JP5157382B2 - Rna配列の検出方法 - Google Patents

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本発明は、プライマーDNA鎖を表面に固定化した担体を用いて、試料中の複数のRNA鎖を定量及び定性検出するRNA検出方法に関する。
遺伝子の発現状況や、菌やウィルスの同定等遺伝子を用いた検出や診断が生化学の分野では、日常に行なわれている。従来遺伝子の検出には、電気泳動による方法が行なわれてきたが、近年になってDNAマイクロアレイにより複数の遺伝子を同時にみる方法が行なわれている。試料中の微量のRNAでも目的とする遺伝子配列を増幅及び検出することによって複数の遺伝子を定性かつ定量的に解析することが可能である。従来からの電気泳動による方法では、PCRによる反応や電気泳動時間等検出までに時間を要し、また電気泳動の操作に煩わしさがある。しかし、DNAマイクロフルイによって複数の遺伝子を同時に解析することが可能となった。
現在、DNAマイクロアレイによる遺伝子配列検出法として表面にプローブDNA鎖を所定の担体表面に固定化し、標識化したDNA鎖をハイブリダイズさせて検出させる方法が用いられている。また、近年DNA断片を鋳型として担体表面に固定化された伸長用プライマーを伸長させて遺伝子を検出する方法が考案されている。その一つとして非特許文献1には、所定のアミノ−シラン試薬を用いて修飾されたガラス基板の表面に、プライマーとなるDNA鎖を共有結合させ、基板上でPCR反応を行わせDNA増幅を行う技術が開示されている。また、非特許文献2には、ガラス基板の代わりにポリ(メチルメタクリレート)表面にDNA断片を固定化させたDNAマイクロアレイを用いて、所定のDNA鎖とのハイブリッド特性およびPCR反応条件下における熱安定性が評価されており、新規のPCR技術に適用できるデバイスの可能性を示唆する記載がなされている。
DNAマイクロアレイを用いたいずれの方法においても、生体サンプルからRNA抽出と精製、逆転写反応、増幅反応及びDNAマイクロアレイによる検出など操作が非常に煩雑で、各工程におけるサンプルロスやコンタミネーションなどの問題点を有し、安定した遺伝子発現レベルの定量を行うには研究者の技術の熟練を要するのが現状である。
Adessi,Celine et al. "Solid Phase DNA amplification:Characterisation of primer attachment and amplification mechanisms" ,Nucleic Acids Research,2000,Vol.20,No.20,e87 Fixe , F. et al . "Functionalization of poly ( methyl- 5 -methacrylate )( PMMA) as a substrate for DNA microarrays" , NucleicAcids Research,2004,January 12,Vol.32 No.1 ,e9
本発明の目的は、操作が簡便で、迅速に複数の標的遺伝子を検出するためのRNA配列の検出方法を提供することである。本発明者らは、RNA抽出及び増幅反応、検出を同一反応空間で行うことで本発明の完成に至った。
本発明は以下の通りである。
(1)複数のRNA配列の検出方法であって、同一の連続する反応空間、RNAを捕捉するためのRNA捕捉用オリゴヌクレオチドを固定化した第1の領域、および検出対象となるRNA配列と相同する配列を有する2種類以上のRNA配列検出用オリゴヌクレオチドを各々固定化した第2の領域を有し、第1の領域と第2の領域が明確に区別され、第2の領域のRNA配列検出用オリゴヌクレオチドがスポット固定化する担体を用いて、
(a)検出対象のRNAを含む溶液を反応空間に供給し、前記RNAと固定化されたRNA捕捉用オリゴヌクレオチドとをハイブリダイズし前記RNAを捕捉する工程、
(b)捕捉されたRNAを鋳型にして固定化されたRNA捕捉用オリゴヌクレオチドを伸長してcDNA鎖を合成する工程、
(c)(b)で合成されたcDNA鎖を鋳型にして、DNA鎖を増幅する工程、
(d)増幅したDNA鎖と固定されたRNA配列検出用オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズの状況を検出する工程、
を含むRNA配列の検出方法。
(2)前記RNA捕捉用オリゴヌクレオチドがdT配列である(1)記載のRNA配列の
検出方法。
(3)工程(a)で捕捉されるRNAがmRNAである(1)又は(2)記載のRNA配
列の検出方法。
(4)工程(c)のDNA鎖の増幅が、PCR、LCR、SDA、RCA、TMA、ICA、NASBA、TRCの何れかである(1)〜(3)いずれか記載のRNA配列の検出方法。
(5)工程(d)のハイブリダイズの状況の検出が蛍光インターカレーターによる蛍光検出である(1)〜(4)いずれか記載のRNA配列の検出方法。
(6)工程(c)のDNA鎖の増幅がPCRであり、増幅されるDNA鎖に標識が導入され、工程(d)において導入された標識を検出する(1)〜(4)いずれか記載のRNA配列の検出方法。
(7)工程(c)において、PCR反応系に標識されたモノヌクレオチドを添加する(6)記載のRNA配列の検出方法。
)前記担体の形状が、スライドガラス形状、フィルム形状、マイクロタイタープレー
ト形状、PCR用チューブ形状、及びPCR用マルチウェル形状の中から選択される1つである(1)〜()いずれか記載のRNA配列の検出方法。
)前記反応空間形状が、平面、ウェル、容器、及び微細流路の中から選択される1つである(1)〜()いずれか記載のRNA配列の検出方法。
10)前記担体において第1の領域と第2の領域が流路中に順に形成されている(1)〜()いずれか記載のRNA配列の検出方法。
11)前記担体表面にリン脂質の親水部を構成するリン脂質エステルより誘導される基を有する()記載のRNA配列の検出方法。

本発明によれば、操作が簡便で、迅速に複数の標的RNAの検出が可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、複数のRNA配列の検出方法であって、同一の連続する反応空間、RNAを捕捉するためのRNA捕捉オリゴヌクレオチドを固定化した第1の領域、および検出対象となるRNA配列と相同する配列を有する2種類以上のRNA配列検出用オリゴヌクレオチドを各々固定化した第2の領域を有する担体を用いて、検出対象のRNAを含む溶液を反応空間に供給し、RNAと固定化されたRNA捕捉オリゴヌクレオチドとをハイブリダイズし前記RNAを捕捉する工程、捕捉されたRNAを鋳型にして固定化されたRNA捕捉オリゴヌクレオチドを伸長してcDNA鎖を合成する工程、cDNA鎖を鋳型にして、DNA鎖を増幅する工程、増幅したDNA鎖と固定されたRNA配列検出用オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズの状況を検出する工程、を含むRNA配列の検出方法である。
本発明で使用される反応空間は、例えば図1のように同一の連続する反応空間にRNAを捕捉するためのオリゴヌクレオチドを固定化した領域および検出対象となるRNA配列と相同する配列を有する2種類以上のRNA配列検出用オリゴヌクレオチドを各々固定化した複数の領域を有するようになっている。
細胞溶解液に含まれるタンパク質などの生体由来成分は逆転写反応および増幅反応の酵素反応を阻害する。また、酵素反応に使用する酵素自体反応空間の内壁に吸着し、反応性を阻害する。そのため、本発明においては、細胞溶解液からRNAを捕捉、精製するため、担体表面は親水性を有し、タンパク質や核酸類の吸着を抑制する性質かつ酵素反応を阻害しない性質を持つことが望ましい。また、担体表面はRNAの捕捉または検出用のオリゴヌクレオチドを固定化するための官能基を有する必要がある。
たとえば、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に配した担体が挙げられる。
以下、この高分子物質について説明する。
このリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを有する高分子物質は、DNA鎖の非特異的吸着を抑制する性質とDNA鎖を固定化する性質とを併せ持つポリマーである。特に、第一単位に含まれるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基は鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基はプライマーを化学的に固定化する役割を果たす。すなわち、プライマーは、この高分子物質からなるコーティング層のカルボン酸誘導基の部位で共有結合して、当該の表面に固定化される。
第一の単位は、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン基;
2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;
アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;
等の基を有し、ホスホリルコリン基がこれらの基中に含まれている構成とすることができる。
また、これらの基のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを有する構成とすることにより、表面における生体由来成分の非特異的吸着をより一層確実に抑制することができる。
カルボン酸誘導体は、カルボン酸のカルボキシル基が活性化されたものであり、C=Oを介して脱離基を有するカルボン酸である。カルボン酸誘導体は、具体的には、アルコキシル基よりも電子求引性の高い基がカルボニル基に結合して求核反応が活性化された化合物である。カルボン酸誘導基は、アミノ基、チオール基、水酸基等に対する反応性を有する化合物である。
活性化されたカルボン酸誘導体として、さらに具体的には、カルボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基が、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、活性化アミドに変換された化合物が挙げられる。カルボン酸誘導基は、こうした化合物に由来する活性化された基であり、たとえば、p−ニトロフェニル基やN−ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基、―Cl、−F等のハロゲン等の基を有することができる。
カルボン酸誘導基のうち、活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れるため、好ましく用いられる。穏やかな条件としては、たとえば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらにまた具体的にはpH8.0とすることができる。
また、本実施形態の担体のコーティング層に使用される高分子物質は、ホスホリルコリン基およびカルボン酸誘導基以外に他の基を含んでもよい。また、高分子物質は共重合体とすることができる。具体的には、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む共重合体であることが好ましい。こうすることにより、高分子物質を適度に疎水化し、この高分子物質の担体表面への吸着性をさらに好適に確保することができる。
具体的には、高分子物質を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)基を有する第一単量体と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)基を有する第二単量体と、ブチルメタリレート(BMA)基を有する第三単量体との共重合体とすることができる。これらの共重合体であるpoly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)は、模式的に下記一般式(1)で示される。
Figure 0005157382
ただし、上記一般式(1)において、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。また、上記一般式(1)において、第一〜第三単量体がブロック共重合していてもよいし、これらの単量体がランダムに共重合していてもよい。
上記一般式(1)で示される共重合体は、高分子物質の適度な疎水化と、鋳型RNA断片の非特異吸着を抑制する性質と、プライマーを固定化する性質とのバランスとに、より一層優れた構成である。このため、このような共重合体を用いることにより、担体表面をより一層確実に高分子物質で被覆するとともに、高分子物質がコーティングされた担体上への鋳型RNA断片の非特異的吸着を抑制しつつ、プライマーをさらに確実に共有結合により固定化して担体上に導入することができる。
なお、上記第一の高分子物質の第一単位と上記第二の高分子物質の第一単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。また、上記第一の高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を含むとき、この第一の高分子物質の第三単位と上記第二の高分子物質の第三単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
このような第二の高分子物質は、鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制するポリマーとして用いられる。このようなポリマーとしては、たとえばホスホリルコリン基が30モル%、ブチルメタクリレート基が70モル%の割合で含まれているものであるMPCポリマー(日本油脂社製)を用いることができる。
以上のような高分子物質からなるコーティング層を表面に含む担体は、所定の形状に加工された担体の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に担体を浸漬し、乾燥してもよい。
また、担体として、プラスチック材料を用いた場合には、形状やサイズの変更に対する柔軟性が確保される上に、ガラス担体のものに比べて安価で提供することができるという観点から好ましい。このようなプラスチック材料としては、表面処理の容易性および量産性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ある程度耐熱性があれば特に制限はない、耐熱性のある樹脂としてたとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、含フッ素樹脂、等を用いることができる。
担体を、検出における反応条件として100℃近い高温にさらす場合、熱安定性からポリプロピレンや環状ポリオレフィンなどがさらに好ましい。
次に、担体の表面へのプライマー(RNAを捕捉するためのRNA捕捉用オリゴヌクレオチド)の固定化方法について説明する。
例えば、(i)担体上の高分子物質に含まれる複数の活性エステル基のうち、少なくとも一部の活性エステル基とプライマーとを反応させて共有結合を形成させることにより、担体表面でプライマーを固定化し、続いて(ii)プライマーを固定化した以外の担体表面の活性エステル基を不活性化する、すなわち残りの活性エステル基を不活性化することにより、プライマーを担体の表面に固定することができる。以下、それぞれの工程について説明する。
上記工程(i)において、鋳型RNA断片とアニールするプライマーを担体上に固定化する際には、プライマーを溶解または分散した液体を接触させることにより、高分子物質に含まれる活性エステル基の一部がプライマーと反応して、プライマーの間で共有結合が形成される。
このプライマーを溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。
また、接触後、担体表面に固定化されなかったプライマーを除去するため、純水や緩衝液で洗浄してもよい。
また、担体に固定化するプライマーには、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基を導入しておくことが好ましい。アミノ基は活性エステル基との反応性に優れるため、アミノ基が導入されたプライマーを用いることにより、効率よくかつ強固に担体の表面上にプライマーを固定化することができる。アミノ基の導入位置はプライマーの分子鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端に導入されていることが、相補的な鋳型RNA断片とのアニーリングをより一層効率よく行うことができるという観点からは、好ましい。
なお、担体の材料をプラスチックとした場合、形状は板状には限られず、96穴や384穴に代表されるマイクロタイタープレートの形状、スライドグラスに代表される基板状のもの、PCRチューブ形状のもの、あるいはシート状、フィルム状のもの、あるいは微細流路の形状等が上げられる。
上記により得られるオリゴヌクレオチドが固定化された担体は、一般的なプラスチック表面に比べ、ポリマーの親水性基の効果により担体表面への非特異的吸着が抑制されている。このため例えば細胞溶解液などの生体由来成分が混在するサンプルから表面に固定化されたプライマーに相補的なRNAが捕捉され、上清を取り除き、洗浄を行うことで捕捉されたRNAの精製を行うことができる。
検出のため固定化されるオリゴヌクレオチドは、スポット固定化することで複数の配列を検出することができる。
以下、この担体を用いたRNA検出方法の具体的な態様について説明する。以下の実施態様については、検出対象のRNAを含む溶液が、細胞溶解液を含む試料である場合について例示する。
(第一の実施態様)
図1は、上記担体から得られる反応空間の一例を示す。同一反応空間内にRNA捕捉するためのオリゴヌクレオチド部分(RNA捕捉部)と検出するためのオリゴヌクレオチド部分(検出部)からなる。図2は、実施態様としてのRNA検出方法の手順を示すフローチャートである。図3および図4は、図2のフローチャートにしたがって担体の反応空間で行われる反応を模式的に示す図である。
このRNA検出法は、担体12に設けられた反応空間20に細胞溶解物を含む試料22導入し(ステップS10)、ハイブリダイゼーションを行う(ステップS20)第1段階と、洗浄を行う(ステップS30)第2段階と、DNA鎖伸長用酵素系およびヌクレオチドモノマーを含む試料23を導入し(ステップS40)、細胞溶解物に含まれるRNA鎖16を鋳型にして、RNA捕捉用オリゴヌクレオチド(プライマー14)のDNA鎖伸長反応を行って、cDNA鎖18を形成する(ステップS50)第3段階と、cDNA鎖18を含む反応系に伸長用DNAプライマー、DNA鎖伸長用酵素系、ヌクレオチドモノマーおよびラベル化ヌクレオチドモノマーを含む試料24を導入し(ステップS60)、cDNA鎖18を鋳型にして、PCR反応を行い、ラベル化DNA鎖21を増幅する(ステップS70)と、増幅されたDNA21と、同反応空間中に固定化されたRNA配列検出用オリゴヌクレオチド(プライマー15)にハイブリダイズし、DNA鎖21を鋳型にしてRNA配列検出用オリゴヌクレオチドのDNA鎖伸長反応を行って、ラベル化DNA鎖23を作製する(ステップS80)第4段階と、ラベルを利用し検出する(ステップS90)第5段階とを含むものである。
ステップS10において導入される細胞溶解液中にDNA鎖伸長用酵素系による酵素反応を阻害しない場合、また酵素反応への阻害を低減させる工夫がある場合、細胞溶解液を含む試料22にDNA鎖伸長用酵素系およびオリゴヌクレオチドモノマーを加え、ステップS20およびS30を省略することができる。
ステップS20では、細胞溶解液中の標的RNA鎖16と固相化したプライマー14とのハイブリダイゼーションを行い、標的RNA鎖16は捕捉される。(図3B、図4B)固相化したプライマー14の配列と相補的でないRNA鎖はハイブリダイゼーションすることはできず、液相に存在する。プライマー14にオリゴdTプライマーを用いることにより、一般的にmRNAがもつポリAとのハイブリダイゼーションによって、mRNAを捕捉することができる。また、ポリA以外にプライマー14にある特異的な配列をもつDNAプライマーを用いることにより、相補的なRNA鎖のみを捕捉することができる。
ステップS30では、反応空間20を洗浄することで、プライマー14とRNA鎖16との二本鎖を残し反応空間内の試料22を取り除くことができる。洗浄において上記ポリマーをコートした表面は親水性基に細胞溶解液中に含まれる生体分子を無吸着効果があるために、純粋なRNA鎖16として精製することができる。その表面に無吸着性の低いポリスチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック表面を用いた場合、後工程の酵素反応阻害物質を取り除くことができず検出において悪影響を与える。
ステップS40では、逆転写反応に使用する酵素反応系を導入する。例えば、逆転写反応能力を持つ酵素としてReverse Transcriptase M-MLV (Rnase H-)やrTthポリメラーゼなどが上げられる。
ステップS50では、プライマー14の3'末端でRNA鎖16を鋳型としてDNA鎖伸長用酵素系の作用により逆転写反応が起こり、DNA鎖が作製される。RNA鎖16に相補的なcDNA鎖18が基板12の上に形成される。(図3C、図4C)また、RNA鎖16に相補的な配列を持つプライマーが液相に存在する場合、プライマーがRNA鎖16とハイブリダイゼーションし逆転写反応が起こる。
ステップS60では、cDNA鎖18を鋳型DNA鎖としてのcDNA鎖18の一部と相補的な配列を有するプライマー(不図示)、DNA鎖伸長酵素系、ヌクレオチドモノマーおよびラベル化ヌクレオチドモノマーを含むPCR試薬を導入する。DNA鎖伸長酵素系としては、例えばPCRで代表的に使用されるTaqポリメラーゼなどの耐熱性酵素が挙げられる。
ステップS70では、cDNA鎖18とcDNA鎖18の一部と相補的な配列を有するプライマーとDNA鎖伸長酵素系の作用によりDNA増幅反応が起こり、DNA鎖21が増幅される(図3D、図4D)。このときステップS60においてラベル化ヌクレオチドモノマーが含まれる場合、DNA鎖21がラベル化される。
ステップ80では、増幅反応によって作製されたDNA鎖21は、反応空間に固定化された相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド(プローブ15)とハイブリダイゼーションを行い、捕捉される。このときプライマー15の3'末端において、DNA鎖21を鋳型としてDNA鎖伸長用酵素系の作用によりDNA鎖伸長反応が起こり、DNA鎖21に相補的なDNA鎖23が基板12の上に形成される。このときステップS60においてラベル化ヌクレオチドモノマーが含まれる場合、DNA鎖23がラベル化される。
ステップS90では、ステップ80でラベル化されたDNA鎖21および固相されたDNA鎖23を、ラベルを利用し検出することができる。ラベル化に蛍光物質を用いることにより、蛍光顕微鏡、蛍光スキャナーなどで検出することができる。また、ラベルにビオチンを用い、アビジン固定化アルカリフォスファターゼなどの酵素を結合させることで、高感度で検出することができる。検出されるシグナルを数値化することにより、定量を行うことができる。
ステップS40〜ステップS80において、cDNA作製を行う逆転写酵素等とPCR反応を行うDNAポリメラーゼ等を同一反応溶液で行うことができる1ステップタイプのRT−PCR反応液を用いることにより、ステップS60を省略することができる。
(PMBNコート反応空間の作製)
プラスチック板を切削によって、図1のような反応空間を作製した。この反応空間を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンーブチルメタクリレートーp−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(poly(MPC−co−BMA−co―NPMA)(PMBN)、各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、PMBNをコ−トした担体を得た。以下PMBNコート担体と称す。
(プライマーの固定)
プライマーとして、表1に示す5’末端がアミノ基で修飾されたオリゴDNAを各々0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのオリゴDNA溶液を調製した。捕捉用プライマーのオリゴDNA溶液を上記PMBNコート担体に図1のように固定化した。また、検出用プライマーのオリゴDNA溶液を同様に図1のようにスポット形状に点着し、担体を80℃で1時間放置することで、担体に固定化した。超純水により洗浄を行った後、ブロッキング処理をおこなった。
このブロッキング処理とは、担体表面にオリゴDNAを固定化させて、固定化プライマーとした後に、担体の表面に存在する未反応の活性エステルを不活性化して、試料中のDNA鎖およびRNA鎖、その他たんぱく質などの生体由来物質などが非特異的に結合することを防止するための処理をいう。
具体的には、PMBNコート担体について、ブロッキング溶液として、1mol/lのNaOH溶液を反応空間に400μl分注し、5分間室温で放置した後、ブロッキング液を除き、超純水により洗浄をおこなった。
ブロッキング処理後、PBS(−)に1%BSAを反応空間に400μlを分注し、室温で2時間放置し、PBS(−)に0.05%の濃度でTween20を含有する洗浄溶液を400μl分注し吸引除去を3回で洗浄を行った後、乾燥させた。
Figure 0005157382
(ラット組織からRNAの精製)
正常ラットおよび高血圧肥満ラットの脂肪細胞を用意し、各細胞にグアニジンを含む細胞溶解液を加え、ピペッティング等によりよく攪拌し、ラット脂肪細胞の細胞溶解液を得た。これら溶液を希釈したものを別々のPMBNコート担体に50μlを分注し、室温で15分静置した。静置後、界面活性剤を含む緩衝液を200μl分注、吸引を繰り返し2回洗浄した。担体表面上のdTプライマーによりポリAを有するmRNAが捕捉されており、細胞溶解液に含まれるmRNA以外の生体由来物質を除去することができる。
(mRNAから固相cDNAの合成)
反応液として、Reverse Transcriptase M-MLV (RNAse H-)、5×Reverse Transcriptase M-MLV Buffer 、RNAse Inhibitor(Super)、20mMdTTP、20mMdATP、20mMdGTP、20mMdCTP、DEPC処理水(treated water)を加えて調製した。この溶液を各担体に50μlを分注し、42℃で15分以上インキュベートした。インキュベート後、溶液の除去を行った。
(固相cDNAからPCR反応)
反応液として、ExTaq HS(タカラバイオ製)、10×ExTaq Buffer、10μM PCR Forwardプライマー、10μM PCR Reverseプライマー、20mMビオチン化dUTP、20mMdATP、20mMdGTP、20mMdCTP、DEPC処理水(treated water)を加えて調製したものを担体に50μlを分注し、PCRを行った。このとき、増幅されたPCR産物と検出用の固定化プライマーの伸長反応が起こり、ラベル化される。なお、Forwardプライマー、Reverseプライマーはラット由来β Actinおよびadrenergic receptor β3を選択した。プライマーの配列について表2に示す。
Figure 0005157382
(発色反応)
上記伸長反応の後、DNA伸長用反応液の除去および洗浄を行い、ストレプトアビジンを標識したアルカリフォスファターゼ溶液を基板表面に供給し、37℃で30分放置後、アルカリフォスファターゼ溶液を除去後、基板の洗浄を行い、続いてNBT/BICP溶液を供給し、37℃で30分静置し、酵素反応を行った。基板を洗浄した後、PNBMコート担体表面において明確にスポット状に点着部分への着色が観察できた。基板のプライマー点着部分の着色像をCCDカメラにより取り込み、取り込んだデジタルデータを画像処理ソフト(NIHイメージ)により処理し、着色度合いを数値化した。結果を表3に示す。
Figure 0005157382
スポット状に得られたシグナル値はPCR産物量に依存した値を示しており、PCRにおける出発鋳型量を示している。シグナル値を得ることで、細胞溶解液中に含まれる標的RNAの発現量を解析することができる。複数のスポットを同一反応空間に配することで、多検体の検査をすることができる。
本発明に用いる担体の一実施形態を模式的に示す図である。 本発明のRNA検出方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図2のフローチャートにしたがって担体の反応空間で行われる反応を模式的に示す図である。 図2のフローチャートにしたがって担体の反応空間で行われる反応を模式的に示す図である。
符号の説明
12 担体
14 RNA捕捉用オリゴヌクレオチド
15 RNA配列検出用オリゴヌクレオチド
16 RNA鎖
18 cDNA鎖
20 反応空間
21 ラベル化DNA鎖
22 細胞溶解物を含む試料

Claims (11)

  1. 複数のRNA配列の検出方法であって、同一の連続する反応空間、RNAを捕捉するためのRNA捕捉用オリゴヌクレオチドを固定化した第1の領域、および検出対象となるRNA配列と相同する配列を有する2種類以上のRNA配列検出用オリゴヌクレオチドを各々固定化した第2の領域を有し、第1の領域と第2の領域が明確に区別され、第2の領域のRNA配列検出用オリゴヌクレオチドがスポット固定化する担体であって、
    該担体表面が親水性である担体を用いて、
    (a)検出対象のRNAを含む溶液を反応空間に供給し、前記RNAと固定化されたRNA捕捉用オリゴヌクレオチドとをハイブリダイズし前記RNAを捕捉する工程、
    (b)捕捉されたRNAを鋳型にして固定化されたRNA捕捉用オリゴヌクレオチドを伸長してcDNA鎖を合成する工程、
    (c)(b)で合成されたcDNA鎖を鋳型にして、DNA鎖を増幅する工程、
    (d)増幅したDNA鎖と固定されたRNA配列検出用オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズの状況を検出する工程、
    を含むRNA配列の検出方法。
  2. 前記RNA捕捉用オリゴヌクレオチドがdT配列である請求項1記載のRNA配列の検出
    方法。
  3. 工程(a)で捕捉されるRNAがmRNAである請求項1又は2記載のRNA配列の検出
    方法。
  4. 工程(c)のDNA鎖の増幅が、PCR、LCR、SDA、RCA、TMA、ICA、NASBA、TRCの何れかである請求項1〜3いずれか記載のRNA配列の検出方法。
  5. 工程(d)のハイブリダイズの状況の検出が蛍光インターカレーターによる蛍光検出である請求項1〜4いずれか記載のRNA配列の検出方法。
  6. 工程(c)のDNA鎖の増幅がPCRであり、増幅されるDNA鎖に標識が導入され、工程(d)において導入された標識を検出する請求項1〜4いずれか記載のRNA配列の検出方法。
  7. 工程(c)において、PCR反応系に標識されたモノヌクレオチドを添加する請求項6記載のRNA配列の検出方法。
  8. 前記担体の形状が、スライドガラス形状、フィルム形状、マイクロタイタープレート形状、PCR用チューブ形状、及びPCR用マルチウェル形状の中から選択される1つである請求項1〜いずれか記載のRNA配列の検出方法。
  9. 前記反応空間形状が、平面、ウェル、容器、及び微細流路の中から選択される1つである請求項1〜いずれか記載のRNA配列の検出方法。
  10. 前記担体において第1の領域と第2の領域が流路中に順に形成されている請求項1〜いずれか記載のRNA配列の検出方法。
  11. 前記担体表面にリン脂質の親水部を構成するリン脂質エステルより誘導される基を有する請求項いずれか記載のRNA配列の検出方法。
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