JP5155660B2 - cDNAおよびRNA鎖の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遺伝子の保存や分析に有用なポリヌクレオチド固定化担体、そのポリヌクレオチド固定化担体を用いるcDNAの製造方法、並びにcDNAを鋳型としたDNA鎖及びRNA鎖の製造方法に関する。
大部分の生物は、遺伝情報がDNAの形で保存されている。このDNAはメッセンジャーRNA(mRNA)に転写され、次いで、このmRNAはタンパク質に翻訳される。真核細胞においては、ゲノムDNAが成熟mRNAにプロセシングされるときに、通常、いくつかの遺伝情報の欠落が起こる。この欠落はイントロン/エキソン、すなわち、RNAスプライシングもしくはタンパク質のプロセシングによって起こる。したがって、タンパク質構造の遺伝的基礎的解析は、ゲノムDNAよりもmRNAを使って研究するほうが有利である。
しかし、mRNAは非常に不安定であり、種々のRNA分解酵素により、容易に分解を受ける。そこで、従来mRNAをもとに合成したDNA鎖(cDNA)が研究の材料に使われている。cDNAはターゲットのmRNAを鋳型として、1本鎖DNAを生産できる逆転写酵素を用いつくられる。
ポリペプチドをコードする配列を含むmRNA(すなわち、センスmRNA)の転写に関与するベクターのプロモーターの利用に加えて、相補的cDNA鎖から転写されたアンチセンスmRNAをつくることもできる。アンチセンスmRNAは、タンパク質の生物学的機能や、その作用が未だ知られていないmRNAを理解する有用な道具である。アンチセンスRNA分子はターゲットmRNAと共にアニールさせ、翻訳を阻害することによって、特異的タンパク質の生産をブロックする。それため、この型の翻訳阻害は種々の病状に関連するいろいろな遺伝子産物の研究に重要であろうと思われる。
1本鎖cDNAは、DNAポリメラーゼの触媒作用による2本鎖cDNAの合成の基礎として使用されるほか、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(以下、PCRという。)の鋳型として使用できる。この方法で、反対向きの複数のヌクレオチド・プライマーと熱安定性DNAポリメラーゼを用いて、特異的な遺伝子配列を迅速に増幅できる。アニーリングとDNA合成のサイクルを繰り返すことにより、ターゲット遺伝子のコピーが速やかにつくられる。こうして、センス1本鎖cDNAは、それに対応する2本鎖cDNAのセグメントを特異的に増幅させるため使われる。
液相法では、生じた2本鎖cDNAは分子の方向を決定するマーカーが含まれていない。したがって、新しくつくられた2本鎖cDNAクローンは、その50%に転写方向の誤りがあると思われ、そのままではクローニング・ベクターへ挿入できない。それゆえ、ベクターへ正しい方向で挿入し、mRNAを迅速にクローニングする方法が、望まれている。
1本鎖cDNAあるいは2本鎖cDNAは、固相を用いることによってもつくられる(非特許文献1)。固相法では、通常、多孔性ビーズに固定されたポリデオキシチミジル酸(ポリdT)がmRNAのポリアデニル酸(ポリA)テイルと相補し結合する。次いで、アンチセンス1本鎖cDNAが、結合されたmRNAから逆転写酵素によってつくられる。鋳型のRNAが消化分解されたのち、第2のcDNA鎖がDNAポリメラーゼによって合成される。生じた2本鎖cDNAは、ビーズに固定化されたアンチセンス鎖をもっている。
しかし固相法においては、2本鎖cDNA産物は不溶性担体から切り離すことができない。この問題を避けるためには、2本鎖cDNA産物を加熱し、担体に固定された2本鎖cDNAから1本鎖cDNAを遊離させ、この1本鎖cDNAを用いて、2本鎖cDNAがPCRで合成される。しかし、これは反応にもう一つのステップが加わることを意味し、PCR反応ごとに適当な一揃いのプライマーが必要となる。
それゆえ、単離されたmRNAから、結合型ではない2本鎖cDNAクローンを創る単純な方法が要求されている。
また、cDNAクローンからmRNAを合成できる種々の方法も知られており、その一つは液相法である(非特許文献2)。この方法においては、RNAプロモーターをもつベクターに2本鎖cDNAが挿入される。ベクターは次いで、制限酵素で消化されて直鎖状となり、RNAポリメラーゼの作用でmRNAが合成される。合成されたmRNAは、鋳型DNAを除去するためDNaseで処理される。必要ならばこのとき、新たに合成されたRNAの末端に、ターミナル・トランスフェラーゼ及びdATPを用いてポリアデニル酸テイルが付加される。
mRNAの固相合成法もまた、よく知られている。その一つは、非特許文献3に書かれている。この方法では、DNA配列が制限酵素によってバクテリオファージ・ラムダのゲノムから消化されて、粘着末端をもつランダムDNA断片が生じる。これをT4DNAポリメラーゼを用い、ビオチン化dUTPによって粘着末端を満たし平滑化する。
T4DNAポリメラーゼによるDNA合成のあいだ、ビオチン化dUTPがハイブリダイズするように、むき出しのdAヌクレオチドをもつ粘着末端が残るように、制限酵素が選ばれる。ランダム配列が次に、アビジンをもつアクリルアミド担体に固定化される。mRNAが天然のラムダ・プロモーター配列をもつ配列から、T7RNAポリメラーゼ又はSP6RNAポリメラーゼを用いて、合成される。この系は、バクテリオファージ・ラムダにおける転写の速度論的解析の研究のため設計されたものである。
mRNAの液相及び固相合成法はいずれも、欠点を有している。液相合成法は、RNAプロモーター含有のベクターの使用が必要な上、挿入の後、ベクターは、直鎖状の配列に変換されなければならない。固相合成法は、いつも完全な遺伝情報を提供するとは限らない。なぜなら、この情報は固定化されたゲノムDNAの情報であってmRNAの情報ではないからである。それゆえ、改良されたmRNAの合成方法が望まれている。
非特許文献4には、固相担体にアミノ結合を介して共有結合されたオリゴヌクレオチドは、PCRの実験に便利に使用できると記載されている。しかし、ここで記載されているテクニックは、cDNAやRNAの生産を特異的に提供するものではない。そのうえ、担体に共有結合されたオリゴヌクレオチドを除くメカニズムについては何ら提供されていない。
特許文献1には、固体担体上にオリゴヌクレオチドを固定し、RNAを鋳型にして固体表面上でcDNAを生成させる方法が開示されている。また、特許文献2には、担体上にRNAを固定し、逆転写酵素でcDNAを製造する方法が開示されている。
しかしながら、固相表面と液相間での酵素を用いた、核酸鎖の伸長反応は起こりにくく、生成させたcDNAが、鋳型となるmRNAの発現状況を正確に反映したものか疑問が残る。
I.Raineriet al.、NucleicAcids Research, 19:4010, 1991 S. Shichijo et al., J. Neurosci. Res., 30:316-320, 1991 Hironori Terada(寺田博之)「固定化DNAによる転写の動的解析」(Biophysics(生物物理)、31:49-52、1991 Stamm et al., Nucleic Acids Res., 19:1350, 1991 特許公表平8−500722 特許公表2003−519482
本発明の目的は、不溶性担体においてmRNAを鋳型にDNA鎖の伸長反応が効率よく行え、かつ鋳型mRNAの発現状況を正確に反映したcDNAを製造する方法、及び製造したcDNAをもとにRNA鎖およびDNA鎖の製造が容易に行える方法を提供することである。
本発明は、
(1)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体に、
(a)少なくとも一つの、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を含むDNA伸長用ポリヌクレオチドを、前記不溶性担体に結合させる工程、
(b)前記DNA伸長用ポリヌクレオチドが固定化された担体に、ポリAテイルをもつmRNA含有試料溶液、逆転写酵素を含む溶液およびヌクレオチドモノマーを含む溶液を加える工程、
(c)前記mRNAのポリAテイルと、ポリAテイルに相補的な配列をハイブリダイズさせる工程、
(d)前記mRNAを鋳型として、DNA伸長用ポリヌクレオチドを伸長させ、mRNAに相補的なアンチセンスcDNAを製造する工程、
を含み、
工程(c)、(d)を、同じ液相中で行行い、
前記高分子物質が、下記一般式(2)で表される共重合体であるcDNA鎖の製造方法、
Figure 0005155660
〔式中、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。〕
(2)工程(c)、(d)が、所定の温度でのインキュベートを含んでいる(1)記載のcDNA鎖の製造方法、
)前記ヌクレオチドモノマーを含む溶液がdATP、dCTP、dGTP及びdTTPを含む(1)または(2)に記載のcDNA鎖の製造方法、
)前記DNA伸長用ポリヌクレオチドが、少なくとも一つのRNAプロモーターを更に含む(1)〜()いずれか記載のcDNA鎖の製造方法、
)(1)〜()いずれか記載のcDNA鎖の製造方法により1本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られる1本鎖cDNA固定化担体を使用して、前記担体上にセンス及びアンチセンスプライマー、DNAポリメラーゼ、及びヌクレオチドモノマーを含む溶液を接触させ、所定のヒートサイクルによりPCRを行い、担体に固定化されている1本鎖cDNAを鋳型にしてDNA鎖を伸長増幅することにより液相中にDNA鎖を製造することを特徴とするDNA鎖の製造方法、
)前記ヌクレオチドモノマーがdATP、dCTP、dGTP及びdTTPを含み、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTPの内、少なくとも一つが標識されたものである()記載のDNA鎖の製造方法、
)()記載のcDNA鎖の製造方法により1本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られるRNAプロモーターを付加的に含んでいる1本鎖cDNA固定化担体に、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ及びヌクレオチドモノマーを含む溶液を前記cDNA固定化担体表面に接触させ、2本鎖のcDNAを形成させる工程を含むDNA鎖の製造方法、
)前記ヌクレオチドモノマーがdATP、dCTP、dGTP及びdTTPを含み、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTPの内、少なくとも一つが標識されたものである()のDNA鎖の製造方法、
)()記載のDNA鎖の製造方法により2本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られるRNAプロモーターを付加的に含んでいる2本鎖のcDNA固定化担体に、RNAポリメラーゼおよびヌクレオチドモノマーを含む溶液を前記2本鎖cDNA固定化担体表面に接触させ、RNA鎖を製造する工程を含む、センスRNA鎖の製造方法、
10)前記ヌクレオチドモノマーがATP、CTP、GTP、UTPを含み、ATP、CTP、GTP、UTPの内、少なくとも1つが標識されたものである()記載のセンスRNA鎖の製造方法、
である。
本発明によれば、担体上でRNAを鋳型にDNA鎖の伸長反応が効率よく行え、mRNAの発現状況を正確に反映したcDNAを生成し、cDNAとして安定した保存が可能になり、さらに保存されたcDNAをもとにRNA鎖およびDNA鎖の製造が容易に行える、cDNAの合成方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体に、(1)DNA伸長用のポリヌクレオチドを固定化させてポリヌクレオチド固定化担体を形成する工程、(2)RNA断片、ヌクレオチドモノマー、及び逆転写酵素又はポリメラーゼ活性を有する酵素を含む溶液を前記不溶性担体表面に接触させる工程、(3)溶液中の前記RNA断片を鋳型にして担体表面に固定化されている前記DNA伸長用のポリヌクレオチドを伸長させて1本鎖のcDNAを形成する工程、を含むことを特徴とするcDNA鎖の製造方法を提供する。
まず、(1)不溶性担体の表面にプライマーとしてDNA伸長用のポリヌクレオチドを固定化させてポリヌクレオチド固定化担体を形成する。
ここで使用される担体の表面には、ホスホリルコリン基に代表されるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位とカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質が存在するようになっている。
ホスホリルコリン基に代表されるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位とカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質は、RNA鎖の非特異的吸着を抑制する性質とDNA鎖を固定化する性質とを併せ持つポリマーである。特に、第一単位に含まれるホスホリルコリン基に代表されるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステル基は鋳型RNA断片の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基はプライマーを化学的に固定化する役割を果たす。すなわち、プライマーは、前記このコーティング層の活性エステル基の部位で共有結合して、当該担体の表面に固定化される。
第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基が挙げられ、特にホスホリルコリン基が好適であり。ホスホリルコリン基として、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン基;
2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;
アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;
等の基が挙げられる。
また、これらのホスホリルコリン基のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを有する構成とすることにより、担体表面における鋳型RNA断片の非特異的吸着をより一層確実に抑制することができる。
なお、ここでは基本骨格として下記式(a)に示すホスホリルコリン基である例を挙げたが、このホスホリルコリンを下記式(b)のホスホリルエタノールアミン基、下記式(c)のホスホリルイノシトール基、下記式(d)のホスホリルセリン基、下記式(e)のホスホリルグリセロール基、下記式(f)に示したホスファチジルホスホリルグリセロール基などのリン酸基に置き換えてもよい(以下についても同様)。
(化1)
Figure 0005155660
カルボン酸誘導体は、カルボン酸のカルボキシル基が活性化されたものであり、C=Oを介して脱離基を有するカルボン酸である。カルボン酸誘導体は、具体的には、アルコキシル基よりも電子求引性の高い基がカルボニル基に結合して求核反応が活性化された化合物である。カルボン酸誘導基は、アミノ基、チオール基、水酸基等に対する反応性を有する化合物である。
活性化されたカルボン酸誘導体として、さらに具体的には、カルボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基が、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、活性化アミドに変換された化合物が挙げられる。カルボン酸誘導基は、こうした化合物に由来する活性化された基であり、たとえば、p−ニトロフェニル基やN−ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基;
―Cl、−F等のハロゲン;
等の基を有することができる。
また、カルボン酸誘導基は、下記式(1)に示される基とすることができる。
(化2)
Figure 0005155660
(ただし、上記式(1)において、Aは水酸基を除く脱離基である。)
上記式(1)に示される一価の基は、たとえば下記式(p)または式(q)から選択されるいずれかの基とすることができる。
(化3)
Figure 0005155660
(ただし、上記式(p)および式(q)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、一価の有機基であり、直鎖状、分岐状、および環状のいずれであってもよい。また、上記式(p)において、R1はCとともに環を形成する二価の基であってもよい。また、上記式(q)において、R2はNとともに環を形成する二価の基であってもよい。)
上記式(p)に示される基として、たとえば下記式(r)、(s)、および(w)に示される基が挙げられる。また、上記式(q)に示される基として、たとえば下記式(u)に示される基が挙げられる。
上記式(1)に示される基は、たとえば下記式(r)、式(s)等に示される酸無水物由来の基;
下記式(t)に示される酸ハロゲン化物由来の基;
下記式(u)、式(w)に示される活性エステル由来の基;または
下記式(v)に示される活性化アミド由来の基とすることができる。
(化4)
Figure 0005155660
カルボン酸誘導基のうち、活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れるため、好ましく用いられる。穏やかな条件としては、たとえば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらにまた具体的にはpH8.0とすることができる。
また、本明細書において規定するところの「活性エステル基」は、その定義について厳密な規定はなされていないが、慣用の技術表現としては、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。なお、ペプチド合成の分野においては、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著、「ペプチド合成の基礎と実験」、1985年発行、丸善、に記載されているように、活性エステル法はアミノ酸またはペプチドのC末端を活性化する方法の一つとして用いられている。
実際的には、エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
ここでは、高分子物質中の活性化カルボン酸誘導体基が活性エステル基である場合を例に、説明する。活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、たとえばp−ニトロフェニル基が好ましく用いられる。
表面にプライマーが固定化される担体の場合、第一単位と第二単位のさらに具体的な構成の組み合わせとして、たとえば、ホスホリルコリン基を含む第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、活性エステル基がp−ニトロフェニル基である構成とすることができる。
また、本実施形態の担体のコーティング層に使用される高分子物質は、ホスホリルコリン基およびカルボン酸誘導基以外に他の基を含んでもよい。また、高分子物質は共重合体とすることができる。具体的には、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む共重合体であることが好ましい。こうすることにより、高分子物質を適度に疎水化し、この高分子物質の担体表面への吸着性をさらに好適に確保することができる。
具体的には、高分子物質を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)基を有する第一単量体と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)基を有する第二単量体と、ブチルメタリレート(BMA)基を有する第三単量体との共重合体とすることができる。これらの共重合体であるpoly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)は、模式的に下記一般式(2)で示される。
(化5)
Figure 0005155660
ただし、上記一般式(2)において、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。また、上記一般式(2)において、第一〜第三単量体がブロック共重合していてもよいし、これらの単量体がランダムに共重合していてもよい。
上記一般式(2)で示される共重合体は、高分子物質の適度な疎水化と、鋳型RNA断片の非特異吸着を抑制する性質と、プライマーを固定化する性質とのバランスとに、より一層優れた構成である。このため、このような共重合体を用いることにより、担体表面をより一層確実に高分子物質で被覆するとともに、高分子物質がコーティングされた担体上への鋳型RNA断片の非特異的吸着を抑制しつつ、プライマーをさらに確実に共有結合により固定化して担体上に導入することができる。
なお、上記一般式(2)で示される共重合体は、MPC、BMA、およびNPMAの各単量体を混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により得ることができる。上記一般式(2)で示される共重合体をラジカル重合により作製する場合、たとえば、Ar等の不活性ガス雰囲気にて、30℃以上90℃以下の温度条件で溶液重合を行うことができる。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒とすることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤;
過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物;
などが用いられる。
さらに具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒およびAIBNを用い、Ar中、60℃にて2〜6時間程度重合を行うことができる。
なお、本実施形態では、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有する例を説明したが、ホスホリルコリン基を含む第一単位とカルボン酸誘導基を含む第二単位とを有する高分子物質を第一の高分子物質とし、これに加えて、ホスホリルコリン基を含む第一単位とブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含んでいてもよい。
なお、上記第一の高分子物質の第一単位と上記第二の高分子物質の第一単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。また、上記第一の高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を含むとき、この第一の高分子物質の第三単位と上記第二の高分子物質の第三単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
このような第二の高分子物質は、鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制するポリマーとして用いられる。このようなポリマーとしては、たとえばホスホリルコリン基が30モル%、ブチルメタクリレート基が70モル%の割合で含まれているものであるMPCポリマー(日本油脂社製)を用いることができる。
なお、高分子物質が上記第一の高分子物質、第二の高分子物質からなる場合、これらの高分子物質が混合されている構成とすることができる。各々の高分子物質のポリマーは、たとえばエタノール溶液に溶解できるため、それぞれのポリマー溶液を混合することにより容易に混合ポリマーを得ることができる。
以上のような高分子物質からなるコーティング層を表面に含む担体は、所定の形状に加工された担体の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に担体を浸漬し、乾燥してもよい。
また、担体として、プラスチック材料を用いた場合には、形状やサイズの変更に対する柔軟性が確保される上に、ガラス担体のものに比べて安価で提供することができるという観点から好ましい。このようなプラスチック材料としては、100℃以上のガラス転移点を有するものが好ましく、特に表面処理の容易性および量産性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものを用いることができる。蛍光発生量の少ない樹脂を用いることにより、DNA鎖の検出反応におけるバックグランドを低下させることができるため、検出感度をさらに向上させることができる。蛍光発生量の少ない熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン;
環状ポリオレフィン;
含フッ素樹脂;
等を用いることができる。上記樹脂の中でも、飽和環状ポリオレフィンは、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、透明性および成形性に特に優れるため、光学的な分析に好適であり、担体の材料として好ましく用いられる。
ここで、飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体を指す。前者の例としては、たとえばノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンに代表されるノルボルネン系モノマー、及び、これらのアルキル置換体を開環重合して得られる重合体を水素添加して製造される飽和重合体である。後者の共重合体はエチレンやプロピレン、イソプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンと環状オレフィン系モノマーのランダム共重合体を水素添加することにより製造される飽和重合体である。共重合体では、エチレンとの共重合体が最も好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種類またはそれ以上の共重合体あるいは混合物であってもよい。また、環状オレフィン構造を有する単量体が開環重合して得られる飽和環状ポリオレフィンだけでなく、環状オレフィン構造を有する単量体の付加重合により得られる飽和環状ポリオレフィンを用いることもできる。
以上のような高分子物質を表面に含むプラスチック材料からなる担体は、所定の形状に加工された担体の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に担体を浸漬し、乾燥してもよい。
なお、担体の材料をプラスチックとした場合、96穴や384穴に代表されるマイクロタイタープレートの形状、スライドグラスに代表される基板状のもの、またビーズ状のもの、あるいはシート状のもの等への加工が容易であるが、液相での反応を含むにあたっては、96穴や384穴に代表されるマイクロタイタープレートの形状のものが好適である。
ここで、不溶性担体に固定化するDNA伸長用ポリヌクレオチドは、プライマーとして用いられ、後述するように、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を少なくとも一つ、および少なくとも一つのRNAプロモーターを含んでいるものが好適に使用される。
次に、担体の表面へDNA伸長用ポリヌクレオチドを固定化する。以下、この固定化方法の一具体例について説明する。
(i)担体上の高分子物質に含まれる複数の活性エステル基のうち、少なくとも一部の活性エステル基とポリヌクレオチドとを反応させて共有結合を形成させることにより、担体表面でポリヌクレオチドを固定化し、続いて(ii)ポリヌクレオチドを固定化した以外の担体表面の活性エステル基を不活性化する、すなわち残りの活性エステル基を不活性化することにより、ポリヌクレオチドを担体の表面に固定することができる。以下、それぞれの工程について説明する。
上記工程(i)において、担体形状が、基板状の場合は、鋳型RNA断片とアニールするポリヌクレオチドを基板上に固定化する際には、ポリヌクレオチドを溶解または分散した液体を点着する方法が好ましい。
担体形状が、マイクロタイタープレートの場合は、ウェル中にポリヌクレオチドを溶解または分散した液体を分注する。
高分子物質に含まれる活性エステル基の一部がポリヌクレオチドと反応して、ポリヌクレオチドの間で共有結合が形成される。
このポリヌクレオチドを溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。
また、ポリヌクレオチドの固定化後、担体表面に固定化されなかったポリヌクレオチドを除去するため、純水や緩衝液で洗浄してもよい。
また、上記工程(ii)に示したように、洗浄後はポリヌクレオチドを固定化した以外のプラスチック担体表面の活性エステルの不活性化処理をアルカリ化合物、あるいは一級アミノ基を有する化合物で行う。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウムなどを用いることができる。
一級アミノ基を有する化合物としては、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ2,3−ジヒドロー1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5−アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2−アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレンなどを用いることができる。これらのうち、アミノエタノール、グリシンを用いることが好ましい。
また、担体に固定化するポリヌクレオチドには、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基を導入しておくことが好ましい。アミノ基は活性エステル基との反応性に優れるため、アミノ基が導入されたことにより、効率よくかつ強固に担体の表面上にポリヌクレオチドを固定化することができる。アミノ基の導入位置はプライマーの分子鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端に導入されていることが、相補的な鋳型RNA断片とのアニーリングをより一層効率よく行うことができるという観点からは、好ましい。
以上により、担体の表面上にポリヌクレオチドが固定化されたアレイが得られる。このように1本鎖cDNAが固定化された後、液相を除去することにより1本鎖cDNA固定化担体が得られる。
次に、(2)RNA断片、ヌクレオチドモノマー、及び逆転写酵素又はポリメラーゼ活性を有する酵素を含む溶液を前記不溶性担体表面に接触させる。
すなわち、不溶性担体の表面に固定化されたDNA伸長用ポリヌクレオチドにアニールさせるためのDNA伸長用の鋳型RNA断片、dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP(これらのうち一つが標識されていてもよい)を含むヌクレオチドモノマーおよび逆転写酵素又はポリメラーゼ活性を有する酵素を含むサンプルが導入される。
この導入されたサンプルの反応系としては、逆転者酵素および/またはポリメラーゼ活性をもつ酵素によるRNAを鋳型にした伸長反応を行うが、本発明で使用される逆転写酵素および/またはポリメラーゼ活性を有する酵素は、モロニーマウス白血球ウィルス(M−MLV)逆転写酵素、ラウス肉腫ウィルス(RSV)逆転写酵素、トリ骨髄芽球症(AMV)逆転写酵素、ラウスアンシェーテッドウィルス(RAV)逆転写酵素、骨髄芽球症アンシエーテッドウィルス(MAV)逆転写酵素、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)逆転写酵素、レトロウィルス逆転写酵素、レトロトランスポゾン逆転写酵素、B型肝炎逆転写酵素、カリフラワーモザイク逆転写酵素、バクテリア逆転写酵素、Thermus thermophilus(Tth)DNAポリメラーゼ、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、Thermotoga neopolitana(Tne)DNAポリメラーゼ、Thermotoga maritime(Tma)DNAポリメラーゼ、Thermococcus litoralis(Tli、例えばVENT(登録商標)ブランド)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus furiosus(Pfu)DNAポリメラーゼ、Pyrococus species GBD(例えば、DEEPVENTTMブランド)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus woosii(Pwo)DNAポリメラーゼ、Bacillus sterothermophilus(Bst)DNAポリメラーゼ、Sulfolobus acidocaldarius(Sac)DNAポリメラーゼ、Thermoplasma acidophilum(Tac)DNAポリメラーゼ、Thermus flavus(Tfl/Tub)DNAポリメラーゼ、Thermus rubber(Tru)DNAポリメラーゼ、Thermus brockianus(例えば、DYNAZYME(登録商標)ブランド)DNAポリメラーゼ、Methanobacterium thermoautotrohicum(Mth)DNAポリメラーゼDNA、その変異体、変形体、派生体を含むがこれに限定されるものではない。
さらに、鋳型となるRNAの分解を抑える目的で、RNaseインヒビター を添加したほうがよい。
続いて、(3)溶液中の前記RNA断片を鋳型にして担体表面に固定化されている前記DNA伸長用のポリヌクレオチドを伸長させて1本鎖のcDNAを形成する。
すなわち、前述の反応系の温度を制御することにより、DNA鎖の伸長反応が起こる、すなわち鋳型RNA断片に相補的なDNA断片が、担体上に形成され、RNA鎖とハイブリした形態のcDNA鎖が得られるようになる。
反応温度並びに時間は特に限定されるものでなく、DNAポリメラーゼ、制限酵素などの特性、鋳型DNAまたはRNAの安定性・品質・絶対量に依存し、適宜、反応条件を設定すればよい。
伸長反応後は例えば0.1wt%のSDS溶液を用いて洗浄して、cDNAの生成反応を終了する。
以上のように、本発明は、前述した1本鎖DNA固定化担体を使用して、前記担体上にセンス及びアンチセンスプライマー、DNAポリメラーゼ、及びヌクレオチドモノマーを含む溶液を接触させ、所定のヒートサイクルによりPCRを行い、担体に固定化されている1本鎖DNAを鋳型にしてDNA鎖を伸長増幅することをことにより液相中にDNA鎖を製造することを特徴とするDNA鎖の製造方法を提供する。
(第2の実施形態)
また、本発明は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体に、
(a)少なくとも一つの、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を含むDNA伸長用ポリヌクレオチドを、前記不溶性担体に結合させる工程、
(b)前記DNA伸長用ヌクレオチドが固定化された担体に、ポリAテイルをもつmRNA含有試料溶液、逆転写酵素を含む溶液、およびヌクレオチドモノマーを含む溶液を加える工程、
(c)前記mRNAのポリAテイルと、ポリAテイルに相補的な配列をハイブリダイズさせる工程、
(d)前記mRNAを鋳型として、DNA伸長用ポリヌクレオチドを伸長させ、mRNAに相補的なアンチセンスcDNAを製造する工程、
を含むcDNA鎖の製造方法を提供する。
工程(a)において、不溶性担体は第1の実施形態で説明したものが使用可能である。DNA伸長用ポリヌクレオチドとしては、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を含むものが使用され、好ましくはさらに少なくとも一つのRNAプロモーターを含んでいてもよい。また、ポリヌクレオチドを不溶性担体の表面への結合は、第1の実施形態と同様に行うことができる。
本発明で担体に固定化されるポリヌクレオチドは、少なくとも、mRNAのポリAテイルに相補的なひとつの配列を含むことが好ましい。このポリヌクレオチド固定化担体は、またセンスもしくはアンチセンスcDNAの製造を含む、いろいろな方法に有用である。このポリヌクレオチド固定化担体は、また、センスもしくはアンチセンスmRNAの製造にも有用である。
本発明で担体に固定化されるポリヌクレオチドは、mRNAのポリAテイルに相補的な配列、例えばオリゴdT、を含むことが好ましい。更に、mRNAのプロモーター配列を含むことが好ましい。
別の観点から、本発明は、このようにリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子吸引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体に、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を少なくとも一つ含むポリヌクレオチドが固定化されたヌクレオチド固定化担体を提供する。また、この固定化されたヌクレオチドは、さらにRNAプロモーターを少なくとも一つ、好ましくは少なくとも二つ含むものである。
また、ポリヌクレオチドは、通常、マイクロタイタープレートのような不溶性皿に固定され、本発明はこのようなマイクロタイタープレートを提供する。
本発明の一つの好ましい形態におけるマイクロタイタープレートは、少なくとも、二つのウェルをもち、各々には異なるポリヌクレオチドが固定される。本発明のポリヌクレオチド固定化担体は、センスもしくはアンチセンス1本鎖cDNA、及びセンスもしくはアンチセンスmRNAの製造に使用できる。更に、本発明におけるポリヌクレオチド固定化担体上で製造された1本鎖cDNAは長期に安定であって、かつ安定的に基板表面に固定されておりcDNA又はmRNAの製造に何度もこれを繰り返して使用できる。
本発明の好ましい実施態様において、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を少なくとも一つ含むポリヌクレオチドは、不溶性担体に結合されていて、ヌクレオチド固定化担体を構成する。これらの配列は、好ましくは6〜100ヌクレオチド長さである。より好ましい実施態様では、固定化ポリヌクレオチドは、更にRNAプロモーター、及び/又は制限酵素認識サイトを含む。好ましくは、その5’末端は不溶性担体に固定され、その3’末端はmRNAのポリAテイルに相補する。
本発明のひとつの実施態様は、不溶性皿、好ましくはマイクロタイタープレートにポリヌクレオチドを固定化させた、ポリヌクレオチド固定化担体である。固定化されたポリヌクレオチドは、少なくとも、mRNAのポリAテイルに相補的なひとつの配列、例えば、ポリdTを含む。
更に好ましい実施態様では、RNAプロモーターをもっている。本発明のもうひとつの実施態様は、少なくともひとつのRNAプロモーターを含む不溶性担体に、好ましくはポリヌクレオチドを結合させた、ポリヌクレオチド固定化担体である。最も好ましい実施態様は、T7もしくはSP6RNAプロモーターのいずれかを含むものである。
本発明の更に別の実施態様では、不溶性担体、好ましくは不溶性担体と、それに結合された1本鎖DNAから成る1本鎖DNA固定化担体の、その1本鎖DNAは、mRNAのポリAテイルに相補する配列を少なくとも含んでいる。本発明の好ましい実施態様においては、1本鎖DNAは、RNAプロモーターをもっており、更に好ましくは、1本鎖DNAは少なくとも二つの異なるRNAプロモーターを含んでいる。もっと好ましくは、これらのプロモーターは、T7もしくはSP6RNAプロモーターである。
続いて、工程(b)において、ポリAテイルを有するmRNA含有試料溶液を、DNA鎖伸長用ポリヌクレオチドを固定化した担体に添加し、そこに逆転写酵素を含む溶液、およびdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP(これらのうち一つが標識されていてもよい)を含むヌクレオチドモノマーを含む溶液を加える。
工程(c)において、mRNAのポリAテイルの部分と、当該担体に固定化されたDNA伸長用ポリヌクレオチドのポリAテイルに相補的な配列との間でハイブリダイズさせる。また、工程(d)において、mRNAを鋳型として、DNA伸長用ポリヌクレオチドを伸長させて、当該mRNAに相補的なcDNA鎖を得る。なお、工程(c)、(d)を、同じ液相中で行うことができ、また工程(c)、(d)が、所定の温度、例えば37℃でのインキュベートを含んでいてもよい。
すなわち、第2の実施形態によれば、ポリヌクレオチド、好ましくは、少なくとも一つのRNAプロモーターをもつポリヌクレオチドを不溶性担体に結合させて得られる、1本鎖cDNA固定化担体の製造方法である。このポリヌクレオチドは、好ましくはmRNAのポリAテイルに相補する配列を少なくとも一つもっており、ヌクレオチド固定化担体を形成する。そこへ、細胞溶解液のようなポリAテイルのmRNA含有溶液を加え、mRNAのポリアデニル酸テイル(ポリAテイル)を固定化ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせ、更に好ましくは、担体と溶液をインキュベートする。アニール処理されたmRNAに相補的なアンチセンスcDNAがつくられる。
また、このように1本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られるRNAプロモーターを付加的に含んでいる1本鎖cDNA固定化担体に、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ及びヌクレオチドモノマーを含む溶液を1本鎖cDNA固定化担体の表面に接触させ、2本鎖のcDNAを形成させることができ、本発明はこのようなDNA鎖の製造方法を提供する。このDNA鎖の製造方法において、1本鎖cDNA固相化担体に接触させる溶液に含めるヌクレオチドモノマーとしては、dATP、dCTP、dGTP及びdTTPが挙げられる。また、得られる2本鎖cDNAにラベルを導入する場合には、これらヌクレオチドモノマーのうち、少なくとも一つが標識されたものを用いる。
また、このように2本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られるRNAプロモーターを付加的に含んでいる2本鎖のcDNA固定化担体に、RNAポリメラーゼおよびヌクレオチドモノマーを含む溶液を2本鎖cDNA固定化担体の表面に接触させることにより、RNA鎖を製造することができ、本発明は、このような製造工程を含む、センスRNA鎖の製造方法を提供する。このRNA鎖の製造方法において、2本鎖cDNA固相化担体に接触させる溶液に含めるヌクレオチドモノマーとしては、ATP、CTP、GTP及びUTPが挙げられる。また、得られるセンスRNA鎖にラベルを導入する場合には、これらヌクレオチドモノマーのうち、少なくとも一つが標識されたものを用いる。
プロモーターが転写を始めるような試薬を含むサンプル液を加えると、アンチセンスmRNAが生産される。アンチセンスmRNAの好ましい生産方法では、担体とサンプル液をインキュベートすることによって、最初の液相と固相をつくり、次いで以下のステップで反応を始める。
(1)固相に、RNAポリメラーゼ、ATP、CTP、GTP及びUTPと共に、好ましくは、ラベルされたNTP類の一つを含む反応混合物、好ましくは前記ヌクレオチドモノマーがATP、CTP、GTP及びUTPを含み、ATP、CTP、GTP、及びUTPの内、少なくとも一つが標識された混合物を加える。
(2)液相と反応混合物をインキュベートし、次いで、固相と反応混合物を加熱し、アンチセンスmRNAを含む液相をつくる。
そののち、液相を取得し、DNaseで処理することにより、反応をつづけることが望ましい。
以上のように、別の観点から、本発明は、前述したようにcDNA鎖の製造方法により1本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られるRNAプロモーターを付加的に含んでいる1本鎖cDNA固定化担体に、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、及びヌクレオチドモノマーを含む溶液を前記cDNA固定化担体表面に接触させ、前記RNAプロモーターからアンチセンスmRNAを製造することを特徴とするRNA鎖の製造方法を提供する。
また、本発明は、下記のような方法で2本鎖cDNAをつくり、次いで第2の反応混合物と固相を加熱する、センス1本鎖cDNAの製造方法を提供する。このとき、センス1本鎖cDNAを含む第2の液相が得られる。
(1)ポリヌクレオチド固定化担体にポリAテイルをもつmRNA含有サンプル液を加える;
(2)サンプル液と担体をインキュベートし、第1の液相と固相をつくる;
(3)逆転写酵素、ヌクレオチドモノマー(dATP、dCTP、dGTP及びdTTPと共に、ラベルされたヌクレオチド(dNTP))を含む第1の反応混合物を、固相に加える;
(4)RNase、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、dATP、dCTP、dGTP及びdTTP含有の第2の反応混合物を固相に加え;
(5)第2の反応混合物と固相をインキュベートする。
さらに別の観点から、本発明は、上記したような2本鎖cDNA固定化担体を用いる、センスcDNAの製造方法を提供する。センスcDNAとアンチセンスcDNAが液相で2本鎖cDNAを形成したのちに、その2本鎖cDNAは変性され、液相中にセンスのcDNAが得られる。
本発明の実施態様の特徴一つは、センス1本鎖cDNAの製造方法である。この方法は、液相での2本鎖cDNA固定化担体の生産を含むもので、そこでは、2本鎖cDNA鎖の一方の鎖が不溶性担体に固定され、2本鎖cDNA鎖の一方の鎖は、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を少なくとも一つ含んでいる。その後、2本鎖cDNA固定化担体を変性し、液相中にセンスのcDNAを得る。
本願発明において、センスmRNAとは遺伝情報と同等なmRNAを意味し、一方、アンチセンスmRNAとはセンスmRNAに相補的なポリヌクレオチドを意味する。センス1本鎖cDNAは、センスmRNAの遺伝情報と同等な遺伝情報を含んでいる。ただし、そのcDNAにおいては、mRNAのウラシルはチミンに置き代わり、ヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチドであってリボヌクレオチドではない。
(PNBMコート96穴マイクロタイタープレートの作製)
5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR:21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度:123℃)を用い、射出成形により96ウェルマイクロタイタープレートを成形した。各ウェルを2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(PNBM:各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液でコートし、この成形物底面にPNBMをコートし、本発明の実施形態であるPNBMコート96穴マイクロタイタープレートロタイタープレートを作製した。以下PNBMプレートと称す。
(アルデヒド基導入96穴マイクロタイタープレートの作製)
5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR:21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度:123℃)を用い、射出成形により96ウェルマイクロタイタープレートを成形した。成形した96ウェルタイタープレートに酸素プラズマを施した後、アミノシランによりアミノ基を導入の後、グルタルアルデヒドにより、アミノ基にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基導入96穴マイクロタイタープレートを作製した。以下、アルデヒドプレートと称す。
(オリゴTの固定)
5’末端がアミノ基で修飾された下記配列のオリゴT(T15、T20、T30)を0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのオリゴT溶液を調製した。各オリゴT溶液を上記PNBMプレートおよびアルデヒドプレートの各ウェルに10μl分注し、直径5mmに打ち抜いたETFEシートでウェル底面を覆い、プレートを80℃で1時間放置した。ETFEのシートを各ウェルから取り除き、洗浄を行った。洗浄の後、各ウェルブロッキングをおこなった。PNBMプレートについては、各ウェルにブロッキング溶液として、1mol/lのNaOH溶液を各ウェルに400μl分注し、5分間室温で放置した。その後、ブロッキング液を除き、純水により洗浄をおこなった。アルデヒドプレートについては、180mlのリン酸緩衝液に0.6gの水素化ホウ素ナトリウムと50mlのエタノールを溶解させた溶液をブロッキング溶液とし、各ウェルに400μl分注し室温で5分間放置し、ブロッキング液を除き、純水により洗浄をおこなった。
各々のプレートを乾燥させ、次のトータルRNAからcDNAの合成実験に供した。
オリゴT 配列
T15 TTTTTTTTTTTTTTT(配列番号1)
T20 TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号2)
T30 TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号3)
(トータルmRNAからcDNA鎖の合成)
ヒト肝由来トータルRNATatal RNA(ヒト正常組織由来Liver:コスモバイオ CB-061009)1μgを含むDEPC処理水溶液100μlを65℃で5分間保温後、氷上で急冷する。反応液として、Reverse
Transcriptase M-MLV (Rnase H-)、5XReverse Transcriptase M-MLV Buffer 、RNAse Inhibitor(Super)、1mM Cy3標識dUTP、20mM dATP、20mM dGTP、20mM dCTP、DEPC treated waterを加えて調製しものを、ヒト肝由来トータルRNA(Tatal RNA)溶液に加えた。この溶液を各ウェルに5μlを分注し、上から直径5mmのETFE製シートで覆い、42℃で1時間インキュベートした。インキュベート後、TE buffer(10mMTris/HCl(pH8.5), 1mMEDTA)を200μl分注し、ETFEシートを浮かせ、除去した。TE
bufferにて2回洗浄し、純水にて洗浄し乾燥した。
各ウェルの底面の蛍光像を蛍光顕微鏡により撮り、画像処理にて蛍光量を数値化し、cDNAの合成の状況を比較した。即ち、蛍光が観察されれば、cDNAが合成されていることを示し、その蛍光強度が高ければ効率良く、cDNAの合成が出来ていることになる。
PNBMプレートとアルデヒドプレートでの各オリゴTを固定したウェルでの蛍光強度を表1に示す。なお、各ウェルの蛍光強度値は、オリゴTを固定していないウェルの蛍光強度値を差し引いたものをcDNA合成による蛍光強度とした。
(表1)
Figure 0005155660
本発明の実施形態の一つとなるPNBMプレートでcDNA鎖伸長が検出された一方で、アルデヒド基板ではcDNA鎖伸長は検出されていない。
以下、本発明の具体的な態様を挙げる。
リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体に、
(a)少なくとも一つの、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を含むDNA伸長用ポリヌクレオチドを、前記不溶性担体に結合させる工程、
(b)前記DNA伸長用ヌクレオチドが固定化された担体に、ポリAテイルをもつmRNA含有試料溶液を加える工程、
(c)前記ポリAテイルをもつmRNA含有試料溶液に逆転写酵素を含む溶液を加える工程、
(d)前記ポリAテイルをもつmRNA含有試料溶液にヌクレオチドモノマーを含む溶液加える工程、
(e)前記mRNAのポリAテイルと、ポリAテイルに相補的な配列をハイブリダイズさせる工程、
(f)前記mRNAを鋳型として、DNA伸長用ポリヌクレオチドを伸長させ、mRNAに相補的なアンチセンスcDNAを製造する工程、
を含むcDNA鎖の製造方法。

Claims (10)

  1. 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体に、
    (a)少なくとも一つの、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を含むDNA伸長用ポリヌクレオチドを、前記不溶性担体に結合させる工程、
    (b)前記DNA伸長用ポリヌクレオチドが固定化された担体に、ポリAテイルをもつmRNA含有試料溶液、逆転写酵素を含む溶液およびヌクレオチドモノマーを含む溶液を加える工程、
    (c)前記mRNAのポリAテイルと、ポリAテイルに相補的な配列をハイブリダイズさせる工程、
    (d)前記mRNAを鋳型として、DNA伸長用ポリヌクレオチドを伸長させ、mRNAに相補的なアンチセンスcDNAを製造する工程、
    を含み、
    工程(c)、(d)を、同じ液相中で行い、
    前記高分子物質が、下記一般式(2)で表される共重合体であるcDNA鎖の製造方法。
    Figure 0005155660
    〔式中、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。〕
  2. 工程(c)、(d)が、所定の温度でのインキュベートを含んでいる請求項1に記載のcDNA鎖の製造方法。
  3. 前記ヌクレオチドモノマーを含む溶液がdATP、dCTP、dGTP及びdTTPを含む請求項1または2に記載のcDNA鎖の製造方法。
  4. 前記DNA伸長用ポリヌクレオチドが、少なくとも一つのRNAプロモーターを更に含む請求項1乃至いずれか一項に記載のcDNA鎖の製造方法。
  5. 請求項1乃至いずれか一項に記載のcDNA鎖の製造方法により1本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られる1本鎖cDNA固定化担体を使用して、前記担体上にセンス及びアンチセンスプライマー、DNAポリメラーゼ、及びヌクレオチドモノマーを含む溶液を接触させ、所定のヒートサイクルによりPCRを行い、担体に固定化されている1本鎖cDNAを鋳型にしてDNA鎖を伸長増幅することにより液相中にDNA鎖を製造することを特徴とするDNA鎖の製造方法。
  6. 前記ヌクレオチドモノマーがdATP、dCTP、dGTP及びdTTPを含み、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTPの内、少なくとも一つが標識されたものである請求項に記載のDNA鎖の製造方法。
  7. 請求項に記載のcDNA鎖の製造方法により1本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られるRNAプロモーターを付加的に含んでいる1本鎖cDNA固定化担体に、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ及びヌクレオチドモノマーを含む溶液を前記cDNA固定化担体表面に接触させ、2本鎖のcDNAを形成させるDNA鎖の製造方法。
  8. 前記ヌクレオチドモノマーがdATP、dCTP、dGTP及びdTTPを含み、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTPの内、少なくとも一つが標識されたものである請求項記載のDNA鎖の製造方法。
  9. 請求項記載のDNA鎖の製造方法により2本鎖cDNAが固定化された担体を製造した後、液相を除去して得られるRNAプロモーターを付加的に含んでいる2本鎖のcDNA固定化担体に、RNAポリメラーゼおよびヌクレオチドモノマーを含む溶液を前記2本鎖cDNA固定化担体表面に接触させ、RNA鎖を製造する工程を含む、センスRNA鎖の製造方法。
  10. 前記ヌクレオチドモノマーがATP、CTP、GTP及びUTPを含み、ATP、CTP、GTP、UTPの内、少なくとも1つが標識されたものである請求項記載のセンスRNA鎖の製造方法。
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