JP2013223430A - Dna測定用チップおよびdna測定用キット - Google Patents
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Abstract
【課題】特定微生物試験を短時間で行うことができるDNA測定用チップを提供すること、および特定微生物試験を短時間で行うことができるDNA測定用キットを提供すること。
【解決手段】本発明のDNA測定用チップは、基板表面に、少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、固定化された第1微生物由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、固定化された第2微生物由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のDNA測定用チップは、基板表面に、少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、固定化された第1微生物由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、固定化された第2微生物由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、DNA測定用チップおよびDNA測定用キットに関するものである。
日本薬局方では、医薬品が微生物に汚染されていないことが品質管理基準として求められており、微生物の汚染を検査する微生物限度試験法が定められている。微生物限度試験法には生菌数試験及び特定微生物試験がある。特定微生物試験では病原性を有する特定微生物として大腸菌等の複数の微生物が挙げられており、一般的に菌培養により行われている。菌培養では試験結果がでるまでに5日以上かかるという問題があったが、近頃はDNAチップを用いることにより、1〜2日で測定することができるため、菌培養よりも早く試験結果を得ることができるようになった。(特許文献1、2参照)
しかし以前より病原性を有する特定微生物とされていた大腸菌、サルモネラ菌、緑濃菌及び黄色ブドウ球菌の4菌種から複数の菌を同時に検出するDNAチップが提案されていたが、第十五改正日本薬局方にて追加されたカンジダ菌を含む複数の病原性を有する特定微生物を同時に検出するDNAチップは無く、特定微生物試験に長時間を要する必要があった。
本発明は、特定微生物試験を短時間で行うことができるDNA測定用チップを提供すること、および特定微生物試験を短時間で行うことができるDNA測定用キットを提供することを目的としている。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1)基板表面に、少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、固定化された第1微生物由来配列のオリゴDNAを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、固定化された第2微生物由来配列のオリゴDNAを有し、前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とするDNA測定用チップ。
(2)前記第1微生物由来配列のオリゴDNAが、配列式1および/または配列式2で示されるオリゴDNAを含む(1)に記載のDNA測定用チップ。
(3)前記第2微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、およびサルモネラ菌の群から少なくとも1種以上の微生物を含む(1)または(2)に記載のDNA測定用チップ。
(4)前記第2微生物由来配列のオリゴDNAが、配列式3〜6で示されるオリゴDNAの群から少なくとも1種以上のオリゴDNAを含む(1)〜(3)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(5)前記第1微生物由来配列のオリゴDNAおよび第2微生物由来配列のオリゴDNAが、官能基を介して基板表面に固定化されている(1)〜(4)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(6)親水性基を有するユニットと前記官能基を有するユニットとを含むポリマーに前記第1微生物由来配列のオリゴDNAおよび第2微生物由来配列のオリゴDNAが固定化されている(5)記載のDNA測定用チップ。
(7)前記官能基が、活性エステル基を含む(5)または(6)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(8)前記活性エステル基が、p−ニトロフェニルエステル基および/またはN−ヒドロキシスクシンイミド基を含む(5)〜(7)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(9)前記親水性基を有するユニットが、側鎖にホスホリルコリン基を含む(6)〜(8)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(10)前記ポリマーが、親水性基を有するモノマーと、前記活性エステル基を有するモノマーとを共重合したポリマーを含む(6)〜(9)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(11)前記ポリマーが、疎水性基を有するユニットを含む(10)に記載のDNA測定用チップ。
(12)前記疎水性基が、アルキル基を含む(11)に記載のDNA測定用チップ。
(13)(1)〜(12)のいずれかに記載のDNA測定用チップを含むDNA測定キット。
(14)配列式7および配列式8で示されるプライマーを含む(13)に記載のDNA測定キット。
(1)基板表面に、少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、固定化された第1微生物由来配列のオリゴDNAを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、固定化された第2微生物由来配列のオリゴDNAを有し、前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とするDNA測定用チップ。
(2)前記第1微生物由来配列のオリゴDNAが、配列式1および/または配列式2で示されるオリゴDNAを含む(1)に記載のDNA測定用チップ。
(3)前記第2微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、およびサルモネラ菌の群から少なくとも1種以上の微生物を含む(1)または(2)に記載のDNA測定用チップ。
(4)前記第2微生物由来配列のオリゴDNAが、配列式3〜6で示されるオリゴDNAの群から少なくとも1種以上のオリゴDNAを含む(1)〜(3)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(5)前記第1微生物由来配列のオリゴDNAおよび第2微生物由来配列のオリゴDNAが、官能基を介して基板表面に固定化されている(1)〜(4)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(6)親水性基を有するユニットと前記官能基を有するユニットとを含むポリマーに前記第1微生物由来配列のオリゴDNAおよび第2微生物由来配列のオリゴDNAが固定化されている(5)記載のDNA測定用チップ。
(7)前記官能基が、活性エステル基を含む(5)または(6)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(8)前記活性エステル基が、p−ニトロフェニルエステル基および/またはN−ヒドロキシスクシンイミド基を含む(5)〜(7)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(9)前記親水性基を有するユニットが、側鎖にホスホリルコリン基を含む(6)〜(8)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(10)前記ポリマーが、親水性基を有するモノマーと、前記活性エステル基を有するモノマーとを共重合したポリマーを含む(6)〜(9)のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
(11)前記ポリマーが、疎水性基を有するユニットを含む(10)に記載のDNA測定用チップ。
(12)前記疎水性基が、アルキル基を含む(11)に記載のDNA測定用チップ。
(13)(1)〜(12)のいずれかに記載のDNA測定用チップを含むDNA測定キット。
(14)配列式7および配列式8で示されるプライマーを含む(13)に記載のDNA測定キット。
本発明のDNA測定用チップによれば、特定微生物試験を短時間で行うことができ、また、特定微生物試験を短時間で行うことができるDNA測定用キットを提供することができる。また、本発明のDNA測定用キットによれば、特定微生物試験を短時間で行うことができる。
以下、本発明のDNA測定用チップおよびDNA測定キットを詳細に説明する。
本発明のDNA測定用チップは、基板表面に、少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、固定化された第1微生物由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、固定化された第2微生物由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とする。
本発明のDNA測定用チップは、測定部に、カンジダ菌を含む複数の微生物由来配列のオリゴDNAが固定化されていることにより、それらの相補的なDNAを検出できるようになっている。そのため、検体中にカンジダ菌を含む微生物が存在するかどうかを検査する微生物試験用チップとして好適に用いることができる。これにより、第十五改正日本薬局方にて追加されたカンジダ菌を含む、複数の病原性を有する特定微生物を同時に検出することができる。さらに、前記第1DNA測定部および第2DNA測定部が親水性基を有することで、夾雑物質の非特異吸着を抑制することができ、例えば蛍光測定など、DNAの検出時におけるシグナル/ノイズ比を向上させることができる。
本発明のDNA測定用チップは、第1微生物由来配列のオリゴDNAが、配列式1および/または配列式2で示されるオリゴDNAを含むものが好ましい。
DNAは、PCRやプライマー伸長反応により高速に増幅する技術が確立されており、これは、菌を選択分離培養して確定試験を行うまでにかかる時間と比較すると圧倒的に早い。したがって、このPCR法による増幅方法と本発明のDNA測定用チップとを組み合わせて用いると微生物試験を簡便かつ短時間で行うことができる。
一般的にPCRやプライマー伸長反応、ハイブリダイゼーションはDNAのTm値(融解温度)によって反応条件が異なり、適した反応条件と乖離があると感度が低くなるものや非特異を起こすものがある。したがって既存の塩基配列では、複数の微生物について同時にPCRやプライマー伸長反応、ハイブリダイゼーションを行うと、それぞれのDNAのTm値が異なるため反応条件が合わず感度が低くなるものや非特異吸着を起こす傾向があった。そこで、配列式1および配列式2で示されるオリゴDNAは、公知である多種の微生物由来のオリゴDNAと近似した温度や時間、溶液組成の反応条件にてプライマー伸長反応、ハイブリダイゼーションができるように設計することが好ましい。例えば配列式3〜6で示されるオリゴDNAと同じ温度や時間、溶液組成の反応条件にてプライマー伸長反応、ハイブリダイゼーションができるように配列を決定した。例えばプライマー伸長反応の場合は70℃、ハイブリダイゼーションの場合は65℃である。
また配列式7および配列式8で示されるプライマーは公知である多種のプライマーと近似した温度や時間、溶液組成の反応条件にてPCRができるようにプライマー配列を決定することが好ましい。例えば配列式9〜11で示されるプライマーと同じ温度や時間、溶液組成の反応条件にてPCRができるようにプライマー配列を決定した。例えば熱変性95℃1分、アニーリング55℃1分、DNA鎖の伸長反応72℃1分のヒートサイクルでPCRができる。このように配列式7および配列式8で示されるプライマーは既存のPCR用プライマーのオリゴDNAと、同じ温度や時間、溶液組成の反応条件にて測定が行えるため、同時に複数の微生物についてPCRやプライマー伸長反応、ハイブリダイゼーションができる。よって、同時に複数の微生物について微生物試験を行う際、測定にかかる時間と手間を、より省くことができる。
本発明のDNA測定キットは、前記DNA測定用チップを含む。
本発明のDNA測定キットは、上記のような構成を有することで、カンジダ菌を含む複数の微生物について、特定微生物試験を短時間で、簡便に行うことができる。
本発明のDNA測定キットは、配列式7および配列式8で示されるプライマーを含むものが好ましい。
配列式7および配列式8で示されるプライマーは、カンジダ菌配列のオリゴDNAと反応条件がより近いことにより、同時に複数の微生物について微生物試験を行う際、測定にかかる時間と手間を、より短時間で簡便にすることができる。
(DNA測定用チップ)
本発明のDNA測定用チップは、基板表面に、少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、第1微生物由来配列のオリゴDNAを固定化した官能基とを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、第2微生物由来配列のオリゴDNAを固定化した官能基とを有し、前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とする。
本発明のDNA測定用チップは、基板表面に、少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、第1微生物由来配列のオリゴDNAを固定化した官能基とを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、第2微生物由来配列のオリゴDNAを固定化した官能基とを有し、前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とする。
次に本発明の第1DNA測定部および第2DNA測定部についてさらに詳細に述べる。前述のように、前記DNA測定チップにおける第1DNA測定部および第2DNA測定部は、親水性基と、固定化された微生物由来配列のオリゴDNAを有する。
第1DNA測定部における微生物由来配列のオリゴDNAは、カンジダ菌由来配列のオリゴDNAである。前記カンジダ菌由来配列のオリゴDNAは、特に限定されないが、配列式1または配列式2で示されるオリゴDNAが挙げられ、これらを併用しても良い。
また、第2DNA測定部における微生物由来配列のオリゴDNAは、第2微生物由来配列のオリゴDNAである。前記第2微生物は、前記第1微生物と異なることから、カンジダ菌由来配列のオリゴDNAと異なる。このように異なる2種類の微生物由来配列のオリゴDNAを固定化することで、前記DNA測定用チップは、カンジダ菌を含む2種類の微生物を検出することができる。
前記第2微生物は、カンジダ菌と異なれば特に限定されないが、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、胆汁酸抵抗性グラム陰性菌、およびクロストリジア菌が好ましく、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、およびサルモネラ菌がより好ましい。これらの微生物由来配列のオリゴDNAを含むことで、医薬品や食品に好適に使用できる。前記黄色ブドウ黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、およびサルモネラ菌由来配列のオリゴDNAは、特に限定されないが、例えば配列式3〜6で示されるオリゴDNAが挙げられる。
また、前記DNA測定用チップは、第1DNA測定部、第2DNA測定部以外にさらに多くのDNA測定部を有してもよい。これらのDNA測定部は、第1DNA測定部、第2DNA測定部と同様に、親水性基と、固定化された微生物由来配列のオリゴDNAとを有するものが好ましい。微生物由来配列のオリゴDNAは、特に限定されないが、該微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、カンジダ菌、胆汁酸抵抗性グラム陰性菌、およびクロストリジア菌が好ましく、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、およびサルモネラ菌がより好ましい。基板上に設置する測定部の数、配置、それぞれの測定部に固定化する微生物由来配列のオリゴDNAの種類などは目的・用途に応じて任意に選択できる。このようなDNA測定用チップとして、例えば、第1DNA測定部、第2DNA測定部、第3DNA測定部、第4DNA測定部、第5DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、前記第1DNA測定部は、親水性基と、固定化したカンジダ菌由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第2DNA測定部は、親水性基と、固定化した黄色ブドウ球菌由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第3DNA測定部は、親水性基と、固定化した大腸菌由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第4DNA測定部は、親水性基と、固定化した緑膿菌由来配列のオリゴDNAとを有し、前記第5DNA測定部は、親水性基と、固定化したサルモネラ菌由来配列のオリゴDNAとを有するものが挙げられる。このようなDNA測定用チップは、病原性を有する特定微生物5菌種を同時に検出することができる。
また、前記微生物由来配列のオリゴDNAは、洗浄による流出を防止するために、基板との相互作用や結合で固定化されていることが好ましい。中でも、官能基を介して共有結合で基板に固定化されているのが好ましい。したがって、該オリゴDNAには基板上の官能基と結合しうる官能基を導入しておくことが好ましい。基板上の官能基と前記微生物由来配列のオリゴDNAに導入する官能基の組み合わせは、任意に選択可能であるが、温和な条件で反応が進行することから、基板上に活性エステル基を導入し、前記微生物由来配列のオリゴDNAにはアミノ基を導入しておくことが好ましい。アミノ基は活性エステル基との反応性に優れるため、アミノ基が導入された前記微生物由来配列のオリゴDNAを用いることにより、効率よくかつ強固に基板の表面上に該オリゴDNAを固定化することができる。アミノ基の導入位置はオリゴDNA鎖の末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端に導入されていることが、相補的な鋳型DNA断片とのアニーリングを一層効率よく行うことができる観点から、好ましい。
前記活性エステル基は、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応性の高いエステル基を意味するものであって、各種化学反応、例えばペプチド結合、固定化酵素等の分野で慣用されているものである。例えば、p−ニトロフェニルエステル基等のフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類が挙げられる。
具体的にはp−ニトロフェニル基、N-ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3,−ジカルボキシイミド等で活性化された活性エステル基が挙げられるが、p−ニトロフェニルオキシカルボニル基やN-ヒドロキシスクシンイミド活性エステル基が好ましく用いられる。
具体的にはp−ニトロフェニル基、N-ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3,−ジカルボキシイミド等で活性化された活性エステル基が挙げられるが、p−ニトロフェニルオキシカルボニル基やN-ヒドロキシスクシンイミド活性エステル基が好ましく用いられる。
また、前記各DNA測定部は、親水性基を有することにより、夾雑物質の非特異吸着を抑制することができ、例えば蛍光測定など、DNAの検出時におけるシグナル/ノイズ比を向上させることができる。
各測定部への親水基および微生物由来配列のオリゴDNAと反応しうる官能基の導入方法は特に限定されないが、少なくとも親水性基を有するユニットと前記官能基を有するユニットとを含むポリマーを塗布する方法が簡便で好ましい。このようなポリマーを塗布することで、基板上に好適にDNA測定部を形成することができ、さらにDNA測定用チップの生産性を向上させることができる。ここで、ユニットとは、ポリマーを構成する基本単位であって、モノマーに由来する構造単位である。
前記ポリマーは、少なくとも、親水性基を有するモノマーと、オリゴDNAを固定化し得る官能基を有するモノマー、好ましくは活性エステル基を有するモノマー、最も好ましくはp−ニトロフェニルオキシカルボニル基やN-ヒドロキシスクシンイミド活性エステル基を有するモノマーとを共重合させたポリマーが好ましい。
前記親水性基は、親水性を付与するものであれば、特に限定はしないが、ホスホリルコリン基が、安定性、効果の点で好適である。
前記ホスホリルコリンを有するモノマーとしては、例えばメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、アリルホスホリルコリン、ブテニルホスホリルコリン、ヘキセニルホスホリルコリン、オクテニルホスホリルコリン、デセニルホスホリルコリン等が挙げられるが、原料入手が容易であることから、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
前記ホスホリルコリンを有するモノマーとしては、例えばメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、アリルホスホリルコリン、ブテニルホスホリルコリン、ヘキセニルホスホリルコリン、オクテニルホスホリルコリン、デセニルホスホリルコリン等が挙げられるが、原料入手が容易であることから、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
前記オリゴDNAを固定化し得る官能基を有するモノマーは、特に構造を限定しないが、前記親水性基を有するモノマーが、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましいことから、共重合反応のし易さの点で(メタ)アクリル基を有するものであることが好ましい。したがって、(メタ)アクリル基とオリゴDNAを固定化し得る官能基を併せ持つモノマー、中でも、(メタ)アクリル基とオリゴDNAを固定化し得る官能基が炭素数1〜10のアルキレンオキシ基の連鎖またはアルキル基を介して結合した化合物であることが好ましい。オリゴDNAを固定化し得る官能基としては、前述のように、活性エステル基が好ましく、具体的にはp−ニトロフェニル基、N-ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3,−ジカルボキシイミド等で活性化された活性エステル基などであり、p−ニトロフェニルオキシカルボニル基やN-ヒドロキシスクシンイミド活性エステル基が最も好ましく用いられる。
少なくとも親水性基を有するユニットと前記官能基を有するユニットとを含むポリマーの合成方法は特に限定されるものではないが、合成の容易さから、少なくとも親水性基を有するモノマーと、オリゴDNAを固定化し得る官能基を有するモノマーとの共重合が好ましい。なかでも、ラジカル共重合が容易である。さらには、基板への塗布時には溶液状態で使用すること、重合時に乳化剤を使用しないためにその除去が不要であることを考慮すると、ラジカル溶液重合が最も好ましい。
合成溶媒としては、それぞれの単量体が溶解するものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール等アルコール類、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。
重合開始剤としては通常のラジカル開始剤ならいずれでもよく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1 −カルボニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化物等を挙げることができる。
前記ポリマーには、親水性基を有するユニットと、微生物由来配列のオリゴDNAを固定化した官能基を有するユニット以外の他のユニットを含んでも良い。たとえば、疎水性基を有するユニットを加えると、ポリマーの疎水性が上昇し、プラスチック等、疎水性の基材に対して濡れ性が向上し、ムラなく塗布できるようになる。また、疎水性が増すことから、疎水性基板表面との密着性が向上し、菌検出の各工程において該ポリマーが溶出してしまうことを防止することができる。疎水性基としては特に限定されないが、アルキル基や芳香族類が挙げられる。好ましくは、前記アルキル基が炭素数2〜20のアルキル基である。アルキル基は特に構造を限定されるものではなく、直鎖であっても、分岐していても、環状になっていてもよい。
疎水性基を有するモノマーの具体的な例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ネオペンチル(メタ)アクリレート、iso−ネオペンチル(メタ)アクリレート、sec−ネオペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、iso−ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、iso−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、iso−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、iso−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、iso−テトラデシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、iso−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、iso−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、iso−オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのなかで最も好ましいのが、n―ブチルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートである。
本発明において用いるポリマーとして、特に限定されないが、例えば2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)と、n−ブチルメタリレート(BMA)との共重合体であるpoly(MPCco−BMA−co−NPMA)(PMBN)を用いることが好ましい。
前記共重合体は、MPC、BMA、およびNPMA の各モノマーを混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により得ることができる。前記共重合体をラジカル重合により作製する場合、例えば、Ar等の不活性ガス雰囲気にて、50℃以上70℃以下の温度条件で溶液重合を行うのが好ましい。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、メチルエチルケトン、メチルブチルケト等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができる。中でも、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が重合溶媒に対する溶解性が高いこと、前記重合温度における半減期が適切であることなどから最も好ましい。
このように重合したポリマーを基板表面に塗布し、基板表面にポリマーを含む層を形成し、当該ポリマーに前記微生物由来配列のオリゴDNAを固定化させることで、前記DNA測定用チップを得ることができる。
具体的には、重合したポリマーを有機溶媒、例えばエタノール溶液に溶解し、基板表面に塗布し、乾燥させることで基板表面にポリマーを含む層を形成することや、ポリマーが溶解した溶液に基板を浸漬し、乾燥させて基板表面にポリマーを含む層を形成させることができる。
前記ポリマーを使用したDNA測定用チップの製造方法としては、このように得られた基板上のポリマーに含まれるオリゴDNAを固定化し得る官能基、好ましくは活性エステル基のうち、少なくとも一部の官能基と微生物由来配列のオリゴDNAを固定化し(工程1)、次に、微生物由来配列のオリゴDNAを固定化した以外の官能基を不活性化する(工程2)ことが好ましい。
上記工程1において微生物由来配列のオリゴDNAを基板上に固定化する際には、微生物由来配列のオリゴDNAを溶解または分散した液体を点着する方法が好ましい。そうすることで、前記ポリマーに含まれる微生物由来配列のオリゴDNAを固定化し得る官能基、例えば活性エステル基の一部が微生物由来配列のオリゴDNAと反応して、共有結合が形成される。
上記工程1において微生物由来配列のオリゴDNAを基板上に固定化する際には、微生物由来配列のオリゴDNAを溶解または分散した液体を点着する方法が好ましい。そうすることで、前記ポリマーに含まれる微生物由来配列のオリゴDNAを固定化し得る官能基、例えば活性エステル基の一部が微生物由来配列のオリゴDNAと反応して、共有結合が形成される。
この微生物由来配列のオリゴDNAを溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。また、点着後、基板表面に固定化されなかった微生物由来配列のオリゴDNAを除去するため、純水や緩衝液で洗浄しても良い。
また、上記工程2に示したように洗浄後は微生物由来配列のオリゴDNAを固定化した以外の基板表面に残留する微生物由来配列のオリゴDNAを固定化し得る官能基、好ましくは活性エステル基の不活性化処理をアルカリ化合物、あるいは一級アミノ基を有する化合物で行うことが好ましい。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウムなどを用いることができる。
一級アミノ基を有する化合物としては、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ2,3−ジヒドロ−1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5−アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2 −アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレンなどを用いることができる。これらのうち、生産性を向上させること、および非特異吸着を抑えるという観点から、アミノエタノール、グリシンを用いることが好ましい。
次に、本発明のDNA測定用チップに使用する基板について述べる。
前記基板は、特に限定されないが、フィルム状、板状のものが好ましく、加工性の観点から、板状のものが好ましい。前記基板の素材は、特に限定されないが、ガラス製、樹脂製のものが好ましく、加工性の観点から樹脂製が好ましい。用いる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルアセテート、ビニルアセテート共重合体、スチレン−メタアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリメチルペンテン、シリコン樹脂、アミノ樹脂、ポリスルホン、フッ素樹脂、飽和環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、環状ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。環状ポリオレフィン樹脂は自家蛍光の少ない樹脂であるため、蛍光測定に好適である。
前記基板は、特に限定されないが、フィルム状、板状のものが好ましく、加工性の観点から、板状のものが好ましい。前記基板の素材は、特に限定されないが、ガラス製、樹脂製のものが好ましく、加工性の観点から樹脂製が好ましい。用いる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルアセテート、ビニルアセテート共重合体、スチレン−メタアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリメチルペンテン、シリコン樹脂、アミノ樹脂、ポリスルホン、フッ素樹脂、飽和環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、環状ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。環状ポリオレフィン樹脂は自家蛍光の少ない樹脂であるため、蛍光測定に好適である。
また、蛍光現象を用いた標識物質を用いて、好適に測定することができることから、基板は光不透過性であることが好ましい。これは、光不透過性とすることで、外部や内部光の漏れの影響を排除することができ、これによって正確な測定値を得ることができる。光不透過にする方法としては、着色樹脂で成形する方法、透明樹脂で成形した後、成形品を光不透過性塗料等で塗装する方法、同じく鍍金や蒸着により金属皮膜を形成し不透過性を付与する方法などが挙げられるが、着色樹脂材料を用いる方法が最も簡便である。
顔料を入れた基板成形においては、原料となる樹脂に顔料を加えて混練、成形してもよく、また、樹脂に顔料を混練した成形樹脂材料を用いて成形してもよい。顔料の分散性を考えると顔料を混練した成形樹脂材料を用いて成形することが好ましい。光不透過の程度は、基板の裏側への光透過率が少なければ少ないほど良く、1%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1%以下であり、最も好ましくは0.01%以下である。
不透明にする方法は、基板自体を着色樹脂により成形することにより達成できる。光透過度を下げるためには、黒色に着色することが好ましい。黒色に着色する方法としては、酸化鉄またはカーボンブラックを用いることで達成できる。
酸化鉄またはカーボンブラックの添加量は樹脂に対して0.5〜60wt%の添加量が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0wt%であり、最も好ましくは1.0〜2.0wt%である。0.5wt%未満では添加効果が不十分となる。また、60wt%を越えると成形品の機械的強度の点で好ましくない。
前記添加物により、蛍光測定において光不透過性を獲得するだけでなく、散乱光の発生を最小限に抑えることができ、自家蛍光を低くすることができるため高感度の測定が可能となる。
酸化鉄またはカーボンブラックの添加量は樹脂に対して0.5〜60wt%の添加量が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0wt%であり、最も好ましくは1.0〜2.0wt%である。0.5wt%未満では添加効果が不十分となる。また、60wt%を越えると成形品の機械的強度の点で好ましくない。
前記添加物により、蛍光測定において光不透過性を獲得するだけでなく、散乱光の発生を最小限に抑えることができ、自家蛍光を低くすることができるため高感度の測定が可能となる。
次に、本発明のDNA測定用チップを用いたDNAの測定方法について述べる。
前記DNA測定用チップを用いてDNAを検出する反応系としては、2種類の反応系がある。一つはプライマー伸長反応であり、もう一方はハイブリダイゼーション反応である。
前記DNA測定用チップを用いてDNAを検出する反応系としては、2種類の反応系がある。一つはプライマー伸長反応であり、もう一方はハイブリダイゼーション反応である。
まず、プライマー伸長反応について述べる。
プライマー伸長反応系は、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼの何れかを用い、ヌクレオチドモノマー(dATP、dCTP、dGTP、dTTPなど)を含有するバッファーを用いる。
プライマー伸長反応系は、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼの何れかを用い、ヌクレオチドモノマー(dATP、dCTP、dGTP、dTTPなど)を含有するバッファーを用いる。
前記バッファー中に、少なくとも2mmol/L、好ましくは2〜6mmol/Lのマグネシウムイオンを含むことにより、遺伝子の検出感度が向上する。
また、前記DNAポリメラーゼの中でも、特に耐熱性細菌に由来するDNAポリメラーゼであるTaqDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼなどを用いることができる。
また、前記DNAポリメラーゼの中でも、特に耐熱性細菌に由来するDNAポリメラーゼであるTaqDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼなどを用いることができる。
また、これらのヌクレオチドモノマーを標識しておくことができる。例えば、dTTPの塩基の3位を蛍光標識したCy3−dUTPをヌクレオチドモノマーとして用いることで、鋳型DNAのアデニン(A)に対応する伸長(プライマー)側の位置にCy3−dUTPが挿入される。これにより伸長反応が生じたプライマーから形成されるDNA断片がCy3で蛍光染色されて、このDNA断片の検出を行うことができるようになる。
この蛍光標識は、他のヌクレオチドモノマーに施してもよく、また複数種のヌクレオチドモノマーをしてもよい。また、標識方法も光吸収体の導入、放射線標識、酵素標識などによってもDNAを検出することができる。
この蛍光標識は、他のヌクレオチドモノマーに施してもよく、また複数種のヌクレオチドモノマーをしてもよい。また、標識方法も光吸収体の導入、放射線標識、酵素標識などによってもDNAを検出することができる。
酵素標識においては、直接酵素で標識するより、ビオチン化、またはジゴキシゲニンを結合した核酸を使用することが好ましい。ビオチンを用いた場合は、プライマーを伸長した後、酵素標識アビジンを使用して検出することが可能である。また、ジゴキシゲニンを用いた場合は、ジゴキシゲニンを特異的に認識する抗体が開発、市販されているので、その抗体を標識して用いることができる。
試料が導入された反応系の温度を、DNA鎖の熱変性温度以上、例えば90〜95℃まで上昇させる。この熱変性処理により、自己相補鎖など見られる折りたたみ構造を有する鋳型DNA断片やプライマーが直鎖状の一本鎖になる。
続いて、反応系の温度をプライマーと鋳型DNA断片とがアニールする温度、例えば40〜72℃、好ましくは50〜72℃まで下降させる。このアニール処理により、鋳型DNA断片の一部と相補的な配列を有するプライマー鎖と、この鋳型DNA断片とが二本鎖になる。この反応系に対して、洗浄処理を行わずそのままDNA伸長反応に進める。また、アニールさせる工程において、熱変性温度以上から例えば4℃〜室温まで急冷させる工程を経たのちアニールする温度まで昇温させても良い。
従来であると、アニール処理の後、伸長反応の前に、二本鎖を組まなかったDNA断片を除くための洗浄が必要であったが、本発明のDNA測定用チップでは、親水性基を含むことで、夾雑物質の非特異吸着を抑制できるため、基板の洗浄処理が不要となり、試料導入からDNA鎖伸長反応までを同一の液相系で行うことができる。すなわち反応系をそのまま用いることができる。
ここでは、鋳型DNA断片に対して耐熱性DNAポリメラーゼを用いた例を示したが、DNA鎖を鋳型として新たなDNA鎖を合成する酵素であれば特に限定されない。このようなDNAポリメラーゼとしては、ポルI型DNAポリメラーゼ( 大腸細菌DNAポリメラーゼI、クレノウ断片など)、α 型DNAポリメラーゼ(ピロコッカス・フリオサス由来DNAポリメラーゼ、VENTDNAポリメラーゼ、KODDNAポリメラーゼ、DEEPVENTDNAポリメラーゼ)及び非α非ポルI型DNAポリメラーゼ(国際公開第97/24444号パンフレット記載のDNAポリメラーゼ)等が挙げられる。
次に、ハイブリダイゼーション反応について述べる。
ハイブリダイゼーション反応では、細菌検体のゲノムDNA特定部位を、PCRを用いて増幅、あるいは増幅と同時に標識し、本発明のDNA測定用チップに滴下して、ハイブリダイゼーションさせて、検出する。
ハイブリダイゼーション反応では、細菌検体のゲノムDNA特定部位を、PCRを用いて増幅、あるいは増幅と同時に標識し、本発明のDNA測定用チップに滴下して、ハイブリダイゼーションさせて、検出する。
具体的は、まず検体からDNAを回収する。回収方法は特に限定するものではなく、一般的なDNA抽出方法が使用でき、さらに市販の抽出キットを使用しても良い。
続いて、回収したDNAをリボゾームDNAのユニバーサルプライマーを用い、PCR反応によりリボゾームDNAの増幅を行う。菌類では一般的に5S、16Sまたは23SリボゾーマルDNAのプライマーを用いる。
熱変性温度、アニール温度の反応条件は前述のプライマー伸長法と同様で、反応は10サイクル以上実施することで目的となる菌由来DNAのPCR産物を得ることができる。
またこの時、前述のプライマー伸長法と同様、標識ヌクレオチドプライマー(例えばCy3−dUTPなど)を使用することで標識DNA産物を得ることが可能である。
続いて、回収したDNAをリボゾームDNAのユニバーサルプライマーを用い、PCR反応によりリボゾームDNAの増幅を行う。菌類では一般的に5S、16Sまたは23SリボゾーマルDNAのプライマーを用いる。
熱変性温度、アニール温度の反応条件は前述のプライマー伸長法と同様で、反応は10サイクル以上実施することで目的となる菌由来DNAのPCR産物を得ることができる。
またこの時、前述のプライマー伸長法と同様、標識ヌクレオチドプライマー(例えばCy3−dUTPなど)を使用することで標識DNA産物を得ることが可能である。
前記標識DNA産物を用いて、本発明のDNA測定用チップにおいて、ハイブリダイゼーション反応を行い、対象DNAの検出反応を行う。ハイブリダイゼーション方法としては、一般的に用いられるハイブリダイゼーション方法であれば、どのような方法でも用いることが可能であり、市販の自動ハイブリダイゼーション装置を用いて反応することも可能である。
(DNA測定用キット)
本発明のDNA測定用キットは、前記DNA測定用チップを含む。
前記DNA測定用キットは、前記DNA測定用チップの他に、プライマー、PCR用の酵素、蛍光標識試薬、ハイブリダイゼーション用バッファー等を含み、DNA測定に用いる部材をセットにしたものである。DNAキットに含まれるDNA測定用チップ以外の部材は特に限定されないが、配列式7または配列式8で示されるプライマーを含むことが好ましい。これらのプライマーを含むことで、カンジダ菌の増幅反応が効率的に進み、カンジダ菌の検出能力が向上する。
本発明のDNA測定用キットは、前記DNA測定用チップを含む。
前記DNA測定用キットは、前記DNA測定用チップの他に、プライマー、PCR用の酵素、蛍光標識試薬、ハイブリダイゼーション用バッファー等を含み、DNA測定に用いる部材をセットにしたものである。DNAキットに含まれるDNA測定用チップ以外の部材は特に限定されないが、配列式7または配列式8で示されるプライマーを含むことが好ましい。これらのプライマーを含むことで、カンジダ菌の増幅反応が効率的に進み、カンジダ菌の検出能力が向上する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>(基板の製造)
飽和環状ポリオレフィン樹脂(5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR(Melt flow rate):21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度123℃)に、カーボンブラック含有ポリスチレン樹脂(住化カラー製、SPAB−8A2625、カーボンブラック含有量40%)37.5g/飽和環状ポリオレフィン樹脂1kgで混ぜ、射出成形によりスライドガラス形状の基板を得た。基板を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−n−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.3重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有するポリマーを導入した。
<実施例1>(基板の製造)
飽和環状ポリオレフィン樹脂(5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR(Melt flow rate):21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度123℃)に、カーボンブラック含有ポリスチレン樹脂(住化カラー製、SPAB−8A2625、カーボンブラック含有量40%)37.5g/飽和環状ポリオレフィン樹脂1kgで混ぜ、射出成形によりスライドガラス形状の基板を得た。基板を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−n−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.3重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有するポリマーを導入した。
(プローブDNA固定)
5’末端がアミノ基で修飾された、各菌の23SリボソームDNA(大腸菌・サルモネラ菌・緑濃菌、黄色ブドウ球菌)や25SリボソームDNA(カンジダ菌)の配列に特異なオリゴDNAを合成した。これらのオリゴDNAを0.25M炭酸バッファー(pH9.0)を用いて溶解し、それぞれ10μMのオリゴDNA溶液を調製した。これらの溶液をスポッター(日立ソフトウェアエンジニアリング社製MARKS−I)を用い、300μm径スポットピンで基板表面にそれぞれスポットした。複数のオリゴDNA溶液をスポットした基板を、80℃で1時間加熱して、オリゴDNA(プローブDNA)を固定化させた。これにより、第1DNA測定部にはカンジダ菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第2DNA測定部には、大腸菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第3DNA測定部には、サルモネラ菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第4DNA測定部には、緑膿菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第5DNA測定部には、黄色ブドウ球菌由来配列のオリゴDNAが固定化されたDNA測定用チップを得た。
スポットおよび固定化させた各菌のDNA配列に特異なオリゴDNAの塩基配列を下記に示す。
カンジダ菌 (CA-1) ggtttggagcggcaggataatggcgga
大腸菌 (ECO) ctgatatgtaggtgaagcgacttgctcg
サルモネラ菌 (SAL) tgtgtgttccaggtaaatccggttc
緑膿菌 (PA) gttaatcgacgcagggttagtcggtt
黄色ブドウ球菌 (SA) agtaggataggcgaagcgtgcgatt
5’末端がアミノ基で修飾された、各菌の23SリボソームDNA(大腸菌・サルモネラ菌・緑濃菌、黄色ブドウ球菌)や25SリボソームDNA(カンジダ菌)の配列に特異なオリゴDNAを合成した。これらのオリゴDNAを0.25M炭酸バッファー(pH9.0)を用いて溶解し、それぞれ10μMのオリゴDNA溶液を調製した。これらの溶液をスポッター(日立ソフトウェアエンジニアリング社製MARKS−I)を用い、300μm径スポットピンで基板表面にそれぞれスポットした。複数のオリゴDNA溶液をスポットした基板を、80℃で1時間加熱して、オリゴDNA(プローブDNA)を固定化させた。これにより、第1DNA測定部にはカンジダ菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第2DNA測定部には、大腸菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第3DNA測定部には、サルモネラ菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第4DNA測定部には、緑膿菌由来配列のオリゴDNAが固定化され、第5DNA測定部には、黄色ブドウ球菌由来配列のオリゴDNAが固定化されたDNA測定用チップを得た。
スポットおよび固定化させた各菌のDNA配列に特異なオリゴDNAの塩基配列を下記に示す。
カンジダ菌 (CA-1) ggtttggagcggcaggataatggcgga
大腸菌 (ECO) ctgatatgtaggtgaagcgacttgctcg
サルモネラ菌 (SAL) tgtgtgttccaggtaaatccggttc
緑膿菌 (PA) gttaatcgacgcagggttagtcggtt
黄色ブドウ球菌 (SA) agtaggataggcgaagcgtgcgatt
(菌の培養)
カンジダ菌(Candida albicans ATCC 10231)をサブロー・ブドウ糖液体培地で培養し、37℃、一昼夜(14−18時間)行った。
また、大腸菌(Escherichia coli ATCC 11775)は寒天培地で培養し、37℃、一昼夜(14−18時間)行った。培地はインスタント培地である"普通ブイヨン栄研"を用い、液体培地は" 普通ブイヨン栄研"の指示量を脱塩水に溶かし、寒天培地はそれに1.6%の寒天を加え、それぞれオートクレーブ後、使用した。
さらに、サルモネラ菌、緑濃菌、黄色ブドウ球菌についても、大腸菌と同様にして培養を行った。なお、サルモネラ菌はSalmonella enterica subsp. enterica serovar Typhimurium ATCC 14028の菌株を使用し、緑濃菌はPseudomonas aeruginosa ATCC 2785の菌株を使用し、黄色ブドウ球菌はSalmonella enterica subsp. enterica serovar Typhimurium ATCC 6538の菌株を使用した。
カンジダ菌(Candida albicans ATCC 10231)をサブロー・ブドウ糖液体培地で培養し、37℃、一昼夜(14−18時間)行った。
また、大腸菌(Escherichia coli ATCC 11775)は寒天培地で培養し、37℃、一昼夜(14−18時間)行った。培地はインスタント培地である"普通ブイヨン栄研"を用い、液体培地は" 普通ブイヨン栄研"の指示量を脱塩水に溶かし、寒天培地はそれに1.6%の寒天を加え、それぞれオートクレーブ後、使用した。
さらに、サルモネラ菌、緑濃菌、黄色ブドウ球菌についても、大腸菌と同様にして培養を行った。なお、サルモネラ菌はSalmonella enterica subsp. enterica serovar Typhimurium ATCC 14028の菌株を使用し、緑濃菌はPseudomonas aeruginosa ATCC 2785の菌株を使用し、黄色ブドウ球菌はSalmonella enterica subsp. enterica serovar Typhimurium ATCC 6538の菌株を使用した。
(DNAの抽出)
菌培養における1つのコロニーを、200μlのPBS(−)中に分散させ、DNA抽出試薬(Invitrogen社製、K2100−01)を用い、3μlのDNA抽出液を得た。これにより、カンジダ菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑濃菌、および黄色ブドウ球菌のDNA抽出液を得た。
菌培養における1つのコロニーを、200μlのPBS(−)中に分散させ、DNA抽出試薬(Invitrogen社製、K2100−01)を用い、3μlのDNA抽出液を得た。これにより、カンジダ菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑濃菌、および黄色ブドウ球菌のDNA抽出液を得た。
(PCRによるDNA鎖増幅反応)
配列式9、10.および11で示される23SリボゾームDNAのユニバーサルプライマーと配列式7および8で示されるカンジダ菌の増幅反応用のプライマーを用い、PCR反応により5菌種のDNA抽出液において、DNAの増幅をおこなった。
PCRによる増幅に使用プライマーの配列を下記に示す。
23SリボゾームDNAのユニバーサルプライマー配列:
センス :5‘−gacagccaggatgttggcttagaagcagc
アンチセンス:下記を同量混合したものを用いた。
5‘−ggaatttcgctaccttaggaccgttatagttacg
5‘−ggaatttcgctaccttaggatggttatagttacc
カンジダ菌用プライマー配列:
センス:ctcaaatcaggtaggactacccgctgaa
アンチセンス:cgacgatcgatttgcacgtcagaacc
20μL中に上記プライマー各々を0.5mol、200μMのdATP、dCTP、dGTP、Cy3−dUTP、0.5UのDNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製、ExTaq)をPCRバッファー中に溶解させ、サーマルサイクラーにより、熱変性95℃1分、アニーリング55℃1分、DNA鎖の伸長反応72℃1分のヒートサイクルで、20サイクル行い、Cy3蛍光ラベル化PCR産物を得た。
配列式9、10.および11で示される23SリボゾームDNAのユニバーサルプライマーと配列式7および8で示されるカンジダ菌の増幅反応用のプライマーを用い、PCR反応により5菌種のDNA抽出液において、DNAの増幅をおこなった。
PCRによる増幅に使用プライマーの配列を下記に示す。
23SリボゾームDNAのユニバーサルプライマー配列:
センス :5‘−gacagccaggatgttggcttagaagcagc
アンチセンス:下記を同量混合したものを用いた。
5‘−ggaatttcgctaccttaggaccgttatagttacg
5‘−ggaatttcgctaccttaggatggttatagttacc
カンジダ菌用プライマー配列:
センス:ctcaaatcaggtaggactacccgctgaa
アンチセンス:cgacgatcgatttgcacgtcagaacc
20μL中に上記プライマー各々を0.5mol、200μMのdATP、dCTP、dGTP、Cy3−dUTP、0.5UのDNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製、ExTaq)をPCRバッファー中に溶解させ、サーマルサイクラーにより、熱変性95℃1分、アニーリング55℃1分、DNA鎖の伸長反応72℃1分のヒートサイクルで、20サイクル行い、Cy3蛍光ラベル化PCR産物を得た。
(ハイブリダイゼーション)
自動ハイブリ装置(Genomic Solutions社製Hyb4)を使用して5菌種のPCR産物についてハイブリダイゼーションを行った。
Cy3蛍光ラベル化PCR産物45μLにハイブリバッファー85μLを加え、試料溶液とした(試料溶液の組成は、2xSSC(下組成)、0.01%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))。
試料溶液を95℃で5分熱変性させた後、DNA測定用チップ上に分注し、65℃で3時間ハイブリ反応を行った。
2xSSC:塩化ナトリウム 300mM、クエン酸ナトリウム 30mM
自動ハイブリ装置(Genomic Solutions社製Hyb4)を使用して5菌種のPCR産物についてハイブリダイゼーションを行った。
Cy3蛍光ラベル化PCR産物45μLにハイブリバッファー85μLを加え、試料溶液とした(試料溶液の組成は、2xSSC(下組成)、0.01%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))。
試料溶液を95℃で5分熱変性させた後、DNA測定用チップ上に分注し、65℃で3時間ハイブリ反応を行った。
2xSSC:塩化ナトリウム 300mM、クエン酸ナトリウム 30mM
(測定)
ハイブリ反応の後、DNA測定用チップを0.1%SDS含有の2xSSC溶液、2xSSC、0.1XSSCの順で洗浄して、終了した。
マイクロアレイ用スキャナー(Axon社製GenePix4000B)によりスポットの蛍光強度を測定した。結果を表1に示す。
ハイブリ反応の後、DNA測定用チップを0.1%SDS含有の2xSSC溶液、2xSSC、0.1XSSCの順で洗浄して、終了した。
マイクロアレイ用スキャナー(Axon社製GenePix4000B)によりスポットの蛍光強度を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
固定化させたカンジダ菌のDNA配列に特異なオリゴDNAの塩基配列(カンジダ菌 (CA−1))を下記に示す配列に変更した以外は、実施例1と同様に測定を行った。結果を表1に示す。
カンジダ菌(CA−2) tcagacttggtattttgcatgctgctctctcggg
固定化させたカンジダ菌のDNA配列に特異なオリゴDNAの塩基配列(カンジダ菌 (CA−1))を下記に示す配列に変更した以外は、実施例1と同様に測定を行った。結果を表1に示す。
カンジダ菌(CA−2) tcagacttggtattttgcatgctgctctctcggg
本発明を利用することにより、簡便、短時間でカンジダ菌を含めた、複数の微生物、細菌のDNA、RNAなどの遺伝子レベルでの検査が可能な遺伝子検出チップを提供することができる。また、微生物検出用遺伝子検出チップは、臨床検査、食品検査、感染検査等、種々の検査等に使用でき、短時間で結果を得ることが可能となる。
Claims (14)
- 基板表面に、
少なくとも第1DNA測定部および第2DNA測定部を有する微生物検出用のDNA測定用チップであって、
前記第1DNA測定部は、親水性基と、固定化された第1微生物由来配列のオリゴDNAを有し、
前記第2DNA測定部は、親水性基と、固定化された第2微生物由来配列のオリゴDNAを有し、
前記第1微生物と前記第2微生物は異なるものであって、
前記第1微生物はカンジダ菌であることを特徴とするDNA測定用チップ。 - 前記第1微生物由来配列のオリゴDNAが、配列式1および/または配列式2で示されるオリゴDNAを含む請求項1に記載のDNA測定用チップ。
- 前記第2微生物が、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、およびサルモネラ菌の群から少なくとも1種以上の微生物を含む請求項1または2に記載のDNA測定用チップ。
- 前記第2微生物由来配列のオリゴDNAが、配列式3〜6で示されるオリゴDNAの群から少なくとも1種以上のオリゴDNAを含む請求項1〜3のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
- 前記第1微生物由来配列のオリゴDNAおよび第2微生物由来配列のオリゴDNAが、官能基を介して基板表面に固定化されている請求項1〜4のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
- 親水性基を有するユニットと前記官能基を有するユニットとを含むポリマーに前記第1微生物由来配列のオリゴDNAおよび第2微生物由来配列のオリゴDNAが固定化されている請求項5記載のDNA測定用チップ。
- 前記官能基が、活性エステル基を含む請求項5または6のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
- 前記活性エステル基が、p−ニトロフェニルエステル基および/またはN−ヒドロキシスクシンイミド基を含む請求項5〜7のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
- 前記親水性基を有するユニットが、側鎖にホスホリルコリン基を含む請求項6〜8のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
- 前記ポリマーが、親水性基を有するモノマーと、前記活性エステル基を有するモノマーとを共重合したポリマーを含む請求項6〜9のいずれかに記載のDNA測定用チップ。
- 前記ポリマーが、疎水性基を有するユニットを含む請求項10に記載のDNA測定用チップ。
- 前記疎水性基が、アルキル基を含む請求項11に記載のDNA測定用チップ。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のDNA測定用チップを含むDNA測定キット。
- 配列式7および配列式8で示されるプライマーを含む請求項13に記載のDNA測定キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012096005A JP2013223430A (ja) | 2012-04-19 | 2012-04-19 | Dna測定用チップおよびdna測定用キット |
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JP2013223430A true JP2013223430A (ja) | 2013-10-31 |
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JP (1) | JP2013223430A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022163506A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 日油株式会社 | 核酸増幅用の増感剤、核酸増幅用の組成物および検査キット |
-
2012
- 2012-04-19 JP JP2012096005A patent/JP2013223430A/ja active Pending
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WO2022163506A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 日油株式会社 | 核酸増幅用の増感剤、核酸増幅用の組成物および検査キット |
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