JP4922936B2 - 細菌の検出方法 - Google Patents

細菌の検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4922936B2
JP4922936B2 JP2007528429A JP2007528429A JP4922936B2 JP 4922936 B2 JP4922936 B2 JP 4922936B2 JP 2007528429 A JP2007528429 A JP 2007528429A JP 2007528429 A JP2007528429 A JP 2007528429A JP 4922936 B2 JP4922936 B2 JP 4922936B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dna
group
substrate
primer
extension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007528429A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007013343A1 (ja
Inventor
健司 木下
文男 加藤
洋次郎 安齊
健太郎 藤本
徹 矢ヶ部
兼久 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2007528429A priority Critical patent/JP4922936B2/ja
Publication of JPWO2007013343A1 publication Critical patent/JPWO2007013343A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4922936B2 publication Critical patent/JP4922936B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6888Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for detection or identification of organisms
    • C12Q1/689Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for detection or identification of organisms for bacteria

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、検体中の細菌の検出を行う細菌の検出方法に関する。
従来、サルモネラ菌等の細菌の検出・同定は、細菌を培養することで細菌を増殖させ、糖の資化性検査等の生化学検査を行うことにより主として行われている。例えば、サルモネラ菌の検出・同定には増菌、分離培養、生化学性状による確認培養、O(菌体)抗原、K(Vi莢膜)抗原、H(鞭毛)抗原による血清型別が行われ、各検査の総合的判断が必要とされている。しかしながら、この方法は時間と手間が掛かる上に、例えば顕微鏡下、菌の形態により菌の同定を行なう際、本来の形態(性状)と異なることもあり、その際、形態による判定を誤るなど、例外的な性状が判断を困難にする場合等があった。資化性検査用の簡便なキットも市販され広く用いられてきているが、通常1検体につき1キットが必要であり、かつ使い捨てであるため、大量の検体の検査を行うと膨大な医療廃棄物が発生してしまうという問題も残されていた。
また、細菌種特有な塩基配列を有するプライマーを用いたポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PCR法)により、検体試料中の特定のDNA 断片の増幅の有無から細菌種を特定する方法が開発されている。しかしながら、微生物の多様性によりプライマーの伸長反応部分に変異が起こると、伸長反応が起こるべき検体試料において伸長反応が起こらない場合には、偽陰性と判定されることになり、誤判定が生じる危険性を含んでいた。PCRは数百万ものDNAコピーを合成できる一方で、混入物に非常に敏感なためごく微量の鋳型DNAから反応を開始する場合、前に行った反応の生成物(生成物のキャリーオーバー)あるいは反応系の外から入ってくる物質のコンタミネーションが問題となる。例えば標的配列を含むプラスミドが反応系に1コピー混入しただけで結果の解釈を誤らせる可能性がある。また、PCR等の核酸 増幅を用いる場合には、ポリメラーゼ等の高価な酵素を使用せねばならず、コストを下げることが困難であるという問題も持ち合わせていた。
一方、最近、DNA マイクロアレイあるいはDNA チップとよばれる、配列の異なる多数のDNA 断片を基板のそれぞれ異なる箇所に固定したものに、遺伝子の発現状態を調べたい細胞から取り出したメッセンジャーRNAの逆転写物(蛍光標識あるいはラジオアイソトープ標識をしたもの)を投入し、ハイブリダイゼーションを行った後、それぞれの配列のDNA断片固定箇所にどの程度逆転写物がハイブリダイズしたかを調べ、試料細胞中の遺伝子発現を調べる方法が注目されている。この方法を利用して、細菌種特有なメッセンジャーRNAを検出することで、細菌検体の細菌種を識別する方法も開発されてきている。しかし、細菌の場合には、通常アレイの解析に必要な10マイクログラム以上の十分なRNAが取れないことから実用的には大いに問題が残されている。また、逆転写反応には高価な逆転写酵素が必要であることから低コスト化が困難であるという問題もある。
また、特定の細菌種に特異的な塩基配列を持つオリゴヌクレオチドを、複数種類の細菌種に対して1枚のスライドガラス上に固定してアレイを作製しておき、細菌検体のゲノムDNAの特定の塩基配列部位をPCR法を用いて増幅し、増幅と同時にあるいは増幅後に常法により標識化したcDNA をアレイにかけてハイブリダイゼーションさせ、アレイ上に結合した標識を検出することで、細菌種を同定する方法も提案されている。この方法では、PCR法を用いるため高価な酵素が不可欠であり、低コスト化が難しい。また、1検体の検査に1アレイ必要であるため、アレイ作製費用、ハイブリダイゼーションに必要な試薬費用、検出にかかわる費用等を勘案すると非常にコストが高くなってしまうという問題があった。
非特許文献1には、ガラス基板の表面に細菌由来の23SリボゾームDNA鎖を増幅するプライマーDNAを固定化し、23SリボゾームDNAを鋳型にしてPCR様環境化でプライマーを伸長させ、細菌の検出を行う方法が記載されている。この方法は、遺伝子の増幅とDNAマイクロアレイによる検出を同時に行うのに近い操作となっており、操作の簡便化が図れかつ、迅速に菌の検出が出来ることが期待できるが、実際には感度が悪く、予めPCRによりかなり増幅した検体溶液を基板表面に供給し、基板上でのDNA伸長反応を行う必要がある。
Georg Mitterer, et al,"Microarray-Based Identification in Clinical Samples by Solid-Phase PCRAmplification of 23S Ribosomal DNA Sequences of poly", Journal of ClinicalMicrobiology, 2004, Vol. 42, No.3 p1048-1057
本発明の目的は、細菌検体に対して信頼性高く且つ高速に細菌の細菌種を識別できる検出方法を低コストで提供することにある。また、DNAアレイのように数多くの検体について、検出を並列的に行なうことにより、非常に高速かつ低コストで細菌種の同定を行なうことが可能な細菌同定方法を提供することを目的になされたものである。
本発明者等は、非特許文献1に代表される基板上に16Sおよび23SリボゾームDNAに対応したプライマーDNAを固定しDNAを伸長させ菌を検出方法について、種々の基板を用いて検討する過程で、表面に所定の高分子物質を配した基板を用いると、再現性よくプライマーが伸長し菌の検出感度が高いことを見出し、本発明の完成に至った。
即ち本発明は、
(1)リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基体に、
(a)検出の対象となる細菌の16Sまたは23SリボゾームDNAの塩基配列に相同する塩基配列の一部よりなるDNA伸長用プライマーDNA鎖を基体表面に固定する工程、
(b)細菌より調製したリボゾームDNA鎖、ヌクレオチドモノマー、及びDNA伸長用酵素を含む試料溶液を基体表面に接触させる工程、
(c)前記試料溶液中のリボゾームDNA鎖を鋳型にして、基体表面に固定化されているDNA伸長用プライマーDNA鎖を伸長させる工程、
を含むことを特徴とする細菌の検出方法、
(2)前記基体の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかであることを特徴とする(1)に記載の細菌の検出方法、
(3)前記ヌクレオチドモノマーのいずれかに標識がなされていることを特徴とする(1)または(2)に記載の細菌の検出方法、
(4)前記DNA鎖伸長用酵素が、DNAポリメラーゼ又はDNAリガーゼであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の細菌の検出方法、
(5)前記DNA伸長用プライマーDNA鎖が、前記電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位の部位で共有結合していることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の細菌の検出方法、
(6)前記高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の細菌の検出方法。
(7)前記基体は、前記高分子物質に加えて、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と、ブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含むことを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の細菌の検出方法、
(8)前記基体が、プラスチック材料からなることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれか一つに記載の細菌の検出方法、
(9)前記(c)の工程が、所定のヒートサイクルで処理することにより行われる工程であって、
前記ヒートサイクルが、熱変性温度での保持、アニール処理温度での保持、DNA伸長温度での保持を含むことを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の細菌の検出方法、
(10)前記ヒートサイクル数が1以上であることを特徴とする(9)に記載の細菌の検出方法、
(11)前記アニール処理温度と前記DNA伸長温度が同一温度であることを特徴とする(9)または(10)に記載の細菌の検出方法、
(12)前記標識が蛍光色素であることを特徴とする(3)に記載の細菌の検出方法、
(13)さらに(d)前記(b)工程にて標識化合物が導入された標識ヌクレオチドモノマーを使用してプライマーDNAを伸長させて、前記標識ヌクレオチドモノマーが取り込まれたプライマー伸長産物に対して、前記標識化合物と結合する酸化還元酵素を作用させた後、前記酸化還元酵素と反応し発色する基質を反応させることによって、前記基質を発色させる工程、
を含むことを特徴とする(3)に記載の細菌の検出方法、
(14)前記標識化合物がビオチンであり、前記酸化還元酵素がペルオキシダーゼ標識アビチンである(13)に記載の細菌の検出方法、
(15)培地上に出現した細菌のコロニーをリン酸緩衝生理食塩水中に分散して細菌の分散液を調製する工程と、
前記細菌の分散液から前記細菌のリボゾームDNA鎖を抽出する工程と、
をさらに含む(1)乃至(14)のいずれか一項に記載の細菌の検出方法
である。
本発明に係る細菌の検出方法は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基体に、DNA伸長用のプライマーDNA鎖を固定化させ、所望する16Sあるいは23SリボゾームDNA断片鎖を鋳型にして、DNA鎖伸長用酵素系、およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された液相系を、DNA鎖を熱変性する温度(以下、「熱変性処理温度」という)まで引き上げ、前記反応系の温度をアニール処理する温度(以下、「アニール処理温度」という)まで下げ、DNA伸長温度を保つことにより、基板上に固定化されたDNA鎖の伸長反応を行い、かつ全処理を同一の液相系で行うことを特徴としている。
また、従来ではアニール処理した後で伸長反応の前に、二本鎖を組まなかったDNA断片を除くための洗浄処理が必要であったが、基板上に非特異的に吸着するDNA断片が極少量であることこと、およびDNA鎖伸長にかかる酵素反応が有効機能すると考えられ、伸長反応の前に基板の洗浄処理が不要になる。
このDNA鎖伸長方法において、基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかにすることができる。
このように、基板の表面にリン脂質と同様の環境を設けることで、基板表面で起こるDNA鎖伸長反応が細胞内と同等の環境下で行うことが可能になり、酵素反応効率が高く、DNA鎖伸長を、よりマイルドな条件でより高効率に行うことが可能になる。
本発明によれば、基板上に菌の16Sあるいは23Sリボゾームの菌特異的配列に相同する配列よりなるプライマーDNA鎖を基板表面に固定化し、プライマーDNA鎖の伸長反応により菌を検出する方法において、PCRにより大幅な遺伝子の増幅をする必要がなく、あるいはリボゾームDNAの断片化をするだけで、高感度に細菌の検出が可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る細菌の検出方法は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基体に、(a)検出の対象となる細菌の16Sまたは23SリボゾームDNAの塩基配列に相同する塩基配列の一部よりなるDNA伸長用プライマーDNA鎖を基体表面に固定する工程、(b)細菌より調製したリボゾームDNA鎖、ヌクレオチドモノマー、及びDNA伸長用酵素を含む試料溶液を基体表面に接触させる工程、(c)前記試料溶液中のリボゾームDNA鎖を鋳型にして、基体表面に固定化されているDNA伸長用プライマーDNA鎖を伸長させる工程、を含むことを特徴としている。
このリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを有する高分子物質は、DNA鎖の非特異的吸着を抑制する性質とDNA鎖を固定化する性質とを併せ持つポリマーである。特に、第一単位に含まれるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基は鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基はプライマーを化学的に固定化する役割を果たす。すなわち、プライマーは、この高分子物質からなるコーティング層のカルボン酸誘導基の部位で共有結合して、当該基板の表面に固定化される。
第一の単位は、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン基;
2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;
アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;
等の基を有し、ホスホリルコリン基がこれらの基中に含まれている構成とすることができる。
また、これらの基のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを有する構成とすることにより、基板表面における鋳型DNA断片の非特異的吸着をより一層確実に抑制することができる。
なお、ここでは基本骨格として下記式(a)に示すホスホリルコリン基である例を挙げたが、このホスホリルコリンを下記式(b)のホスホリルエタノールアミン基、下記式(c)のホスホリルイノシトール基、下記式(d)のホスホリルセリン基、下記式(e)のホスホリルグリセロール基、下記式(f)に示したホスファチジルホスホリルグリセロール基などのリン酸基に置き換えてもよい(以下についても同様)。
(化1)
Figure 0004922936
カルボン酸誘導体は、カルボン酸のカルボキシル基が活性化されたものであり、C=Oを介して脱離基を有するカルボン酸である。カルボン酸誘導体は、具体的には、アルコキシル基よりも電子求引性の高い基がカルボニル基に結合して求核反応が活性化された化合物である。カルボン酸誘導基は、アミノ基、チオール基、水酸基等に対する反応性を有する化合物である。
カルボン酸誘導体として、さらに具体的には、カルボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基が、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、活性化アミドに変換された化合物が挙げられる。カルボン酸誘導基は、こうした化合物に由来する活性化された基であり、たとえば、p−ニトロフェニル基やN−ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基;―Cl、−F等のハロゲン;
等の基を有することができる。
また、カルボン酸誘導基は、下記式(1)に示される基とすることができる。
(化2)
Figure 0004922936
(ただし、上記式(1)において、Aは水酸基を除く脱離基である。)
上記式(1)に示される一価の基は、たとえば下記式(p)または式(q)から選択されるいずれかの基とすることができる。
(化3)
Figure 0004922936
(ただし、上記式(p)および式(q)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、一価の有機基であり、直鎖状、分岐状、および環状のいずれであってもよい。また、上記式(p)において、R1はCとともに環を形成する二価の基であってもよい。また、上記式(q)において、R2はNとともに環を形成する二価の基であってもよい。)
上記式(p)に示される基として、たとえば下記式(r)、(s)、および(w)に示される基が挙げられる。また、上記式(q)に示される基として、たとえば下記式(u)に示される基が挙げられる。
上記式(1)に示される基は、たとえば下記式(r)、式(s)等に示される酸無水物由来の基;
下記式(t)に示される酸ハロゲン化物由来の基;
下記式(u)、式(w)に示される活性エステル由来の基;または
下記式(v)に示される活性化アミド由来の基とすることができる。
(化4)
Figure 0004922936
カルボン酸誘導基のうち、活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れるため、好ましく用いられる。穏やかな条件としては、たとえば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらにまた具体的にはpH8.0とすることができる。
また、本明細書において規定するところの「活性エステル基」は、その定義について厳密な規定はなされていないが、慣用の技術表現としては、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。なお、ペプチド合成の分野においては、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著、「ペプチド合成の基礎と実験」、1985年発行、丸善、に記載されているように、活性エステル法はアミノ酸またはペプチドのC末端を活性化する方法の一つとして用いられている。
実際的には、エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
ここでは、高分子物質中の活性化カルボン酸誘導体基が活性エステル基である場合を例に、説明する。活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、たとえばp−ニトロフェニル基が好ましく用いられる。
表面にプライマーが固定化される基板の場合、第一単位と第二単位のさらに具体的な構成の組み合わせとして、たとえば、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、活性エステル基がp−ニトロフェニル基である構成とすることができる。
また、本実施形態の基板のコーティング層に使用される高分子物質は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基およびカルボン酸誘導基以外に他の基を含んでもよい。また、高分子物質は共重合体とすることができる。具体的には、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む共重合体であることが好ましい。こうすることにより、高分子物質を適度に疎水化し、この高分子物質の基板表面への吸着性をさらに好適に確保することができる。
具体的には、高分子物質を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)基を有する第一単量体と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)基を有する第二単量体と、ブチルメタリレート(BMA)基を有する第三単量体との共重合体とすることができる。これらの共重合体であるpoly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)は、模式的に下記一般式(2)で示される。
(化5)
Figure 0004922936
ただし、上記一般式(2)において、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。また、上記一般式(2)において、第一〜第三単量体がブロック共重合していてもよいし、これらの単量体がランダムに共重合していてもよい。
上記一般式(2)で示される共重合体は、高分子物質の適度な疎水化と、鋳型DNA断片の非特異吸着を抑制する性質と、プライマーを固定化する性質とのバランスとに、より一層優れた構成である。このため、このような共重合体を用いることにより、基板表面をより一層確実に高分子物質で被覆するとともに、高分子物質がコーティングされた基板上への鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制しつつ、プライマーをさらに確実に共有結合により固定化して基板上に導入することができる。
なお、上記一般式(2)で示される共重合体は、MPC、BMA、およびNPMAの各単量体を混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により得ることができる。上記一般式(2)で示される共重合体をラジカル重合により作製する場合、たとえば、Ar等の不活性ガス雰囲気にて、30℃以上90℃以下の温度条件で溶液重合を行うことができる。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒とすることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤;
過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物;
などが用いられる。
さらに具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒およびAIBNを用い、Ar中、60℃にて2〜6時間程度重合を行うことができる。
なお、本実施形態では、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有する例を説明したが、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位とカルボン酸誘導基を含む第二単位とを有する高分子物質を第一の高分子物質とし、これに加えて、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位とブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含んでいてもよい。
なお、上記第一の高分子物質の第一単位と上記第二の高分子物質の第一単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。また、上記第一の高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を含むとき、この第一の高分子物質の第三単位と上記第二の高分子物質の第三単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
このような第二の高分子物質は、鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制するポリマーとして用いられる。このようなポリマーとしては、たとえばホスホリルコリン基が30モル%、ブチルメタクリレート基が70モル%の割合で含まれているものであるMPCポリマー(日本油脂社製)を用いることができる。
なお、高分子物質が上記第一の高分子物質、第二の高分子物質からなる場合、これらの高分子物質が混合されている構成とすることができる。各々の高分子物質のポリマーは、たとえばエタノール溶液に溶解できるため、それぞれのポリマー溶液を混合することにより容易に混合ポリマーを得ることができる。
以上のような高分子物質からなるコーティング層を表面に含む基板は、所定の形状に加工された基板の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に基板を浸漬し、乾燥してもよい。
また、基板として、プラスチック材料を用いた場合には、形状やサイズの変更に対する柔軟性が確保される上に、ガラス基板のものに比べて安価で提供することができるという観点から好ましい。このようなプラスチック材料としては、表面処理の容易性および量産性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものを用いることができる。蛍光発生量の少ない樹脂を用いることにより、DNA鎖の検出反応におけるバックグランドを低下させることができるため、検出感度をさらに向上させることができる。蛍光発生量の少ない熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン;
環状ポリオレフィン;
含フッ素樹脂;
等を用いることができる。上記樹脂の中でも、飽和環状ポリオレフィンは、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、透明性および成形性に特に優れるため、光学的な分析に好適であり、基板の材料として好ましく用いられる。
ここで、飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体を指す。前者の例としては、たとえばノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンに代表されるノルボルネン系モノマー、及び、これらのアルキル置換体を開環重合して得られる重合体を水素添加して製造される飽和重合体である。後者の共重合体はエチレンやプロピレン、イソプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンと環状オレフィン系モノマーのランダム共重合体を水素添加することにより製造される飽和重合体である。共重合体では、エチレンとの共重合体が最も好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種類またはそれ以上の共重合体あるいは混合物であってもよい。また、環状オレフィン構造を有する単量体が開環重合して得られる飽和環状ポリオレフィンだけでなく、環状オレフィン構造を有する単量体の付加重合により得られる飽和環状ポリオレフィンを用いることもできる。
以上のような高分子物質を表面に含むプラスチック材料からなる基板は、所定の形状に加工された基板の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に基板を浸漬し、乾燥してもよい。
なお、基板の材料をプラスチックとした場合、形状は板状には限られず、たとえばフィルム状やシート状であってもよい。具体的には、基板を可とう性のプラスチックフィルムとすることもできる。また、基板は、一つの部材から構成されていてもよいし、複数の部材から構成されていてもよい。
次に、基板の表面へのプライマーDNA鎖の固定化方法について説明する。この方法は、下記の(a)から(c)の工程を含む。
(a)検出の対象となる細菌の16Sまたは23SリボゾームDNAの塩基配列に相同する塩基配列の一部よりなるDNA伸長用プライマーDNA鎖を基体表面に固定する工程、
(b)細菌より調製したリボゾームDNA鎖、ヌクレオチドモノマー、及びDNA伸長用酵素を含む試料溶液を基体表面に接触させる工程、
(c)前記試料溶液中のリボゾームDNA鎖を鋳型にして、基体表面に固定化されているDNA伸長用プライマーDNA鎖を伸長させる工程。
工程(a)では、DNA伸長用プライマーDNA鎖を基体表面に固定する。
例えば、(i)基板上の高分子物質に含まれる複数の活性エステル基のうち、少なくとも一部の活性エステル基とプライマーDNA鎖とを反応させて共有結合を形成させることにより、基板表面でプライマーを固定化し、続いて(ii)プライマーを固定化した以外の基板表面の活性エステル基を不活性化する、すなわち残りの活性エステル基を不活性化することにより、プライマーを基板の表面に固定することができる。以下、それぞれの工程について説明する。
上記工程(i)において、鋳型DNA断片とアニールするプライマーDNA鎖を基板上に固定化する際には、プライマーDNA鎖を溶解または分散した液体を点着する方法が好ましい。高分子物質に含まれる活性エステル基の一部がプライマーと反応して、プライマーの間で共有結合が形成される。
このプライマーDNA鎖を溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。
また、点着後、基板表面に固定化されなかったプライマーDNA鎖を除去するため、純水や緩衝液で洗浄してもよい。
また、上記工程(ii)に示したように、洗浄後はプライマーDNA鎖を固定化した以外のプラスチック基板表面の活性エステルの不活性化処理をアルカリ化合物、あるいは一級アミノ基を有する化合物で行う。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウムなどを用いることができる。
一級アミノ基を有する化合物としては、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ2,3−ジヒドロー1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5-アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2−アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレンなどを用いることができる。これらのうち、アミノエタノール、グリシンを用いることが好ましい。
また、基板に固定化するプライマーDNA鎖には、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基を導入しておくことが好ましい。アミノ基は活性エステル基との反応性に優れるため、アミノ基が導入されたプライマーを用いることにより、効率よくかつ強固に基板の表面上にプライマーを固定化することができる。アミノ基の導入位置はプライマーDNA鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端に導入されていることが、相補的な鋳型DNA断片とのアニーリングをより一層効率よく行うことができるという観点からは、好ましい。
ここで、使用されるDNA伸長用プライマーDNA鎖としては、検出の対象となる細菌の16Sまたは23SリボゾームDNAの塩基配列に相同する塩基配列の一部よりなるDNA鎖が挙げられる。このようなDNA鎖の選択は、検出対象となる細菌の16Sあるいは23SリボゾームDNA配列から、各菌種特異的な配列をもとに設計する。このプライマーDNA鎖の長さは、検出対象に応じて任意に決定することができ、例えば5〜50塩基であるが、20〜30塩基とすることがDNA鎖の伸長反応のしやすさの観点から好適である。また、この設計され合成されたDNA鎖には、前述したように基体表面の活性エステル基と反応し、強固に固定化されるよう、末端をアミノ基による修飾をしておく。
ここで、「検出の対象となる細菌の16Sまたは23SリボゾームDNAの塩基配列に相同する塩基配列」とは、検出対象となる細菌の特徴的な配列と同一配列を含む塩基配列をいう。これは、リボゾームDNA中の配列には、各細菌種に共通な配列部分と細菌種により異なった配列部分とがあり、この細菌により異なった塩基配列を有するとことを意味する。プライマーDNA鎖としては、このような塩基配列の一部の塩基配列部分が使用され、検体試料中に、対象となる細菌が存在するとこのプライマーDNA鎖の伸長反応が生じることになる。
また、プライマーDNA鎖の基体表面への固定に際して、一定の区画内に複数のスポットを設けておき、各スポットにプライマーDNA鎖を固定化させて、DNAアレイを形成しておくことが、細菌の検出にかかる操作を簡便にすることができるため、好ましい。
以上により、プライマーDNA鎖が表面に固定化された基体が得られる。
工程(b)では、上記のように作製された基体表面に、試料溶液を基体表面に接触させる。
この試料溶液には、細菌より調製したリボゾームDNA鎖、DNA伸長用酵素系およびヌクレオチドモノマーが含まれる。
細菌より調製したリボゾームDNA鎖は、固定化されたプライマーDNA鎖にアニールさせる鋳型DNA断片として使用され、例えば下記に示したように、調製することができる。
まず、検体中に検出しようとする細菌数が非常に少ないと思われる場合、寒天培地上にサンプルを注ぎ、培養を行い、細菌のコロニーが出現するまで培養を行う。コロニーが出現したら、細菌のコロニーを採取し、この細菌をPBS(−)等中に分散させる。細菌の分散液中から市販のDNA抽出溶液等を用いてDNA鎖を抽出する。この抽出操作に際して、現在はDNA抽出用のキットが多数販売されており、これら抽出キットを用いるのが、簡便かつ確実であるため、望ましい。
検体中に存在する、あるいは上記のようにして抽出されたDNA鎖を断片化する。細菌のリボゾームDNAは環状でかつ長いため、この断片化の工程が必要になる。断片化すなわち切り出しの方法の一つにPCR法があげられる。細菌に特異配列を含む部分を増幅することが可能になるように、PCR法による増幅のためのプライマー設計を行い、PCR法により増幅することにより、DNA鎖の一部の切り出しを行って、断片化されたDNA鎖を得る。このときに切り出されるDNA鎖の長さが、100〜1000塩基程度になるように、このプライマーの設計をおこなう。
なお、ここでのPCRの目的は、DNA断片の切り出しであるから、DNAの増幅はあまり必要なく、5〜15サイクル程度の増幅でかまわないがそれ以上のサイクルであってもよい。
また、DNA鎖の断片化には、上述のPCR法の他に超音波による破砕も可能である。しかし、DNA鎖が細断片化されないような破砕条件にて、破砕を行う必要がある。また、制限酵素によるDNA鎖の断片化も可能である。
また、導入された試料溶液からなる反応系におけるDNA鎖伸長用酵素系には、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼのいずれかを使用することができ、またバッファとしてはヌクレオチドモノマー(dATP,dCTP,dGTP,dTTPなど)を含有するバッファを用いることができる。
ここで、DNA鎖伸長酵素系に用いる酵素として、DNAポリメラーゼ、特に耐熱性細菌に由来するDNAポリメラーゼであるTaqDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼなどを用いることもできる。
このDNA鎖伸長酵素系に用いる酵素として、鋳型DNA断片に対して耐熱性DNAポリメラーゼを用いた具体例を示したが、DNA鎖を鋳型として新たなDNA鎖を合成する酵素であれば特に限定はされない。このようなDNAポリメラーゼとしては、ポルI型DNAポリメラーゼ(大腸細菌DNAポリメラーゼI、クレノウ断片など)、α型DNAポリメラーゼ(ピロコッカス・フリオサス由来DNAポリメラーゼ、VENT DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、DEEP VENT DNAポリメラーゼ)及び非α非ポルI型DNAポリメラーゼ(国際公開第97/24444号パンフレット記載のDNAポリメラーゼ)等が挙げられる。
また、DNAポリメラーゼの代わりに、DNAリガーゼを用いてもDNA鎖伸長反応を行うことができるため、DNA鎖増幅を行うことが可能である。
また、ヌクレオチドモノマーとしては、dATP,dCTP,dGTP,dTTPなどが挙げられ、これらヌクレオチドモノマーは、後述するように修飾されていてもよい。
工程(c)では、工程(b)にてプライマーDNA鎖が固定された基体上に供給された試料溶液の上から必要に応じてカバーガラスをかけ、密閉容器中に収めて、所定のヒートサイクルによりDNA鎖伸長酵素系およびヌクレオチドモノマーの存在下で加熱処理を行って、導入した試料溶液中のリボゾームDNA鎖を鋳型にして、基体表面に固定化されているDNA伸長用プライマーDNA鎖から、DNA鎖を伸長させる。
すなわち、工程(b)にて試料が導入された反応系の温度を、DNA鎖の熱変性温度(melting temperature:Tm)以上、例えば90℃〜95℃まで上昇させる。この熱変性処理により、自己相補鎖などで見られる折れたたみ構造を有する鋳型DNA断片やプライマーが直鎖状の一本鎖になる。
続いて、反応系の温度をプライマーと鋳型DNA断片とがアニールする温度(アニール温度)、例えば4℃〜65℃、好ましくは50℃〜65℃まで下降させる。このアニール処理により、鋳型DNA断片の一部と相補的な配列を有するプライマーと、この鋳型DNA断片とが二本鎖になる。この反応系に対して、洗浄処理を行わずにそのままDNA伸長反応に進める。
ここで、従来では、アニール処理した後で伸長反応の前に、二本鎖を組まなかったDNA断片を除くための洗浄処理が必要であったが、本実施形態では、基体上に非特異的に吸着するDNA断片が極わずかであるため、および基体表面環境がDNA鎖伸長にかかる酵素反応に適しているため、基体の表面の洗浄処理が不要になる。このようにして、試料導入からDNA鎖の伸長反応までを同一の液相系、すなわち反応系をそのまま用いることができる。
DNA伸長では、アニール処理を行った反応系の温度を、更に一定温度に保つように制御することが好ましい。
なお、熱変性処理、アニール処理、DNA鎖伸長処理からなるヒートサイクル数が1である場合について説明をしたが、このヒートサイクル数が1以上であってもよい。
この工程(c)におけるDNA伸長反応の後に、反応液を除去して、DNAマイクロアレイを、例えば0.1wt%のSDS溶液を用いて洗浄して、DNA鎖の伸長反応は終了する。
ここで、工程(b)に導入する試料溶液中のヌクレオチドモノマーの少なくとも一種をラベルしておいてもよい。
例えば、dTTPの塩基の3位を蛍光ラベルしたCy3−dUTPをヌクレオチドモノマーとして用いることで、鋳型DNA断片のアデニン(A)に対応する伸長(プライマー)側の位置にCy3−dUTPが挿入される。これにより、伸長反応が生じたプライマーから形成されるDNA断片がCy3−dUTPで蛍光染色されて、このDNA断片の検出を行うことができるようになる。
このように、ヌクレオチドモノマーの何れかに、Cy3などの蛍光色素を標識しておけば、蛍光スキャナーによりスポットの確認が可能である。
なお、他のヌクレオチドモノマーをラベルしてもよく、また複数の種類のヌクレオチドモノマーをラベルしてもよい。また、ラベル方法も蛍光体の導入の他に、光吸収体の導入の方法、放射線ラベルの方法(P32-ATP、P32-dATP)、酵素標識などの非放射性ラベルの方法などによってもDNA鎖を検出することができる。
また、酵素標識によりヌクレオチドモノマーをラベルする場合には、さらに(d)前記(b)工程にて標識化合物が導入された標識ヌクレオチドモノマーに対して、この標識化合物と結合し、酸化還元酵素が導入された化合物を作用させて、この酸化還元酵素と発色する基質との間で酸化又は還元反応させて、該基質を発色させる工程を設けてもよい。
この酵素標識の方法においては、例えば工程(b)にてビオチン(biotin)化およびジゴキシゲニン(DIG:ステロイド系天然物)の標識化合物が導入された標識ヌクレオチドモノマー(例えば、biotin-dUTP、DIG-dUTP)を使用してプライマーDNA鎖を伸張させた後、酸化還元酵素が導入された化合物、例えば、アルカリフォスファターゼやペルオキシダーゼを導入したアビジンを作用、例えば接触させることにより、ビオチンとアビジンとの間で強固に結合が生じ、伸長後のこの標識ヌクレオチドモノマー部分に、酸化還元酵素が導入される。そこに、基質として発色試薬、例えばニトロブルーテトラゾリウム(NBT)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)を数時間作用させることにより基質を発色させて、このときの吸光度やスポットの染色(色素の沈着)により、DNAを検出することができる。
なお、このようにアルカリフォスファターゼまたはアルカリフォスファターゼなどの酸化還元酵素を導入し、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)などの基質と反応させることにより、伸長後のDNA鎖を標識するようにしてもよいが、伸長反応時に導入するヌクレオチドモノマーを、直接蛍光標識化してもよい。
このように、ヌクレオチドモノマーの何れかに、ビオチンを標識しておき、DNA伸長反応の後、アルカリフォスファターゼを標識したアビジンを反応させることにより、伸長したDNAにアルカリフォスファターゼを標識した後、BCIP/NBTなどの発色試薬を作用させることにより、DNAが伸長したスポットの可視化が可能となる。可視化されたスポットは、目視での認識が可能である他、デジカメやOAスキャナーで画像を認識し、画像処理ソフトなどを使って、スポットの強度の解析も可能となる。
以下、実施例を記載する。
(実験例1)
以下の手法にて、各菌特異23SリボゾームDNA配列よりなるプライマーDNA鎖を、本実施形態に対応する基体としてプラスチックおよびガラス基板、および従来の基体に対応するアルデヒド基板の各基板の表面に固定化して、各基板上でDNA鎖増幅反応を行って、プライマーのDNA鎖増幅反応を検出し、細菌の検出能の評価を行った。
(プラスチック基板の製造)
飽和環状ポリオレフィン樹脂(5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR(Melt flow rate):21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度123℃)を用い、射出成形によりスライドガラス形状の基板を得た。基板を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、プラスチック基板を得た。
(ガラス基板の製造)
通常のガラス基板を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、ガラス基板を得た。
(アルデヒド基板の製造)
飽和環状ポリオレフィン樹脂5−メチル−2−ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR:21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度温度:123℃)を用い、射出成形によりスライドグラス形状の基板を得た。この成形物に低温酸素プラズマ処理により表面に親水化処理を施した。次に、アミノアルキルシランとしてγ−アミノプロピルトリエトキシシランをメタノール中に5%の濃度で溶解させたものをアミノ基導入処理液として調製し、この溶液の中に2時間浸漬の後、基板を溶液から取り出し、超純水中に浸漬し放置後基板を取り出し乾燥した。グルタルアルデヒドをPBS(−)中に2%の濃度で溶解させてグルタルアルデヒド溶液を調製し、アミノアルキルシラン処理を行なった基板をグルタルアルデヒド溶液中に浸漬し、4時間放置した後、基板を取り出して超純水中に浸漬し、洗浄乾燥した。これにより、表面にアルデヒド基を有するアルデヒド基板が得られた。
(プライマー固定)
5’末端がアミノ基で修飾された、各菌特異23SリボゾームDNA配列よりなるオリゴDNA鎖を0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのオリゴDNA溶液を調製した。この溶液をスポッタ(日立ソフトウェアーエンジニアリング製Marks-I)を用い、100μm径クロスカットピンでプラスチック基板およびガラス基板、およびアルデヒド基板の表面上に、それぞれスポットした。オリゴDNAをスポットした各基板を、200μlの0.25Mリン酸バッファ(pH8.5)で内部を湿らせた密閉容器(10cm×15cm×3cm)中で一昼夜浸して、オリゴDNA(プライマー)を固定化させた。
各菌種の23SリボゾームDNA検出プライマーDNA鎖配列を下記に示す。
黄色ブドウ球菌:CTAAGGGCGTTGAAGCATGATCGTA(配列番号1) SA−1
AGTAGGATAGGCGAAGCGTGCGATT(配列番号2) SA−2
大腸菌: CCCGGTTTAAGCGTGTAGGCTGGT(配列番号3) ECO−1
AGTCGCTTCACCTACATATCAGCGTGC(配列番号4) ECO−2
CTGATATGTAGGTGAAGCGACTTGCTCG(配列番号5) ECO−4
緑濃菌: GTTAATCGACGCAGGGTTAGTCGGTT(配列番号6) PA−1
サルモネラ菌: TGTGTGTTCCAGGTAAATCCGGTTC(配列番号7) SAL−1
ポジティブコントロール:GACAGCCAGGATGTTGGCTTAGAAGCAGC(配列番号8) POS
(菌の培養)
以下に掲げる菌株の培養を行った。
使用した菌株名
黄色ブドウ球菌:Staphylococcus aureus ATCC 25923
大腸菌:Escherichia coli ATCC 25922
緑膿菌:Pseudomonas aeruginosa ATCC 27853
サルモネラ菌:
Salmonella enterica subsp. enterica serovar
Typhimurium ATCC 14028
Salmonella enterica subsp. enterica serovar Enteritidis
IID 604
寒天培地を用い、37℃、一昼夜(14-18時間)行なった。培地はインスタント培地である"普通ブイヨン栄研"を用い、液体培地は" 普通ブイヨン栄研"の指示量を脱塩水に溶かし、寒天培地はそれに1.6%の寒天を加え、それぞれオートクレーブ後、使用した。
(23SリボゾームDNAの抽出)
上記菌培養における1つのコロニーを、200μlのPBS(−)中に分散させ、DNA抽出キット(Invitrogen)を用い、3μlのDNA抽出液を得た。
(PCRによる23SリボゾームDNA鎖増幅反応)
23SリボゾームDNAのユニバーサルプライマーを用い、PCR反応により23SリボゾームDNAの増幅をおこなった。
PCRによる増幅に使用プライマーの配列を下記に示す。
プライマー配列:
センス :5‘−GACAGCCAGGATGTTGGCTTAGAAGCAGC(配列番号8)
アンチセンス:下記を同量混合したものを用いた。
5‘−GGAATTTCGCTACCTTAGGACCGTTATAGTTACG(配列番号9)
5‘−GGAATTTCGCTACCTTAGGATGGTTATAGTTACC(配列番号10)
25μL中に上記プライマー各々を12.5pmol、200μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、0.5UのDNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製Ex Taq)をPCRバッファー中に溶解させ、
サーマルサイクラーにより、熱変性95℃1分、アニーリング75℃2分、DNA鎖の伸長反応72℃5分のヒートサイクルで、10サイクル行い、PCR産物を得た。
(基板上でのDNAの伸長反応)
PCRバッファー25μL中に2μlの上記PCR産物、100μMのdATP、dCTP、dGTP、Cye3標識dUTP、0.5UのDNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製Ex Taq)を溶解させ試料溶液とした。
この試料溶液を、基板上に分注し、カバーガラスをかけ、密閉のできるチャンバー中に納め、95℃7分の熱処理の後、熱変性処理、アニール処理、伸長反応をそれぞれ95℃1分(熱変性)−55℃3分(アニールと伸長増幅反応同一温度)サイクル数は15回でDNA鎖伸長反応を行った。
DNA伸長反応の後、基板を0.1wt%のSDS溶液を用いて洗浄して、終了した。
スライド用スキャナー(ScanArrayパーキンエルマー社製)によりスポットの蛍光強度を測定した。
各々の菌から抽出したDNA溶液について、基板上に固定した上記プライマー各々のスポットの蛍光強度について、各基板での比較をおこなった。スポットの蛍光強度の比較を表1〜表3に示す。
(表1)
Figure 0004922936
(表2)
Figure 0004922936
(表3)
Figure 0004922936
本実施形態に対応するプラスチック基板およびガラス基板では、基板上でのDNA鎖伸長増幅により、各々の菌の検出ができ、従来の基板であるアルデヒド基板ではDNA鎖伸長せず菌由来のスポットは検出されていないと考えられる。

Claims (15)

  1. リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基体に、
    (a)検出の対象となる細菌の16Sまたは23SリボゾームDNAの塩基配列に相同する塩基配列の一部よりなるDNA伸長用プライマーDNA鎖を基体表面に固定する工程、
    (b)細菌より調製したリボゾームDNA鎖、ヌクレオチドモノマー、及びDNA伸長用酵素を含む試料溶液を基体表面に接触させる工程、
    (c)前記試料溶液中のリボゾームDNA鎖を鋳型にして、基体表面に固定化されているDNA伸長用プライマーDNA鎖を伸長させる工程、
    を含むことを特徴とする細菌の検出方法。
  2. 記基体の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の細菌の検出方法。
  3. 記ヌクレオチドモノマーのいずれかに標識がなされていることを特徴とする請求項1または2に記載の細菌の検出方法。
  4. 記DNA伸長用酵素が、DNAポリメラーゼ又はDNAリガーゼであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の細菌の検出方法。
  5. 記DNA伸長用プライマーDNA鎖が、前記電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位の部位で共有結合していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の細菌の検出方法。
  6. 記高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の細菌の検出方法。
  7. 記基体は、前記高分子物質に加えて、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と、ブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の細菌の検出方法。
  8. 記基体が、プラスチック材料からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の細菌の検出方法。
  9. 記(c)の工程が、所定のヒートサイクルで処理することにより行われる工程であって、
    前記ヒートサイクルが、熱変性温度での保持、アニール処理温度での保持、DNA伸長温度での保持を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の細菌の検出方法。
  10. 前記ヒートサイクル数が1以上であることを特徴とする請求項9に記載の細菌の検出方法。
  11. 前記アニール処理温度と前記DNA伸長温度が同一温度であることを特徴とする請求項9または10に記載の細菌の検出方法。
  12. 前記標識が蛍光色素であることを特徴とする請求項3に記載の細菌の検出方法。
  13. らに(d)前記(b)工程にて標識化合物が導入された標識ヌクレオチドモノマーを使用してプライマーDNAを伸長させて、前記標識ヌクレオチドモノマーが取り込まれた伸長後のDNAに対して、前記標識化合物と結合する酸化還元酵素を作用させた後前記酸化還元酵素と反応し発色する基質を反応させることによって前記基質を発色させる工程、
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の細菌の検出方法。
  14. 前記標識化合物がビオチンであり、前記酸化還元酵素がペルオキシダーゼ標識アビチンである請求項13に記載の細菌の検出方法。
  15. 培地上に出現した細菌のコロニーをリン酸緩衝生理食塩水中に分散して細菌の分散液を調製する工程と、
    前記細菌の分散液から前記細菌のリボゾームDNA鎖を抽出する工程と、
    をさらに含む請求項1乃至14のいずれか一項に記載の細菌の検出方法。
JP2007528429A 2005-07-25 2006-07-20 細菌の検出方法 Expired - Fee Related JP4922936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007528429A JP4922936B2 (ja) 2005-07-25 2006-07-20 細菌の検出方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005214501 2005-07-25
JP2005214501 2005-07-25
JP2007528429A JP4922936B2 (ja) 2005-07-25 2006-07-20 細菌の検出方法
PCT/JP2006/314374 WO2007013343A1 (ja) 2005-07-25 2006-07-20 細菌の検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007013343A1 JPWO2007013343A1 (ja) 2009-02-05
JP4922936B2 true JP4922936B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=37683244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007528429A Expired - Fee Related JP4922936B2 (ja) 2005-07-25 2006-07-20 細菌の検出方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4922936B2 (ja)
WO (1) WO2007013343A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009011247A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Sumitomo Bakelite Co Ltd 遺伝子の検出方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04267896A (ja) * 1991-02-21 1992-09-24 Mitsubishi Kasei Corp 標的dna鎖の検出方法
JP2001299346A (ja) * 2000-04-19 2001-10-30 Hiroyuki Naba 固定化プライマーによる固相pcr法
JP2002126510A (ja) * 2000-10-18 2002-05-08 Toyo Kohan Co Ltd 分離精製・抽出用粒子状担体及びその製造方法
JP2004198402A (ja) * 2002-12-02 2004-07-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd マイクロアレイ及びその製造方法
WO2005029095A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. バイオチップ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4197279B2 (ja) * 2003-07-18 2008-12-17 住友ベークライト株式会社 生体由来物検出用基板及びその製造方法
JP2005087109A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd 核酸用緩衝溶液及び核酸ハイブリダイゼーション方法
JP2006071309A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 再利用が可能なバイオチップ用基板
JP3927580B2 (ja) * 2004-12-09 2007-06-13 住友ベークライト株式会社 Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
JP4581673B2 (ja) * 2004-12-22 2010-11-17 住友ベークライト株式会社 固相担体およびその使用方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04267896A (ja) * 1991-02-21 1992-09-24 Mitsubishi Kasei Corp 標的dna鎖の検出方法
JP2001299346A (ja) * 2000-04-19 2001-10-30 Hiroyuki Naba 固定化プライマーによる固相pcr法
JP2002126510A (ja) * 2000-10-18 2002-05-08 Toyo Kohan Co Ltd 分離精製・抽出用粒子状担体及びその製造方法
JP2004198402A (ja) * 2002-12-02 2004-07-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd マイクロアレイ及びその製造方法
WO2005029095A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. バイオチップ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007013343A1 (ja) 2007-02-01
JPWO2007013343A1 (ja) 2009-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8088580B2 (en) RNA detection method
JP3927580B2 (ja) Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
RU2270254C2 (ru) Способ идентификации трансгенных последовательностей днк в растительном материале и продуктах на его основе, набор олигонуклеотидов и биочип для осуществления этого способа
JP2006230335A (ja) 遺伝子の検出方法
JP2007222010A (ja) 遺伝子の検出方法及び遺伝子検出用担体
JP4922936B2 (ja) 細菌の検出方法
JP4916689B2 (ja) Dna鎖増幅方法
JP5003484B2 (ja) 遺伝子の検出方法
Beyer et al. Fast‐Track, One‐Step E. coli Detection: A Miniaturized Hydrogel Array Permits Specific Direct PCR and DNA Hybridization while Amplification
JP2009219358A (ja) 遺伝子の検出方法及び遺伝子検出用担体
JP2006322739A (ja) 遺伝子の検出方法
JP2007289088A (ja) 遺伝子の検出方法
JP2008061515A (ja) Dna配列の検出方法
JP2007105057A (ja) Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
JP2013223430A (ja) Dna測定用チップおよびdna測定用キット
JP2008278800A (ja) Rnaウイルスの検出法
JP5568873B2 (ja) バイオチップの作製方法
JP5157382B2 (ja) Rna配列の検出方法
JP2011188829A (ja) 微生物遺伝子検出チップ
JP2010515452A (ja) スタフィロコッカス・アウレウス検出用dnaチップ
JP2006174788A (ja) Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
JP2009011247A (ja) 遺伝子の検出方法
JP2008263870A (ja) 可視化バイオチップ
JP5137443B2 (ja) プローブセット、プローブ固定担体及び遺伝子検査方法
JP5121281B2 (ja) プローブセット、プローブ固定担体及び検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees