JP2007250058A - コンタクト磁気記録方式用の磁気ディスク媒体およびそれを用いた固定磁気記録装置 - Google Patents

コンタクト磁気記録方式用の磁気ディスク媒体およびそれを用いた固定磁気記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐久性と信頼性を備えたコンタクト磁気記録方式に用いる磁気ディスク媒体および固定磁気記録装置を提供する。
【解決手段】基板上に、磁性層、保護層および潤滑層を備え、コンタクト磁気記録方式に用いられる磁気ディスク媒体において、前記潤滑層は、2層以上が積層されており、保護層側から第1潤滑層、第2潤滑層とした時に、保護層に対する結合力が、第2潤滑層の方が第1潤滑層より大きいことを特徴とする。
両潤滑層が水酸基を末端基に有するパーフルオロポリエーテルであり、第2潤滑剤の水酸基の数が、第1潤滑剤の水酸基の数より多いことが好ましい。特に、第1潤滑剤がZ−dolであり、第2潤滑剤がZ−tetraolであることが好ましい。
また、保護層がダイヤモンドライクカーボンであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンピュータの外部記憶装置等として用いられる磁気記録装置の内で、コンタクト磁気記録方式を用いた固定磁気記録装置(HDD)に用いる磁気ディスク媒体(以下、磁気ディスクとも略す。)に関する。
HDDにおいて、記録密度の増加を図るためには磁気スペーシングを狭めるほうが有利である。磁気スペーシングとは、磁気記録ヘッドで読み書きを担う素子と磁気ディスク媒体で記録を担う磁気記録層との距離のことであり、具体的には、磁気ディスク媒体の保護層および潤滑層の膜厚、ならびに磁気記録ヘッドスライダ(以下、単にスライダとも略す。)の浮上量から構成される。このため、従来はスライダの浮上量を低減することが指向されてきたが、浮上量の低下と共に、スライダ−と磁気ディスク間の接触は不可避となってきた。このため、スライダと磁気ディスクを積極的に接触・摺動させながら磁気記録情報を磁気ディスクに記録する、いわゆるコンタクト磁気記録方式の採用が検討されている。
コンタクト磁気記録方式においては、スライダと磁気ディスクが常時接触することから磁気ディスクの耐久性に係る要求はきわめて高くなる。従来、フロッピー(登録商標)ディスク装置あるいは磁気テープ装置においても磁気記録ヘッドと磁気記録媒体は接触して記録が行われていた。しかしながら、HDDにおいては、高速な記録・再生が要求されることから磁気ディスクは高速回転しており、スライダと磁気ディスクの相対速度はフロッピーディスク装置などに比較して極めて高く、格段に高い耐久性能が要求されることになる。
このため、コンタクト磁気記録方式に適用可能な耐久性能を得ることを目的として磁気ディスクの保護層、潤滑層に施す種々の試みが提案されてきた。例えば、潤滑層を2層で構成し、保護層との結合率が高い潤滑層を保護層側に配置し、その上に保護層と結合しない所謂フリー層を配置して耐久性を向上する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、潤滑剤に要求される粘着性能と耐久性能の内のいずれか一方に優れる潤滑剤を2種準備し、これを積層して潤滑層を構成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、いずれの方法においても未だ満足しうる状況にはないのが現状である。
特開2001−184622号公報 特開平8−138235号公報
磁気ディスクに用いられる潤滑剤の主要な性能として、保護層に対する結合性と潤滑層の修復性が挙げられる。保護層に対する結合性は、潤滑剤が末端基等を介して保護層と化学的な結合もしくは吸着しやすさを表すものであり、潤滑層の修復性は、保護層を被覆する潤滑剤が何らかの原因により剥離もしくは離脱して保護層の被覆が損傷した場合に、周囲の潤滑剤が該当部に流動して被覆を復元する性能を表している。一般には両者はトレードオフの関係にある。即ち、保護層との結合性に富む場合には、潤滑剤は保護層上の特定箇所に固定しやすいため流動性が低下し、修復性が低下する。また、修復性に富む潤滑剤は、流動性を高める必要があることから保護層との結合性が低下する傾向がある。
磁気ヘッド浮上型のHDDにおいては、スライダと磁気ディスク表面が磁気ヘッド浮上時に接触することは元々意図されていないため、接触は間欠的に生じる現象であり、保護層との結合性と潤滑層の修復性のバランスを比較的取りやすい。しかしながら、コンタクト磁気記録方式においては、磁気ディスク表面とスライダとは連続的に接触、摺動することが予定されており、しかも数千回転/分に及ぶ高速回転にて用いられることから、接触、摺動に伴う潤滑剤の損傷の程度は極めて高くなる。
保護層との結合性に優れた潤滑剤を用いる場合は、スライダの連続的な摺動により流動層が徐々に減耗する反面、潤滑層が修復せず、摺動時間が経過するに連れ、磁気記録ヘッドと磁気ディスクのクラッシュに至る確率が高くなる。一方、修復性に優れる潤滑剤を用いる場合には、保護層との結合力が低下することから、保護層の一部に潤滑剤との結合が欠落している部分、即ち潤滑剤により被覆されていない部分が生じやすく、保護層とスライダ表面が潤滑剤を介さずに直接接触(以下、固体接触と称する。)することとなり、スライダとディスクのクラッシュが生じやすくなる。
本発明は上述の状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い耐久性と信頼性を備えたコンタクト磁気記録方式に用いる磁気ディスク媒体を提供することにある。また、他の目的は、磁気記録ヘッドスライダと磁気ディスク媒体を適切に設計することにより、高い耐久性と信頼性を備えた固定磁気記録装置を提供することにある。
スライダ表面は磁気ディスク表面と比較して粗い表面形状を有している。本発明者は、鋭意検討した結果、磁気ディスクからスライダ表面に潤滑剤を供給し、スライダ表面を被覆することにより、スライダと磁気ディスク間の固体接触を防止して耐久性を向上することができることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、基板上に、磁性層、保護層および潤滑層を備え、コンタクト磁気記録方式に用いられる磁気ディスク媒体において、前記潤滑層は、2層以上が積層されており、前記保護層側から第1潤滑層、第2潤滑層とした時に、前記保護層に対する結合力が、前記第2潤滑層の方が前記第1潤滑層より大きいことを特徴とする。
前記第1潤滑層を形成する第1潤滑剤と前記第2潤滑層を形成する第2潤滑剤の両者が水酸基を末端基に有するパーフルオロポリエーテルであり、第2潤滑剤の水酸基の数が、第1潤滑剤の水酸基の数より多いことが好ましい。
また、前記第1潤滑剤がZ−dolであり、前記第2潤滑剤がZ−tetraolであることが好ましい。
また、前記保護層がダイヤモンドライクカーボンであることが好ましい。
さらに、本発明は、コンタクト磁気記録方式を用いた固定磁気記録装置であって、保護層がダイヤモンドライクカーボンからなる上述の磁気ディスク媒体と、ダイヤモンドライクカーボンからなる保護層をスライダ表面に形成した磁気ヘッドスライダを用いることを特徴とする。
本発明によれば、コンタクト磁気記録方式を用いる磁気ディスク媒体あるいは磁気ディスク装置を上述のように構成することで、スライダ表面に潤滑剤を供給し、磁気ディスクとスライダの固体接触を防止して高い耐久性と信頼性を実現することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の磁気ディスク媒体の構成例を説明するための断面模式図で、基板1上に、下地層2、磁性層3、保護層4、および潤滑層5を順次形成する。潤滑層5は保護層側から第1潤滑層51、第2潤滑層52の少なくとも2層にて形成する。第1潤滑層51を形成する潤滑剤を第1潤滑剤、第2潤滑層52を形成する潤滑剤を第2潤滑剤と称す。
第1潤滑層51は少なくとも単分子膜の厚み以上にて形成し、その上に形成する第2潤滑剤と保護層4との接触を低減することが好ましい。第1潤滑剤は、保護層への結合性と潤滑層の修復性のバランスを考慮して選定し、第2潤滑剤に比較して結合性は低いが修復性の高い潤滑剤を使用することにより、摺動時の潤滑層欠損に対して修復性が高く、連続摺動に対する減耗現象を抑制することが可能となる。
第2潤滑層52を構成する潤滑剤は、スライダの表面に形成される保護層(以下、スライダ保護層と称す。)との結合性の高い潤滑剤を使用する。スライダ保護層としては、ダイヤモンダライクカーボン膜(DLC膜)等の炭素系の保護層が使用されることが多いことから、DLC膜との結合性の高い潤滑剤を使用することが好ましい。
潤滑層5をこのように形成することで、第2潤滑剤は磁気ディスクの保護層と接触するよりもスライダ保護層と接触しやすくなる。この結果、スライダと磁気ディスクの摺動初期に第2潤滑剤がスライダ保護層に移着し、かつ炭素系保護層との高い結合性のためにスライダ保護層に強く固着する。スライダ表面が被覆される結果、スライダと磁気ディスク間の固体接触は防止され、磁気ディスク表面と比較して粗い表面形状を有しているスライダ表面であっても磁気ディスク表面を損傷しにくくなり耐久性が向上する。また、連続摺動により、スライダ保護層に当初移着した潤滑剤が剥離したとしても、磁気ディスクの第2潤滑層52から第2潤滑剤が順次供給されてスライダ保護層を修復することが可能である。磁気ディスクの表面積はスライダの表面積に比較して格段に大きく、またコンタクト磁気記録方式であることから両者は常時接触しているため、スライダ表面に潤滑剤の供給部を設けるよりも供給能力は高くなる。
より具体的には潤滑剤として、下記(1)の構造を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)系の液体潤滑剤が好ましい。
R−(CFCFO)−(CFO)−R´ ・・・・・ (1)
(ここでp、qは正の整数。R、R´は末端基構造を表す。)
潤滑剤と保護層との結合性を確保するために、R、R’の内の少なくとも一方は水酸基であることが好ましい。水酸基の数を多くすることにより炭素系保護層との結合性を増加することが可能であり、第2潤滑剤の水酸基の数を第1潤滑剤より多くすることにより、第2潤滑剤の結合性を第1潤滑剤より高めることができる。
さらに好ましい潤滑剤は、Z−dol(下記(2))、Z−tetraol(下記(3))である。
R、R´が CFCH−OH ・・・(2)
R,R´が CFCHOCHCH(OH)CH−OH ・・・(3)
Z−tetraolはZdolに比べ、末端基に水酸基が多くカーボン層と結合しやすく、カーボン層の被覆性を高める効果がある。反面、流動層がほとんど存在しないため、流動による修復性は劣るが、コンタクト磁気記録方式において磁気ディスクからスライダに潤滑剤を供給する効果には支障は生じないため、第2潤滑剤として適切である。
一方、Z−dolは、流動層が高いため修復性に富む。反面、炭素系保護層との結合力がZ−tetraolに比較して弱いため、保護層4の被覆率が低下するが、第2潤滑剤によりスライダと磁気ディスクの固体接触が防止されるため支障は生ぜず、第1潤滑剤として適切である。
潤滑層の形成方法は、浸漬塗布法、スピン塗布法、蒸着法等の従来から知られた方法を用いることができる。
本発明による磁気ディスク媒体では、磁気ディスク媒体の他の層の構成ならびに各層の材料および成膜条件などは特に限定されるものではない。当技術分野における慣用の技術を適用することが可能である。すなわち、磁気ディスク媒体の構成については、基板、磁性層、保護層および潤滑層を基本とし、必要に応じて下地層、中間層、軟磁性裏打ち層などの追加の層を設けてもよい。
基板1は、アルミ合金、強化ガラス、結晶化ガラス、セラミック、シリコン、ポリカーボネート、高分子樹脂などの材料からなる基板であってよく、特に限定されるものではない。しかし、ヘッドの浮上安定性や磁気特性(磁気配向性)向上のために、基板表面にテクスチャー加工を施したものが好ましい。
下地層2は、例えば、Ni−P、CoZrNb、FeTaCなどの非磁性材料を使用し、それらをスパッタリング法、めっき法などの公知の成膜法に従い成膜することによって形成することが可能である。
磁性層3は、例えば、CoCrPt、CoCrTa、CoCrPtB、CoPt−SiO、CoCrPt−SiOなどの磁性材料を使用し、それらをスパッタ法などの成膜方法に従い成膜することよって形成することが可能である。
保護層4は、SiOまたは炭素系の薄膜から形成することが可能であるが、特に炭素系の薄膜を保護層とすることが好ましく、さらにDLC保護層が好ましい。カーボン薄膜の形成には、CVD法(例えば、エチレンガスを用いたイオンビーム方式のCVD法)、またはスパッタ法(例えば、グラファイトをターゲットとする、アルゴンガス+窒素ガスによるDCマグネトロン式のスパッタ法)等を適用することが可能である。
以下、実施例を用いてさらに詳細に説明する。
図1の構成にて磁気ディスク媒体を作製した。
基板1として、3.5インチ径の磁気ディスク用アルミ基板(板厚1.27mm)を用い、基板上に、下地層2、垂直磁性層3、保護層4を順次形成した。下地層2は、CoZrNbターゲットをArガスによるDCスパッタリング法によって成膜し、膜厚200nmとした。垂直磁性層3は、CoCrPt−SiOターゲットをArガスによるRFスパッタリング法によって成膜し、膜厚10nmのグラニュラー型磁性層を形成した。保護層4は、エチレンガスを用いたイオンビーム方式のCVDによって、カーボン薄膜を形成し、膜厚2.6nmとした。
保護層4まで順次積層した磁気ディスクに対して、以下のようにして第1潤滑層51、第2潤滑層52を形成した。先ず、第1潤滑剤としてFomblin−Z−dol(ソルベイ・ソレクシス社製)を使用し、フッ素系有機溶剤であるフロリナートFC77(住友3M社製)によって希釈し、0.2wt%の濃度の溶液を調製して希釈液体潤滑剤とした。磁気ディスク媒体を希釈液体潤滑剤に浸漬した後、引き上げ速度0.5mm/秒で引き上げた。形成された第1潤滑層51は、膜厚が1.0nmであった。
次に、第2潤滑剤としてFomblin−Z−tetraol(ソルベイ・ソレクシス社製)を使用し、フッ素系有機溶剤であるバートレル(三井デュポンフロロケミカル社製)によって希釈し、0.03wt%の濃度の溶液を調製して希釈液体潤滑剤とした。磁気ディスク媒体を希釈液体潤滑剤に浸漬した後、引き上げ速度0.5mm/秒で引き上げた。形成された第2潤滑層51は、膜厚が1.0nmであり、第1層、第2層を合わせた合計潤滑層膜厚を2.0nmとした。
上述のようにして作製した磁気ディスクを用いて磁気ヘッドスライダとのHDI(Head Disk Interface)特性を評価した。CSSテスタと呼ばれる試験装置に対し、30%サイズのスライダを設置し、摺動中の接触状態を判断するため、スライダを設置したヘッドアーム上に、AE(Acoustic Emission)センサを設置した。AE出力信号が大きいほど、スライダと磁気ディスクの摩擦が大きいことを示している。上記スライダは、ABS面(Air Bearing Surface)にはDLCカーボン膜が成膜されている。
上述の磁気ディスクをCSSテスタに設置し、前記スライダを半径位置30mm、押し付け荷重30mNにて設置した。
前記スライダを、ディスク回転数1000rpmにて24時間摺動させたところ、摺動過程中にはAE信号出力の増加は見られなかった。これは、第2潤滑剤として塗布したZ−tetraolがスライダの粗い表面に固着し、スライダと磁気ディスク間の固体接触が抑制されたためと考えられる。
摺動時間に対するAE出力信号の変化を図2に示す。図2は後述する比較例1、2の結果とともに示している。
第1潤滑層51を、引き上げ速度3.0mm/秒、膜厚2.0nmにて形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして磁気ディスクを作製して実施例2とした。実施例1と同様にして、HDI特性を評価した結果、24時間の摺動時間中AE信号の増加は見られなかった。
摺動時間に対するAE出力信号の変化を図3に示す。図3は後述する比較例3、4の結果とともに示している。
(比較例1)
第1潤滑層51として、Z−tetraolを第1潤滑剤に用いて、引き上げ速度0.5mm/秒にて膜厚を1.0nmで形成し、第2潤滑層52として、Z−dolを第2潤滑剤に用いて、引き上げ速度0.5mm/秒にて膜厚を1.0nmとしたこと以外は実施例1と同様にして磁気ディスクを作製して比較例1とした。
実施例1と同様にして、HDI特性を評価した結果、摺動直後からAE信号出力の発生が見られ、摺動開始後約8時間にてAE信号出力の増加に至った。試験後、磁気ヘッドスライダのABS面を光学顕微鏡にて観察したところ、スライダ面が大きく摩耗していることが分かった。これは、カーボンとの吸着力が弱いZ−dolでは粗い表面を有するスライダ面を覆いきれず、スライダ面が大きく摩耗したためと考えられる。
(比較例2)
潤滑層5を単層とし、潤滑剤としてZ−tetraolを用いて、引き上げ速度3.0mm/秒にて膜厚2.0nmで形成したこと以外は実施例1と同様にして磁気ディスクを作製し比較例2とした。実施例1と同様にしてHDI特性を評価したところ、摺動直後からAE信号出力の発生が見られ、摺動開始後約5時間にてAE信号出力の増加に至った。これは、カーボン保護層との吸着性が高い潤滑剤のみがスライダと磁気ディスク間に存在する場合、摺動時に欠損する潤滑層を修復させるための流動層が存在しないため、長時間の摺動に対しては潤滑層の欠損が進展し、最後にはスライダまたは磁気ディスクのクラッシュといった障害が生じてしまうためである。
(比較例3)
第1潤滑層51として、Z−tetraolを第1潤滑剤に用いて、引き上げ速度3.0mm/秒にて膜厚を2.0nmで形成し、第2潤滑層52として、Z−dolを第2潤滑剤に用いて、引き上げ速度0.5mm/秒にて膜厚を1.0nmとしたこと以外は実施例1と同様にして磁気ディスクを作製して比較例3とした。
実施例1と同様にして、HDI特性を評価した結果、摺動直後からAE信号出力の発生が見られ、摺動開始後約14時間にてAE信号出力の増加に至った。
(比較例4)
潤滑層5を単層とし、潤滑剤としてZ−tetraolを用いて、引き上げ速度5.5mm/秒にて膜厚3.0nmで形成したこと以外は実施例1と同様にして磁気ディスクを作製し比較例4とした。実施例1と同様にしてHDI特性を評価したところ、摺動直後からAE信号出力の発生が見られ、摺動開始後約10時間にてAE信号出力の増加に至った。
本発明の構成例を説明するための断面模式図である。 本発明の実施例1、比較例1および2に係る磁気ディスクを摺動試験した時のAE出力信号の推移を表すフラフである。 本発明の実施例2、比較例3および4に係る磁気ディスクを摺動試験した時のAE出力信号の推移を表すフラフである。
符号の説明
1 基板
2 下地層
3 磁性層
4 保護層
5 潤滑層
51 第1潤滑層
52 第2潤滑層

Claims (5)

  1. 基板上に、磁性層、保護層および潤滑層を備え、コンタクト磁気記録方式に用いられる磁気ディスク媒体において、
    前記潤滑層は、2層以上が積層されており、
    前記保護層側から第1潤滑層、第2潤滑層とした時に、
    前記保護層に対する結合力が、前記第2潤滑層の方が前記第1潤滑層より大きいことを特徴とする磁気ディスク媒体。
  2. 前記第1潤滑層を形成する第1潤滑剤と前記第2潤滑層を形成する第2潤滑剤の両者が水酸基を末端基に有するパーフルオロポリエーテルであり、
    該第2潤滑剤の水酸基の数が、該第1潤滑剤の水酸基の数より多いことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク媒体。
  3. 前記第1潤滑剤がZ−dolであり、前記第2潤滑剤がZ−tetraolであることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク媒体。
  4. 前記保護層がダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気ディスク媒体。
  5. 請求項4に記載の磁気ディスク媒体と、ダイヤモンドライクカーボンからなる保護層をスライダ表面に形成した磁気ヘッドスライダを用いることを特徴とするコンタクト磁気記録方式を用いた固定磁気記録装置。
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