JP5023962B2 - 作業評価装置、作業評価方法、及び、作業評価プログラム - Google Patents

作業評価装置、作業評価方法、及び、作業評価プログラム Download PDF

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Description

本発明は、製品の組立・分解に掛かる作業量を評価する作業評価装置に関し、特に、作業量を定量的に評価する作業評価装置等に関する。
製品の組立性・分解性を定量的、客観的に評価し、視覚的に評価するための仕組みとして、特許文献1ないし3の技術が存在する。
特許文献1に示す技術は、細かな動作分析をせずに部品の形状や重量から製品の組立工数と組立し易さを算出できる技術であり、各製品毎の製品構成部品の組立時の作業の種類に応じた評価項目およびこの各評価項目に対応する作業時間値が記憶されたデータベース、少なくとも前記製品名を特定するための製品特定入力情報ならびに前記組立時の作業の種類に応じた評価項目を選択するための選択情報が入力可能な入力手段、入力手段により入力された選択情報に基づく評価項目および各評価項目に対応する作業時間値ならびに組立工数を表示する表示手段、入力手段からの製品特定入力情報ならびに選択情報が入力されたとき、データベースの中から該入力情報を読出し、選択情報に基づいてなされた選択された評価項目の作業時間値の累計値に基づき組立工数を算出し、表示手段に出力する演算制御手段を具備したものである。
特許文献2に示す技術は、製品毎に応じた評価指標を用いて精度高く、信頼性の向上した組立作業及び解体作業の評価を行なう技術であり、標準データベースに、製品の部品構成を読み込むための環境と、部品情報を設定するための環境と、組立作業及び解体作業の各要素を設定するための環境と、組立作業及び解体作業のうち所望の作業要素を一括して選択するための環境と、組立作業及び解体作業の評価結果を設定するための環境と、不具合情報をシミュレーション結果から読み込む環境と、評価結果と不具合情報との関連付けを行なう環境とを格納し、組立作業及び解体作業を評価するに用いる評価指標を追加、削除、変更し、当該評価指標を用いて製品の組立作業及び解体作業のシミュレーションを行なって工数、難度、評価点を算出する技術である。
特許文献3に示す技術は、組立性・分解性を定量的、客観的に評価でき、視覚的に容易に認識できる技術であり、3次元データから当該製品を構成する各部品の部品名データを入力する入力手段と、各部品毎に部品名、部品プロパティ、作業内容及び評価ファクターが対応づけられて格納されているデータベース手段と、入力された部品名データ毎に各部品の部品プロパティ及び作業内容をデータベースから読み出して設定する部品情報取得手段と、設定された部品プロパティ及び作業内容に対応する評価ファクターをデータベースから読み出し、各部品毎に組立・分解の難易度に応じた評価点を算出する評価算出手段と、算出された評価点に応じた配色に各部品の画像データを編集する評価結果編集手段とを含む演算処理手段と、編集済の各部品のデータを3次元データファイルに出力する出力手段とを備えるものである。
特開平8−287127号公報 特開2004−29958号公報 特開2005−275945号公報
特許文献1ないし3に示す技術は、組立に使用する各部品に対して、部品名に対応した部品のプロパティ(質量、寸法、材質など)と作業内容に対応した評価ファクターをデータベース化し、各部品毎に組立・分解の難易度を評価点として算出し、その難易度値に応じて部品の色表示を切り替える仕組みである。
しかしながら、一般に製品の組立作業においては、製品の組立状態に応じて作業量、難易度が変化していくもので、組立状態に関わらず一意に部品のプロパティと作業内容だけで決まるものではない。つまり、製品が組み上がっていく状態に応じて、同じ組立作業内容であっても新たに組み付ける部品の組立作業量と難易度は変化するものである。例えば、部品Aと部品Bとの組み付け作業では作業量をX、難易度をαとした場合、組み上がった部品Aと部品Bは新たな部品Cの状態であり、この部品Cと部品Dの組み付け段階では、部品Dの組み付け作業量、難易度はデータベース化された部品プロパティと作業内容では決められず、新たに作業量及び難易度が計算されるべきである。
つまり、作業量Y、難易度βとして求める必要があり、製品組立工程段階毎に、その段階のアッシー状態と新たに組み付ける部品との間の組み付け作業量と難易度を正確に評価されるべきである。従って、特許文献1ないし3に示すような評価方式では定量的、客観的な評価が出力されるとあるが、あくまで概算結果であり正確な評価結果とはいえないという課題を有する。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、作業工程ごとに、その時点で複合されている部品(アッシー状態)での作業量を運動エネルギーで算出し、人間の代謝エネルギーから作業工数や生産性を評価する作業評価装置、作業評価方法、及び、作業評価プログラムを提供することを目的とする。
作業評価装置の特徴は、製品の組立・分解に掛かる作業量を定量的に評価する作業評価装置において、前記製品を構成する部品の特性に関する情報を格納する部品情報データベースと、前記部品情報データベースに格納されている各部品について、当該部品から前記製品を組み立てる場合の前記部品の移動距離、角速度及び/又は移動時間、並びに、前記部品の質量に基づいて、前記製品を構成する単一部品が組み合わされた複合部品に対する移動作業、組立作業及び/又は分解作業に要する運動エネルギー量を、当該作業を構成する作業工程ごとに算出する運動エネルギー算出手段と、前記運動エネルギー算出手段が算出した運動エネルギー量を、人間が1日に消費する代謝エネルギーのうち前記作業に要する予め設定された代謝エネルギー、又は、機械が1日に行う予め設定された仕事量で除算して、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出する作業工数算出手段とを備えることである。
このように、本作業評価装置においては、複合部品を少なくとも含む移動作業、組立作業、及び/または、分解作業に要する運動エネルギー量に基づいて作業工数を算出するため、作業工程ごとに製品の組立状態(アッシー状態)に応じて正確な運動エネルギー量を算出することができるという効果を奏する。つまり、製品の組立においては、上記でも示したように、組立状態に応じて作業工程ごとに作業に要するエネルギー量が変化する。例えば、アッシー状態の複合部品を移動させる場合と単一の部品を移動させる場合とでは、複合部品を移動させる場合のほうが運動エネルギーを多く要する。このようなエネルギー量の変化に対応して作業工数を算出することで、正確な作業工数を割り出すことが可能となり、スケジューリングや作業計画等の精度を上げることができる。
また、製品の組立・分解に掛かる作業工数を運動エネルギー算出手段にて算出された運動エネルギー量及び人間の代謝エネルギー量に基づいて算出するため、実際に人間が消費する代謝エネルギー量に基づき、正確な作業工数を算出することができるという効果を奏する。
作業評価装置の特徴は、前記作業工程別に、当該作業工程を行うのに要する平均代謝エネルギーを作業者ごとに格納する作業工程別作業者情報データベースと、前記運動エネルギー算出手段が算出した前記作業工程ごと運動エネルギー量を、前記作業工程別作業者情報データベースに格納された前記作業工程に係る作業者の前記平均代謝エネルギーで除算して前記作業者の作業工程ごとの作業工数を算出する作業者別作業工数算出手段を備えることである。
このように、本作業評価装置においては、作業工程ごとに算出された運動エネルギー量、及び、作業工程を実行する作業者の1日あたりの代謝エネルギー量から算出した作業工程ごとの代謝エネルギー量に基づいて、作業者の作業工程ごとの作業工数を算出するため、どの作業者がどの作業工程を行うと効率よく作業が行われるかを判断して、適切なスケジューリングを行うことができるという効果を奏する。
作業評価装置の特徴は、作業工程ごとに作業者の熟練度、及び、経験年数の少なくとも一の情報に基づいて作業難易度を設定する作業者別作業難易度設定手段を備え、前記作業者別作業工数算出手段が、設定された前記作業難易度をパラメータとして、当該作業者の作業工程ごとの作業工数を補正して算出することである。
このように、本作業評価装置においては、作業工程ごとに作業者の熟練度、及び、経験年数の少なくとも一の情報に基づいて作業難易度を設定するため、作業工程に応じて作業者の得て不得手を難易度により調整して、効果的なスケジューリングや人員配置を行うことができるという効果を奏する。
作業評価装置の特徴は、前記作業工程における作業動作ごとに、部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、当該作業工程における作業動作数、作業動作精度、及び、作業動作で使用する工具の種類の少なくとも一に基づいて作業難易度を設定する作業難易度設定手段を備え、前記作業難易度設定手段が設定した作業難易度に基づいて、前記運動エネルギー算出手段が運動エネルギー量を補正して算出することである。
このように、本作業評価装置においては、作業工程における作業動作ごとに、部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、当該作業工程における作業動作数、作業動作精度、及び、作業動作で使用する工具の種類の少なくとも一に基づいて作業難易度を設定する作業難易度設定手段を備え、設定された作業難易度に基づいて、運動エネルギー算出手段が運動エネルギー量を補正して算出するため、作業工程ごとに製品の組立状態に応じて難易度が設定され、正確な運動エネルギー量を算出することができるという効果を奏する。つまり、部品の難易度は部品ごとに設定されていても、組立状態に応じて作業工程ごとに作業の難易度は変化する。例えば、アッシー状態の複合部品を移動させる場合と単一の部品を移動させる場合とでは、複合部品を移動させる場合のほうが、難易度が高い場合が多い。このような作業ごとの難易度の変化に応じて作業工数を算出することで正確な作業工数を割り出すことが可能となり、スケジューリングや作業計画等の精度を上げることができる。
また、様々な条件に基づいて正確な作業難易度の設定を行うことができるため、難易度が正確に設定され、スケジュールや作業計画の精度を上げることができるという効果を奏する。
作業評価装置の特徴は、DMUシステムから出力され、前記製品を構成する単一の部品を複数組み立てて複合する場合の組み合わせのパターンである複合パターンを抽出するパターン抽出手段と、前記パターン抽出手段が抽出したパターンから、組み立てることが不可能である複合パターンを抽出する不可能パターン抽出手段と、前記パターン抽出手段が抽出した複合パターンから前記不可能パターン抽出手段が抽出した複合パターンを除く複合パターンごとに作業工数を算出し、当該作業工数が最小となる複合パターンを決定する作業パターン決定手段とを備えることである。

このように、本作業評価装置においては、複合パターンごとに作業工数を算出し、当該作業工数が最小となる複合パターンを決定し、決定した複合パターンに基づいて作業を進めることで、作業に要する時間を最小限に抑えることができ、作業効率を上げることができるという効果を奏する。
これまで、本発明を装置として示したが、所謂当業者であれば明らかであるように本発明をシステム、方法、及び、プログラムとして捉えることもできる。これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
本実施の形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はシステム、方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
(本発明の第1の実施形態)
(1.構成)
本実施形態に係る作業評価装置は、デジタル・モックアップ(以下、DMUとする)を利用した装置である。
(1−1 ハードウェア構成)
図1は、本実施形態に係る作業評価装置のハードウェア構成図である。作業評価装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、フラッシュメモリ(Flash memory)104、外部記憶装置であるHD(Hard disk)105、LAN(Local Area Network)カード106、マウス107、キーボード108、ビデオカード109、このビデオカード109と電気的に接続する表示装置であるディスプレイ109a、サウンドカード110、このサウンドカード110と電気的に接続する音出力装置であるスピーカ110a及びフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体を読み書きするドライブ111からなる。
なお、上記ハードウェア構成はあくまで一例を示したものであり、構成要素の変更をすることができるのは当然である。
また、作業評価装置1は、DMU装置と一体的な装置としてもよいし、別々の装置としてもよい。別々の装置とした場合には、例えば、DMU装置と上記LANカード106を介して相互に通信可能な状態として実施するようにしてもよい。
(1−2 モジュール構成及び機能)
図2は、本実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。ここでは、作業評価装置1が、DMUシステムの機能を有するものである。つまり、作業評価装置1とDMU装置を一体的な装置とする。作業評価装置1は、作業工程別評価処理部201と、入力処理部202と、出力処理部203と、部品情報DB204と、DMUシステム205とを備える。さらに、作業工程別評価処理部201は、入力/出力制御部210と、運動エネルギー算出手段としての部品移動エネルギー算出処理部220及び組立・分解エネルギー算出処理部240と、作業工数算出手段としての組立・分解作業工数算出処理部250とを備える。
入力処理部202は、処理に必要な情報を入力する処理を行う。例えば、部品の移動(作業)距離や部品の移動(作業)時間や基準作業難易度である。部品の移動(作業)距離は部品が(作業により)実際に移動する距離であり、部品の移動(作業)時間は部品の移動や作業に要する時間である。基準作業難易度とは、作業工程ごとに設定する難易度のことであり、作業者の経験や感覚により難易度を設定する場合に入力する。
出力処理部203は、作業工程別評価処理部201が行った評価結果に関する情報を出力する処理を行う。評価結果に関する情報とは、例えば、作業に必要な工数や生産性の情報である。これらの情報は画面表示や紙に印刷して出力される。
部品情報DB204は、部品に関する情報を格納するデータベースである。部品に関する情報には、例えば、部品番号、部品名、部品の質量、材料、及び、使用工具等の情報が含まれる。
DMUシステム205は、製品の組立における部品の内部構造や外観を検討するためにシミュレーションするシステムである。DMUシステムは周知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
入力/出力制御部210は、入出力に関する処理を制御する処理を行う。
部品移動エネルギー算出処理部220は、部品の移動の際に発生する運動エネルギーを算出する処理を行う。具体的には、部品が置いてある元の位置からレイアウト位置までの移動による運動エネルギーと、レイアウト位置から作業地点までの移動による運動エネルギーの総和を算出する。
組立・分解エネルギー算出処理部240は、部品の組立や分解の際に発生する運動エネルギーを算出する処理を行う。
組立・分解作業工数算出処理部250は、各作業工程に要する運動エネルギー量の総和及び人間の代謝エネルギー量に基づいて、作業工数を算出する処理を行う。
なお、作業工数は作業工程ごとに個別に算出するようにしてもよい。また、人間の代謝エネルギー量は、統計的な数値を使用してもよいし、実際に測定した数値を使用してもよい。
(2.動作)
図3及び図4は、本実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。ステップS302からステップS306の処理までは、組み立て部品の全てに対して処理が完了するまで繰り返して行われる(ステップS301)。全部品について処理が完了したかどうかを判定し(ステップS302)、完了していなければ、部品の移動元位置からレイアウト位置までの入力された移動距離と移動時間を取得し(ステップS303)、部品レイアウト位置までの移動エネルギーを計算する(ステップS304)。次に、部品レイアウト位置から組立作業地点までの移動距離と移動時間を取得し(ステップS305)、組立作業地点までの移動エネルギーを計算する(ステップS306)。ここまでの処理が完了したら、ステップS301に戻って、全ての部品について処理が完了するまで同様の処理を繰り返す。全ての部品について処理が完了したら、全部品の組立作業地点までの移動エネルギーの総和を計算する(ステップS307)。
移動エネルギーの総和を計算したら、作業地点での最初の部品の移動距離、移動時間及び作業工程ごとの基準作業難易度を設定し(ステップS308)、最初の部品の移動エネルギーを計算する(ステップS309)。図4のステップS311からステップS316の処理までは、作業工程の全てに対して処理が完了するまで繰り返して行われる(ステップS310)。全作業工程について処理が完了したかどうかを判定し(ステップS311)、完了していなければ、任意の一の作業工程に使用する部品の質量を取得する(ステップS312)。組立作業地点での部品(アッシー)の移動距離と移動時間から移動速度を算出する(ステップS313)。基準作業難易度と部品(アッシー)の移動対象となる質量の合計値から運動エネルギーを算出する(ステップS314)。当該作業工程における運動エネルギー量を合計し(ステップS315)、現作業工程の作業工数を人間の代謝エネルギーから算出する(ステップS316)。ここまでの処理が完了したら、ステップS310に戻って、全の作業工程について処理が行われるまで同様の処理を繰り返す。全ての作業工程について処理が完了したら、全作業工程の運動エネルギー量の総和を算出する(ステップS317)。運動エネルギー量の総和値と人間の平均代謝エネルギー量から、全作業工程の作業工数を算出する(ステップS318)。算出した各組立・分解工程別エネルギー情報を表示して(ステップS319)、処理を終了する。
(3.処理動作の詳細)
(3−1 移動による運動エネルギー量の算出)
上記作業評価装置の動作について、具体例を挙げて説明する。図5は、各部品を元の位置から部品レイアウト位置、組立作業地点までの移動(運搬)作業における運動エネルギーの計算処理を示す模式図である。部品は、部品1、部品2、部品3、及び、部品4の4部品とし、各部品を各部品の元位置510からレイアウト位置520まで移動させ、レイアウト位置520から作業地点530に移動させる。
この場合、元位置510からレイアウト位置520までの各部品の移動による合計の運動エネルギーExは、
となり、また、レイアウト位置520から作業地点530までの各部品の移動による合計の運動エネルギーEyは、
となる。式(1)、(2)において、Xm、Xnは部品の移動時間、Tm、Tnは部品の移動距離、Vm、Vnは部品の移動速度、mは部品の重量である。つまり、各部品1〜4の元位置510から作業地点530までの移動に要する運動エネルギーの総和は、Ex+Eyで算出される。
(3−2 作業地点での作業による運動エネルギー量の算出)
図6は、作業地点における各部品と各部品が組み立てられた製品の模式図である。ここでは、まず、部品1と部品2を組み立て(第1作業工程とする)、部品1と部品2が複合されたアッシーに部品3を組み立て(第2作業工程とする)、部品1と部品2と部品3が複合されたアッシーに部品4が組み立てられる(第3作業工程とする)。また、部品1の質量をm1、部品2の質量をm2、部品3の質量をm3、部品4の質量をm4とする。以下、各作業工程の詳細を説明する。
(3−2−1 第1工程)
図7は、部品1と部品2を組み立てる第1作業工程の様子を示す模式図である。ここでは、部品1を並行移動させて、部品2に挿入する。この時、部品1の移動距離をx1、移動時間をt1、質量をm1とすると、運動エネルギー量E1は、
となる。この運動エネルギー量E1が第1作業工程における運動エネルギー量である。ここでの基準作業難易度は1.0とする。移動距離x1、移動時間t1、基準作業難易度は、それぞれ入力処理部202から入力された値であり、質量m1は部品情報DB204から取得した値である。
なお、移動距離x1、移動時間t1、基準作業難易度については、予め入力情報を格納するデータベースを備え、そこから読み込むようにしてもよい。
(3−2−2 第2工程)
次に、部品1と部品2が複合されたアッシー(以下、アッシーAとする)に部品3を組み立てる。図8は、アッシーAと部品3を組み立てる第2作業工程の様子を示す模式図である。ここでは、アッシーAを移動させて部品3に挿入する。図8に示すように、アッシーAを部品3に挿入するには、並行移動の動作と回転移動の動作を組み合わせる必要がある。まず、アッシーAを部品3の位置に並行移動させる。この時、アッシーAの移動距離をx2、移動時間をt2とし、質量は部品1の質量と部品2の質量を合計したm1+m2とすると、運動エネルギー量E2は、
となる。ここでの基準作業難易度は1.0とする。次に部品3に対してアッシーAを持ち上げて回転移動させる。この時、アッシーAの角度をθ3、角速度をW3、移動時間をt3、基準作業難易度を1.5とすると、運動エネルギー量E3は、
となる。次にアッシーAを持ち上げて回転移動させた分を戻す動作を行う。この時、アッシーAの角度を−θ3、角速度をW4、移動時間をt4とすると、運動エネルギー量E4は、
となる。ここでの基準作業難易度は1.5とする。最後にアッシーAを並行移動させて部品3に挿入する。この時、アッシーAの移動距離をx5、移動時間をt5、とすると、運動エネルギー量E5は、
となる。ここでの基準作業難易度は1.0とする。式(4)〜式(7)で算出した運動エネルギー量E2+E3+E4+E5が第2作業工程における運動エネルギー量である。移動距離、角速度、移動時間、基準作業難易度は、第1作業工程と同様に、それぞれ入力処理部202から入力された値であり、各部品の質量は部品情報DB204から取得した値である。
(3−2−3 第3工程)
次に、部品1と部品2と部品3が複合されたアッシー(以下、アッシーBとする)に部品4を組み立てる。図9は、アッシーBと部品4を組み立てる第3作業工程の様子を示す模式図である。ここでは、部品4を移動させてアッシーBに組み立てる。図9に示すように、部品4をアッシーBに組み立てるには、並行移動の動作と回転移動の動作を組み合わせる必要がある。まず、部品4をアッシーBの位置に並行移動させる。この時、部品4の移動距離をx6、移動時間をt6、質量をm4とすると、運動エネルギー量E6は、
となる。ここでの基準作業難易度は1.0とする。次に部品4を回転させてアッシーBにねじ込む。この時、部品4の角度をθ7、角速度をW7、移動時間をt7とすると、運動エネルギー量E7は、
となる。ここでの基準作業難易度は1.5とする。式(8)及び式(9)で算出した運動エネルギー量E6+E7が第3作業工程における運動エネルギー量である。移動距離、角度、移動時間、基準作業難易度は、第1作業工程及び第2作業工程と同様に、それぞれ入力処理部202から入力された値であり、各部品の質量は部品情報DB204から取得した値である。
(3−3 作業工数の算出)
上記作業地点における各作業工程の運動エネルギー量の総和Ezは、作業地点における運動エネルギー量と基準作業難易度から、
となる。従って、作業全体の総運動エネルギー量Eは、作業地点までの移動に必要な運動エネルギー量と作業地点における作業に必要な運動エネルギー量とを合計した、
として得られる。この総運動エネルギー量と人間の平均代謝エネルギー量から作業工数を算出する。人間の1日の平均代謝エネルギー量は、約2000kcal〜2200kcal/人日とされている。1日に消費する代謝エネルギーのうち、75%を組み立て作業に要する代謝エネルギーとすると、1cal=4.1868Jより、平均の作業工数Wは、
となる。上記で求めた作業工数や運動エネルギーに関する情報を画面表示または紙に印刷して出力する。
なお、本実施形態では、作業を人が行うことを前提にして説明したが、作業を機械が行う場合であっても上記実施は可能である。その場合は、人間の代謝エネルギー量ではなく、作業を行う機械の運動エネルギー量(または仕事量)に基づいて、作業工数を算出するようにすればよい。
このように、本実施形態においては、作業工程ごとに製品の組立状態(アッシー状態)に応じて正確な運動エネルギー量を算出することができるという効果を奏する。つまり、製品の組立においては、組立状態に応じて作業工程ごとに作業に要するエネルギー量が変化する。このようなエネルギー量の変化に対応して作業工数を算出することで、正確な作業工数を割り出すことが可能となり、スケジューリングや作業計画等の精度を上げることができる。また、製品の組立・分解に掛かる作業工数を人間の代謝エネルギー量または機械の仕事量に基づいて算出するため、正確な作業工数を算出することができるという効果を奏する。
(本発明の第2の実施形態)
(1.構成)
本実施形態に係る作業評価装置は、デジタル・モックアップ(以下、DMUとする)を利用した装置である。
(1−1 ハードウェア構成)
本実施形態に係る作業評価装置のハードウェア構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
(1−2 モジュール構成及び機能)
図10は、本実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。ここでも、第1の実施形態と同様に作業評価装置1が、DMUシステムの機能を有するものである。つまり、作業評価装置1とDMU装置を一体的な装置とする。
作業評価装置1は、作業工程別評価処理部201と、入力処理部202と、出力処理部203と、部品情報DB204と、DMUシステム205とを備える。さらに、作業工程別評価処理部201は、入力/出力制御部210と、運動エネルギー算出手段としての部品移動エネルギー算出処理部220及び組立・分解エネルギー算出処理部240と、作業工数算出手段としての組立・分解作業工数算出処理部250と、生産性算出手段としての作業生産性算出処理部260及び平均作業生産性算出処理部270と、作業速度算出手段としての平均作業速度算出処理部280とを備える。第1の実施形態に係る作業評価装置と相違する点は、新たに作業生産性算出処理部260と、平均作業生産性算出処理部270と、平均作業速度算出処理部280とを備える点である。
作業生産性算出処理部260は、組立・分解作業工数算出処理部250が算出した作業工数、及び、入力処理部202で入力された作業に要する作業時間に基づいて生産性を算出する処理を行う。
平均作業生産性算出処理部270は、作業生産性算出処理部260が算出した生産性の作業工程数ごとの平均値を算出する処理を行う。
平均作業速度算出処理部280は、部品移動エネルギー算出処理部220、及び、組立・分解エネルギー算出処理部240が算出した運動エネルギーに基づいて、作業全体の平均の作業速度を算出する処理を行う。
なお、作業速度は作業工程ごとに算出するようにしてもよい。
入力処理部202、出力処理部203、部品情報DB204、DMUシステム205、入力/出力制御部210、部品移動エネルギー算出処理部220、組立・分解エネルギー算出処理部240、及び、組立・分解作業工数算出処理部250の機能は第1の実施形態と同様のため、説明は省略する。
(2.動作)
図3及び図11は、本実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。図3のステップS301からステップS309までの処理は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。ステップS309の処理が終了すると、図11のステップS310の処理に進む。ステップS310からステップS318までの処理は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。ステップS318で作業工数が算出されると、作業地点までの移動時間と作業地点での作業時間の総和を計算する(ステップS318a)。
ここで作業時間の総和の計算方法について詳細に説明する。作業に要する作業時間は上記に示すように作業地点までの移動時間と作業地点での作業時間の合計となる。各部品を元の位置から部品レイアウト位置まで移動するのに必要な時間をTmとし、部品レイアウト位置から作業地点まで移動するのに必要な時間をTnとする。また作業地点における各作業動作に必要な時間をtとすると、作業時間の総和Tは、
となる。
図11に戻って、作業時間の総和が算出されると、作業工数と作業時間から作業生産性を算出する(ステップS318b)。作業生産性は、式(12)で算出した作業工数W(人日)を式(13)で算出した作業時間T(H)で割った値である。作業生産性が算出されると、運動エネルギー量から平均作業速度を算出する(ステップS318c)。
ここで、平均作業速度の算出方法について詳細に説明する。平均作業速度は、式(11)で算出した運動エネルギー量の総和を製品の総質量で除算した値の平方根で算出することができる。すなわち、角速度と並行移動速度を同一であるとすると平均作業速度vは、
となる。
図11に戻って、上記で算出した、組立・分解工程別エネルギーに関する情報を画面表示または紙に印刷して(ステップS319)、処理を終了する。
なお、平均作業速度の算出処理は、作業工数を算出した後(ステップS318の後)であればいつ行ってもよい。また、作業速度の算出処理を行わなくてもよい。その場合、図10において、平均作業速度算出処理部280を構成要素としなくてもよい。
このように、本実施形態においては、作業工数及び前記算出された運動エネルギーに要する作業時間に基づいて生産性を算出するため、作業のスケジュール管理やスケジュール調整を行いやすくなり、結果的に作業効率を上げることができるという効果を奏すると共に、算出した運動エネルギー量に基づいて、作業速度を算出して作業の遅速を判定するため、スケジュール調整やスケジュール管理を行いやすくなる。また、作業速度が遅いと判定された場合は、その原因を追究して取り除くことで、作業を効率的に行うことができるという効果を奏する。
(本発明の第3の実施形態)
(1.構成)
本実施形態に係る作業評価装置は、デジタル・モックアップ(以下、DMUとする)を利用した装置である。
(1−1 ハードウェア構成)
本実施形態に係る作業評価装置のハードウェア構成は、第1及び第2の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
(1−2 モジュール構成及び機能)
図12は、本実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。ここでも、第1及び第2の実施形態と同様に作業評価装置1が、DMUシステムの機能を有するものである。つまり、作業評価装置1とDMU装置を一体的な装置とする。
作業評価装置1は、作業工程別評価処理部201と、入力処理部202と、出力処理部203と、部品情報DB204と、DMUシステム205と、作業者別評価処理部1201と、作業者別入力処理部1202と、作業者別出力処理部1203と、作業者情報DB1204と、作業工程別作業者情報DB1205とを備える。さらに、作業者別評価処理部1201は、入力/出力制御部210と、作業者情報取得処理部1220と、作業者別作業難易度設定手段としての作業者別作業難易度設定処理部1230と、作業者別作業工数算出手段としての作業者別作業工数算出処理部1240と、作業者別生産性算出手段としての作業者別生産性算出処理部1250及び作業者別生産性集計処理部1260とを備える。
作業者別入力処理部1202は、処理に必要な情報を入力する処理を行う。例えば、作業者の実作業時間や作業者ごとの作業工程別運動エネルギー量である。作業者の実作業時間は、作業者が実際に要した作業時間であり、作業工程別運動エネルギー量は作業工程別評価処理部201で算出される作業工程別の運動エネルギー量である。
作業者別出力処理部1203は、作業者別評価処理部1201が行った評価結果に関する情報を出力する処理を行う。評価結果に関する情報とは、例えば、作業者別/作業工程別の作業難易度や作業工数や生産性に関する情報である。これらの情報は画面表示や紙に印刷して出力される。
作業者情報DB1204は、作業者に関する情報を格納するデータベースである。作業者に関する情報には、例えば、作業者従業員番号、作業者名、性別、1日当たりの平均代謝カロリー値、経験年数、熟練度、及び、社員種別(正社員/パート)等の情報が含まれる。
作業工程別作業者情報DB1205は、作業者に関する情報が作業工程別に格納されている。例えば、作業工程別の経験年数、熟練度、及び、作業工程別の平均代謝カロリー値等が含まれる。
作業者情報取得処理部1220は、作業者情報DB1204及び作業工程別作業者情報DB1205から、作業者に関する情報を取得する処理を行う。
作業者別作業難易度設定処理部1230は、作業者情報取得処理部1220で取得した作業者の経験年数、及び/または、熟練度に応じて、作業難易度を設定する処理を行う。
作業者別作業工数算出処理部1240は、作業者別に作業工程ごとの工数を算出する処理を行う。
なお、作業工数は作業者別に作業全体の工数を算出するようにしてもよい。
作業者別生産性算出処理部1250は、作業者別作業工数算出処理部1240が算出した作業工数、及び、作業者別入力処理部1202で入力された実作業時間に基づいて作業者別の生産性を算出する処理を行う。
作業者別生産性集計処理部1260は、作業者別生産性算出処理部1250が算出した生産性を作業全体で集計したり、作業工程別に集計する処理を行う。作業者別出力処理部1203に出力する際には、ここで作業工程ごとに集計された情報が出力されるようになる。
作業工程別評価処理部201、入力処理部202、出力処理部203、部品情報DB204、及び、DMUシステム205は、第1または第2の実施形態と同様の機能であるため、説明は省略する。
(2.動作)
図13は、本実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。ステップS1302からステップS1309の処理までは、作業者の全てに対して処理が完了するまで繰り返して行われる(ステップS1301)。全作業者について処理が完了したかどうかを判定し(ステップS1302)、完了していなければ、作業者の実作業時間と作業工程別の運動エネルギー量を入力する(ステップS1303)。ステップS1305からステップS1309の処理までは、全ての作業工程に対して処理が完了するまで繰り返して行われる(ステップS1304)。全作業工程について処理が完了したかどうかを判定し(ステップS1305)、全作業工程について処理が完了していれば、ステップS1301の処理に戻って、次の作業者についての処理が行われる。全作業工程について処理が完了していなければ、作業者情報DB1204及び作業工程別作業者情報DB1205から作業者iの当該作業工程における経験年数及び/または熟練度を取得し、作業者別作業難易度Aiを計算する(ステップS1306)。Aiの計算方法は、例えば、Ai=1.0−(作業工程別経験年数/100)とする。作業者情報DB1204及び作業工程別作業者情報DB1205から作業者の1日あたりの平均代謝エネルギー量を取得し、工程別の作業時間比率から当該工程に要する代謝エネルギー量を計算する(ステップS1307)。入力された作業工程別の運動エネルギー量と作業者の作業工程別の代謝エネルギー量から当該作業工程における、当該作業者の作業工数を算出する(ステップS1308)。算出した当該作業工程における、当該作業者の作業工数と入力された実作業時間から作業工程別の生産性を算出する(ステップS1309)。ステップS1309までの処理が完了するとステップS1304に戻って、次の作業工程について処理が行われる。全ての作業者について全ての作業工程の生産性が算出されると、作業者別生産性集計処理部1260で生産性の集計処理がなされて、評価結果に関する結果情報が出力されて(ステップS1310)、処理を終了する。
なお、作業者情報DB1204及び作業工程別作業者情報DB1205に熟練度の項目を設け、熟練度に応じて難易度を設定するようにしてもよい。また、作業者ごとに作業工程に応じて得て不得手を設定して難易度を設定するようにしてもよい。就業形態、性別によって、作業工程ごとに難易度を設定するようにしてもよい。
また、作業者別作業難易度Aiの計算方法は、上記に示した計算方法に限定されない。例えば、Ai=1.0−熟練度でもよいし、Ai=1.0−(熟練度+経験年数/100)でもよいし、熟練度と経験年数のどちらを重要視するかによって重み付けを行ってもよい。
このように、本実施形態においては、作業工程ごとに算出された運動エネルギー量、及び、作業工程を実行する作業者の1日あたりの代謝エネルギー量から算出した作業工程ごとの代謝エネルギー量に基づいて、作業者の作業工程ごとの作業工数を算出するため、どの作業者がどの作業工程を行うと効率よく作業が行われるかを判断して、適切なスケジューリングを行うことができるという効果を奏する。また、作業工程ごとに作業者の熟練度、及び、経験年数の少なくとも一の情報に基づいて作業難易度を設定するため、作業工程に応じて作業者の得て不得手を難易度により調整して、効果的なスケジューリングや人員配置を行うことができるという効果を奏する。さらに、作業工数、及び、実際に作業した作業時間に基づいて、作業者の生産性を算出するため、作業者ごとに生産性に基づく正当な評価を行うことができるという効果を奏する。
(本発明の第4の実施形態)
(1.構成)
本実施形態に係る作業評価装置は、デジタル・モックアップ(以下、DMUとする)を利用した装置である。
(1−1 ハードウェア構成)
本実施形態に係る作業評価装置のハードウェア構成は、第1、第2及び第3の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
(1−2 モジュール構成及び機能)
図14は、本実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。ここでも、第1、第2及び第3の実施形態と同様に作業評価装置1が、DMUシステムの機能を有するものである。つまり、作業評価装置1とDMU装置を一体的な装置とする。
作業評価装置1は、作業工程別評価処理部201と、入力処理部202と、出力処理部203と、部品情報DB204と、DMUシステム205と、作業者別評価処理部1201と、作業者別入力処理部1202と、作業者別出力処理部1203と、作業者情報DB1204と、作業工程別作業者情報DB1205とを備える。さらに、作業者別評価処理部1201は、入力/出力制御部210と、作業者情報取得処理部1220と、作業者別作業難易度設定手段としての作業者別作業難易度設定処理部1230と、作業者別作業工数算出手段としての作業者別作業工数算出処理部1240と、作業者別生産性算出手段としての作業者別生産性算出処理部1250及び作業者別生産性集計処理部1260と、作業担当決定手段としての作業担当決定処理部1410とを備える。第3の実施形態と相違する点は、作業担当決定処理部1410を備えている点である。
作業担当決定処理部1410は、作業工程ごとに作業を担当する作業担当者を決定する処理を行う。作業担当者の決定は、作業者別作業工数算出処理部1240が算出した作業工数や作業者別生産性算出手段が算出した生産性の値に基づいて行われる。
作業工程別評価処理部201、入力処理部202、出力処理部203、部品情報DB204、及び、DMUシステム205、作業者別入力処理部1202、作業者別出力処理部1203、作業者情報DB1204、作業工程別作業者情報DB1205、作業者情報取得処理部1220、作業者別作業難易度設定処理部1230、作業者別作業工数算出処理部1240、作業者別生産性算出処理部1250、及び、作業者別生産性集計処理部1260は、第3の実施形態と同様の機能であるため、説明は省略する。
(2.動作)
図15は、本実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。ステップS1301からステップS1309の処理までは、第3の実施形態と同様のため説明は省略する。全作業者について、全作業工程の作業工数及び生産性が算出されたら、作業工程別に最適な作業担当を決定する(ステップS1309a)。
なお、作業担当の決定は、任意の作業工程について当該作業工程を行える作業者を抽出し、最も作業効率が良い作業者を担当として決定してもよいし、ランダムに担当を決定し、作業工数が最小となるパターンを抽出するようにしてもよい。その場合、経験年数が多い作業者や熟練度が高い作業者や生産性が高い作業者に多くの負担が掛かってくる可能性があるため、作業者の作業量(作業時間)が均等になるように作業担当を決定してもよい。
また、連続性がある作業工程の場合は、同じ作業者が担当したほうが効率が良くなるため、そのような場合は、連続した作業工程を同じ作業者が担当するように決定してもよい。
さらに、機械により作業を行う場合は、機械の作業効率に基づいて機械の配置を決定するようにしてもよい。
作業担当が決定したら、作業スケジュールを含む評価結果に関する結果情報が出力されて(ステップS1310)、処理を終了する。
このように、本実施形態においては、作業工数及び/または生産性に基づいて、作業工程ごとに作業者または作業装置の最適な配置を決定するため、人員や装置の配置が適材適所に行われて、作業効率を上げることができるという効果を奏する。
(本発明の第5の実施形態)
(1.構成)
本実施形態に係る作業評価装置は、デジタル・モックアップ(以下、DMUとする)を利用した装置である。
(1−1 ハードウェア構成)
本実施形態に係る作業評価装置のハードウェア構成は、第1〜第4の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
(1−2 モジュール構成及び機能)
図16は、本実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。ここでも、第1の実施形態と同様に作業評価装置1が、DMUシステムの機能を有するものである。つまり、作業評価装置1とDMU装置を一体的な装置とする。
作業評価装置1は、作業工程別評価処理部201と、入力処理部202と、出力処理部203と、部品情報DB204と、DMUシステム205と、作業工程別難易度DB206とを備える。さらに、作業工程別評価処理部201は、入力/出力制御部210と、運動エネルギー算出手段としての部品移動エネルギー算出処理部220及び組立・分解エネルギー算出処理部240と、作業難易度設定手段としての作業工程別難易度設定処理部230と、作業工数算出手段としての組立・分解作業工数算出処理部250とを備える。第1の実施形態に係る作業評価装置と相違する点は、新たに作業工程別難易度DB206と作業工程別難易度設定処理部230を備える点である。
作業工程別難易度DB206は、作業工程ごとに難易度に関する情報を格納するデータベースである。難易度は、部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、作業工程の作業動作数、作業工程の作業動作精度、及び、作業工程において使用する工具の種類に応じて設定されている。
なお、上記データの全てを格納する必要はなく、作業の状況に応じて各データの少なくとも一のデータを格納すればよい。
作業工程別難易度設定処理部230は、作業工程別難易度DB206に格納された作業工程ごとの難易度に関する情報から、作業工程ごとに難易度を設定する処理を行う。難易度の計算は、任意の作業工程における部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、作業工程の作業動作数、作業工程の作業動作精度、及び、作業工程において使用する工具の種類の少なくとも一に基づいて行われる。例えば、部品の数が多い場合は、その分作業の難易度は高く設定される。また、それらの部品が複合されている複合部品の場合は、単一の部品に比べて取り扱い等が難しく、難易度がさらに高く設定される。
なお、作業工程難易度設定処理部230により難易度を設定する場合は、入力処理部202において基準作業難易度の入力は行わなくてもよい。
入力処理部202、出力処理部203、部品情報DB204、DMUシステム205、入力/出力制御部210、部品移動エネルギー算出処理部220、組立・分解エネルギー算出処理部240、及び、組立・分解作業工数算出処理部250の機能は第1〜第4の実施形態と同様のため、説明は省略する。
なお、第1の実施形態と同様に、作業工数は作業工程ごとに個別に算出するようにしてもよい。また、人間の代謝エネルギー量は、統計的な数値を使用してもよいし、実際に測定した数値を使用してもよい。
(2.動作)
図17及び図4は、本実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。ステップS301からステップS307までの処理は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。移動エネルギーの総和を計算したら、作業工程別難易度DB206を読み込む(ステップS308a)。作業工程別難易度DB206の情報から作業難易度を算出し、基準作業難易度として設定する(ステップS308b)。基準作業難易度が設定されると、作業地点での最初の部品の移動距離、及び、移動時間を設定し、移動エネルギーを計算する(ステップS308c)。図4の1)
以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
ここで、作業工程別難易度の計算について詳細に説明する。作業工程別難易度DB206には、上記でも示したように部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、作業工程の作業動作数、作業工程の作業動作精度、及び、作業工程において使用する工具の種類に対応する少なくとも一の項目の難易度情報を格納している。例えば、作業工程aにおいて、作業動作が3つ(並行動作1つと回転動作2つ)の場合の難易度を1.2とし、作業工程bにおいて、作業動作が5つ(並行動作2と回転動作3つ)の場合の難易度を1.7であるとする。また、作業工程aの作業精度が非常に高い(緩衝等が起こりやすい)場合、作業が困難になるため難易度を1.6とし、作業工程bの作業精度が低い(緩衝等が起こりにくい)場合、作業は容易になるため難易度を1.1とする。これらの情報を以下の表に示す。
このように作業工程ごとにアッシー状態が変化するため、作業難易度も変化する。作業難易度は、各項目に対応する難易度を平均した値を基準作業難易度として設定することができる。すなわち、表1の場合、作業工程aも作業工程bも基準作業難易度は1.4となる。
なお、基準作業難易度は単に平均値を計算するのではなく、項目ごとに重み付けを設定し、その重み付けに応じて平均値を算出してもよい。例えば、作業動作数の重みS1が2で作業精度の重みS2が1の場合は、それぞれの作業工程の基準作業難易度は、
となる。つまり、作業の種別、作業者の状況、作業地点の環境(作業場が狭い、作業場が暑い等)、その他の状況や環境に応じて重み付けを設定することで、状況や環境に応じた難易度を設定することができ、精度の高い工数を算出することができる。
このように、本実施形態においては、作業工程における作業動作ごとに、部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、当該作業工程における作業動作数、作業動作精度、及び、作業動作で使用する工具の種類の少なくとも一に基づいて作業難易度を設定する作業難易度設定手段を備え、設定された作業難易度に基づいて、運動エネルギー算出手段が運動エネルギー量を算出するため、作業工程ごとに製品の組立状態に応じて難易度が設定され、正確な運動エネルギー量を算出することができるという効果を奏する。また、様々な条件に基づいて正確な作業難易度の設定を行うことができるため、難易度が正確に設定され、スケジュールや作業計画の精度を上げることができるという効果を奏する。
(本発明の第6の実施形態)
(1.構成)
本実施形態に係る作業評価装置は、デジタル・モックアップ(以下、DMUとする)を利用した装置である。
(1−1 ハードウェア構成)
本実施形態に係る作業評価装置のハードウェア構成は、第1〜第5の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
(1−2 モジュール構成及び機能)
図18は、本実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。ここでも、第1の実施形態と同様に作業評価装置1が、DMUシステムの機能を有するものである。つまり、作業評価装置1とDMU装置を一体的な装置とする。
作業評価装置1は、作業工程別評価処理部201と、入力処理部202と、出力処理部203と、部品情報DB204と、DMUシステム205とを備える。さらに、作業工程別評価処理部201は、入力/出力制御部210と、作業パターン決定手段としての部品複合パターン決定処理部1810と、初期配置決定手段としての部品初期配置決定処理部1820と、運動エネルギー算出手段としての部品移動エネルギー算出処理部220及び組立・分解エネルギー算出処理部240と、作業工数算出手段としての組立・分解作業工数算出処理部250とを備える。第1の実施形態に係る作業評価装置と相違する点は、新たに部品複合パターン決定処理部1810と部品初期配置決定処理部1820を備える点である。
部品複合パターン決定処理部1810は、入力処理部202から入力された、DMUシステム205が抽出した部品の複合パターン(複合不可能なパターンを除く)から、最適な複合パターンを決定する処理を行う。最適な複合パターンとは、作業工数が少なく、最も効率的に作業を行うことができる複合パターンである。決定された複合パターンは、出力処理部203により、画面表示または紙に印刷されて出力される。
部品初期配置決定処理部1820は、部品複合パターン決定処理部1810が決定した複合パターンにおける各部品の最適な初期配置を決定する処理行う。最適な初期配置とは、作業工数が少なく、最も効率的に作業を行うことができる初期配置である。決定された初期配置は、出力処理部203により、画面表示または紙に印刷されて出力される。
入力処理部202、出力処理部203、部品情報DB204、DMUシステム205、入力/出力制御部210、部品移動エネルギー算出処理部220、組立・分解エネルギー算出処理部240、及び、組立・分解作業工数算出処理部250の機能は第1の実施形態と同様のため、説明は省略する。
(2.動作)
図19及び図4は、本実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。まず、入力処理部202から作業に使用する部品の複合パターンを入力する(ステップS300a)。入力された複合パターンから、最適な複合パターンと、その複合パターンにおける部品の最適な初期配置を決定する複合パターン/初期配置決定処理を行う(ステップS300b)。決定された複合パターン及び初期配置に基づいて、ステップS301以降の処理を行う。ステップS310以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
ここで、ステップS300bの処理についてさらに詳細に説明する。図20は、複合パターン/初期配置決定処理を示すフローチャートである。まず、入力された複合パターン分ステップS2003の処理を繰り返す(ステップS2001)。全ての複合パターンについて処理が行われたかどうかを判定し(ステップS2002)、全ての複合パターンについて処理が行われていなければ、その複合パターンで作業を行った場合の平均の作業工数を算出する(ステップS2003)。ここでの作業工数の算出方法は、第1の実施形態で説明したように、運動エネルギー量と人間の代謝カロリーから平均的な作業工数を算出する(図3のステップS301〜図4のステップS318までの処理と同様)。一の複合パターンについて全作業の作業工数を算出したら、ステップS2001に戻って、次の複合パターンについて作業工数の算出を行う。全ての複合パターンについて処理が行われると、作業工数が最小となる複合パターンを決定する(ステップS2004)。
複合パターンが決定したら、その複合パターンにおける全部品の初期配置パターンを抽出する(ステップS2005)。抽出された初期配置パターン分ステップS2008の処理を繰り返す(ステップS2006)。全ての初期配置パターンについて処理が行われたかどうかを判定し(ステップS2007)、全ての初期配置パターンについて処理が行われていなければ、その初期配置パターンで作業を行った場合の平均の作業工数を算出する(ステップS2008)。ここでの作業工数の算出方法は、第1の実施形態で説明したように、運動エネルギー量と人間の代謝カロリーから平均的な作業工数を算出する(図3のステップS301〜図4のステップS318までの処理と同様)。一の初期配置パターンについて全作業の作業工数を算出したら、ステップS2006に戻って、次の初期配置パターンについて作業工数の算出を行う。全ての初期配置パターンについて処理が行われると、作業工数が最小となる最適な初期配置パターンを決定して(ステップS2009)、複合パターン/初期配置決定処理を終了する。
このように、本実施形態においては、複合パターンごとに作業工数を算出し、当該作業工数が最小となる複合パターンを決定し、決定した複合パターンに基づいて作業を進めることで、作業に要する時間を最小限に抑えることができ、作業効率を上げることができるという効果を奏する。また、作業工程ごとに作業工数が最小となるように、部品の初期配置を決定するため、作業時間を短縮することができ、作業効率を上げることができるという効果を奏する。
(その他の実施形態)
(1.画面表示)
上記各実施形態に係る作業評価装置1の画面について説明する。図21は、上記各実施形態に係る作業評価装置の画面の一例である。図21(a)は、DMUシステム全体の画面イメージである。画面を大きく3つの領域に分かれており、領域2101には各製品について、各アッシーごとのフォルダツリーが表示されており、領域2102には、現作業工程の作業の模式図が表示されており、領域2103には、現工程までの情報の一覧が表示されている。
図21(b)は、作業工程ごとにアッシーの移動時間と移動距離を入力する画面である。装置の操作者は、フォルダツリーから当該工程におけるアッシーを指定し、それぞれの移動時間と移動距離を入力する。入力後は、当該作業工程における運動エネルギー量と当該作業工程までの総エネルギー量が算出される。
図21(c)は、任意の作業工程における作業担当者の配置を分析する画面である。分析画面には、作業者ごとに作業工程ごとの作業工数が、グラフで色分けして表示される。装置の操作者は、グラフを見ながら作業者の担当を割り振る作業を行うことができる。ここでは、全作業工程について表示しており、総エネルギー量、総工数、平均生産性に表示される数値は、全ての作業工程における数値である。これを作業工程ごとに表示したものが図21(d)である。図21(d)は、全作業工程における一の作業工程(図では第4工程)についての作業者ごとの作業工数をグラフで表示している。エネルギー量、生産性に表示されている数値は、第4工程におけるエネルギー量と生産性の数値である。装置の操作者は、このように、作業者ごとに作業工程ごとの詳細な情報を参照することで、効率的なスケジュールや人員の配置を行うことができる。
なお、上記各実施形態に係る作業評価装置は、各実施形態ごとに示した少なくとも一の作業評価装置を組み合わせて実施することが可能である。
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
(2.作業を機械が行う場合)
図22は、作業を機械が行う場合の様子を示した模式図である。作業に必要な部品は配置A、配置B、配置C及び配置Dに初期配置されている。それらの部品は、作業工程に基づいて、搬送レール2210上を移動する運搬アーム2220により組立基台2230に運搬される。運搬された部品は組立基台2230、2235にて組み立てられる。搬送レール2210の駆動は駆動制御部2240によって制御されている。
このような場合に、上記各実施形態に係る作業評価装置を利用することにより、運動エネルギー量から搬送レール2210や運搬アーム2220の動作を効率良く行えるように配置したり、作業の順番を決定することができると共に、作業効率が上がるように部品の配置も決定することができる。
(3.付記)
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)製品の組立・分解に掛かる作業量を定量的に評価する作業評価装置において、前記製品を構成する単一部品が組み合わされた複合部品を少なくとも含む移動作業、組立作業、及び/または、分解作業に要する運動エネルギー量を、当該作業を構成する作業工程ごとに算出する運動エネルギー算出手段と、前記運動エネルギー算出手段が算出した運動エネルギー量に基づいて、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出する作業工数算出手段とを備えることを特徴とする作業評価装置。
(付記2)付記1に記載の作業評価装置において、前記作業が人間の作業を少なくとも含む作業であって、前記作業工数算出手段が、前記運動エネルギー算出手段にて算出された運動エネルギー量及び人間の代謝エネルギー量に基づいて、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出することを特徴とする作業評価装置。
(付記3)付記1または2に記載の作業評価装置において、前記作業工数算出手段が算出した作業工数及び前記算出された運動エネルギーに要する作業時間に基づいて作業の生産性を算出する生産性算出手段を備えることを特徴とする作業評価装置。
(付記4)付記1ないし3のいずれかに記載の作業評価装置において、前記運動エネルギー算出手段が算出した運動エネルギー量に基づいて、作業速度を算出する作業速度算出手段を備え、前記作業速度算出手段が算出した作業速度を基準として、作業の遅速を判定することを特徴とする作業評価装置。
(付記5)付記1ないし4のいずれかに記載の作業評価装置において、前記作業工程ごとに算出された運動エネルギー量、及び、前記作業工程を実行する作業者の1日あたりの代謝エネルギー量から算出した作業工程ごとの代謝エネルギー量に基づいて、当該作業者の作業工程ごとの作業工数を算出する作業者別作業工数算出手段を備えることを特徴とする作業評価装置。
(付記6)付記5に記載の作業評価装置において、作業工程ごとに作業者の熟練度、及び、経験年数の少なくとも一の情報に基づいて作業難易度を設定する作業者別作業難易度設定手段を備え、当該設定された作業難易度に基づいて、前記作業者別作業工数算出手段が当該作業者の作業工程ごとの作業工数を算出することを特徴とする作業評価装置。
(付記7)付記5または6に記載の作業評価装置において、前記作業者別作業工数算出手段が算出した作業工数、及び、実際に作業した作業時間に基づいて、前記作業者の生産性を算出する作業者別生産性算出手段を備えることを特徴とする作業評価装置。
(付記8)付記7に記載の作業評価装置において、前記作業者別作業工数算出手段が算出した作業工数、及び/または、前記作業者別生産性算出手段が算出した生産性に基づいて、作業工程ごとに作業者または作業装置の最適な配置を決定する作業担当決定手段を備えることを特徴とする作業評価装置。
(付記9)付記1ないし8のいずれかに記載の作業評価装置において、前記作業工程における作業動作ごとに、部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、当該作業工程における作業動作数、作業動作精度、及び、作業動作で使用する工具の種類の少なくとも一に基づいて作業難易度を設定する作業難易度設定手段を備え、前記作業難易度設定手段が設定した作業難易度に基づいて、前記運動エネルギー算出手段が運動エネルギー量を算出することを特徴とする作業評価装置。
(付記10)付記1ないし9のいずれかに記載の作業評価装置において、前記製品を構成する単一の部品を複合する場合の複合パターンを抽出するパターン抽出手段と、前記パターン抽出手段が抽出したパターンから、複合することが不可能である複合パターンを抽出する不可能パターン抽出手段と、前記パターン抽出手段が抽出した複合パターンから前記不可能パターン抽出手段が抽出した複合パターンを除く複合パターンごとに作業工数を算出し、当該作業工数が最小となる複合パターンを決定する作業パターン決定手段とを備えることを特徴とする作業評価装置。
(付記11)付記1ないし10のいずれかに記載の作業評価装置において、前記作業工程ごとに作業工数が最小となるように、前記部品の初期配置を決定する初期配置決定手段を備えることを特徴とする作業評価装置。
(付記12)製品の組立・分解に掛かる作業量を定量的に評価する作業評価方法において、前記製品を構成する単一部品が組み合わされた複合部品を少なくとも含む移動作業、組立作業、及び/または、分解作業に要する運動エネルギー量を、当該作業を構成する作業工程ごとに算出する運動エネルギー算出ステップと、前記運動エネルギー算出ステップにて算出された運動エネルギー量に基づいて、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出する作業工数算出ステップとを含むことを特徴とする作業評価方法。
(付記13)付記12に記載の作業評価方法において、前記作業が人間の作業を少なくとも含む作業であって、前記作業工数算出ステップで、前記運動エネルギー算出ステップにて算出された運動エネルギー量及び人間の代謝エネルギー量に基づいて、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数が算出されることを特徴とする作業評価方法。
(付記14)製品の組立・分解に掛かる作業量を定量的に評価するようにコンピュータを実行させるための作業評価プログラムにおいて、前記製品を構成する単一部品が組み合わされた複合部品を少なくとも含む移動作業、組立作業、及び/または、分解作業に要する運動エネルギー量を、当該作業を構成する作業工程ごとに算出する運動エネルギー算出手順と、前記運動エネルギー算出ステップにて算出された運動エネルギー量に基づいて、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出する作業工数算出手順とをコンピュータに実行させるための作業評価プログラム。
(付記15)付記14に記載の作業評価プログラムにおいて、前記作業が人間の作業を少なくとも含む作業であって、前記作業工数算出手順で、前記運動エネルギー算出手順にて算出された運動エネルギー量及び人間の代謝エネルギー量に基づいて、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数が算出されるようにコンピュータを実行させるための作業評価プログラム。
第1の実施形態に係る作業評価装置のハードウェア構成図である。 第1の実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。 第1の実施形態に係る作業評価装置の動作を示す第1のフローチャートである。 第1の実施形態に係る作業評価装置の動作を示す第2のフローチャートである。 各部品を元の位置から部品レイアウト位置、組立作業地点までの移動における運動エネルギーの計算処理を示す模式図である。 作業地点における各部品と各部品が組み立てられた製品の模式図である。 部品1と部品2を組み立てる第1作業工程の様子を示す模式図である。 アッシーAと部品3を組み立てる第2作業工程の様子を示す模式図である。 アッシーBと部品4を組み立てる第3作業工程の様子を示す模式図である。 第2の実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。 第2の実施形態に係る作業評価装置の動作を示す第2のフローチャートである。 第3の実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。 第3の実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。 第4の実施形態に係る作業評価装置の動作を示すフローチャートである。 第5の実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。 第5の実施形態に係る作業評価装置の動作を示す第1のフローチャートである。 第6の実施形態に係る作業評価装置のモジュール構成図である。 第6の実施形態に係る作業評価装置の動作を示す第1のフローチャートである。 複合パターン/初期配置決定処理を示すフローチャートである。 各実施形態に係る作業評価装置の画面の一例である。 作業を機械が行う場合の様子を示した模式図である。
符号の説明
1 作業評価装置
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 フラッシュメモリ
105 HD
106 LANカード
107 マウス
108 キーボード
109 ビデオカード
109a ディスプレイ
110 サウンドカード
110a スピーカ
111 ドライブ
201 作業工程別評価処理部
202 入力処理部
203 出力処理部
204 部品情報DB
205 DMUシステム
206 作業工程別難易度DB
210 入力/出力制御部
220 部品移動エネルギー算出処理部
230 作業工程別難易度設定処理部
240 組立・分解エネルギー算出処理部
250 組立・分解作業工数算出処理部
260 作業生産性算出処理部
270 平均作業生産性算出処理部
280 平均作業速度算出処理部
510 各部品の元位置
520 レイアウト位置
530 作業地点
1201 作業者別評価処理部
1202 作業者別入力処理部
1203 作業者別出力処理部
1204 作業者情報DB
1205 作業工程別作業者情報DB
1220 作業者情報取得処理部
1230 作業者別作業難易度設定処理部
1240 作業者別作業工数算出処理部
1250 作業者別生産性算出処理部
1260 作業者別生産性集計処理部
1410 作業担当決定処理部
1810 部品複合パターン決定処理部
1820 部品初期配置決定処理部

Claims (7)

  1. 製品の組立・分解に掛かる作業量を定量的に評価する作業評価装置において、
    前記製品を構成する部品の特性に関する情報を格納する部品情報データベースと、
    前記部品情報データベースに格納されている各部品について、当該部品から前記製品を組み立てる場合の前記部品の移動距離、角速度及び/又は移動時間、並びに、前記部品の質量に基づいて、前記製品を構成する単一部品が組み合わされた複合部品に対する移動作業、組立作業及び/又は分解作業に要する運動エネルギー量を、当該作業を構成する作業工程ごとに算出する運動エネルギー算出手段と、
    前記運動エネルギー算出手段が算出した運動エネルギー量を、人間が1日に消費する代謝エネルギーのうち前記作業に要する予め設定された代謝エネルギー、又は、機械が1日に行う予め設定された仕事量で除算して、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出する作業工数算出手段とを備えることを特徴とする作業評価装置。
  2. 請求項1に記載の作業評価装置において、
    前記作業工程別に、当該作業工程を行うのに要する平均代謝エネルギーを作業者ごとに格納する作業工程別作業者情報データベースと、
    前記運動エネルギー算出手段が算出した前記作業工程ごとの運動エネルギー量を、前記作業工程別作業者情報データベースに格納された前記作業工程に係る作業者の前記平均代謝エネルギーで除算して、前記作業者の作業工程ごとの作業工数を算出する作業者別作業工数算出手段とを備えることを特徴とする作業評価装置。
  3. 請求項2に記載の作業評価装置において、
    作業工程ごとに作業者の熟練度、及び、経験年数の少なくとも一の情報に基づいて作業難易度を設定する作業者別作業難易度設定手段を備え
    前記作業者別作業工数算出手段が、設定された前記作業難易度をパラメータとして、当該作業者の作業工程ごとの作業工数を補正して算出することを特徴とする作業評価装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の作業評価装置において、
    前記作業工程における作業動作ごとに、部品の重量、部品の数、部品の移動距離、及び、部品を使用するタイミング、並びに、当該作業工程における作業動作数、作業動作精度、及び、作業動作で使用する工具の種類の少なくとも一に基づいて作業難易度を設定する作業難易度設定手段を備え、
    前記作業難易度設定手段が設定した作業難易度に基づいて、前記運動エネルギー算出手段が運動エネルギー量を補正して算出することを特徴とする作業評価装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の作業評価装置において、
    DMUシステムから出力され、前記製品を構成する単一の部品を複数組み立てて複合する場合の組み合わせのパターンである複合パターンを抽出するパターン抽出手段と、
    前記パターン抽出手段が抽出したパターンから、組み立てることが不可能である複合パターンを抽出する不可能パターン抽出手段と、
    前記パターン抽出手段が抽出した複合パターンから前記不可能パターン抽出手段が抽出した複合パターンを除く複合パターンごとに作業工数を算出し、当該作業工数が最小となる複合パターンを決定する作業パターン決定手段とを備えることを特徴とする作業評価装置。
  6. 製品の組立・分解に掛かる作業量を定量的に評価する作業評価方法において、
    コンピュータが、
    前記製品を構成する部品の特性に関する情報を格納する部品情報データベースに格納されている各部品について、当該部品から前記製品を組み立てる場合の前記部品の移動距離、角速度及び/又は移動時間、並びに、前記部品の質量に基づいて、前記製品を構成する単一部品が組み合わされた複合部品に対する移動作業、組立作業、及び/または、分解作業に要する運動エネルギー量を、当該作業を構成する作業工程ごとに算出する運動エネルギー算出ステップと、
    前記運動エネルギー算出ステップにて算出された運動エネルギー量を、人間が1日に消費する代謝エネルギーのうち前記作業に要する予め設定された代謝エネルギー、又は、機械が1日に行う予め設定された仕事量で除算して、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出する作業工数算出ステップとを実行することを特徴とする作業評価方法
  7. 製品の組立・分解に掛かる作業量を定量的に評価するようにコンピュータを機能させるための作業評価プログラムにおいて、
    前記製品を構成する部品の特性に関する情報を格納する部品情報データベース、
    前記部品情報データベースに格納されている各部品について、当該部品から前記製品を組み立てる場合の前記部品の移動距離、角速度及び/又は移動時間、並びに、前記部品の質量に基づいて、前記製品を構成する単一部品が組み合わされた複合部品に対する移動作業、組立作業、及び/または、分解作業に要する運動エネルギー量を、当該作業を構成する作業工程ごとに算出する運動エネルギー算出手段
    前記運動エネルギー算出手段が算出た運動エネルギー量を、人間が1日に消費する代謝エネルギーのうち前記作業に要する予め設定された代謝エネルギー、又は、機械が1日に行う予め設定された仕事量で除算して、前記製品の組立・分解に掛かる作業工数を算出する作業工数算出手段としてコンピュータを機能させるための作業評価プログラム
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