JPH08229795A - ワーク保持装置 - Google Patents

ワーク保持装置

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Publication number
JPH08229795A
JPH08229795A JP7041488A JP4148895A JPH08229795A JP H08229795 A JPH08229795 A JP H08229795A JP 7041488 A JP7041488 A JP 7041488A JP 4148895 A JP4148895 A JP 4148895A JP H08229795 A JPH08229795 A JP H08229795A
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JP
Japan
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work
axis
support shaft
swing arm
arm
Prior art date
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Application number
JP7041488A
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English (en)
Inventor
Toshiya Akita
俊哉 秋田
Koji Ishizaki
幸治 石崎
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08229795A publication Critical patent/JPH08229795A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工工具の偏摩耗を防止する。 【構成】 加工機に固定されワーク1の加工時にワーク
1に加わる加工圧力を支えるステー7に、コの字形状の
揺動アーム5を第1の支軸16により取り付ける。揺動
アーム5は、第1の支軸16の軸回りに回動自在とす
る。ステー7にはアーム14を取り付けるとともに、ア
ーム14の下面にダンパ15を取り付ける。ダンパ15
は、揺動アーム5に接するように配置し、加工工具10
によりワーク1を加工する際に、揺動アーム5が傾くの
を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、セラミックス
等の光学素子や金型等のワークを加工する加工機に用い
るワーク保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学素子や金型等のワークを加工する加
工機に用いられるワーク保持装置は、特開昭63−12
0069号公報(全請求項に対する従来技術)に開示さ
れている。図7は上記ワーク保持装置による原理図を示
したもので、図において、ワーク51は、コ字形状のア
ッパーアーム52に支承されたワーク支持部53に保持
されるようになっている。54で示すのはワーク軸支持
部である。アッパーアーム52は、平面コの字形状に形
設された揺動アーム55にアッパーアーム支持部56を
介して連結されており、揺動アーム55は揺動アーム支
持部57を介してステー58に連結されている。そし
て、揺動アーム55の回動中心の軸線をX、アッパーア
ーム52の回動中心の軸線をY、ワーク軸支持部54の
軸線をZとすると、各軸線X、Y、Zが1点Oにて交わ
るように設定してある。
【0003】図8は、ワーク51を安定的に加工するた
めの条件を説明するための説明図である。同図において
点Pは、ワーク51の外周辺の1点であり、線分PHは
点Pにおける接線である。ここで、点Hは、ワーク51
の中心軸、すなわち、図7におけるワーク軸支持部54
の軸線Zと点Pを通るワーク51表面における接線との
交点を示すものである。図7、図8において、図7にお
ける交点Oを図8における点Hと一致もしくは十分接近
させることにより、ワーク51を安定的に加工すること
ができるものである
【0004】上記原理構成により具体化した構成例を図
9(a)、(b)の半截正面図に示す。図9(a)は、
凸形状のワーク51をワーク支持部(貼付皿やレンズホ
ルダー等)53に保持させた構成例を示すものであり、
図9(b)は、凹形状のワーク51をワーク支持部53
に保持させた構成例を示すものである。
【0005】両図の構成ともに、ワーク支持部53はベ
アリング60(図7におけるワーク軸支持部54に相当
する)を介して、アッパーアーム52に保持され、Z軸
を中心にして回転自在となっている。前記ベアリング6
0の外輪は、止め具61およびネジ59によりアッパー
アーム52に固定されている。また、アッパーアーム5
2は、図7における軸線Y上で、ピン62を介して揺動
アーム55に回転自在に保持されている。
【0006】図に示すように、両図とも、O0 点に相当
する図7に示す3軸X、Y、Zの交点Oと、ワーク51
の外周上の点Pを通る接線とワーク支持部53の軸線Z
との交点Hを十分接近させて(一致を含む)、安定した
ワーク保持と加工とを行い得るように構成してある。し
たがって、図9(a)、(b)にて示す構成によれば、
図7にて示すO点と図8にて示すH点とを十分に接近さ
せることができ、凸形状、凹形状のワーク51の被加工
面に沿ってワーク51を安定的に加工し得るものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図10(ワーク保持装
置の断面側面図)は、ワーク51の球心O1 を中心に揺
動(矢印αの方向)を行う加工機に上記構成によるワー
ク保持装置を用いた場合である。加工においては、ワー
ク51に対向した加工工具(以下、単に工具という)6
3の加工面63aの振れが発生する。そのため、工具6
3の加工面63aはワーク51の加工面51aに対し
て、1回転時に振れによる回転中心の微振動が発生す
る。さらに、工具63の往復時の振動が発生する。故
に、加工中は回転中の微振動、および工具63の往復時
の振動が重なったものとなる。図7においてワーク支持
部53が、揺動アーム支持部57、アッパーアーム支持
部56の回動により、前記した振動を吸収する(倣う)
ことで、安定した加工を行っている。
【0008】しかしながら、上記ワーク保持装置を用い
て、半球に近い(曲率半径:R、ワーク径:Dとしたと
き、D/Rが2に近い)ワーク51を加工する場合、工
具63の加工抵抗により、ワーク51は工具63の接線
方向に引っ張られ、ワーク51は工具63の加工面63
aの外側寄りで加工が進行する。そのため、ワーク51
の曲率半径が制御できなくなり、安定した加工ができな
いという問題点が発生する。
【0009】以下に前記問題点の詳細を述べる。図11
はワーク51と工具63の上面図である。加工において
は、工具63は矢印βの方向に回転する。この回転力は
ワーク51に対して従属回転(矢印γの方向)を促す。
また、その他に、工具63の回転の接線方向に加工抵抗
Fとなって作用する。
【0010】図12のワーク保持装置を一部破断した正
面図に示すように、この加工抵抗Fによりアッパーアー
ム52が傾く。この現象は、ワーク51が半球に近いほ
ど大きく傾く。また、工具63に金属粉(あるいは、樹
脂あるいはその混合粉)のボンド、あるいはビトリファ
イドボンドにダイヤモンド砥粒(あるいは、CBN砥
粒、アルミナ、炭化珪素、酸化セリウム、ジルコニア
等)の砥粒を用いた研削工程よりも、樹脂(ポリイミド
系、フェノール系)のボンドと上記砥粒の工具63、あ
るいはピッチ、シート等の工具63を用いた研磨工具の
方が、砥粒突出量が少ないことによりワーク51とボン
ドとの接触が増加するために、ワーク51と工具63と
の密着抵抗は高くなる。故に、同じワーク形状でも研磨
工程の方が傾きやすい。
【0011】前記したように、アッパーアーム52およ
びワーク51が傾いたままの状態で加工すると、ワーク
51は常に工具63の外側寄りに接触することになる。
ワーク51に対向した工具63を揺動しながら加工を行
う倣い加工では、図12に示すように、矢印α方向の揺
動の揺動角θを変化させることにより工具63(それに
追従することでワーク51)の球面形状を規格内に入る
ように操作しつつ加工を行う。例えば、凸形状のワーク
51を加工するとき、揺動角θを大きくすれば、ワーク
51は工具63の外側寄りに接触することになり、工具
63の外側が内側より摩耗が進むために曲率半径は大き
くなる。逆に、揺動角θを小さくすれば、ワーク51は
工具63の内側寄りに接触することになり、工具63の
内側が外側より摩耗が進むために曲率半径は小さくなる
(凹形状のワーク51の場合は、曲率半径の変化は凸形
状のときた反対になる)。通常の加工では、揺動角θを
調整することにより、すなわち、ワーク51と工具63
との1往復中の接触位置の分布により、ワーク51の形
状を維持している。
【0012】故に、加工抵抗Fによりワーク51が工具
63の外側寄りに傾いたまま加工を行うと、工具63は
外側が内側より摩耗が進み、凸形状のワーク51では曲
率半径は徐々に大きくなってしまう(凹形状のワーク5
1では曲率半径が徐々に小さくなってしまう)という工
具63の偏摩耗が発生する。
【0013】本願の請求項1〜4の発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みてなされたものであって、加工工具の
偏摩耗を防止することができるワーク保持装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、加工機に固定されワークの加工
時にワークに加わる加工圧力を支えるステー部材と、前
記ステー部材に第1の支軸を介して、第1の支軸の軸回
りに回動自在に支持され、第1の支軸を対称軸とするコ
の字形状を有し、かつその先端部に第1の支軸の軸線と
直交する軸線を有する第2の支軸を有する揺動アーム
と、前記揺動アームの両端に、前記第2の支軸を介して
第2の支軸の軸回りに回動自在にそれぞれ支持されるコ
の字形状のアッパーアームと、前記アッパーアームの水
平部に一端部を支持され、他端部に前記ワークを保持す
るとともに、前記ワークを回転自在にするワーク支持部
とを備え、前記第1および第2の支軸の軸線と前記ワー
クの回転軸線が交わるように構成したワーク保持装置に
おいて、前記揺動アームの第1の支軸に対する揺動量の
規制をする弾性部材を揺動アームとステー部材の間に配
設して構成した。
【0015】請求項2の発明は、加工機に固定されワー
クの加工時にワークに加わる加工圧力を支えるステー部
材と、前記ステー部材に第1の支軸を介して、第1の支
軸の軸回りに回動自在に支持され、第1の支軸を対称軸
とするコの字形状を有し、かつその先端部に第1の支軸
の軸線と直交する軸線を有する第2の支軸を有する揺動
アームと、前記揺動アームの両端に、前記第2の支軸を
介して第2の支軸の軸回りに回動自在にそれぞれ支持さ
れるコの字形状のアッパーアームと、前記アッパーアー
ムの水平部に一端部を支持され、他端部に前記ワークを
保持するとともに、前記ワークを回転自在にするワーク
支持部とを備え、前記第1および第2の支軸の軸線と前
記ワークの回転軸線が交わるように構成したワーク保持
装置において、第1の支軸の揺動アームの反対側の端面
に配設された弾性体と、前記弾性体に対向し、かつバネ
により弾性体を加圧するように配設された押し棒と、一
端を前記ステー部材に保持され、もう一端が前記押し棒
を保持し、かつ前記押し棒の前記弾性部材に対する加圧
力を調整するために配設されたアームと設けて構成し
た。
【0016】請求項3の発明は、加工機に固定されワー
クの加工時にワークに加わる加工圧力を支えるステー部
材と、前記ステー部材に第1の支軸を介して、第1の支
軸の軸回りに回動自在に支持され、第1の支軸を対称軸
とするコの字形状を有し、かつその先端部に第1の支軸
の軸線と直交する軸線を有する第2の支軸を有する揺動
アームと、前記揺動アームの両端に、前記第2の支軸を
介して第2の支軸の軸回りに回動自在にそれぞれ支持さ
れるコの字形状のアッパーアームと、前記アッパーアー
ムの水平部に一端部を支持され、他端部に前記ワークを
保持するとともに、前記ワークを回転自在にするワーク
支持部とを備え、前記第1および第2の支軸の軸線と前
記ワークの回転軸線が交わるように構成したワーク保持
装置において、前記ワークの回転軸に対して垂直、すな
わち、前記揺動アームの水平部で、かつ第1の支軸に対
称的に配設された第1のマグネットと、前記第1のマグ
ネットに対向して非接触に配設し、かつ第1のマグネッ
トと同極側が対向するように配設した第2のマグネット
と、前記第2のマグネットの上部を保持し、かつ前記ス
テー部材に保持されたアームとを設けて構成した。
【0017】請求項4の発明は、請求項3にあって、第
1のマグネットを磁性体にして第2の支軸の両端に配設
し、第2のマグネットを前記磁性体に対向するように配
設して構成した。
【0018】
【作用】請求項1の構成にあっては、以下の作用を得る
ことができる。ワーク保持の原理は、発生する回転中の
加工微振動、工具の往復時の振動を揺動アーム、アッパ
ーアームの回動により吸収する。また、工具の回転によ
りワークには加工抵抗がかかり、揺動アームが傾く。こ
の状態は力量的にバランスのとれて、追従性が確保され
ているが、工具の偏摩耗を防止するために揺動アームを
メカ的に固定すると、前記バランスが崩れ、発生するワ
ークと工具間の振動を吸収するものが無くなり、ワーク
加工面、あるいは工具加工面を破壊する結果となる。
【0019】故に、加工においては、図示を省略した加
圧機構により上軸部が加圧され、ステー部材、揺動アー
ム、アッパーアームを介して、ワークを加圧する。回転
中の加工抵抗により揺動アームは傾こうとするが、揺動
アームの水平部に設けた弾性部材により傾きが抑えられ
る。また、回転中の微振動はある程度の周波数の高い振
動なので、弾性部材はこの振動を吸収することができる
(前記したようにメカ的に揺動アームを抑えると、この
振動を吸収できず、ワーク加工面、あるいは工具加工面
を破壊することになる)。故に、この振動はアッパーア
ーム、揺動アームの回動により吸収する(倣う)ことが
でき、工具とワークとの追従性を低下させることはな
い。かつ、揺動アームが傾かないので、ワークは工具の
外側に傾かないので工具の偏摩耗を防止することができ
る。
【0020】請求項2の構成にあっては以下の作用を得
ることができる。加工においては、加工抵抗により揺動
アームが傾こうとするが、第1の支軸に締結された弾性
体に押し棒が押し付けられているので、傾きを抑えるこ
とができる。押し棒にはキーがあるために回転はしな
い。また、このとき、押し付け力は研削と研磨、ワーク
形状:D/R(ワークの曲率半径:R、ワークの径:D
としたときの比率)により、アームの前後調整でバネを
圧縮させて調整する。また、加工中の振動は第1の支軸
まで伝わり、弾性体の揺動アームの回転方向(ねじれ方
向)の弾性変形で吸収されるので、揺動アームの振動レ
ベルの回動は可能である。故に、アッパーアーム、揺動
アームの回動により、工具とワークとの追従性は良好で
ある。かつ、揺動アームが傾かないので、ワークは工具
の外側に傾かないので工具の偏摩耗を防止することがで
きる。
【0021】請求項3の構成にあっては以下の作用を得
ることができる。加工においては、工具の回転によりワ
ークには加工抵抗がかかり、揺動アームが傾こうとす
る。しかし、第1、第2のマグネットの反発力(あるい
は、磁性体と第2のマグネットの引力)により揺動アー
ムは平行状態を保とうとするので、傾きを抑えることが
できる。また、第2のマグネットと揺動アームは非接触
であり、加工中の振動を吸収するための揺動アームの回
動は自在である。故に、加工中の振動はアッパーアー
ム、揺動アームの回動により吸収する(倣う)ことがで
きるので、工具とワークとの追従性を低下させることは
ない。かつ、揺動アームが傾かないので、ワークは工具
の外側に傾かないので工具の偏摩耗を防止することがで
きる。
【0022】請求項4の構成にあっては以下の作用を得
ることができる。加工においては、工具の回転によりワ
ークには加工抵抗がかかり、揺動アームが傾こうとする
が、磁性体と第2のマグネットの引力により揺動アーム
は平行状態を保とうとするので、傾きを抑えることがで
きる。また、磁性体と第2のマグネットは非接触であ
り、加工中の振動を吸収するための揺動アームの回動は
自在である。故に、加工中の振動はアッパーアーム、揺
動アームの回動により吸収する(倣う)ことができるの
で、工具とワークとの追従性を低下させることはない。
かつ、揺動アームが傾かないので、ワークは工具の外側
に傾かないので工具の偏摩耗を防止することができる。
【0023】
【実施例】
[実施例1]本発明の実施例1を図1および図2に基づ
いて説明する。図1はワーク保持装置を一部破断して示
す正面図、図2はワーク保持装置を一部破断して示す側
面図である。
【0024】図において7は逆L字形状のステー7で、
このステー7はその上面において加工機本体の上軸部9
にネジ8により固定されている。前記ステー7の下端部
中央には、コの字形状に形設した揺動アーム5が軸線X
上で支軸16(第1の支軸)、ベアリング17,18を
介して回動自在に連結されている。この揺動アーム5
は、その中央部がステー7と連結されている。前記支軸
16は、その端部がステー7の背面(図2において右側
面)から突出され、その突出部に螺着したナット19に
よりステー7と締結されている。
【0025】揺動アーム5の開口部両端5aには、揺動
アーム5と同様に水平部を底辺としてコの字形状に形設
されたアッパーアーム2が軸線Y上でピン6(第2の支
軸)を介して回動自在に連結されている。アッパーアー
ム2の中央部には、ベアリング12を介してハウジング
4が回転自在に保持されている。ハウジング4は下側を
開口した円筒状に形設されており、ハウジング4の内径
部上面にはマグネット13が配設されている。このハウ
ジング4の内径部には、開口部側から貼付皿3の軸部3
aが挿入配置されるようになっており、前記マグネット
13は、ワーク1の脱着時に、ハウジング4の下方に取
り付けられた貼付皿3を磁力により引っ張り、落下を防
止するために配設されている。貼付皿3の下端面には、
凸形状のワーク1(ガラス、セラミックス等の光学素子
や金型等)が貼付けてある。
【0026】前記ハウジング4に保持された前記貼付皿
3に貼付けられているワーク1に対向して加工工具(以
下、単に工具という)10が設けられており、この工具
10は図示を省略した回転駆動源に連結された工具軸部
11により回転(矢印βの方向)自在に保持されてい
る。また、工具10は、図2に示すように、ワーク1の
球心O1 を中心にして揺動角θで球心揺動する。また、
ワーク1の外側からワークと工具10の間にクーラント
を供給するノズル(図示省略)が設けられている。
【0027】図1に示す点Pは、ワーク1の外周辺の1
点であり、線分PHは点Pにおけるワーク1表面との接
線である。点Hは、ワーク1の中心軸、すなわち、軸線
Zと点Pにおける接線との交点を示すもので、各軸線
X、Y、Zの交点Oと一致もしくは十分接近させるよう
に設定してある。
【0028】また、揺動アーム5のコの字形状の付け根
両端の上部には、ダンパ15が接触してある(あるいは
隙間を有して保持されている)。前記ダンパ15は、ス
テーに一端を固定したアーム14により保持され、対称
的に2個設けられている。
【0029】次に、本実施例の作用を説明する。加工に
おいては、図示を省略した加圧機構により上軸部9が加
圧され、ステー7、揺動アーム5、アッパーアーム2を
介して、ワーク1の被加工面1aを工具10の加工面1
0aに加圧接触させる。工具10の矢印β方向の回転に
よりワーク1には加工抵抗がかかり、揺動アーム5が傾
こうとするが、揺動アーム5の両端部に配設したダンパ
15により傾きを抑えることができる。また、回転中の
微振動については、通常、工具10の回転数は500〜
5000rpmに設定するので、前記振動はある程度の
高い周波数をもった振動となってアッパーアーム2、揺
動アーム5およびダンパ15に伝わるが、周波数が高く
なるほど、この振動はダンパ15で吸収することができ
る。故に、工具10とワーク1との追従性を低下させる
ことはない。また、揺動アーム5が傾かないので、工具
10の偏摩耗を防止することができる。
【0030】本実施例のワーク保持装置によれば、回転
中の微振動によるワーク支持部の追従性を維持しつつ、
ワーク1の傾きを防止することで工具10の偏摩耗を防
止した加工ができる。なお、ダンパ15を対称的に用い
たのは、揺動アーム5の傾きを防止する機能の他に、ワ
ーク1の脱着時に揺動アーム5が不安定となり、傾くの
を防止する機能を有している。また、本実施例ではダン
パ15を利用したが、弾性部材としてバネ、ゴム等を用
いても同様な効果が得られる。
【0031】[実施例2]本発明の実施例2を図3およ
び図4に基づいて説明する。図3はワーク保持装置を一
部破断して示す側面図、図4は図3のA矢印から見たL
型アームと押し棒の説明図である。
【0032】本実施例は、前記実施例1におけるダンパ
15とアーム14を廃止し、L型アーム21、押し棒2
2と弾性体24等により揺動アーム5の傾きを防止した
点に特徴を有する。すなわち、本実施例のワーク保持装
置には、ナット19を螺着した支軸16のネジ部16a
に樹脂で形成した弾性体24が締結されている。さら
に、この弾性体24に対向して、押し棒22がL型アー
ム21に保持されてX軸上に配設されている。押し棒2
2は前記弾性体24に対して前進・後退自在に、L型ア
ーム21の一端部において保持されている。押し棒22
は、弾性体24側の先端部を大径したTの字形状に形設
されており、先端部とL型アーム21との間に配設した
バネ23により、先端面を前記弾性体24の端面に押し
棒22の先端面を当て付け得るようになっている。前記
L型アーム21は、他端部において、ステー7の側面に
ネジ20により締結されている。ネジ20は、L型アー
ム21に設けた長穴21aを貫通してL型アーム21を
ステー7に固定し得るようになっている。その他の構成
は実施例1と同様に構成されており、同一構成部品には
同一番号を付し、その説明を省略する。
【0033】次に、本実施例の作用を説明する。加工に
おいては、工具10の矢印β方向の回転によりワーク1
には加工抵抗がかかり、揺動アーム5が傾こうとする
が、支軸16に締結した弾性体24に押し棒22がバネ
23の押圧力により押し付けられているので、傾きを抑
えることができる。なお、図4に示すように、押し棒2
2にはキー22aが形成され、このキー22aをL型ア
ーム21に形成したキー溝21bに嵌合しているため、
押し棒22は回転はしない。また、このとき、押し付け
力は研削と研磨、ワーク形状(D/R)によりバネ23
の圧縮で調整する。その調整は長穴21aの範囲内でL
型アーム21を前後に移動させることにより行う。ま
た、加工中の微振動は支軸16まで伝わり、弾性体24
の弾性変形で吸収されるので、揺動アーム5の振動レベ
ルの回動は可能である。故に、アッパーアーム2、揺動
アーム5の回動により、工具10とワーク1との追従性
は良好である。
【0034】本実施例のワーク保持装置によれば、安価
な装置で実施例1と同様な効果が得られる。
【0035】[実施例3]本発明の実施例3を図5に基
づいて説明する。図5はワーク保持装置を一部破断して
示す正面図である。本実施例は、前記実施例1における
ダンパ15を廃止し、アーム14の両先端下部にマグネ
ット30(第2のマグネット)を設け、前記マグネット
30の下部がN極、上部がS極となるように配設した点
と、前記マグネット30に対向してマグネット31(第
1のマグネット)を揺動アーム5に取り付けた点と、前
記マグネット31は上部がN極、下部がS極となるよう
に配設し、アーム14に保持されたマグネット30と反
発するようにした点が異なり、その他の構成は実施例1
と同様に構成されているため、同一構成部品には同一番
号を付し、その説明を省略する。
【0036】本実施例の作用を説明する。加工において
は、工具10の矢印β方向の回転によりワーク1には加
工抵抗がかかり、揺動アーム5が傾こうとするが、マグ
ネット30,31の反発力により揺動アーム5は平行状
態を保とうとするので、揺動アーム5の傾きを抑えるこ
とができる。また、マグネット30と揺動アーム5は直
接接触していないので、加工中の振動を吸収するための
揺動アーム5の回動は自在である。故に、加工中の振動
はアッパーアーム2、揺動アーム5の回動により吸収す
る(倣う)ことができるので、工具10とワーク1との
追従性を低下させることはない。
【0037】本実施例のワーク保持装置によれば、加工
抵抗による揺動アーム5の傾きを防止する機構を非接触
のマグネット30,31により構成し、マグネット3
0,31の反発力により行っているので、加工中の振動
を吸収するための揺動アーム5、アッパーアーム2の回
動がよりスムーズになる。故に、工具10に対するワー
ク1の追従性が良好となり、ワーク1の形状精度が向上
する。
【0038】[実施例4]本発明の実施例4を図6に基
づいて説明する。図6はワーク保持装置を一部破断して
示す正面図である。本実施例は、前記実施例1における
ダンパ15とアーム14を廃止し、アッパーアーム2と
揺動アーム5とを揺動自在に連結する軸線Y上のピン6
の外側の両端部に磁性体40を配設し、それに対向して
マグネット41を設け、コ型形状のコ型アーム42の両
先端に前記マグネット41を保持した点と、前記コ型ア
ーム42の中央部をステー7に固定した点が異なり、そ
の他の構成は実施例1と同様に構成されており、同一構
成部品には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0039】本実施例の作用を説明する。加工において
は、工具10の矢印β方向の回転(図2参照)によりワ
ーク1には加工抵抗がかかり、揺動アーム5が傾こうと
するが、マグネット41と磁性体40との間に作用する
磁力(引力)により揺動アーム5は平行状態を保とうと
するので、傾きを抑えることができる。また、マグネッ
ト41と揺動アーム5は直接接触していないので、加工
中の振動を吸収するため揺動アーム5の回動は自在であ
る。故に、加工中の振動はアッパーアーム2、揺動アー
ム5の回動により吸収する(倣う)ことができるので、
工具10とワーク1との追従性を低下させることはな
い。
【0040】本実施例のワーク保持装置によれば、加工
抵抗による揺動アーム5の傾きを防止する機構を非接触
の磁性体40とマグネット41により構成し、マグネッ
ト41で磁性体40を吸引することにより行っているの
で、加工中の振動を吸収するための揺動アーム5、アッ
パーアーム2の回動がよりスムーズになる。故に、工具
10に対するワーク1の追従性が良好となり、ワーク1
の形状精度が向上する。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば以下の効
果を得ることができる。請求項1の発明によれば、弾性
部材により揺動アームの傾きを防止するようにしたの
で、回転中の微振動によるワーク支持部の追従性を維持
しつつ、ワークの傾きを防止することで工具の偏摩耗を
防止することができ、形状精度のよいワークを加工する
ことがきる。
【0042】請求項2の発明によれば、弾性部材に対す
る押し棒の押圧力を調整し得るとともに、安価な装置で
前記効果を得ることができる
【0043】請求項3の発明によれば、加工抵抗による
揺動アームの傾きを防止する機構を非接触に配置した第
1マグネットと第2のマグネットにより構成し、第1の
マグネットと第2のマグネット間に生じる反発力により
行っているので、加工中の振動を吸収するための揺動ア
ーム、アッパーアームの回動がよりスムーズになる。故
に、工具に対するワークの追従性が良好となり、ワーク
の形状精度をさらに向上させることができる。
【0044】請求項4の発明によれば、加工抵抗による
揺動アームの傾きを防止する機構を非接触に配置した磁
性体と第2のマグネットにより構成し、第2のマグネッ
トが磁性体を吸引する力により行うことで、請求項3と
同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のワーク保持装置を一部破断
して示す正面図である。
【図2】本発明の実施例1のワーク保持装置を一部破断
して示す側面図である。
【図3】本発明の実施例2のワーク保持装置を一部破断
して示す側面図である。
【図4】図3のA矢印から見たL型アームと押し棒を示
す図である。
【図5】本発明の実施例3のワーク保持装置を一部破断
して示す正面図である。
【図6】本発明の実施例4のワーク保持装置を一部破断
して示す正面図である。
【図7】従来のワーク保持装置を示す原理構成図であ
る。
【図8】ワークを安定的に加工するための条件を説明す
るための説明図である。
【図9】従来のワーク保持装置を示す半截正面図で、図
9(a)は凸形状のワークを加工する場合、図9(b)
は凹形状のワークを加工する場合を示している。
【図10】従来のワーク保持装置を示す断面側面図であ
る。
【図11】加工中のワークと加工工具を示す上面図であ
る。
【図12】加工中の従来のワーク加工装置を一部破断し
て示す半截正面図である。
【符号の説明】
1 ワーク 2 アッパーアーム 3 貼付皿 5 揺動アーム 6 ピン 7 ステー 9 上軸部 10 加工工具 14 アーム 15 ダンパ 16 支軸 21 L型アーム 22 押し棒 23 バネ 24 弾性体 30,31,41 マグネット 40 磁性体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工機に固定されワークの加工時にワー
    クに加わる加工圧力を支えるステー部材と、前記ステー
    部材に第1の支軸を介して、第1の支軸の軸回りに回動
    自在に支持され、第1の支軸を対称軸とするコの字形状
    を有し、かつその先端部に第1の支軸の軸線と直交する
    軸線を有する第2の支軸を有する揺動アームと、前記揺
    動アームの両端に、前記第2の支軸を介して第2の支軸
    の軸回りに回動自在にそれぞれ支持されるコの字形状の
    アッパーアームと、前記アッパーアームの水平部に一端
    部を支持され、他端部に前記ワークを保持するととも
    に、前記ワークを回転自在にするワーク支持部とを備
    え、前記第1および第2の支軸の軸線と前記ワークの回
    転軸線が交わるように構成したワーク保持装置におい
    て、前記揺動アームの第1の支軸に対する揺動量の規制
    をする弾性部材を揺動アームとステー部材の間に配設す
    ることを特徴とするワーク保持装置。
  2. 【請求項2】 加工機に固定されワークの加工時にワー
    クに加わる加工圧力を支えるステー部材と、前記ステー
    部材に第1の支軸を介して、第1の支軸の軸回りに回動
    自在に支持され、第1の支軸を対称軸とするコの字形状
    を有し、かつその先端部に第1の支軸の軸線と直交する
    軸線を有する第2の支軸を有する揺動アームと、前記揺
    動アームの両端に、前記第2の支軸を介して第2の支軸
    の軸回りに回動自在にそれぞれ支持されるコの字形状の
    アッパーアームと、前記アッパーアームの水平部に一端
    部を支持され、他端部に前記ワークを保持するととも
    に、前記ワークを回転自在にするワーク支持部とを備
    え、前記第1および第2の支軸の軸線と前記ワークの回
    転軸線が交わるように構成したワーク保持装置におい
    て、第1の支軸の揺動アームの反対側の端面に配設され
    た弾性体と、前記弾性体に対向し、かつバネにより弾性
    体を加圧するように配設された押し棒と、一端を前記ス
    テー部材に保持され、もう一端が前記押し棒を保持し、
    かつ前記押し棒の前記弾性部材に対する加圧力を調整す
    るために配設されたアームとを有することを特徴とする
    ワーク保持装置。
  3. 【請求項3】 加工機に固定されワークの加工時にワー
    クに加わる加工圧力を支えるステー部材と、前記ステー
    部材に第1の支軸を介して、第1の支軸の軸回りに回動
    自在に支持され、第1の支軸を対称軸とするコの字形状
    を有し、かつその先端部に第1の支軸の軸線と直交する
    軸線を有する第2の支軸を有する揺動アームと、前記揺
    動アームの両端に、前記第2の支軸を介して第2の支軸
    の軸回りに回動自在にそれぞれ支持されるコの字形状の
    アッパーアームと、前記アッパーアームの水平部に一端
    部を支持され、他端部に前記ワークを保持するととも
    に、前記ワークを回転自在にするワーク支持部とを備
    え、前記第1および第2の支軸の軸線と前記ワークの回
    転軸線が交わるように構成したワーク保持装置におい
    て、前記ワークの回転軸に対して垂直、すなわち、前記
    揺動アームの水平部で、かつ第1の支軸に対称的に配設
    された第1のマグネットと、前記第1のマグネットに対
    向して非接触に配設し、かつ第1のマグネットと同極側
    が対向するように配設した第2のマグネットと、前記第
    2のマグネットの上部を保持し、かつ前記ステー部材に
    保持されたアームとを有することを特徴とするワーク保
    持装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のマグネットを磁性体にして第
    2の支軸の両端に配設し、第2のマグネットを前記磁性
    体に対向するように配設することを特徴とする請求項3
    記載のワーク保持装置。
JP7041488A 1995-03-01 1995-03-01 ワーク保持装置 Withdrawn JPH08229795A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001246540A (ja) * 2000-03-02 2001-09-11 Olympus Optical Co Ltd レンズの研削・研磨加工装置
JP2009202263A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Olympus Corp 保持具
JP2010264549A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Olympus Corp ワーク貼付部材および研磨加工方法
CN108972335A (zh) * 2018-08-03 2018-12-11 朱建欢 一种日用陶瓷加工用成型设备
JP2023108906A (ja) * 2022-01-26 2023-08-07 ハイソル株式会社 スイングアームおよびスイングアーム付顕微鏡

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