下記式で表現される末端基A、末端基B、フッ素原子、又は水素原子から選択される基
末端基A:−CHOCHCH(OH)CHOH
末端基B:−CHOH
第1の潤滑層19を4Pa・s以上とするため、Xの両末端に末端基Aを有し、末端基Bを有しないパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の含有量が90重量%以上であることが好ましい。このような潤滑剤として市販の材料、例えばフォンブリンZ−Tetraol(ソルベイソレイクシス社製)等を用いてもよい。第1の潤滑層19の厚さは特に限定されないが、通常、数Å、好ましくは1〜2Åである。
本実施形態において、保護層15はその表面に極性基を有し、第1の潤滑層19は極性基を有する潤滑剤を含むことが好ましい。第1の潤滑層19に含まれる潤滑剤が極性基を有する場合、固定的層17に含まれる潤滑剤も極性基を有する。固定的層17に含まれる極性基と保護層15の表面に存在する極性基との分子間相互作用により、固定的層17は保護層15に固定される。また、固定的層17は第1の潤滑層19と同一又は類似の主骨格(例えば、上記構造式(1)のXで表現される骨格構造)を有する潤滑剤を含むことから、固定的層17と第1の潤滑層19との密着性は高い。よって、磁気記録媒体の表面から潤滑剤16が剥離しにくい点から好ましい。
第2の潤滑層20は、第2の潤滑層は前記ヘッドを接触させて前記ヘッドと前記記憶媒体の間隔を調整するために配置される。よって、第2の潤滑層20は、磁気記録媒体表面のうち、ゼロ高さの検出を行う目的で設けられる専用領域(ゼロ高さ検出用領域)32に被覆される。第2の潤滑層20は、図2において、磁気記録媒体の表面の第1の潤滑層19よりも外周側に設けられている。第1の潤滑層と第2の潤滑層を図2に示されるように配置する第1の利点は、後述の磁気記録媒体の製造方法を用いて磁気記録媒体が容易且つ安価に製造されうることである。また、第2の利点は、移着しやすい第2の潤滑層が磁気ディスクの回転による遠心力で第1の潤滑層に移着し、更に磁気ヘッドに移着することにより、記録、再生性能が劣化する現象が起こりにくいことである。尚、本発明の記憶媒体において第2の潤滑層が設けられる位置は外周側に限定されるものではなく、内周部や中周部でもよく、更に円周形状に限られず、円弧形状でもよい。
ここでゼロ高さの検出とは磁気ヘッドが磁気記録媒体に接触するときの位置情報を検出することである。ゼロ高さの検出は、磁気記録装置内において磁気ヘッドの浮上量を一定に保つため、通常、磁気記録装置の使用前に行われる。磁気ヘッドの素子の位置は、検出された位置を基準(ゼロ)として所定の浮上量となるように制御される。このような浮上量の制御により、磁気記録装置の個体差間の浮上量のばらつきが少なくなる。特に、磁気記録装置を構成する部品の寸法変化や空気分子密度等の変化等、磁気記録装置内の環境の変化により浮上量の変化を補正する、いわゆるDFH(ダイナミック フライング ハイト)と呼ばれる浮上制御方式の磁気ヘッドを用いた磁気記録装置において、上記ゼロ高さの検出は好ましく行われる。
DFH方式の磁気ヘッドを用いた磁気記録装置において、ゼロ高さの検出は、例えば以下の工程を経て行われる。図3はゼロ高さ検出の各工程を示す模式図である。
まず、図3(a)に示されるように、磁気記録媒体103を回転させ、気流40を生じさせ、磁気記録媒体上に磁気ヘッド108を浮上させる。次いで図3(b)に示されるように、記録再生用の素子部111がヒーター部113で暖められることにより、素子部111は磁気記録媒体103の方向へ突き出し、突き出し部112が生じる。次いで、図3(c)に示されるように、突き出し部112を磁気ディスク103に接触させる。接触したときの突き出し部の先端の高さ情報が「ゼロ」として検出され、データを記憶させておくRAM等のメモリ(図示せず)に記憶される。ゼロ高さ検出後、ゼロ高さの検出を行った磁気記録装置は、図3(d)に示されるように、メモリに記憶されたゼロ高さを基準として所定の浮上量Hになるように突き出し部112の突き出し量が制御されることにより、情報の記録再生が安定して行われうる。ゼロ高さの検出の詳細については、例えば、特願2006−346760号を参照されたい。
本実施形態の磁気記録媒体を用いた磁気記録装置は、素子部が突き出した磁気ヘッドが第2の潤滑層20上に接触するようにゼロ高さの検出を行う。第2の潤滑層が、情報の記録又は再生が行われる部分の保護のために設けられた第1の潤滑層よりも粘度が低いため、ゼロ高さ検出時に第2の潤滑層がヘッドの素子の先端へ与える反発力(衝撃)は抑制される。この反発力の抑制により、第2の潤滑層に接触した磁気ヘッドの振動振幅が減少する。よって、ゼロ高さの検出精度が向上し、磁気記録装置の使用時にヘッド浮上量を精度よく制御することが可能である。このため、本実施形態の磁気記録装置は磁気記録媒体への情報の記録及び再生を安定に行うことができる。
第2の潤滑層20の粘度は第1の潤滑層よりも低いものであれば特に限定されるものではないが、20℃において1Pa・s以下であることが、上記ゼロ高さの検出の際に生じる磁気ヘッドの振動振幅を減少させる点から好ましい。
第2の潤滑層20に含まれる潤滑剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混用してもよい。第2の潤滑層20を構成する材料は特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロポリエーテル(PFPE)系潤滑剤等のフッ素系材料を用いることができ、中でも、以下の構造式(2)で表現されるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を好ましく用いることができる。
R3−Y−R4 (2)
Y:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF
(但し、pは1000〜5000の中から選択される自然数、qは1000〜5000の中から選択される自然数である。)
R3、R4:下記式で表現される末端基A、末端基B、フッ素原子、又は水素原子から選択される基
末端基A:−CHOCHCH(OH)CHOH
末端基B:−CHOH
第2の潤滑層20を1Pa・s以下とするため、Yの両末端に末端基Bを有し、末端基Aを有しないパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の含有量が80重量%以上であることが好ましい。このような潤滑剤として市販の材料、例えば、フォンブリンZ−Dol(ソルベイソレイクシス社製)等を用いてもよい。第2の潤滑層19の厚さは特に限定されないが、通常、数Å、好ましくは1〜2Åである。第2の潤滑層の表面と第1の潤滑層の表面は略同一平面上に存在することが好ましい。
第2の潤滑層20は、図2に示す磁気記録媒体において、固定的層17上に被覆されている。固定的層17に含まれる潤滑剤の主骨格X(構造式(1)参照)と第2の潤滑層20に含まれる潤滑剤の主骨格Y(構造式(2)参照)とが同一又は類似の構造を有するため、固定的層17と第2の潤滑層との密着性の点において優れている。
尚、本発明の磁気記録媒体において、第2の潤滑層が被覆される下地となる層は、必ずしも固定的層でなくてもよく、保護層上に直接被覆されていてもよい。第2の潤滑層が保護層上に被覆される場合は、上記式(2)において、R3、R4は、ヒドロキシル基等の極性基を有しない基であってもよい。
固定的層18及び第1の潤滑層19の形成にあたっては、第1の潤滑層形成用溶液を保護層15上に塗布した後、固定的層17を形成するための後処理を行う。
第1の潤滑層形成用溶液の塗布の手段は特に限定されないが、例えばディップ方式が用いられる。ディップ方式では、潤滑剤溶液中に、基板11に保護膜15までが形成された積層物を浸漬しておき、その基板11を引き上げたりあるいは潤滑剤溶液の液面を降下させたりすることによって潤滑剤溶液の塗布を行う。このディップ方式は、大量生産に向いており膜厚制御が容易である。また、膜厚が均一になるように塗布することができる。このほか、塗布の手段として、スピン方式や、スプレー方式を用いてもよい。
第1の潤滑剤を塗布した後、後処理を行って固定的層17を形成する。固定的層17が形成されることにより潤滑層16の密着性を向上させることができる。後処理としては、通常加熱処理(ベーク)が行われる。
第2の潤滑層の形成手段は特に限定されないが、磁気記録媒体の外周側に第2の潤滑層を形成する場合には、ディップ方式を用いることが生産性の点から好ましい。第2の潤滑剤の形成手段については、磁気記録媒体の製造方法の項目において後述する。
本実施形態の磁気記録媒体によれば、ゼロ高さ検出のために従来の潤滑層よりも粘性が低い潤滑層を表面に配置することにより、磁気記録装置内において、ゼロ検出時に、この潤滑層が磁気ヘッドから受ける衝撃を吸収することができる。よって、その衝撃により生じる磁気ヘッドの振幅が小さくなる分、ゼロ高さの検出精度も向上する。その結果、ヘッド浮上量が精度よく制御され、記憶媒体への情報の記録及び再生が安定に行われうる。
尚、本実施形態においては、記録層として、磁性を有する記録層が用いられたが、本発明の記憶媒体において、記録層は情報の記録及び再生を行う働きを有するものであればよく、磁性を有するものに限定されない。
2.記憶媒体の製造方法
本発明における記憶媒体の製造方法は、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層を備えてなる積層物の表面に第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層が配置された磁気記録媒体の製造方法において、前記積層物上に前記第1の潤滑層を配置する工程と、前記第1の潤滑層の外周部の少なくとも一部を除去する工程と、前記第1の潤滑層が除去された外周部に前記第2の潤滑層を配置する工程を含むことを特徴とする。
上述した本発明の記憶媒体は、製造方法について特に限定されない。しかし、記憶媒体が容易且つ安価に製造されうる点、及び得られる記憶媒体を備えた記憶装置の使用中に、移着しやすい第2の潤滑層が磁気ヘッドに移着することにより、記録、再生性能が劣化する現象が起こりにくい点において、本発明における記憶媒体の製造方法は優れている。
以下、本発明の記憶媒体の製造方法について、実施形態を挙げて説明する。
図4は、本発明の記憶媒体の製造方法の一実施形態である、磁気記録媒体の製造方法を示す工程図である。
本実施形態における第1の工程は、基板の少なくとも一方に磁性を有する記録層、該記録層を保護する保護層を備えてなる積層物を準備する工程である。
本実施形態における第2の工程は、第1の工程で準備した積層物上に流動性を有する第1の潤滑層を配置する工程である。
本実施形態における第3の工程は、第2の工程で配置された第1の潤滑層の積層物側を積層物に密着させるための固定的層を形成する工程である。
本実施形態における第4の工程は、第1の潤滑層の外周部の少なくとも一部を除去する工程である。
本実施形態における第5の工程は、第1の潤滑層が除去された外周部に前記第2の潤滑層を配置する工程である。
以下、各工程について、図5及び図6を用いて順に説明する。図5及び図6は、図4に示す本発明の記憶媒体の製造方法の一実施形態において、各工程を示す模式図である。尚、上記記憶媒体についての説明と重複する部分については、記載を省略する。
(第1の工程:積層物を準備する工程)
第1の工程は、基板の少なくとも一方に磁性を有する記録層、該記録層を保護する保護層を備えてなる積層物を準備する工程である。
基板は、例えば上述した非磁性基板の中から適宜選択して用いることができる。基板は適宜製造したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
基板上には、記録層のほかに、上述した軟磁性層、中間層、保護層等を積層することができる。例えば、図5(a)に示されるような、非磁性基板11/軟磁性層12/中間層13/記録層14/保護層15からなる積層物2が形成されうる。上記各層を形成する手段は特に限定されるものではなく、上記記憶媒体の一実施形態の説明で挙げた、スパッタリング、電着法、(交流)メッキ法等により行うことが可能である。
(第2の工程:第1の潤滑層を配置する工程)
第2の工程は、第1の工程で準備した積層物上に流動性を有する第1の潤滑層を配置する工程である。流動性を有する第1の潤滑層としては、本発明の記憶媒体の一実施形態として説明した磁気記録媒体に含まれる第1の潤滑層についての説明で挙げた材料を適宜選択して用いることができる。
第1の潤滑層を配置する手段は特に限定されないが、例えば、例えばディップ方式が用いられる。ディップ方式では、図5(b−1)に示されるように、第1の潤滑層形成用の潤滑剤溶液41中に、基板11に保護膜15までが形成された積層物2を浸漬し、その後、基板11を引き上げることにより潤滑剤溶液41の塗布を行う。尚、基板11を引き上げる代わりに、潤滑剤溶液の41液面を降下させることによって潤滑剤溶液41の塗布を行ってもよい。このディップ方式は、大量生産に向いており膜厚制御が容易である。また、膜厚が均一になるように塗布することができる。このほか、塗布の手段として、スピン方式や、スプレー方式を用いてもよい。第2の工程により、図5(b−2)に示されるように、第1の潤滑層19が形成された積層物2が得られる。
(第3の工程:固定的層を形成する工程)
第3の工程は、第2の工程で配置された第1の潤滑層の積層物側に、積層物に密着させるための固定的層を形成する工程である。この固定的層17を構成する材料としては、上記実施形態の記憶媒体を構成する固定的層17について説明したとおり、極性基を有する潤滑剤を好ましく用いることができる。
固定的層17を形成する方法としては、第2の工程で得られた、第1の潤滑層19が形成された積層物2を加熱処理(ベーク)する方法が用いられる。この場合、加熱処理により、第1の潤滑層19のうち積層物2に近い部分が、分子間相互作用により保護層15に固定される。この固定された部分が固定的層17である。図5(c)は、第3の工程で得られる固定的層が形成された積層物である。固定的層17上には、保護層15との分子間相互作用が弱い第1の潤滑層19が被覆されている。
尚、本発明における記憶媒体の製造方法においては、積層物上に固定的層を形成した後に、第1の潤滑層を更に形成してもよい。この場合、固定的層と第1の潤滑層とが、それぞれ異なる材料からなるものであってもよい。また、上記実施形態においては加熱処理を行っているが、加熱処理を行わずに常温で放置することにより固定的層を形成してもよい。
(第4の工程:第1の潤滑層の外周部を除去する工程)
第4の工程は、第2の工程で配置された第1の潤滑層の外周部のうち少なくとも一部を除去する工程である。第1の潤滑層を除去する方法としては、例えば、図6(d−1)のように、第3の工程で得られた積層物のうち磁気ディスクのデータエリアより外周部のみを溶媒42に回転させながら浸漬させ、第2の工程で形成した第1の潤滑層19をリンスし、除去する。溶媒42は、第1の潤滑層19を除去可能なものであればよいが、例えば、フッ素系溶媒及び純水等を用いることができる。フッ素系溶媒としては、市販の溶媒、例えばFC77/FC3255/HFE7300(スリーエム社製)、Vertrel−XF(デュポン社製)、H−Galden(ソルベイソレイクシス社製)等を用いることができる。上記溶媒がフッ素系溶媒の場合、その揮発を抑えるために、溶媒は約20〜25℃の範囲に保つことが好ましい。図6(d−2)は、第4の工程で得られる、第1の潤滑層の外周部が除去された積層物を示す断面模式図である。
尚、図6(d−2)においては、外周部の第1の潤滑層が全部除去されているが、本発明の記憶媒体の製造方法においては、第4の工程において、外周部の第1の潤滑層が一部残されてもよい。また、本発明の記憶媒体の製造方法においては、第4の工程において、外周部の固定的層が全部又は一部除去されてもよい。
(第5の工程:外周部に第2の潤滑層を配置する工程)
第5の工程は、第1の潤滑層が除去された外周部に第2の潤滑層を配置する工程である。第2の潤滑層を構成する材料としては、上記本発明の記憶媒体の一実施形態の磁気記録媒体を構成する第2の潤滑層20で挙げた化合物を適宜用いることができる。
第2の潤滑層の形成手段は特に限定されないが、ディップ方式を用いることが生産性の点から好ましい。第4の工程で得られた積層物のうち磁気ディスクのデータエリアより外周部のみを第2の潤滑層形成用潤滑剤溶液43に回転させながら浸漬させ、第2の潤滑層を配置する。
図6(e−1)は、図6(d−2)の積層物を、ディップ方式を用いて外周部に第2の潤滑層を配置する方法を示す模式図である。図6(e−2)は、外周部に第2の潤滑層が配置された、第5の工程で得られる積層体であり、本実施形態により得られる磁気記録媒体である。
3.記憶装置
本発明の記憶装置は、基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層を備えてなる積層物の表面に、第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層が配置された記憶媒体の製造方法において、前記積層物上に前記第1の潤滑層を配置する工程と、前記第1の潤滑層の外周部の少なくとも一部を除去する工程と、前記第1の潤滑層が除去された外周部に前記第2の潤滑層を配置する工程を含むことを特徴とする
本発明の記憶装置は、上述した本発明の記憶媒体を備えていることにより、記憶装置内においてゼロ高さの検出を精度よく行うことができる。ゼロ高さの検出については、本発明の記憶媒体の一実施形態の説明で述べたとおりである。ゼロ高さの検出の精度がよいため、記憶装置の動作中、ヘッド浮上量を所定値に保持した状態で、情報の記録再生が安定して行われうる。
記憶装置の実施形態については、図1乃至図3を参照して概要を説明しているため、詳細な説明は省略する。図1における磁気ヘッド108は本発明の記憶装置におけるヘッドに対応する。本発明の記憶装置におけるヘッドは磁気ヘッドに限定されるものではなく、使用する記憶媒体の記憶方式に応じて、変更することができる。なお、記憶装置の製造方法については、公知技術を参照すればよい。
本発明の記憶媒体、記憶媒体の製造方法、及び記憶装置は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
直径65mmのガラス基板上に、Ru及びRu系合金等の反強磁性材料を積層した軟磁性層、Ni系合金、Ru系合金、及び酸化物を有するCoCr系合金を積層した中間層、Co、Ni、Fe、Co系合金、Ni系合金、Fe系合金等の強磁性材料を積層した記録層をスパッタリング法により積層しダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる保護膜を順にCVD(ケミカルベーパーデポジション)法により積層し、図5(a)に示すような積層物2を形成した。
次いで、下記式(3)〜(5)に示すフッ素系材料を含む潤滑剤が入れられた処理槽に、得られた積層物を完全に浸漬した後、引き上げるディップ処理を行い、第1の潤滑層を保護膜に塗布し、図5(b−2)に示すような第1の保護膜19を被覆した積層物を形成した。
R5−X1−R5 (3)
(但し、X1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1100−1200、q:1000−1100、R5:−CHOCHCH(OH)CHOHである。)
R6−X1−R6 (4)
(但し、X1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1100−1200、q:1000−1100、R6:−CHOHである。)
R7−X1−R7 (5)
(但し、X1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1100−1200、q:1000−1100、R7:−Fである。)
上記式(3)、(4)、(5)の配合比はそれぞれ、94.0重量%、5.7重量%、0.3重量%だった。第1の潤滑層の粘度は2.78Pa・sだった。尚、粘度は、粘度・弾性測定装置(REOLOGICA社製、商品名「VAR−100」)を用いて測定した。尚、後述の実施例及び比較例の粘度の測定も同様に行った。
次いで、加熱炉内に第1の保護膜を被覆した積層物を配置して、130℃で48分間ベーク処理を行い、図5(c)に示すような固定的層17備える積層物を形成した。
次いで、図6(d−1)のように、ベーク処理後の潤滑層を形成された積層物を、磁気ディスクのデータエリアより外周部のみ、Vertrel−XFに回転させながら浸漬させた。溶媒の温度は20〜25℃の範囲に保った。この浸漬によって、図6(d−2)に示すような、外周部の第1の保護膜を除去した積層物を得た。
次いで、図6(e−1)のように、第1の保護膜を除去した外周部、すなわちデータエリア外部に、下記式(6)〜(8)で表現されるフッ素系材料を含む潤滑剤が入れられた処理槽に、外周部の第1の保護膜を除去した積層物を回転させながら浸漬させ、固定的層17上に第2の保護膜を被覆した。この塗布によって、実施例1の磁気記録媒体を得た。
R5−Y1−R5 (6)
(但し、Y1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:400−500、q:400−500、R5:−CHOCHCH(OH)CHOHである。)
R6−Y1−R6 (7)
(但し、Y1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:400−500、q:400−500、R6:−CHOH、p:1100−1200、q:1000−1100である。)
R7−Y1−R7 (8)
(但し、Y1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:400−500、q:400−500、R7:−Fである。)
上記式(6)、(7)、(8)の配合比はそれぞれ、17.1重量%、80.6重量%、2.3重量%だった。第2の潤滑層の粘度は0.13Pa・sだった。
(実施例2)
上記式(6)〜(8)の代わりに、下記式(9)〜(11)で表現されるフッ素系材料を用いた。
R−Y2−R5 (9)
(但し、Y2:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:450−550、q:350−450、R5:−CHOCHCH(OH)CHOHである。)
R6−Y2−R6 (10)
(但し、Y2:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:450−550、q:350−450、R6:−CHOHである。)
R7−Y2−R7 (11)
(但し、Y2:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:450−550、q:350−450、R7:−Fである。)
上記式(9)、(10)、(11)の配合比はそれぞれ、66.2重量%、33.3重量%、0.5重量%だった。第2の潤滑層の粘度は0.47Pa・sだった。
上記材料の変更を除き、実施例1と同様の方法により、実施例2の磁気記録媒体を得た。
(実施例3)
上記式(6)〜(8)の代わりに、下記式(12)〜(14)で表現されるフッ素系材料を用いた。
R5−Y3−R5 (12)
(但し、Y3:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1250−1350、q:1250−1350、R5:−CHOCHCH(OH)CHOHである。)
R6−Y3−R6 (13)
(但し、Y3:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1250−1350、q:1250−1350、R6:−CHOHである。)
R7−Y3−R7 (14)
(但し、Y3:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:450−550、q:350−450、R7:−Fである。)
上記式(12)、(13)、(14)の配合比はそれぞれ、77.0重量%、22.0重量%、1.0重量%だった。第2の潤滑層の粘度は0.61Pa・sだった。
上記材料の変更を除き、実施例1と同様の方法により、実施例3の磁気記録媒体を得た。
(実施例4)
上記式(6)〜(8)の代わりに、下記式(15)〜(17)で表現されるフッ素系材料を用いた。
R5−Y4−R5 (15)
(但し、Y4:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1700−1800、q:1700−1800、R5:−CHOCHCH(OH)CHOHである。)
R6−Y4−R6 (16)
(但し、Y4:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1700−1800、q:1700−1800、R6:−CHOHである。)
R7−Y4−R7 (17)
(但し、Y4:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1700−1800、q:1700−1800、R7:−Fである。)
上記式(15)、(16)、(17)の配合比はそれぞれ、47.5重量%、52.0重量%、0.5重量%だった。第2の潤滑層の粘度は0.61Pa・sだった。
上記材料の変更を除き、実施例1と同様の方法により、実施例4の磁気記録媒体を得た。
(実施例5)
上記式(6)〜(8)の代わりに、下記式(18)〜(20)で表現されるフッ素系材料を用いた。
R5−Y5−R5 (18)
(但し、Y5:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1000−1100、q:1000−1100、R5:−CHOCHCH(OH)CHOHである。)
R6−Y5−R6 (19)
(但し、Y5:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1000−1100、q:1000−1100、R6:−CHOHである。)
R7−Y5−R7 (20)
(但し、Y5:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1000−1100、q:1000−1100、R7:−Fである。)
上記式(18)、(19)、(20)の配合比はそれぞれ、59.3重量%、39.9重量%、0.8重量%だった。第2の潤滑層の粘度は0.94Pa・sだった。
上記材料の変更を除き、実施例1と同様の方法により、実施例5の磁気記録媒体を得た。
(比較例1)
まず、実施例1と同様に、図5(a)に示すような積層物2を形成した。
次いで、下記式(3)〜(5)に示すフッ素系材料を含む潤滑剤が入れられた処理槽に、得られた積層物を完全に浸漬した後、引き上げるディップ処理を行い、第1の潤滑層を保護膜に塗布し、図5(b−2)に示すような第1の保護膜19を被覆した積層物を形成した。
R5−X1−R5 (3)
(但し、X1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1100−1200、q:1000−1100、R5:−CHOCHCH(OH)CHOHである。)
R6−X1−R6 (4)
(但し、X1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1100−1200、q:1000−1100、R6:−CHOHである。)
R7−X1−R7 (5)
(但し、X1:−CF−O−(CF−CF−O)−(CFO)−CF−、p:1100−1200、q:1000−1100、R7:−Fである。)
上記式(3)、(4)、(5)の配合比はそれぞれ、94.0重量%、5.7重量%、0.3重量%だった。第1の潤滑層の粘度は2.78Pa・sだった。
次いで、加熱炉内に第1の保護膜を被覆した積層物を配置して、130℃で48分間ベーク処理を行い、図5(c)に示すような固定的層17備える積層物を形成し、比較例1の磁気記録媒体を得た。尚、後述の磁気ヘッドのゼロ高さ検出は、第1の潤滑層が形成された部分のうち、実施例1〜5において第2の潤滑層が被覆された部分に対応する部分において行った。
(評価)
1.磁気ヘッドのゼロ高さ検出時の変位量Dと粘度ηの関係
実験例1、比較例1で得られた磁気記録媒体を図1に示す磁気記録装置に組み込み、ゼロ高さ検出を行った。この磁気記録装置の磁気ヘッド108は、図3に示される磁気ヘッド108のように、素子部113を加熱することが可能なヒーター113が設けられた。ヒーター113加熱し、素子部111の突き出し量を徐々に増加させ、一定の回転数で回転させた磁気記録媒体上の第2の潤滑層が塗布された面に、磁気ヘッドを接触させた。磁気ヘッドが接触した後0.2秒間の振動の変位量(振れ幅)を、LDV(レーザー・ドップラー・バイブロメーター)振動計(電子技研工業社製、商品名「V1002」)を用いて測定した。
図7は、振動の変位量を検出する手段について示した概念図である。LDV110から磁気ヘッド108に対して垂直にレーザー光を照射し、磁気ヘッドから反射されるドップラー信号をLDV110により検出した。検出した信号は周波数分解された。特定の周波数における信号強度が、磁気ヘッドの変位量として出力された。尚、観測した磁気ヘッドの振動の方向は、磁気記録媒体の表面に対して垂直な方向である。
図8は、磁気ヘッドのゼロ高さ検出時の変位量に対する第2の潤滑層の粘度のプロットである。図8において横軸は粘度η(Pa・s)、縦軸は磁気ヘッドの変位量D(nm)である。実施例1〜5の磁気記録媒体を使用した場合、磁気ヘッドの変位量Dは0.5nm以下だった。一方、比較例1の磁気記録媒体を使用した場合、磁気ヘッドの変位量Dは0.98nmと、実施例1〜5のそれと比較して、約2〜3倍程度大きかった。
2.磁気ヘッドの汚れと粘度の関係
実施例1の磁気記録媒体を、図1に示す磁気記録装置に組み込み、減圧約300hPaの環境下で、一定時間、磁気記録媒体表面の第1の潤滑層上でヘッドシークを行った。ヘッドシークを行った後、磁気ヘッドの表面を顕微鏡を用いて観察した像を図9の左上に示す。また、ヘッドに転写した潤滑層の様子を測定用基板に移着させ、その移着させた測定用基板をOSA(オプティカル・サーフェース・アナライザー)(Candela社製、商品名「OSA6100」)を用いて偏向解析を行い、得られたOSA像を図9の左下に示す。移着の方法は特願2006−326176号、段落番号0034〜0036に記載された方法に準じて行った。測定用基板としては、上記積層物2と同じ層構成のものを準備して用いた。移着時間は30分、移着処理温度は20〜25℃だった。また、偏向解析の方法は、特願2006−326176号、段落番号0038〜0039に記載された方法に準じて行った。OSA像において、色が濃い部分ほど第1の潤滑層から潤滑剤が転写され、磁気ヘッドが汚染されていることを意味する。第1の潤滑層上でシークした場合は、OSA像の色が濃い部分の面積が小さく、磁気ヘッドはあまり汚染されていないことが分かった。
また、実施例1の磁気記録媒体を、図1に示す磁気記録装置に組み込み、減圧約300hPaの環境下で、上記と同じ一定時間、磁気記録媒体表面の第2の潤滑層上でヘッドシークを行った。ヘッドシークを行った後、磁気ヘッドの表面を顕微鏡を用いて観察した像を図9右上に示す。更に、ヘッドに転写した第2の潤滑層の様子を、上記と同様に測定用基板に移着させ、偏向解析を行い、得られたOSA像を図9右下に示す。第2の潤滑層上でシークした場合は、OSA像の色が暗い部分の面積が大きく、磁気ヘッドは第2の潤滑層が転写され、汚染されていることが分かった。
仮に上記実施例1の第1の潤滑層が第2の潤滑層に用いた材料により形成されると、その第1の潤滑層が磁気ヘッドに転写し、磁気記録、再生性能に悪影響を及ぼす恐れがある。一方、実施例1の磁気記録媒体の場合、第2の潤滑層上にヘッドが近接するのは通常ゼロ高さの検出時のみであり、通常の記録、再生動作時に、第2の潤滑層が磁気ヘッドへ転写することは稀である。
ここで再び、本発明の詳細な特徴を改めて説明する。
(付記1)
基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報の記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える記憶装置において、
前記記憶媒体の表面に、第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層とが配置された記憶媒体を備える記憶装置。
(付記2)
前記第2の潤滑層が、前記ヘッドを接触させて前記ヘッドと前記記憶媒体の間隔を調整するために配置されたことを特徴とする付記1に記載の記憶装置。
(付記3)
前記ヘッドが、該ヘッドと前記記憶媒体との間隔を調整する調整機構を備える付記1に記載の記憶装置。
(付記4)
前記ヘッドが、前記調整機構としてヒーター部を有することを特徴とする付記3に記載の記憶装置。
(付記5)
前記第1の潤滑層が、記録又は再生時に前記第2の潤滑層よりも前記ヘッドと近接することを特徴とする付記1に記載の記憶装置。
(付記6)
前記ヘッドを前記第2の潤滑層に接触させることにより、該ヘッドと該記憶媒体との間隔の位置情報を検出し、該位置情報を使用して該ヘッドと該記憶媒体との間隔を制御する、付記1に記載の記憶装置。
(付記7)
基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記録媒体において、
前記記憶媒体の少なくとも一方の表面に第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層とが配置されたことを特徴とする記憶媒体。
(付記8)
基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報の記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える記憶装置に使用される記憶媒体において、
前記第2の潤滑層は前記ヘッドを接触させて前記ヘッドと前記記憶媒体の間隔を調整するために配置されたことを特徴とする付記7に記載の記憶媒体。
(付記9)
前記第2の潤滑層が、20℃において1Pa・s以下の粘度であることを特徴とする付記7に記載の記録媒体。
(付記10)
前記第2の潤滑層が、末端基−CHOHを有し、末端基−CHOCHCH(OH)CHOHを有しないパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の含有量が80重量%以上であることを特徴とする付記7に記載の記録媒体。
(付記11)
基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報を記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える記憶装置に使用される記憶媒体において、
前記第1の潤滑層は、記録又は再生時に前記第2の潤滑層よりも前記素子部と近接することを特徴とする付記7に記載の記憶媒体。
(付記12)
前記第1の潤滑層が、20℃において4Pa・s以上の粘度であることを特徴とする付記7に記載の記録媒体。
(付記13)
前記第2の潤滑層が、末端基−CHOCHCH(OH)CHOHを有し、末端基−CHOHを有しないパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の含有量が90重量%以上であることを特徴とする付記7に記載の記録媒体。
(付記14)
前記第1の潤滑層に、該第1の潤滑層の密着性を向上させる固定的層が設けられたことを特徴とする付記7に記載の記憶媒体。
(付記15)
前記第2の潤滑層の前記基板側に、前記第2の潤滑層の密着性を向上させる固定的層が設けられたことを特徴とする付記7に記載の記憶媒体。
(付記16)
前記固定的層が第1の極性基を有する潤滑剤を含み、前記固定的層の前記基板側に第2の極性基を有する層が設けられたことを特徴とする付記15に記載の記憶媒体。
(付記17)
前記第2の潤滑層が、前記第1の潤滑層よりも外周側に配置されたことを特徴とする付記7に記載の記憶媒体。
(付記18)
前記記憶媒体へ情報を記録する又は前記記憶媒体の情報を再生するため前記記録媒体に対向するように配置された前記ヘッドを、前記第2の潤滑層に接触させることにより、該ヘッドと該記憶媒体との間隔の位置情報を検出し、該位置情報を使用して該ヘッドと該記憶媒体との間隔を制御する記憶装置に備えられることを特徴とする、付記7に記載の記憶媒体。
(付記19)
前記1Pa・s以下の粘度を有する潤滑剤がフッ素系材料からなることを特徴とする付記7に記載の記憶媒体。
(付記20)
基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層を備えてなる積層物の表面に第1の潤滑層と、該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層が配置された磁気記録媒体の製造方法において、
前記積層物上に前記第1の潤滑層を配置する工程と、
前記第1の潤滑層の外周部の少なくとも一部を除去する工程と、
前記第1の潤滑層が除去された外周部に前記第2の潤滑層を配置する工程
を含むことを特徴とする記憶媒体の製造方法。
(付記21)
前記積層物上に、前記第1の潤滑剤の密着性を向上させる固定的層を設ける工程
を含むことを特徴とする付記20に記載の記憶媒体の製造方法。
(付記22)
前記固定的層を設ける工程においてベークを行うことを特徴とする付記21に記載の記憶媒体の製造方法。
(付記23)
前記基板上の少なくとも一方に、前記記録層及び該記録層を保護する保護層を順に積層する、積層物準備工程
を含むことを特徴とする付記20に記載の記憶媒体の製造方法。
本発明の記憶媒体を用いた記憶装置(ハードディスクドライブ:HDD)を示す概略図である。 本発明の記憶媒体の一実施形態を示す模式的平面図及び模式的断面図である。 ゼロ高さの検出の各工程を示す模式図である。 本発明の記憶媒体の製造方法について一実施形態を示す工程図である。 図4に示す本発明の記憶媒体の製造方法の一実施形態において、各工程を示す模式図である。 図4に示す本発明の記憶媒体の製造方法の一実施形態において、各工程を示す模式図である。 振動の変位量を検出する手段について示した概念図である。 磁気ヘッドのゼロ高さ検出時の変位量に対する第2の潤滑層の粘度のプロットを示す図である。 磁気ヘッドの表面を顕微鏡を用いて観察した像、及びOSA(オプティカル・サーフェース・アナライザー)で観察した像である。
符号の説明
1 記憶媒体(磁気ディスク)
2 積層物
11 基板
12 軟磁性層
13 中間層
14 記録層
15 保護層
16 潤滑層
17 固定的層
18 流動的層
19 第1の潤滑層
20 第2の潤滑層
31 記録領域
32 ゼロ高さ検出用領域
41 第1の潤滑層形成用の潤滑剤溶液
42、42’ 溶媒
43、43’ 第2の潤滑層形成用の潤滑剤溶液
101 記憶装置(HDD)
102 スピンドルモータ
103 記憶媒体(磁気ディスク)
104 ヘッドジンバル組立体
105 シャフト
106 キャリッジアーム
107 アクチュエータ
108 磁気ヘッド
109 回転方向
110 LDV
111 素子部
112 突き出し部
113 ヒーター
114 スライダ

Claims (7)

  1. 基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報を記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える浮上式記憶装置において、
    前記記憶媒体の表面のうち記憶領域に第1の潤滑層が配置され、ゼロ高さ検出領域に該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層が配置された記憶媒体
    を備える記憶装置。
  2. 前記ヘッドが、該ヘッドと前記記憶媒体との間隔を調整する調整機構を備える請求項1に記載の記憶装置。
  3. 前記第1の潤滑層が、前記記録又は再生を行う際に前記第2の潤滑層よりも前記ヘッドと近接することを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
  4. 基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記録媒体において、
    前記記憶媒体の少なくとも一方の表面のうち記憶領域に第1の潤滑層が配置され、ゼロ高さ検出領域に該第1の潤滑層よりも粘性が低い第2の潤滑層が配置された
    ことを特徴とする記憶媒体。
  5. 前記第2の潤滑層が、20℃において1Pa・s以下の粘度を有する潤滑剤を含むことを特徴とする請求項に記載の記録媒体。
  6. 前記第2の潤滑層が、末端基−CH2OHを有し、末端基−CHOCHCH(OH)CHOHを有しないパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の含有量が80重量%以上であることを特徴とする請求項に記載の記録媒体。
  7. 基板の少なくとも一方に情報の記録及び再生を行うための記録層が設けられた記憶媒体と、該記憶媒体へ情報を記録する又は該記憶媒体の情報を再生するために該記憶媒体に対向するように配置されたヘッドとを備える記憶装置に使用される記憶媒体において、
    前記第1の潤滑層が、記録又は再生時に前記第2の潤滑層よりも前記ヘッドと近接することを特徴とする請求項に記載の記憶媒体。
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