JP2010264549A - ワーク貼付部材および研磨加工方法 - Google Patents

ワーク貼付部材および研磨加工方法 Download PDF

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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

【課題】ワークの従属回転性を向上させるとともに、ワークの振動現象をなくして、研磨精度を向上させる。
【解決手段】ワーク保持装置Hの側にベアリング14を介して保持される保持軸6と、レンズ1が熱可塑性接着剤2を介して固定される貼付台座3とを、接続軸5を介して遊動状態に接続するとともに、貼付台座3と保持軸6の間に摩擦係数の小さな滑り部材4を配置した構成の貼付皿S1を用い、ベアリング14の起動トルクの変動や振動等に影響されることなく、滑り部材4と保持軸6の相対的な滑り変位により、レンズ1の工具9に対する円滑な従属回転を実現し、レンズ1を高精度に研磨する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワーク貼付部材および研磨加工方法に関する。
たとえば、光学素子の研磨加工では、ガラス、セラミック、結晶材料等の光学素材であるレンズ素材と砥石等の工具とを対向させた状態で当接させると共に、レンズを支持するワーク軸部を介してレンズ素材を砥石に押圧しながらワーク軸部側もしくは砥石を支持する砥石軸部側を相対的に揺動させて加工している。
この研磨加工では、被加工体であるレンズ素材を貼付皿に貼り付け、この貼り付け状態でレンズ素材を貼付皿と共にワーク軸部に固定して加工に供している。
この種の貼付皿を用いて光学素材を加工する加工機に用いられるワーク保持装置は、特許文献1に開示されている。
図5は、特許文献1に開示されている従来技術のワーク保持装置の動作原理を示す斜視図である。
この図5において、ワーク61は、コ字形状のアッパーアーム62に支承されたワーク支持部63に保持されるようになっている。ワーク支持部63は、ワーク軸支持部64を介してアッパーアーム62に支承されている。
アッパーアーム62の両端の各々は、平面コの字形状に形設された揺動アーム65の両端の各々にアッパーアーム支持部66を介して連結されており、さらに揺動アーム65は揺動アーム支持部67を介して装置筐体側のステー68に連結されている。
そして、揺動アーム65の回転中心の軸線をX、アッパーアーム62の回転中心の軸線をY、ワーク軸支持部64の軸線をZとすると、各軸線X、Y、Zが1点Oにて交わるように設定してある。
この図5の原理構成をより具体化した構成を図6Aおよび図6Bに示す。図6Aは、凸形状のワーク61をワーク支持部に相当する貼付皿73に保持させた構成例を示すものであり、図6Bは、凹形状のワーク61を貼付皿73に保持させた構成例を示すものである。
両図ともに、貼付皿73はベアリング70(図5におけるワーク軸支持部64に相当する)を介して、アッパーアーム62に回転自在に保持されている。前記ベアリング70の外輪は止め具71、ネジ69によりアッパーアーム62に固定されている。
また、アッパーアーム62は図6Aおよび図6Bにおける軸線Y上でピン72を介して揺動アーム65に回転自在に保持されるように構成されている。
しかしながら、上述の従来技術によれば、以下のような技術的課題がある。
すなわち、上述の従来技術の構成によるワーク保持装置を用いた加工は、図7に示すように、ワーク61の被加工面61aに対向して工具74を接触させて行われる。
工具74をα方向に揺動運動、あるいはワーク61を前後揺動運動(β方向)によりワーク61と工具74とを相対的に揺動運動させる。また、工具74を回転運動(γ方向)させる。
このとき、ワーク61は工具74の回転運動により同方向に連れ回りする(以下、この回転を従属回転とする)。このような状態により加工を行う。
しかし、ワーク61の従属回転運動がないと、工具74の外周部の方が内周部よりも周速度が大きいために内周部よりも摩耗が促進され、工具74が偏摩耗する。その結果、ワーク61の被加工面61aの形状も崩れてしまう。
故に、ワーク61を従属回転させることは、工具74の偏摩耗を防止し、安定した加工を実現する上で必須である。
ワーク61の従属回転は、工具74の回転力がワーク61と工具74との摩擦によりワーク61に回転力となって伝わる。この回転力を低下させる要因として、貼付皿73を保持しているベアリング70に関するいくつかの技術的課題が挙げられる。
第1に、ベアリング70の起動トルクが従属回転の回転力より大きいと、従属回転が不可能になる。
第2に、加工中にクーラント等の加工液がベアリング70の内部に入ると、クーラントに混入された切り屑がベアリング70の内外輪、および転動球にダメージを与える。これにより起動トルクが大きくなり、ワーク61の従属回転が不可能になる。
よって、従来技術のワーク保持装置では、ベアリング70の起動トルクを小さくするためにベアリング70の転動球の公転直径を小さくしたものにすると、切り屑によるダメージが大きくなり、従属回転が不可能になるという技術的課題がある。
また、加工荷重がベアリング70に加わるので、ベアリング70の転動球の公転直径が加工対象のレンズ等のワーク61の直径より小さいものを使用すると、転動球の寿命が本来の寿命も低下してしまう。そのため、従来技術では良好な従属回転を維持することが困難となり、安定した加工ができないという技術的課題がある。
また、従来技術では、加工中にベアリング70における内外輪と球との隙間があるためにワーク61と工具74との間で振動が発生してしまい、ワーク61が安定して保持されない一因となり、加工精度への悪影響が懸念される。
特開昭63−120069号公報
本発明の目的は、ワークの従属回転性を向上させるとともに、ワークの振動現象をなくして、研磨精度を向上させることが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、ワーク保持装置に嵌合する基体部と、
ワークが貼り付けられ、遊動結合手段を介して前記基体部に遊動自在に接続された貼付部と、
前記貼付部と前記基体部との間に介在し、前記貼付部を前記基体部に対して相対的に回転可能にする滑り部材と、
を具備するワーク貼付部材を提供する。
本発明の第2の観点は、ワーク貼付部材を介してワーク保持装置に支持されたワークの被加工面に工具の加工面を接触させて、前記ワークの前記被加工面に対して前記工具の前記加工面を相対的に揺動させる研磨加工方法であって、
前記ワークを前記ワーク保持装置に対して相対的に滑り変位自在にする研磨加工方法を提供する。
本発明によれば、ワークの従属回転性を向上させるとともに、ワークの振動現象をなくして、研磨精度を向上させることが可能な技術を提供することができる。
本発明の一実施の形態である研磨加工方法を実施するワーク貼付部材の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態であるワーク貼付部材を備えた研磨装置を正面から見た構成の一例を示す半断面図である。 本発明の一実施の形態であるワーク貼付部材を備えた研磨装置を側面から見た部分断面図である。 本発明の他の実施の形態であるワーク貼付部材の構成例を示す断面図である。 従来技術のワーク保持装置の動作原理を示す斜視図である。 従来技術のワーク保持装置の動作原理をより具体的に示す半断面図である。 従来技術のワーク保持装置の動作原理をより具体的に示す半断面図である。 従来技術のワーク保持装置の動作を示す断面図である。
本実施の形態の第1態様では、光学素子の被加工面に工具の加工面が接触した状態で光学素子及び工具が相対的に揺動する研磨加工に用いる光学素材の貼付部材であって、
前記光学素子が貼り付けられる貼付面を形成し、貼付面と反対側の面に螺合部が設けられた貼付部と、
前記貼付部に設けた螺合部に螺合可能な螺合端部を備え、螺合部と対向して支持部を有する接続軸と、
ワーク保持装置に嵌合可能な円柱状の凸部と大径のツバ部が連設され、ツバ部には接続部が挿入可能な凹形状が形成された保持軸と、
前記貼付部と保持軸との間に介在し両者を回転可能に支承する滑り部材と、を有する光学素材の貼付部材を例示する。
本実施の形態の第2態様では、光学素材の被加工面に工具の加工面が接触した状態で光学素子及び工具が相対的に揺動する研磨加工に用いる光学素材の貼付部材であって、
前記光学素子が貼り付けられる貼付面を形成し、貼付面と反対側の面に螺合部が設けられた貼付部と、
前記貼付部に設けられた螺合部に螺合可能な螺合端部を備え、螺合部と対向して支持部を有する接続部と、
接続部を貫通可能な空孔部を有する回転環と
ワーク保持装置に嵌合可能な円柱状の凸部と大径のツバ部が連設され、ツバ部には接続部が挿入可能な凹形状が形成された保持軸と、
保持軸と回転環を弾性的に保持する弾性部材と、
前記貼付部と保持軸との間に介在し両者を回転可能に支承する滑り部材と、を有する貼付部材を例示する。
(作用)
上述の本実施の形態の各態様の貼付部材によれば、ワークの従属回転がベアリングの起動トルクより小さくなるような場合でも、滑り部材による滑り変位により、工具に対してワークを容易に従属回転させることが可能になる。
また、貼付部は、保持軸に対して滑り部材を介して支承される構造のため振動も発生しない。
この結果、安定した高精度の研磨加工を行うことが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である研磨加工方法を実施するワーク貼付部材の構成の一例を示す断面図である。
図2は、本発明の一実施の形態であるワーク貼付部材を備えた研磨装置を正面から見た構成の一例を示す半断面図である。
図3は、本発明の一実施の形態であるワーク貼付部材を備えた研磨装置を側面から見た部分断面図である。
なお、本実施の形態では、図1および図2において、左右方向をY方向、上下方向をZ方向、紙面に垂直な方向をX方向として説明する。また、一例として、Z方向は鉛直方向、X−Y平面は水平面とする。本の図においても各軸の方向は図示の通りとする。
(構成)
最初に、図1を参照して、本実施の形態1の貼付皿S1(ワーク貼付部材)について説明する。
本実施の形態1で例示する貼付皿S1は、図1に示すように、上方から下方に向かって保持軸6(基体部)、接続軸5(遊動結合手段)、滑り部材4、貼付台座3(貼付部)の順に配置されることにより形成されている。
貼付台座3は、たとえば、Z方向を軸方向とする円柱形状を呈し、その下端面面は貼付面3aとなっている。
この貼付面3aには、加工される光学素子としてのレンズ1(ワーク)がピッチ等の熱可塑性接着剤2を介して貼り付けられている。この貼付面3aはレンズ1の被加工面1aとほぼ等しい直径となっている。
貼付台座3において、貼付面3aと反対側の上端面は滑り面3cとなっている。
この滑り面3cの中心部にはねじ穴3bが設けられており、接続軸5が、当該接続軸5の先端部に設けられたねじ端5aを、ねじ穴3bに螺合させることで貼付台座3に同軸に螺合されている。
接続軸5は、ねじ端5aから軸方向に同一径で連続して形成された継ぎ手5cに続いて、拡径されたフランジ部5bが上端部に設けられている。
このフランジ部5bは、上側の保持軸6に設けられた挿入穴6bに挿入されることにより保持されている。
保持軸6の挿入穴6bの内周部には、拡径された保持溝6eが形成されており、この保持溝6eの内部には、Oリングなどの弾性体からなる規制環7が装着されている。
上述のように、挿入穴6bに挿入される接続軸5のフランジ部5bはねじ端5aから連続して形成される継ぎ手5cより大きな直径となっている。
一方、規制環7の内径は、継ぎ手5cの直径とほぼ等しく、フランジ部5bの直径より小さくなっている。
このため、挿入穴6bの規制環7に圧入された接続軸5は、先端のフランジ部5bが小径の規制環7に係合することにより、挿入穴6bの内部に止まるように保持軸6に軸方向(Z方向)に遊動自在に保持される。
本実施の形態1の場合、保持軸6に設けられた保持部6cは円柱状となっている。
そして、図2および図3に示すように、この保持軸6の保持部6cは、研磨装置Mのワーク保持装置Hにおける第2揺動部材12のレンズ保持部8に、ベアリング14を介して挿入され、Z方向の回りに空転自在に保持されている。
保持軸6において、貼付台座3に対向する端面には、保持部6cよりも大径のツバ部6aが設けられている。
このツバ部6aは、保持軸6の回りに位置するベアリング14を隠蔽する程度の直径に設定され、ベアリング14を隠蔽するように、レンズ保持部8の下面に当接している。
このツバ部6aの、滑り部材4に接するツバ下面6dは、中心部に挿入穴6bに連成する貫通孔を有する平面形状に形成されている。
そして、このツバ下面6dに接する滑り部材4は、たとえば、アセタール樹脂であるポリアセタールや、テフロン(デュポン社の登録商標)等に代表されるフッ素樹脂などの、摩擦係数の小さな素材で構成されている。
すなわち、本実施の形態の場合、滑り部材4は、レンズ保持部8に設けられ、保持軸6が保持されるベアリング14の起動トルク(ベアリング14の回転開始に必要な最小のトルク)より小さなトルクで、レンズ1が固定された貼付台座3が保持軸6に対して相対的に回転可能となるような小さい摩擦係数を有する材料で構成されている。
次に、本実施の形態の貼付皿S1が保持される研磨装置Mの構成の一例について説明する。
図2および図3に例示されるように、本実施の形態の研磨装置Mは、ステー10に支持されたワーク保持装置Hを備えている。
このワーク保持装置Hは、貼付皿S1を保持する第2揺動部材12、および当該第2揺動部材12をステー10に連結する第1揺動部材11を備えている。
第2揺動部材12は、Z−Y平面(垂直面)内で、両端部が同一方向に下向きに直角に屈曲されたコ字形を呈している。
第1揺動部材11は、X−Y平面(水平面)内で、両端部が同一方向に直角に屈曲されたコ字形を呈している。
ステー10は、研磨装置Mの図示しないシリンダ等の加圧機構を有する図示しない上軸に、Z方向(垂直方向)に設けられている。
このステー10の下端部には、図3に示すようにベアリング17を介して取付軸18がX軸の回りに回転自在に取り付けられている。
取付軸18はステー10を貫通しており、その貫通端部が、第1揺動部材11の中心部に挿入されている。
これにより、第1揺動部材11は取付軸18の中心軸線(軸線X)を揺動中心として、Z−Y平面内で揺動できるようにステー10の下端部に回転自在に支持されている。
なお、取付軸18における第1揺動部材11との反対側には、ナット20が締結されることにより取付軸18の抜け止めがなされている。
また、ベアリング17の内輪と第1揺動部材11との間の取付軸18回りには、スペーサ19が介挿されることにより、第1揺動部材11とステー10との間にはX方向に所定の間隙が形成され、取付軸18の回りに回転する第1揺動部材11のステー10に対する接触が防止されている。
上述のように水平面内でコ字形に成形された第1揺動部材11の屈曲先端部11aおよび屈曲先端部11bの各々には、同じく水平面内でコ字形に成形された第2揺動部材12の屈曲先端部12a、屈曲先端部12bがピン13を介して回転自在に連結されている。
そして、図3に示すように、第2揺動部材12は、第1揺動部材11に対してZ方向に貼付皿S1が下向きとなる姿勢で、門形に倒立した状態となっている。
従って、第2揺動部材12は第1揺動部材11の屈曲先端部11a、屈曲先端部11bを結ぶ軸線(軸線Y)を揺動中心として揺動する。
第2揺動部材12の中心部には、レンズ保持部8が配置されている。
第2揺動部材12のレンズ保持部8は第2揺動部材12の中心部に挿入されたベアリング14を備えている。ベアリング14は、ねじ16を介した押さえ部材15によって第2揺動部材12の下面に固定されている。
ベアリング14には、レンズ1を貼り付けた貼付皿S1の保持軸6が下方からZ方向に挿入されている。これにより、貼付皿S1及びレンズ1は第2揺動部材12に対して、Z方向の回りに回転自在となっている。
この場合、貼付皿S1の回転中心線(軸線Z)が第2揺動部材12の中心軸線と一致するように構成されている。
また、第1揺動部材11の揺動中心である軸線Xと第2揺動部材12の揺動中心である軸線Yとが直交した点(直交点O)は、軸線Yとレンズ保持部8の回転中心である軸線Zの線上にあり、レンズ1の外周辺の1点からの接線と軸線Zとの交点と、前記直交点O点とは一致あるいは接近するように設定されている。
貼付皿S1の下方には、工具9が対向するように配置されている。工具9の加工作用面9aは、貼付皿S1に支持されたレンズ1の被加工面1aと凹凸逆形状(本実施の形態では凹形状)となっており、この加工作用面9aがレンズ1の被加工面1aと接触して研磨を行う。
この工具9は研磨装置Mの下軸9bに取り付けられおり、この下軸9bがα方向に揺動運動、あるいは研磨装置Mのステー10を支持した図示しない上軸が前後方向に揺動運動(β方向)することにより、レンズ1と工具9とが相対的に揺動運動自在になっている。
さらに、工具9を支持する研磨装置Mの下軸9bは回転運動自在となっている。
(作用)
以下、本実施の形態の貼付皿S1を備えたワーク保持装置Hおよび研磨装置Mの作用を説明する。
本実施の形態の研磨装置Mの場合、まず、貼付台座3の貼付面3aに熱可塑性接着剤2を介して、たとえば、凸面形状のレンズ1の背面を貼り付けて下向きの姿勢で固定する。
次に、研磨装置Mの加圧機構(図示省略)によって上軸及びステー10を下降方向に駆動することにより、貼付皿S1およびワーク保持装置Hを介してステー10に支持されたレンズ1が下降して工具9に当接する。
このとき、貼付台座3の滑り面3cは滑り部材4を介して保持軸6のツバ下面6dと接触する。
さらにねじ穴3bおよびねじ端5aにて連結された接続軸5は保持軸6の挿入穴6bに収容された規制環7に挿入される。ただし、接続軸5のフランジ部5bのみが規制環7を通り抜けるように挿入穴6bに挿入されるだけであり、接続軸5は保持軸6に固着されていない。
すなわち、熱可塑性接着剤2を介して貼付台座3に貼り付けられたレンズ1は、滑り部材4及び接続軸5を介して保持軸6に回動自在に保持されることになる。
次に、研磨装置Mの下軸9bおよび工具9を回転運動させる。このとき、レンズ1の被加工面1aと工具9の加工作用面9aの界面には研磨加工による回転抵抗が生じることにより、貼付台座3に貼り付けられたレンズ1には工具9と同じ方向に連れ回り(従属回転)させる回転モーメントが作用する。
このとき、本実施の形態の貼付皿S1では、貼付台座3と保持軸6の間に設けられた滑り部材4は、レンズ保持部8に設けられたベアリング14の起動トルクより小さなトルクで、貼付台座3と保持軸6が相対的に回転可能となるような小さい摩擦係数を有する材料で構成されているため、レンズ1は貼付台座3と共に保持軸6に対して相対的に回転(従属回転)する。
ここで、研磨加工中はレンズ1の被加工面1aと工具9の加工作用面9aの間に供給される図示しない加工液に含まれる水分等の流体が滑り部材4と保持軸6の界面に介在するため、滑り部材4に関しては摩擦係数が小さく、水分等に対して耐性の高い材料が好ましく、フッ素系樹脂、特にテフロンが最も有効であるが、レンズ保持部8に設けられたベアリング14の起動トルクより小さなトルクで相対的に配置された部材が回転可能となるような摩擦係数を有する材料であればもちろん問題ない。
ここで従属回転を生じたレンズ1および貼付台座3には回転モーメントにより、中心軸に対して垂直方向(Z方向)にズレが生じようとするが、接続軸5の中心軸(Z方向)に対して垂直方向のX−Y平面内の動きは、接続軸5の継ぎ手5cの外周に接する規制環7により弾性的に規制されるため、レンズ1は安定して保持される。
このように、レンズ1および貼付台座3は、滑り部材4を介して保持軸6に対して滑るため、円滑で良好な従属回転が得られ、保持軸6が挿入保持されるベアリング14は、レンズ1および貼付台座3の従属回転を副次的に補助する役割を果たす。
このため、起動トルクを小さくするためにベアリング14の転動球の公転直径を小さくする必要が無く、ベアリング14の寿命まで安定に稼働させることができる。
(効果)
本実施の形態によれば、貼付台座3と保持軸6との間に介在する滑り部材4によって、貼付皿S1の貼付台座3が、ベアリング14の状態に関係なく、ベアリング14の側に固定された保持軸6に対して滑らかに空転する。
このため、レンズ1が固定された貼付皿S1を回転自在に第2揺動部材12に支持するベアリング14における起動トルクの大小や稼働中における当該起動トルクの変動等に影響されることなく、いかなる場合でも貼付皿S1に固定されたレンズ1の工具9に対する円滑な従属回転を得ることができるため、レンズ1の研磨精度の向上を実現することができる。
貼付皿S1の保持軸6を支持するベアリング14における振動の発生も防止される。
この結果、レンズ1の工具9に対する従属回転性を向上させるとともに、レンズ1の振動現象をなくして、研磨精度を向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の他の実施の形態であるワーク貼付部材の構成例を示す断面図である。
(構成)
この実施の形態2では、弾性部材の変形に依存してレンズ1を傾動自在に押圧する保持手段を利用する構造の貼付皿S2(ワーク貼付部材)を例示する。
なお、本実施の形態2の説明では、研磨装置Mおよびワーク保持装置Hの構成は上述の実施の形態1と共通であり、実施の形態1における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図4に例示されるように、本実施の形態2における貼付皿S2では、保持軸6と滑り部材4との間に、接続軸5が挿通される回転環21および弾性材22を配置した点が、上述の実施の形態1の貼付皿S1と異なっている。
すなわち、本実施の形態2の場合、保持軸6に形成されたツバ下面6dには外筒23が、貼付台座3と同心円状に突設され、この外筒23の内部に、Oリング等の弾性材22が、外周部を全周にわたって支持されるように装着されている。
回転環21には、弾性材22に接する側に球面21aが形成され、反対側の滑り部材4に接する部分は、支持平面21bが形成されている。
そして、この回転環21の支持平面21bには、アセタール樹脂であるポリアセタールや、テフロン(デュポン社の登録商標)等に代表されるフッ素樹脂など摩擦係数の小さな素材からなる滑り部材4が接している。
この実施の形態2の場合、回転環21の球面21aは凸形状で形成され、その球心O21は、貼付台座3に固定されたレンズ1の外周端を通り被加工面1aに接する接線tと、レンズ1の回転軸Zとの交点(この場合、直交点O)に、一致(ほぼ一致する場合を含む)するように構成されている。
そして、本実施の形態の貼付皿S2では、回転環21に接する弾性材22は研磨のときにレンズ1が加工力によって傾斜するときの位置変化を吸収する働きをする。
また、本実施の形態の貼付皿S2では、回転環21の、弾性材22に接する球面21aが凸球面をなすように形成されていることにより、弾性材22がレンズ1の位置変化を吸収する際に、弾性材22の変形で任意の位置変化を実現するだけでなく、当該位置変化を回転環21の球面21aに沿って発生させることができる。
(作用)
上述のような構成の本実施の形態2の貼付皿S2によって、たとえば、凸面形状のレンズ1の被加工面1aを研磨加工すると、上述の実施の形態1と同様に回転環21と貼付台座3との間に設けられた滑り部材4の効果により、ベアリング14の起動トルク等に影響されることなく、小さな回転モーメントでも1の工具9に対する従属回転を得ることができる。
さらに本実施の形態2の貼付皿S2では、貼付台座3に覆いかぶさるように配置される回転環21が、弾性材22を介して保持軸6と滑り部材4の間に設置されているため、加圧機構を有する研磨装置Mの図示しない上軸により、ワーク保持装置Hを介して貼付皿S2の保持軸6に作用する加工圧力は弾性材22を介して回転環21に伝達されると同時に、研磨加工中に生じるレンズ1及び貼付台座3の位置変化を弾性材22が吸収することができる。
さらに弾性材22は回転環21に設けられた球面21aに接するように配置されているため、レンズ1の任意の位置変化を実現するだけでなく、回転環21の球面21aに沿ったレンズ1の位置変化をも発生させることができる。
すなわち、本実施の形態2の貼付皿S2では、研磨中において、レンズ1が最も安定しやすい姿勢となるようにワーク保持装置Hに保持されることになる。
(効果)
本実施の形態2の貼付皿S2によれば、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、工具9から作用する加工力に応じてレンズ1の自在な位置変化を実現するとともに、レンズ1の被加工面1aの形状に応じて、レンズ1が最も安定しやすい姿勢となるようにワーク保持装置Hに保持させることができる。
この結果、研磨装置Mにおいて、貼付皿S2を介してワーク保持装置Hに保持されたレンズ1の研磨精度の向上を実現できる。
以上説明したように、本発明の上述の各実施の形態によれば、いかなる形状のレンズ1であっても、レンズ1の工具9に対する円滑な従属回転を実現できるとともに、レンズ1の振動現象を防止できるため、レンズ1の研磨精度の向上を図ることができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、ワークとしてはレンズ1に限らず、一般の精密製品等の加工に広く適用できる。
(付記1)
光学素子の被加工面に工具の加工面が接触した状態で光学素子及び工具が相対的に揺動する研磨加工に用いる光学素子の貼付部材であって、
前記光学素子が貼り付けられる貼付面を形成し、貼付面と反対側の面に螺合部が設けられた貼付部と、
前記貼付部に設けた螺合部に螺合可能な螺合端部を備え、螺合部と対向して支持部を有する接続軸と、
ワーク保持装置に嵌合可能な円柱状の凸部と大径のツバ部が連設され、ツバ部には接続部が挿入可能な凹形状の挿入部が形成された保持軸と、
前記貼付部と保持軸との間に介在し両者を回転可能に継承する滑り部材と、
を有することを特徴とする光学素子の貼付部材。
(付記2)
光学素材の被加工面に工具の加工面が接触した状態で光学素子及び工具が相対的に揺動する研磨加工に用いる光学素材の貼付部材であって、
前記光学素子が貼り付けられる貼付面を形成し、貼付面と反対側の面に螺合部が設けられた貼付部と、
前記貼付部に設けた螺合部に螺合可能な螺合端部を備え、螺合部と対向して支持部を有する接続軸と、
接続部を貫通可能な空孔部を有する回転環と
ワーク保持装置に嵌合可能な円柱状の凸部と大径のツバ部が連設され、ツバ部には接続部が挿入可能な凹形状が形成された保持軸と、
保持軸と回転環を弾性的に保持する弾性部材と、
前記貼付部と保持軸との間に介在し両者を回転可能に継承する滑り部材と、
を有することを特徴とする光学素子の貼付部材。
(付記3)
付記2に記載の貼付部材において、
前記貼付部材の回転軸は前記工具の球心を概略通るように配置され、
前記回転環は、前記弾性部材に接する凸球面部を有し、前記凸球面部の球心は前記光学素子の外周端を通り被加工面に接する接線と、前記光学素子の回転軸との交点に一致していることを特徴とする光学素子の貼付部材。
1 レンズ
1a 被加工面
2 熱可塑性接着剤
3 貼付台座
3a 貼付面
3b ねじ穴
3c 滑り面
4 滑り部材
5 接続軸
5a 螺合端
5b フランジ部
5c 継ぎ手
6 保持軸
6a ツバ部
6b 挿入穴
6c 保持部
6d ツバ下面
6e 保持溝
7 規制環
8 レンズ保持部
9 工具
9a 加工作用面
9b 下軸
10 ステー
11 第1揺動部材
11a 屈曲先端部
11b 屈曲先端部
12 第2揺動部材
12a 屈曲先端部
12b 屈曲先端部
13 ピン
14 ベアリング
15 押さえ部材
16 ねじ
17 ベアリング
18 取付軸
19 スペーサ
20 ナット
21 回転環
21a 球面
21b 支持平面
22 弾性材
23 外筒
H ワーク保持装置
M 研磨装置
O21 回転環21の球心
S1 貼付皿
S2 貼付皿
t 接線

Claims (5)

  1. ワーク保持装置に嵌合する基体部と、
    ワークが貼り付けられ、遊動結合手段を介して前記基体部に遊動自在に接続された貼付部と、
    前記貼付部と前記基体部との間に介在し、前記貼付部を前記基体部に対して相対的に回転可能にする滑り部材と、
    を具備することを特徴とするワーク貼付部材。
  2. 請求項1記載のワーク貼付部材において、
    さらに、前記基体部と前記滑り部材との間には、前記遊動結合手段が挿通された、前記基体部の側に接する球面を有する回転環を備えたことを特徴とするワーク貼付部材。
  3. 請求項2記載のワーク貼付部材において、
    前記回転環の前記球面の中心は、前記ワークにおける球形の被加工面の外周端における接線と前記ワークの中心軸との交点に一致していることを特徴とするワーク貼付部材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワーク貼付部材において、
    前記遊動結合手段は、
    前記貼付部に突設された、先端にフランジ部が設けられた接続軸と、
    前記基体部に穿設され、前記接続軸が挿入される挿入穴と、
    前記挿入穴の内部に設けられ、前記接続軸の前記フランジ部に嵌合する規制環と、
    を含むことを特徴とするワーク貼付部材。
  5. ワーク貼付部材を介してワーク保持装置に支持されたワークの被加工面に工具の加工面を接触させて、前記ワークの前記被加工面に対して前記工具の前記加工面を相対的に揺動させる研磨加工方法であって、
    前記ワークを前記ワーク保持装置に対して相対的に滑り変位自在にすることを特徴とする研磨加工方法。
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