JP4932981B2 - バイポーラトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイポーラトランジスタおよびその製造方法に係り、特に、高周波動作に好適なバイポーラトランジスタと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、高周波動作を目的とした従来のバイポーラトランジスタの断面図を示す。図13に示すトランジスタは、P−型半導体に調整されたシリコン基板10を備えている。シリコン基板10には、N+型半導体に調整されたN+型拡散層12、およびP型半導体に調整されたP型拡散層14が設けられている。それらの上層には、N−型半導体に調整されたN−型シリコン層16が設けられている。更に、N−型シリコン層16の表面には、個々のトランジスタの活性領域を区分するフィールド酸化膜17が設けられている。
【0003】
N−型シリコン層16には、更に、N+型半導体に調整されたN+型コレクタ引き出し層18や、P型半導体に調整された素子分離P型拡散層20が形成されている。N+型コレクタ引き出し層18は、フィールド酸化膜17に覆われていない部分に形成されており、その表面には薄い酸化膜19が形成されている。素子分離P型拡散層20は、上述したP型拡散層14の上層に形成されている。
【0004】
N−型シリコン層16の活性領域には、また、P型半導体に調整されたベース拡散層22が形成されている。ベース拡散層22の中央付近には、N型半導体に調整されたエミッタ拡散層24が形成されている。ベース拡散層22の上層には、そのエミッタ拡散層24と短絡しないように、ドープトポリシリコンによるベース引き出し電極26が形成されている。一方、エミッタ拡散層24の上層には、ドープトポリシリコンによるエミッタ電極28が形成されている。ベース引き出し電極26とエミッタ電極28との間には、両者を絶縁状態に保つための酸化膜30が設けられている。
【0005】
トランジスタの全面は、絶縁膜32により覆われている。絶縁膜32には、N+型コレクタ引き出し層18に通じるコンタクトホール、エミッタ電極28に通じるコンタクトホール、およびベース引き出し電極26に通じるコンタクトホールが形成されている。N+型コレクタ引き出し層18、エミッタ電極28、およびベース引き出し電極26には、それらのコンタクトホールの中に形成されるプラグ34、36または38を介して、それぞれメタル配線40、42または44が接続されている。
【0006】
トランジスタを高い周波数で動作させるためには、ベース−コレクタ間の寄生容量が小さいことが望ましい。この寄生容量は、ベース拡散層22とN−型シリコン層16との境界部分の面積が大きいほど多量となる。従って、トランジスタを高周波動作させるためには、その境界部分の面積が小さいことが望ましい。
【0007】
図13に示す構造は、ダブルポリシリコン−セルフアライン構造と呼ばれるもので、ポリシリコンで構成されるベース引き出し電極26を備えると共に、これによって取り囲まれ、自己整合的に形成されるエミッタ拡散層24を備えている。この構造によれば、エミッタ拡散層24とベース引き出し電極26との短絡を防止しつつ、両者を極めて近接させることができる。従って、図13に示す構造によれば、ベース拡散層22の面積を十分に小さくしてベース−コレクタ間の寄生抵抗を抑制することができる。
【0008】
更に、図13に示す構造によれば、エミッタ拡散層24とベース引き出し電極26との距離を十分に小さくすることができるため、ベース抵抗を十分に小さな値とすることができる。このように、図13に示す構造は、トランジスタを高周波動作させるうえで好適な構造である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示す構造で達成し得るカットオフ周波数は、30〜40GHzが限界であると言われている。つまり、図13に示す構造では、それ以上優れた高周波特性性をトランジスタに与えることができない。
【0010】
トランジスタの動作速度を高めるためには、ベース幅を狭くして(図13におけるベース拡散層24の厚さを薄くして)、キャリアがベースを走行する時間を短縮することが有効である。ところが、ベース幅を狭くすると、トランジスタにおいてパンチスルーが生じ易くなる。
【0011】
トランジスタのパンチスルーは、ベース拡散層に含まれる不純物の濃度を高めることで起こり難くすることができる。しかし、ベース拡散層の不純物濃度が高い程、トランジスタの電流増幅率が低下する。このため、単にベース拡散層の不純物濃度を高めるだけでは、実用的なトランジスタを実現することはできない。
【0012】
従来のトランジスタが有する上記の問題を解決する技術として、ヘテロ接合を用いてバイポーラトランジスタを構成する技術が知られている。このようなヘテロバイポーラトランジスタは、例えば、IEEE TRASACTIONS ON ELECTRON DEVICE. Vol. 42, No. 3(1995) P455-P482に開示されている。しかし、従来提案されているヘテロバイポーラランジスタは、何れも非常に複雑な製造工程を必要とし、大量生産には不向きなものであった。
【0013】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な工程で容易に製造することのできるバイポーラトランジスタ、およびその製造方法を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、ベース引き出し電極やエミッタ拡散層などを、セルフアラインの手法で容易かつ精度良く製造するための製造方法を提供することを第2の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、バイポーラトランジスタであって、
第1導電型不純物を含むようにシリコン基板の表面に形成されたシリコン層と、
第1型不純物を含むように前記シリコン層の上に形成された第1のSiエピタキシャル層と、
第2型不純物を第1濃度で含み、かつ、所定の濃度プロファイルでゲルマニウムを含むように前記第1のSiエピタキシャル層の上に形成されたSiGeエピタキシャル層と、
第2型不純物を、前記第1濃度に比して低い第2濃度で含むように、前記SiGeエピタキシャル層の上に形成された第2のSiエピタキシャル層とを備え、
前記SiGeエピタキシャル層内のゲルマニウム濃度は、前記第1のSiエピタキシャル層との境界付近において、前記第2のSiエピタキシャル層との境界付近に比して高濃度であり、
前記3層のエピタキシャル層の一部を覆うように、多結晶シリコンで形成されたエミッタ電極を備えると共に、
前記第2のSiエピタキシャル層のうち、前記エミッタ電極で覆われた部分は、第1型半導体に調整されたエミッタ層であり、
前記SiGeエピタキシャル層のうち、前記エミッタ層と接する部分は、第2型半導体に調整されたベース層であり、
前記第1のSiエピタキシャル層のうち、前記ベース層と接する部分は、第1型半導体に調整されたサブコレクタ領域であり、
前記3層のエピタキシャル層のうち、前記エミッタ電極で覆われていない部分は、第2型半導体に調整されたベース引き出し電極であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のバイポーラトランジスタであって、
前記シリコン層のうち、前記ベース引き出し電極に覆われない部分に形成されたコレクタ引き出し層と、
前記コレクタ引き出し層の上に形成されたコレクタ電極と、
前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極の上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の中に、前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極と接するように形成された導電性のプラグと、
を更に備えることを特徴とするものである。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のバイポーラトランジスタであって、
前記エミッタ電極の表面、および前記ベース引き出し電極の表面に、シリサイド膜を備えることを特徴とするものである。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載のバイポーラトランジスタであって、
前記第1のSiエピタキシャル層内の第1型不純物濃度は、前記SiGeエピタキシャル層との境界付近において、前記シリコン層との境界付近に比して高濃度であることを特徴とするものである。
【0019】
請求項5記載の発明は、バイポーラトランジスタの製造方法であって、
シリコン基板の表面に、第1導電型不純物を含むシリコン層を形成するステップと、
前記シリコン層の上に、第1型不純物が含有されるように第1のSiエピタキシャル層を成長させるステップと、
前記第1のSiエピタキシャル層の上に、第2型不純物が第1濃度で含有され、かつ、所定の濃度プロファイルでゲルマニウムが含有されるように、SiGeエピタキシャル層を成長させるステップと、
前記SiGeエピタキシャル層の上に、第2型不純物が前記第1濃度に比して低い第2濃度で含有されるように第2のSiエピタキシャル層を成長させるステップとを含み、
前記SiGeエピタキシャル層内のゲルマニウム濃度は、前記第1のSiエピタキシャル層との境界付近において、前記第2のSiエピタキシャル層との境界付近に比して高濃度であり、更に、
前記第2のSiエピタキシャル層の上に、所定部位に開口部を有する酸化膜を形成するステップと、
前記開口部を通じて前記第2のSiエピタキシャル層と接触するように、第1型不純物を含有するエミッタ電極を多結晶シリコンで形成するステップと、
前記3層のエピタキシャル層のうち、前記エミッタ電極に覆われていない部分に、第2型不純物を導入するステップと、
前記3層のエピタキシャル層を、ベース引き出し電極の形状にパターニングするステップと、
所定の熱処理を行うことで、前記エミッタ電極中の第1型不純物を前記第2のSiエピタキシャル層に拡散させて第1型半導体に調整されたエミッタ層を形成し、かつ、前記3層のエピタキシャル層に導入された前記第2型不純物を活性化させてベース引き出し電極を形成するステップと、を更に含むことを特徴とするものである。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法であって、
前記酸化膜を形成するステップは、前記3層のエピタキシャル層がベース引き出し電極の形状にパターニングされた後に実行されることを特徴とするものである。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法であって、
前記酸化膜を形成するステップは、前記3層のエピタキシャル層がベース引き出し電極の形状にパターニングされる前に実行されることを特徴とするものである。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法であって、
前記シリコン層のうち、前記ベース引き出し電極に覆われない部分にコレクタ引き出し層を形成するステップと、
前記コレクタ引き出し層の上にコレクタ電極を形成するステップと、
前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極の上に絶縁膜を形成するステップと、
前記絶縁膜に、前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極のそれぞれに開口するコンタクトホールを形成するステップと、
前記コンタクトホールの中に導電性のプラグを形成するステップと、
を更に備えることを特徴とするものである。
【0023】
請求項9記載の発明は、請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法であって、
前記エミッタ電極の上に、そのエミッタ電極と同じ形状を有する第2の酸化膜を形成するステップと、
前記第2の酸化膜の形成後に、前記第2のSiエピタキシャル層を覆っている前記酸化膜と前記第2の酸化膜とを更に覆う第3の酸化膜を形成するステップと、
前記エミッタ電極および前記第2のSiエピタキシャル層が露出するまで、前記酸化膜、第2の酸化膜および前記第3の酸化膜を異方性エッチングするステップと、
露出した前記エミッタ電極の表面および前記第2のSiエピタキシャル層の表面に、シリサイド膜を形成するステップと、
を含むことを特徴とするものである。
【0024】
請求項11記載の発明は、請求項6記載のバイポーラトランジスタの製造方法であって、
前記第1のSiエピタキシャル層は、その中に含有される第1型不純物の濃度が、前記SiGeエピタキシャル層との境界付近において、前記シリコン層との境界付近に比して高濃度となるように成長されることを特徴とするものである。
【0035】
実施の形態1.
図1(A)乃至図2(D)は、本発明の実施の形態1のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための断面図を示す。特に、図2(D)は本実施形態のヘテロバイポーラトランジスタの特徴的な構造が形成された状態を示す。
【0036】
図2(D)に示すように、本実施形態のトランジスタは、P−型半導体に調整されたシリコン基板10を備えている。シリコン基板10には、N+型半導体に調整されたN+型拡散層12、およびP型半導体に調整されたP型拡散層14が設けられている。それらの上層には、N−型半導体に調整されたN−型シリコン層16が設けられている。更に、N−型シリコン層16の表面には、個々のトランジスタの活性領域を区分するフィールド酸化膜17が設けられている。
【0037】
N−型シリコン層16には、更に、N+型半導体に調整されたN+型コレクタ引き出し層18や、P型半導体に調整された素子分離P型拡散層20が形成されている。N+型コレクタ引き出し層18は、フィールド酸化膜17に覆われていない部分に形成されており、その表面には薄い酸化膜19が形成されている。素子分離P型拡散層20は、上述したP型拡散層14の上層に形成されている。
【0038】
N−型シリコン層16の活性領域には、また、エピタキシャル成長の手法で成膜されたサブコレクタ層50、ベース層52、およびエミッタ層54が形成されている。サブコレクタ層50およびエミッタ層54は、それぞれN型半導体に調整されたSi膜である。一方、ベース層52は、P型半導体に調整されたSiGe膜である。
【0039】
N−型シリコン層16の上層には、更に、ベース層52の両側に、P型半導体に調整されたベース引き出し電極56が形成されている。また、エミッタ層54の上層には、ドープトポリシリコンによるエミッタ電極28が形成されている。ベース引き出し電極56とエミッタ電極28との間には、両者を絶縁状態に保つための酸化膜30が設けられている。
【0040】
トランジスタの全面は、絶縁膜32により覆われている。絶縁膜32には、N+型コレクタ引き出し層18に通じるコンタクトホール、エミッタ電極28に通じるコンタクトホール、およびベース引き出し電極56に通じるコンタクトホールが形成されている。N+型コレクタ引き出し層18、エミッタ電極28、およびベース引き出し電極56は、それらのコンタクトホールの中に形成されるプラグ34、36または38を介して、それぞれメタル配線40、42または44に接続されている。
【0041】
以下、実施の形態1のトランジスタの製造方法について説明する。
本実施形態のトランジスタの製造工程では、公知の手法で図1(A)に示す状態が形成される。
具体的には、先ず、シリコン基板10(P−型半導体)の上にN+型拡散層12とP型拡散層14とを形成する(ステップ1)。
次に、それらの上層にN−型シリコン層16を成長させる(ステップ2)。
フィールド酸化膜17を形成した後、N+コレクタ引き出し層18、および素子分離P型拡散層20を形成する(ステップ3)。
シリコンの露出部分に所定の膜厚で酸化膜19を成膜し、N+コレクタ引き出し層18の上層を除き、その酸化膜19を除去する。つまり、ベース層52やベース引き出し電極56を形成すべき部分を覆っている酸化膜19を除去する(ステップ4)。
【0042】
次に、図1(B)に示すように、Siエピタキシャル層58、SiGeエピタキシャル層60、およびSiエピタキシャル層62を連続してウェハ全面に成長させる(ステップ5)。尚、この際、フィールド酸化膜17の上には,Si膜或いはSiGe膜が多結晶質の膜として成長する。
Siエピタキシャル層58、SiGeエピタキシャル層60、およびSiエピタキシャル層62は、それぞれトランジスタのコレクタ、ベース、またはエミッタとなる層である。
【0043】
図3は、それら3つのエピタキシャル層58,60,62における不純物濃度、およびGe濃度のプロファイルを示す。図3に示すように、本実施形態では、コレクタとなるSiエピタキシャル層58には4×1015cm-3程度のP(リン)濃度が与えられる。また、ベースとなるSiGeエピタキシャル層60、およびエミッタとなるSiエピタキシャル層62には、それぞれ1018〜1019cm-3程度のB(ボロン)濃度、および5×1017cm-3程度のB(ボロン)濃度が与えられる。SiGeエピタキシャル層60のGe濃度は、Siエピタキシャル層58との境界部分において最大4〜30%となり、コレクタ側からエミッタ側に向けて徐々に低下するようなプロファイルに調整されている。
【0044】
図1(C)に示すように、Siエピタキシャル層62の上層には、酸化膜30が堆積される(ステップ6)。
【0045】
図1(D)に示すように、酸化膜30には、エミッタ電極28を形成すべき部位に開口が設けられる(ステップ7)。
次いで、ウェハ全面に多結晶シリコン膜64が堆積される(ステップ8)。
次に、多結晶シリコン膜64に、N型不純物であるAs(ヒ素)が所定の濃度で導入される(ステップ9)。
【0046】
図2(A)に示すように、多結晶シリコン膜64の上層に、エミッタ電極28を形成するためのフォトレジスト66が形成される(ステップ10)。
フォトレジスト66をマスクとして多結晶シリコン膜64がエッチングされることによりエミッタ電極28が形成される(ステップ11)。
更に、上述した3層のエピタキシャル層58,60,62に不純物を導入するため、フォトレジスト66をマスクとしつつ、酸化膜30の上方から所定のエネルギでBが注入される(ステップ12)。
【0047】
図2(B)に示すように、酸化膜30の上層に、エミッタ電極28を保護し、かつ、ベース引き出し電極56を形成するためのフォトレジスト68が形成される(ステップ13)。
フォトレジスト68をマスクとして、酸化膜30と共に、3層のエピタキシャル層58,60,62がエッチングされる。その結果、酸化膜30およびエピタキシャル層58,60,62は、ベース引き出し電極56の形状にパターニングされる(ステップ14)。
【0048】
図2(C)に示すように、フォトレジスト68が除去された後、ウェハ全面に絶縁膜32が堆積される(ステップ15)。
次いで、ウェハ全体に対して所定温度で熱処理が施される(ステップ16)。
熱処理の過程で、エミッタ電極28(Asのドープされた多結晶シリコン)に含有されるAsがSiエピタキシャル層62に拡散して、N型半導体の特性を持つエミッタ層54が形成される。
更に、上記の熱処理の過程では、3層のエピタキシャル層58,60,62のうち、エミッタ電極28に覆われていない部分に導入されていた不純物(B)がそれらの全体に拡散し、かつ、活性化される。その結果、P型半導体の特性を持つベース引き出し電極56が形成される。
【0049】
上述した一連の処理に次いで、絶縁膜32の適当な位置にコンタクトホールが形成される(ステップ17)。
次いで、それらのコンタクトホールの中にプラグ34,36,38が形成される(ステップ18)。
その後、絶縁膜32の上層に、プラグ34,36,38と導通するメタル配線40,42,44が形成されることにより図2(D)に示す構造が実現される(ステップ19)。
【0050】
本実施形態のトランジスタでは、ベース層52(P型)とサブコレクタ層50(N型)との境界部分、およびベース引き出し電極56(P型)とN−型シリコン層16(N型)との境界部分にPN接合が形成される。ベース−コレクタ間の寄生容量を抑制してトランジスタの高周波動作を可能とするためには、そのPN接合面積が小さいことが望ましい。
【0051】
本実施形態において、トランジスタのエミッタ拡散層24は、ベース引き出し電極56の中に自己整合的に形成される。この構造によれば、エミッタ拡散層24とベース引き出し電極56との短絡を防止しつつ、両者を極めて近接させることができる。つまり、本実施形態の構造によれば、エミッタとベースの短絡を防止しつつ、ベース−コレクタ間のPN接合面積を十分に小さくすることができる。従って、本実施形態の構造によれば、従来のダブルポリシリコン−セルフアライン構造(図13参照)と同様にベース−コレクタ間の寄生抵抗を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態において、トランジスタのベース幅は、従来のダブルポリシリコン−セルフアライン構造におけるベース幅に比して十分に小さく抑制されている。更に、本実施形態においては、ベース層52をSiGe膜とし、エミッタ層54をSi膜とすることで、エミッタ層54の禁制帯幅を、ベース層52のそれに比して十分に大きくしている。この場合、ベース層52の不純物濃度を高めてもベース漏れ電流を抑制することができ、実用上十分な電流増幅率が確保できる。従って、本実施形態の構造によれば、実用的な電流増幅率を損なうことなく、ベース層52の不純物濃度を高めてパンチスルーの防止を図ることができる。つまり、本実施形態の構造によれば、従来のトランジスタと同等の電流増幅率を確保し、かつ、パンチスルーの発生を有効に防止しつつ、キャリアのベース走行時間を短縮してトランジスタの高周波特性を改善することができる。
【0053】
上述の如く、本実施形態のヘテロバイポーラトランジスタは、非常に簡単な工程で製造することができ、かつ、パンチスルー等の不都合を伴うことなく優れた高周波特性を実現することができる。
【0054】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2のヘテロバイポーラトランジスタの構造および製造方法を説明する。図4(A)乃至図5(B)は本実施形態のトランジスタの製造方法を説明するための断面図を示す。特に、図5(B)は本実施形態のトランジスタの特徴的な構造が形成された状態を示す。
【0055】
図5(B)に示すように、本実施形態のトランジスタにおいては、ベース引き出し電極56を覆う酸化膜30が、N+型コレクタ引き出し層18の周囲に残存していると共に、N+型コレクタ引き出し層18の上層に、ドープトポリシリコンによるコレクタ電極70が形成されている。本実施形態のトランジスタは、それらの点を除き、実施の形態1のトランジスタと同じ構造を有している。
【0056】
以下、実施の形態2のトランジスタの製造方法について説明する。
図4(A)に示すように、本実施形態のトランジスタの製造工程では、実施の形態1の場合と同じ手順でシリコン基板10上に各種の拡散層12,14,16,18,20が形成される(ステップ1〜3)。
次いで、実施の形態1の場合と同じ手順で、ウェハ全体にSiエピタキシャル層58、SiGeエピタキシャル層60、およびSiエピタキシャル層62が成膜される(ステップ5)。
次に、Siエピタキシャル層62の上層に、フォトレジスト68がベース引き出し電極56と同じ形状に形成される(ステップ20)。
フォトレジスト68をマスクとして、3層のエピタキシャル層58,60,62がエッチングされる。その結果、エピタキシャル層58,60,62は、ベース引き出し電極56の形状にパターニングされる(ステップ21)。
【0057】
図4(B)に示すように、ウェハ全体に酸化膜30が堆積される(ステップ22)。
【0058】
図4(C)に示すように、酸化膜30には、エミッタ電極28を形成すべき部位に通じる開口部、およびN+型コレクタ引き出し層18に通じる開口部が設けられる(ステップ23)。
次いで、ウェハ全面に多結晶シリコン膜64が堆積される(ステップ24)。
次に、多結晶シリコン膜64に、N型不純物であるAs(ヒ素)が所定の濃度で導入される(ステップ25)。
【0059】
図4(D)に示すように、多結晶シリコン膜64の上層に、エミッタ電極28をパターニングするためのフォトレジスト66、およびコレクタ電極70をパターニングするためのフォトレジスト72が形成される(ステップ26)。
フォトレジスト66,72をマスクとして多結晶シリコン膜64がエッチングされることによりエミッタ電極28およびコレクタ電極70が形成される(ステップ27)。
更に、上述した3層のエピタキシャル層58,60,62に不純物を導入するため、フォトレジスト66をマスクとしつつ、酸化膜30の上方から所定のエネルギでBが注入される(ステップ28)。
【0060】
図5(A)に示すように、フォトレジスト66,72が除去された後、ウェハ全面に絶縁膜32が堆積される(ステップ29)。
次いで、ウェハ全体に対して所定温度で熱処理が施される(ステップ30)。
実施の形態1における熱処理(ステップ16参照)の場合と同様に、上記の処理が行われることにより、N型半導体の特性を持つエミッタ層54と共に、P型半導体の特性を持つベース引き出し電極56が形成される。
【0061】
上述した一連の処理に次いで、コレクタ電極72、エミッタ電極28、およびベース引き出し電極56が露出するように、絶縁膜32の適当な位置にコンタクトホールが形成される(ステップ31)。
次いで、それらのコンタクトホールの中にプラグ34,36,38が形成される(ステップ32)。
その後、絶縁膜32の上層に、プラグ34,36,38と導通するメタル配線40,42,44が形成されることにより図5(B)に示す構造が実現される(ステップ33)。
【0062】
上述した実施の形態1の構造では、プラグ34を収容するためのコンタクトホールが、他のプラグ36,38を収用するためのコンタクトホールに比して大きな全長(深さ)を有している。従って、それらの全てを適正に開口させるためには、プラグ36,38を収容するコンタクトホールの底部、すなわち、エミッタ電極28およびベース引き出し電極56に多量のオーバーエッチングを施す必要がある。エミッタ電極28やベース引き出し電極56に対するダメージを抑制して安定な特性を得るためには、そのオーバーエッチング量は少量であることが望ましい。
【0063】
本実施形態の構造においては、N+型コレクタ引き出し層18の上にコレクタ電極が形成されているため、プラグ34を収容するためのコンタクトホールの深さと、他のコンタクトホールの深さとの差が、実施の形態1の場合に比して縮小されている。このため、本実施形態の構造によれば、実施の形態1の場合に比して、エミッタ電極28やベース引き出し電極56に対するオーバーエッチング量を少量とし、それらの削れ量を抑制することができる。
【0064】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3のヘテロバイポーラトランジスタの構造および製造方法を説明する。図6(A)乃至図7は本実施形態のトランジスタの製造方法を説明するための断面図を示す。特に、図7は本実施形態のトランジスタの特徴的な構造が形成された状態を示す。
【0065】
図7に示すように、本実施形態のトランジスタにおいては、ベース引き出し電極56を覆う酸化膜30が、N+型コレクタ引き出し層18の周囲に残存している。本実施形態のトランジスタは、その点を除き実施の形態1のトランジスタと同じ構造を有している。
【0066】
以下、実施の形態3のトランジスタの製造方法について説明する。
図6(A)に示すように、本実施形態のトランジスタの製造工程では、実施の形態1の場合と同じ手順で、ウェハ全体に3層のエピタキシャル層58,60,62が成膜される(ステップ1〜5)。
次に、実施の形態2の場合と同じ手順で、エピタキシャル層58,60,62のパターニングと、酸化膜30の成膜とが行われる(ステップ20〜22)。
【0067】
図6(B)に示すように、酸化膜30には、エミッタ電極28を形成すべき部位に通じる開口部が設けられる(ステップ34)。
次いで、ウェハ全面に多結晶シリコン膜64が堆積される(ステップ35)。
次に、多結晶シリコン膜64に、N型不純物であるAs(ヒ素)が所定の濃度で導入される(ステップ36)。
【0068】
図6(C)に示すように、多結晶シリコン膜64の上層に、エミッタ電極28をパターニングするためのフォトレジスト66が形成される(ステップ37)。
フォトレジスト66をマスクとして多結晶シリコン膜64がエッチングされることによりエミッタ電極28が形成される(ステップ38)。
更に、上述した3層のエピタキシャル層58,60,62に不純物を導入するため、フォトレジスト66をマスクとしつつ、酸化膜30の上方から所定のエネルギでBが注入される(ステップ39)。
【0069】
図6(D)に示すように、フォトレジスト66が除去された後、ウェハ全面に絶縁膜32が堆積される(ステップ40)。
次いで、ウェハ全体に対して所定温度で熱処理が施される(ステップ41)。
実施の形態1における熱処理(ステップ16参照)の場合と同様に、上記の処理が行われることにより、N型半導体の特性を持つエミッタ層54と共に、P型半導体の特性を持つベース引き出し電極56が形成される。
【0070】
上述した一連の処理に次いで、N+型コレクタ引き出し層18、エミッタ電極28、およびベース引き出し電極56が露出するように、絶縁膜32の適当な位置にコンタクトホールが形成される(ステップ42)。
次いで、それらのコンタクトホールの中にプラグ34,36,38が形成される(ステップ43)。
その後、絶縁膜32の上層に、プラグ34,36,38と導通するメタル配線40,42,44が形成されることにより図7に示す構造が実現される(ステップ44)。
【0071】
本実施形態のヘテロバイポーラトランジスタによれば、実施の形態1のトランジスタと同等の動作速度を得ることができる。また、本実施形態のヘテロバイポーラトランジスタも、実施の形態1のトランジスタと同様に、簡単な工程で製造することができる。従って、実施の形態1の構造により得られる効果は、本実施形態の構造によっても得ることができる。
【0072】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4のヘテロバイポーラトランジスタの構造および製造方法を説明する。図8(A)乃至図9(D)は本実施形態のトランジスタの製造方法を説明するための断面図を示す。特に、図9(D)は本実施形態のトランジスタの特徴的な構造が形成された状態を示す。
【0073】
図9(D)に示すように、本実施形態のトランジスタは、エミッタ電極28の表面を覆うシリサイド膜74、ベース引き出し電極56の表面を覆うシリサイド膜76、およびN+型コレクタ引き出し層18の表面を覆うシリサイド膜78を備えている。エミッタ電極28の側面には、エミッタ電極28とベース引き出し電極56との短絡を防止するためのサイドウォール80が酸化膜により形成されている。また、ベース引き出し電極56の側面にも、フィールド酸化膜17とつながるサイドウォール82が酸化膜により形成されている。本実施形態のトランジスタは、それらの点を除き、実施の形態1のトランジスタと同じ構造を有している。
【0074】
以下、実施の形態4のトランジスタの製造方法について説明する。
図8(A)に示すように、本実施形態のトランジスタの製造工程では、実施の形態1の場合と同じ手順で、シリコン基板10上に多結晶シリコン膜64が形成され、更に、その膜中にN型不純物であるAsが所定の濃度で導入される(ステップ1〜9)。
多結晶シリコン膜64の上層には、後に実行されるオーバーエッチングの量を抑える目的で第2の酸化膜84が成膜される(ステップ45)。
【0075】
図8(B)に示すように、第2の酸化膜84の上層には、エミッタ電極28をパターニングするためのフォトレジスト66が形成される(ステップ46)。
フォトレジスト66をマスクとして第2の酸化膜84と多結晶シリコン膜64とがエッチングされることにより、第2の酸化膜84で覆われたエミッタ電極28が形成される(ステップ47)。
更に、3層のエピタキシャル層58,60,62に不純物を導入するため、フォトレジスト66をマスクとしつつ、酸化膜30の上方から所定のエネルギでBが注入される(ステップ48)。
【0076】
図8(C)に示すように、酸化膜30の上層には、ベース引き出し電極56と同じ形状となるようにフォトレジスト68が形成される(ステップ49)。
フォトレジスト68をマスクとして、3層のエピタキシャル層58,60,62がエッチングされる。その結果、エピタキシャル層58,60,62は、ベース引き出し電極56の形状にパターニングされる(ステップ50)。
【0077】
図8(D)に示すように、フォトレジスト68が除去された後、ウェハ全面に第3の酸化膜86が形成される。エミッタ電極28の側面、およびエピタキシャル層58,60,62の側面は、このようにして形成される第3の酸化膜86により覆われる(ステップ51)。
エピタキシャル層62の上層には予め酸化膜30が形成されている。一方、N+型コレクタ引き出し層18の上層には予め酸化膜19が、また、エミッタ電極28の上層には予め第2の酸化膜84が、それぞれ成膜されている。このため、第3の酸化膜86が成膜された時点で、エピタキシャル層62の上層、N+型コレクタ引き出し層18の上層、およびエミッタ電極28の上層には、さほど膜厚に差のない積層酸化膜がそれぞれ形成される。
【0078】
図9(A)に示すように、ウェハの全面を対象として、エピタキシャル層62、N+型コレクタ引き出し層18、およびエミッタ電極28が露出するまで酸化膜が異方性エッチングされる(ステップ52)。
上述の如く、それら3つの層の上には、酸化膜がほぼ等しい膜厚で形成されている。このため、それら3つの層は、何れの層にも過大なオーバーエッチングを施すことなく露出させることができる。つまり、本実施形態においては、エピタキシャル層62、N+型コレクタ引き出し層18、およびエミッタ電極28の何れにも過大なダメージを与えることなく、それらの全てを適正に露出させることができる。上記の処理が実行されることにより、エミッタ電極28の側面、およびエピタキシャル層58,60,62の側面に、酸化膜によるサイドウォール80,82が形成される。
【0079】
図9(B)に示すように、エミッタ電極28、エピタキシャル層62、およびN+型コレクタ引き出し層18の露出面には、それぞれシリサイド膜74,76,78が形成される(ステップ54)。
シリサイド膜74,76,78は、シリコンと反応し易いCo等の高融点金属をウェハ全面に堆積させた後、そのウェハに所定温度の熱処理を施すことで形成することができる。フィールド酸化膜17の上などに堆積され、シリコンと反応しなかった高融点金属は、上記の熱処理の後に除去される。
【0080】
図9(C)に示すように、ウェハの全面に絶縁膜32が堆積される(ステップ56)。
次いで、ウェハ全体に所定の熱処理が施される(ステップ57)。
実施の形態1における熱処理(ステップ16参照)の場合と同様に、上記の処理が行われることにより、N型半導体の特性を持つエミッタ層54と共に、P型半導体の特性を持つベース引き出し電極56が形成される。
【0081】
上述した一連の処理に次いで、シリサイド膜74,76,78が露出するように、絶縁膜32の適当な位置にコンタクトホールが形成される(ステップ58)。
次いで、それらのコンタクトホールの中にプラグ34,36,38が形成される(ステップ59)。
その後、絶縁膜32の上層に、プラグ34,36,38と導通するメタル配線40,42,44が形成されることにより図9(D)に示す構造が実現される(ステップ60)。
【0082】
本実施形態の構造によれば、ベース引き出し電極56の表面がシリサイド膜76で覆われているため、トランジスタのベース抵抗を十分に小さく抑制することができる。また、エミッタ電極28やN+型コレクタ引き出し層18の表面がシリサイド膜74,78で覆われているため、それらとプラグ38,34との接触抵抗を十分に小さく抑制することができる。このため、本実施形態のトランジスタによれば、実施の形態1のトランジスタに比して、優れた高周波特性や優れたノイズ低減効果を得ることができる。
【0083】
ところで、上述した実施の形態4は、実施の形態1の構造にシリサイド膜74,76,78を加えたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、実施の形態2または3の構造にシリサイド膜74,79,78を加えることとしてもよい。
【0084】
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5のヘテロバイポーラトランジスタの構造および製造方法を説明する。図10(A)乃至図10(C)は本実施形態のトランジスタの製造方法を説明するための断面図を示す。本実施形態のトランジスタは、実施の形態1乃至4におけるP型拡散層14および素子分離P型拡散層20の代わりに、素子分離用の溝と素子分離P型拡散層88を備えている点に特徴を有しており、その点を除き実施の形態4のトランジスタと同じ構造を有している。尚、本発明の基礎となる構造は実施の形態4の構造に限定されるものではなく、実施の形態1乃至3の構造を基礎としてもよい。
【0085】
以下、実施の形態5のトランジスタの製造方法について説明する。
図10(A)に示すように、本実施形態のトランジスタの製造工程では、P−型半導体に調整されたシリコン基板10上に、先ずN+型拡散層12が形成される(ステップ61)。
N+型拡散層12の上層にN−型シリコン層16が形成される(ステップ62)。
N+型拡散層12およびN−型シリコン層16に、それらを所望の状態に分離する溝90が設けられる(ステップ64)。
溝90の底部に、素子分離P型拡散層88が形成される(ステップ65)。
次いで、溝90の側面に酸化膜92を形成するため、ウェハの酸化処理が行われる(ステップ66)。
上記の酸化処理が終了すると、次に、溝90の中を多結晶シリコンなどの絶縁物94で満たすため、絶縁物94の堆積処理が行われる(ステップ67)。
ウェハの表面(N−型シリコン層16の表面)にはみ出して形成または堆積された酸化膜92や絶縁物94がエッチングによって除去されることにより図10(A)の状態が形成される(ステップ68)。
【0086】
図10(B)に示すように、N−型シリコン層16の表面には、フィールド酸化膜17が形成される(ステップ69)。
次いで、N−型シリコン層16の一部にN+型コレクタ引き出し層18が形成される(ステップ70)。
シリコンの露出部分に所定の膜厚で酸化膜19が成膜された後、N+コレクタ引き出し層18の上層を除き、その酸化膜19が除去される。その結果、N+コレクタ引き出し層18の上層にだけ酸化膜19が形成される(ステップ71)。
【0087】
以後、実施の形態4の場合と同じ手順で加工が行われることにより、すなわち、上述したステップ5〜9、およびステップ45〜60の処理が行われることにより、図10(C)に示す構造が実現される。
【0088】
実施の形態1乃至5のバイポーラトランジスタにおいて、コレクタと基板との間の寄生容量は、N+型拡散層12と、それに隣接するP型拡散層(14または88)との間に発生する空乏層の幅に大きく影響される。実施の形態1乃至3の構造では、N+型拡散層12とP型拡散層14との距離が狭く、空乏層の幅が狭いため、大きな寄生容量が生じ易い。一方、本実施形態の構造によれば、N+型拡散層12と素子分離P型拡散層14との距離が広く、空乏層の延び量が大きく確保できるため、寄生容量を小さく抑制し易い。
【0089】
トランジスタは、コレクタと基板との間の寄生容量が小さい程良好な高周波特性を示す。従って、本実施形態のヘテロバイポーラトランジスタによれば、実施の形態1乃至4のトランジスタに比して、更に優れた高周波特性を実現することができる。
【0090】
実施の形態6.
次に、図11(A)および図11(B)を参照して、本発明の実施の形態6のヘテロバイポーラトランジスタについて説明する。本実施形態のトランジスタは、実施の形態1乃至5の何れかを基礎として、エピタキシャル層58における不純物濃度(P濃度)のプロファイルを、図3に示すものから図11(A)に示すものに変更することで実現することができる。
【0091】
図11(A)は、本実施形態で用いられるエピタキシャル層58,60,62の不純物およびGe濃度プロファイルを示す。本実施形態において、トランジスタのエミッタとなるエピタキシャル層62のB濃度、およびトランジスタのベースとなるエピタキシャル層60のB濃度およびGe濃度は、実施の形態1乃至5の場合(図3参照)と同様のプロファイルを有している。一方、トランジスタのコレクタとなるエピタキシャル層58のP濃度は、実施の形態1乃至5におけるプロファイルと異なり、ベース層との境界部からその層58の底部に向けて、徐々に減少するプロファイルを有している。
【0092】
トランジスタが高周波で動作する際には、多量のキャリア注入に伴って実効ベース領域がコレクタ領域にまで広がる現象、すなわち、ベース広がり効果が生ずることがある。ベース広がり効果が生ずると、キャリアのベース走行時間が長期化し、トランジスタの高周波特性が損なわれる。従って、トランジスタの高周波特性を改善するためには、ベース広がり効果を抑制することが有効である。トランジスタのベース広がり効果は、コレクタ領域の不純物濃度を高めて、実効ベース領域の拡大を阻止することにより抑制することができる。しかし、コレクタ領域全体の不純物濃度を高めると、トランジスタの耐圧が低下する弊害が生ずる。
【0093】
上述の如く、本実施形態では、コレクタとなるエピタキシャル層58に対して、ベース領域との境界部において高く、かつ、基板との境界部において低いP濃度が与えられる。このようなP濃度によれば、トランジスタの耐圧を十分に確保しつつ、高周波動作時におけるベース広がり効果を有効に抑制することができる。従って、本実施形態のトランジスタによれば、実施の形態1乃至5のトランジスタに比して、更に良好な高周波特性を実現することができる。
【0094】
図11(B)は、本実施形態において、エピタキシャル層58,60,62に与える不純物およびGe濃度プロファイルの他の例を示す。コレクタとなるエピタキシャル層58に付与するプロファイルは、図11(B)に示すようにステップ状に変化するものであってもよい。このようなプロファイルによっても、図11(A)に示すプロファイルが用いられる場合と同様の効果を得ることができる。
【0095】
実施の形態7.
次に、図12(A)乃至図12(C)を参照して、本発明の実施の形態7のヘテロバイポーラトランジスタについて説明する。
図12(A)乃至図12(C)は、それぞれ、本実施形態においてエピタキシャル層58,60,62に付与する不純物およびGe濃度のプロファイル例を示す。
【0096】
上述した実施の形態1乃至6では、トランジスタのベースやエミッタとなるエピタキシャル層60,62には、Pを含有させないこととしている。本実施形態では、それらのエピタキシャル層60,62に、4×1015cm-3程度のPが含有されるのを許容している。上記のP濃度(4×1015cm-3)は、エピタキシャル層60,62に含まれるBの濃度(5×1017cm-3〜1019cm-3)に比して十分に低い値である。従って、エピタキシャル層60,62にこの程度のPが含まれていても、適正なトランジスタ特性を得ることができる。
【0097】
エピタキシャル層60,62は、Pを含有させるべきエピタキシャル層58と同じ工程で連続的に成長させるべき層である。このため、それらの層中から完全にPを排除することは必ずしも容易ではない。本実施形態では、エピタキシャル層60,62に対するPの混入が許容されるため、3つのエピタキシャル層58,60,62を、容易に連続形成することができる。従って、本実施形態のトランジスタによれば、実施の形態1乃至6のトランジスタに比して、優れた生産性を得ることができる。
【0098】
比較例1.
次に、図14および図15を参照して、本発明の製造方法と対比される比較例1の製造方法について説明する。比較例1は、ホモ接合を有するバイポーラトランジスタの製造方法である。比較例1の方法によれば、後述の如く、2つのベース引き出し電極の間にセルフアラインの手法でエミッタ電極を形成することができる。
【0099】
図14(A)〜図14(D)および図15は、比較例1の製造方法の内容を説明するための断面図である。比較例1では、上述した実施の形態1の場合と同様の手法で図14(A)に示す状態が形成される。
すなわち、比較例1では、先ず、シリコン基板10(P−型半導体)の上にN+型拡散層12とP型拡散層14とが形成される(ステップ1)。
次に、それらの上層に、エピタキシャル成長によりN−型シリコン層16が形成される(ステップ2)。
フィールド酸化膜17が形成された後、N+コレクタ引き出し層18、および素子分離P型拡散層20が形成される(ステップ3)。
シリコンの露出部分に所定の膜厚で酸化膜19が形成され、N+コレクタ引き出し層18の上層を除き、その酸化膜19が除去される(ステップ4)。
【0100】
図14(B)に示すように、N−型シリコン層16の上層にはP型不純物がドープされた多結晶シリコン膜100が堆積される。多結晶シリコン膜100は、ベース引き出し電極の形状にパターニングされる(ステップ72)。
多結晶シリコン膜100を被うように、半導体ウェハの全面に酸化膜102が形成される(ステップ73)。
多結晶シリコン膜100および酸化膜102をエッチングすることにより、真性ベース層を形成しようとする領域に開口104が形成される(ステップ74)。
半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、多結晶シリコン膜100に含まれるP型不純物がN−型シリコン層16に拡散してP+拡散層106が形成される(ステップ75)。
開口104の上部より、半導体ウェハに対してBなどのP型不純物が注入される。その結果、N−型シリコン層16のうち、開口104の内部に露出する部分、すなわち、真性ベース層を形成しようとする部分にP型不純物が注入される(ステップ76)。
【0101】
図14(C)に示すように、開口104の内部には、酸化膜の堆積と異方性エッチングとによって側壁108が形成される(ステップ77)。
側壁108の形成時に所定の熱処理が実行されることにより、N−型シリコン層16に注入されたP型不純物の活性化、およびP+拡散層106の拡散が進行する。その結果、N−型シリコン層16中に真性ベース層110と、P+拡散層106Aとが形成される(ステップ78)。
【0102】
次に、図14(D)に示すように、側壁108で囲まれた部分に、N型不純物を含む多結晶シリコンにより、エミッタ電極28が形成される(ステップ79)。
所定の熱処理が行われることによりエミッタ電極28内のN型不純物が拡散されて、真性ベース層110の表面付近にエミッタ層112が形成される(ステップ80)。
【0103】
最後に、図15に示すように、半導体ウェハの全面に絶縁膜32が堆積され(ステップ15)、適当な位置にコンタクトホールが形成され(ステップ17)、プラグ34,36,38およびメタル配線40,42,44が形成される(ステップ18,19)。
【0104】
上記の如く、比較例1によれば、真性ベース層110の中央部に、セルフアラインの手法でエミッタ層112を形成することができる。このため、比較例1によれば、エミッタ層112とベース引き出し電極(多結晶シリコン膜100)との短絡を生じさせることなく真性ベース層110を十分に小さくすることができる。
【0105】
バイポーラトランジスタを高速化するうえで、ベース−コレクタ容量の少量化が有効なことは上記の通りである。従って、真性ベース層110を小さくし、ベース−コレクタ容量を少量とし得る比較例1は、この点においてトランジスタの高速化に適した方法である。
【0106】
トランジスタを高速化するうえでは、ベース−コレクタ容量を少量化することに加えて、ベース幅を薄くすることも重要である。すなわち、比較例1の場合には、真性ベース層110の厚さを薄くすることも重要である。しかしながら、比較例1において、真性ベース層110は不純物の注入により形成されている。この場合、チャネリングや注入深さのばらつきにより、真性ベース層110の厚さを100nm以下とすることが困難である。比較例1は、この点において、トランジスタの高速化を図るうえで限界を有している。
【0107】
これに対して、上述した実施の形態1〜7では、ベース層52の厚さをSiエピタキシャル層58の厚さで決定することができる。従って、それらの方法は、ベース層52を薄くしてトランジスタの高速化を図るうえでは比較例1に比して優れている。
【0108】
しかし、実施の形態1〜7の製造方法において、酸化膜30の位置は、例えば図2(A)に示すように写真製版により決定される。このため、実施の形態1〜7の製造方法によると、酸化膜30の開口の位置、すなわち、エミッタ層54の位置と、エミッタ電極28の位置との間に、写真製版の重ね合わせ精度の範囲内でずれが生ずることがある。
【0109】
一方、実施の形態1〜7において、ベース層52やベース引き出し電極56の位置は、エミッタ電極28の位置により決定される。従って、それらの実施形態では、ベース層52やベース引き出し電極56の位置が、エミッタ層54の位置に対して、写真製版の重ね合わせ精度の範囲内で変動することがある。つまり、実施の形態1〜7の製造方法では、ベース層52の中心に対するエミッタ層54の位置が自己整合的には決定されず、2つのベース引き出し電極56の何れかに偏った位置にエミッタ層54が形成される事態が生じ得る。このため、実施の形態1〜7においては、エミッタ電極28やベース層52の寸法などに、上記の偏りを考慮したマージンを付与しておくことが必要であった。
【0110】
以上に説明したように、開口104に対して不純物を注入して真性ベース層110を実現する比較例1の方法と、Siエピタキシャル層58の厚さでベース層52の厚さを決める実施の形態1〜7の方法とは、トランジスタの高速化を図るうえでそれぞれに一長一短を有している。これら両者の長所は、例えば、比較例1の方法で形成された開口104(図14(B)参照)の中だけに、選択的にベース層をエピタキシャル成長させることにより同時に確保することができる。
【0111】
しかし、ベース層をそのように選択的に成長させることは現実的には困難である。また、その場合、エッチングのダメージを受けたN−型シリコン層16の上にベース層が成長されることとなり、膜の品質に関しても問題が生ずる。従って、比較例1の方法と、実施の形態1〜7の方法とを単純に組み合わせることによっては、エミッタ電極28の位置自体を自己整合的に決定し、かつ、エピタキシャル成長膜でベース層52を実現することはできない。
【0112】
以下に説明する実施の形態8〜11は、上記の課題を解決するための製造方法である。具体的には、ベース層52の中心付近に、すなわち、ベース引き出し56の中央に、自己整合的にエミッタ層54を形成し、かつ、エピタキシャル成長膜でベース層52を実現するための製造方法である。以下、図16乃至図22を順次参照して、それらの実施形態について説明する。
【0113】
実施の形態8.
図16〜図18は、本発明の実施の形態8の製造方法を説明するための断面図を示す。本実施形態の製造方法では、先ず、図16(A)および図16(B)に示すように、実施の形態1の場合と同様の手法で、半導体ウェハの全面にSiエピタキシャル層58(N型)、SiGeエピタキシャル層60(P型)、およびSiエピタキシャル層62(P型)が形成される(ステップ1〜5)。
【0114】
図16(C)に示すように、Siエピタキシャル層62の上層には、酸化膜30が堆積される(ステップ6)。
次に、酸化膜30の上層に、多結晶シリコン膜114およびフォトレジスト116が堆積される。フォトレジスト116は、真性ベース層を形成すべき領域のみを被うようにパターニングされる。パターニング後のフォトレジスト116をマスクとしてエッチングが行われることにより、多結晶シリコン膜114が、真性ベース層の形状にパターニングされる(ステップ81)。
パターニングされた後の多結晶シリコン膜114の上部から、半導体ウェハの全体に対してB等のP型不純物が注入される。その結果、3層のエピタキシャル層58,60,62のうち、真性ベース層を形成すべき部位を除く部分に、P型不純物が注入される(ステップ82)。
【0115】
フォトレジスト116は酸素プラズマなどを用いた等方性のエッチングによって、多結晶シリコン114は異方性のエッチングによって、所定の大きさ、具体的には、真性ベース層の表面に形成すべきエミッタ層の大きさまで縮小される(ステップ83)。以下、縮小後の多結晶シリコン膜114およびフォトレジスト116を、図16(D)に示すように、それぞれ符号114Aおよび116Aを付して表す。
【0116】
フォトレジスト116Aが除去された後、半導体ウェハに対して所定の熱処理が施される。その結果、3層のエピタキシャル層58,60,62に導入されている不純物(B)が拡散して、図17(A)に示すようにP型の拡散層118が形成される(ステップ84)。
次に、半導体ウェハの全面にフォトレジスト120が塗布される。フォトレジスト120は、多結晶シリコン膜114Aの上端が露出するまでエッチバックされる(ステップ85)。
【0117】
フォトレジスト120の表面に露出した多結晶シリコン膜114Aは、図17(B)に示すようにエッチングによって除去される(ステップ86)。
更に、フォトレジスト120をマスクとして酸化膜30がエッチングされる。その結果、エミッタ層を形成すべき部位に開口122が形成される(ステップ87)。
【0118】
上述した処理によれば、開口122は、自己整合的にベース層52のほぼ中央に形成される。つまり、本実施形態の製造方法によれば、ベース層52の中央に、セルフアラインの手法で開口122を形成することができる。従って、本実施形態によれば、ベース層52の位置と開口122の位置との誤差を十分に小さくすることができる。
【0119】
図17(C)に示すように、半導体ウェハの全面には、フォトレジスト120が除去された後、多結晶シリコン膜123が堆積される(ステップ88)。
多結晶シリコン膜123には、その全面に、AsなどのN型不純物が注入される(ステップ89)。
【0120】
N型不純物がドープされた多結晶シリコン膜123の上層には、酸化膜124が成膜される(ステップ90)。
酸化膜124の上部では、フォトレジスト126が、形成すべきエミッタ電極28の形状にパターニングされる(ステップ91)。
そのフォトレジスト126をマスクとして酸化膜124および多結晶シリコン膜123がエッチングされることにより、図17(D)に示すように、エミッタ電極28が形成される(ステップ92)。
【0121】
次に、半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、エミッタ電極28に含まれていた不純物(As)がその下層のSiエピタキシャル層62に拡散して、図18(A)に示すように、ベース層52のほぼ中央にエミッタ層54が形成される(ステップ93)。
次いで、所望の形状にパターニングされたフォトレジスト128をマスクとして酸化膜30および拡散層118がエッチングされることにより、ベース引き出し電極56が形成される(ステップ94)。
【0122】
次に、半導体ウェハの全面に酸化膜が堆積される。その酸化膜と共に、ベース引き出し電極56を被っている酸化膜30、およびエミッタ電極54を被っている酸化膜124がエッチングによって除去されることにより、図18(B)に示すように、ベース引き出し電極56の側面を被う側壁130、およびエミッタ電極54の側面を被う側壁132が形成される(ステップ95)。
上記のエッチングの過程では、N+型コレクタ引き出し層18を被っていた酸化膜19も除去される。従って、ステップ95の終了時点では、エミッタ電極54やベース引き出し電極56と共に、N+型コレクタ引き出し層18も露出状態となる。
【0123】
次に、半導体ウェハの表面に露出したシリコンを、CoやTi等の高融点金属とを反応させる。その結果、図18(C)に示すように、エミッタ電極28の表面、ベース引き出し電極56の表面、およびN+型コレクタ引き出し層18の表面に、自己整合的にシリサイド膜134,136,138が形成される(ステップ96)。
【0124】
最後に、図18(D)に示すように、半導体ウェハの全面に絶縁膜32が堆積され(ステップ15)、適当な位置にコンタクトホールが形成され(ステップ17)、プラグ34,36,38およびメタル配線40,42,44が形成される(ステップ18,19)。
【0125】
上述の如く、本実施形態の製造方法によれば、ベース層52をエピタキシャル成長膜で構成しつつ、ベース層52のほぼ中央に、ベース層52に比して小さなエミッタ層54を自己整合的に形成することができる。つまり、本実施形態の製造方法によれば、エピタキシャル成長膜を用いることでベース層52の厚さを十分に薄くしつつ、2つのベース引き出し電極56の中央付近に、セルフアラインの手法でエミッタ層54を形成することができる。この場合、キャリアがベース層52を走行する時間を短時間とし、かつ、ベース−コレクタ容量を少量とすることができる。
【0126】
また、本実施形態においては、上記の如く、ベース引き出し電極56やエミッタ電極28などの表面にシリサイド膜134,136,138を形成している。この場合、トランジスタのベース抵抗やエミッタコンタクト抵抗は、十分に小さな値に抑制される。従って、本実施形態の製造方法によれば、極めて優れた高周波特性を有するトランジスタを実現することができる。
【0127】
更に、本実施形態の製造方法では、ベース層52となるべき領域を被うために形成されるフォトレジスト116が等方的にエッチングされることにより、エミッタ層54となるべき領域を被うためのフォトレジスト116Aが形成される(図16(C)および図16(D)参照)。この場合、フォトレジスト116Aは、必然的にフォトレジスト116に比して小さくなるため、酸化膜30の開口122は、高度な加工技術を必要とすることなくベース層52のほぼ中央に設けることができる。このため、本実施形態の製造方法によれば、製造コストの高騰をも避けることができる。
【0128】
ところで、上述した実施の形態8では、ベース層52を、SiGeのエピタキシャル層で構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベース層52は、シリコンのエピタキシャル層で構成することとしてもよい。
【0129】
実施の形態9.
次に、図19および図20を参照して、本発明の実施の形態9について説明する。本実施形態の製造方法では、図19(A)に示すように、実施の形態1の場合と同様の手法で3層のエピタキシャル層58,60,62が形成される(ステップ1〜5)。
エピタキシャル層62の上層には、窒化膜140と酸化膜142とが堆積される(ステップ97)。
酸化膜142は、真性ベース層を形成すべき領域のみを被うようにパターニングされる(ステップ98)。
この状態で、半導体ウェハの全体にB等のP型不純物が注入される。その結果、3層のエピタキシャル層58,60,62のうち、真性ベース層を形成すべき部位を除く部分に、P型不純物が注入される(ステップ99)。
【0130】
酸化膜140は、ウェットエッチングなどの等方性のエッチングによって、所定の大きさ、具体的には、真性ベース層の表面に形成すべきエミッタ層の大きさまで縮小される(ステップ100)。以下、縮小後の酸化膜142を、図19(B)に示すように符号142Aを付して表す。
半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、3層のエピタキシャル層58,60,62に導入されている不純物(B)が拡散して、P型の拡散層118が形成される(ステップ101)。
次に、半導体ウェハの全面にフォトレジスト120が塗布される。フォトレジスト120は、酸化膜142Aの上端が露出するまでエッチバックされる(ステップ102)。
【0131】
フォトレジスト120の表面に露出した酸化膜142Aは、図19(C)に示すようにエッチングによって除去される(ステップ103)。
更に、フォトレジスト120をマスクとして窒化膜140がエッチングされることにより、エミッタ層を形成すべき部位に開口122が形成される(ステップ104)。
【0132】
上述した処理によれば、実施の形態8の場合と同様に、開口122は、自己整合的にベース層52のほぼ中央に形成される。従って、本実施形態の製造方法によっても、ベース層52の位置と開口122の位置との誤差を十分に小さくすることができる。
【0133】
フォトレジスト120が除去された後、実施の形態8の場合と同様の手法で、窒化膜140の上に多結晶シリコン膜123が堆積され(ステップ105)、次いでAsなどのN型不純物の注入処理が行われる(ステップ106)。
次に、多結晶シリコン膜123の上層に窒化膜144が成膜される(ステップ107)。
窒化膜144および多結晶シリコン膜123は、図19(D)に示すように、エミッタ電極28の形状にエッチングされる(ステップ108)。
【0134】
次に、半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、エミッタ電極28に含まれていた不純物(As)がその下層のSiエピタキシャル層62に拡散して、図20(A)に示すように、ベース層52のほぼ中央にエミッタ層54が形成される(ステップ109)。
次いで、所望の形状にパターニングされたフォトレジスト128をマスクとして酸化膜30および拡散層118がエッチングされることにより、ベース引き出し電極56が形成される(ステップ110)。
【0135】
半導体ウェハの全面に酸化膜を堆積させた後、その酸化膜と共に、ベース引き出し電極56を被っている窒化膜140、およびエミッタ電極54を被っている窒化膜144が、同じエッチングレートで除去される。その結果、図20(B)に示すように、ベース引き出し電極56の側面を被う側壁130、およびエミッタ電極54の側面を被う側壁132が形成される(ステップ111)。
上記のエッチングの過程では、N+型コレクタ引き出し層18を被っていた酸化膜19も除去される。従って、ステップ111の終了時点では、エミッタ電極54やベース引き出し電極56と共に、N+型コレクタ引き出し層18も露出状態となる。
【0136】
以後、実施の形態8の場合と同様の処理が実行されることにより、図20(C)に示すシリサイド膜134,136,138が形成され(ステップ96)、更には図20(D)に示すメタル配線40,42,44等が形成される(ステップ15,17〜19)。
【0137】
上述の如く、本実施形態の製造方法によれば、実施の形態8の場合と同様に、ベース層52をエピタキシャル成長膜で構成しつつ、ベース層52のほぼ中央にエミッタ層54を自己整合的に形成し、更に、ベース引き出し電極56やエミッタ電極28などの表面にシリサイド膜134,136,138を形成することができる。このため、本実施形態の製造方法によれば、実施の形態8の場合と同様に、高周波特性の優れたトランジスタを実現することができる。
【0138】
ところで、上述した実施の形態9では、ベース層52を、SiGeのエピタキシャル層で構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベース層52は、シリコンのエピタキシャル層で構成することとしてもよい。
【0139】
実施の形態10.
次に、図21を参照して、本発明の実施の形態10について説明する。本実施形態の製造方法では、図21(A)に示すように、実施の形態1の場合と同様の手法で3層のエピタキシャル層58,60,62が形成される(ステップ1〜5)。
エピタキシャル層62の上層には、窒化膜140、多結晶シリコン膜146、および酸化膜148がその順で堆積される(ステップ112)。
多結晶シリコン膜146と酸化膜148は、真性ベース層を形成すべき領域のみを被うようにパターニングされる(ステップ113)。
この状態で、半導体ウェハの全体にB等のP型不純物が注入される。その結果、3層のエピタキシャル層58,60,62のうち、真性ベース層を形成すべき部位を除く部分に、P型不純物が注入される(ステップ114)。
【0140】
酸化膜148は、ウェットエッチングなどの等方性のエッチングによって、所定の大きさ、具体的には、真性ベース層の表面に形成すべきエミッタ層の大きさまで縮小される(ステップ115)。
次いで、多結晶シリコン膜146が、異方性エッチングによって酸化膜148と同じ大きさに縮小される(ステップ116)。
以下、縮小後の酸化膜148および多結晶シリコン膜146を、図21(B)に示すように、それぞれ符号148Aおよび146Aを付して表す。
半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、3層のエピタキシャル層58,60,62に導入されている不純物(B)が拡散して、P型の拡散層118が形成される(ステップ117)。
次に、半導体ウェハの全面にフォトレジスト120が塗布される。フォトレジスト120は、酸化膜148Aの上端が露出するまでエッチバックされる(ステップ118)。
【0141】
図21(C)に示すように、フォトレジスト120の中に残存していた酸化膜148Aおよび多結晶シリコン膜146Aはエッチングによって除去される(ステップ119)。
次に、フォトレジスト120をマスクとして窒化膜140がエッチングされることにより、エミッタ層を形成すべき部位に開口122が形成される(ステップ120)。
【0142】
上述した処理によれば、実施の形態8または9の場合と同様に、開口122は、自己整合的にベース層52のほぼ中央に形成される。従って、本実施形態の製造方法によっても、ベース層52の位置と開口122の位置との誤差を十分に小さくすることができる。
【0143】
フォトレジスト120が除去された後、実施の形態9の場合と同様の手法で、窒化膜140の上に多結晶シリコン膜123が堆積され(ステップ105)、次いでAsなどのN型不純物の注入処理が行われる(ステップ106)。
次いで、多結晶シリコン膜123の上層に窒化膜144が成膜され(ステップ107)、その窒化膜144と多結晶シリコン膜123とがエッチングされることにより、図21(D)に示すように、エミッタ電極28が形成される(ステップ108)。以後、実施の形態8または9の場合と同様の処理を実行することにより、トランジスタを完成させることができる。
【0144】
上述の如く、本実施形態の製造方法によれば、実施の形態8または9の場合と同様に、ベース層52をエピタキシャル成長膜で構成しつつ、ベース層52のほぼ中央にエミッタ層54を自己整合的に形成し、更に、ベース引き出し電極56やエミッタ電極28などの表面にシリサイド膜134,136,138を形成することができる。このため、本実施形態の製造方法によれば、実施の形態8または9の場合と同様に、高周波特性の優れたトランジスタを実現することができる。
【0145】
ところで、上述した実施の形態8乃至10では、エピタキシャル層にP型不純物を注入する際のマスクを、多結晶シリコン膜114とフォトレジスト116の積層膜や窒化膜142、或いは多結晶シリコン膜146と酸化膜148の積層膜などで構成することとしているが、マスクの構造はそれらに限定されるものではない。すなわち、P型不純物の注入時にマスクとして機能することができ、かつ、フォトレジスト122に対して高い選択比で除去し得るものであれば上記のマスクとして利用することができる。
【0146】
実施の形態11.
次に、図22を参照して、本発明の実施の形態11について説明する。本実施形態の製造方法では、先ず、実施の形態8の場合と同様の手順で、多結晶シリコン膜123中にAsなどのP型不純物を注入するまでの処理、すなわち、図16(A)〜図17(C)に示すステップ1〜6およびステップ81〜89の処理が実行される。
図22(A)に示すように、本実施形態では、次に、フォトレジスト126をマスクとして、多結晶シリコン膜123および酸化膜30が、エミッタ電極28の形状にエッチングされる(ステップ121)。
上記の処理によれば、実施の形態8〜10の場合と同様に、エミッタ電極28を、自己整合的にベース層52のほぼ中央に形成することができる。従って、本実施形態の製造方法によっても、ベース層52の位置とエミッタ電極28の位置とを精度良く整合させることができる。
【0147】
次に、半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、エミッタ電極28に含まれていた不純物(As)がその下層のSiエピタキシャル層62に拡散して、図22(B)に示すように、ベース層52のほぼ中央にエミッタ層54が形成される(ステップ122)。
次いで、所望の形状にパターニングされたフォトレジスト128をマスクとして拡散層118がエッチングされることにより、ベース引き出し電極56が形成される(ステップ123)。
【0148】
フォトレジスト128が除去された後、半導体ウェハの全面に酸化膜が堆積される。エミッタ電極28およびベース引き出し電極56が露出するまでその酸化膜がエッチングされることにより、図22(C)に示すように、ベース引き出し電極56の側面を被う側壁130、およびエミッタ電極54の側面を被う側壁132が形成される(ステップ123)。
上記のエッチングの過程では、N+型コレクタ引き出し層18を被っていた酸化膜19も除去される。従って、ステップ123の終了時点では、エミッタ電極54やベース引き出し電極56と共に、N+型コレクタ引き出し層18も露出状態となる。
【0149】
図22(D)に示すように、エミッタ電極28の表面、ベース引き出し電極56の表面、およびN+型コレクタ引き出し層18の表面には、実施の形態8の場合と同様に、自己整合的にシリサイド膜134,136,138が形成される(ステップ96)。以後、実施の形態8の場合と同様の処理が実行されることにより、トランジスタが完成する。
【0150】
上述の如く、本実施形態の製造方法によれば、実施の形態8〜10の場合と同様に、ベース層52をエピタキシャル成長膜で構成しつつ、ベース層52のほぼ中央にエミッタ層54を自己整合的に形成し、更に、ベース引き出し電極56やエミッタ電極28などの表面にシリサイド膜134,136,138を形成することができる。このため、本実施形態の製造方法によれば、実施の形態8〜10の場合と同様に、高周波特性の優れたトランジスタを実現することができる。
【0151】
また、本実施形態の製造方法によれば、エミッタ電極28の上に、酸化膜124を堆積させる工程(実施の形態8におけるステップ90)や、窒化膜144を堆積させる工程(実施の形態9または10におけるステップ107)を省略することができる。このため、本実施形態によれば、実施の形態8〜10の場合に比して、トランジスタの製造工程を簡単化することができる。
【0152】
ところで、上述した実施の形態11では、上述したステップ121において、拡散層118が露出するまで酸化膜30をエッチングすることとしているが、ステップ121では酸化膜30を拡散層118の表面に僅かに残存させることとしてもよい。この場合、残存する酸化膜30は、ステップ123において、側壁130を形成するためのエッチングの際に除去することができる。上記の手法によれば、ステップ121で拡散層118を露出させる場合に比して、拡散層118に対するオーバーエッチ量を抑制することができる。
【0153】
実施の形態12.
次に、図23を参照して、本発明の実施の形態12について説明する。本実施形態の製造方法では、図23(A)に示すように、実施の形態1の場合と同様の手法で3層のエピタキシャル層58,60,62が形成される(ステップ1〜5)。
エピタキシャル層62の上層には、酸化膜30、第1の多結晶シリコン膜149、および、酸化膜150がその順で堆積される(ステップ124)。
それらの膜のうち酸化膜150は、真性ベース層を形成すべき領域のみを被うようにパターニングされる(ステップ125)。
この状態で、半導体ウェハの全体にB等のP型不純物が注入される。その結果、3層のエピタキシャル層58,60,62のうち、真性ベース層を形成すべき部位を除く部分に、P型不純物が注入される(ステップ126)。
【0154】
酸化膜150は、ウェットエッチング等の等方性のエッチングによって、所定の大きさ、具体的には、真性ベース層の表面に形成すべきエミッタ層の大きさまで縮小される(ステップ127)。以下、縮小後の酸化膜150を、図23(B)に示すように符号150Aを付して表す。
半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、3層のエピタキシャル層58,60,62に導入されている不純物(B)が拡散して、P型の拡散層118が形成される(ステップ128)。
次に、半導体ウェハの全面にフォトレジスト120が塗布される。フォトレジスト120は、酸化膜150Aの上端が露出するまでエッチバックされる(ステップ129)。
【0155】
図23(C)に示されるように、フォトレジスト120の中に残存していた酸化膜150Aはエッチングによって除去される(ステップ130)。
次に、フォトレジスト120をマスクとして、第1の多結晶シリコン膜149、および、酸化膜30がエッチングされることにより、エミッタ層を形成すべき部位に開口122が形成される(ステップ131)。
上述した処理によれば、実施の形態8乃至10の場合と同様に、開口122は、自己整合的にベース層52のほぼ中央に形成される。従って、本実施形態の製造方法によっても、ベース層52の位置と開口122の位置との誤差を十分に小さくすることができる。
【0156】
フォトレジスト120が除去された後、第1多結晶シリコン膜149の上に第2の多結晶シリコン膜123が堆積され、次いでAsなどのN型不純物の注入処理が行われる(ステップ132)。
次に、半導体ウェハに対して所定の熱処理が施されることにより、第2の多結晶シリコン膜123に含まれている不純物(As)がその下層のSiエピタキシャル層62に拡散し、ベース層52のほぼ中央にエミッタ層54が形成される(ステップ133)。
次いで、フォトレジストをマスクとして、第2の多結晶シリコン膜123と第1の多結晶シリコン膜、および、酸化膜30が、エミッタ電極28の形状にエッチングされる(ステップ134)。以後、実施の形態11の場合と同様の処理を実行することにより、トランジスタを完成させることができる。
【0157】
上述した実施の形態12の方法では、縮小を要する第1のマスクを、実施の形態10の場合に比して少ない材料で、すなわち、1種類の材料のみで構成することができる。第1のマスクを縮小するためのエッチングは、その材料が1種類である方が、多数の材料が用いられる場合に比して容易である。従って、本実施形態の製造方法によれば、実施の形態10の場合に比して、トランジスタの製造工程を更に簡単化することができる。
【0158】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1または2記載の発明によれば、簡単な工程で製造することのできるヘテロバイポーラトランジスタを実現することができる。
【0159】
請求項3記載の発明によれば、コレクタ引き出し層の表面がコレクタ電極で覆われているため、コレクタ、ベースおよびエミッタに対応するコンタクトホールを形成する際のオーバーエッチング量を抑制することができる。従って、本発明によれば、トランジスタの品質を安定化させることができる。
【0160】
請求項4記載の発明によれば、エミッタ電極の表面およびベース引き出し電極の表面にシリサイド膜が形成されている。このため、本発明によれば、トランジスタのベース抵抗やコンタクト抵抗を十分に抑制することができる。
【0161】
請求項5記載の発明によれば、第1型Si層の不純物濃度が、第2型SiGeエピタキシャル層との境界付近で高く、かつ、第1シリコン層との境界付近で低くされている。つまり、サブコレクタ層は、ベース層との境界付近に高い濃度で第1不純物を含み、シリコン基板との境界付近に低い濃度で第1不純物を含んでいる。このため、本発明によれば、高周波動作時におけるベース広がり効果を抑制しつつ、高い耐圧を確保することができる。
【0162】
請求項6、7または8記載の発明によれば、Siエピタキシャル層を基礎とするエミッタ層と、SiGeエピタキシャル層を基礎とするベース層とを有するヘテロバイポーラトランジスタを、簡単な工程で製造することができる。
【0163】
請求項9記載の発明によれば、コレクタ引き出し層の表面がコレクタ電極で覆われた状態でコレクタ、ベースおよびエミッタに対応するコンタクトホールを開口させることができる。このため、本発明によれば、安定した品質を有するトランジスタを製造することができる。
【0164】
請求項10記載の発明によれば、エミッタ電極の上層、および第2型Siエピタキシャル層の上層に、同等の膜厚で酸化膜を形成した後に、それらを異方性エッチングにより除去することができる。この場合、エミッタ電極や第2Siエピタキシャル層の表面に多大なオーバーエッチングを施すことなく、エミッタ電極の側面に酸化膜のサイドウォールを形成することができる。また、本発明によれば、上記のサイドウォールを利用して、エミッタ電極の表面と、第2型Siエピタキシャル層の表面とに、両者を短絡させることなくシリサイド膜を形成することができる。このため、本発明によれば、ベース抵抗やコンタクト抵抗の小さなトランジスタを、高い歩留まりで容易に製造することができる。
【0165】
請求項11記載の発明によれば、サブコレクタ層の中に、ベース層との境界付近に高い濃度で第1不純物を含み、かつ、シリコン基板との境界付近に低い濃度で第1不純物を含むトランジスタを簡単な工程で製造することができる。つまり、本発明によれば、高周波動作時におけるベース広がり効果を抑制しつつ、高い耐圧を確保することのできるヘテロバイポーラトランジスタを簡単な工程で製造することができる。
【0166】
請求項12記載の発明によれば、第1導電型の不純物を第1の導電層に導入した後、第1のマスクが縮小される。そして、第2導電型の不純物は、その縮小された第1のマスクと同じ大きさを有する開口から第1導電層に導入される。この場合、第2導電型の不純物は、常に、第1導電型の不純物が導入されていない領域のほぼ中央に導入される。従って、本発明によれば、真性ベース層の中央付近に、自己整合的にエミッタ層を形成することができる。
【0167】
請求項13記載の発明によれば、開口を介して第2の導電層から第1の導電層へ不純物を拡散させることにより、第1の導電層のうち開口の直下に位置する部分にのみ不純物を導入することができる。
【0168】
請求項14記載の発明によれば、第1の導電層および第2の導電層の表面にシリサイド層を形成することができる。従って、本発明によれば、第1の導電層や第2の導電層、並びにそれらの表面に形成されるシリサイド層を基礎として、接触抵抗の小さな電極乃至は配線構造を実現することができる。
【0169】
請求項15記載の発明によれば、Siエピタキシャル層、SiGeエピタキシャル層、およびSiエピタキシャル層の積層膜を第1の導電層とすることができる。この場合、SiGeエピタキシャル層をベース層とし、その上層のSiエピタキシャル層をエミッタ層とすることで、各層の膜厚管理を容易かつ高精度に行うことができる。
【0170】
請求項16、17および18記載の発明によれば、第1の絶縁膜の材質と第1のマスクの材質とが適切に組み合わされているため、第1のマスクのパターニングや縮小のためのエッチング、或いは第1のマスクに開口を設けるためのエッチングなどを適切に実行することができる。
【0171】
請求項19記載の発明によれば、フォトレジストを第2のマスクとして利用することにより、容易に所望の製造工程を実現することができる。
【0172】
請求項20記載の発明によれば、第2の導電膜を第1のマスクのエッチングストッパーとすると共にエミッタ電極の一部とすることができる。このため、本発明によれば、第1のマスクの材料をパターニングする際、或いは縮小させる際のエッチングを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その1)である。
【図2】 本発明の実施の形態1のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その2)である。
【図3】 本発明の実施の形態1のトランジスタが備える3層のエピタキシャル層における不純物濃度およびGe濃度のプロファイルである。
【図4】 本発明の実施の形態2のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その1)である。
【図5】 本発明の実施の形態2のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その2)である。
【図6】 本発明の実施の形態3のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その1)である。
【図7】 本発明の実施の形態3のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その2)である。
【図8】 本発明の実施の形態4のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その1)である。
【図9】 本発明の実施の形態4のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その2)である。
【図10】 本発明の実施の形態5のヘテロバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図である。
【図11】 本発明の実施の形態6のトランジスタが備える3層のエピタキシャル層における不純物濃度およびGe濃度のプロファイルである。
【図12】 本発明の実施の形態7のトランジスタが備える3層のエピタキシャル層における不純物濃度およびGe濃度のプロファイルである。
【図13】 高周波動作を目的とした従来のトランジスタの断面図である。
【図14】 本発明に係る製造方法に対する比較例を説明するための図(その1)である。
【図15】 本発明に係る製造方法に対する比較例を説明するための図(その2)である。
【図16】 本発明の実施の形態8のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その1)である。
【図17】 本発明の実施の形態8のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その2)である。
【図18】 本発明の実施の形態8のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その3)である。
【図19】 本発明の実施の形態9のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その1)である。
【図20】 本発明の実施の形態9のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図(その2)である。
【図21】 本発明の実施の形態10のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図である。
【図22】 本発明の実施の形態11のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図である。
【図23】 本発明の実施の形態12のバイポーラトランジスタの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板、 12 N+型拡散層、 14 P型拡散層、 16 N−型シリコン層、 17 フィールド酸化膜、 18 N+型コレクタ引き出し層、 20 素子分離P型拡散層、 28 エミッタ電極、 30;124;142;148 酸化膜、 32 絶縁膜、 34,36,38 プラグ、 40,42,44 メタル配線、 50 サブコレクタ層、 52 ベース層、 54 エミッタ層、 56 ベース引き出し電極、 58,62 Siエピタキシャル層、 60 SiGeエピタキシャル層、 70 コレクタ電極、 84 第2の酸化膜、 86 第3の酸化膜、 114,123;146 多結晶シリコン膜、 116,120,126 フォトレジスト、 134,136,138 シリサイド膜、 140 窒化膜、 142 酸化膜。
Claims (10)
- 第1導電型不純物を含むようにシリコン基板の表面に形成されたシリコン層と、
第1型不純物を含むように前記シリコン層の上に形成された第1のSiエピタキシャル層と、
第2型不純物を第1濃度で含み、かつ、所定の濃度プロファイルでゲルマニウムを含むように前記第1のSiエピタキシャル層の上に形成されたSiGeエピタキシャル層と、
第2型不純物を、前記第1濃度に比して低い第2濃度で含むように、前記SiGeエピタキシャル層の上に形成された第2のSiエピタキシャル層とを備え、
前記SiGeエピタキシャル層内のゲルマニウム濃度は、前記第1のSiエピタキシャル層との境界付近において、前記第2のSiエピタキシャル層との境界付近に比して高濃度であり、
前記3層のエピタキシャル層の一部を覆うように、多結晶シリコンで形成されたエミッタ電極を備えると共に、
前記第2のSiエピタキシャル層のうち、前記エミッタ電極で覆われた部分は、第1型半導体に調整されたエミッタ層であり、
前記SiGeエピタキシャル層のうち、前記エミッタ層と接する部分は、第2型半導体に調整されたベース層であり、
前記第1のSiエピタキシャル層のうち、前記ベース層と接する部分は、第1型半導体に調整されたサブコレクタ領域であり、
前記3層のエピタキシャル層のうち、前記エミッタ電極で覆われていない部分は、第2型半導体に調整されたベース引き出し電極であることを特徴とするバイポーラトランジスタ。 - 前記シリコン層のうち、前記ベース引き出し電極に覆われない部分に形成されたコレクタ引き出し層と、
前記コレクタ引き出し層の上に形成されたコレクタ電極と、
前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極の上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の中に、前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極と接するように形成された導電性のプラグと、
を更に備えることを特徴とする請求項1記載のバイポーラトランジスタ。 - 前記エミッタ電極の表面、および前記ベース引き出し電極の表面に、シリサイド膜を備えることを特徴とする請求項1記載のバイポーラトランジスタ。
- 前記第1のSiエピタキシャル層内の第1型不純物濃度は、前記SiGeエピタキシャル層との境界付近において、前記シリコン層との境界付近に比して高濃度であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のバイポーラトランジスタ。
- シリコン基板の表面に、第1導電型不純物を含むシリコン層を形成するステップと、
前記シリコン層の上に、第1型不純物が含有されるように第1のSiエピタキシャル層を成長させるステップと、
前記第1のSiエピタキシャル層の上に、第2型不純物が第1濃度で含有され、かつ、所定の濃度プロファイルでゲルマニウムが含有されるように、SiGeエピタキシャル層を成長させるステップと、
前記SiGeエピタキシャル層の上に、第2型不純物が前記第1濃度に比して低い第2濃度で含有されるように第2のSiエピタキシャル層を成長させるステップとを含み、
前記SiGeエピタキシャル層内のゲルマニウム濃度は、前記第1のSiエピタキシャル層との境界付近において、前記第2のSiエピタキシャル層との境界付近に比して高濃度であり、更に、
前記第2のSiエピタキシャル層の上に、所定部位に開口部を有する酸化膜を形成するステップと、
前記開口部を通じて前記第2のSiエピタキシャル層と接触するように、第1型不純物を含有するエミッタ電極を多結晶シリコンで形成するステップと、
前記3層のエピタキシャル層のうち、前記エミッタ電極に覆われていない部分に、第2型不純物を導入するステップと、
前記3層のエピタキシャル層を、ベース引き出し電極の形状にパターニングするステップと、
所定の熱処理を行うことで、前記エミッタ電極中の第1型不純物を前記第2のSiエピタキシャル層に拡散させて第1型半導体に調整されたエミッタ層を形成し、かつ、前記3層のエピタキシャル層に導入された前記第2型不純物を活性化させてベース引き出し電極を形成するステップと、を更に含むことを特徴とするバイポーラトランジスタの製造方法。 - 前記酸化膜を形成するステップは、前記3層のエピタキシャル層がベース引き出し電極の形状にパターニングされた後に実行されることを特徴とする請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法。
- 前記酸化膜を形成するステップは、前記3層のエピタキシャル層がベース引き出し電極の形状にパターニングされる前に実行されることを特徴とする請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法。
- 前記シリコン層のうち、前記ベース引き出し電極に覆われない部分にコレクタ引き出し層を形成するステップと、
前記コレクタ引き出し層の上にコレクタ電極を形成するステップと、
前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極の上に絶縁膜を形成するステップと、
前記絶縁膜に、前記エミッタ電極、前記ベース引き出し電極、および前記コレクタ電極のそれぞれに開口するコンタクトホールを形成するステップと、
前記コンタクトホールの中に導電性のプラグを形成するステップと、
を更に備えることを特徴とする請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法。 - 前記エミッタ電極の上に、そのエミッタ電極と同じ形状を有する第2の酸化膜を形成するステップと、
前記第2の酸化膜の形成後に、前記第2のSiエピタキシャル層を覆っている前記酸化膜と前記第2の酸化膜とを更に覆う第3の酸化膜を形成するステップと、
前記エミッタ電極および前記第2のSiエピタキシャル層が露出するまで、前記酸化膜、第2の酸化膜および前記第3の酸化膜を異方性エッチングするステップと、
露出した前記エミッタ電極の表面および前記第2のSiエピタキシャル層の表面に、シリサイド膜を形成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法。 - 前記第1のSiエピタキシャル層は、その中に含有される第1型不純物の濃度が、前記SiGeエピタキシャル層との境界付近において、前記シリコン層との境界付近に比して高濃度となるように成長されることを特徴とする請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法。
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