JPH06190704A - ワーク保持方法および装置 - Google Patents

ワーク保持方法および装置

Info

Publication number
JPH06190704A
JPH06190704A JP36216292A JP36216292A JPH06190704A JP H06190704 A JPH06190704 A JP H06190704A JP 36216292 A JP36216292 A JP 36216292A JP 36216292 A JP36216292 A JP 36216292A JP H06190704 A JPH06190704 A JP H06190704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
holding
work
rubber roller
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36216292A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoyuki Kishida
尚之 岸田
Akihide Wakamiya
章秀 若宮
Masaru Saeki
優 佐伯
Shinji Yokoyama
真司 横山
Yuichiro Takahashi
裕一郎 高橋
Tadahiro Nakano
忠博 中野
Noriaki Takahashi
紀昭 高橋
Kazuo Ushiyama
一雄 牛山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP36216292A priority Critical patent/JPH06190704A/ja
Publication of JPH06190704A publication Critical patent/JPH06190704A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨加工時にレンズがスリップするのを防
ぐ。 【構成】 レンズ1を保持する保持枠4に、レンズ1の
コバ部1bと接する位置でゴムロムーラ14を設ける。
ゴムローラ14には、その中心(図心軸)00 と偏心し
た所に固定ピン15を固着し、ゴムローラ14の回転中
心01 とする。固定ピン15は、保持枠4に回転自在に
取り付ける。レンズ1のコバ部1bが、ゴムローラ14
と接するようにしてレンズ1を保持枠4に装着し、加工
する際、レンズ1が保持枠4に対してすべると、ゴムロ
ーラ14が固定ピン15を中心に回転し、レンズ1のコ
バ部1bを押し付けるように移動する。これにより、レ
ンズ1のすべりによる回転量に応じて、ゴムローラ14
の押圧力が増し、レンズ1のスリップを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズ等のワーク表面
の研削,研磨加工におけるワーク保持方法とワーク保持
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にワークを加工するワーク加工装置
は、ワークを保持するワーク保持装置と、ワークに対向
配置した研削・研磨砥石とにより構成されている。上記
ワーク保持装置としては多種存在しており、その1つ
に、ワーク受け部に吸引孔を設けてワーク保持装置を構
成し、ワーク加工面の反対側面(以下、ワーク裏面とい
う)をワーク受け部で吸引保持するものがある。しか
し、上記ワーク保持装置の場合、ワークは吸引力のみに
よって保持されるため、砥石の回転およびワークに与え
る加工荷重の大きさによっては、ワークの回転数とワー
ク受け部の回転数とが異なる現象、すなわち、ワーク受
け部に対するワークのスリップ現象が生じることがあっ
た。
【0003】このようなスリップ現象が発生すると、ワ
ークと研削・研磨砥石との相対速度が減少するため、研
削,研磨加工能力が減退し、さらにはワークの加工面品
質には悪影響を及ぼすことになり、より長い加工時間を
かけないと安定した加工品質が得られなかった。また、
ワーク裏面とワーク受け部とが摺接することになるた
め、ワーク裏面にキズが入ったり、また、ワーク受け部
が偏摩耗して、その偏摩耗したワーク受け部を用いて加
工したワークの品質に悪影響を与えたりすることがあっ
た。
【0004】そこで、従来、スリップ現象を防ぐことが
できるワーク保持装置が提案され、例えば実公昭54−
15351号公報に示されている。図33及び図34
は、実公昭54−15351号公報のレンズ保持装置を
示す断面図及び底面図である。このレンズ保持装置は、
駆動軸121を備えた研磨盤120と、レンズ保持装置
122を介して研磨レンズ123を押圧するとともに、
レンズ保持装置を図中左右にトラバースさせるセンター
124より構成されてる。このレンズ保持装置122
は、研磨レンズ123の仕上げ済外周面(研磨済の面
で、加工面の反対面)123aと同曲率をなす前面部1
25を有し、金属材からなる当て板126に、ゴム製の
薄板127を貼着して位置決め面128を形成してい
る。さらに当て板126の背面部129の中心部には、
上記センター124の受け部材130が埋設されてい
る。また、当て板126には、ベークライトなどの合成
樹脂よりなる把持部材131が、ビス132により固定
されている。該把持部材131は円筒形状をし、その円
筒部133の先端部には外方に突出した突起134があ
り、軸方向に多数の割溝135を刻設することで、多数
の把持爪133aが形成されている。また把持爪133
aはレンズ123の縁部123cに掛かるようになって
いる。さらに、当て板126に穿孔した雌ネジ136
に、把持部材131を貫通して蝶ネジ137が螺着さ
れ、これにアルミニウムなどからなる枠体138が、把
持部材131の突起134に当接可能のように構成され
ている。
【0005】上記構成のレンズ保持装置によれば、レン
ズ123をゴム製の薄板127に密着させた状態で、雌
ネジ137をまわすと、把持部材131と枠体138と
が締め付けられ、枠体138の先端係合部138aが把
持131の突起134に当接する。これにより、把持爪
133aの先端が内方へたわませ、レンズ123の縁部
123cを把持爪133aで圧着して保持する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
レンズ保持装置では、レンズを研磨加工する際に、加工
するレンズごとに蝶ネジを手で締め付ける必要がある。
このためレンズを一個研磨する度にこの作業を行なう必
要が生じ、作業性が悪い。また、蝶ネジによる締め付け
であるために、その締め付け力を研磨するレンズごとに
安定的に負荷させることが困難である。さらに、レンズ
の締め付け力が最初に設定されてしまうため、研磨加工
中における研磨抵抗力の変化に応じて、その保持力を調
整変化させることができない諸問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、研磨応力に応じて安定した保持力を得られ
ると同時に、作業性の良いレンズ保持方法および装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明のレンズ保持方法は、ワークの側
面を保持するワーク側面保持手段を備えた保持体本体と
ワークとの回転数の差を、変換手段によってワークの側
面を保持する保持力に変換し、この保持力を、伝達手段
によってワーク側面保持手段に伝達し、上記保持手段に
より、保持体本体とワークの回転数とが同じになるよ
う、保持体本体に対してワークを保持する構成にし、ワ
ーク側面保持手段がワークの側面を回転数の差によって
生じる力で保持する。
【0009】そして、本発明のレンズ保持装置は、ワー
クの側面を保持するワーク側面保持手段と、ワーク側面
保持手段を備えた保持本体と、保持体本体とワークとの
回転数の差を、ワークの側面を保持する保持力に変換す
る変換手段と、変換手段からの力をワーク保持手段に伝
達する伝達手段とを備えて構成し、ワーク側面保持手段
によりワークの側面を回転数の差によって生じる力で保
持する。
【0010】また、ワーク加工面とは反対側の面を支持
する保持体本体と、保持体本体とワークとの回転数の差
に基づいてワークの側面を押圧して保持するように偏移
(ワークの装着時の位置より偏らせる)する、ワーク側
面保持手段としてのワーク側面支持体とを有し、ワーク
の加工面を加工する際には、上記側面支持体を偏移さ
せ、ワークを保持体本体に保持してもよい。
【0011】さらに、ワークの加工面とは反対側の面を
支持する保持体本体と、保持体本体とワークとの回転数
の差に基づいてワークの側面を押圧して保持するように
変形する、ワーク側面保持手段としてのワーク側面支持
体とを有し、ワークの加工面を加工する際には、上記側
面支持体を変形させ、ワークを保持体本体に保持しても
良い。
【0012】
【実施例1】図1から図3は本発明の実施例1を示し、
図1はワーク保持装置の右半分を断面とした正面図、図
2はワークとしてのレンズ1を保持する構成の説明図、
図3は図2の一部拡大断面図である。本実施例のワーク
保持方法及び保持装置は、ワークであるレンズ1を、レ
ンズ1の加工面とは反対側の面1a(以下、裏面1aと
いう)及びレンズ1の外周部であるコバ部1bの2箇所
で保持する構成としてある。
【0013】本実施例のワーク保持装置は、レンズ1の
裏面1aを保持する保持体本体2と、保持体本体2に取
付けられレンズ1のコバ部1bを保持するワーク側面保
持手段3とから構成されている。保持体本体2は、保持
枠4と受け台5とシート6とからなっている。
【0014】保持枠4は、円筒状でその下端が開放さ
れ、内部が空洞に形成されている。保持枠4の上端面中
央には、先端に球部を有するカンザシ7を受ける凹面状
の溝部8aを設けた突部8が一体形成されており、この
突部8の側面には、カンザシ7の球部が溝部8aから抜
けるのを防ぐため、溝幅の球部の外径より狭くなるよう
に、ピン9が圧入されている。そして、保持枠4は、カ
ンザシ7により、回転自在かつ揺動自在に保持されてい
る。カンザシ7には、ゴムよりなるV字状のVリング1
0が圧入されており、このVリング10の先端部は突部
8の上端面に接し、ゴム等の異物が凹面状の溝部8a内
に入り込むのを防いでいる。
【0015】受け台5は、ステンレスあるいは真鍮など
の金属からなっている。この受け台5は、保持枠4の空
洞上面に接するように保持体4の内部に配置され、ネジ
11の螺着により保持枠4に固定されている。シート6
は、受け台5に接着して配置し、レンズ1の裏面1aを
受けるもので、の受け面は、レンズ1の裏面1aと同じ
曲率半径に形成されている。このシート6は、加工中に
レンズ1に対してキズを与えないように、かつ保持枠4
に対してレンズ1が滑るのを防止するものであり、本実
施例では、ゴムあるいは樹脂で形成した。
【0016】上記カンザシ7,保持枠4,受け台5及び
シート6の内部には、保持したレンズ1の裏面1aに通
じる導管12が外部から設けられている。この導管12
の元部には、レンズ1を保持枠4から離脱させるための
圧縮空気を供給するコンプレッサー13が接続されてい
る。
【0017】ワーク側面保持手段3は、ゴムローラ14
と固定ピン15とから構成されてる。ゴムローラ14
は、ポリウレタンなど摩擦係数の大きな材質で形成さ
れ、保持枠4に保持したレンズ1のコバ部1bと対向す
る位置に複数個(図においては、等間隔に4個)配置さ
れている。このゴムローラ14は、保持枠4の外周と内
部の空洞に貫通して保持枠4の外周下部に設けた空洞部
16内に、固定ピン15を介して回転自在に取付けられ
ている。固定ピン15は、ゴムローラ14の中心(図心
軸)O0 から、レンズ1の回転方向Lより偏心量δだけ
ズレた位置において、ゴムローラ14と接着などによて
強力に固着されている。すなわ、固定ピン15は、ロー
ラ14の回転中心O1 に位置し、ローラ14は回転中心
1 を中心にレンズ1の回転方向Lと逆の回転方向θに
回転されるようになっている。固定ピン15は、潤滑油
を含有した含油メタルなどの軸受17を介し、E型止め
輪18により保持枠4に回転自在に装着されている。こ
のゴムローラ14及び固定ピン15は、後述するよう
に、ワーク(レンズ1)の側面1bを保持するワーク側
面保持手段と、保持体本体2とワークとの回転数の差を
ワークの側面1bを保持する保持力に変換する変換手段
と、変換手段からの保持力をワーク側面保持手段に伝達
する伝達手段とを兼ねているものである。
【0018】次に、本実施例のワーク保持方法と作用を
説明する。まず、レンズ1の裏面1aがシート6に接す
るようにして、レンズ1のコバ部1bとゴムローラ15
の外周とが接点1cで接触するように、レンズ1を保持
ワーク4内に挿入する。すなわち、レンズ1を研磨加工
する前では、ゴムローラ14はレンズ1のコバ部1bに
あたる外径Dと接する位置にある。
【0019】この状態のまま、レンズ1を研磨加工する
と、レンズ1と研磨工具(図示省略)の間に生じる研磨
加工抵抗により、レンズ1には回転方向Lに回転力が生
じる。すると接点1cには、レンズ1とゴムローラ14
との間の摩擦力Fによる回転トルクが生じる。これによ
り、ゴムローラ14は、回転自在に支持されている回転
中心O1 を中心に、レンズ1とは逆の回転方向θに回転
しようとする。しかるに、ゴムローラ14の回転軸O1
にあたる固定ピン15は、レンズ1とゴムローラ14の
接点1cより、レンズ1が回転する方向L側に設置され
ているため、破線で示すゴムローラ14aの位置に回転
しようとする。すなわち、ゴムローラ14が、摩擦力に
より生じる回転モーメントによってゴムローラ14aの
位置に移動しようとすることで、ゴムローラ14とレン
ズ1の接点1cが創成する円が、破線で示す移動径D1
の位置になろうとする。ところが実際には、レンズ1の
外径Dは変化しないため、この移動しようとする移動量
hに応じた力で、ゴムローラ14がレンズ1を押さえる
ことになる。
【0020】このとき締め付け力となる回転トルクの大
きさは、接点1cと回転中心O1 の距離と摩擦力Fによ
り決まることは明らかである。つまり、ゴムローラ14
の回転中心O1 と接点1cとの距離が長いほど大きく、
またゴムローラ14の摩擦係数が大きいほどその押し付
け力は大きくなり、保持力が大きくなる。さらに、ゴム
ローラ14を配置する数は、多ければ多いほど高い保持
力を得られることは明らかであり、同時に、多くのゴム
ローラ14でゴムローラ14同士を対向して配置すれ
ば、押圧力によるレンズ1の変形も小さくすることがで
きる。また、レンズ1を挿入する際に、裏面1aがシー
ト6と密着するまで十分な力で押すことは当然であり、
レンズ1をシート6に密着させることにより、より高い
保持力を得るとともに、研磨荷重によるレンズ1の変形
をも防ぐのである。
【0021】また、レンズ1を保持装置から離脱させる
には、導管12に接続したコンプレッサー13から圧縮
空気を供給することにより、レンズ1の裏面1aを押
し、その押圧力がゴムローラ14の摩擦力より大きくな
ったとき、レンズ1を離脱することができる。また、レ
ンズ1自体を、回転方向Lとは逆方向に回転させれば、
より簡単に外すことができることは明らかである。
【0022】本実施例によれば、レンズ1を研磨する際
に生じる研磨抵抗力に応じて、レンズ1のコバ部1bを
保持し、空気圧力によりレンズ1を排出するため、研磨
するレンズを装着するたびに保持力を調整する手間や、
装着および排出のための作業が必要ではないため、連続
して多数のレンズを研磨加工する際の自動化を図るのに
好都合である。
【0023】また、研磨抵抗力により生じる回転モーメ
ントによって、レンズ1のコバ部1bを保持することか
ら、保持すべきレンズに応じて、ゴムローラ14の数や
摩擦係数、あるいはゴムローラ14の回転軸O1 と、レ
ンズ1の接点1cとの距離を変えることで、多くの保持
力を得ることもできる。さらに、レンズ1と接触する部
分にゴムローラ14を用いているため、レンズ1を装着
・排出しても、バリ,カケ等の外観上の不良を発生する
ことはない。また、カンザシ7の先端球部は、保持ワー
ク4の突部8に圧入されたピン9により、保持枠4と契
合されているため、カンザシ7をレンズ1の自動搬送の
ために、上下動させても、レンズ1および保持装置全体
が合わせて上下動するため、容易に自動化が行える。
【0024】なお、本実施例においては、保持枠4と受
け台5とを別体として保持体本体2を構成した場合につ
いて説明したが、保持枠4と受け台5を一体として保持
体本体2を構成してもよく、この場合はより簡単な構造
となる。また、レンズ1を離脱する際、レンズ1の裏面
1a側から圧縮空気を供給して行なっているが、レンズ
1の加工面側から吸着手段によりレンズ1を吸着して行
なうことができる。
【0025】
【実施例2】図4及び図5は本発明の実施例2を示し、
図4はワーク保持装置の右半分を断面とした正面図、図
5はレンズ1を保持する構成の説明図である。本実施例
の特徴は、レンズ1のコバ部1bを保持するゴムローラ
20を楕円状の形状に構成した点である。ゴムローラ2
0は、その中心O0 に固定ピン15が接着固定され、保
持枠4の空洞部16内に回転自在に装着されており、ゴ
ムローラ20の中心O0 とその回転中心O1 とを一致さ
せた状態で、ゴムローラ20が保持枠4に取付けられて
いる。すなわち、このゴムローラ20及び固定ピン15
は、後述するように、ワーク(レンズ1)の側面1bを
保持するワーク側面保持手段と、保持体本体2とワーク
との回転数の差をワークの側面1bを保持する保持力に
変換する変換手段と、変換手段からの保持力をワーク側
面保持手段に伝達する伝達手段とを兼ねているものであ
る。その他の構成は、上記実施例と同一であり、同一部
分には同一づごうを付して説明を省略する。
【0026】本実施例にあっては、ゴムローラ20を楕
円形状に形成してあるため、ゴムローラ20の回転中心
1 が、ゴムローラ20の中心と一致していても、レン
ズ1のコバ部1bとゴムローラ20との接点1cが、ゴ
ムローラ20の回転とともにレンズ1の径方向に移動す
る。これにより、実施例1と同様に、レンズ1が保持さ
れる。その他の保持方法及び作用は、実施例1と同様で
ある。
【0027】本実施例によれば、実施例1と同様な効果
を得ることはもちろん、ゴムローラ20の中心O0 に固
定ピン15を配置できるため、ゴムローラ20を製作加
工する際に、容易に回転軸の加工位置を得ることができ
る。よって、ゴムローラ20ごとの回転軸位置のバラツ
キが小さくでき、レンズ1とゴムローラ20の接点1c
までの距離のバラツキが小さくなるため、より安定した
保持力を得る保持具が製作できる。
【0028】
【実施例3】図6から図10は本発明の実施例3を示
し、図6はワーク保持装置の右半分を断面とした正面
図、図7はゴムローラの斜視図、図8はレンズを保持す
る構成の説明図、図9は図8の一部拡大図、図10はレ
ンズに作用する保持力の説明図である。本実施例は、レ
ンズ1を、レンズ1の加工面1a側の外縁部1dと、レ
ンズ1の裏面1aと、レンズ1のコバ部1bの3箇所で
保持する構成としてある。
【0029】本実施例の保持体本体の構成部分である保
持ワーク25は、その開口下端面にフランジ部25aが
一体形成されており、フランジ部25aの下面に、レン
ズ1のコバ部1bと外縁部1dを保持するゴムローラ2
6が固定ピン15を介して回転自在に設けられている。
ゴムローラ26は、レンズ1のコバ部1bを押圧するコ
バ保持部26bと、レンズ1の外縁部1dを押圧する外
縁保持部26cとから構成されている。外縁保持部26
cは、コバ保持部1bより大径に形成され、ゴムローラ
の中心軸O0 を中心に螺旋状に形成されている。また、
コバ保持部1bと外縁保持部26cは、それぞれの外周
部が1部において同一となるように形成され、レンズ1
の保持枠16内への挿入を容易にするとともに、固定ピ
ン15を貫通して接着固定したゴムローラ26の回転中
心軸O1 に対して、共に偏心した状態で一体に形成され
ている。そして、回転中心O1 は、ゴムローラ26の中
心O0 より、レンズ1の回転方向より偏心量δだけズレ
た位置に設定されている。すなわち、ゴムローラ26と
固定ピン15は、ワーク(レンズ1)の側面1bと外縁
部1dを保持するワーク側面保持手段と、保持体本体2
とワークとの回転数との差をワークの側面1bと外縁部
1dを保持する保持力に変換する変換手段と、変換手段
からの保持力をワーク側面保持手段に伝達する伝達手段
とを兼ねているものである。なお、その他の構成におい
て、前記実施例1と同一部分については、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0030】本実施例にあっては、実施例1と同様に、
レンズ1の研磨抵抗によってゴムローラ26が回転中心
1 に回転すると、コバ保持部26bは、移動量hを有
した状態で回転を行なおうとするため、移動量h分だ
け、レンズ1の径方向の押圧力F1 が発生する。また、
同時に、外縁保持部26cの上面が、レンズ1の外縁部
1dに引っかかる。この外縁保持部26cは螺旋状に形
成されているため、ゴムローラ26の回転に伴って徐々
に外縁保持部26cの上面が上昇し、レンズ1の厚さ方
向の垂直力F2 が発生し、レンズ1を受け台5方向に押
し付ける。すなわち、レンズ1には、押圧力F1 と垂直
力F2 が同時に作用するため、両者の合成力が保持力F
0 となり、図10に示すように、保持力F0 がレンズ1
の形状に沿って中心部方向に作用し、レンズ1を保持す
る。その他の保持方法及び作用は実施例1と同様であ
る。
【0031】本実施例によれば、レンズ1を研磨する際
に生じる研磨抵抗力に応じて、レンズ1のコバ部1b
を、レンズ1の径および厚さ方向に保持するため、研磨
するレンズを装着するたびに保持力を調整する手間や、
装着および排出のための作業が必要でなくなる。よっ
て、連続して多数のレンズを研磨加工する際の自動化を
図るのに好都合であり、また、作業性の良いワーク保持
装置が得られる。さらに、レンズ1の保持力を、レンズ
1の径方向と、厚さ方向の合成力によって得られるた
め、その保持力は常にレンズ1の中心部に向いており、
研磨抵抗に応じて安定した保持力が得られるとともに、
保持力によるレンズ1の変形を最小に抑えることができ
る。よって、連続して多数のレンズを研磨加工する際の
自動化を図るのに好都合である。また、レンズ1をゴム
ローラ26の外縁保持部26cによって、裏面1aがシ
ート6と密着するような方向に十分な力で押すため、よ
り高い保持力を得るとともに、研磨荷重によるレンズ1
の変形をも防ぐのである。また、研磨抵抗力により生じ
る回転モーメントによって、レンズ1のコバ部1bを保
持することから、保持すべきレンズに応じて、ゴムロー
ラ26の数や摩擦係数、あるいはゴムローラ26の回転
軸O1 と、レンズ1の接点2cとの距離や外縁保持部2
6c上面の傾斜角度を変えることで、多くの保持力を得
ることもできる。さらに、レンズ1と接触する部分にゴ
ムローラ26を用いているため、レンズ1を装着・排出
しても、バリ,カケ等の外観上の不良を発生することは
ない。また、カンザシ7の先端球部は保持枠25の突部
8に圧入されたピン9により、保持枠25と係合されて
いるため、カンザシ7をレンズ1の自動搬送のために、
上下動させても、レンズ1および保持装置全体が合わせ
て上下動をするため、容易に自動化が行なえる。
【0032】
【実施例4】図11は、本発明の実施例4のワーク保持
装置の右半分を断面にした正面図である。本実施例の特
徴は、レンズ1のコバ部1bを保持するゴムローラ14
をネジ30により上下動可能に構成した点である。ゴム
ローラ14は、実施例1と同様に、円形状に形成され、
かつ、その中心O0 から偏心した位置に回転中心O1
なる固定ピン15が固着されている。固定ピン15の上
端部外周には、ネジ30が螺刻されており、保持枠25
のフランジ25aに形成したネジと螺合して保持枠25
に取付けられている。すなわち、ゴムローラ14が回転
すると、ネジ部30を介して、ゴムローラ14が保持枠
25に対して上下動するようになっている。このゴムロ
ーラ14及び固定ピン15は、後述するように、ワーク
(レンズ1)の側面1bを保持するワーク側面保持手段
と、保持体本体2とワークとの回転数の差をワークの側
面1bを保持する保持力に変換する変換手段と、変換手
段からの保持力をワーク側面保持手段に伝達する伝達手
段とを兼ねているものである。その他の構成は、実施例
1と同様であり、同一部分には同一符号を付して説明を
省略する。
【0033】本実施例にあっては、ゴムローラ14がネ
ジ30を介して保持枠25に取付けられているため、実
施例1と同様に、レンズ1の研磨抵抗によってゴムロー
ラ14が回転中心O1 を中心に回転すると、ネジ30の
部分で回転するため、ゴムローラ14が回転しながら上
下に移動する。本実施例では、凸形状の研磨面レンズ1
を保持しているため、ネジ30はゴムローラ14を下方
に移動させる構成となっており、凹形状の研磨面レンズ
を保持する時は、逆に上方に移動させる構成となる。そ
の他の保持方法、作用及びレンズ1の離脱等は実施例1
と同様である。
【0034】本実施例によれば、ゴムローラ14が、レ
ンズ1の径方向に移動するとともに、上下方向に移動す
るため、前記実施例3と同様に保持力F0 と垂直力F2
が得られ、実施例3と同様の効果を得られることはもち
ろん、ゴムローラ14との接触摩擦力によって、コバ部
1bを保持するため、レンズに引っかかる部分を持たな
い凸形状の研磨面レンズを保持することができる。ま
た、摩擦力によって保持するため、空気圧力によりレン
ズ1を排出することができ、実施例1と同様に、連続し
て多数のレンズを研磨加工する際の自動化を図るのに好
都合である。
【0035】
【実施例5】図12及び図13は本発明の実施例5を示
し、図12はワーク保持装置の右半分を断面とした正面
図、図13はレンズを保持する構成の説明図である。本
実施例の特徴は、実施例4のゴムローラ5の形状を楕円
形状に形成して、レンズ1のコバ部1bを保持するゴム
ローラ20を構成した点である。ゴムローラ20は、そ
の中心O0 に、上端にネジ30を形成した固定ピン15
が接着固定され、ネジ30を介して保持枠25のフラン
ジ部25aに回転かつ上下動自在に取付けられている。
このゴムローラ20及び固定ピン15は、ワーク(レン
ズ1)の側面1bを保持するワーク側面保持手段と、保
持体本体2とワークとの回転数の差をワークの側面1b
を保持する保持力に変換する変換手段と、変換手段から
の保持力をワーク側面保持手段に伝達する伝達手段とを
兼ねているものである。その他の構成において、前記各
実施例と同一部分については、同一の符号を付してその
説明は省略する。
【0036】本実施例にあっては、ゴムローラ20を楕
円形状としたため、ゴムローラ20の回転中心O1 が、
ゴムローラ20の中心O0 と一致していても、レンズ1
のコバ部1bとゴムローラ20との接点1cはゴムロー
ラ20の回転とともにレンズ1の径方向に移動し、かつ
上下方向に移動する。これにより、実施例3と同じ作用
を得つつレンズ1が保持される。
【0037】本実施例によれば、前記各実施例と同様な
効果を得ることはもちろん、ゴムローラ20の中心O0
に固定ピン15を配置できるため、ゴムローラ20を製
作す加工する際に、容易に回転軸の加工位置を得ること
ができる。よって、ゴムローラ20ごとの回転軸位置の
バラツキが小さくでき、レンズ1とゴムローラ20の接
点1cまでの距離のバラツキが小さくなるため、より安
定した保持力を得る保持具が製作できる。
【0038】
【実施例6】図14は、実施例6のワーク保持装置にお
けるゴムローラ14の回転中心O1(固定ピン15の位
置)の偏心位置を示す説明図で、加工開始前でレンズ1
を保持体本体2(図1等参照)に供給した状態を示して
いる。実施例1のレンズ保持装置は、ゴムローラ14を
回転自在に備え、かつ、その回転中心O1 に若干の偏心
量δを設定しているが、本実施例では、ゴムローラ14
の偏心を、以下のように設定した。なお、ゴムローラ1
4の偏心位置以外の構成は、実施例1と同様である。
【0039】レンズ1の外周1bを押圧する際、ゴムロ
ーラ14が変形しないものとすると、複数のゴムローラ
14の外周によって形成され、かつ、ゴムローラ14自
体を含まないで描かれる仮想の円33すなわち、レンズ
1を保持する空間は、最小のものから最大のものまで自
在に変化することになる。つまり、ゴムローラ14の回
転中心O1 をゴムローラ14の中心O0 から偏心させる
ことにより、複数のゴムローラ14の外周によって形成
される上記仮想の円33内にレンズ1を投入した際、ゴ
ムローラ14によるレンズ1の外周1bを保持する保持
力は、偏心位置とレンズ1を支持するゴムローラ14の
外周位置との距離が最も近いとき、つまり、上記仮想の
円33が最も大きいとき(円33a)に最も弱くなり、
逆に、偏心位置とレンズ1を支持するゴムローラ14の
外周位置との距離が最も遠いとき、つまり、上記仮想の
円が最も小さいとき(円33b)に最も強くなる。ここ
で、本実施例では、図14に示すように、偏心量は、偏
心位置とレンズ1を支持するゴムローラ14の外周位置
との距離が最も近い場合に、すなわち、上記仮想の円が
最大のとき(円33a)に、レンズ1の側面に対して全
てのゴムローラ14が接触するように設定した。本実施
例のワーク保持方法及び作用は、実施例1と同様であ
る。
【0040】レンズ1を保持体本体2に供給する際、仮
想の円33が最大のとき(円33a)にレンズ1の側面
1bに対して全てのゴムローラ14が接触するので、レ
ンズ1を加工する際、レンズ1と保持体本体2との回転
数の差、即ち、保持体本体2に対するレンズ1の滑りが
速やかにゴムローラ14に伝わるので、実施例1に比べ
て、加工時のゴムローラ14によるレンズ1のクランプ
(保持)は、速やかに、かつ、確実に行なわれる。その
他の効果は、実施例1と同様である。
【0041】
【実施例7】図15は、本発明の実施例1のワーク保持
装置の要部を示す断面図である。本実施例の特徴は、弾
性体であるゴムローラ35のレンズ1投入側端部の外周
縁に、テーパ部35aを形成した点であり、その他の構
成は前記実施例1と同様で、同一部分には同一符号を付
してその説明は省略する。
【0042】次に、本実施例のワーク保持方法及び作用
を説明する。レンズ1を保持体本体2を構成する保持枠
4内に投入することによって、上記テーパ部35aとレ
ンズ1の裏面1bとを当接させる。これによって、レン
ズ1を保持枠4に投入する前に、ゴムローラ35の偏心
位置とレンズ1を支持するゴムローラ35の外周位置と
の距離、すなわち、図14の仮想の円33の大きさが不
確定であっても、レンズ1によってゴムローラ35は、
偏心位置とレンズ1を支持するゴムローラ35の外周位
置との距離が近くなる方向に、すなわち、上記仮想の円
33が最大径(円33a)となる方向に回転し、レンズ
1を容易に保持する。その他の方法及び作用は、実施例
1と同様である。
【0043】保持枠4内にレンズ1を投入する際、実施
例1のようなゴムローラ14の形状であると、ゴムロー
ラ14が回転自在に備えられていることから、上述の通
り、複数のゴムローラ14の外周によって形成され、か
つ、ゴムローラ5を含まないで描かれる仮想の円33が
最大径(円33a)より小さくなる場合、ゴムローラ5
が妨げとなってレンズ1を保持枠4内に投入することが
できないことがあった。したがって、保持枠4内にレン
ズ1を投入する際、実施例1では、レンズ1が容易に着
脱自在となるように、レンズ1の交換毎にゴムローラ1
4の位置を直す必要があった。
【0044】しかし、本実施例によると、ゴムローラ3
5のレンズ1投入側にテーパ部35aを設けることによ
り、レンズ1の投入にともなってゴムローラ35が回転
することができるので、ゴムローラ35の偏心位置とレ
ンズ1を支持するゴムローラ35の外周位置との距離、
すなわち、上記仮想の円33の大きさが不確定であって
も、レンズ1の保持枠4内への投入が不可能になること
がなく、レンズ1を保持枠4内に容易に投入することが
できる。したがって、保持体本体2に対するレンズ1の
供給を、自動化することも容易となる。その他の効果
は、実施例1と同様である。
【0045】
【実施例8】図16及び図17は本発明の実施例8を示
し、図16はワーク保持装置の右半分を断面とした正面
図、図17は図16のA−A線断面図である。本実施例
のワーク保持装置の保持枠40には、図17に示すよう
に、その内径全周にわたってラチャット状の溝部41が
連続して複数個形成されている。この溝部41は、研磨
工具(図示省略)の回転方向、すなわち、保持体本体2
に対して、レンズ1に滑る方向(レンズ1の回転方向
L)に、溝部41の幅が狭くなるように形成されてい
る。41内には、ゴム球42がワーク1の側面に接する
ように転動自在に配置されている。本実施例において
は、溝部41を8個設け、それぞれの溝部41内に1個
のゴム球42を配置した。そして、すべてのゴム球42
は、溝部41の最も幅の広い部分にあるときでも、全て
のゴム球42がレンズ1の側面と接触するように配置さ
れている。
【0046】一方、受け台5と保持枠40の内径部との
間には、溝部41の内径側に段部43aを形成してゴム
球42が保持枠40の内径側へ移動するのを規制する止
めリング43が備えられている。また、保持枠40の下
端には、ゴム球42の落下を防止し、かつ、溝部41の
内径側に段部44aを形成してゴム球42の内径側への
移動を規制するふた部材44が備えられており、このふ
た部材44は、ネジ45により保持枠40に固定されて
いる。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0047】また、本実施例によると、保持枠40に備
えたゴム球42は、レンズ1の側面1bを保持するワー
ク側面保持手段と、保持体本体2とワークとの回転数の
差をレンズ1の側面1bを保持する保持力に変換する変
換手段と、変換手段からの保持力をワーク保持手段に伝
達する伝達手段とを兼ねている。
【0048】本実施例にあっては、保持体本体2に対し
てレンズ1が滑ると、ゴム球42が溝部41の狭い方に
押し込められてゆき、ゴム球42が弾性変形することに
より、レンズ1のコバ部1bを押圧してレンズ1を保持
体本体2に対してクランプ(保持)する。このクランプ
する力(保持力)は保持体本体2とレンズ1との回転力
の差、すなわち、保持体本体2に対するレンズ1の滑る
回転数に比例して大きくなるものである。また、レンズ
1を保持ワーク40内に供給するとき、保持ワーク40
の内径側に段部43a,44aが形成されているので、
ゴム球42が保持枠40より落下することはない。その
他の作用は、実施例1と同様であり、また、実施例1と
同様な効果が得られる。
【0049】
【実施例9】図18は、本発明の実施例9のワーク保持
装置の要部を示す断面図である。本実施例の特徴は、レ
ンズ1を保持体本体2に供給するとき、レンズ1の挿入
に妨げとならないように、ゴム球42の位置を常に一定
の位置に保ように構成した点で、その他の構成は前記実
施例8と同様である。すなわち、保持枠47には、全て
の溝部41の幅の狭い部分に連通するエアの排出孔48
が保持枠47の外側から設けられている。排出孔48に
は、エア供給パイプ49が接続され、パイプ49にはエ
ア供給源(図示省略)が連結されている。
【0050】本実施例によると、保持枠47の溝部41
内に備えられたゴム球42は、実施例8と同様に、ワー
ク側面保持手段と、変換手段と、伝達手段とを兼ねてい
る。
【0051】本実施例にあっては、レンズ保持体本体2
に供給するとき、排出孔48よりエアを排出し、ゴム球
42を溝部41の幅の広いほうに押し付ける。そして、
全てのゴム球42が、溝部41の幅の広い部分に押し付
けられている間に、レンズ1を保持ワーク47内に供給
する。その他の保持方法及び作用は、実施例8と同様で
ある。
【0052】本実施例によれば、実施例8の効果に加え
て、エアの排出により、ゴム球42にて形成されるレン
ズ1の保持空間を最大に保つことができるので、実施例
8に比べて保持体本体2に対するレンズの供給を容易に
行なうことができる。
【0053】
【実施例10】図19は、本発明の実施例10のワーク
保持装置の右半分を断面とした正面図である。本実施例
の特徴は、受け台51にレンズ1のコバ部1bを保持す
る爪部52を設け、この爪部52が保持枠53に押さえ
てコバ部1b方向にすぼむように構成した点である。
【0054】受け台51は、軸部54と軸部54の先端
に一体形成したレンズ受け部55とからなり、このレン
ズ受け部55は、レンズ1の裏面1aを接触保持すると
ともに、その外周にレンズ1のコバ部1bと対向して保
持する爪部52が一体形成されている。爪部52には、
開閉、すなわちコバ部1b方向に動くようにレンズ受け
部55に延設したすり割52aが設けられている。受け
台51の軸部54には、外周にネジ56が設けられ、保
持枠53に形成したネジと螺着して保持枠53内に回転
自在に保持されている。このネジ56は、回転による上
下動が小さな力で行なえるように、ピッチを充分大きく
して形成されている。また、軸部54の上端と保持枠5
3との間には、受け台51を下方に押し付けるバネ57
が配設されている。また、レンズ受け部55の上面と保
持枠53の下面は、同じ傾斜のテーパ面58に形成され
て、両面が接触しすべるように形成されている。
【0055】本実施例によると、保持枠53は保持体本
体を、受け台51は、レンズ1の側面1bを保持するワ
ーク側面保持手段と、保持体本体とレンズとの回転数の
差をレンズ1の側面を保持する保持力に変換する変換手
段と、変換手段からの保持力をワーク保持手段に伝達す
る伝達手段とを兼ねているものである。
【0056】本実施例にあっては、レンズ1を受け台5
1のレンズ受け部55内に挿入して加工を行なうと、レ
ンズ1が研磨抵抗により回転を生じ、この力が裏面1a
を介して受け台51に伝達される。これにより受け台5
1が同様に回転することで、保持枠53とのネジ部56
によって、受け台51が保持枠53に対して上昇する。
このときバネ57は、受け台51の軸部54により押し
潰される。受け台51が上昇すると、保持枠53とのテ
ーパ面58が接触し、上昇量に応じて爪部52がコバ部
1bを締め付けるように動作する。一方、研磨が終了
し、レンズ1が図示省略した研磨工具より離れると、レ
ンズ1を押圧していた荷重が解放され、潰されていたバ
ネ57が伸びようとして、受け台51を押し下げる。こ
れにより、コバ部1bを把持していた爪部52が拡が
り、レンズ1を離すことができる。
【0057】本実施例によれば、前記各実施例までと同
様な効果を得ることはもちろん、テーパ面58の傾斜量
により把持力の調整が行なえる。
【0058】
【実施例11】図20は、本発明の実施例11のワーク
保持装置の右半分を断面とした正面図である。本実施例
の特徴は、レンズ1の回転から得られた力によって、流
体の圧力を上げ、コバ部1bに対向して保持枠60に配
置されたゴム膜61を膨らませることで、レンズ1を保
持するように構成した点である。
【0059】保持枠60内には、レンズ1を受ける受け
台62が配設されてる。受け台62は、外周にネジ63
を設けた軸部64と、軸部64の先端に一体形成したレ
ンズ受け部65とからなり、レンズ受け部65の下面で
レンズ1の裏面1aを接触保持し得るように構成されて
いる。
【0060】軸部64は、その上端部が軸部64と保持
枠60との間に設けた軸受66により、また、その下部
外側が軸部64と保持枠60との間に設けた含油メタル
67により保持され、保持枠60内で回転自在に保持さ
れている。軸部64に設けたネジ63には、受け部62
の回転により上下動可能なピストン68が螺着されてお
り、ピストン68の外周部は、保持枠60内径部と密着
的に接触している。このネジ63は、ピストン68の上
下動が小さな力で行なえるように、充分に大きなピッチ
で形成されている。ピストン68より下方の保持枠60
内には、レンズ1のコバ部1bに位置する開口部を形成
した通孔69が、ピストン68より下方の保持枠60の
内径部と連通して設けられている。通孔69の開口部に
は、レンズ1のコバ部に対向してゴム膜61が配置され
ており、このゴム膜61は、その縁部を保持枠60に埋
め込んで保持枠60に固着されている。そして、通孔6
9と保持枠60の上記内径部内には、ピストン68の圧
縮力によっても体積変化の小さい液体である油70が充
填されており、この油70は、ピストン68、含油メタ
ル67及びゴム膜61によって密封されている。
【0061】本実施例によると、保持枠60は保持体本
体を、ゴム膜61はレンズ1の側面1bを保持する枠側
面保持手段を、受け台62は保持体本体とレンズ1との
回転数の差をレンズ1の側面を保持する保持力に変換す
る変換手段を、油70は変換手段からの保持力をワーク
保持手段に伝達する伝達手段を、それぞれ構成してい
る。
【0062】本実施例にあっては、レンズ1を受け台6
2のレンズ受け台65の下面に接触保持して加工を行な
うと、レンズ1が研磨抵抗により回転を生じ、この力が
裏面1aを介して受け台62に伝達される。これにより
受け台62が同様に回転することで、ネジ部63の回転
運動により、ピストン68が保持枠60に対して下降す
る。これによって、油70は圧縮力を受け、ピストン6
8の下降量に応じた圧力でゴム膜61を押圧する。ゴム
膜61が押圧され、保持枠60の内部に突出すること
で、ゴム膜61がコバ部1bを締め付けるように動作す
る。一方、研磨が終了し、レンズ1の回転が停止する
と、ピストン68によって油70を押圧していた圧力が
解放され、押し出されていたゴム膜61が縮もうとし
て、逆に油70を介してピストン68を押し上げる。こ
れにより、コバ部1bを把持していたゴム膜61が拡が
り、レンズ1を離すことができる。
【0063】本実施例によれば、前記各実施例までと同
様な効果を得ることはもちろん、弾性材であるゴム膜6
1を介してレンズ1のコバ部1bを保持しているので、
バリ,カケなどの発生もなく、かつ、コバ部1bの全周
にわたって、環状に高い保持力を得ることができる。
【0064】
【実施例12】図21及び図22は本発明の実施例12
を示し、図21はワーク保持装置の断面図、図22は図
21のB−B線断面図である。本実施例の特徴は、レン
ズ1の回転から得られた力によって、ゴムローラ72を
回転させ、コバ部1bに対向して配置されたベルト73
を巻き取ることで、レンズ1を保持刷るように構成した
点である。
【0065】本実施例では、レンズ1を保持する保持枠
71の外周部に、摩擦係数が大きいポリウレタンなどの
ゴムローラ72が、固定ピン15により軸受である含油
メタル17を介して、回転自在に固定されている。ゴム
ローラ72には、伸縮性の小さいポリウレタン,ポリエ
ステルなどで構成されたベルト73が、その一端を固定
されている。このベルト73は、レンズ1のコバ部1b
を取り巻くように保持枠71の内部に配置され、その他
端は、ベルト73の位置を固定して支えるために保持枠
71に植設したベルト支持ピン74につながれ、これを
介して、保持枠71に固定されている。また、保持枠7
1の内部上面には、ポリウレタン,シリコンなどの弾性
材からなる受け台75が配設され、接触によるレンズ1
のキズを防ぎ、かつ研磨荷重などによるレンズの変形を
防止しつつ、レンズ1を保持枠71内に保持し得るよう
になっている。
【0066】本実施例によると、保持枠71は保持体本
体を、ベルト73はレンズ1の側面1bを保持するワー
ク側面保持手段を、ゴムローラ72は保持体本体とレン
ズ1との回転数の差をレンズ1側面1bを保持する保持
力に変換する変換手段と、変換手段からの保持力をワー
ク保持手段に伝達する伝達手段とを兼ねているものであ
る。
【0067】本実施例にあっては、レンズ1を保持ワー
ク71内に挿入して加工を行なうと、レンズ1が研磨抵
抗により回転を生じ、この回転がコバ部1bに接触して
いるゴムローラ72を介してベルト73に伝達される。
すなわち、ゴムローラ72が回転すると、ゴムローラ7
2につながれていたベルト73がゴムローラ72に引っ
張られ、図中のE方向に巻きとられる。ところがベルト
73の反対側は、ベルト支持ピン74によって固定され
ているため、ベルト73が創成する円が徐々に小さくな
り、コバ部1bと接触してレンズ1を締め付ける。一
方、研磨が終了し、レンズ1の回転が停止すると、回転
により巻き取ることでコバ部1bを締め付けていたベル
ト73が緩み、レンズ1を離すことができる。
【0068】本実施例によれば、前記各実施例までと同
様な効果を得ることはもちろん、簡易な構成でコバ部1
bの全周にわたって、環状に高い保持力を得ることがで
きる。
【0069】
【実施例13】図23は、本発明の実施例13のワーク
保持装置のレンズ保持部の横断面図である。本実施例の
特徴は、レンズ1の回転から得られた力によって、ゴム
ローラ77を回転させ、コバ部1bに対向して配置され
た押圧部78によりレンズ1を挟持するように構成した
点である。
【0070】本実施例では、レンズ1を保持する保持枠
71の外周部に、摩擦係数が大きいポリウレタンなどか
らなる一対のゴムローラ77a,77bが、それぞれ固
定ピン15によって回転自在に取付けられている。一方
のゴムローラ77aは、レンズ1のコバ部1bと接触す
るように配置され、他方のゴムローラ77bは、一方の
ゴムローラ77aにのみ接触するように配置されてい
る。ゴムローラ77a,77bには、ゴムローラ77
a,77bと連動して回転するアーム79がそれぞれに
取り付けられており、アーム79の先端には、ポリウレ
タンなど摩擦力の高い押圧部78が接着などによってそ
れぞれ固着されている。
【0071】本実施例によると、保持枠71は保持体本
体を、押圧部78はレンズ1の側面1bを保持するワー
ク側面保持手段を、ゴムローラ77aは保持体本体とレ
ンズ1との回転数の差をレンズ1の側面1bを保持する
保持力に変換する変換手段を、アーム79は変換手段か
らの保持力をワーク保持手段に伝達する伝達手段を構成
している。
【0072】本実施例にあっては、レンズ1を保持枠7
1に挿入して加工を行なうと、レンズ1が研磨抵抗によ
り回転を生じ、この回転がコバ部1bに接触しているゴ
ムローラ77aを回転させる。さらにこの回転は、隣接
するゴムローラ77bにも伝達される。これにより、レ
ンズ1と接触しているゴムローラ77aはレンズ回転方
向Lとは逆方向に回転を生じ、ゴムローラ77aと接触
しているゴムローラ77bはレンズ回転方向Lと同方向
に回転を生じる。よって、ゴムローラ77a,77bに
取り付けたそれぞれのアーム79は、互いのゴムローラ
77a,77bが逆転するため、互いに近接するように
矢印G方向に回動する。よって、それぞれのアーム79
の先端に固着された押圧部78は、互いに近接し、コバ
部1bを両者で挟持してレンズ1を締め付け保持する。
一方、研磨が終了し、レンズ1の回転が停止すると、回
転により挟持してコバ部1bを締め付けていた押圧部7
8が緩み、レンズ1を離すことができる。
【0073】本実施例によれば、前記実施例までと同様
な効果を得ることはもちろん、簡易な構成で高い保持力
を得ることができる。
【0074】
【実施例14】図24及び図25は本発明の実施例14
を示し、図24はレンズ保持部の横断面図、図25は図
24の一部拡大図である。本実施例の特徴は、レンズ1
の回転から得られた力によって、押圧部80を保持した
バネ材81をたわませることで押圧部80をコバ部1b
に押し付けてコバ部1bを挟持するように構成した点で
ある。
【0075】本実施例では、レンズ1を保持する保持枠
82に、その内径部に開口した溝部83が、内径全周に
わたって複数個形成され、その溝部83内には、それぞ
れ摩擦係数が大きいポリウレタンなどからなる押圧部8
0が、レンズ1のコバ部1bに接触するようにバネ材8
1を介して固定されている。バネ材81は、保持枠82
に埋め込まれるように固定されており、取り付け位置で
ある溝部83の壁面とは、傾斜角度αを有して取り付け
られている。すなわち、バネ材30の固定位置は、押圧
部80とコバ部1bとの接点1cを基準にして、レンズ
回転方向Lの側に設けてある。かかる押圧部80とバネ
材81によるワーク側面保持手段においては、レンズ1
外周上に多く配置すればするほど、保持力は大きくなる
ことは明らかである。
【0076】本実施例によると、保持枠82は保持体本
体を、保持枠82に備えられたバネ材81とバネ材81
に備えられた弾性体押圧部80は、レンズ1の側面1b
を保持するワーク側面保持手段及び保持体本体とレンズ
1との回転数との差をレンズ1の側面1bを保持する保
持力に変換する変換手段及び変換手段からの保持力をワ
ーク保持手段に伝達する伝達手段とを兼ねているもので
ある。
【0077】本実施例にあっては、レンズ1を保持枠8
2に挿入して加工を行なうと、レンズ1が研磨抵抗によ
り回転を生じ、この回転がコバ部1bに接触している押
圧部80を図25に示すように、レンズ1の回転方向L
へ引きずり込む。すなわち、コバ部1bと押圧部80と
の摩擦力Fにより、バネ材81の固定部を中心とする回
転モーメントが生じ、バネ材81をたわませて、押圧部
80をレンズ1の回転方向Lに引きずり込む。よって、
それぞれのバネ材81がたわむことで、この反力がコバ
部1bを押さえる力として作用し、レンズ1を締め付け
保持する。一方、研磨が終了し、レンズ1の回転が停止
すると、回転により挟持してコバ部1bを締め付けてい
た押圧部80が緩み、レンズ1を離すことができる。
【0078】本実施例によれば、前記各実施例までと同
様な効果を得ることはもちろん、バネ材の材質、長さの
設定だけで、保持力を調整でき簡易な構成で高い保持力
を得ることができる。
【0079】
【実施例15】図26から図28は本発明の実施例15
を示し、図26は断面図、図27はレンズ枠部分を下か
ら見た端面図、図28はレンズ加工時を示す斜視図であ
る。図26において、85はハウジングで、レンズ研磨
機本体側86(図28参照)に取り付けられている。ハ
ウジング85には、保持体本体2が回転自在に取り付け
られている。
【0080】保持体本体2は、回転軸87とレンズ1の
受け台88と外枠89とレンズ1の保持枠90とから構
成されている。回転軸87は、上下一対の軸受(ベアリ
ング)91を介してハウジング85に回転自在に取り付
けられている。一対の軸受91は、その間にカラー92
が設けられ、Cリング93によってハウジング85に保
持されている。回転軸87の軸心部には、図示を省略し
た吸引ポンプに連通する通孔87aが設けられており、
この通孔87aは、回転軸87の下側において4方向に
分岐して回転軸87の下面に開口されている。また、回
転軸87の下面には、その軸心部に円錐状の凹部87b
が形成されている。
【0081】受け台88上面の軸心部には、円錐状の凹
部88bが形成されており、この凹部88bと回転軸8
7の凹部87bとの間に鋼球94を介在させ、受け台8
8が回転軸87に対して傾動自在に支持されている。受
け台88のレンズ1を受ける受け面88cは、レンズ1
の裏面1bの曲率とほぼ等しい球面に形成されている。
また、受け台88内には、上面と受け面88cに開口し
た4本の孔88aが軸と平行に設けられており、この孔
88aと上記通孔87aとは、回転軸87下面と受け台
88上面との間に設けたVリング95を介して連通され
ている。
【0082】外枠89は、回転軸87の最外周部に嵌め
込むように連結され、その下端部にて受け台88係止し
得るように形成されており、受け台88が回転軸87か
ら離脱しないように保持している。
【0083】保持枠90は、受け台88の外周側面部に
ネジ等により、その下部が受け台88の受け面88cか
ら突出した状態で固定されている。受け面88cから突
出している保持枠90の内周面は、その内径が大きく形
成され、その部分に弾性体96が貼り付けられている。
【0084】弾性体96は、レンズ1のコバ部1bを保
持するもので、ウレタン樹脂、合成ゴム等の材質で形成
されている。弾性体96は、図27に示すように、リン
グ状に形成され、その内周面には、径方向に対して斜め
に、かつレンズ1の回転方向Lに対して反対方向に傾斜
するように溝入れして形成した数多くの突起部96aが
設けられている。
【0085】次に、レンズ1の保持方法を説明する。ま
ず、レンズ1を、弾性体96の突起部96aの向きにな
らった矢印E方向(図27参照)に回し込みながら、吸
引ポンプ(図示省略)の駆動により、通孔87a,孔8
8aを介して吸引し、受け台88の受け面88cに吸着
保持させる。
【0086】次に、図28に示すように、保持体本体2
の下方に配置した工具97に研削液供給パイプ98から
研削液を供給しながら、レンズ1を工具97に押圧し
て、モータ97に押圧して、モータ99を高速回転駆動
させながらレンズ1の加工を開始する。
【0087】加工が開始されると、高速回転する砥石9
7の回転方向(矢印F方向)と同じ方向に、レンズ1と
保持体本体2が一体となって回転する。この時、工具9
7は、上方からみて反時計回り(矢印F方向)に回転す
るから、保持体本体2は、工具97の周速の速い外寄り
の部分の回転が影響して、上方向からみて反時計回り
に、すなわち、保持体本体2の下方からみて時計回りに
回転することになる(図27参照)。この時、レンズ1
が保持体本体2の回転に抗して保持枠90内で回転すべ
りを起こそうとする方向に対して、弾性体96の突起部
96aがレンズ1の回転すべりを制御する方向に働くこ
とになる。これにより、レンズ1と保持体本体2との相
対的な回転がなくなる。
【0088】加工終了後、工具97を高速回転させたま
ま、保持体本体2を上昇させ、工具97からレンズ1を
離脱する。そして、吸引ポンプの駆動を停止して、レン
ズ1の吸引をやめ、弾性体96の突起部96aの向きに
ならった方向にレンズ1を回転しながら取り外す。
【0089】本実施例によると、保持体本体2は、回転
軸87,受け台88,外枠89及び保持枠90からな
り、保持枠90に備えられた弾性体96は、レンズ1の
側面1bを保持する枠側面保持手段と、保持体本体2と
レンズ1との回転数の差をレンズ1の側面1bを保持す
る保持力に変換する変換手段と、変換手段からの保持力
を枠保持手段に伝達する伝達手段とを兼ねているもので
ある。
【0090】本実施例においては、エア等の吸引力によ
ってレンズ1の保持を補助した場合を説明したが、手動
研磨機等、吸引機構がなくても、弾性体96の保持力の
みで充分にレンズ1を保持できる。また、レンズ1の取
り外しの時に、エア等の排出力を用いて行なうことによ
り、レンズ1を弾性体96の突起部96aの方向になら
った方向に回すことなく取り外すことができる。
【0091】本実施例によれば、前記各実施例までと同
様な効果を得ることはもちろん、弾性体96の材質,形
状により保持力を調整でき、ごく簡単な構成で高い保持
力を得ることができる。
【0092】図29は、実施例15における弾性体96
の変形例を示す部分断面図である。図29は、弾性体9
6に形成した突起部96aの形状を変更した例を示して
おり、図29(a)は、レンズ1の回転方向Lと反対方
向に傾斜したラチェッ状の突起部96a,図29(b)
は、上記方向に傾斜した湾曲状の突起部96a,図29
(c)は、上記方向に傾斜し、その上面にR面を有する
T字状の突起部96aをそれぞれ形成して構成されてい
る。上記各変形例の弾性体96を用いて、レンズ1を実
施例15と同様に保持でき、また、同様の作用,効果を
得ることができる。
【0093】
【実施例16】図30及び図31は本発明の実施例16
を示し、図30はワーク保持装置の要部を示す断面図、
図31は図30を下方からみた端面図である。なお、ハ
ウジング、保持体本体を構成する回転軸、外枠等の構成
は、図26と同様であるので図示を省略してある。受け
台88の外周側面部には、保持枠90が実施例15同様
に、受け面88cから突出した状態でネジ等により連結
固定されている。保持枠90の受け台88から突出した
内周面、すなわち、保持したレンズ1のコバ部1bと対
向する部分は、コバ部1bと直接干渉しないように大径
に形成されている。
【0094】100は、外径受け部材で、レンズ1の外
径部1bにほぼ等しいR面を形成した板状部材101
と、R面部に貼付したウレタン樹脂、合成ゴム等からな
る弾性体102と、R面の反対側の面に斜めに取り付け
た棒状部材103とから構成されている。この外径受け
部材100は、棒状103のほぼ中央部をピン104等
によって、弾性体102がレンズ1のコバ部1bと対向
するように、保持枠90の下端面に複数個取り付けられ
るとともに、ピン104を中心として、ワーク軸と平行
な軸回りに回転自在に設けられている。
【0095】次に、レンズ1の保持方法を説明する。ま
ず、外径受け部材100のR面部がワーク軸中心から離
れる方向へ移動するように、ピン104を中心とした回
転運動を外径受け部材100に対して与えるようにし
て、レンズ1を回し込みながら、弾性体102に囲まれ
た部分に挿入する。すなわち、図31において、外径受
け部材100がピン104を中心に反時計回りに回転移
動するように、レンズ1を時計回りに回し込む。そし
て、吸引ポンプ(図示省略)の駆動により、通孔87a
(図26参照)、孔88aを介して吸引し、レンズ1の
裏面1aを受け台88の受け面88cに吸着保持させ
る。
【0096】以下、実施例15と同様な手順によりレン
ズ1の加工を開始すると、実施例15で説明した同様の
原理で、保持体本体2は下方からみて時計回りに回転す
る(図31参照)。この時、レンズ1が保持体2の回転
に抗して、保持枠90内で回転すべりを起こそうとする
と、すなわちレンズ1が保持枠90に対して反時計回り
に回転しようとすると、レンズ1のコバ部1bと弾性体
102間の摩擦力により、外径受け部材100はピン1
04を中心に時計回りに回転しようとする。このため、
弾性体102は、レンズ1のコバ部1bを押し付ける方
向に移動するので、レンズ1の回転すべりを制御する力
がレンズ1に作用することになる。
【0097】加工終了後は、実施例15と同様な手順に
より、レンズ1の吸引を停止させながら、レンズ1を保
持枠90に装着したときと同じ方向に回転(時計回り)
に回しながら取り外すことができる。
【0098】本実施例によると、保持体本体は、実施例
15と同様に回転軸、受け台88、外枠及び保持枠90
とからなり、保持枠90に備えられた外径受け部材10
0と外径受け部材100に備えられた弾性部材102
は、レンズ1の側面1bを保持するワーク側面保持手段
と、保持体本体とレンズ1との回転数の差をレンズ1の
側面1bを保持する保持力に変換する変換手段と、変換
手段からの保持力をワーク保持手段に伝達する伝達手段
とを兼ねているものである。
【0099】また、上記構成において、図32に示すよ
うに、外径受け部材100の棒状部材103の先端にお
いて、バンド状の弾性帯105をややきつめに巻いてお
くことにより、レンズ1の保持枠90との着脱の際に、
弾性帯105を図32で反時計回りに回すことで、弾性
体102で囲まれる空間が広がり、レンズ1自体を回し
込んで着脱する必要がなくなる。
【0100】本実施例においては、前記各実施例までと
同様な効果を得ることはもちろん、外径受け部材100
のてこの作用により、レンズ1の回転すべり防止効果が
さらに高まる。さらに、外径受け部材100の交換によ
って、径の異なるレンズ1に対しても適用することがで
きる。
【0101】図33は、実施例16における外径受け部
材100の変形例を示す正面図である。図33は、板状
部材101を平板状に形成し、この板状部材101に、
図33(a)は、平板状の弾性部材102を、図33
(b)は、レンズ1のコバ部1bと接する面に溝106
を形成した平板状の弾性部材102を、図33(c)
は、レンズ1の外径部とほぼ等しいR面を形成した弾性
部材102を、それぞれ貼り付けて構成されている。上
記各変形例の外径受け部材100を用いて、レンズ1を
実施例16と同様に保持でき、また、同様の作用,効果
を得ることができる。
【0102】
【発明の効果】以上のように、本発明のワーク保持方法
および装置によれば、ワークがワーク保持体本体に対し
てすべりが生じると、そのすべりに応じてワークの側面
を保持する力が発生するので、研磨抵抗力に応じて安定
した保持力を得てレンズのスリップ現象がなくなると同
時に、ワークの着脱が簡単になり、高品質の成形品が得
られるとともに、作業性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のワーク保持装置の右半分を
断面にした正面図である。
【図2】実施例1のレンズを保持する構成の説明図であ
る。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】本発明の実施例2のワーク保持装置の右半分を
断面にした正面図である。
【図5】実施例2のレンズを保持する構成の説明図であ
る。
【図6】本発明の実施例3のワーク保持装置の右半分を
断面にした正面図である。
【図7】実施例3のゴムローラの斜視図である。
【図8】実施例3のレンズを保持する構成の説明図であ
る。
【図9】図8の一部拡大図である。
【図10】実施例3のレンズに作用する保持力の説明図
である。
【図11】本発明の実施例4のワーク保持装置の右半分
を断面にした正面図である。
【図12】本発明の実施例5のワーク保持装置の右半分
を断面にした正面図である。
【図13】実施例5のレンズを保持する構成の説明図で
ある。
【図14】本発明の実施例6におけるゴムローラの回転
中心の偏心位置を示す説明図である。
【図15】本発明の実施例7のワーク保持装置の要部を
示す断面図である。
【図16】本発明の実施例8のワーク保持装置の右半分
を断面にした正面図である。
【図17】図16のA−A線断面図である。
【図18】本発明の実施例9のワーク保持装置の要部を
示す断面図である。
【図19】本発明の実施例10のワーク保持装置の右半
分を断面にした正面図である。
【図20】本発明の実施例11のワーク保持装置の右半
分を断面にした正面図である。
【図21】本発明の実施例12のワーク保持装置の断面
図である。
【図22】図21のB−B線断面図である。
【図23】本発明の実施例13のワーク保持装置におけ
るレンズ保持部の横断面図である。
【図24】本発明の実施例14のワーク保持装置におけ
るレンズ保持部の横断面図である。
【図25】図24の一部拡大図である。
【図26】本発明の実施例15のワーク保持装置の断面
図である。
【図27】図26を下方からみた端面図である。
【図28】レンズを保持して加工中の斜視図である。
【図29】実施例15における弾性体の変形例を示す部
分断面図である。
【図30】本発明の実施例16のワーク保持装置の要部
を示す断面図である。
【図31】図30を下方からみた端面図である。
【図32】図30に他の構成を付加した端面図である。
【図33】実施例16における外径受け部材の変形例を
示す正面図である。
【図34】従来のワーク保持装置の断面図である。
【図35】従来のワーク保持装置の底面図である。
【符号の説明】
1 レンズ 1b コバ部 4,25,40,53,60,71,82,90 保持
枠 5,51,62,88 受け台 14,20,26,72,77 ゴムローラ 15 固定ピン 42 ゴム球 73 ベルト 96 弾性体 100 外径受け部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 真司 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 高橋 裕一郎 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中野 忠博 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 高橋 紀昭 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 牛山 一雄 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの側面を保持するワーク側面保持
    手段を備えた保持体本体とワークとの回転数の差を、変
    換手段によってワークの側面を保持する保持力に変換
    し、この保持力を、伝達手段によってワーク側面保持手
    段に伝達し、上記保持手段により、保持体本体とワーク
    の回転数とが同じになるよう、保持体本体に対してワー
    クを保持することを特徴とするワーク保持方法。
  2. 【請求項2】 ワークの側面を保持するワーク側面保持
    手段と、ワーク側面保持手段を備えた保持本体と、保持
    体本体とワークとの回転数の差を、ワークの側面を保持
    する保持力に変換する変換手段と、変換手段からの力を
    ワーク保持手段に伝達する伝達手段とを有することを特
    徴とするワーク保持装置。
  3. 【請求項3】 ワーク加工面とは反対側の面を支持する
    保持体本体と、保持体本体とワークとの回転数の差に基
    づいてワークの側面を押圧して保持するように偏移(ワ
    ークの装着時の位置より偏らせる)する、ワーク側面保
    持手段としてのワーク側面支持体とを有し、ワークの加
    工面を加工する際には、上記側面支持体を偏移させ、ワ
    ークを保持体本体に保持することを特徴とするワーク保
    持装置。
  4. 【請求項4】 ワークの加工面とは反対側の面を支持す
    る保持体本体と、保持体本体とワークとの回転数の差に
    基づいてワークの側面を押圧して保持するように変形す
    る、ワーク側面保持手段としてのワーク側面支持体とを
    有し、ワークの加工面を加工する際には、上記側面支持
    体を変形させ、ワークを保持体本体に保持することを特
    徴とするワーク保持装置。
JP36216292A 1992-12-25 1992-12-25 ワーク保持方法および装置 Pending JPH06190704A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36216292A JPH06190704A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 ワーク保持方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36216292A JPH06190704A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 ワーク保持方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06190704A true JPH06190704A (ja) 1994-07-12

Family

ID=18476117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36216292A Pending JPH06190704A (ja) 1992-12-25 1992-12-25 ワーク保持方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06190704A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1988005475A1 (en) * 1987-01-20 1988-07-28 Terumo Kabushiki Kaisha Porous polypropylene membrane and process for its production
JP2009202263A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Olympus Corp 保持具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1988005475A1 (en) * 1987-01-20 1988-07-28 Terumo Kabushiki Kaisha Porous polypropylene membrane and process for its production
JP2009202263A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Olympus Corp 保持具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0988931A2 (en) Carrier and polishing apparatus
US8312607B2 (en) Impeller installation tool
EP1205280B1 (en) Wafer polishing method and wafer polishing device
US6497022B1 (en) Pipe end burnishing tool with floating surfaces technical field
JPH06190704A (ja) ワーク保持方法および装置
KR20200001365A (ko) 화학적 기계적 연마 장치의 리테이너 링
CN108942746B (zh) 一种轴向快拆夹盘、组件和轴向夹紧装置及其使用方法
KR100513139B1 (ko) 연마디스크 구동장치
US4950346A (en) Method of forming an adaptor fitting around a workpiece
KR100374846B1 (ko) 볼밸브용 볼 연마장치
KR20050030080A (ko) 광 화이버 커넥터 연마 장치
CN217225008U (zh) 一种可稳定夹持物料的打磨抛光机
CN216265139U (zh) 打磨装置与打磨快换组件
JPH06328355A (ja) レンズ保持装置
JP2003175444A (ja) フェルールの外径研削装置
JPH07164298A (ja) レンズ保持装置
CN217890602U (zh) 一种封头用双面抛光装置
JPH05329761A (ja) ワーク保持方法および装置
KR960015353B1 (ko) 소형모터의 축기어압입장치
KR102291638B1 (ko) 연마패드 장착용 그라인더 홀더
JP2000225556A (ja) ウェーハ研磨ヘッド、ウェーハ研磨装置ならびにウェーハの製造方法
JP2722041B2 (ja) 石留め装置
JP2000326186A (ja) ベルト駆動回転付与方式硬脆材円筒形状品の研削方法
JP3171434B2 (ja) フェルールの研削方法
JPH06328357A (ja) レンズ保持方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020820