JP2009202263A - 保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】コバ部分が薄いレンズや小径レンズ等の光学素子においても安定した研磨や研削加工を行うことが可能な保持具を提供する。
【解決手段】レンズ1の保持面2aを、シート材3を介して保持する受け材4を外筒6で支持する構造の保持具H10において、レンズ1のコバ部1aを支持する外径環5を受け材4に嵌合させ、この外径環5の外側を外筒6にて保持する構造とするとともに、シート材3を介した受け材4とレンズ1の保持面2aとの間の摩擦力を、滑り部材7を介した受け材4と外筒6との間の摩擦力よりも大きくしてレンズ1の受け材4に対する滑り(空転)を防止し、コバ部分が薄いレンズや小径レンズ等の光学素子においても安定した研磨や研削加工を行う。
【選択図】 図1A

Description

本発明は、保持具に関し、例えば、曲面形状あるいは平面形状を有するレンズ等の光学素子を研削や研磨加工する際に用いられる保持具等に適用して有効な技術に関する。
例えば、カメラや顕微鏡等に用いられる球面あるいは平面形状のレンズを接着剤などで固定することなく、いわゆるノンブロッキングによる単玉加工で実施するレンズ保持具としては、揺動軸(いわゆるカンザシ)の先端に揺動自在に固定されて使用されるタイプのレンズ保持具が特許文献1に開示されている。
また、特許文献2や特許文献3には、同様なレンズ保持具において、レンズを支える受け部材を2体の構造にした技術が開示されている。
特許文献1に開示された従来のレンズ保持具では、レンズをレンズ受けシート材を介して中駒で支え、この中駒にレンズ外径を支える外筒部を交換可能に取り付けている。そして、この特許文献1の従来のレンズ保持具では、レンズのコバ部分が薄いような場合に、外筒部からのレンズ突き出し量が小さくてもレンズを容易に取り出すことができるように外筒部に切り欠きを設けている。
さらに加工に伴い外筒部が擦れて磨耗することに対応するために、外筒部をレンズ保持具に対して交換可能な構造としている。また、このレンズ保持具は、一般的な既存の研磨機で用いられるカンザシによりレンズ保持具を背面側から押圧保持する機構にて利用する構造となっている。
これに対して、特許文献2および特許文献3には、既存のカンザシの代わりに、ホルダスピンドルに固定されて使用されるレンズ保持具において、本体を2体構造とし、弾性材を介在させてレンズを押圧することにより、研磨加工で生じる力に対してレンズを横転させることなく安定して保持させようとする構造が開示されている。
すなわち、特許文献2には、レンズ保持具を、Oリング状の弾材を介して内周面にレンズを保持する欠球体の下段研磨ホルダと、この下段研磨ホルダの背面をOリング状の弾材を介して支持し、背面がホルダスピンドルに固定された上段研磨ホルダからなる2体構造にし、研磨装置に取り付けられたスピンドル(回転軸)にてレンズおよびレンズ保持具の全体が回転自在に保持される構造とした技術が開示されている。
また、特許文献3には、レンズを保持する受けホルダと、この受けホルダの背面を支持する押えホルダからなる同様な2体構造を採用しながら、受けホルダと押えホルダの界面を欠球面とし、この欠球面に欠球面状の弾性体を配置した構成が開示されている。そして、押さえホルダに設けた凹球面(欠球面)が、レンズを保持する受けホルダが有する凸球面の曲率半径の寸法と前記弾性体の厚さを加えた寸法になるように構成し、研磨中のレンズの転倒を防止しようとしている。
しかしながら、上述の特許文献1の従来のレンズ保持具は、外筒部に設けた切り欠きにより、レンズ保持具からレンズを容易に取り出すことができるようにして作業性の向上を意図しているが、いわゆるコバ部分(外縁部)が薄いレンズを容易に研磨可能にする点には言及がない。
また、レンズの背面を支持する中駒と外筒部を別体にして当該外筒部を容易に交換できるように構成しているが、これもあくまで摩滅した外筒部を交換するための機能であり、レンズのコバ部が薄いときに研磨を容易にするための機能ではない。摩滅した外筒部を交換しても、外筒部自体の摩滅を防止することはできない。
また、上述の特許文献2および特許文献3の技術においても、レンズ保持具を2体構造で構成することで、レンズを研磨加工する際のレンズの横転を防止することを意図しており、レンズのコバ部分が薄いものを保持して加工することを特に想定していない。
すなわち、上述の特許文献1、特許文献2、特許文献3のいずれのレンズ保持具においても、コバ部分の薄いレンズをレンズ保持具に装着して研磨加工を行おうとすると、コバ部分が薄いためにレンズ保持具との係合寸法(引っ掛かり)が短いことによるレンズの脱落、あるいはコバ部分の破損を想定していない。
すなわち、コバが薄いレンズでは、特許文献1で開示された外筒部とレンズのコバ部分の接触長さが短く、研磨加工の摩擦力で生じる力や研磨の運動によるわずかな振動で容易にレンズがレンズ保持具より脱落してしまう不具合が多発することが懸念される。また、振動などによりレンズのコバ部分とそれを支える部材との相対運動によりコバが破損することが多発する懸念もある。
しかし、上述の特許文献1〜3のいずれのレンズ保持具においても、この現象に対する対策は開示されていない。
レンズがレンズ保持具より脱落あるいはコバ部分が破損する主な要因の1つとして、研磨加工中にレンズとレンズ保持具が一体化せずに、レンズが保持具内で滑って相対的な回転運動を生じる現象が考えられる。
研磨加工中においてレンズとレンズ保持具は受け材となる弾性材を介して摩擦保持され、両者が一体化して回転運動や揺動運動を行わなくてはならない。
しかしながらレンズとレンズ保持具には研磨加工中に外部より研磨液が供給されるため、互いの接触面にも研磨材や水が回り込み湿式(湿潤)雰囲気でレンズを保持することになる。このためレンズと受け材の両者の摩擦力は、水の介在により乾燥時とは比較にならないほど非常に小さくなり、互いが容易に滑ってしまう。この滑りやすい状況で、研磨加工によりレンズに生じる回転力を、レンズを保持具に対して滑らせることなく大きく重いレンズ保持具や保持具を支えるスピンドルに伝達することは困難である。重い回転機構部分のままではレンズとレンズ保持具の間では互いが滑ってしまう。
このため、特にコバ部分の薄いレンズでは、特許文献3におけるレンズと受けホルダ、もしくは特許文献1におけるレンズと外筒において、互いの相対運動による位置変化に伴うコバ部分の嵌合寸法(すき間)の変化による脱落の発生や、相対運動に伴う互いの摺動による摩滅が発生しやすくなってしまう。
特に特許文献1、特許文献2、特許文献3に示すレンズ保持具では、レンズ保持具を回転させるための回転機構が、レンズ保持具を押圧する研磨装置側に設けられており、レンズ保持具が大きく重い構造となる。これによりレンズ保持具を回転させるためには大きな摩擦力、回転トルク伝達が必要となるが、これに対してレンズとレンズ保持具が互いに滑ってしまい、相対的な運動を生じてしまう。このため前述したように、レンズの脱落や外筒部の磨耗といった技術的課題が発生してしまう。
さらに、特許文献1にも記載されているようにコバ部分の薄いレンズを保持すれば、外筒部の摩滅はより早くなるため、レンズと外筒部の寸法差が大きくなりやすく、一層レンズが脱落しやすくなってしまう。
また、レンズの外径が小さくなると、レンズで生じる回転力がより小さくなるため、研磨装置に設けられた回転機構を介して、レンズ保持具をレンズと一体化して回転させることがより困難となる。
また、研磨加工中にレンズとレンズ保持具の間ですべりによる相対運動が発生すると、レンズ保持具と接するレンズの表面、すなわちレンズの被研磨面と反対側の保持面(光学機能面)に相対運動による擦れキズやブツといった不良を発生させてしまうことにもなる。
特開平11−10503号公報 特公平6−65460号公報 特許第3630958号公報
本発明の目的は、研磨や研削等の加工で、加工対象の光学素子との間に流体が介在することで摩擦による保持力が小さくなるような状態でも、光学素子と一体化して容易に回転させ、コバ部分が薄いレンズや小径レンズ等の光学素子においても安定した研磨や研削加工を行うことが可能な保持具を提供することにある。
本発明の第1の観点は、光学素子を保持して加工工具に擦り合わせる保持具であって、
前記光学素子の前記加工工具に摺接する被加工面と反対側の保持面に接するシート材と、
前記シート材を介して前記光学素子を支える受け材と、
前記受け材に支持された前記光学素子の外縁部を支える外径環と、
前記外径環の外周部を覆うように支持し、背面側に外部の揺動軸と契合する凹球面部を有する外筒と、
前記外筒と前記受け材との間に介在し両者を回転可能に継承する滑り部材と、
を含む保持具を提供する。
本発明の第2の観点は、光学素子を回転自在に保持して加工工具に擦り合わせる保持具であって、
前記光学素子の前記加工工具に摺接する被加工面と反対側の保持面に接するシート材と、
前記シート材を介して光学素子を支える受け材と、
前記受け材に前記シート材を介して保持された前記光学素子の外縁部を支持する外径環と、
前記外径環の外周部を覆うように支える外筒と、
前記外筒と前記受け材との間に介在し両者を互いに回転可能に継承する滑り部材と、
弾性部材を介して前記外筒を弾性的に押圧する押圧部材と、
を含む保持具を提供する。
本発明によれば、研磨や研削等の加工で、加工対象の光学素子との間に流体が介在することで摩擦による保持力が小さくなるような状態でも、光学素子と一体化して容易に回転させ、コバ部分が薄いレンズや小径レンズ等の光学素子においても安定した研磨や研削加工を行うことが可能な保持具を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
最初に、本実施の形態の各態様につき、その骨子を説明し、その後、実施の形態についてより詳細に例示する。
本実施の形態の第1態様では、既存の研磨機が有するカンザシを介して本発明のレンズ保持具を押圧して研磨加工を行う際に利用する保持具の構造を開示する。
すなわち、レンズや平面ガラスの光学素子と工具を互いに擦り合わせ、互いの回転および揺動による相対運動により光学素子を研削研磨加工する際に用いる光学素子の保持具において、光学素子が研磨される被研磨面と反対側にある裏面と接し光学素子を保持するシート材と、シート材を固着しシート材および光学素子を支える受け材と、受け材に固着され光学素子の外径部を支える外径環と、外径環のさらにその外周部を覆いかぶさるように外径環を支え、その半対側に研磨装置に設けられたカンザシと契合する凹球面部を有する外筒と、外筒と受け材の間に介在し両者を回転移動可能に継承する滑り部材を具備した保持具を開示する。
第1態様の構成および作用につき、図1Aおよび図1Bを参照して説明する。
図1Aは、本発明の実施の形態の第1態様である保持具の構成例を示す分解断面図であり、図1Bは、その動作状態を示す断面図である。
本態様の保持具H10は、収納凹部6aを備えた有底筒状の外筒6と、シート材3を介してレンズ1(光学素子)を保持して収納凹部6aに収容される受け材4と、レンズ1の外縁部(コバ部1a)を支持するように、受け材4と同軸に配置される外径環5を備えている。
外筒6の背面側には、図示しない研磨装置側のカンザシ9の先端部の球面状の自在継手部9aが係合する凹球面のカンザシ穴6bが設けられている。
まず、加工を行うレンズ1を、レンズ1の径で嵌合して径方向で支える外径環5に挿入する。このときレンズ1は加工される被加工面2b(球面)と反対側の保持面2aがシート材3と接し、シート材3を固着する受け材4を介して当該レンズ1の厚さ方向に支えられる。
外径環5は受け材4に固着されており、互いに固着されたシート材3、受け材4および外径環5と、これらに挿入されて保持されたレンズ1の4つの要素が一体となる。ただし、レンズ1は受け材4および外径環5に挿入されたのみで固着はされておらず、あくまで外径環5への嵌合と受け材4との摩擦力による接触によりその内部に装着されている。
次に前述のようにシート材3、受け材4、外径環5と一体化したレンズ1を、外径環5の外径より大きな内径を有する外筒6に挿入し、図示省略した既存の研削機や研磨機に装着されたカンザシ9より外筒6を介して、図1Bに例示されるように、研磨皿8(加工工具)の研磨作用面8aに押圧し研磨加工を実施する。
このとき外筒6と外筒6に装着した受け材4は、互いに相対的な回転運動を行ないやすいように摩擦係数の小さな滑り部材7を介して接触し係合されている。レンズ1の保持面2aと接し、レンズ1を支える受け材4との間に介在するシート材3は、レンズ1を研磨加工する際にレンズ1と相対的な滑り(空転)を生じないように保持する必要があるため、摩擦係数が大きな素材となっている。
すなわち、研磨加工時にレンズ1とシート材3は相対運動を発生せず、滑り部材7(受け材4)と外筒6との間で相対的な滑りが生じるようにするため、滑り部材7は受け材4に固着されたシート材3よりも摩擦係数が小さな素材で構成される。滑り部材7の摩擦係数がシート材3の摩擦係数より小さいことで、受け材4と外筒6が滑りやすく、レンズ1とシート材3は滑ることなく保持することができる。もちろんシート材3は既存の素材でも構わず、シート材3よりも滑りやすい摩擦係数の小さな滑り部材7を選定すれば問題ない。
これによりレンズ1とシート材3での相対的な空転運動(滑り変位)が生じず、レンズ1がシート材3と擦れないことから、シート材3の摩滅やレンズ1の保持面2a(光学機能面)へのキズの発生を防止することができる。
また、レンズ1を支えるシート材3を固着する受け材4には、レンズ1の外径を支える外径環5が固定されており、この外径環5は受け材4と共に滑り部材7を介して、外筒6に対して回転することになる。
すなわちレンズ1と相対的な回転運動を行なわない受け材4に固着された外径環5もレンズ1との相対運動を行なうことがないため、レンズ1の回転によるコバ部1aとの擦れで摩滅することがない。
従って、上述の従来技術のように、レンズ1の研磨に伴う外径環5の摩滅が生じることがないため、その都度、外径環5の交換を行なう作業を省くこともできる。外径環5とレンズ1の相対運動がないことから、両者の擦れに伴う摩滅に加え、レンズ1のコバ部1aの破損などを防止することもできるとともに、外径環5とレンズ1とが契合した状態が維持および保持されるため、コバ部1aの薄いレンズ1であっても回転運動に伴って外径環5からレンズ1が脱落することを防止することができる。
また、滑り部材7と受け材4の間で、摩擦力を小さくして積極的にすべる構造を採用することで、例えば研磨皿8からの回転力が伝わりにくい小径のレンズ1であっても、レンズ1の保持面2aのキズを防止しながら容易にレンズ1を回転させることが可能となる。
保持具H10におけるレンズ1の回転に関してもシート材3の摩擦係数に依存した面接触でのすべり摩擦であるため、玉軸受け(ベアリング)のような点接触に伴う転がり摩擦と異なり、研磨加工での圧力や加工力による力の変動に対しても、保持具H10におけるレンズ1の保持部は高い剛性を発揮することができる。このため回転運動に伴うレンズ1や保持具H10の振動も抑えられ、レンズ1の被加工面2bに、より高い研磨精度を得ることができる。
また、上述の図1Aおよび図1Bに例示された保持具H20では、滑り部材7を外筒6に固着させ、滑り部材7と受け材4が接触して滑る構造が例示されているが、逆に滑り部材7を受け材4に固着し、滑り部材7と外筒6が互いに滑って相対運動を行っても同様の効果が得られる。
さらに、滑り部材7をいずれの部材にも固着させず、外筒6と受け材4の間にシート状に介在させて挟んだだけでも、滑り部材7と受け材4、もしくは滑り部材7と外筒6のいずれか、あるいは両者の間で滑ることになるため、滑り部材7を固着させずに利用しても構わない。
また、レンズ1と一体化して回転すべき部材はシート材3、受け材4、外径環5のみとなるため、外筒6の側から受け材4等に回転力を伝達する場合に比較して外筒6等の剛性を小さくでき、保持具H10のすべての構成要素を軽量に構成することが容易になり、回転時の起動トルクが小さくレンズ1を保持具H10に対して滑らせる(空転させる)ことなく保持することができる。
次に、本実施の形態の第2態様について説明する。
この第2態様では、レンズを傾動自在に支持しながらレンズ保持具を押圧するカンザシ構造の代わりに、弾性材の変形に依存してレンズ保持具を傾動自在に押圧する保持手段を利用する構造を開示する。
すなわち、光学素子を回転自在に保持し、その回転軸が工具皿の球心を概略通るように配置するとともに、回転軸と同軸方向に加圧しながら前記工具皿を回転かつ揺動させることで光学素子を研削または研磨する光学素子加工装置の保持具において、光学素子を研磨する被研磨面と反対側にある裏面と接し光学素子を保持するシート材と、シート材を固着しシート材を介して光学素子を支える受け材と、受け材に固着され光学素子の外径部を支える外径環と、外径環のさらにその外周部を覆いかぶさるように外径環を支える外筒と、前記外筒と受け材の間に介在し両者を互いに回転可能に継承する滑り部材と、外筒を弾性的に押圧する弾性材と、研磨機に取り付けられ弾性材を押圧する押圧部材を具備する保持具を開示する。
第2態様の構成および作用につき、図2Aおよび図2Bを参照して説明する。
図2Aは、本発明の実施の形態の第2態様である保持具の構成例を示す分解断面図であり、図2Bは、その動作状態を示す断面図である。
図2Aおよび図2Bを用いて作用を説明するが、上述の図1Aおよび図1Bと同じ部材は同じ符号を付して説明を省略する。
この第2態様の保持具H20では、研磨機がレンズ保持具を押圧保持する際に、上述の第1態様では回転傾斜自在に球体を介して契合するカンザシ9により押圧したのに対し、保持具H20の自在な傾斜を弾性材10の変形により得る押圧方式を採用している点が異なっている。
具体的にはレンズ1を支えるシート材3、受け材4および外径環5は上述の第1態様の保持具H10と同様であるが、外径環5を支えるために、外径環5に覆いかぶさるように配置される外筒16が、弾性材10を介して押圧する機構である点が第1態様と異なる。
シート材3、受け材4、外径環5、外筒16、滑り部材7に関しては、上述の図1Aおよび図1Bと同様に、外筒16の収納凹部16aに設けられた滑り部材7で外筒16と受け材4(レンズ1)を互いに滑って回転させるための構造となっている。
ここで、保持具H20の外筒16は、背面16bに配置された弾性材10を介して図示省略した研磨機に回転自在に取り付けられたスピンドル11により押圧され、レンズ1と研磨皿8とを摺動させて研磨加工を行う。
レンズ1の被加工面2bは研磨皿8の研磨作用面8aに押圧され、回転および揺動運動によって研削または研磨加工が行われるが、このときレンズ1を押圧するスピンドル11は弾性材10を介して押圧することで、研削研磨加工中のレンズ1を傾斜自在に押圧して加工を行うことができる。
このため、レンズ1とシート材3および外径環5の間で、互いに相対運動を生じさせることなくレンズ1を押圧しながら研削または研磨を行うことができる。これにより、保持具H20では、コバ部1aの薄いレンズ1でも外径環5から脱落することなく安定に保持できると共に、シート材3や外径環5の摩滅やレンズ1の保持面2a(光学機能面)へのキズの発生を防止することができる。
外筒16と受け材4の間に配置された滑り部材7は、レンズ1を保持するシート材3および受け材4と外径環5を研磨による回転運動に対して滑らせることを目的としているため、外筒16と受け材4の界面を平面形状として平坦な形状の滑り部材7を配置することで、多様なレンズ1の形状に対しても、滑り部材7は、同じ簡便な平面形状で対応することができ、汎用性が高いものとなる。レンズ1の形状に関係なく平面で配置することができ、保持具H20の外筒16や受け材4等の部材の製作や滑り部材7の設置など容易に行なうことができる。
一方、本実施の形態の第3態様では上述の第2態様における保持具H20において、レンズを傾斜自在に押圧する弾性材が、レンズを工具に押さえつけるような傾斜を生じるための球面形状を介して押圧する構造を開示する。
すなわち、第2態様請に開示された保持具において、外径環の外周部を覆いかぶさるように外径環を支える外筒が凸球面部を有し、前記凸球面部の球心が光学素子の外周端を通り被研磨面に接する接線と、光学素子の回転軸との交点に構成してなる構成を開示する。
(作用)
この第3態様では上述の第2態様における保持具において、レンズを傾斜自在に押圧する弾性材が、レンズを工具に押さえつけるような傾斜を生じるための球面形状を介して押圧する構造となる。
具体的には、レンズおよびレンズを支える受け材や外径環を、滑り部材を介して覆い押圧する外筒において、外筒を押圧する弾性材が接する部分が凸球面形状を呈している。このとき外筒を押圧する弾性材は、研削や研磨加工のときにレンズが加工力により傾斜するときの位置変化を吸収するために介在している。
弾性材が位置変化を吸収する際に、弾性材の変形で任意の位置変化を発生させるだけではなく、外筒に球面形状を形成することで、位置変化を外筒の球面に沿って発生させることを意図している。このとき球面は凸球面で形成され、その球心は光学素子の外周端を通り被研磨面に接する接線と、光学素子の回転軸との交点になるように構成する。
すなわちレンズの被加工面より工具側に位置するようになり、弾性材での傾斜による位置変化は、外筒の背面の凸球面の該球心を中心に発生することになる。
ここで、外筒の背面の凸球面の球心を前記した位置に配置する理由は、レンズ研磨の経験から見出した位置であるとともに、研磨で発生する加工力をもっとも有効に支えることができるためである。
例えば、被研磨面が平面形状であると仮定すると、平面形状を研磨加工する際に、研磨力に対抗して被研磨物を有効に支えるには、被研磨面と一致する平面上で支えることが好ましい。これは被加工面で発生する力により被加工物を回転させようとするモーメントを発生させず、良好な平面形状を得るためには重要な位置となる。
これと同様に、球面形状においても、その球面全体で発生する加工力に抗して支える有効な位置が存在するが、これが経験的に前述した球心の位置が最適となる。特に大きな力が発生するレンズの外周端において、その外周端を通る接線の延長線上とレンズの回転軸の交点に前記球心を配置することがもっとも有効であり、経験的にも該位置に前記凸球面の球心を配置することが好ましい。
本実施の形態の第4態様では、上述の第1態様〜第3態様で示す滑り部材を形成する形状が、平面形状である構造を開示する。
(作用)
上述の図1A、図1Bおよび図2A、図2Bでも示すように、滑り部材7はレンズ1を支えるシート材3,受け材4,外径環5と、外筒6(外筒16)との界面に介在する。滑り部材7の役割は前述したように、研磨皿8とレンズ1の相対運動による研磨加工において、滑り部材7で滑らせることで、レンズ1の保持面2aとシート材3が滑ることを防止している。このため滑り部材7の摩擦係数は、シート材3より小さなもので構成される。
ここで滑り部材7は、他の部分よりも滑りやすい構成および構造であることが重要であるため、複雑な形状により互いの接触面積や接触状態が変化するような構造では問題となる。そのためには受け材4と外筒6の互いの形状を近似させて容易に構成しやすい平面形状がもっとも好ましくなる。平面形状であれば、両部材の形状を用意に創成することができるとともに、互いのすり合わせ(接触状態)を安定して得ることができるため、滑り部材7を介在させて構成することが容易となる。
もちろん平面形状以外の形状であっても、受け材4と外筒6が滑り部材7を介して、安定した接触状態を得られればこの限りではないが、平面形状がもっとも適しているといえる。特に互いの形状に誤差があったとしても、受け材4も外筒6も平面形状であれば、両者をすり合わせて形状を整えることも容易であり、平面形状が安定した接触状態を確保する上でもっとも適しているといえる。
接触状態が変化することは、外筒6と受け材4との圧力分布の変化が生じることになり、圧力分布の変化は互いの摩擦力の変化となるため、容易に形状をすり合わせて構成することができる平面形状が最適である。
次に、上述の各態様を踏まえて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の一実施の形態である保持具の構成および作用の一例を示す断面図である。この実施の形態1に開示される保持具H11は、上述の図1Aおよび図1Bに例示された保持具H10をより具現化したものであり、共通の要素は同一符号を付して重複した説明は割愛する。
この図3は、既存の研磨機で利用されるカンザシ9を介して、本実施の形態の保持具H11を利用して凸メニスカスレンズ等のレンズ1の研磨加工を実施している様子を示す。
(構成)
レンズ1の保持面2aに接するように、摩擦係数が大きな超弾性材であるポリウレタンからなるシート材3が、受け材4に固着されている。受け材4はレンズ1の保持面2aを支えるために、保持面2aは凹凸が反転した形状を有しており、この受け材4の形状は、レンズ1の保持面2aの曲率半径にシート材3の厚さの分だけ加減した曲率半径を有している。
例えば図3では、レンズ1の保持面2aが凹球面であるため、受け材4は反転した凸球面で、かつその球面の曲率半径はシート材3の厚さを保持面2aの曲率半径から減じた寸法となる。受け材4が有する球面と反対面は平面形状に形成され、該平面にアセタール樹脂であるポリアセタールや、フッ素樹脂であり特にテフロン(デュポン社の登録商標)など摩擦係数の小さな滑り部材7が取り付けられている。
また受け材4の外周部には、レンズ1の外径部分であるコバ部を挿入し支える円環状の外径環5が取り付けられている。
さらに滑り部材7を介して外径環5、受け材4に収納凹部6aが覆いかぶさるように、外径環5の外径を支える外筒6が配置される。外筒6の背面の中心には、図示省略した研磨装置に設けられるカンザシ9の自在継手部9aと契合するための凹球面であるカンザシ穴6bを有する。
なお、この保持具H11では、図3に例示されるように、外筒6の背面には、カンザシ穴6bと同心円状に凹形段差部6cが設けられ、凹形段差部6cの中心部は、カンザシ穴6bの配置部分が突出している。
この外筒6の形状に対応して、受け材4の背面側には、外筒6の凹形段差部6cに対応した深さの凹形段差部4aと、カンザシ穴6bの部分の突出高さに対応した深さのカンザシ部逃穴4bが同心円状に設けられている。
そして、受け材4の凹形段差部4aの平坦な底面と、外筒6の凹形段差部6cの平坦な底面との間に、平坦な滑り部材7が配置されている。
これにより、凸メニスカスレンズの凹面側(この場合、レンズ1の保持面2a)と、カンザシ9の自在継手部9aによる保持具H11の支持点が近くなるようにして、凸メニスカスレンズであるレンズ1が保持具H11に安定に保持されるようになっている。
(作用)
研削や研磨加工を行うレンズ1を、レンズ1の径で嵌合して径方向で支える外径環5に挿入する。このときレンズ1は加工される球面(被加工面2b)と反対側の保持面2aがシート材3と接し、シート材3を固着する受け材4を介してレンズ1の厚さ方向に支える。外径環5は受け材4に固着されており、互いに固着されたシート材3、受け材4、外径環5とこれに挿入されたレンズ1の4つの部材が一体となる。ただしレンズ1は挿入されたのみで固着はされておらず、あくまで外径環5への嵌合と受け材4との摩擦力による接触によりその内部に装着されている。
次に前述のようにシート材3、受け材4、外径環5と一体化したレンズ1を、外径環5の外径より大きな内径を有する外筒6の収納凹部6aに挿入し、図示省略した既存の研削機や研磨機に装着されたカンザシ9の自在継手部9aをカンザシ穴6bに嵌合させることにより外筒6を介して押圧し加工を実施する。
このとき外筒6と当該外筒6に装着した受け材4は、互いに相対的な回転運動を行ないやすいように摩擦係数の小さなテフロン(デュポン社の登録商標)やポリアセタール樹脂からなる滑り部材7を介して接触し係合されている。
レンズ1の保持面2aと接し、レンズ1を支える受け材4との間に介在するシート材3は、レンズ1を研磨加工する際にレンズ1と相対的な滑りを生じないように保持する必要があるため、ポリウレタン樹脂など摩擦係数が大きな素材となっている。
すなわち研磨加工時にレンズ1とシート材3は相対運動を発生せず、受け材4の背面に設けられた滑り部材7と外筒6との間で相対的な滑りが生じるようにするため、滑り部材7は受け材4に固着されたシート材3よりも摩擦係数が小さな素材で構成される。
滑り部材7の摩擦係数がシート材3の摩擦係数より小さいことで、受け材4と外筒6が滑りやすく、レンズ1とシート材3は滑ることなく保持することができる。もちろんシート材3はポリウレタン以外の素材でも構わず、シート材3よりも滑りやすい摩擦係数の小さな滑り部材7を選定すれば問題ない。しかし実際には研磨加工中に研磨液に伴う水が界面に介在するため、滑り部材7に関しては摩擦係数が小さいほど好ましいため、フッ素系樹脂、特にテフロン(デュポン社の登録商標)がもっとも有効である。
これによりレンズ1とシート材3での相対運動が生じず、レンズ1がシート材3と擦れないことから、シート材3の摩滅やレンズ1の保持面2aへのキズ発生を防止することができる。
また、本実施の形態の場合には、レンズ1を支えるシート材3を固着する受け材4には、レンズ1の外径を支える外径環5が固定されており、この外径環5は受け材4と共に滑り部材7を介して回転することになる。
すなわちレンズ1と相対的な回転運動を行なわない受け材4に固着された外径環5もレンズ1との相対運動を行なうことがないため、レンズ1の回転による擦れで摩滅することがない。
従って、従来技術のようにレンズ1の研磨に伴う外径環5の摩滅が生じることがないため、外径環5の磨滅の都度、外径環5の交換を行なう煩雑な作業を省くこともできる。
外径環5とレンズ1の相対運動がないことから、両者の擦れに伴う摩滅に加え、レンズ1のコバ部1aの破損などを防止することもできるとともに、外径環5とレンズ1が契合した状態が維持されることにより、レンズ1は保持具H11に安定に保持されるため、コバ部1aの薄いレンズ1であっても回転運動に伴い外径環5からレンズ1が脱落することを防止することができる。
また、滑り部材7と受け材4の間で積極的にすべる構造を採用することで、例えば、研磨皿8からの回転力が伝わりにくい小径のレンズ1であっても、レンズ1の保持面2aのキズを防止しながら容易にレンズ1を回転させることが可能となる。
保持具H11の回転に関しても、レンズ1に対しては、シート材3の摩擦係数に依存した面接触でのすべり摩擦であるため、玉軸受け(ベアリング)のような点接触に伴う転がり摩擦と異なり、研磨加工での圧力や加工力による力の変動に対しても高い剛性を発揮することができる。このため回転運動に伴う保持具H11の振動も抑えられ、保持具H11に保持されたレンズ1の被加工面2bに、より高い研磨精度を得ることができる。
また、図3では滑り部材7を外筒6に固着させ、滑り部材7と受け材4が接触して滑る構造を示しているが、逆に滑り部材7を受け材4に固着し、滑り部材7と外筒6が互いに滑って相対運動を行う構成としても同じ効果が得られる。
さらに滑り部材7を、受け材4および外筒6のいずれの部材にも固着させず、外筒6と受け材4の間にシート状に介在させ挟んだだけでも、滑り部材7と受け材4、もしくは滑り部材7と外筒6のいずれか、あるいは両者の間で滑ることになるため、滑り部材7を固着させずに利用しても構わない。
またレンズ1と一体化して回転すべき部材はシート材3、受け材4、外径環5のみとなるため、すべてを軽量で構成することが容易になり、回転時の起動トルクが小さくレンズ1を保持具H11に対して滑らせることなく保持することができる。
(実施の形態1の効果)
本実施の形態によれば、コバ部1aの薄いレンズ1であっても、既存のカンザシ9を利用しながら、保持具H11からレンズ1が脱落したり保持具H11を破損したりすることなく安定したレンズ1の研削および研磨加工を行うことができるとともに、小径のレンズ1であっても安定した回転運動を確保しながら研削および研磨加工を行うことができる。
すなわち、研磨や研削等の加工で、加工対象のレンズ等の光学素子との間に流体が介在することで摩擦による保持力が小さくなるような状態でも、光学素子と一体化して容易に回転させ、コバ部分が薄いレンズや小径レンズ等の光学素子においても安定した研磨や研削加工を行うことが可能な保持具H11を提供することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の他の実施の形態である保持具の構成および作用の一例を示す断面図である。
この図4に例示される保持具H21の構成は、上述の図2Aおよび図2Bに例示された保持具H20の構成を、例えば、凸メニスカスレンズであるレンズ1に対応してより具現化したものである。
すなわち、図4には、レンズ1を傾動自在に支持しながらレンズ保持具を押圧するカンザシ構造ではなく、弾性材の変形に依存してレンズ保持具を傾動自在に押圧する保持手段に、本実施の形態の保持具H21を装着し、凸メニスカスレンズの研削あるいは研磨加工を実施している様子を示す。
上述の図2Aおよび図2Bに例示された保持具H20と同じ機構や機能を有する部材に関しては、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の保持具H21では、シート材3を介して受け材4および受け材4に装着された外径環5の内部に挿入したレンズ1を、収納凹部16aの内部に収容し、外径環5の外周部から覆いかぶさるように外径環5を支える外筒16に関して、収納凹部16aの背面16bに球状受け面13が設けられている。
外筒16が有する球状受け面13には、カップ上に形成された押圧材12に装着された、例えばOリング状の弾性材10が接している。弾性材10を装着した押圧材12はネジ14を介して、図示省略した研磨装置の回転軸であるスピンドル11に回転自在に取り付けられている。
また、外筒16の収納凹部16aの周辺部には、外径環5に対応した口径のリング状凹溝16cが外筒16と同心円状に形成されており、受け材4に装着された外径環5の背面側が嵌合される構造となっている。
これにより、例えば、受け材4、外径環5、外筒16の剛性を確保しつつ、保持具H21の厚さ方向の寸法や重量を削減して、小型軽量化を実現できる。
(作用)
以下、図4を参照して保持具H21の作用を説明するが、上述の図2Aおよび図2Bと同じ機構および機能を有する部材に関しては、同じ番号を付して説明を省略する。
本実施の形態の保持具H21でも、レンズ1と、このレンズ1を支えるシート材3、受け材4、外径環5があたかも1つのレンズであるかのように一体化し、外筒16に対して滑り部材7を介して回転自在に構成されている。
研削もしくは研磨加工を行うレンズ1を外径環5に挿入し、該状態で図示省略した研磨機のスピンドル11からの荷重によりレンズ1は研磨皿8に押圧され、研磨皿8の回転および揺動運動によってレンズ1を研削もしくは研磨加工を行う。
このときレンズ1は、外径環5に挿入することで径方向となるコバ部1aが支えられ、スピンドル11からの荷重に対しては保持面2aで接するシート材3を介し受け材4で支えられる。
さらに受け材4は、レンズ1を受ける面と反対側(収納凹部16aの平坦な底面)で滑り部材7を介して外筒16で押圧される。
外筒16はOリングなどの弾性材10を介して、スピンドル11に螺着された押圧材12により加工荷重が負荷される。
ここで、本実施の形態の保持具H21の場合、レンズ1およびレンズ1と一体化して回転するシート材3、受け材4、外径環5を押圧する外筒16の収納凹部16aは、弾性材10で押圧される部分が欠球状の球状受け面13を呈している。
特に図4で示す凸メニスカスレンズの凸球面(レンズ1の被加工面2b)を加工する際には、押圧される球状受け面13は凸球面となる。球状受け面13の凸面はその球の中心となる球心O13が、レンズ1の被加工面2bより図4で下側、つまり研磨皿8の側になる。
具体的には、図4に示す線分Aにより定まる線分Bと保持具H21(レンズ1)の回転軸Cの交点にその球心O13を有する配置となる。ここで線分Aは、レンズ1の被加工面2bの球心O1とレンズ1の被加工面2bの最外周の点を結ぶ線分であり、線分Bは、線分Aが通るレンズ1の最外周の点を通り、線分Aに対する法線である。
球状受け面13の球心O13が、線分Bとレンズ1の中心軸(保持具H21の回転軸C)との概略交点に形成されることで、研削や研磨加工の際にレンズ1に強い加工力が加わったりしても、レンズ1は、外筒16と弾性材10との間、つまり球状受け面13に沿って傾斜することになる。
球状受け面13の球心O13を中心としてレンズ1およびシート材3、受け材4、外径環5、外筒16が弾性材10との間で傾斜することで、レンズ1はその外周部が研磨皿8の研磨作用面8aに押さえつけられるような挙動となる。
これによりレンズ1のコバ部1aが薄い場合でも、前述してきた滑り部材7による一体化した回転運動での脱落防止に加え、コバ部1aを研磨皿8の研磨作用面8aに押さえつけるような挙動が加わることで、さらに外径環5よりレンズ1が脱落することを防止することができる。
また、線分Bとレンズ1の中心軸(保持具H21の回転軸C)との概略の交点に球状受け面13の球心O13を配置することは、レンズ1の被加工面2bで発生する加工力に対して、もっとも加工中の振動や加工力の変動を抑えられることが経験的につかめており、球状受け面13の球心O13を該位置に配置することが最も有効である。
また、コバ部1aの薄いレンズ1に対しての有効性を示したが、もちろんコバ部1aが薄くない形状のレンズ1であっても同様な効果が得られることは明らかであり、加工対象のレンズ1の形状を限定するものではない。
また、同様に、小径のレンズ1であれば、本実施の形態の滑り部材7を介した構造が、加工中のレンズ回転運動に対して有効であるが、小径に限らず大口径のレンズ1であっても同じような効果を得られることは明らかであり、利用するレンズ1のサイズを限定するものではない。
(実施の形態2の効果)
本実施の形態の保持具H21によれば、弾性材10によりレンズ1を押圧して保持する構成の場合でも、コバ部1aの薄いレンズ1に対して保持具H21から脱落したり、保持具H21を破損したりすることなく、レンズ1の安定した研削および研磨加工を行うことができるとともに、小径のレンズ1であっても安定した回転運動を確保しながら研削および研磨加工を行うことができる。
すなわち、レンズが保持具より脱落あるいはコバ部分が破損する主な要因の1つとして、研磨加工中にレンズと保持具が一体化せずに、レンズが保持具内で滑って相対的な回転運動を生じる現象が考えられる。上述の各実施の形態ではこの相対的な回転運動を防止することで、コバの薄いレンズでも保持具により容易に研削、研磨加工が実施できるようにしている。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、コバ部1aが薄いレンズ1や小径のレンズ1に対して、レンズ1の脱落やコバ部1aの破損、精度低下を防止しながら、安定した回転運動により、レンズ1の被加工面2bにおける高い研磨精度と、レンズ1の保持面2aにおけるキズの発生防止を実現することができる。
特に本発明の各実施の形態の保持具では厚さが薄いレンズや、外径が小さいレンズ、あるいは研磨面に高い面精度を要求するレンズに対して、研削や研磨加工中にレンズを安定して保持することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
(付記1)レンズや平面ガラスの光学素子と工具を互いに擦り合わせ、互いの回転および揺動による相対運動により光学素子を研削研磨加工する際に用いる光学素子の保持具において、光学素子が研磨される被研磨面と反対側にある裏面と接し光学素子を保持するシート材と、シート材を固着しシート材および光学素子を支える受け材と、受け材に固着され光学素子の外径部を支える外径環と、外径環のさらにその外周部を覆いかぶさるように外径環を支え、その半対側に研磨装置に設けられたカンザシと契合する凹球面部を有する外筒と、外筒と受け材の間に介在し両者を回転可能に継承する滑り部材を具備することを特徴とする光学素子の保持具。
(付記2)光学素子を回転自在に保持し、その回転軸が工具皿の球心を概略通るように配置するとともに、回転軸と同方向に加圧しながら前記工具皿を回転かつ揺動させることで光学素子を研削または研磨する光学素子加工装置の保持具において、光学素子を研磨する被研磨面と反対側にある裏面と接し光学素子を保持するシート材と、シート材を固着しシート材を介して光学素子を支える受け材と、受け材に固着され光学素子の外径部を支える外径環と、外径環のさらにその外周部を覆いかぶさるように外径環を支える外筒と、前記外筒と受け材の間に介在し両者を互いに回転可能に継承する滑り部材と、外筒を弾性的に押圧する弾性材と、研磨機に取り付けられ弾性材を押圧する押圧部材を具備することを特徴とする光学素子の保持具。
(付記3)付記2に記載する保持具において、外径環の外周部を覆いかぶさるように外径環を支える外筒が凸球面部を有し、前記凸球面部の球心が光学素子の外周端を通り被研磨面に接する接線と、光学素子の回転軸との交点に構成してなることを特徴とする付記2記載の光学素子の保持具。
(付記4)付記1、2、3記載の保持具において、滑り部材が外筒と受け材間で平面形状にて形成させることを特徴とする光学素子の保持具。
本発明の実施の形態の第1態様である保持具の構成例を示す分解断面図である。 その動作状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態の第2態様である保持具の構成例を示す分解断面図である。 その動作状態を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である保持具の構成および作用の一例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態である保持具の構成および作用の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 レンズ
1a コバ部
2a 保持面
2b 被加工面
3 シート材
4 受け材
4a 凹形段差部
4b カンザシ部逃穴
5 外径環
6 外筒
6a 収納凹部
6b カンザシ穴
6c 凹形段差部
7 滑り部材
8 研磨皿
8a 研磨作用面
9 カンザシ
9a 自在継手部
10 弾性材
11 スピンドル
12 押圧材
13 球状受け面
14 ネジ
16 外筒
16a 収納凹部
16b 背面
16c リング状凹溝
H10,H11 保持具
H20,H21 保持具
C 保持具H21の回転軸
O1 レンズ1の球心
O13 外筒16の球状受け面13の球心

Claims (4)

  1. 光学素子を保持して加工工具に擦り合わせる保持具であって、
    前記光学素子の前記加工工具に摺接する被加工面と反対側の保持面に接するシート材と、
    前記シート材を介して前記光学素子を支える受け材と、
    前記受け材に支持された前記光学素子の外縁部を支える外径環と、
    前記外径環の外周部を覆うように支持し、背面側に外部の揺動軸と契合する凹球面部を有する外筒と、
    前記外筒と前記受け材との間に介在し両者を回転可能に継承する滑り部材と、
    を含むことを特徴とする保持具。
  2. 光学素子を回転自在に保持して加工工具に擦り合わせる保持具であって、
    前記光学素子の前記加工工具に摺接する被加工面と反対側の保持面に接するシート材と、
    前記シート材を介して光学素子を支える受け材と、
    前記受け材に前記シート材を介して保持された前記光学素子の外縁部を支持する外径環と、
    前記外径環の外周部を覆うように支える外筒と、
    前記外筒と前記受け材との間に介在し両者を互いに回転可能に継承する滑り部材と、
    弾性部材を介して前記外筒を弾性的に押圧する押圧部材と、
    を含むことを特徴とする保持具。
  3. 請求項2に記載の保持具において、
    前記保持具の回転軸は前記加工工具の球心を概略通るように配置され、
    前記外筒は、前記弾性部材に接する凸球面部を有し、前記凸球面部の球心は前記光学素子の外周端を通り被加工面に接する接線と、前記光学素子の回転軸との交点に一致していることを特徴とする保持具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保持具において、
    前記滑り部材は、前記外筒と前記受け材との間の平坦な界面に介在することを特徴とする保持具。
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