本発明は、基板の外側の側面である端面を研磨する研磨装置及び研磨方法に関する。
半導体ウエハ、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板などの脆性基板においては、通常、基板の端面の面取り加工が行なわれる。また、単板の基板同士を貼り合わせた貼合せ基板においても、それぞれの基板の端面の面取り加工が実施される。このような貼合せ基板は、特にフラットパネルディスプレイ(FPD)の一種である液晶表示器(LCD)用パネルに多く用いられている。また、貼合せ基板は、液晶表示器(LCD)用パネル以外のFPDであるプラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELパネル、あるいは、液晶プロジェクタに含まれる透過型液晶プロジェクタ基板、反射型液晶プロジェクタ基板等にも使用されている。さらに、貼合せ基板は、フィールドエミッションディスプレイ(FED)にも用いられている。このような用途の貼合せ基板は、携帯電話に用いられる液晶表示器用パネルのように小型のものから、TV用、ディスプレイ用のように大型のものまであり、そのサイズは多種多様である。貼合せ基板は、大型のマザー基板から所定のサイズに分断されて、個々のFPDが製造される。FPDの製造において、貼合せ基板の分断工程や面取工程の歩留りは、FPDの製造コストに反映する。
本発明では、上記各種の基板の一例として、単板のガラス基板および貼合せガラス基板を例に挙げて説明を行う。図23および図24は、それぞれ、大面積のマザー液晶パネルから個々の単位に分割された液晶表示器(LCD)用パネルDの平面図および側面図である。この液晶表示器(LCD)用パネルDは、2枚のガラス基板G1およびG2のいずれか一方にスペーサを散布して、両基板同士を貼合わせて、両基板の間にギャップ部を形成し、そのギャップ部に液晶Lを注入し、その後に、液晶Lをギャップ部シール材Vで封入することによって形成される。下側のガラス基板G2には、個々の画素を駆動するトランジスタ20が形成されている。各トランジスタ20の入力端子である電極端子21は、外部接続用として下側のガラス基板G2の側縁部Qに形成される。ガラス基板G2の側縁部Qは、上側のガラス基板G1にて覆われることなく露出した状態になっている。電極端子21は、各トランジスタ20の入力端子として外部回路に接続される。
なお、トランジスタ20が、製造工程中に基板表面に発生する静電気によって絶縁破壊しないように、各電極端子21は、側縁部Qに上に形成された短絡電極22を用いて相互に短絡されている。短絡電極22が設けられたガラス基板G2は、液晶表示器(LCD)用パネルDの製造工程の最終段階において、各電極端子21と短絡電極22との間に形成したスクライブライン(罫書き線あるいは切り線)23に沿ってブレイク(分断)され、ガラス基板G2の幅Wに渡る側縁部Qが切り離される。これにより、短絡電極22による各電極端子21同士の短絡が解除される。図25は、ガラス基板G2の側縁部Qの加工工程を模式的に示す斜視図である。その加工方法を、図25に基づいて説明する。
図25(A)に示すように、液晶表示器(LCD)用パネルDにおける一方のガラス基板G2の側縁部Qに、複数の電極端子21のそれぞれを相互に短絡する短絡電極22が形成されている。液晶表示器(LCD)用パネルDの製造工程の最終段階において、図25(B)に示すように、各電極端子21と短絡部22との間に、短絡電極22に沿ってスクライブライン23が形成される。そして、スクライブライン23に沿ってブレイクされることによって、図25(C)に示すように、ガラス基板G2の側縁部Qにおける短絡電極22は切り離される。次に図25(D)に示すように、ガラス基板G2の端面24に対して研磨が行われ、電極端子21が形成されたガラス基板G2の端面24を研磨すると共に、電極端子21が形成されたガラス基板G2の表面と端面24とが接するエッジ25に対して面取り(糸面取り)加工が行なわれる。
また、ガラス基板G2における端面24の両側の垂直方向に沿った各エッジ26に対しても、研磨によって面取り加工が行われる。図25(D)に示すように、ガラス基板G2における端面24の各エッジを研磨するのは、次の理由による。
即ち、液晶表示器用パネル等のFPDを製造する際に、基板を貼り合わせたマザー貼合せ基板をスクライブ及びブレイクして、表示パネル基板に分断すると、分断された各表示パネル基板には、スクライブカッターを用いてのスクライブ時に形成されるスクライブラインの両側(分断された基板の端面エッジ部)に応力が残留する。この残留応力は、スクライブ及びブレイクが行われる工程の後において欠け等を発生させる原因となり、製品化された際に製品不良になるおそれがある。そのため、分断された基板は、スクライブ及びブレイクが行われた基板の端面に対して研磨などによる面取り加工を行うことによって、残留応力が残留している部分を除去している。なお、通常の液晶表示器(LCD)用パネルの製造工程では湿式研磨装置が使用されており、研磨量が多いことによる熱的な悪影響を防止している。
上記の研磨加工は、液晶表示器(LCD)用パネルに対して1つの端面のみを研磨加工する例であったが、液晶表示器(LCD)用パネルの実際の製造工程では、2つの端面又は3つの端面を研磨加工する必要がある。また、用途によっては4つの端面の全てを研磨加工する場合もある。
特許文献1(特開平8−197402号公報)には、LCD用パネルの端面を研磨する研磨装置が開示されている。この研磨装置では、吸着テーブルユニット上の所定位置にセットしたガラス基板に対し、各端面をそれぞれ研磨する4台の研磨機が設けられており、各研磨機を、研磨する端面のエッジにそれぞれ当接させて、同時に各エッジに沿って移動させることにより、各エッジを同時に研磨して面取り加工するようになっている。
この研磨装置は、さらに、セットされたLCD用パネル(ワーク)を吸引固定する吸着テーブルユニットと、吸着テーブルユニットを水平方向に沿ったX方向およびY方向に移動させると共に、X−Y(水平方向)平面において角度θにわたってX−Y平面に沿って回転させるテーブルユニット移動機構と、吸着テーブルユニット上にセットされたワークに記されたアライメントマークを撮像するCCDカメラとを備えている。更に、この研磨装置は、CCDカメラの画像データからワークの位置ずれを認識し、その位置ずれ量を補正すべく、テーブルユニット移動機構により吸着テーブルユニットを移動させる位置合わせ機構を備えている。更に、この研磨装置は、4台の各研磨機をX,Y,Zの各方向に移動させる研磨機送り機構と、加工対象のワークのエッジに対応する研磨機をそれぞれのエッジに沿って同時に移動させて研磨を行う研磨機移動機構と、この研磨機移動機構を制御するための制御部とを備えている。
この研磨装置によれば、ワークの4つのエッジを研磨する場合、ワークは固定されており、4台の研磨機を各エッジに沿って同時に移動させながら研磨を行う。このため、研磨に要する時間を大幅に短縮でき、かつ研磨を行う毎にワークの移動や回転を行う必要がないために、ワークの移動等による位置ずれが発生せず、高精度で研磨を行うことができる。また、1つのテーブルユニット上において、全ての端面の研磨加工を行えるため、テーブルユニットを回転させるための装置を設ける必要がなく、広いスペースを必要とせず小型化を実現することができる。
なお、基板の端面と表面との水平方向に沿ったエッジのC面取り及びR面取り、基板の端面同士によって形成される垂直方向に沿ったエッジのC面取り及びR面取り、さらに、基板端面のエッジ部分以外の研磨加工を、以下の説明では全てを面取り加工と称する。
図26は、従来の基板の端面を面取り加工する他の研磨装置の要部構成を説明するための側面図である。この研磨装置30は、研磨ユニット31と、面取り加工対象の基板33を吸着保持するテーブル32とを備えている。テーブル32は矩形の基板33を真空吸着によって保持するものであり、図示しない回転手段により任意の角度θにわたって垂直軸回りに回転可能である。テーブル32の底部は図示しない回転手段の回転ベースに固定されている。
研磨ユニット31は、スピンドルモータ34と、回転可能になった研磨砥石集合体35を有する研磨ヘッド36と、基板33に設けられた一対のアライメントマークを撮像するCCDカメラ等の一対の撮像装置37と、研磨ヘッド36を上下方向に移動させる研磨ヘッド移動機構38とを備えている。なお、この研磨装置30において、鉛直方向をZ軸方向、研磨ユニット31に対してテーブル32が位置する側方をY軸方向、Z軸方向およびY軸方向にそれぞれ直交する方向をX軸方向とする。研磨ヘッド移動機構38は研磨ヘッド36をZ軸方向に移動させて、回転する研磨砥石35が基板のエッジ33aに対する研磨位置になるように位置決めする。また、研磨ヘッド移動機構38を有する研磨ユニット31は、図示しない研磨ユニット移動機構によってX軸方向及びY軸方向にそれぞれ独立して移動される。そして、研磨ユニット31は、回転可能になった研磨砥石集合体35における所定の研磨砥石35iが基板33に当接し、回転した状態で基板33のエッジ33aに沿って移動するように、図示しない制御部によって制御される。
研磨砥石集合体35はそれぞれが略円盤状になった複数の研磨砥石35i(i=1,2・・n)を有し、それぞれの研磨砥石35iが支持軸によって同軸状態で多段に積層されて保持されている。各研磨砥石35iは面取り加工用の砥石であり、多段に積層状態で設けられているのは、各研磨砥石35iの研磨面の砥粒が摩耗することによる取り替え等の面取り加工時の段取り時間を短縮するためである。研磨砥石集合体35では、研磨砥石35iの研磨面が摩耗して基板33の端面33aにおけるエッジを所定の形状に面取り加工ができなくなると、研磨砥石35iの支持軸が研磨ヘッド移動機構38によって所定のピッチでZ軸方向に移動され、摩耗していない研磨砥石35iの新しい砥石面によって面取り加工が行われる。研磨砥石35iの段数をnとすると、研磨砥石35iの摩耗に伴い、1段目、・・i段目、・・n段目の研磨砥石部材35iの研磨面が、基板33の端面33aを研磨するように順番に昇降される。
一対の撮像装置37は、基板に設けられた一対のアライメントマークのそれぞれを撮像する。研磨装置30の制御部(図示せず)は、一対のアライメントマークの位置データを制御部に設けられたメモリに記憶させる。テーブル32の載置面において、その中心(基準)位置Sの座標を(X0,Y0,Z0)とすると、テーブル32には、中心位置(X0,Y0)を中心として、複数の吸引溝が点対称に設けられており、このテーブル32の吸引溝を真空ポンプまたは吸引ポンプ等の吸引手段により負圧状態にすることによって、面取り加工対象の基板33を真空吸着して固定するようになっている。
さらに、特許文献2(特開平10−58293号公報)には、研磨時に生じた研磨粉を含む懸濁液を洗浄する機能を有する、ガラス基板の端面を研磨する研磨装置が開示されている。この研磨装置では、テーブルユニットが水平状態で回転可能になっており、そのテーブルユニットに固定したワークの両側のエッジに対向するように、2基の研磨機が設けられている。そして、ワークの両側のエッジにそれぞれの研磨機の砥石を当接させた状態でテーブルユニットを移動させることによって、基板におけるそれぞれのエッジが研磨砥石によって研磨される。研磨が終了すると、テーブルユニットを90度回転させて、ワークにおける研磨されていない残りの一対のエッジを研磨する。これにより、ワークにおける全てのエッジの研磨加工が終了する。
また、特許文献3(特開2003−275955号公報)には、大面積のマザー液晶パネルを単位液晶表示器用パネルに切断した後、単位液晶表示器用パネルのエッジを研磨する研磨装置が開示されている。この研磨装置は、単位液晶表示器用パネルの多様なサイズに対応し得る液晶表示器用パネルの研磨台を備えることを特徴としている。この研磨装置は、単位液晶表示器用パネルのサイズに対応して、相互に移動可能な複数の研磨台要素を有している。
特開平8−197402号公報
特開平10−58293号公報
特開2003−275955号公報
最近のFPDでは、表示面積が大きいパネルも要求されるようになり、そのためマザー基板パネルの寸法も大型化している。マザー液晶パネルにおいては、第6世代、第7世代のものが用いられる傾向になっている。第6世代のマザー液晶パネルの基板サイズは例えば1500mm×1850mmであり、第7世代のマザー液晶パネルの基板サイズは例えば1870mm×2200mmである。このようなサイズのマザー液晶パネルの基板を複数の液晶表示器用パネルの基板に分断し、分断された液晶表示器用パネルの基板のエッジや端面に対して研磨加工を行う場合には、特許文献1及び2に開示された研磨装置に用いられるテーブルユニットとして大型のものが要求される。大型サイズのテーブルユニットにおける基板が載置される上面の平面度を通常サイズのテーブルユニットの平面度と同様の精度を確保することは容易でなく、必要な平面度を確保できていないテーブル上面に基板を載置して基板を吸引固定させると、基板の端面にうねり等が生じる。このように、基板にうねり等が生じた状態では、基板の端面を高精度で研磨加工することができないおそれがある。
また、図27に示すように、テーブル32を小型にして、大型の基板33を小型のテーブル32に吸着固定させると、基板33の周縁部が下方に撓む。基板33の面取り加工時には、通常、図26に示すように、基板33のエッジ33aがテーブル32の載置面から5〜15mm程度外側に突き出した状態になるように基板33を固定することが望ましい。しかしながら、基板33が大型化且つ薄型化すると、図27に示すように、テーブル32が小型になっていると、基板33はテーブル32からはみ出す部分が大きくなり、その部分の撓みも大きくなる。この場合、基板33のエッジ33aに対して、回転する研磨砥石35を位置決めすることが困難になる。特に、基板33の端面33aにうねりが生じることによって、Z軸方向に対するエッジ33aの位置が一定しなくなると、研磨砥石35iを基板33のエッジに高精度で位置決めして連続的に研磨作業をすることが容易でなく、精度のよい面取り加工ができないという問題が生じる。
また、基板33のサイズの変更にあわせて、基板33のエッジ33aがテーブル32の載置面から5〜15mm程度外側に突き出した状態になるように、大きさが異なるテーブル32に変更することも考えられるが、この場合には、テーブル32の取り替え等による段取り替え時間が長くなり、生産効率が低下することになる。
特許文献3の研磨装置では、移動可能な複数のテーブルを利用することによって基板の各種サイズに対応することができる構成になっている。しかし、基板を複数のテーブルによって支持する構成では、複数のテーブルのそれぞれが基板の一部を支持するようになるために、基板の全面を支持することができない。このために、基板が各テーブルの間で撓み、従って、基板の全エッジを撓まずに支持することができなくなるおそれがある。その結果、特許文献3の研磨装置では、精度の良い基板の面取り加工ができないという問題がある。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、多様なサイズの基板に対応でき、大きなサイズの基板に対して基板の端面における研磨部分の周辺を安定的に支持できることによって、精度よく面取り加工できる基板の端面の研磨ユニット、研磨装置及び研磨方法を提供することを目的とする。
本発明の研磨装置は、基板が載置されて、該基板を所定の基準状態で固定的に保持するテーブルユニットと、該テーブルユニットに保持された前記基板の端面を研磨する研磨砥石と、該研磨砥石により研磨される基板の端面近傍の該基板側縁部の下面を支持する基板側縁部支持手段とを備える第1研磨ユニットと、前記第1研磨ユニットを、前記研磨砥石が前記基板の前記端面を研磨している状態で、前記基板側縁部支持手段とともに前記基板の前記端面に沿って移動させる第1研磨ユニット移動手段と、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、前記研磨装置による基板端面の研磨方法であって、前記テーブルユニットに前記基板を載置して、前記テーブルユニットによって前記基板を前記基準状態で固定的に保持する保持工程と、前記テーブルユニットに保持された前記基板の側縁部を、前記第1研磨ユニットを前記基板側縁部支持手段によって支持する支持工程と、前記第1研磨ユニットの前記研磨砥石が、前記基板側縁部支持手段によって支持された側縁部の端面にて研磨している状態で、第1研磨ユニット移動手段によって前記第1研磨ユニットを研磨されている端面に沿って移動させる移動工程と、を包含する。
本発明によれば、第1研磨ユニットの基板側縁部支持手段が、研磨加工される基板の端面近傍の基板側縁部を支持するために、基板の端面における研磨加工される部位を一定の高さに正確に位置決めすることができ、しかも、研磨砥石とともに基板側縁部支持手段が移動されることによって、基板の端面の研磨加工を、基板のうねり、撓み等の影響を受けることなく、研磨作業を実施することができる。
また、第1研磨ユニットに、さらに基板の側縁部の上面を保持する手段を設けることによって、研磨加工時に、研磨砥石によって順番に移動する研磨部位が浮き上がることなくを防止することができ、従って、研磨部位を高精度で位置決めすることができ、これによっても、基板の厚み方向の変位の影響を受けずに、精度よく、安定して研磨加工を行うことができる。
基板側縁部支持手段が、基板の下面を低摩擦部材によって支持することによって、基板側縁部支持手段は、基板側縁部を支持しつつ円滑に移動することができる。
基板側縁部保持手段が、基板の下面を低摩擦部材によって支持することによって、基板側縁部保持手段は、基板側縁部支持手段とともに、基板側縁部を両側から挟持しつつ、滑らかに移動することができる。
低摩擦部材がフリーベアリングの場合には、フリーベアリングが備える大ボールが点接触状態で基板端面の研磨部位の近傍の基板側縁部を支持しつつ滑らかに回転移動するために、基板下面との摩擦抵抗が小さく、また、基板下面に当接しつつ移動する方向について規制されないことから、基板が傷つくことが確実に防止される。
テーブルユニットが、基板下面の中央部を吸引保持するセンターテーブルを備えることによって、研磨加工時、基板に回転モーメントが発生しても、基板の回転や位置ずれを防止することができる。
テーブルユニットは、センターテーブルに保持された前記基板の下面の側部をそれぞれ支持するように該センターテーブルの周囲に配置された複数の基板補助支持手段を有することにより、基板のサイズが大きくなっても、センターテーブルと研磨ユニットとの間で基板補助支持手段が基板を支持し、基板に撓みが生じることを防ぐことができる。
テーブルユニットの前記基板補助支持手段が、前記基板の下面を支持する補助支持台を有しており、該補助支持台は、前記基板の下面を低摩擦部材によって支持することにより、基板下面を傷つけることなく支持することができる。
前記テーブルユニットの前記基板補助支持手段の前記基板の下面をフリーベアリングによって支持することによって、基板を保持するセンターテーブルが回転した場合、基板は位置ズレを起こすことなく支持され、基板下面が傷付くおそれがない。
前記基板補助支持手段の前記基板の下面に当接する部分に、基板の下面を吸引保持する真空吸引手段を設けることにより、強固に基板を保持することができる。その結果、基板のサイズが大きくなって、端面部の研磨加工時に、基板に対する回転モーメントが大きくなっても、基板が回転したり位置ずれを起こすおそれがない。
前記基板補助支持手段が、前記補助支持台を前記センターテーブルに対して接近及び離隔するようにスライドさせるスライド機構を具備することによって、基板のサイズに合わせて基板補助支持手段の位置を変更することができるため、基板を安定した状態で支持することができる。また、多種の基板サイズに対応するためにテーブルを交換するなどの段取り替え作業が不要となる。
前記テーブルユニットは、前記センターテーブルを回転させるテーブル回転機構をさらに備えることによって、テーブルユニットに載置され保持される基板が基準位置に対して水平方向に回転しても、テーブルユニットを回転させることにより、基板の研磨加工ラインと研磨砥石の移動方向とが平行となるように基板の姿勢を補正することができる。
前記第1研磨ユニットおよび前記第1研磨ユニット移動手段が、前記テーブルユニットに保持される前記基板の端面に沿って配置された水平ビームを有する第1研磨ユニット保持体に取り付けられて、該研磨ユニット保持体が前記水平ビームに対して垂直方向に移動可能になっていることにより、研磨ユニットでテーブルユニットを回転させることなく、テーブルユニットに載置された基板の3つの端面を研磨することができる。また、テーブルユニットを少なくとも1度、90°または180°回転させることで、基板の4つの研磨を行うことができる。さらに、研磨ユニットが研磨を行っている端面の端部に到達すると、研磨ユニットの移動方向を適宜設定することによって、基板のコーナー部の面取りを行うことができ、さらには、基板のコーナー部の面取りをC面取りやR面取りとすることも容易である。
前記テーブルユニットに保持された前記基板の前記第1研磨ユニットによって研磨される端面とは反対側に位置する端面を研磨する研磨砥石と、該研磨砥石により研磨される基板の端面近傍の該基板側縁部の下面を支持する基板側縁部支持手段とを備える第2研磨ユニットと、前記第2研磨ユニットを、前記研磨砥石が前記基板の端面を研磨している状態で、前記基板側縁部支持手段を前記基板の前記端面に沿って移動させる第2研磨ユニット移動手段とをさらに備え、前記第2研磨ユニットおよび前記第2研磨ユニット移動手段が、前記第1研磨ユニット保持体の前記水平ビームに平行な第2水平ビームを有する第2研磨ユニット保持体に取り付けられており、該第2研磨ユニット保持体が前記第2水平ビームに対して垂直方向に平行移動可能になっていることにより、第1および第2の研磨ユニットを用いて、基板を研磨加工することができる。また、第1および第2の研磨ユニットが研磨加工を行っている基板の端面の端部へ到達すると、各研磨ユニットの移動方向を適宜設定することによって、基板のコーナー部の面取りも同時に行うことができ、また、基板のコーナー部の面取りをC面取りまたはR面取りのいずれにも容易に対応することができる。
前記テーブル回転機構は、前記センターテーブルに載置された基板を、前記基準状態に対して30〜60度の範囲の所定の角度だけ回転した状態になるように前記センターテーブルを回転させ、前記第1研磨ユニットおよび第2研磨ユニットは、回転されたセンターテーブル上に保持された基板における相互に対向する各端面をそれぞれ同時に研磨する構成であることにより、各研磨ユニットが干渉することなく、効率よく研磨作業を行なうことができる。
本発明の研磨装置は、基板が載置されて、該基板を基準状態で固定的に保持するテーブルユニットと、該テーブルユニットに保持された前記基板の各端面をそれぞれ研磨する研磨砥石と、前記各研磨砥石により研磨される前記基板の前記各端面近傍を前記基板側縁部の下面をそれぞれ支持する基板側縁部支持手段とをそれぞれ備える4基の研磨ユニットと、前記各研磨ユニットを、前記研磨砥石のそれぞれが前記基板の前記各端面をそれぞれ研磨している状態で、前記各基板側縁部支持手段とともに前記基板の前記各端面に沿ってそれぞれ移動させる4基のユニット移動手段と、前記各研磨ユニットを、前記基板の前記各端面に接近および離隔する方向にそれぞれ移動させる4基の研磨ユニット送り機構と、を具備することを特徴としていることにより、4基の研磨ユニットにより4つの基板の端面を同時に、しかも、基板の厚み方向の変位の影響を受けずに、精度よく、安定して研磨加工を行うことができる。
前記各研磨ユニットに、前記基板に設けられたアライメントマークの画像をそれぞれ撮像するとともに、前記各研磨砥石による研磨部位を撮像する撮像装置がそれぞれ設けられており、前記各撮像装置から得られた前記アライメントマークおよび前記研磨部位の画像データを演算する画像処理装置と、前記画像処理装置で演算された前記アライメントマークの位置データに基づいて、前記センターユニットに載置された前記基板の基準状態からの水平方向の傾きを演算するとともに、前記各端面における研磨量を演算して、前記各研磨ユニット送り機構を制御する制御部と、をさらに備えることにより、テーブルユニットに載置された基板の傾きを演算により求めて、基板端面に沿って研磨砥石が移動するよう移動させることができ、高精度で面取り加工をすることができる。
前記各研磨ユニットは、前記各撮像装置と前記各研磨砥石との間に、前記各撮像装置にエアーを吹き付けるエアブロー装置をそれぞれ有することにより、研磨部位の画像を高精度で撮像することができる。
本発明の研磨方法によれば、前記テーブルユニットに前記基板を載置して、前記テーブルユニットによって前記基板を前記基準状態で固定的に保持する保持工程と、前記テーブルユニットに保持された前記基板の側縁部を、前記第1研磨ユニットを前記基板側縁部支持手段によって支持する支持工程と、前記第1研磨ユニットの前記研磨砥石が、前記基板側縁部支持手段によって支持された側縁部の端面にて研磨している状態で、第1研磨ユニット移動手段によって前記第1研磨ユニットを研磨されている端面に沿って移動させる移動工程と、を包含することにより、研磨加工時、研磨部位が浮き上がることなく、所定の位置に高い精度で、しかも研磨部位を順番に位置決めしつつ研磨加工できるため、基板の厚み方向の変位の影響を受けずに、精度よく、安定した加工を行うことができる。
前記センターテーブルが前記基板の中央部を吸引する吸引手段を有し、前記保持工程において、前記センターテーブルの前記吸引手段によって、前記基板の中央部が吸引されることにより、研磨加工時、基板に回転モーメントが発生しても、基板の回転や位置ずれを防止できる。
前記研磨装置の前記テーブルユニットは、前記センターテーブルに保持された前記基板の下面の側部をそれぞれ支持するように該センターテーブルの周囲に配置された複数の基板補助支持手段を有し、前記保持工程において、前記センターテーブルに固定的に保持された前記基板の下面の側部が、少なくとも1つの前記基板補助支持手段によって支持されることにより、基板のサイズが大きくなっても、センターテーブルと研磨ユニットとの間で基板補助支持部材が基板を支持し、基板に撓みが生じることを防ぐことができる。
前記研磨装置の前記基板補助支持手段は、前記補助支持台を前記センターテーブルに対して接近及び離隔するようにスライドさせるスライド機構を具備し、前記保持工程において、前記センターテーブルに固定的に保持された前記基板の側部を支持するように、前記基板補助支持部材がスライドされることにより、基板を安定した状態で支持することができる。また、多種の基板サイズに対応するためのテーブルを交換するなどの段取り替え作業が不要となる。
前記研磨装置の前記テーブルユニットは、前記センターテーブルを回転させるテーブル回転機構をさらに備え、前記保持工程において、前記基板の前記端面が、前記第1研磨ユニット移動手段による前記第1研磨ユニットの移動方向に沿うように、前記回転機構によって回転されることにより、センターテーブルに保持された基板が基準状態から水平方向に傾いていても、センターテーブルを回転させることにより、基板の加工ラインと研磨砥石の移動方向とが平行となるように基板の姿勢を補正することができる。
前記研磨装置の前記第1研磨ユニットおよび前記第1研磨ユニット移動手段が、前記テーブルユニットに保持される前記基板の端面に沿って配置された水平ビームを有する第1研磨ユニット保持体に取り付けられており、該研磨ユニット保持体が前記水平ビームに対して垂直方向に平行移動可能になっており、前記移動工程において、前記第1研磨ユニットが、前記基板の前記端面に沿うように、前記第1研磨ユニット移動手段によって移動される間に前記第1研磨ユニット保持体によって移動されることにより、基板端面に沿って研磨砥石が移動するように制御することができる。
本発明では、前記テーブルユニットに基板を載置して、前記テーブルユニットによって該基板を基準状態で固定的に保持する保持工程と、前記第1研磨ユニットを、前記テーブルユニットに保持された前記基板の側縁部を前記基板側縁部支持手段によって支持する支持工程と、前記第1研磨ユニットの前記研磨砥石が、前記基板側縁部支持手段によって支持された側縁部の端面にて研磨している状態で、第1研磨ユニット移動手段によって、前記第1研磨ユニットを研磨されている端面に沿って移動させる移動工程と、を包含し、前記保持工程の後であって前記移動工程の前に、前記撮像装置により、前記テーブルユニットに保持されている前記基板に設けられたアライメントマークを撮像する工程と、次いで、前記アライメントマークの画像データを前記画像処理装置により処理し、前記アライメントマークの位置データを生成する工程と、次いで、前記画像処理装置で処理された前記アライメントマークの位置データに基づいて、前記基板の前記基準状態に対する水平方向の傾きを演算する工程とをさらに包含し、前記移動工程において、前記第1研磨ユニットが前記基板の前記端面に沿って移動するように、前記演算された傾きに基づいて前記第1研磨ユニット保持体の移動を制御することを特徴とすることにより、センターテーブルまたはテーブルユニットに載置された基板の基準状態に対する水平方向の傾きを演算により求めて、基板端面に沿って研磨砥石が移動するように制御することができる。
また、本発明では、 前記テーブルユニットに前記基板を載置して、前記テーブルユニットによって前記基板を前記基準状態で固定的に保持する保持工程と、次いで、前記テーブル回転機構によって前記テーブルユニットを前記基板が前記基準位置に対して、所定の角度にわたって回転させる工程と、前記テーブルユニットに保持された前記基板の相互に対向する側縁部を、前記第1研磨ユニットおよび前記第2研磨ユニットのそれぞれの前記基板側縁部支持手段によって支持する支持工程と、前記第1研磨ユニットおよび前記第2研磨ユニットのそれぞれの前記研磨砥石が、前記各基板側縁部支持手段によって支持された側縁部の端面を研磨している状態で、前記第1研磨ユニット移動手段と第1研磨ユニット保持体によって、および、前記第2研磨ユニット移動手段と第2研磨ユニット保持体によって、前記第1研磨ユニットおよび前記第2研磨ユニットを、研磨されている前記各端面にそってそれぞれ移動させる移動工程と、を包含することにより、前記各研磨ユニット干渉することをより確実に回避することができ、研磨加工が完了するまでの待機時間を短縮することができる。さらに、研磨ユニットが研磨加工を行っている端面の端部へ到達すると、研磨ユニットの移動方向を適宜設定することで、同時に基板のコーナー部の面取りも行うことができ、基板のコーナー部の面取りをC面取りまたはR面取りのいずれにも容易に対応することができる。
前記所定角度は、前記基準状態に対して水平方向に30°〜60°の範囲の角度であることにより、予め、テーブルの所定角度を30°,45°,60°と演算を実行しやすい角度に設定した場合、研磨ユニットの研磨砥石の移動方向を高速に演算することができるため、研磨加工を完了するまでの待機時間を短縮することができる。
また、本発明では、前記テーブルユニットに前記基板を載置して、前記テーブルユニットによって前記基板を前記基準状態で固定的に保持する保持工程と、前記テーブルユニットに保持された前記基板の側縁部を、前記4基の研磨ユニットの前記基板側縁部支持手段によってそれぞれ支持する支持工程と、前記各研磨ユニットの前記研磨砥石が、前記基板側縁部支持手段によって支持された側縁部のそれぞれ端面を研磨している状態で、前記各第1研磨ユニットを、前記各研磨ユニット移動手段によって、研磨されている前記端面に沿って移動させる移動工程とを包含することにより、4基の研磨ユニットにより4つの基板端面部を同時に、しかも、前記基板端面部の研磨部位が、所定の位置に高い精度で、順次位置決めされつつ、研磨加工されるため、基板の厚み方向の変位の影響を受けずに、精度よく、安定した加工を行うことができる。
前記移動工程において、前記各撮像装置から得られた前記研磨部位の画像データに基づいて、前記各端面における研磨量を演算して、前記各研磨ユニット機構をそれぞれ制御することにより、常に一定量の面取り加工を行うことができる。
本発明の実施形態における研磨装置の概略構成を示す斜視図である。
その研磨装置に用いられる研磨ユニットの要部構成を示す側面図である。
その研磨ユニットの要部構成を示す正面図である。
その研磨ユニットに用いられる研磨砥石の断面図である。
(A)および(B)は、それぞれ、その研磨ユニットに用いられるフリーベアリングの構造を示す一部破断側面図である。
実施形態1の研磨装置に用いられるテーブルユニットの構造を示す平面図である。
そのテーブルユニットにおけるスライド台の構造を示す側面図である。
本発明の研磨ユニットの待機状態を説明する側面図である。
本発明の第1研磨ユニットの加工状態を説明する側面図である。
本発明の第1研磨ユニットの初期状態の他の例を説明する側面図である。
本発明の第1研磨ユニットの待機状態のさらに他の例を説明する側面図である。
本発明の第1研磨ユニットの加工状態の他の例を説明する側面図である。
本発明の研磨装置に用いられる基板端面部の第2の研磨ユニットの要部構成を示す側面図である。
本発明の第2研磨ユニットの要部構成を示す正面図である。
本発明の第2研磨ユニットの待機状態を説明する側面図である。
本発明の第2研磨ユニットの加工状態を説明する側面図である。
実施形態1の基板端面部の研磨装置の第1の研磨動作を示す説明図である。
実施形態1の基板端面部の研磨装置の第2の研磨動作を示す説明図である。
実施形態1の基板端面部の研磨装置の第3の研磨動作を示す説明図である。
本発明の実施形態2の基板端面部の研磨装置の外観を示す斜視図である。
実施形態2の基板端面部の研磨装置の研磨動作を示す説明図である。
本発明の実施形態3における基板の端面部の研磨装置の構造を示す模式平面図である。
液晶表示器の端部構造を示す平面図である。
液晶表示器の端部構造を示す側面図である。
液晶表示器の加工を説明する液晶表示器の斜視図である。
従来の基板の端面部の研磨装置の要部構成を説明する側面図である。
その研磨装置の動作説明図である。
符号の説明
30,80A,80B,90 研磨装置
31,40a,40aA,40aa、40b、91 研磨ユニット
32 テーブル
33 基板
33a 端面
34,46 スピンドルモータ
35,45 研磨砥石集合体
36,41 研磨ヘッド
37,49,49A,49B, 撮像装置
38,44 研磨ヘッド移動機構
42,42A,42B 基板側縁部支持手段
42b,42b、52a 開口部
42a 支持プレート部
43,84 LMガイド
43a LMブロック
43b LMレール
45i 研磨砥石
45ia テーパ部
45ib 平坦部
47 サーボモータ
48 ボールネジユニット
48a スクリューシャフト
48b ナット部
50,50A,50B,65 フリーベアリング
50a 大ボール
50b 小ボール
50c ベアリング本体
50d キャップ
50e フランジ部
50f ボルト
51 垂直ベースプレート
52 水平ベースプレート
53 シリンダ
54 ピストンロッド
57 昇降プレート
60 テーブルユニット
61 センターテーブル
61a,61b 吸引溝
62a 第1補助支持台
63a 第2補助支持台
63b 第2昇降用エアーシリンダ
63c 軸受
63d 第2ガイドロッド
63g スライド用モータ
63h 第2スライドベース
63i ガイドレール
63j ガイドレール
63l ラック
63m 第2ピニオン
64 固定台
81A,81B 研磨ユニット保持体移動機構
82 ベース架台
83A,83B 研磨ユニット保持体
85A,85B 研磨ユニット移動機構
92 移動ガイド体
96 エアブロー装置
実施形態1
図1は、本発明の実施形態1の研磨装置の概略構成を模式的に示す斜視図である。この研磨装置80Aには、ベース架台82と、端面が研磨処理される基板が保持されるようにベース架台82上に設けられたテーブルユニット60と、このテーブルユニット60にて保持された基板の端面を研磨処理する研磨ユニット40aと、研磨ユニット40aを保持する研磨ユニット保持体83Aと、研磨ユニット保持体83Aを案内する一対のLMガイド84と、各LMガイド84に沿って研磨ユニット保持体83Aを移動させる研磨ユニット保持体移動機構81Aと、研磨ユニット保持体83Aに保持された研磨ユニット40aを移動させる研磨ユニット移動機構85Aと、研磨ユニット40aに取り付けられた撮像装置49Aと、制御部88と、画像処理装置89とが設けられている。
ベース架台82は、上面が水平な長方形状になっている。なお、以下の説明では、ベース架台82の上面における短辺方向をX軸方向、長辺方向をY軸方向、垂直方向をZ軸方向とする。ベース架台82の上面中央部には、加工対象の基板(図示せず)が載置されることによってその基板を水平状態で保持するテーブルユニット60が設けられている。このテーブルユニット60は、保持する基板を水平状態で任意の角度に回転させることができる。テーブルユニット60のX軸方向の両側であるベース架台82のY軸方向に沿った各側部上には、Y軸方向に沿って延びるLMガイド84がそれぞれ設けられている。
一対のLMガイド84のそれぞれには、門型の形状の研磨ユニット保持体83Aの両側の各脚部が、それぞれ各LMガイド84に沿って移動可能に設けられている。研磨ユニット保持体83Aは、各脚部の上端部同士が水平ビームによって結合された門型に構成されており、各LMガイド84に沿って移動することによって、テーブルユニット60上を水平ビームが通過する。
ベース架台82には、一対のLMガイド84のそれぞれに沿って研磨ユニット保持体83Aの各脚部をY軸方向に往復移動させる研磨ユニット保持体移動機構81Aが設けられている。研磨ユニット保持体83Aの水平ビームには、テーブルユニット60上に保持された基板の端面を研磨する研磨ユニット40aが、X軸方向に移動可能に保持されている。研磨ユニット40aは、研磨ユニット移動機構85Aによって、研磨ユニット保持体83Aの水平ビームに沿ってX軸方向に往復移動される。
研磨ユニット40aには、テーブルユニット60上に保持された基板に設けられている一対のアライメントマークを撮像する撮像装置49Aが設けられている。撮像装置49AはCCDカメラ等で構成され、基板に設けられたアライメントマークを撮像するとともに、基板の研磨部位を撮影するようになっている。撮像装置49Aにより得られた画像データは、画像処理装置89によって画像処理される。画像処理装置89によって画像処理されたデータは制御部88に出力される。制御部88は、研磨装置80全体の動作の制御を行っており、画像処理装置89からの画像処理データに基づいて、テーブルユニット60に載置された基板の水平面内におけるX軸およびY軸方向に対する傾きを演算して、メモリに格納する。
研磨ユニット移動機構85AによってX軸方向に移動可能になった研磨ユニット40aは、研磨ユニット保持体移動機構81Aによって研磨ユニット保持体83AがY軸方向に移動されることにより、Y軸方向に移動される。研磨ユニット保持体移動機構81Aは、ボールネジおよびサーボモータ(いずれも図示せず)を有しており、サーボモータによって正転および逆転されるボールネジによって、門型の研磨ユニット保持体83Aの各脚部が、ベース架台82に設けられた各LMガイド84に沿ってY軸方向に往復移動するようになっている。なお、研磨ユニット保持体移動機構81Aは、ボールネジおよびサーボモータを用いる構成に限らず、リニアモータ等を用いて構成してもよい。
研磨ユニット保持体83Aにおける水平ビームの側面に沿って移動可能に保持された研磨ユニット40aをX軸方向に沿って移動させる研磨ユニット移動機構85Aは、ボールネジ、サーボモータ、LMガイド等により構成されており、サーボモータによって正転および逆転されるボールネジによって、研磨ユニット40aはX軸方向に沿って往復移動するようになっている。なお、研磨ユニット移動機構85Aは、ボールネジ、サーボモータ等を用いる構成に限らず、リニアモータ等を用いて構成してもよい。
次に、研磨装置80Aの研磨ユニット保持体83Aに支持される研磨ユニット40aについて、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、研磨ユニット40aのX軸方向(図1の矢印A方向)の側面図、図3はY軸方向(図1の矢印B方向)の正面図である。なお、図2および図3において、図1のX−Y−Z軸との関係をそれぞれ図示している。図2及び図3において、研磨ユニット40aには、上下に移動可能になった研磨ヘッド41と、上下方向に移動可能で所定の高さの位置に固定される基板側縁部支持手段42と、移動ガイド(LMガイド)43と、研磨ヘッド41をZ軸(垂直)方向に移動させる研磨ヘッド移動機構44とを備えている。なお、図2および図3において、研磨ユニット40aに設けられた撮像装置49A(図1参照)は図示していない。
研磨ヘッド41は、研磨ユニット保持体83Aの水平ビームにX軸方向に沿ってスライド可能に垂直状態で支持された垂直ベースプレート51に取り付けられている。研磨ヘッド41は、垂直ベースプレート51に上下方向(Z軸方向)に移動可能に支持されたスピンドルモータ46を有している。スピンドルモータ46は、回転軸がZ軸(垂直)方向に沿うように、かつ、回転軸が下方に延出するように配置されており、その下部に、円柱状の研磨砥石集合体45が、スピンドルモータ46によって正転および逆転されるように取り付けられている。スピンドルモータ46による研磨砥石集合体45の正転又は逆転は、加工条件によって選択される。
研磨ヘッド41は、垂直ベースプレート51に設けられた一対のLMガイド43によってZ軸方向(上下方向)に摺動自在に保持されると共に、研磨ヘッド移動機構44によってZ軸方向に移動されて高精度に位置決めされるようになっている。一対のLMガイド43のそれぞれは、図3に示すように、Z軸方向に沿って配置されたLMレール43bを有している。一対のLMレール43bは、X軸方向に適当な間隔をあけて相互に平行になっており、各LMレール43bには、それぞれがZ軸方向にスライド可能に取り付けられた上下一対のLMブロック43aがそれぞれ設けられている。上下一対のLMブロック43aは、スピンドルモータ46の左右の各側部の上下にそれぞれ取り付けられている。一対のLMレール43bは、スピンドルモータ46の回転軸のX軸方向位置とX軸方向位置が一致する垂直軸を中央として左右の各側方にそれぞれ配置されており、スピンドルモータ46は、各LMレール43bに高剛性で保持されており、各LMレール43bに沿って安定的に上下方向に案内される。
スピンドルモータ46と研磨砥石集合体45とを有する研磨ヘッド41を上下方向に移動させる研磨ヘッド移動機構44は、サーボモータ47と1本のボールネジユニット48とを有している。ボールネジユニット48は、図3に示すように、一対のLMレール43bの左右方向の中央に、Z軸方向に沿って配置されたスクリューシャフト48aと、図2に示すように、スクリューシャフト48aにネジ結合されたナット部48bとを有している。ナット部48bは、研磨ヘッド41のスピンドルモータ46に、回転しない状態で一体的に取り付けられている。スクリューシャフト48aの上端部は、サーボモータ47に連結されており、サーボモータ47を正転及び逆転させることによって、スクリューシャフト48aが正転及び逆転し、ナット部48bはスクリューシャフト48aに沿って上方および下方にスライドする。これにより、スピンドルモータ46がスクリューシャフト48aに沿って上方および下方に移動し、研磨ヘッド41全体がZ軸方向に沿って移動される。そして、サーボモータ47の回転が停止されることによって、研磨ヘッド41は、Z軸方向の所定位置に位置決めされる。
研磨砥石集合体45は、図26に示す研磨砥石集合体35と同様の構成になっている。研磨砥石集合体45は、それぞれが略円盤状のn個の研磨砥石45i(i=1,2,・・n)が同軸状態で上下方向に多段に積層されている。1つの研磨砥石45iの断面を図4に示す。研磨砥石45iは、外周面における上下方向の中央部にV字状の溝部45icを有しており、その溝部45icにおける上下の各側面のそれぞれがテーパ部45iaになっている。上下の各テーパ部45iaにて挟まれた溝部45icの中央部底面は平坦な平坦部45ibになっている。研磨砥石45iは、V字状の溝部45icにおける各テーパ部45iaにより、基板の端面における上下のエッジ部を同時に研磨して面取り加工することができ、また、溝部45icにおける平坦部45ibにより、基板の端面も同時に研磨することができる。
このような研磨砥石45iの溝部45icの形状は、ツルーイングやドレッシングによって成形される。研磨砥石45iの溝部45icの形状は、このような形状に限らず、各テーパ部45iaが曲面になったU字状の溝部45icであってもよく、また、貼り合わせ基板の面取り加工が一度に行えるような複雑な形状であってもよい。また、研磨砥石45iは、基板の電極端子の短絡電極を研磨によって削除することができるように、相互に対向するテーパ部45iaが、研磨砥石45iの回転軸に対する傾斜角度が相互に異なるように傾斜していてもよい。また、研磨砥石集合体45の回転軸が傾斜していてもよい。
なお、図示しないが、基板の研磨時に発生する研磨粉を、エアーを用いて所定の方向に排除するためのエアブロー装置が、研磨砥石集合体45と撮像装置49Aとの間に設けられる。このエアブロー装置により、撮像装置49Aに加工液がかかることを防ぐことができる。
図2および図3に示すように、研磨ヘッド41が取り付けられた垂直ベースプレート51の下端部には、水平ベースプレート52が取り付けられている。水平ベースプレート52は、上方にスライドされた研磨砥石集合体45の下方に水平状態になるように、垂直ベースプレート51の下端面に支持されている。水平ベースプレート52には、下降される研磨砥石集合体45が通過するように、研磨砥石集合体45の各研磨砥石45iの外径よりも大きな内径を有する開口部42bが設けられている。開口部42bは、上下方向に貫通している。
水平ベースプレート52の下方には、端面が面取り加工される基板がテーブルユニット60上に載置されると、その基板の側縁部をスライド可能に支持する基板側縁部支持手段42が設けられている。基板側縁部支持手段42は、テーブルユニット60上に載置された基板の端面が研磨砥石集合体45の加工可能範囲に位置すると、基板の端面を含む端面近傍の側縁部が下側へ撓むことを抑制するために、その基板の側縁部を水平に保持して、基板の側縁部の傾きおよび高さを調整するようになっている。これにより、研磨砥石集合体45の研磨砥石45iによる基板の端面の研磨が最適状態になるように調整される。
基板側縁部支持手段42は、水平ベースプレート52の下方に水平状態で配置された支持プレート部42aを有している。支持プレート部42aは、水平ベースプレート52における垂直ベースプレート51の近傍に配置されたシリンダ53によって、水平状態でZ軸方向(垂直方向)に平行移動可能になっている。シリンダ53は、ピストンロッド54が下方に延出するように、水平ベースプレート52上に配置されており、ピストンロッド54が、水平ベースプレート52に設けられた開口部を貫通して、支持プレート部42aに取り付けられている。支持プレート部42aは、シリンダ53によってZ軸方向に移動されることによって、上方の加工位置と、下方の待機位置とに位置決めされる。このように、シリンダ53は、基板側縁部支持手段42の支持プレート部42aをZ軸方向に移動させるための基板側縁部支持手段移動機構になっている。
なお、シリンダ53のピストンロッド54は、図2に示すように、研磨砥石集合体45の回転軸の軸心から距離L1だけ離れた垂直ベースプレート51の近傍に配置されている。
支持プレート部42aの中央部には、水平ベースプレート52に設けられた開口部52aに対向して開口部42bが設けられている。支持プレート部42aの開口部42bは、水平ベースプレート52に設けられた開口部52aと同じ大きさになっている。
支持プレート部42aにおける開口部52aの周囲の上面には、基板の側縁部をスライド可能に支持する複数のフリーベアリング50が設けられている。図2および図3に示す例では、支持プレート部42aの開口部42aを取り囲むよう、例えば12個のフリーベアリング50が、正方形状(一辺を4個のフリーベアリング50にて形成)に取り付けられている。
フリーベアリング50は、ボールトランスファーとも呼ばれ、搬送対象となる物体を、球体によって任意の方向(360度)にスライド可能に支持するようになっている。図5は、図2および図3に示す基板側縁部支持手段42に設けられたフリーベアリングの構造を示す部分断面図である。このフリーベアリング50は、ベアリング本体50cの上部に半球状の凹部が設けられており、この半球状の凹部内に、複数個の小ボール50bが収納されるとともに、複数個の小ボール50bによって転がり自在に底部が保持された大ボール50aとが収納されている。大ボール50aの上部は、ベアリング本体50cの凹部から上方に突出した状態になっている。ベアリング本体50cは、キャップ50dによって覆われており、キャップ50dに設けられた開口部から大ボール50aの上部が突出している。大ボール50aは、キャップ50dによってベアリング本体50cから離脱しないように保持されている。キャップ50dの周縁部には、フランジ部50eが設けられており、フランジ部50eが、支持プレート部42aに、ネジ等によって固定されるようになっている。
なお、フリーベアリング50としては、図5(A)に示すような構成に限らず、図5(B)に示すように、フランジ部50eに代えて、ベアリング本体50cにボルト50fが取り付けられた構成のフリーベアリング50Bも使用することができる。この場合には、ボルト50fが支持プレート部42aに直接取り付けられる。
いずれのタイプであっても、大ボール50aとしては、例えば、スチール、ステンレス等の金属、樹脂等によって構成された球形状の本体に、低摩擦係数の樹脂がコーティングされたものが使用される。
基板側縁部支持手段42における複数のフリーベアリング50は、それぞれの大ボール50aの最上部に位置する頂点が、基板の下面に接した状態で支持する。したがって、各フリーベアリング50の大ボール50aの最上部に位置する頂点が、テーブルユニット60の基板が載置される面と同じ高さに調整することによって、基板の側縁部は、複数のフリーベアリング50によって、テーブルユニット60の載置面と同じ高さで支持される。これにより、基板の側縁部が下方に撓むことが防止される。
研磨ヘッド41は、後述するように、テーブルユニット60上に固定状態で載置された基板の端面に沿って移動するが、基板側縁部支持手段42も、基板の端面近傍の側縁部を支持しつつ、研磨ヘッド41と一体になって移動するが、支持プレート部42aにフリーベアリング50が設けられていることによって、基板の側縁部がフリープレート50によってスライド可能に支持されているために、基板の側縁部は、下面が傷つけられることなく支持される。
基板側縁部支持手段42において基板の下面に直接当接して支持する部材としては、支持プレート部42aにフリーベアリング50を設ける構成に限らず、フッ素樹脂(登録商標「テフロン」)などの低摩擦係数材料によって構成された支持部材を支持プレート部42aに設ける構成、あるいは、支持プレート部42aの上面を低摩擦係数材料によってコーティングする構成であってもよい。フッ素樹脂等の低摩擦係数の材料を用いることによって、基板の下面に傷を与えることなく、基板が滑らかにスライドするように支持することができる。
フリーベアリング50は、球体である大ボール50aが基板の側縁部の下面に当接するために、大ボール50aの表面には研磨粉が付着しにくく、研磨粉によって基板が傷付くことを防止することができる。フリーベアリング50は、大ボール50aが基板の下面に点接触し、しかも、大ボール50a自体が回転可能になっていることから、摩擦抵抗が小さく、しかも、基板の移動方向に制限を加えるおそれもないために、基板の側縁部を傷つけることなく、円滑にスライドし得るように支持することができる。その結果、研磨ユニット41は、研磨部位の近傍の基板の側縁部が基板側縁部支持手段42によって支持された状態で研磨を行うため、基板のうねり、撓み等が生じることがないように、基板の高さ方向の位置決めを正確に行いながら、精度のよい基板の端面の研磨を行うことができる。
次に、加工対象の基板を固定するテーブルユニット60について説明する。図6は、本実施形態の研磨装置に用いられるテーブルユニット60の構成を示す平面図である。テーブルユニット60は、真空吸着により基板の中央部を保持する正方形状のセンターテーブル61と、このセンターテーブル61の周囲に配置された4つの基板補助支持手段67とを有している。
センターテーブル61は、基板の中央部が載置されると、載置された基板の中央部を吸着して固定的に保持するようになっている。センターテーブル61の中心位置Sの座標を(X0,Y0,Z0)とすると、正方形状のセンターテーブル61は、X軸方向およびY軸方向に沿った水平状態に配置されており、X軸、Y軸、Z軸のいずれの方向にも移動することなく、Z軸を中心として回転可能になっている。
センターテーブル61は、ベース架台82の上面の固定板64(図7参照)の下方に設けられた回転機構の回転テーブル(図示せず)に連結されており、回転機構によって、センターテーブル61は回転される。回転機構は、センターテーブルを水平状態で微小角度だけ回転させることができる。回転機構は、制御部88によって制御されるサーボモータ等によって構成される。
センターテーブル61の上面には、基板の下面の中央部を吸引して保持するために、センターテーブル61の正方形状と相似形状の正方形状に構成された第1吸引溝61aと、センターテーブル61の中心位置(X0,Y0,Z0)を中心とした十字状の第2吸引溝61bとが設けられている。第2吸引溝61bは、それぞれがX軸方向およびY軸方向に沿った一対の直線によって形成されており、各直線の端部が、センターテーブル61の中心位置(X0,Y0,Z0)と、センターテーブル61の外周を構成する各側縁とのほぼ中間位置に位置している。そして、第2吸引溝61bを構成する各直線の端部と、センターテーブル61の各側縁とのほぼ中間位置に、各側縁に沿って延びる第1吸引溝61aの直線溝部がそれぞれ形成されている。
第1吸引溝61aおよび第2吸引溝61bの内部は、図示しない真空ポンプによって減圧されるようになっており、センターテーブル61に載置された基板は、減圧状態になった第1吸引溝61aおよび第2吸引溝61bの内部に吸着されることによって、センターテーブル61に固定的に保持される。
センターテーブル61に基板を載置して、その基板の端面を加工する場合に、回転する研磨砥石集合体45の研磨砥石45iが基板の端面に接触すると、基板に回転モーメントが生じるが、センターテーブル61の第1吸引溝61aおよび第2吸引溝61bが、基板の中央部を真空吸引して固定的に保持しているために、基板が回転したり移動したりしてセンターテーブル61の所定の位置からずれることが確実に防止されるようになっている。
センターテーブル61の周囲に配置された4つの基板補助支持機構67は、それぞれ同一の構造になっており、それぞれが、正方形状のセンターテーブル61各側縁に沿って配置された帯板状の第1補助支持台62aと、第1補助支持台62aの外側に、その第1補助支持台62aに沿って配置された帯板状の第2補助支持台63aとをそれぞれ有している。
図7は、図6おいて、センターテーブル61の中心位置に対して−X軸方向に位置する基板補助支持機構67の−X軸方向からの側面図である。図7に示すように、第2補助支持台63aの下方には、第2補助支持台63aに対向して水平状態に配置された第2スライドベース63hが配置されている。第2スライドベース63hは、第2補助支持台63aをZ軸方向(上下方向)にスライド可能に支持するとともに、センターテーブル61に対して接近および離隔するように、X軸方向またはY軸方向に沿ってスライド可能になっている。
なお、第1補助支持台62aの下方にも、第1補助支持台62aに対向して水平状態に配置された第1スライドベース62h(図6参照)が配置されている。図6において、センターテーブル61に対して−X軸方向および+Y軸方向それぞれに位置する各基板補助支持機構67は、それぞれ、上側に位置する第1補助支持台62aおよび第2補助支持台63aを省略して、下側に位置する第1スライドベース62hおよび第2スライドベース63hをそれぞれ示している。
図7に示すように、第2スライドベース63hは、第2スライドベース63hの下方に配置されている固定台64上に設けられた一対のガイドレール63iに沿ってスライドするようになっている。一対のガイドレール63iは、X軸方向またはY軸方向に沿ってそれぞれ配置されており、帯板状の第2スライドベース63hの下面に、各ガイドレール63iに係合する第2ガイド体63jが取り付けられている。第2スライドベース63hは、一対の第2ガイド体63jが各ガイドレール63iに対してそれぞれスライドすることによって、センターテーブル61に接近または離隔する方向に平行移動するようになっている。
第2スライドベース63h上には、サーボモータによって構成された第2スライド用モータ63gが取り付けられている。第2スライド用モータ63gの回転軸は、第2スライドベース63hの下方にまで延出しており、その回転軸の下端部に、第2ピニオン63mが回転軸と一体的に正転および逆転するように取り付けられている。なお、第2スライド用モータ63gの回転軸には、回転数(回転角)を検出するセンサが設けられており、このセンサによって第2スライド用モータ63gの回転が制御される。
一方のガイドレール63iの近傍には、そのガイドレール63iと平行にラック63lが設けられており、このラック63lに、上述の第2ピニオン63mが噛み合っている。第2スライド用モータ63gによって正転および逆転される第2ピニオン63mは、ラック63l上を転動して、ラック63lに沿って移動する。これにより、第2ピニオン63mを回転させる第2スライド用モータ63gが取り付けられた第2スライドベース63hが、第2ピニオン63mとともにスライドする。
第1補助支持台62aの下方に配置された第1スライドベース62hの下面にも、一対のガイドレール63iにそれぞれ係合する第1ガイド体(図示せず)が設けられており、また、図6に示すように、第1スライドベース62hに第1スライド用モータ62gが設けられるとともに、第1スライド用モータ62gの回転軸の下端部に、ラック63lに噛み合った第1ピニオン62mが取り付けられている。従って、第1スライドベース62hも、第1スライド用モータ62gの正転および逆転によって、センターテーブル61に接近および離隔するように、一対のガイドレール63iに沿って平行移動する。
図7に示すように、第2スライドベース63hの上面中央部には、第2補助支持台63aを昇降させる第2昇降用エアーシリンダ63bが設けられている。第2昇降用エアーシリンダ63bは、ピストンロッドが上下方向にスライドするように垂直状態で配置されており、その上端部が、水平状態に配置された第2補助支持台63aの下面中央部に取り付けられている。
第2補助支持台63aにおける下面の両側には、それぞれが垂直状態で配置された第2ガイドロッド63dの上端部がそれぞれ取り付けられている。各第2ガイドロッド63dは、第2スライドベース63hの上面にそれぞれ設けられた軸受63cによって、上下方向へのスライド可能に支持されている。
このような構成により、第2補助支持台63aは、第2昇降用エアーシリンダ63bによって、第2スライドベース63hに対して、水平状態を維持して昇降され、センターテーブル61の上面と同じ高さの作業位置(Z軸座標=Z0)にまで上昇されて、その作業位置にて位置決めされる。また、その作業位置に対して高さL3だけ低い待機位置にまで下降されて、その待機位置にて位置決めされる。
図6に示すように、第1スライドベース62hの上面中央部にも、第1補助支持台62aを昇降させる第1昇降用エアーシリンダ62bが設けられている。第1昇降用エアーシリンダ62bは、ピストンロッドが上下方向にスライドするように垂直状態で配置されており、その上端部が、水平状態に配置された第1補助支持台62aの下面中央部に取り付けられている。
第1補助支持台63aにおける下面の両側には、それぞれが垂直状態で配置された第1ガイドロッド62dの上端部がそれぞれ取り付けられている。各第1ガイドロッド62dは、第1スライドベース62hの上面にそれぞれ設けられた軸受63cによって、上下方向へのスライド可能に支持されている。
このような構成により、第1補助支持台62aも、第1昇降用エアーシリンダ62bによって、第1スライドベース63hに対して、水平状態を維持して昇降され、センターテーブル61の上面と同じ高さの作業位置(Z軸座標=Z0)にまで上昇されて、その作業位置にて位置決めされる。また、その作業位置に対して高さL3だけ低い待機位置にまで下降されて、その待機位置にて位置決めされる。
図6および図7に示すように、第2補助支持台63aの上面には、複数個のフリーベアリング65が設けられている。各フリーベアリング65は、研磨ユニット40aの基板側縁部支持手段42に設けられたフリーベアリング50と同様の構成になっており、例えば、帯板状の第2補助支持台63aの上面にジグザグ状に配置されている。
第1補助支持台63aの上面にも、図6に示すように、複数個のフリーベアリング65が設けられている。各フリーベアリング65は、研磨ユニット40aの基板側縁部支持手段42に設けられたフリーベアリング50と同様の構成になっており、例えば、帯板状の第2補助支持台63aの上面にジグザグ状に配置されている。
このような構成のテーブルユニット60では、端面が研磨処理される基板の中央部が、センターテーブル61上に載置される。そして、センターテーブル61上に載置される基板のサイズに応じて、センターテーブル61を挟んで配置された一対の第1補助支持台62aまたは全ての第1補助支持台62aがセンターテーブル61の上面と同じ高さの作業位置とされて、あるいは、さらに、センターテーブル61を挟んで配置された一対の第2補助支持台63aまたは全ての第2補助支持台63aが、センターテーブル61の上面と同じ高さの作業位置とされて、センターテーブル61上に載置された基板の側部をそれぞれ支持する。
センターテーブル61上に載置される基板のサイズが小さく、第1補助支持台62aおよび第2補助支持台63aによって側部を支持する必要がない場合には、第1補助支持台62aおよび第2補助支持台63aは、作業位置よりも下方の待機位置とされる。
センターテーブル61は、水平状態で回転可能になっているが、センターテーブル61の回転とともに、センターテーブル61の周囲に配置された各基板補助支持手段67も一体となって回転するように構成されている。
第1補助支持台62aおよび第2補助支持台63aにフリーベアリング65を設けることによって、フリーベアリング65が基板の下面に点接触するため、基板の下面を傷つけることなく支持することができる。なお、フリーベアリング65に代えて、低摩擦材によって構成された基板支持部材を設けるようにしてもよい。また、フリーベアリング65等を設けることなく、センターテーブル61と同様に吸引溝を設けて、基板の側部を固定的に支持するようにしてもよい。
なお、第1補助支持台62aおよび第2補助支持台63aを移動させる機構には、基板を研磨する時に使用する加工水が入り込まない状態になっている。
以上のように構成された研磨装置の動作について説明する。図8は、小サイズの基板33がセンターテーブル61に載置された状態で、基板33の端面33aを面取り加工する場合の初期状態を示す説明図である。小サイズの基板33の場合は、テーブルユニット60のセンターテーブル61のみを使用して基板33が保持される。なお、図8では、研磨装置80の研磨作業に関する説明に必要な最小限度のユニットのみを示している。
センターテーブル61上に基板33が載置されると、センターテーブル61の上面に設けられた第1吸引溝61aおよび第2吸引溝61bの内部が減圧状態になり、基板33は、センターテーブル61に吸着されて固定的に保持される。
その後、研磨ユニット保持体移動機構81Aにより、研磨ユニット保持体83Aがセンターテーブル61に接近するようにY軸方向に移動され、基板側縁部支持手段82におけるセンターテーブル61側の側部が、センターテーブル61に固定された基板33の下方に位置される。この場合、基板33の端面が研磨ユニット41の研磨砥石集合体45に近接した状態とされる。
このような状態になると、研磨砥石集合体45とスピンドルモータ46とを有する研磨ヘッド41が、図2に示す研磨ヘッド移動機構44によって、研磨砥石集合体45において使用される研磨砥石45iの下面中心位置である研磨基準位置P2が、センターテーブル61の上面とほぼ同じ高さ位置に位置決めされる。また、研磨ユニット40aの基板側縁部支持手段42がシリンダ53の動作により、研磨基準位置よりも所定の高さL2だけ下方の待機位置とされる。なお、研磨砥石集合体45は、通常、最下段の研磨砥石45iから順番に使用されることから、研磨作業開始当初には、最下段の研磨砥石45iにおける下面の中心位置が研磨基準位置P2とされる。
この場合、基板側縁部支持手段42における研磨待機位置P2の下方の基準位置P1に基板側縁部支持手段42が位置するように基板側縁部支持手段42が下降される。基準位置P1は、研磨待機位置P2のX座標およびY座標と同じX座標およびY座標を有し、基板側縁部支持手段42に設けられた各フリーベアリングの頂部と同じ高さになっている。
すなわち、研磨基準位置P2および待機位置P1のX座標およびY座標をそれぞれX1,Y1とすると、センターテーブル61の中心位置Sの座標が(X0,Y0,Z0)であることから、研磨基準位置P2の座標は(X1,Y1,Z0)となり、基準位置P1は座標(X1,Y1,Z0−L2)の待機位置となる。従って、シリンダ53は、基板側縁部支持手段42の基準位置P1が研磨基準位置P2よりも距離L2だけ低い位置になるように、基板側縁部支持手段42を下降させる。これにより、研磨基準位置P2は、基板側縁部支持手段42の基準位置P1よりも十分に高くなる。
その後、図9に示すように、研磨ユニット40aの基板側縁部支持手段42がシリンダ53の動作により距離L2だけ上昇されるとともに、研磨ヘッド41の基準位置P2の高さがΔZだけ低くなるように、研磨ヘッド移動機構44のサーボモータ47によって研磨ヘッド41が下降される。これにより、中央部がセンターテーブル61に支持された基板33は、側縁部がフリーベアリング50によって、センターテーブル61と同じ高さになるように支持されて、基板33は、図9に示すように、センターテーブル61にて保持された中央部から研磨加工される側縁部までが水平状態になる。また、基板33の端面33aが、研磨砥石集合体45の最下段の研磨砥石45iの側面に近接した状態で対向する。
このような状態になると、撮像装置49Aによって、基板33に記された2つのアライメントマークが光学的に撮像される。撮像装置49Aによって撮像されたされたアライメントマークの画像データは、画像処理装置89によって処理され、アライメントマークの中心点(重心ともいう)の座標値が求められる。次いで、制御部88は、2つのアライメントマークの中心点の座標値から、センターテーブル61において正規の基板33の保持位置に対する基板33の水平方向の回転角(X−Y平面におけるZ軸周りの回転角)θを演算し、演算された回転角θが解消するように、制御部88は、テーブルユニット回転機構を制御する。これにより、テーブルユニット60全体がθ度回転され、テーブルユニット60に載置された基板33の端面33aが研磨砥石集合体45のX軸方向に沿った移動方向と一致するよう、基板33の水平面における回転が補正される。これにより、その後の面取り加工において、テーブルユニット60に載置された基板33の端面における面取り量が変化することが防止され、基板33のサイズに関わらず非常に精度の高い研磨加工を行うことができる。
なお、このようにテーブルユニット60の回転によって基板33を水平方向に回転させることによって基板33の姿勢を補正する構成に代えて、2つのアライメントマークの座標値から求められた基板33の水平方向の回転角度に基づいて、基板33の端面33aにおけるX軸方向に対する角度を演算し、制御部88が、研磨作業中に、研磨ユニット移動機構85Aおよび研磨ユニット保持体移動機構81Aを制御して、水平方向に回転した基板33の端面33aに沿うように、研磨ユニット40をX軸方向へ移動させつつY軸方向へ移動させるようにしてもよい。この場合にも、センターテーブル61に保持された基板33が正規な状態になっていなくても、基板33の端面33aにおける面取り量が変化することを防止することができ、精度の高い面取り加工を実施することができる。
その後、基板33の厚さ、研磨砥石45の外形寸法、回転数、送り込み量等を考慮して研磨ヘッド41の研磨条件を設定し、研磨ヘッド41の研磨砥石集合体45を回転させた状態で、最下段の研磨砥石45iが基板33の端面33aに当接するように、研磨ユニット保持体移動機構81Aによって研磨ユニット保持体83AがY軸方向に移動される。これにより、研磨砥石45iの外周面に設けられたV字状の溝部45ic内に基板33の端面が進入し、基板33の端面33aにおける上側および下側の各エッジが、溝部45icの上下の各テーパ部45iaにそれぞれ当接した状態になる。これにより、基板33の端面33aにおける上下の各エッジが同時に面取り加工される。そして、各エッジが面取り加工されることによって、上下の各エッジ間に位置する端面33aは、研磨砥石45iの溝部45icにおける平坦面45ibによって研磨加工される。
次いで、研磨ユニット移動機構85Aによって、研磨ユニット40aはX軸方向に移動される。これにより、研磨砥石45iは、基板33の端面33aに沿って移動し、研磨砥石45iの各テーパ部45iaによって、基板33の端面33aにおける上下の各エッジが面取り加工されるとともに、端面33aが研磨加工される。
この場合、研磨ユニット移動機構85Aによって、研磨ユニット40aが基板33の端面33aに沿って移動することによって、基板側縁部支持手段42も基板33の端面33aに沿って移動するために、基板33の端面33a近傍部分を支持する基板側縁部支持手段42のフリーベアリング50が、基板33の下面に接触した状態で円滑に移動し、研磨砥石45iが当接する基板33の端面33a近傍部分を安定的に支持することになる。従って、研磨砥石45iによって、基板33の端面33aにおける上下の各エッジが安定的に面取り加工される。
基板33の一つの端面33aを面取り加工するためには、例えば基板33の厚さ、研磨砥石集合体45における各研磨砥石45iの外形寸法、各研磨砥石45iの回転数及び送り込み量等を考慮し、最適な研磨条件が設定される。
図10は、大サイズの基板33を面取り加工する場合の初期状態を示す説明図である。図10は、基板33がセンターテーブル61に載置される前の状態を示している。テーブルユニット60におけるセンターテーブル61の中心位置Sから研磨砥石集合体45までの距離が、図8に示す状態における距離よりも長くなるように、研磨ユニット保持体移動機構81AがX軸方向に移動されている。センターテーブル61に中央部が保持された基板33のサイズが大きく、その側縁部の下方への撓み量が大きくなる場合には、基板補助支持機構67の第1補助支持台62により、または、第1補助支持台62および第2補助支持台63により、基板33の側部が支持される。
このために、研磨を行う基板33のサイズに応じて、第1補助支持台62のみ、または、第1補助支持台62および第2補助支持台63の両方が、第1スライド用モータ62gの回転駆動によって、または、第1スライド用モータ62gおよび第2スライド用モータ63gの回転駆動によって、センターテーブル61に対して所定の距離だけ離れた位置に移動される。そして、第1補助支持台62および第2補助支持台63は、研磨ユニット41の基板側縁部支持手段42と同様の高さ位置の待機位置とされる。
なお、第1補助支持台62および第2補助支持台63の動作は同様であるために、以下の説明では、第2補助支持台63についてのみ説明する。
第2補助支持台63が、センターテーブル61から所定の距離だけ離れた状態になると、図11に示すように、基板33の中央部がセンターテーブル61上に載置されて固定される。
次に、このような状態になると、昇降用エアーシリンダ63bが動作し、第2補助支持台63が上昇され、第2補助支持台63に設けられたフリーベアリング65の頂部が、センターテーブル61の載置面と同一の高さとされる。これにより、基板33が、センターテーブル61の上面と第2補助支持台63のフリーベアリング65とによって支持される。
その後、図12に示すように、研磨ユニット40aの基板側縁部支持手段42が、シリンダ53によって高さL2だけ上昇されるとともに、研磨ヘッド41の基準位置P2の高さがΔZだけ低くなるように、研磨ヘッド移動機構44のサーボモータ47によって研磨ヘッド41が下降される。
このような状態になると、以下、前述の動作と同様の動作によって基板33の端面33aが研磨処理される。
このように、基板補助支持機構67の第1補助支持台62により、または、第1補助支持台62および第2補助支持台63により、センターテーブル61と研磨ヘッド41の基板側縁部支持手段42との間に位置する基板33部分が支持されるため、センターテーブル61と研磨ヘッド41の基板側縁部支持手段42との間において基板33に撓みを生じることが防止される。その結果、大面積の基板33であっても、基板側縁部支持手段42によって基板33の側縁部を安定的に支持することができるために、大面積の基板33の端面33aを高精度で面取り加工することができる。
なお、研磨加工を実施する基板33のサイズが大きくなく、センターテーブル61と研磨ヘッド41の基板側縁部支持手段42との間で基板33を支持する必要がない場合には、第1補助支持台62および第2補助支持台63を下降させて待避位置とされる。これにより、多様なサイズの基板33の端面33aの面取り加工を、テーブルの交換などの段取り替えを行うことなく、実施することができる。
また、テーブルユニット60は、基板33が載置された状態で、テーブル回転機構によって、センターテーブル61および基板補助支持機構67を含む全体が回転する。従って、テーブルユニット60のセンターテーブル61および基板補助支持機構67によって基板が保持されている場合に、センターテーブル61および基板補助支持機構67が回転しても、基板33はテーブルユニット60に対して位置ずれを起こすおそれがない。基板補助支持機構67の第1補助支持台62および第2補助支持台63には、基板33の下面に点接触するフリーベアリング65が設けられているために、テーブルユニット60の回転時において基板33がスライドするような場合にも、基板33の下面が傷付くおそれがない。
なお、センターテーブル61のみをテーブル回転機構により回転する構成とすることもできるが、この場合にも、基板33は、センターテーブル61上に固定されているために位置ずれを起こすおそれがない。しかも、基板補助支持機構67の第1補助支持台62および第2補助支持台63には、基板の下面に点接触するフリーベアリング65が設けられているために、センターテーブル61のみが回転する場合にも、基板33の下面を傷つけるおそれがない。センターテーブル61のみが回転する場合は、テーブル回転機構はセンターテーブルのみを回転させればよいために、研磨装置の構造を非常に簡略化することができる。
また、第1補助支持台62および第2補助支持台63の全てにフリーベアリング65を取り付ける構成に代えて、第2補助支持台63のみにフリーベアリング65を取り付け、第1補助支持台62には、センターテーブル61と同様に吸引溝を設ける構成としてもよい。
さらには、第1補助支持台62及び第2補助支持台63における基板33の載置面にも、センターテーブル61と同様に、吸引溝を設けてもよい。この場合は、センターテーブル61が基板33の中央部を真空ポンプや吸引モータ等の吸引手段を用いて真空吸引して保持していることに加え、基板33の中心から少し離れた基板33の外周側部分が真空ポンプや吸引モータ等の吸引手段を用いて真空吸引して保持することによって、基板33は非常に強固に保持される。この場合、テーブルユニット60全体が回転したとき、サイズが大きな基板33では、大きな回転モーメントが発生するが、第1補助支持台62及び第2補助支持台63によっても基板33が固定的に保持されることによって基板33が回転したり、移動したりするおそれがなく、基板33の位置ずれを確実に防止することができる。
なお、研磨ユニット40aにおいて、基板側縁部支持手段42によって支持される基板33の側縁部を上側から固定する基板側縁部保持手段を設けてもよい。図13は、基板側縁部保持手段が設けられた研磨ユニット40aの側面図、図14は、その研磨ユニット40aの正面図である。
図13及び図14に示すように、研磨ユニット40aにおける水平ベースプレート52の下面に、基板側縁部保持手段として、複数のフリーベアリング50Hが設けられている。各フリーベアリング50Hは、基板側縁部支持手段42の支持プレート部42aに設けられたフリーベアリング50と同様の構成になっており、大ボール50bが下側に位置するように、水平ベースプレート52の下面に、水平ベースプレート52の中央部に設けられた開口部52aの周囲に、基板側縁部支持手段42に設けられた各フリーベアリング50と同様に配置されている。
水平ベースプレート52は、図2及び図3に示す研磨ユニット40aとは異なり、垂直ベースプレート51に沿って垂直状態で配置された昇降プレート57の下端部に取り付けられている。
昇降プレート57は、図示しないプレート昇降機構によって、上下方向(Z軸方向)に移動可能になっている。プレート昇降機構は、研磨ユニット保持体83AにZ軸に沿って設けられたLMガイドと、ボールネジと、サーボモータとによって、昇降プレート57を昇降するように構成されている。なお、プレート昇降機構は、このような構成に限らず、リニアモータ、シリンダ等を用いて構成してもよい。
水平ベースプレート52は、プレート昇降機構によって所定の高さに位置決めされる。また、基板側縁部支持手段42の支持プレート部42aは、水平ベースプレート52に設けられたシリンダ53によって、水平ベースプレート52に対して所定の高さだけ低いレベルに位置決めされる。
フリーベアリング50Hは、基板33の面取り加工時に、基板33端面33aの近傍部分を上側から保持することによって、基板33の端面33aが、上方へ移動することを抑制する。なお、フリーベアリング50Hは、研磨ユニット40aが基板33の端面33aに沿って移動する際に、基板33の上面に接触してスライドするが、基板33の上面との摩擦力が小さいために、基板33の上面を円滑に移動する。
その他の構成は、図2及び図3に示す研磨ユニット40aと同一の構成になっているために、同一の構成部分には同一の符号を付けて説明は省略する。
このような構成の研磨ユニット40aの動作を説明する。まず、水平ベースプレート52が、プレート昇降機構によって、上方の待機位置とされる。また、基板側縁部支持手段42の支持プレート部42aは、水平ベースプレート52に設けられたシリンダ53によって、下方の待機位置とされる。このような状態で、基板33の中央部が載置されたセンターテーブル61に接近するように、研磨ユニット保持体移動機構81AがY軸方向に移動され、図15に示すように、基板33の側縁部が、研磨ヘッド41の基板側縁部支持手段42の支持プレート部42aと、水平ベースプレート52との間に位置される。
このような状態になると、水平ベースプレート52が下降されて、水平ベースプレート52の下面に設けられた各フリーベアリング50Hの下端の頂部が、センターテーブル61の上面の高さ(Z0)から、センターテーブル61上に載置されて固定された基板33の厚さΔZ’分だけ上方の高さ位置(Z0+ΔZ’)とされる。その後、水平ベースプレート52に設けられたシリンダ53によって、支持プレート部42aが上昇されて、支持プレート部42aに設けられた各フリーベアリング50の上端の頂部が、センターテーブル61の上面(Z0)と同じ高さ位置(Z0)とされる。
これにより、図16に示すように、センターテーブル61に載置された基板33の側縁部の下面が、支持プレート部42aに設けられたフリーベアリング50によって支持されるとともに、水平ベースプレート52に設けられたフリーベアリング50Hによって保持される。その後は、前述した動作と同様の動作によって、基板33の端面33aが研磨処理される。
なお、研磨砥石集合体45の研磨砥石45iによって、基板33の端面33aの研磨作業を実施する場合には、研磨砥石45iの上下方向の中央部が、研磨位置P3とされ、その研磨位置P3が、センターテーブル61の中心の高さZ0に対して、基板33の厚みの半分だけ高い位置(Z0+ΔZ’/2)とされる。この加工位置は研磨砥石45iの形状等により変化する。
このように、基板33の端面33aの近傍の側縁部における下面および上面が、フリーベアリング50および50Hによって保持された状態で研磨加工が実施されるために、基板33の側縁部の撓み、うねり等が抑制されて、基板33の端面33aを高精度で安定的に研磨処理することができる。各フリーベアリング50および50Hは、基板33に対して滑り摩擦が小さく、基板33の下面および上面を傷付けるおそれがない。なお、水平ベースプレート52に設けられるフリーベアリング50Hに代えて、フッ素樹脂(登録商標「テフロン」)などの滑り摩擦の小さな材質のパッド等を使用するようにしてもよい。
なお、大きい面積の基板33の場合には、前述したように、補助基板支持機構67が使用される
次に、本発明の研磨装置80Aを用いて、1枚の基板33の4つの端面を順番に面取り加工する第1の方法を、図17に基づいて説明する。図17においては、研磨ユニット40a、撮像装置49A、研磨ユニット保持体83A、基板33のみを示し、基板33と研磨ユニット40aの位置関係、又は基板33と撮像装置49Aの位置関係を説明する。
なお、基板33は、下基板bと上基板cとを貼り合わせた貼合わせ基板とする。下基板bは上基板cよりやや大きく、その外周部に回路保護用の短絡電極が形成されている。研磨ユニット40aは、加工時には基板33の端面33aに沿って移動する。
先ず、マザー基板から分断された基板(貼り合わせ基板)33がテーブルユニット60のセンターテーブル61に載置される。この場合、長方形状の基板33は、長手方向がX軸方向、幅方向がY軸方向になるように、センターテーブル61に載置される。なお、図17(1)に示すように、センターテーブル61に載置された基板33は、研磨ユニット保持体83Aに近接した端面におけるX−Y座標軸の−X軸方向に位置する一方のコーナー部をA、コーナー部Aに対して+X軸方向に位置するコーナー部をB、コーナー部Bの+Y軸方向に位置するコーナー部をC、コーナー部Cに対して−X軸方向に位置するコーナー部をDとする。
センターテーブル61に対して、基板33が、ガイドピンなどでテーブルユニット60のセンターテーブル61に位置決めされて固定的に保持されると、撮像装置49Aが、基板33に設けられた一対のアライメントマークを撮像する。この場合、まず、撮像装置49Aが、図17の(1)に示すように、コーナー部B近傍に位置する一方のアライメントマークの位置を撮像し、次いで、図17の(2)に示すように、コーナー部A近傍に位置する他方のアライメントマークの位置を撮像する。撮像装置49Aによる撮像が終了すると、制御部88は、2つのアライメントマークの位置データに基づいて、基板33の正規の状態に対する水平方向の傾き角度を演算し、制御部88のメモリに記憶する。
マザー基板から分断された基板33では、分断ラインと一対のアライメントマークを結ぶ直線とが完全に平行にならないことが多いために、制御部88のメモリに記憶された一対のアライメントマークに基づく基板33の位置データに基づいて、研磨加工時における研磨ユニット40aを、X軸方向へ移動させる際に、Y軸方向へ移動させることによって、基板33の端面33aを、一対のアライメントマークを結ぶ直線に平行になるように研磨加工することができる。
次いで、基板33のコーナー部点近傍に位置する研磨ユニット40aの研磨砥石集合体45を回転させるとともに、研磨砥石集合体45の研磨砥石45iがコーナー部Aを研磨加工できるように位置決めする。そして、研磨ユニット40aを、基板33のコーナー部Aからコーナー部Bに向かって移動させることによって、コーナー部AおよびBの間の端面の面取り加工を実施する。この場合、制御部88は、メモリに記憶されたデータに基づいて、研磨ユニット40aのX軸方向への移動にともなって、研磨ユニット保持体83AをY軸方向に移動させることによって、直線補間する。
その後、図17(3)に示すように、基板33のコーナー部Aからコーナー部Bにかけての端面の研磨作業が終了すると、研磨ユニット保持体83A全体が、センターテーブル61から遠ざかるように−Y軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40aが、研磨ユニット保持体83Aに沿って−X軸方向に移動される。これにより、研磨ユニット40aは、待機位置であるH点に位置される。H点は、矩形の基板33が、センターテーブル61を中心として回転しても、研磨ユニット40aが基板33に衝突しないように設定されている。
次に、図17(4)に示すように、基板33のコーナー部Dが、研磨ユニット40aの待機位置Hに近接した状態になるように、テーブルユニット60全体を動作させて、基板33を90度にわたって回転させる。その後、研磨ユニット40aを、基板33のコーナー部Dが研磨されるように、研磨ユニット保持体83Aおよび研磨ユニット40aの移動によって位置決めし、図17(5)に示すように、研磨ユニット40aを研磨ユニット保持体83Aに沿って+X軸方向に移動させることによって、コーナー部Dとコーナー部Aとの間に位置する端面をコーナー部Dからコーナー部Aに向けて研磨加工を行う。
基板33のコーナー部Dからコーナー部Aにかけての端面の研磨作業が終了すると、図17(6)に示すように、研磨ユニット保持体83A全体が、センターテーブル61から遠ざかるように−Y軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40aが、研磨ユニット保持体83Aに沿って−X軸方向に移動される。これにより、研磨ユニット40aは、待機位置であるH点に位置される。
次に、基板33のC点が、研磨ユニット40aの待機位置Hに近接した状態になるように、テーブルユニット60全体を動作させて、基板33を90度にわたって回転させる。その後、研磨ユニット40aを、基板33のコーナー部点が研磨されるように、研磨ユニット保持体83Aおよび研磨ユニット40aの移動によって位置決めし、図17(7)に示すように、研磨ユニット40aを研磨ユニット保持体83Aに沿って+X軸方向に移動させることによって、コーナー部Cとコーナー部Dとの間に位置する端面をコーナー部Cからコーナー部Dに向けて研磨加工を行う。
基板33のコーナー部Cからコーナー部Dにかけての端面の研磨作業が終了すると、図17(8)に示すように、研磨ユニット保持体83A全体が、センターテーブル61から遠ざかるように−Y軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40aが、研磨ユニット保持体83Aに沿って−X軸方向に移動される。これにより、研磨ユニット40aは、待機位置であるH点に位置される。
次に、基板33のB点が、研磨ユニット40aの待機位置Hに近接した状態になるように、テーブルユニット60全体を動作させて、基板33を90度にわたって回転させる。その後、研磨ユニット40aを、基板33のコーナー部Bが研磨されるように、研磨ユニット保持体83Aおよび研磨ユニット40aの移動によって位置決めし、図17(9)に示すように、研磨ユニット40aを研磨ユニット保持体83Aに沿って+X軸方向に移動させることによって、コーナー部Bとコーナー部Cとの間に位置する端面をコーナー部Bからコーナー部Cに向けて研磨加工を行う。
このように、テーブルユニット60に保持された基板33の4つの端面は、基板33を90度ずつ、3回にわたって繰り返すことによって、それぞれの面取り加工が行われる。
図18は、本発明の研磨装置80Aを用いて基板33の4つの端面を面取り加工する第2の方法の説明図である。図17に示す場合と同様に、まず、図18(1)に示すように、点B近傍に位置する一方のアライメントマークの位置を撮像し、次いで、図18(2)に示すように、コーナー部A近傍に位置する他方のアライメントマークの位置を撮像する。撮像装置49Aによって撮像が終了すると、制御部88は、2つのアライメントマークの位置データに基づいて、基板33の水平方向の傾き角度を演算し、制御部88のメモリに記憶する。
その後、撮像装置49Aによる撮像が終了した点、即ちコーナー部Aから面取り加工を開始し、図18(3)に示すように、研磨ユニット40aをコーナー部Bに向けて移動させる。この場合、制御部88は、メモリに記憶されたデータに基づいて、研磨ユニット40aのX軸方向への移動にともなって、研磨ユニット保持体83AがY軸方向に移動される。
次に、テーブルユニット60によって基板33を回転させることなく、図18(4)に示すように、研磨ユニット保持体83AがY軸方向へ移動されることによって、研磨ユニット40aは、コーナー部Bとコーナー部Cとの間に位置する端面を、コーナー部Bとコーナー部Cに向けて面取り加工する。この場合も、制御部88は、メモリに記憶されたデータに基づいて、研磨ユニット保持体83AのY軸方向への移動にともなって、研磨ユニット40aがX軸方向に移動される。
次に、研磨ユニット保持体83A全体が、センターテーブル61から遠ざかるように−Y軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40aが、研磨ユニット保持体83Aに沿って−X軸方向に移動されることにより、図18(5)に示すように、研磨ユニット40aは、待機位置であるH点に位置される。
次に、基板33のD点が、研磨ユニット40aの待機位置Hに近接した状態になるように、テーブルユニット60全体を動作させて、基板33を90度にわたって回転させる。その後、研磨ユニット40aを、基板33のコーナー部Aが研磨されるように、研磨ユニット保持体83Aをセンターテーブル61に接近するようにY軸方向に移動させるとともに、研磨ユニット40aを研磨ユニット保持体83Aに沿ってX軸方向に移動させる。そして、図18(6)に示すように、研磨ユニット40aを研磨ユニット保持体83Aに沿って−X軸方向に移動させることによって、コーナー部Aとコーナー部Dとの間に位置する端面をA点からD点に向けて面取り加工を行う。
その後、テーブルユニット60によって基板33を回転させることなく、図18(7)に示すように、研磨ユニット保持体83AをY軸方向へ移動させることによって、研磨ユニット40aにより、コーナー部Bとコーナー部Cとの間に位置する端面を、コーナー部Bからコーナー部Cに向けて面取り加工する。この場合も、制御部88は、メモリに記憶されたデータに基づいて、研磨ユニット保持体83AのY軸方向への移動にともなって、研磨ユニット40aがX軸方向に移動される。
この場合は、テーブルユニット60による基板33の90度にわたる回転を2回実施すればよいために、面取り加工の作業効率が向上する。
図19は、本発明の研磨装置80Aを用いて基板33の4つの端面を面取り加工する第3の方法の説明図である。図18に示す場合と同様に、まず、図19(1)に示すように、コーナー部B近傍に位置する一方のアライメントマークの位置を撮像し、次いで、図19(2)に示すように、コーナー部A近傍に位置する他方のアライメントマークの位置を撮像する。撮像装置49Aによって撮像が終了すると、制御部88は、2つのアライメントマークの位置データに基づいて、基板33の水平方向の傾き角度を演算し、制御部88のメモリに記憶する。
その後、撮像装置49Aによる撮像が終了した点、即ちコーナー部Aから面取り加工を開始し、図19(3)に示すように、研磨ユニット40aをコーナー部Bに向けて移動させる。この場合、制御部88は、メモリに記憶されたデータに基づいて、研磨ユニット40aのX軸方向への移動にともなって、研磨ユニット保持体83AがY軸方向に移動される。
次に、テーブルユニット60によって基板33を回転させることなく、図19(4)に示すように、研磨ユニット保持体83AがY軸方向へ移動されることによって、研磨ユニット40aは、コーナー部Bとコーナー部Cとの間に位置する端面を、コーナー部Bとコーナー部Cに向けて面取り加工する。この場合も、制御部88は、メモリに記憶されたデータに基づいて、研磨ユニット保持体83AのY軸方向への移動にともなって、研磨ユニット40aがX軸方向に移動される。
次に、研磨ユニット保持体83A全体が、センターテーブル61から遠ざかるように−Y軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40aが、研磨ユニット保持体83Aに沿って−X軸方向に移動されることにより、図19(5)に示すように、研磨ユニット40aは、待機位置であるH点に位置される。
以上までの各工程は、図18に示す第2の方法と同様である。
次に、基板33のコーナー部Cが、研磨ユニット40aの待機位置Hに近接した状態になるように、テーブルユニット60全体を動作させて、基板33を180度にわたって回転させる。その後、研磨ユニット40aを、基板33のコーナー部Cが研磨されるように、研磨ユニット保持体83Aをセンターテーブル61に接近するようにY軸方向に移動させるとともに、研磨ユニット40aを研磨ユニット保持体83Aに沿ってX軸方向に移動させる。そして、図19(6)に示すように、研磨ユニット40aを研磨ユニット保持体83Aに沿って−X軸方向に移動させることによって、コーナー部Cとコーナー部Dとの間に位置する端面をコーナー部Cからコーナー部Dに向けて面取り加工を行う。
その後、テーブルユニット60によって基板33を回転させることなく、図19(7)に示すように、研磨ユニット保持体83AをY軸方向へ移動させることによって、研磨ユニット40aにより、コーナー部Dとコーナー部Aとの間に位置する端面を、コーナー部Dからコーナー部Aに向けて面取り加工する。この場合も、制御部88は、メモリに記憶されたデータに基づいて、研磨ユニット保持体83AのY軸方向への移動にともなって、研磨ユニット40aがX軸方向に移動される。
この第3の方法の場合は、テーブルユニット60による基板33の180度にわたる回転を1回実施すればよいために、面取り加工の作業効率が向上する。
本発明の研磨装置によれば、研磨ユニット40aが、テーブルユニット60上を跨ぐようにX軸方向に配置されてY軸方向への移動可能になった研磨ユニット保持体83Aに、X軸方向への移動可能に設けられているために、研磨ユニット40aによって、テーブルユニット60を回転させることなく、テーブルユニット60に載置された基板33における3つの端面33aの研磨加工を行なうことができる。また、テーブルユニット60によって、基板33を、90°または180°にわたって1度回転させれば、基板33の残りの1つの端面の研磨加工も行なうこともできる。基板33を90°または180°にわたって回転させるタイミングは、作業効率等を考慮して適宜設定される。
なお、基板33の回転方向は、時計回り方向および反時計回り方向のいずれであってもよい。また、基板33の端面33aにおけるそれぞれのコーナー部において、研磨ユニット40aがそのコーナー部に沿って移動させることによって、そのコーナー部における上下のエッジの面取りを行なうことができる。この場合、コーナー部を、C面取り、R面取りのいずれの面取りも可能である。
実施形態2
図20は、本発明の実施形態2の研磨装置の概略構成を示す斜視図である。実施形態2の研磨装置80Bには、実施形態1の研磨装置80Aにおける研磨ユニット保持体83A(以下、この研磨ユニット保持体83Aを第1の研磨ユニット保持体83Aとする)以外に、第2の研磨ユニット保持体83Bが設けられていること以外は、実施形態1の研磨装置80Aの構成と同様になっている。第2の研磨ユニット保持体83Bは、第1研磨ユニット保持体83Aと同様の構成になっており、第2の研磨ユニット40b、撮像装置49B等が設けられるとともに、第2のガイド体移動機構81Bによって、ベース架台82の上面に設けられた一対のLMガイド84に沿って移動可能になっている。なお、ガイド体移動機構81Bは、第1の研磨ユニット保持体83Aを駆動するガイド体移動機構81Aが設けられたLMガイド84とは異なるLMガイド84に設けられている。
第2のガイド体移動機構81B、第2の研磨ユニット40bをX軸方向に移動させる研磨ユニット移動機構85B等は、制御部88によって制御されるようになっている。その他の構成は、実施形態1の研磨装置80Aと同様になっている。
このような構成の実施形態2における研磨装置80Bは、研磨ユニット40aと第2の研磨ユニット40bとを備えているので、テーブルユニット60に基板33が固定された状態でも、基板33における相互に対向する2つの端面を同時に面取り加工することができる。
図21は、実施形態2の研磨装置80Bを用いて、基板33の4つの端面を面取り加工する方法の説明図である。まず、図21(1)に示すように、テーブルユニット60を所定の基準位置にセットし、基板33をテーブルユニット60に載置して固定的に保持する。この場合、基板33の短辺がY軸に平行、又は基板33の長辺がX軸に平行になるように保持する。なお、図21において、図17に示す説明図と同様に、基板33における各コーナー部を、それぞれ、A、B、C、Dとする。
次に、第1の研磨ユニット保持体83Aを移動させて、撮像装置49Aがコーナー部Aにおけるアライメントマークを撮像することができるように、基板33におけるコーナー部AおよびB間の端面近傍に位置させる。また、第2の研磨ユニット保持体83Bを移動させて、撮像装置49Aがコーナー部Bにおけるアライメントマークを撮像することができるように、基板33におけるコーナー部AおよびB間の端面近傍に位置させる。このような状態になると、それぞれの撮像装置49Aによってコーナー部Aにおけるアライメントマークを撮像するとともに、撮像装置49Bによってコーナー部Bにおけるアライメントマークを撮像する。
次いで、各撮像装置49Aおよび49Bによって撮像された各アライメントマークの画像データから、画像処理装置89により、2つのアライメントマークの位置座標データを生成する。制御部88は、画像処理装置89より送られる位置座標データを用いて、X軸方向に対する基板33の傾きを演算し、テーブルユニット60上の基板33の状態を正確に認識し、位置データを制御部88のメモリに記憶させる。
次に、第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aが、図17(4)に示す待機位置Hと同様の待機位置になるように、第1の研磨ユニット保持体83Aおよび研磨ユニット40aをそれぞれ移動させるとともに、第2の研磨ユニット保持体83Bの研磨ユニット40aが、待機位置Hに対してセンターテーブル61の中心に対して点対称の待機位置になるように、第2の研磨ユニット保持体83Bおよび研磨ユニット40aをそれぞれ移動させる。
その後、図21(2)に示すように、制御部88によって、テーブルユニット61が、所定の角度φにわたって時計回り方向に回転される。これにより、基板33も同様に回転される。角度φは、基板33の長辺と短辺との比に依存するが、30度、45度、60度のいずれかが望ましい。
次に、第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aはコーナー部Dを研磨することができるように位置決めされるとともに、研磨ユニット40aはコーナー部Bを研磨することができるように位置決めされる。この場合、図21(2)に示すように、基板33のコーナー部Aが第1の研磨ユニット保持体83Aの下に位置することになるが、研磨ユニット40aは待機位置HからY軸方向に沿って移動されるために、研磨ユニット40aと基板33とが干渉するおそれがない。また、基板33のコーナー部Cが第2の研磨ユニット保持体83Aの下に位置することになるが、研磨ユニット40bも、基板33のコーナー部Cに対してY軸方向およびX軸方向に離れた待機位置からY軸方向に沿って移動するために、基板33のコーナー部Cに干渉するおそれがない。
このような状態になると、第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aは、コーナー部DとAとの間の端面をコーナー部DからAに向かって研磨するように、第1の研磨ユニット保持体83Aが−Y軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40aがX軸方向に移動される。これと同時に、第2の研磨ユニット保持体83Bの研磨ユニット40bは、コーナー部BとCとの間の端面をコーナー部BからCに向かって研磨するように、第2の研磨ユニット保持体83BがY軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40bが−X軸方向に移動される。
この場合、初期状態の基板33におけるコーナー部AおよびBの位置データに基づく基板33の水平方向の回転角度が制御部88のメモリに記憶され、また、テーブルユニット60の回転角φも制御部88のメモリに記憶されているために、制御部88は、これらの位置データを用いて、研磨ユニット40aおよび40bの走行データを演算して、メモリに格納している。従って、制御部88は、メモリに格納された研磨ユニット40aおよび40bの走行データに基づいて、第1の研磨ユニット保持体83Aおよび研磨ユニット40aの移動を制御することによって、コーナー部DとAとの間の端面に沿って移動させることができるとともに、第2の研磨ユニット保持体83Bおよび研磨ユニット40bの移動を制御することによって、コーナー部BとCとの間の端面に沿って移動させることができる。
第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aがコーナー部Aに達すると、研磨ユニット40aがコーナー部Aに沿って移動するように、第1の研磨ユニット保持体83Aおよび研磨ユニット40aが制御される。これにより、コーナー部Aの各端面がそれぞれ研磨される。同様に、第2の研磨ユニット保持体83Bの研磨ユニット40bがコーナー部Cに達すると、研磨ユニット40bがコーナー部Cに沿って移動するように、第2の研磨ユニット保持体83Bおよび研磨ユニット40bが制御される。これにより、コーナー部Cの各端面がそれぞれ研磨される。
その後、第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aは、図21(4)に示すように、コーナー部AとBとの間の端面をコーナー部AからBに向かって研磨するように、第1の研磨ユニット保持体83AがY軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40aがX軸方向に移動される。これと同時に、第2の研磨ユニット保持体83Bの研磨ユニット40bが、コーナー部CとDとの間の端面をコーナー部CからDに向かって研磨するように、第2の研磨ユニット保持体83Bが−Y軸方向に移動されるとともに、研磨ユニット40bが−X軸方向に移動される。
その後、第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aがコーナー部Bに達するとともに、第2の研磨ユニット保持体83Bの研磨ユニット40bがコーナー部Dに達することによって、基板33の4つの端面の面取り加工が終了する。
このように、図21(2)〜(4)に示す工程において、基板33の4つの端面の面取り加工と同時に、基板33における全てのコーナー部の面取り加工も行なうことができるが、図21(4)までの工程が終了した後に、さらに、図21(5)に示すように、基板33の長辺がX軸方向に沿った状態になるように、テーブルユニット60を回転させた後に、第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aによってコーナー部Bの面取り加工を実施するとともに、第2の研磨ユニット保持体83Bの研磨ユニット40bによってコーナー部Dの面取り加工を実施し、さらにその後に、第1の研磨ユニット保持体83Aの研磨ユニット40aによってコーナー部Aの面取り加工を実施するとともに、第2の研磨ユニット保持体83Bの研磨ユニット40bによってコーナー部Cの面取り加工を実施するようにしてもよい。
このように、本実施形態の研磨装置80Bによれば、テーブルユニット60を、センターテーブル61の中心を軸として、XY平面で所定角度(30°,45°,60°)回転させて、2つの研磨ユニット40aおよび40bを、基板33の対角線上の各コーナー部に位置するように移動させた後に、研磨ユニット40aおよび研磨ユニット40bによって、基板33を回転させることなく、基板33の連続する端面の研磨を連続して行うようになっており、基板33の端面の面取り作業効率が著しく向上する。
しかも、基板33の全ての端面の面取り作業を、第1の研磨ユニット保持体83Aおよび第1の研磨ユニット保持体83B同士を、相互に干渉させることなく実施することができる。基板33の各コーナー部において、研磨ユニット40aおよび研磨ユニット40bの移動方向を変更することによって、基板33のコーナー部における端面の面取り加工もできることになり、また、コーナー部における面取り加工をC面取りやR面取りのように変更することも容易にできる。
実施形態3
図22は、本発明の実施形態3の研磨装置の概略構造を示す平面図である。この研磨装置90には、4基の研磨ユニット91、4基の移動ガイド体92、4基の研磨ユニット移動機構99、センターテーブル100、画像処理装置101、制御部102、4つ研磨ユニット送り機構(図示せず)が設けられている。
本実施形態の研磨装置90は、基板33の中央部を載置して吸着保持する四角形状のセンターテーブル100と、このセンターテーブル100の各側縁に沿ってそれぞれ配置された4基の移動ガイド体92と、各移動ガイド体92に沿って移動可能にそれぞれ備えられた4基の研磨ユニット91と、各移動ガイド体92に沿って各研磨ユニット91をそれぞれ往復移動させる研磨ユニット移動機構99と、各研磨ユニット91をXY平面において移動ガイド体92に直交する方向である図22中の矢印P方向(センターテーブルの端面と垂直な方向)へそれぞれ往復移動させる図示しない研磨ユニット送り機構とを備える。
また、研磨装置90の各研磨ユニット91には、エアブロー装置96がそれぞれ設けられている。さらに、研磨装置90は、各撮像装置49で撮像された画像を処理する画像処理装置101と、画像処理装置101からの出力データに基づいて基板33におけるアライメントマークの位置データを演算すると共に、研磨装置90の動作を制御する制御部102とを備えている。研磨ユニット移動機構99は制御部102より制御信号が与えられることによって駆動する。なお、図22では、画像処理装置101は1つしか図示していないが、2つ以上設けられていてもよい。画像処理装置101は、各撮像装置49で撮像された画像データを順次処理していくので、1つで複数の撮像装置49から送られてきた画像を処理することができる。
各研磨ユニット91は、実施形態1における研磨ユニット40aと同様の構成になっており、Z軸方向に移動可能になった研磨砥石集合体45と、研磨砥石集合体45をZ軸方向に移動させる研磨ヘッド移動機構とを有している。撮像装置49は、この研磨砥石集合体45に対して研磨砥石集合体45の研磨処理する際の移動方向とは反対側に配置されており、また、研磨砥石集合体と撮像装置との間に、研磨砥石集合体45によって発生した研磨粉、加工液等を吹き飛ばすエアブロー装置96が設けられている。なお、撮像装置49とエアブロー装置96は、マイクロメータヘッドにより、基板33からの高さおよび基板の端面に対する位置調整が可能となっている。また、エアブロー装置96は図示しないエアポンプに接続されており、圧縮空気を撮像装置49に噴出する。
制御部102は、画像処理装置101で処理されたアライメントマークの位置データに基づいて、センターテーブル100上に載置された基板33のX軸方向に対する傾きの演算と、各研磨ユニット91の研磨砥石集合体の研磨砥石の基板33に対する送り量(切り込み量)の演算と、傾いた基板33の各端面に沿って各研磨砥石を移動させるための各研磨ユニット移動機構99および各研磨ユニット送り機構(図示せず)の制御とを行う。また制御部102は、予め定められた設定値と実際の研磨量とを比較して、各研磨ユニット送り機構を制御して、基板の面取り量を一定となるようにする機能も備えている。
また、センターテーブル100は、XY平面に平行な吸着面を有しているが、テーブルの回転機構は設けられていない。センターテーブル100の裏面には、研磨ユニット91が基板33の端面に当接したことを感知する音響式センサが設けられている。この音響式センサは、基板33を介してセンターテーブル100に生じた振動を検知することにより、研磨ユニット91と基板33との当接を感知する。
各研磨ユニット移動機構99は、センターテーブル100の各側縁、すなわち、センターテーブル100に載置されて保持される基板33の各端面33aに沿ってそれぞれ設けられた各移動ガイド体92と、図示しないボールネジ、サーボモータによって構成され、センターテーブル100の各側縁(基板33の各端面33a)に沿って該第1の位置から該第2の位置に研磨ユニット91を往復移動させる。なお、研磨ユニット移動機構99は、ボールネジ、サーボモータによる構成に限らず、リニアモータによって構成してもよい。
研磨ユニット送り機構は、図示しないLMガイドと、ボールネジ、サーボモータによって構成され、各々の研磨ユニット91を図中の矢印P方向、即ち、基板33の各端面33aに対して接近、離隔する方向に移動させ、基板33の各端面33aに対して研磨ユニット91の研磨砥石を微量ずつ基板33の端面33aに送り込む機能を有する。なお、研磨ユニット送り機構の構成要素は、LMガイドと、ボールネジ、サーボモータに限らず、LMガイドとリニアモータであってもよい。
次に、基板33に対して4つの端面33aを同時に加工する手順を述べる。まず、センターテーブル100は、基板33を載置して吸引保持する。次に、撮像装置49が基板33に設けられたアライメントマークを撮像し、この撮像された画像データは画像処理装置101で処理され、それにより、アライメントマークの位置データが生成される。制御部102は画像処理装置101から出力されたアライメントマークの位置データから、基板33の基準位置に対するX軸、Y軸方向のズレ量を演算し、その演算結果に基づいて基板33のX軸方向およびY軸方向に対する傾きと、各研磨ユニット91の基板33の研磨開始位置と、研磨終了位置とを算出する。
そして制御部102は、各研磨ユニット移動機構99及び各研磨ユニット送り機構のX軸方向およびY軸方向(矢印Rと矢印P方向)の移動方向と、研磨開始位置と研磨終了位置とをそれぞれ制御する(以下、このような制御を直線補間と称する)。このことにより、基板33がセンターテーブル100上に所定の姿勢で保持されていない状態、即ち、基板33が基準位置に対して水平方向に傾いた状態であっても、基板33の各端面33aに沿って研磨することができる。
その後、各研磨ユニット91は、研磨砥石を回転させた状態で、基板33の各端面33aに接近するように矢印P方向に沿って移動させる。そして、テーブルユニット100の裏面に設けた音響式センサにより、テーブルユニット100に生じた振動を検知し、各研磨ユニット91が基板33の端面33aに当接したことを検出する。これにより、制御部88は、各研磨ユニット91が基板33の研磨処理が開始されていない各端面33aに当接する初期位置である0点を検出する。この後、各研磨ユニット91の研磨砥石は回転を停止されて、各研磨ヘッド91は待機位置に移動される。
次に、各研磨ユニット91の研磨砥石がそれぞれ回転される。この状態で、各研磨ユニット91は各研磨ユニット移動機構99によって、基板33の各端面33aを基板側縁部支持手段により基板33の側縁部を支持しつつ、基板33の各端面33aが研磨砥石45によって研磨された状態で、研磨ユニット91を図22に矢印Rで示す方向に移動させる。このとき、制御部102は、算出された基板33のX方向およびY方向に対する傾きと、基板33の研磨開始位置と研磨終了位置のデータに基づいて、各研磨ユニット91を、研磨ユニット移動機構99によってR方向に移動させるとともに、研磨装置送り機構によってP方向に同時に移動させる。これにより、各研磨ユニット91は、直線補間により、基板33の位置ずれ量の補正しつつ、基板33の端面33aの研磨を連続的に行う。
本実施形態の研磨装置90は、上述のように4基の研磨ユニット91により、基板33の4つの端面33aを同時に加工することができる。また、この研磨装置90による研磨ユニット91が、基板33のコーナー部に位置する研磨開始時又は研磨終了時に基板33のコーナー部に沿って移動させることにより、一度に基板33の全てのコーナー部の面取り作業を行うこともできる。さらに、研磨ユニット91が基板33のコーナー部に沿って移動させる際の移動方向を制御することによって、基板33のコーナー部の面取りを、C面取り、R面取りのいずれかとすることができる。
また、各研磨ユニット91が研磨ユニット移動機構99によって、R方向に同時に移動しつつ、基板33の研磨を行うと、研磨砥石45の移動方向の後方に配置されたエアブロー装置96が高圧のエアーを噴射する。高圧のエアーは、研磨砥石45により面取りされた直後の基板33の端面33aから加工液を除去する。また研磨砥石45の後方に配置された撮像装置49は、研磨砥石45によって面取りされた基板33の端面33を撮像する。撮像装置49によって得られた画像は、画像処理装置101によって処理され、実際に研磨された基板33の面取り量を検出する。制御部102は、予め設定されていた面取り量の上限値および下限値と比較して、基板33の実際の面取り量が上限値および下限値を逸脱するか否かを判別する。面取り量が上限値および下限値のいずれか一方を逸脱しているときは、制御部102は研磨ユニット91の研磨ユニット移動機構99と研磨ユニット送り機構を制御して、基板33の端面に対する研磨砥石の位置を制御することによって、基板33の面取り量の補正を行う。
このように、研磨砥石45により面取り加工された直後の基板33の端面に対して、エアブロー装置が加工液を除去し、撮像装置49が面取り加工された直後の基板33の端面を撮像する。こうして制御部102は面取り量を検出し、予め設定してある設定値と比較して、研磨砥石45の送り出し量を調節して面取り量を補正する。このような補正により、基板33が基準状態に対して傾斜していることによって面取り量が変化することを防止でき、常に一定量の面取り加工を行える。従って非常に精度のよい研磨を行うことができる。また、研磨砥石45の送り出し量に対して面取り量が少なくなると、制御部102が研磨砥石45の研磨部が摩耗していると判断する。このとき使用している研磨砥石45が多段構造になった研磨砥石集合体の場合は、研磨ヘッドを上下方向に所定量だけ移動させることにより、新たな研磨砥石によって研磨し得る状態にすることができる。従って、研磨砥石の段取り替え作業を行う必要がなく、作業効率は著しく向上する。
なお、本実施形態では、基板33をセンターテーブル100によって保持する構成であったが、センターテーブル100に代えて、実施形態1において使用された回転可能なテーブルユニットを使用してもよい。この場合は、テーブル回転機構によってセンターテーブルまたはテーブルユニット全体を回転させる構成のいずれでもよい。テーブル回転機構によって回転可能になったテーブルユニットを用いる場合には、テーブルユニットに載置された基板33に記されたアライメントマークを撮像装置49が撮像し、画像処理装置101が撮像装置49の画像データから基板33の位置ずれを認識し、制御部102は、その位置ずれ量を補正すべくテーブル回転機構により基板33を載置したテーブルユニットを所定角だけ回転させる。そして、研磨装置90の各研磨ユニット91の移動方向と、基板の端面とを平行になるよう補正した状態で、基板33の面取り作業が行われる。
本実施形態の研磨装置90を用いる場合には、センターテーブル100が小さくてよく、基板の大きさが変化しても基板を載置するテーブルを交換するなどの段取り替えをする必要がない。そして、研磨を行う基板の端面を支持することで、大きなサイズの基板であっても、撓まない状態で基板の端面を精度良く研磨することができる。また、基板は4つの端面を時に研磨できるため、非常に効率よく研磨することができる。
本発明の研磨ユニット及び研磨装置は、半導体ウエハ、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板など脆性基板に利用でき、特に単板の基板を2枚貼り合わせた貼合基板である液晶表示器(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)や有機ELパネル、液晶プロジェクタに含まれる透過型液晶プロジェクタ基板、反射型液晶プロジェクタ基板およびフィールドエミッションディスプレイ(FED)を含む大型のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造装置に利用される。