JP2007074928A - Dna鎖増幅方法 - Google Patents

Dna鎖増幅方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007074928A
JP2007074928A JP2005263988A JP2005263988A JP2007074928A JP 2007074928 A JP2007074928 A JP 2007074928A JP 2005263988 A JP2005263988 A JP 2005263988A JP 2005263988 A JP2005263988 A JP 2005263988A JP 2007074928 A JP2007074928 A JP 2007074928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dna
group
dna strand
substrate
primer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005263988A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4916689B2 (ja
Inventor
Toru Yakabe
徹 矢ヶ部
Kentaro Fujimoto
健太郎 藤本
Kenji Kinoshita
健司 木下
Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2005263988A priority Critical patent/JP4916689B2/ja
Publication of JP2007074928A publication Critical patent/JP2007074928A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4916689B2 publication Critical patent/JP4916689B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】 1回の熱サイクルで遺伝子の検出が可能なレベルまでのDNA鎖の伸長および
増幅を行うDNA鎖増幅方法を提供する。
【解決手段】 リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と活性エステル基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板に、DNA伸長用のプライマーを固定化させ、所望する配列を有する鋳型DNA断片およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された反応系を、DNA鎖を熱変性する温度まで引き上げ、前記反応系の温度をアニール処理する温度まで下げ、一定の処理温度を保ち、基板上に固定化されたプライマーDNA鎖の伸長と増幅を行うDNA鎖増幅方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プライマーDNA鎖を所定のプラスチック基板表面に固定化してDNA鎖を伸長するDNA鎖増幅方法に関する。
非特許文献1には、所定のアミノ−シラン試薬を用いて修飾されたガラス基板の表面に、プライマーとなるDNA鎖を共有結合させたDNAマイクロアレイにて固相PCR(Polymerase Chain Reaction)によるDNA増幅を行う技術が開示されている。
Adessi, Celine et al, "Solid phase DNA amplification: Characterisation of primer attachment and amplification mechanisms", Nucleic Acids Research, 2000, Vol. 20, No. 20, e87
本発明者等は、非特許文献1に代表される様々なDNAマイクロアレイを用いてMPEC法(Multiple Primer Extension on a Chip)によるDNA鎖伸長反応を検討する過程で、表面に所定の高分子物質を配した基板を用いると、プライマーに鋳型DNA鎖をハイブリダイズさせて、すなわちアニール処理して一定の温度を保つことにより、熱変性処理を行わなくとも、プライマーの伸長反応が順次進行し、増幅されている現象を見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、
(1)リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板に、DNA伸長用のプライマーとなるDNA鎖を固定化させ、所望する配列を有する鋳型DNA断片または鋳型RNA断片、DNA鎖伸長用酵素系、およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された液相系を、DNA鎖を熱変性する温度(以下、「熱変性処理温度」という)まで引き上げ、
前記液相系の温度をアニール処理する温度(以下、「アニール処理温度」という)まで下げ、一定の処理温度を保ち、基板上に固定化されたプライマーDNA鎖の伸長と増幅を行うことを特徴とする、DNA鎖増幅方法、
(2)(1)のDNA鎖増幅方法において、前記液相系で、アニール処理してDNA鎖の伸長反応を行うまでに洗浄処理が介在しないことを特徴とするDNA鎖増幅方法、
(3)(1)のDNA鎖増幅方法において、前記鋳型がDNA断片である場合に、前記DNA鎖伸長用酵素系は、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼのいずれかであることを特徴とするDNA鎖増幅方法、
(4)(1)のDNA鎖増幅方法において、前記鋳型がRNA断片である場合に、前記DNA鎖伸長用酵素系は、逆転写酵素、またはDNAリガーゼおよび逆転写酵素の組合せのいずれかであることを特徴とするDNA鎖増幅方法、
(5)(1)のDNA鎖増幅方法において、前記基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかであることを特徴とするDNA鎖増幅方法、
(6)(1)に記載のDNA鎖増幅方法において、
前記、ヌクレオチドモノマーの何れかに標識がなされていることを特徴とするDNA鎖
増幅方法、
である。
このように、所定の基板にプライマーを固定化させて、このプライマーに鋳型DNA断片をアニールさせて、あるいは鋳型RNA断片をハイブリダイズさせて、一定の処理温度を保つことにより、DNA鎖伸長反応を行うと、ある長さまで伸長が起こると、伸長が止まり、鋳型DNA鎖は別のプライマー随時に移り、そこで次のプライマーの伸長反応を起こし、プライマーが伸長し増幅された一本鎖DNAのみが基板上で残るようになる。
従来、プライマーを用いた伸長反応を用いて、DNA鎖の増幅を行うには、伸長反応の後に95℃程度の熱変性温度まで温度を上昇させ、1本鎖のDNAにした後、再びアニーリング温度まで下げて、別のプライマー2本鎖を形成させ、伸長反応を行う必要があり、遺伝子の増幅効率は足し算的であり、増幅効率は極めて低かった。
また、従来ではアニール処理した後で伸長反応の前に、二本鎖を組まなかったDNA断片またはRNA断片を除くための洗浄処理が必要であったが、基板上に非特異的に吸着するDNA断片またはRNA断片がないこと、およびDNA鎖伸長にかかる酵素反応が有効機能すると考えられ、伸長反応の前に基板の洗浄処理が不要になる。
このDNA鎖伸長方法において、基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかにすることができる。
このように、基板の表面にリン脂質と同様の環境を設けることで、基板表面で起こるDNA鎖伸長反応が細胞内に近い環境になっており、したがって、DNA鎖伸長反応が効率良く進行し、熱サイクルなしに酵素の働きのみで遺伝子の増幅が可能になるものと考えられる。
前記のDNA鎖増幅方法において、
前記プライマーは、所定の着目遺伝子の特徴配列を含む塩基配列の一塩基を他の塩基に置き換えたDNA断片であってもよい。
これにより、本発明のDNA鎖増幅方法を、一塩基置換多型(SNP:single nucleotide polymorphisms)解析に適用することができるようになる。
また、前記のDNA鎖増幅方法において、
前記プライマーは所定数の塩基配列からなり、各々のプライマーは全組合せのそれぞれの配列を有するDNA断片であってもよい。
これにより、本発明のDNA鎖伸長増幅反応を、ハイブリダイゼーションによる塩基配列決定(SBH:sequencing by hybridization)解析に適用することができるようになる。
また、前記のDNA鎖伸長方法において、
前記鋳型DNA断片は、所定のRNAを逆転写酵素で処理して得られるcDNA断片であってもよい。
これにより、本発明のDNA鎖伸長反応を、遺伝子発現プロファイル(gene expression profile)解析に適用して、通常の解析において手間と時間がかかるサンプル調製をほとんど行うことなく、ゲノムDNA又は全RNAからの逆転写産物cDNAを鋳型DNA断片として用い簡便な操作で行うことができるようになる。
本発明によれば、DNAマイクロアレイ上で熱変性温度以下の一定温度を保つだけで、DNA鎖の伸長反応を行い、熱変性処理なしで、DNA鎖の増幅が出来、DNAマイクロアレイの基板上には伸長し増幅された一本鎖DNAを残すことができるようになる。
本発明に係るDNA鎖伸長方法は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板に、DNA伸長用のプライマーDNA鎖を固定化させ、所望する配列を有する鋳型DNA断片または鋳型RNA断片、DNA鎖伸長用酵素系、およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された液相系を、DNA鎖を熱変性処理温度まで引き上げ、
前記反応系の温度をアニール処理温度まで下げ、一定の処理温度を保つことにより、基板上に固定化されたDNA鎖の伸長反応および増幅を同一の液相系で行うことを特徴としている。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第一の実施形態)
このDNA鎖増幅方法は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板に、DNA増幅用のプライマー(以下、「プライマー」という)を固定化させ、所望する配列を有する鋳型DNA断片または鋳型RNA断片、DNA鎖伸長用酵素系、およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された反応系を、DNA鎖を熱変性する温度まで引き上げこの反応系の温度をアニール処理する温度(以下、「アニール処理温度」という)まで下げ一定温度を保ち、当該反応系でDNA鎖の伸長と増幅反応を行うものである。さらに、これら各処理を同一の液相系で行う。
ここで使用される基板の表面には、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位とカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質が存在するようになっている。
このリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位とカルボン酸誘導基を含む第二単位とを有する高分子物質は、DNA鎖の非特異的吸着を抑制する性質とDNA鎖を固定化する性質とを併せ持つポリマーである。特に、第一単位に含まれるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基は鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基はプライマーを化学的に固定化する役割を果たす。すなわち、プライマーは、この高分子物質からなるコーティング層のカルボン酸誘導基の部位で共有結合して、当該基板の表面に固定化される。
第一の単位は、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン基;
2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;
アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;
等の基を有し、ホスホリルコリン基がこれらの基中に含まれている構成とすることができる。
また、これらの基のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを有する構成とすることにより、基板表面における鋳型DNA断片の非特異的吸着をより一層確実に抑制することができる。
なお、ここでは基本骨格として下記式(a)に示すホスホリルコリン基である例を挙げたが、このホスホリルコリンを下記式(b)のホスホリルエタノールアミン基、下記式(c)のホスホリルイノシトール基、下記式(d)のホスホリルセリン基、下記式(e)のホスホリルグリセロール基、下記式(f)に示したホスファチジルホスホリルグリセロール基などのリン酸基に置き換えてもよい(以下についても同様)。
Figure 2007074928
カルボン酸誘導体は、カルボン酸のカルボキシル基が活性化されたものであり、C=Oを介して脱離基を有するカルボン酸である。カルボン酸誘導体は、具体的には、アルコキシル基よりも電子求引性の高い基がカルボニル基に結合して求核反応が活性化された化合物である。カルボン酸誘導基は、アミノ基、チオール基、水酸基等に対する反応性を有する化合物である。
カルボン酸誘導体として、さらに具体的には、カルボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基が、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、活性化アミドに変換された化合物が挙げられる。カルボン酸誘導基は、こうした化合物に由来する活性化された基であり、たとえば、p−ニトロフェニル基やN−ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基;
―Cl、−F等のハロゲン;
等の基を有することができる。
また、カルボン酸誘導基は、下記式(1)に示される基とすることができる。
Figure 2007074928
(ただし、上記式(1)において、Aは水酸基を除く脱離基である。)
上記式(1)に示される一価の基は、たとえば下記式(p)または式(q)から選択されるいずれかの基とすることができる。
Figure 2007074928
(ただし、上記式(p)および式(q)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、一価の有機基であり、直鎖状、分岐状、および環状のいずれであってもよい。また、上記式(p)において、R1はCとともに環を形成する二価の基であってもよい。また、上記式(q)において、R2はNとともに環を形成する二価の基であってもよい。)
上記式(p)に示される基として、たとえば下記式(r)、(s)、および(w)に示される基が挙げられる。また、上記式(q)に示される基として、たとえば下記式(u)に示される基が挙げられる。
上記式(1)に示される基は、たとえば下記式(r)、式(s)等に示される酸無水物由来の基;
下記式(t)に示される酸ハロゲン化物由来の基;
下記式(u)、式(w)に示される活性エステル由来の基;または
下記式(v)に示される活性化アミド由来の基とすることができる。
Figure 2007074928
カルボン酸誘導基のうち、活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れるため、好ましく用いられる。穏やかな条件としては、たとえば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらにまた具体的にはpH8.0とすることができる。
また、本明細書において規定するところの「活性エステル基」は、その定義について厳密な規定はなされていないが、慣用の技術表現としては、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。なお、ペプチド合成の分野においては、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著、「ペプチド合成の基礎と実験」、1985年発行、丸善、に記載されているように、活性エステル法はアミノ酸またはペプチドのC末端を活性化する方法の一つとして用いられている。
実際的には、エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
ここでは、高分子物質中の活性化カルボン酸誘導体基が活性エステル基である場合を例に、説明する。活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、たとえばp−ニトロフェニル基が好ましく用いられる。
表面にプライマーが固定化される基板の場合、第一単位と第二単位のさらに具体的な構成の組み合わせとして、たとえば、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、活性エステル基がp−ニトロフェニル基である構成とすることができる。
また、本実施形態の基板のコーティング層に使用される高分子物質は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基およびカルボン酸誘導基以外に他の基を含んでもよい。また、高分子物質は共重合体とすることができる。具体的には、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む共重合体であることが好ましい。こうすることにより、高分子物質を適度に疎水化し、この高分子物質の基板表面への吸着性をさらに好適に確保することができる。
具体的には、高分子物質を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)基を有する第一単量体と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)基を有する第二単量体と、ブチルメタリレート(BMA)基を有する第三単量体との共重合体とすることができる。これらの共重合体であるpoly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)は、模式的に下記一般式(2)で示される。
Figure 2007074928
ただし、上記一般式(2)において、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。また、上記一般式(2)において、第一〜第三単量体がブロック共重合していてもよいし、これらの単量体がランダムに共重合していてもよい。
上記一般式(2)で示される共重合体は、高分子物質の適度な疎水化と、鋳型DNA断片の非特異吸着を抑制する性質と、プライマーを固定化する性質とのバランスとに、より一層優れた構成である。このため、このような共重合体を用いることにより、基板表面をより一層確実に高分子物質で被覆するとともに、高分子物質がコーティングされた基板上への鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制しつつ、プライマーをさらに確実に共有結合により固定化して基板上に導入することができる。
なお、上記一般式(2)で示される共重合体は、MPC、BMA、およびNPMAの各単量体を混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により得ることができる。上記一般式(2)で示される共重合体をラジカル重合により作製する場合、たとえば、Ar等の不活性ガス雰囲気にて、30℃以上90℃以下の温度条件で溶液重合を行うことができる。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒とすることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤;
過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物;
などが用いられる。
さらに具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒およびAIBNを用い、Ar中、60℃にて2〜6時間程度重合を行うことができる。
なお、本実施形態では、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有する例を説明したが、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位とカルボン酸誘導基を含む第二単位とを有する高分子物質を第一の高分子物質とし、これに加えて、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位とブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含んでいてもよい。
なお、上記第一の高分子物質の第一単位と上記第二の高分子物質の第一単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。また、上記第一の高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を含むとき、この第一の高分子物質の第三単位と上記第二の高分子物質の第三単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
このような第二の高分子物質は、鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制するポリマーとして用いられる。このようなポリマーとしては、たとえばホスホリルコリン基が30モル%、ブチルメタクリレート基が70モル%の割合で含まれているものであるMPCポリマー(日本油脂社製)を用いることができる。
なお、高分子物質が上記第一の高分子物質、第二の高分子物質からなる場合、これらの高分子物質が混合されている構成とすることができる。各々の高分子物質のポリマーは、たとえばエタノール溶液に溶解できるため、それぞれのポリマー溶液を混合することにより容易に混合ポリマーを得ることができる。
以上のような高分子物質からなるコーティング層を表面に含む基板は、所定の形状に加工された基板の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に基板を浸漬し、乾燥してもよい。
また、基板として、プラスチック材料を用いた場合には、形状やサイズの変更に対する柔軟性が確保される上に、ガラス基板のものに比べて安価で提供することができるという観点から好ましい。このようなプラスチック材料としては、表面処理の容易性および量産性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものを用いることができる。蛍光発生量の少ない樹脂を用いることにより、DNA鎖の検出反応におけるバックグランドを低下させることができるため、検出感度をさらに向上させることができる。蛍光発生量の少ない熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン;
環状ポリオレフィン;
含フッ素樹脂;
等を用いることができる。上記樹脂の中でも、飽和環状ポリオレフィンは、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、透明性および成形性に特に優れるため、光学的な分析に好適であり、基板の材料として好ましく用いられる。
ここで、飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体を指す。前者の例としては、たとえばノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンに代表されるノルボルネン系モノマー、及び、これらのアルキル置換体を開環重合して得られる重合体を水素添加して製造される飽和重合体である。後者の共重合体はエチレンやプロピレン、イソプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンと環状オレフィン系モノマーのランダム共重合体を水素添加することにより製造される飽和重合体である。共重合体では、エチレンとの共重合体が最も好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種類またはそれ以上の共重合体あるいは混合物であってもよい。また、環状オレフィン構造を有する単量体が開環重合して得られる飽和環状ポリオレフィンだけでなく、環状オレフィン構造を有する単量体の付加重合により得られる飽和環状ポリオレフィンを用いることもできる。
以上のような高分子物質を表面に含むプラスチック材料からなる基板は、所定の形状に加工された基板の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に基板を浸漬し、乾燥してもよい。
なお、基板の材料をプラスチックとした場合、形状は板状には限られず、たとえばフィルム状やシート状であってもよい。具体的には、基板を可とう性のプラスチックフィルムとすることもできる。また、基板は、一つの部材から構成されていてもよいし、複数の部材から構成されていてもよい。
次に、基板の表面へのプライマーの固定化方法について説明する。
例えば、(i)基板上の高分子物質に含まれる複数の活性エステル基のうち、少なくとも一部の活性エステル基とプライマーとを反応させて共有結合を形成させることにより、基板表面でプライマーを固定化し、続いて(ii)プライマーを固定化した以外の基板表面の活性エステル基を不活性化する、すなわち残りの活性エステル基を不活性化することにより、プライマーを基板の表面に固定することができる。以下、それぞれの工程について説明する。
上記工程(i)において、鋳型DNA断片とアニールするプライマーを基板上に固定化する際には、プライマーを溶解または分散した液体を点着する方法が好ましい。高分子物質に含まれる活性エステル基の一部がプライマーと反応して、プライマーの間で共有結合が形成される。
このプライマーを溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。
また、点着後、基板表面に固定化されなかったプライマーを除去するため、純水や緩衝液で洗浄してもよい。
また、上記工程(ii)に示したように、洗浄後はプライマーを固定化した以外のプラスチック基板表面の活性エステルの不活性化処理をアルカリ化合物、あるいは一級アミノ基を有する化合物で行う。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウムなどを用いることができる。
一級アミノ基を有する化合物としては、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ2,3−ジヒドロー1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5-アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2−アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレンなどを用いることができる。これらのうち、アミノエタノール、グリシンを用いることが好ましい。
また、基板に固定化するプライマーには、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基を導入しておくことが好ましい。アミノ基は活性エステル基との反応性に優れるため、アミノ基が導入されたプライマーを用いることにより、効率よくかつ強固に基板の表面上にプライマーを固定化することができる。アミノ基の導入位置はプライマーの分子鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端に導入されていることが、相補的な鋳型DNA断片とのアニーリングをより一層効率よく行うことができるという観点からは、好ましい。
以上により、基板の表面上にプライマーが固定化されたDNAマイクロアレイが得られる。
上記のように得られるDNAマイクロアレイの基板の表面に固定化されたプライマーにアニールさせるDNA鎖伸長用の鋳型DNA断片およびDNA鎖伸長用酵素系、ヌクレオチドモノマーを含む試料が導入される。また、DNA増幅用に用いる鋳型としてDNA断片の代わりに、鋳型RNA断片を用いても同様の作用効果を有する。
この導入された試料からなる反応系としては、鋳型がDNA断片である場合には、DNA鎖伸長用酵素系は、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼのいずれかを用い、また鋳型がRNA断片である場合には、DNA鎖伸長用酵素系は、逆転写酵素、またはDNAリガーゼおよび逆転写酵素の組合せのいずれかの存在下で、ヌクレオチドモノマー(dATP,dCTP,dGTP,dTTPなど)を含有するMPEC用バッファを用いることができる。
また、DNAポリメラーゼの中でも、特に耐熱性細菌に由来するDNAポリメラーゼであるTaqDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼなどを用いることもできる。
また、これらヌクレオチドモノマーの少なくとも一種をラベルしておくことができる。例えば、dTTPの塩基の3位を蛍光ラベルしたCy3−dUTPをヌクレオチドモノマーとして用いることで、鋳型DNA断片のアデニン(A)に対応する伸長(プライマー)側の位置にCy3−dUTPが挿入される。これにより、伸長反応が生じたプライマーから形成されるDNA断片がCy3−dUTPで蛍光染色されて、このDNA断片の検出を行うことができるようになる。
を導入することにより、
なお、他のヌクレオチドモノマーをラベルしてもよく、また複数の種類のヌクレオチドモノマーをラベルしてもよい。また、ラベル方法も蛍光体の導入の他に、光吸収体の導入の方法、放射線ラベルの方法(P32-ATP、P32-dATP)、酵素標識などの非放射性ラベルの方法などによってもDNA鎖を検出することができる。
この酵素標識の方法においては、ビオチン(biotin)化またはジゴキシゲニン(DIG:ステロイド系天然物)を結合した核酸(例えば、biotin-dUTP、DIG-dUTP)を使用してプライマーを伸張させた後、蛍光標識化したり、アルカリフォスファターゼまたはアルカリフォスファターゼ処理しニトロブルーテトラゾリウム(NBT)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)液中で数時間反応させることによってDNAを検出することができる。
試料が導入された反応系の温度を、初めDNA鎖の熱変性温度(melting temperature:Tm)以上、例えば90℃〜95℃まで上昇させる。この熱変性処理により、自己相補鎖などで見られる折れたたみ構造を有する鋳型DNA断片やプライマーが直鎖状の一本鎖になる。
続いて、反応系の温度をプライマーと鋳型DNA断片とがアニールする温度(アニール温度)、例えば4℃〜65℃、好ましくは35℃〜65℃まで下降させる。このアニール処理により、鋳型DNA断片の一部と相補的な配列を有するプライマーと、この鋳型DNA断片とが二本鎖になる。この反応系に対して、洗浄処理を行わずにそのまま一定温度を保ち、DNA鎖の伸長反応および増幅反応を行う。
ここで、従来では、アニール処理した後で伸長反応の前に、二本鎖を組まなかったDNA断片(またはRNA断片)を除くための洗浄処理が必要であったが、本実施形態では、基板上に非特異的に吸着するDNA断片(またはRNA断片)がないため、および基板表面環境がDNA鎖伸長にかかる酵素反応に適しているため基板の洗浄処理が不要になる。このようにして、試料導入からDNA鎖の伸長反応までを同一の液相系、すなわち反応系をそのまま用いることができる。
アニール処理を行った反応系の温度を、一定温度に保つように制御する。あるいは、当該反応系の温度を、前記アニール処理温度と前記熱変性処理温度との間の所定の温度、例えば35℃〜75℃の範囲での所定の温度に保つ。一定温度に保つ保持時間は30分から4時間であることが好ましい。このように反応系の温度を一定に保持することにより、MPEC法によるDNA鎖の伸長反応が起こる、DNA鎖の伸長がある長さまで進むと、鋳型DNA断片はまだ伸長していないプライマーへと随時移り、プライマーの伸長反応が起こる。このように従来のようにヒートサイクルを繰り返すことなく、DNA鎖の増幅が可能となる。
ここでは、鋳型DNA断片に対して耐熱性DNAポリメラーゼを用いた例を示したが、DNA鎖を鋳型として新たなDNA鎖を合成する酵素であれば特に限定はされない。このようなDNAポリメラーゼとしては、ポルI型DNAポリメラーゼ(大腸菌DNAポリメラーゼI、クレノウ断片など)、α型DNAポリメラーゼ(ピロコッカス・フリオサス由来DNAポリメラーゼ、VENT DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、DEEP VENT DNAポリメラーゼ)及び非α非ポルI型DNAポリメラーゼ(国際公開第97/24444号パンフレット記載のDNAポリメラーゼ)等が挙げられる。
DNAポリメラーゼの代わりに、DNAリガーゼを用いてもDNA鎖伸長および増幅を行うことが可能である。
また、鋳型RNA断片を用いた場合、鋳型RNA断片に直接基板上のプライマーを作用させて、逆転写酵素を用いて、プライマー側にDNA鎖伸長させることが可能である。また、鋳型RNA断片に逆転写酵素を作用させて一旦cDNA(相補的DNA)を合成(第一鎖合成)してから、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼを作用させても、プライマー側にDNA鎖伸長および増幅させることが可能である。
このDNA鎖増幅のためには、基板上の一定の区画内に複数のスポットを設けておき、各スポットにプライマーを固定化しておき、マイクロアレイを形成しておくことが好ましい。
また、基板の表面に固定化させるDNA増幅用プライマーの長さを目的や用途に応じて任意に決定することができ、例えば5〜50塩基とすることができる。
伸長反応の後に、反応液を捨てて、DNAマイクロアレイを、例えば0.1wt%のSDS溶液を用いて洗浄して、終了する。
以下に、本実施形態のDNA鎖伸長方法の適用例について説明する。
(SNP解析)
所定の着目遺伝子の特徴配列を含む塩基配列と相補的な配列を完全マッチ配列とするとき、プライマーをこの完全マッチ配列の一塩基を他の塩基に置き換えることで、SNP解析を行うことが可能になる。なお、プライマーは25塩基以内の長さを有するものを用いることが好ましい。
すなわち、ある着目遺伝子の特徴配列と一塩基だけミスマッチとなるDNA断片をプライマーとして基板の表面に固定化する。このとき、例えば384穴(各穴256スポット)、96穴(各穴1024スポット)のマイクロアレイを用いて、各スポットに固定化されたプライマーの配列を把握しておくようにする。この特徴配列を含むDNA鎖を鋳型DNA断片として用いてサンプル導入を行い、熱変性処理を行って、アニール処理を行う。アニール処理温度を保つことにより、鋳型DNA鎖断片と二本鎖を形成できるプライマーだけ伸長反応が起こり、随時伸長反応起こることにより増幅される。
また、前述したように導入されるサンプル中にラベルされたヌクレオチドモノマーを含めておくことで、プライマーから伸長反応により得られるDNA断片がラベルされ、反応後、洗浄を行い、基板に残った蛍光DNA断片を含むスポットの検出を行い、各アレイに固定化されたプライマーの配列が把握されていることから、検出されたスポットに固定化されたプライマーの配列を知ることができる。これにより、伸長反応が起こったプライマーの塩基配列がわかり、前記着目遺伝子の特徴配列を含む鋳型DNA断片に対する一塩基多型を解析することが可能になる。
(SBH解析)
所定数、例えば6〜10mer、好ましくは8merの塩基配列を有するプライマーを、全組合せ、例えば8merのプライマーを用いた場合には、全組合せである48=65536種類のプライマーを用意して、各々のプライマーがマイクロアレイのひとつのスポットに固定化させることにより、塩基配列決定(SBH)解析を行うことが可能になる。
すなわち、前記の各プライマーをマイクロアレイの各スポットにそれぞれ固定化する。このとき、各スポットに固定化されたプライマーの配列を把握しておくようにする。未知の塩基配列のDNA断片を鋳型DNA断片として用いてサンプル導入を行い、熱変性処理を行って、アニール処理を行う。アニール処理の温度を保つことにより鋳型DNA鎖断片と二本鎖を形成できるプライマーにだけ伸長、増幅される。
また、前述したようにサンプル中にラベルされたヌクレオチドモノマーを含めておくことで、プライマーから伸長反応により得られるDNA断片がラベルされ、DNA鎖の伸長増幅後、洗浄を行い、基板に残った蛍光DNA断片を含むスポットの検出を行い、各アレイに固定化されたプライマーの配列が把握されていることから、検出されたスポットに固定化されたプライマーの配列を知ることができる。これにより、伸長反応が起こったプライマーの塩基配列がわかる。
ここで、基板上で伸長反応が起こったスポットを検出した後、検出されたスポットに固定化されているプライマーのランダム配列群の各配列を取り出し、配列の前後で一塩基ずらしてオーバーラップするように順番付けして順番付け配列群が得られる。この順番付け配列群に示された順番にしたがって、各プライマーの先頭の塩基を読んで行き、最後のプライマーについては全塩基配列を読んで得られる塩基配列に基づいて、未知の塩基配列を有する鋳型DNA断片の塩基配列を決定することができる。
なお、プライマーが6塩基長の場合は4096種類のプライマーを用意する必要があり、プライマーが7塩基長の場合は16384種類のプライマーを用意する必要がある。これらのプライマーは、機能未知(nc)RNAおよびマイクロ(mi)RNAなどの20mer〜50merの比較的小分子の探索、遺伝子配列解析に用いることができる。
また、プライマーが8塩基長の場合は65536種類のプライマーを用意する必要があり、プライマーが9塩基長の場合および10塩基長の場合は、それぞれ262144および1048576種類のプライマーを用意する必要がある。これらのプライマーは、通常の遺伝子配列解析に用いることができる。
(遺伝子発現プロファイル解析)
まず、サンプルを調整および発現プロファイル解析するための従来の方法を示す。
目的に応じた生体組織から全RNA(totalRNA)を抽出する。さらに全RNAからは逆転写酵素を用いた反応によって、cDNAを合成する(第一鎖合成)。逆転写酵素を用いた反応の際にはdNTPとアミノアリルdUTPを一定の割合で混合したものを加えて、アミノアリルdUTPを取り込んだcDNAを合成する。
なお、組織から得た全RNA量が少ない場合は、逆転写反応によりcDNAを合成した後、2本鎖のcDNA(転写鋳型DNA断片)を合成し(第二鎖合成)、それを鋳型として、RNAポリメラーゼを作用させてアンチセンス鎖のRNA(aRNA)を増幅する。このRNA増幅の際にdNTPとアミノアリルdUTPとを一定の割合で混合したものを加えることで、アミノアリルdUTPを取り込んだaRNAを合成することができる。
続いて、上記のcDNAまたはアンチセンスアミノアリルRNA(aRNA)をエタノール沈殿した後、0.2M炭酸ナトリウムバッファー(NaHCO3−Na2CO3(pH9.0))に溶解する。DMSOに溶解しておいた蛍光色素(Cy3またはCy5)を加えて、常法に従い、cDNAまたはaRNAに取り込ませておいたアミノアリルdUTPとカップリング反応させ、cDNAまたはaRNAを蛍光標識する。遊離の蛍光色素をゲルろ過カラムまたはフィルターなどを用い常法の精製により除去した後、aRNAについてはさらにフラグメンテーションバッファー(終濃度0.04M酢酸トリアミノメタン(pH8.1)、0.1M酢酸カリウム、0.03M酢酸マグネシウム)を加えて95℃で15分間反応後、クラッシュアイスで急冷してaRNAを断片化する。ゲル電気泳動などの方法によりフラグメント化を確認した後、ゲルろ過フィルターで精製・濃縮する。
次に、調製したcDNAまたはaRNAとマイクロアレイのプライマーとのハイブリダイゼーションを行う。cDNAまたはaRNAにハイブリダイゼーションバッファー(最終濃度5×SSC、0.5(v/v)%SDS、4×Denhardt's solution)及びホルムアミド(Formamide)を適宜混合し、DNAマイクロアレイと45℃〜60℃で一晩ハイブリダイゼーションする。ハイブリダイゼーション後、2×SSC−0.1(v/v)%SDS溶液、2×SSC溶液、1×SSC溶液で5分間ずつ洗浄したのち、蛍光読取装置(例えば、CRBIO(r) IIe;日立ソフトウエアーエンジニアリング製)を用いて画像をスキャンし、解析ソフト(例えば、DNASIS(r)Array;日立ソフトウエアーエンジニアリング製)を用いてシグナル強度を定量化する。
なお、ここでは、aRNAの合成を示しているが、途中の工程で得られるcDNAが解析に十分な量であれば、このcDNAを直接解析してもよい。
この方法では、複雑な前処理工程を行うため、それぞれの試料で条件選定など設定条件が多くなる上に、全工程で少なくとも5日〜一週間はかかってしまうのが迅速な遺伝子検査の上で問題であった。
そこで、本実施形態では、基板の表面に、解析対象となる遺伝子の特徴配列に相当する塩基配列を有するDNA断片をプライマーとして用いて、各々のプライマーをマイクロアレイのひとつのスポットに固定化させておく。そこで、全RNAに逆転写酵素を作用させてcDNAを得る第一鎖合成を行った後に、第一鎖合成により得られるcDNA(または必要に応じて増幅させて得られるaRNA)を鋳型DNA断片として用いて、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼの作用により基板上のプライマー側で伸長反応を行うことで、発現遺伝子を特定することが可能になる。
また、前述のように、全RNAを鋳型として、前記の基板上に設けられた所定の配列を有するプライマーをハイブリダイズさせて、逆転写酵素を作用させることで、直接基板上のプライマー側で伸長反応を行うことが可能であり、これによっても発現遺伝子を特定することが可能になる。
すなわち、既知の遺伝子が有する特徴配列と相補的な塩基配列を有するプローブが、特定の細胞由来の全RNAから得られる鋳型DNA断片中に存在するか否かが分かる。
すなわち、全RNAに対するcDNAを鋳型DNA断片として用いる例をとって説明すると、前記の各プライマーをマイクロアレイの各スポットにそれぞれ固定化する。このとき、各スポットに固定化されたプライマーの配列を把握しておくようにする。前述したようにして得られる所定の全RNAから合成されたcDNAを鋳型DNA断片として用いてサンプル導入を行い、熱変性処理を行って、アニール処理を行う。アニール処理温度を保つことにより鋳型DNA鎖断片と二本鎖を形成できるプライマーだけ伸長反応が起こり、かつ増幅される。
また、前述したように導入されるサンプル中にラベルされたヌクレオチドモノマーを含めておくことで、プライマーから伸長反応により得られるDNA断片がラベルされ、伸長増幅反応後の洗浄で基板に残った蛍光DNA断片を含むスポットの検出を行い、各アレイに固定化されたプライマーの配列が把握されていることから、検出されたスポットに固定化されたプライマーの配列を知ることができる。これにより、伸長反応が起こったプライマーの塩基配列がわかり、全RNAがどの遺伝子から発現されて得られたものであるか、すなわち遺伝子発現プロファイルを解析することが可能になる。
この方法によれば、遺伝子発現プロファイル(gene expression profile)解析を、通常の解析において手間と時間がかかるサンプル調製をほとんど行うことなく、ゲノムDNA又は全RNAからの逆転写産物cDNAを鋳型DNA断片として用い簡便な操作で行うことができるようになる。
以上の用途のほかには、
マイクロサテライト解析、染色体異常解析(CGH:Comparative Genomic Hybridization)、機能未知(nc)RNA探索などの遺伝子解析用基本ツールへの適用;
これらツールを使用した臓器・疾患別遺伝子発現解析チップ、変異原性試験キット(環境ホルモン)、遺伝子組換え食品検査キット、ミトコンドリア遺伝子配列解析キット、親子鑑定・犯罪捜査のための解析キット、先天性疾患解析キット、染色体・遺伝子異常解析キット、遺伝子診断(着床前・出生前)キット、薬物反応関連遺伝子多型解析キット、脂質代謝関連遺伝子多型解析キット、耳鼻科・眼科領域遺伝子多型解析キットなどの用途別カスタムチップへの適用;
ガン予後予測チップ、医薬品開発(臨床・創薬)用チップ、健康食品開発用チップなどの診断・臨床用カスタムチップへの適用;
微生物限度試験や食品飲料水中の微生物検査などの薬品・食品製造工程、およびう蝕・歯周病関連菌の検出、日和見感染菌の検出などの歯科領域の臨床検査、および食品工場・厨房施設環境検査、飲料・公衆浴場、井戸水などの水質検査における環境検査、および感染症・食中毒の予防、会社従業員の衛生管理などの保健衛生、および耐性菌を含む一般細菌同定、肝炎ウイルス、ヘリコバクターピロリ、肝炎クラミジア菌、エイズウイルス、SARSウイルス、ウエストナイルウイルス、ノロウイルス(生カキ由来の食中毒)、インフルエンザウイルス、真菌・カビなどの臨床検査などの微生物同定検査キットへの適用
などが挙げられる。
(実験例1)
以下の手法にて、プライマーを、本実施形態に対応するプラスチックおよびガラス基板、および従来の基板に対応するアルデヒド基板の各基板の表面に固定化して、各基板上でDNA鎖増幅反応を行って、プライマーのDNA鎖増幅反応を検出した。
(プラスチック基板の製造)
飽和環状ポリオレフィン樹脂(5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR(Melt flow rate):21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度123℃)を用い、射出成形によりスライドガラス形状の基板を得た。基板を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、プラスチック基板を得た。
(ガラス基板の製造)
通常のガラス基板を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、ガラス基板を得た。
(アルデヒド基板の製造)
飽和環状ポリオレフィン樹脂5−メチル−2−ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR:21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度温度:123℃)を用い、射出成形によりスライドグラス形状の基板を得た。この成形物に低温酸素プラズマ処理により表面に親水化処理を施した。次に、アミノアルキルシランとしてγ−アミノプロピルトリエトキシシランをメタノール中に5%の濃度で溶解させたものをアミノ基導入処理液として調製し、この溶液の中に2時間浸漬の後、基板を溶液から取り出し、超純水中に浸漬し放置後基板を取り出し乾燥した。グルタルアルデヒドをPBS(−)中に2%の濃度で溶解させてグルタルアルデヒド溶液を調製し、アミノアルキルシラン処理を行なった基板をグルタルアルデヒド溶液中に浸漬し、4時間放置した後、基板を取り出して超純水中に浸漬し、洗浄乾燥した。これにより、表面にアルデヒド基を有するアルデヒド基板が得られた。
(プライマー固定)
5’末端がアミノ基で修飾されたオリゴDNA(20塩基鎖)を0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのオリゴDNA溶液を調製した。この溶液をスポッタ(日立ソフトウェアーエンジニアリング製Marks-I)を用い、100μm径クロスカットピンでプラスチック基板およびガラス基板、およびアルデヒド基板の表面上に、それぞれスポットした。オリゴDNAをスポットした各基板を、200μlの0.25Mリン酸バッファ(pH8.5)で内部を湿らせた密閉容器(10cm×15cm×3cm)中で一昼夜浸して、オリゴDNA(プライマー)を固定化させた。
(DNA鎖増幅反応)
導入する鋳型DNA断片として、所定の50merの、予め5’末端をCy5にて標識したDNA断片を用いて、鋳型DNA断片の濃度が100pMとなるような反応系とした。また、DNA鎖伸長用酵素系として、DNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製Ex Taq)を用いた。
続いて、熱変性処理を95℃5分で行い、次いでアニール処理及び伸長増幅反応を37℃で行った。伸長増幅反応時間は30分、60分、90分、120分、150分とした。
以下、サンプル中にCy3−dUTPを含めておいて各基板において行ったDNA鎖増幅反応におけるCy3−dUTP由来の蛍光強度を測定した結果を以下に示す。
Figure 2007074928
本実施形態に対応するプラスチック基板およびガラス基板では、伸長増幅時間を長くすることによりシグナルが強くなっており基板上でのDNA鎖伸長増幅が起きており、一方で、従来の基板に対応するアルデヒド基板ではDNA鎖伸長は起きていないと考えられる。また、本実施形態に対応するプラスチック基板およびガラス基板では、ヒートサイクルを行わなくても検出可能なシグナルを得ることが可能である。

Claims (6)

  1. リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板に、DNA伸長用のプライマーとなるDNA鎖を固定化させ、所望する配列を有する鋳型DNA断片または鋳型RNA断片、DNA鎖伸長用酵素系、およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された液相系を、DNA鎖を熱変性する温度(以下、「熱変性処理温度」という)まで引き上げ、
    前記液相系の温度をアニール処理する温度(以下、「アニール処理温度」という)まで下げ、一定の処理温度を保ち、基板上に固定化されたプライマーDNA鎖の伸長と増幅を行うことを特徴とする、DNA鎖増幅方法。
  2. 請求項1に記載のDNA鎖増幅方法において、
    前記液相系で、アニール処理してDNA鎖の伸長反応を行うまでに洗浄処理が介在しないことを特徴とするDNA鎖増幅方法。
  3. 請求項1に記載のDNA鎖増幅方法において、
    前記鋳型がDNA断片である場合に、前記DNA鎖伸長用酵素系は、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼのいずれかであることを特徴とするDNA鎖増幅方法。
  4. 請求項1に記載のDNA鎖増幅方法において、
    前記鋳型がRNA断片である場合に、前記DNA鎖伸長用酵素系は、逆転写酵素、またはDNAリガーゼおよび逆転写酵素の組合せのいずれかであることを特徴とするDNA鎖増幅方法。
  5. 請求項1に記載のDNA鎖増幅方法において、
    前記基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかであることを特徴とするDNA鎖増幅方法。
  6. 請求項1に記載のDNA鎖増幅方法において、
    前記、ヌクレオチドモノマーの何れかに標識がなされていることを特徴とするDNA鎖
    増幅方法。
JP2005263988A 2005-09-12 2005-09-12 Dna鎖増幅方法 Expired - Fee Related JP4916689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005263988A JP4916689B2 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 Dna鎖増幅方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005263988A JP4916689B2 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 Dna鎖増幅方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007074928A true JP2007074928A (ja) 2007-03-29
JP4916689B2 JP4916689B2 (ja) 2012-04-18

Family

ID=37935857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005263988A Expired - Fee Related JP4916689B2 (ja) 2005-09-12 2005-09-12 Dna鎖増幅方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4916689B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007141912A1 (ja) * 2006-06-07 2007-12-13 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Rna検出方法
JP2008278800A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd Rnaウイルスの検出法
JP2009060859A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd 遺伝子の検出方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002505080A (ja) * 1997-12-22 2002-02-19 日立化成工業株式会社 オリゴヌクレオチド固定化pcrマイクロプレート上での直接rt−pcr
JP2003325199A (ja) * 2002-05-13 2003-11-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 核酸分析方法及び核酸検出チップ
JP2004198402A (ja) * 2002-12-02 2004-07-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd マイクロアレイ及びその製造方法
WO2005029095A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. バイオチップ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002505080A (ja) * 1997-12-22 2002-02-19 日立化成工業株式会社 オリゴヌクレオチド固定化pcrマイクロプレート上での直接rt−pcr
JP2003325199A (ja) * 2002-05-13 2003-11-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 核酸分析方法及び核酸検出チップ
JP2004198402A (ja) * 2002-12-02 2004-07-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd マイクロアレイ及びその製造方法
WO2005029095A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. バイオチップ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007141912A1 (ja) * 2006-06-07 2007-12-13 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Rna検出方法
JPWO2007141912A1 (ja) * 2006-06-07 2009-10-15 住友ベークライト株式会社 Rna検出方法
US8088580B2 (en) 2006-06-07 2012-01-03 Sumitomo Bakelite Company, Ltd. RNA detection method
JP2008278800A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd Rnaウイルスの検出法
JP2009060859A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd 遺伝子の検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4916689B2 (ja) 2012-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8088580B2 (en) RNA detection method
JP6020164B2 (ja) 核酸の検出方法
CN115181793A (zh) 用于改进的固相dna杂交和扩增的低结合载体
JP3927580B2 (ja) Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
JP5155660B2 (ja) cDNAおよびRNA鎖の製造方法
JP2003510054A (ja) 単一ヌクレオチド多形性の平行遺伝子型決定のための三次元ミクロアレイシステム
JP2003510054A5 (ja)
JP4916689B2 (ja) Dna鎖増幅方法
JP2009219358A (ja) 遺伝子の検出方法及び遺伝子検出用担体
JP2006230335A (ja) 遺伝子の検出方法
JP2007222010A (ja) 遺伝子の検出方法及び遺伝子検出用担体
JP5003484B2 (ja) 遺伝子の検出方法
JP2007105057A (ja) Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
JP5157382B2 (ja) Rna配列の検出方法
JP2009011247A (ja) 遺伝子の検出方法
JP2013102716A (ja) 胃癌の再発を判定する方法
JP2006246774A (ja) Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
JP4922936B2 (ja) 細菌の検出方法
JP2007289088A (ja) 遺伝子の検出方法
JP2006174788A (ja) Dna鎖伸長方法、dna鎖増幅方法およびdna鎖伸長用マイクロアレイ
JP4534818B2 (ja) バイオマテリアル用高分子化合物およびそれを用いた高分子溶液
JP2007330104A (ja) Dna鎖伸長方法およびdna鎖伸長用アレイ
JP2008232899A (ja) 基板およびその使用方法
JP2006234712A (ja) Dnaの固定化方法
JP2008061515A (ja) Dna配列の検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110427

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120123

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees