JP2000326194A - 研削研磨保持装置 - Google Patents

研削研磨保持装置

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JP2000326194A JP13988999A JP13988999A JP2000326194A JP 2000326194 A JP2000326194 A JP 2000326194A JP 13988999 A JP13988999 A JP 13988999A JP 13988999 A JP13988999 A JP 13988999A JP 2000326194 A JP2000326194 A JP 2000326194A
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工条件またはワーク形状の変更に起因する
加工抵抗力が変化しても、均等な加工圧力で加工がで
き、高精度なワークを得る。 【解決手段】 ワーク1を保持する保持皿4と、保持皿
4を回転自在に支承するとともに外周に凸球面3aを形
成した保持具3と、保持具3の凸球面3aを摺動自在に
支持する支持具2とを有する研削研磨保持装置におい
て、保持具3の凸球面3aは半球より少ない球面で形成
され、凸球面3aに支持具2の支持部2cが線接触する
ように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、ミラー、
プリズム等の光学素子または成形型等のワークを研削研
磨する際の保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、研削研磨するときの光学素子を保
持する装置には、特許第2610949号(平成9年2
月27日登録)に開示された技術がある。図4を用い
て、この技術を説明する。この光学素子(以下ワークと
いう)を保持する装置は、図4に示すように、球帯状も
しくは球冠状の凹球面101d、101eをその内周面
に有する支持具101と、ワーク102を保持するワー
クホルダ102Aを中空部103aに回転自在に支承
し、かつ支持具101の凹球面101d、101eに対
応した曲率半径を有する凸球面103bを有する保持具
103とを有する。また、支持具101の凹球面101
d、101eには、ノズル孔101a、101b、10
1cが穿設され、流体Z、X、Xを凹球面101
d、101eと凸球面103bとの間に供給することに
より、支持具101と保持具103とを摺動自在にし、
かつ凹球面101d、101eと凸球面103bとの間
の流体Z、X、Xによるスラスト方向およびラジア
ル方向の力を独立に制御するように構成されている。
【0003】上記構成の研削研磨保持装置を用いて、ワ
ーク102の下方に配置された研磨具104でワーク1
02を加工するとき、ワーク102の回転軸をずらそう
とする力、即ち加工抵抗力Fがワーク102に作用す
る。この力に対して、それぞれ独立したノズル孔101
a、101b、101cにより流体流量が供給されるた
め、加工中のワーク102には振動が発生せず、また、
支持具101と保持具103との干渉が生ぜず、ワーク
102の被加工面を均等な加工圧力にて加工でき、安定
的な研磨加工ができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術にはつぎのような問題点があった。すなわち、研磨具
104でワーク102を加工するとき、ワーク102の
回転軸をずらそうとする加工抵抗力Fは、ワーク102
の上方よりかかる研磨荷重N、および研磨具104の回
転力により変動し、また、ワーク102の被加工面の曲
率半径、および、加工径によっても加工抵抗力Fが変動
することを見出した。そのため、従来の研削研磨保持装
置では、ワークの加工条件またはワーク形状に変更があ
る場合には、流体Z、X、Xの供給量の制御をその
都度設定する必要があった。もし、供給量が加工抵抗力
Fに対して少なかった場合、支持具101の凹球面10
1d、101eと保持具103の凸球面103bとが接
触し、摺動が困難になるため、ワーク102が研磨具1
04の回転に追従できず、ワーク102の被加工面を均
等な加工圧力で加工できなくなり、安定的な研磨加工が
できず、被加工面の形状精度が悪化するという問題点が
あった。
【0005】また、従来の研削研磨保持装置では、支持
具101の凹球面101d、101eおよび保持具10
3の凸球面103bが半球形状を越えているために、ワ
ーク102に対向する位置に設けている研磨具104が
保持具103に干渉しないように、保持具103は研磨
具104の外径よりも大きく設定されている。しかし、
保持具103が大きくなると、自ずと慣性モーメントが
大きくなり、加工中に発生するワーク102の振動への
保持具103の追従性が劣るようになる。これによって
も、均等な加工圧力で加工ができなくなり、被加工面の
形状精度が悪化するという問題点があった。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1、2、3または4に係る発明の課
題は、加工条件またはワーク形状の変更に起因する加工
抵抗力が変化しても、均等な加工圧力で加工ができ、高
精度なワークを得ることができる研削研磨保持装置を提
供することである
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1、2、3または
4に係る発明の課題は、ワークを保持する保持皿と、該
保持皿を回転自在に支承するとともに外周に凸球面を形
成した保持具と、該保持具の凸球面を摺動自在に支持す
る支持具とを有する研削研磨保持装置において、前記保
持具の凸球面は半球より少ない球面で形成され、該凸球
面に前記支持具の支持部が線接触するように構成した。
【0008】請求項1、2、3または4に係る発明の研
削研磨保持装置では、保持具の凸球面は半球面より少な
い球面で形成され、該凸球面に支持具の支持部が線接触
するように構成したことにより、研磨具の回転および揺
動による加工抵抗力および上方より作用する加工圧力
を、保持具の凸球面から支持具の支持部に受け、発生し
た加工抵抗力に対する抗力を発生させてバランスを保
つ。また、支持部がワークを保持する保持具の凸球面に
線接触しているので、ワークと研磨具との相対的な運動
に伴う保持具と支持具との摺動運動が円滑に行われる。
【0009】請求項2に係る発明の研削研磨保持装置で
は、上記作用に加え、支持具の支持部が、支持具の下端
面内周に形成された環状稜線であるとともに、ワークの
被加工面とワークの回転軸との交点を基準点として、凸
球面と環状稜線との接触稜線とワークの回転軸とのなす
角が90度未満となるように構成したことにより、環状
稜線が保持具の凸球面に線接触して摺動運動しながら加
工抵抗力と抗力とのバランスを保つとともに、平面状の
被加工面を有するワークの保持装置を小型にすることが
可能になる。
【0010】請求項3に係る発明の研削研磨保持装置で
は、上記作用に加え、支持具の支持部が、支持具の下端
面内周に装着されたOリングであるとともに、ワークの
外周位置における接線とワークの回転軸との交点を基準
点として、Oリングと凸球面との接触稜線とワークの回
転軸とのなす角が90度未満となるように構成したこと
により、Oリングが保持具の凸球面に線接触して摺動運
動しながら加工抵抗力と抗力とのバランスを保つととも
に、球面状の被加工面を有するワークの保持装置を小型
にすることが可能になる。
【0011】請求項4に係る発明の研削研磨保持装置で
は、上記作用に加え、支持具の支持部が、支持具の内周
下部に形成された円錐面であるとともに、ワークの外周
位置における接線とワークの回転軸との交点を基準点と
して、円錐面と凸球面との接触稜線とワークの回転軸と
のなす角が90度未満となるように構成したことによ
り、円錐面が凸球面に線接触して摺動運動しながら加工
抵抗力と抗力とのバランスを保つとともに、球面状の被
加工面を有するワークの保持装置を小型にすることが可
能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、請求項2に係る発明の研削
研磨保持装置の実施の形態の概要について説明する。研
磨機による精研削加工または研磨加工のとき、研磨具が
回転し、かつ、研磨機の下軸または上軸が水平方向に揺
動運動する。また、研磨機の上軸により加工圧力が加え
られる。加工圧力は支持具および保持具の凸球面部に伝
わり、ベアリング、保持皿、Oリングを介して、ワーク
に伝わり、研磨具の加工面に押し付けられる。ノズルよ
り研削液または研磨材を含む遊離砥粒がワークおよび研
磨具に供給される。また、研磨具とワークとの摩擦力お
よび相対速度の差によりワークは研磨具と同方向に連れ
回り(従属回転)しながら精研削加工または研磨加工さ
れる。
【0013】このとき、ワークには、研磨具の回転およ
び揺動運動による加工抵抗力が発生する。この加工抵抗
力に対して、保持具の凸球面部と支持具の環状稜線との
接触稜線におけるラジアル方向の力が抗力となる。ま
た、加工圧力に対しては、保持具の凸球面と支持具の環
状稜線との接触稜線におけるアキシアル方向の力が抗力
となる。これにより、加工抵抗力によるワークの回転軸
のズレを防ぐことができる。また、保持具の凸球面部
が、支持具の中空部と下端面とで形成される環状稜線に
線接触しているので、容易に摺動が可能であり、研磨具
の加工面の回転時の振れ、および、研磨機の上軸と下軸
との傾きに対して、保持具の凸球面部が摺動することに
より、研磨具の加工面にワークが追従する。これによ
り、ワークには、常に均等な加工圧力が加わるようにな
っている。
【0014】加工が終了すると、研磨機の上軸が上昇し
てワークを回収する。そのとき、押さえ部材の突起部に
保持具の凸球面部の下端面が接触し、保持具が落下しな
いようになっている。なお、加工中は押さえ部材の突起
部と凸球面部の下端面との間には、隙間が設けられてい
るので、接触することはない。
【0015】つぎに、請求項3に係る発明の研削研磨保
持装置の実施の形態の概要について説明する。研磨機の
上軸の吸排出ユニットによりエアーを吸引すると、軟質
材であるダイヤフラムは支持具の中空部の天井面と接触
し、エアーは保持皿の貫通孔のみから吸引される。この
状態でワークを保持皿に挿入すると、ワークが吸引され
る。研磨機の上軸が下降して、研磨具にワークが当接す
る。研磨具が回転し、かつ、研磨機の下軸がワークの被
加工面の曲率半径の中心を揺動中心として球心揺動(ま
たは、遊星球心揺動)する。また、研磨機の上軸により
加工圧力が加わる。加工圧力は、支持具、Oリング、保
持具の凸球面部に伝わり、ベアリング、保持皿およびO
リングを介して、ワークに伝わり、研磨具の加工面に押
し付けられる。ノズルより研削液、または、研磨材を含
む遊離砥粒がワークおよび研磨具に供給される。また、
研磨具とワークとの摩擦力、および、相対速度の差によ
りワークは従属回転しながら精研削加工または研磨加工
される。
【0016】このとき、ワークには、加工圧力と、研磨
具の回転および揺動による加工抵抗力とが加わる。この
加工抵抗力に対して、保持具の凸球面部と支持具に保持
されたOリングとの間で、ラジアル方向の力とアキシア
ル方向の力が抗力となる。これにより、加工抵抗力によ
るワークの回転軸のズレを防ぐことができる。また、保
持具の凸球面部が、支持具に保持されたOリングと線接
触しているので、容易に摺動が可能である。研磨具の回
転時の加工面の振れ、および、研磨機の上軸と下軸との
傾きに対して、保持具の凸球面部が摺動することによ
り、研磨具の加工面にワークが追従する。これにより、
ワークには、常に均等な加工圧力が加わるようになって
いる。
【0017】加工が終了すると、加工前と同様に、研磨
機の上軸の給排出ユニットによりエアーを吸引しながら
上軸を上昇させる。このとき、ワークはこの吸引力によ
り、保持皿に保持された状態が維持され、研磨機の上軸
が上昇したのち、ワークを回収する。なお、ワークが上
昇し始めると、保持具は重力により下方に下がるが、外
輪ナットの傾斜部と支持部の突起とが接触し、保持具の
落下を防止するとともに、エアー漏れを防止する。ま
た、加工中は外輪ナットの傾斜部と支持具の突起部と
は、一定の隙間を有しているので、保持具の動きを損な
うことはない。
【0018】つぎに、請求項4に係る発明の研削研磨保
持装置の実施の形態の概要について説明する。ワークを
保持した磁性材料からなる貼付皿を保持皿に挿入する
と、磁石の磁力により貼付皿が保持される。研磨機の上
軸が下降して、研磨具にワークが当接される。研磨具が
回転し、かつ、研磨機の下軸がワークの被加工面の曲率
半径の中心を揺動中心として球心揺動(または、遊星球
心揺動)する。また、研磨機の上軸により加工圧力が加
わる。加工圧力は、支持具の円錐面を介して保持具の凸
球面部に伝わり、ベアリング、保持皿および貼付皿を介
してワークに伝わり、研磨具の加工面に押し付けられ
る。ノズルより研削液または研磨材を含む遊離砥粒がワ
ークおよび研磨具に供給される。また、研磨具とワーク
との摩擦力、および、相対速度の差によりワークは従属
回転しながら精研削加工または研磨加工される。
【0019】このとき、ワークには、加工圧力と、研磨
具の回転および揺動による加工抵抗力とが加わる。この
加工抵抗力に対して、保持具の凸球面部と支持具の円錐
面との間で、ラジアル方向の力とアキシアル方向の力が
抗力となる。これにより、加工抵抗力によるワークの回
転軸のズレを防ぐことができる。また、保持具の凸球面
部が、支持具の円錐面と線接触しているので、容易に摺
動が可能である。研磨具の加工面の回転時の振れ、およ
び研磨機の上軸と下軸との傾きに対して、保持具の凸球
面部が摺動することにより、研磨具の加工面にワークが
追従する。これにより、ワークには、常に均等な加工圧
力が加わるようになっている。
【0020】加工が終了すると、磁石により貼付皿は保
持皿に保持された状態で、上軸が上昇する。なお、ワー
クが上昇し始めると、保持具は重力により下方に下がる
が、外輪ナットの傾斜部と支持部の突起とが接触し、保
持具の落下を防止する。また、加工中は外輪ナットの傾
斜部と支持具の突起部とは、一定の隙間を有しているの
で、保持具の動きを損なうことはない。以下、具体的な
実施の形態について説明する。
【0021】(実施の形態1)図1は実施の形態1を示
し、研削研磨保持装置の縦断面図である。図1におい
て、図示しない研磨機の下軸9に装着された研磨具7の
平面状の加工面7aに対向して、被加工面1aが平面で
ある円板状のミラー、レンズ、プリズムなどのワーク1
が当接されている。ワーク1の上方側には、保持皿4が
配設され、凹状に穿設した保持部4bによってワーク1
の上面および側面を保持している。保持皿4の保持部4
bの底面には、Oリング5が嵌装され、ワーク1の上面
に接触するようになっている。保持皿4の軸部4aは、
円柱状に形成され、ベアリング6の内輪が装着されてい
る。ベアリング6の外輪は保持具3に嵌装し、保持具3
と保持皿4とは回転自在に連結されている。
【0022】保持具3の下部には、逃げ穴3cが形成さ
れ、保持皿4とは接触しないようになっている。保持具
3の外周は凸球面としての凸球面部3aが形成され、下
端面3bは平面状に形成されている。また、凸球面部3
aの曲率半径の中心位置は、ワーク1の被加工面1aと
ワーク1の回転軸h(下軸9の回転中心軸線と一致する
軸)との交点Oとほぼ一致して設定されている。この保
持具3の下端面3bは、凸球面部3aの曲率半径の中心
位置を通る平面(即ち、研磨具7の加工面7a)よりも
上方に設定されているので、凸球面部3aは、半球より
少ない球面に形成されている。
【0023】研磨機の下軸9に対向する上方には、図示
しない上軸が配設され、上軸には、ワーク1を加工する
際の加工圧力Nを与えるための図示しないエアシリンダ
が連結されている。上軸の下端側には、円柱空間状の中
空部2aを形成した支持具2が配設され、支持具2は回
転しないように上軸に固着されている。支持具2の中空
部2aの内周面と下端面2bとにより、支持部としての
環状稜線2cを形成している。支持具2の中空部2aに
は、保持具3の凸球面部3aが嵌入し、保持具3の凸球
面部3aと支持具2の環状稜線2cとは、線接触するよ
うに構成されている。この場合、交点Oを基準とし、保
持具3の凸球面部3aと支持具2の環状稜線2cとの接
触稜線と、回転軸hとのなす角θは、90°未満に設定
されている。
【0024】支持具2の下端面2b側の外周面には、ネ
ジ2dが螺刻され、断面がL字状の押さえ部材である押
さえ環8が螺着されている。押さえ環8の内側方向へ延
設された突起部8aの内径は、保持具3の凸球面部3a
の下端面3bの最大外径となる外周の径寸法より小さく
設定されている。従って、研磨具7とワーク1とを離間
した非加工時には、押さえ環8の突起部8aは、保持具
3の下端面3bを支持可能になっている。また、図1に
示すように、研磨具7にワーク1が当接して、ワーク1
の加工が実施される際には、押さえ環8の突起部8aの
上面と、保持具3の下端面3bとの間には、隙間が形成
されるようになっている。なお、上記下軸9と上軸のい
ずれか一方は、下軸9の回転中心軸線に対して、直交す
る方向に移動自在(いわゆる揺動自在)となっている。
この移動自在とする揺動手段は周知であるので図および
説明を省略する。
【0025】つぎに、上記構成の研削研磨保持装置の作
用について説明する。研磨機によるワーク1の研削研磨
加工時には、下軸9の回転によって研磨具7が回転し、
かつ、研磨機の下軸9(また上軸(不図示)でもよい)
が水平揺動し、研磨機の上軸により加工圧力Nが加えら
れる。加工圧力Nは、支持具2、保持具3の凸球面部3
aと伝わり、さらにベアリング6、保持皿4およびOリ
ング5を介して、ワーク1に伝えられ、ワーク1の被加
工面1aが研磨具7の加工面7aに押し付けられる。図
示しないノズルより、研削液または研磨材を含む遊離砥
粒がワーク1の被加工面1aおよび研磨具7の加工面7
aに供給される。そして、研磨具7の加工面7aとワー
ク1の被加工面1aとの摩擦力、および両者の相対速度
の差により、ワーク1は研磨具7の回転方向と同方向に
連れ回り(以下、従属回転という)しながら、ワーク1
の被加工面1aは研磨具7によって研削、または研磨加
工される。
【0026】このとき、ワーク1には、研磨具7の回転
および水平揺動により加工抵抗力Fが加わる。この加工
抵抗力Fに対して、保持具3の凸球面部3aと支持具2
とが接触する環状稜線2cのラジアル方向の力Fが抗
力となる。また、加工圧力Nに対しては、保持具3の凸
球面部3aと支持具2とが接触する環状稜線2cのアキ
シアル方向の力Fが抗力となる。すなわち、ラジアル
方向の抗力Fと、加工抵抗力Fとのバランスにより、
ワーク1の回転軸hのズレを防ぐことができる。また、
保持具3の凸球面部3aが、支持具2の環状稜線2cと
リング状に線接触しているので、容易に保持具3の摺動
が可能であり、研磨具7の加工面7aの回転時に発生す
る振れが有っても、あるいは、研磨機の上軸と下軸との
間の各回転軸線が同一線上にならずに傾いたとしても、
保持具3の凸球面部3aが支持具2の環状稜線2cに対
して摺動することにより、研磨具7の加工面7aにワー
ク1の被加工面1aが常に全面当接して追従する。これ
により、ワーク1の被加工面1aには常に均等な加工圧
力が加わるようになっている。
【0027】加工が終了すると、研磨機の上軸が上昇
し、押さえ環8の突起部8aに保持具3の下端面3bが
接触し、保持具3とともに保持皿4が持ち上げられる。
この動作によって保持皿4内に配備されたワーク1が研
磨具7の加工面7a上に残され、ワーク1の回収が行わ
れる。なお、Oリング5は保持皿4内に残った状態にな
っている。上述のように、ワーク1の加工中は、押さえ
環8の突起部8aと保持具3の下端面3bとの間には、
隙間が形成されているので、互いに接触することはな
い。なお、ワーク1の加工終了後、ワーク1を保持皿4
ごと取り外す場合は、押さえ環8は不要となる。
【0028】本実施の形態によれば、保持具3の凸球面
部3aと支持具2は摺動抵抗の少ない線接触で加工抵抗
力Fに対する抗力Fを得ているので、加工条件または
ワーク形状の変更があっても、均等な加工圧力で加工す
ることができる。また、ワーク1の被加工面1aと回転
軸hとの交点Oを基準点として、保持具3の凸球面部3
aと支持具2の環状稜線2cとの接触点と、回転軸hと
のなす角度θが90度未満なので、研磨具7の大きさに
影響されずに保持具3の大きさを設定することができ
る。故に、保持具3を小型にすることができ、慣性モー
メントの影響を抑えることができる。これによっても、
ワークを均等な加工圧力で安定して加工することがで
き、高精度なワークが得られる。
【0029】(実施の形態2)図2は実施の形態2を示
し、研削研磨保持装置の縦断面図である。本実施の形態
は、実施の形態1と同一の部材を用いているので、同一
の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0030】図2において、図示しない研磨機の下軸9
に装着された研磨具17の凹球面状の加工面17aに対
向して、被加工面11aが凸球面で、外形が円形状のレ
ンズ(または成形型)からなるワーク11が当接されて
いる。ワーク11の上方側には、保持皿14が配設さ
れ、凹状に穿設した保持部14bによってワーク11の
上面および側面を保持している。保持皿14の保持部1
4bの底面には、Oリング5が嵌装され、ワーク11の
上面に接触するようになっている。保持皿14の軸部1
4aは、円柱状に形成され、ベアリング16A、16B
の内輪が装着されている。ベアリング16A、16Bの
外輪は保持具13に嵌装し、保持具13と保持皿14と
は回転自在に連結されている。ベアリング16A、16
Bの内輪と外輪との間には、それぞれ環状のスペーサ1
8、19が介装されている。また、保持皿14の軸部1
4aの中心部には、貫通孔14cが穿設され、保持部1
4bから上方に貫通している。
【0031】保持皿14の軸部14aの上端部に螺刻し
た雄ネジには、内輪ナット21が螺合し、ベアリング1
6Bの内輪の上端を押圧、固定している。また、保持具
13の上端部に螺刻した雄ネジには、外輪ナット20が
螺合し、ベアリング16Bの外輪の上端を押圧、固定し
ている。外輪ナット20の外周には、傾斜部20aが形
成されている。保持具13の外周は凸球面としての凸球
面部13aが形成され、下端面13bは平面状に形成さ
れている。また、凸球面部13aの曲率半径の中心位置
は、ワーク11の被加工面11aの外周位置における接
線と、ワーク11の回転軸h(ワーク11が従属回転す
るときにワーク11の回転中心軸線となる軸)との交点
とほぼ一致して設定されている(好ましくは交点O
と一致であるが、加工面11aの外周位置における接
線に対し±10度の範囲ならば加工は可能である)。
【0032】研磨機の下軸9に対向する上方には、図示
しない上軸が配設され、上軸には、ワーク11を加工す
る際の加工圧力N(不図示)を与えるための図示しない
エアシリンダが連結されている。上軸の下端側には、円
柱空間状の中空部12aを形成した支持具12が配設さ
れ、支持具12は回転しないように上軸に固着されてい
る。支持具12の中空部12aの内周面下端には、段付
部12bが形成され、硬質ゴム、樹脂またはテフロンな
どの硬質で変形しにくく且つ摺動(潤滑)性に優れた材
料で形成された支持部としてのOリング15が装着さ
れ、保持具13の凸球面としての凸球面部13aに線接
触するようになっている。この場合、ワーク11の被加
工面11aの外周位置における接線とワーク11の回転
軸hとの交点Oを基準点として、保持具13の凸球面
部13aと支持具12に保持されたOリング15との接
触稜線と、回転軸hとのなす角θは90°未満に設定さ
れている。
【0033】支持具12の中空部12aの内周面の上下
方向の中間位置には、突起部12cが内側方向へ延設さ
れており、突起部12cは、加工時に外輪ナット20の
傾斜部20aとの間に一定間隔の隙間ができるように、
傾斜部20aに対向して傾斜面12eを形成している。
支持具12の中空部12aの天井面12fには、貫通孔
12dが穿設され、中空部12aより上方に貫通してい
る。貫通孔12dは、研磨機の上軸(不図示)内部に配
設されたエアーの吸引、排出を行う吸排出ユニット(不
図示)に連通している。保持具13に螺合している内輪
ナット21の外周面に周設された溝21aには、ゴム、
シリコン等の材料からなる円環状のダイヤフラム22が
嵌装されており、その下面22aと外輪ナット20の上
面20bとの間には、一定の隙間が設けられている。
【0034】上記構成の研削研磨保持装置の作用につい
て説明する。研磨機の上軸(不図示)の吸排出ユニット
(不図示)によりエアーを吸引すると、支持具12の突
起部12cの傾斜面12eに当接していた外輪ナット2
0の傾斜部20aが離れて、この外輪ナット20は吸引
作用で持ち上げられ、軟質材であるダイヤフラム22は
支持具12の天井面12fと接触し、エアーは保持皿1
4の貫通孔14cのみから吸引される。この状態でワー
ク11を保持皿14に挿入すると、ワーク11が吸引さ
れて、保持皿14に保持される。研磨機の上軸が下降し
て、研磨具17にワーク11が当接する。研磨具17が
回転し、かつ、研磨機の下軸9がワーク11の被加工面
11aの曲率半径の中心Oを揺動中心として、ワーク
11の回転軸hに対する傾斜角αの位置を基準にして球
心揺動(または遊星球心揺動)する。
【0035】また、研磨機の上軸により加工圧力N(不
図示)が加えられる。加工圧力Nは、支持具12、Oリ
ング15、保持具13の凸球面部13aと伝わり、さら
にベアリング16A、16B、保持皿14およびOリン
グ5を介して、ワーク11に伝えられ、ワーク11の被
加工面11aが研磨具17の加工面17aに押し付けら
れる。図示しないノズルより、研削液または研磨材を含
む遊離砥粒がワーク11の被加工面11aおよび研磨具
17の加工面17aに供給される。そして、研磨具17
の加工面17aとワーク11の被加工面11aとの摩擦
力、および両者の相対速度の差により、ワーク11は従
属回転しながら、ワーク11の被加工面11aは研磨具
17によって研削、または研磨加工される。
【0036】このとき、ワーク11には、加工圧力N、
研磨具17の回転および揺動により加工抵抗力F(不図
示)が加わる。この加工抵抗力Fに対して、保持具13
の凸球面部13aと支持具12の保持されたOリング1
5との接触稜線でラジアル方向の力F(不図示)とア
キシアル方向の力F(不図示)とが抗力となる。すな
わち、ラジアル方向の抗力Fと加工抵抗力Fとのバラ
ンスにより、ワーク11の回転軸hのズレを防ぐことが
できる。また、保持具13の凸球面部13aが、支持具
12に保持されたOリング15と線接触しているので、
保持具13は容易に摺動することができる。特に、Oリ
ング15の材質がテフロンの場合は摺動抵抗が低い。研
磨具17の加工面17aの回転時に発生する振れ、およ
び、研磨機の上軸と下軸との揺動による傾きの変化に対
して、保持具13の凸球面部13aが支持具12に保持
されたOリング15に対して摺動することにより、研磨
具17の加工面17aにワーク11の被加工面11aが
常に全面当接して追従する。これにより、ワーク11の
被加工面11aには常に均等な加工圧力が加わるように
なっている。
【0037】加工が終了すると、加工前と同様に、研磨
機の上軸の吸排出ユニット(不図示)により、エアーを
吸引しながら上軸を上昇させる。このとき、ワーク11
はこの吸引力により保持具14に保持された状態が維持
され、研磨機の上軸が上昇したのち、保持皿14側から
ワーク11を回収する。なお、上軸が上昇し始めると、
保持具13は重力により下方に下がるが、外輪ナット2
0の傾斜部20aと支持具12の突起部12cの傾斜面
12eとが接触し、保持具13の落下を防止するととも
に、エアー漏れも防止する。また、加工中は、外輪ナッ
ト20の傾斜部20と支持具12の突起部12cの傾斜
面12eとは、一定の隙間を維持しているので、保持具
13の動きを損なうことはない。
【0038】本実施の形態によれば、保持具13の凸球
面部13aと支持具12とは摺動抵抗の少ない線接触で
加工抵抗力Fに対する抗力Fを得ているので、加工条
件またはワーク形状の変更があっても、均等な加工圧力
で加工することができる。また、ワーク11の被加工面
11aの外周位置における接線と、ワーク11の回転軸
hとの交点Oを基準点として、保持具13の凸球面部
13aと支持具12の保持されたOリング15との接触
稜線と、回転軸hとのなす角θが90度未満なので、研
磨具17の大きさに影響されずに保持具13の大きさを
設定することができる。故に、保持具3を小型にするこ
とができ、慣性モーメントの影響を抑えることができ
る。これによっても、ワークを均等な加工圧力で安定し
て加工することができ、高精度なワークを得ることがで
きる。さらに、研磨機の上軸部に内蔵されたエアーによ
る吸引にて、ワーク11を保持しつつ、研磨機の上軸を
上昇させることができるので、ワーク11の着脱を容易
に行うことができ、自動搬送にも対応することができ
る。
【0039】なお、本実施の形態では、凸球面を有する
ワークを例として説明したが、凹球面を有するワークで
あっても、各部材の寸法を設定変更して本実施の形態を
適用することができる。また、研磨機の揺動方式は、研
磨機の上軸がワーク11の被加工面11aの曲率半径中
心Oを中心として球心揺動しても、同様な作用効果が
得られる。さらに、下軸を傾斜させた状態で上軸を直進
揺動(オスカー式)または遊星揺動させた研磨機では、
外輪ナット20の傾斜部20aと支持具12の突起部1
2cとの隙間を保持具13の動きが最大のときに干渉し
ないように大きく設定すればよい。
【0040】(実施の形態3)図3は実施の形態3を示
し、研削研磨保持装置の縦断面図である。本実施の形態
は、貼付皿に熱可塑性のワックス等で固定された凹球面
を有するワークを保持するための研削研磨保持装置であ
り、実施の形態1および実施の形態2と共通の構造が多
いので、異なる部分のみ説明し、同一の部材には、同一
の符号を付し説明を省略する。
【0041】図3において、図示しない研磨機の下軸9
に装着された研磨具27の凸球面状の加工面27aに対
向して、被加工面31aが凹球面で、外形が円形状のレ
ンズ(または成形型)からなるワーク31が当接されて
いる。ワーク31の上方側には、貼付皿33が配設さ
れ、貼付皿33には熱可塑性のワックスによりワーク3
1が貼付されている。貼付皿33には、中心部に軸部3
3aが立設され、軸部33aはその周囲に配設された保
持皿32の有底穴32aに嵌装されている。有底穴32
aの底面には、磁石34が配設され、磁力により貼付皿
33を吸引し、保持皿32に固定している。保持皿32
には、有底穴32aの周囲に円筒部32bを形成してお
り、実施の形態2と同様に、ベアリング16A、16B
およびスペーサ18、19を介して保持具13に回転自
在に保持されている。
【0042】支持具12の中空部12aの内周面下部に
は、支持部としての円錐面12gが形成され、保持具1
3の凸球面部13aと線接触するようになっている。こ
の場合、ワーク31の被加工面31aの外周位置におけ
る接線とワーク31の回転軸hとの交点Oを基準点と
して、保持具13の凸球面部13aと支持具12の円錐
面12gとの接触稜線と、回転軸hとのなす角θは、9
0°未満に設定されている。その他の構成は、内輪ナッ
ト21にダイヤフラム22が除去されている点を除い
て、実施の形態2と同様である。
【0043】上記構成の研削研磨保持装置の作用につい
て説明する。ワーク21を貼付した磁性材料からなる貼
付皿33を保持皿32に挿入すると、磁石34の磁力に
より貼付皿33が保持される。研磨機の上軸(不図示)
が下降して、研磨具27にワーク31が当接する。研磨
具27が回転し、かつ、研磨機の下軸9がワーク31の
被加工面31aの曲率半径の中心Oを揺動中心とし
て、ワーク31の回転軸hに対する傾斜角αの位置を基
準にして、球心揺動(または遊星球心揺動)する。
【0044】また、研磨機の上軸により加工圧力N(不
図示)が加えられる。加工圧力Nは、支持具12の円錐
面12gを介して、保持具13の凸球面部13aに伝わ
り、さらにベアリング16A、16B、保持皿32およ
び貼付皿33を介して、ワーク31に伝えられ、ワーク
31の被加工面31aが研磨具27の加工面27aに押
し付けられる。図示しないノズルより、研削液または研
磨材を含む遊離砥粒がワーク31の被加工面31aおよ
び研磨具27の加工面27aに供給される。そして、研
磨具27の加工面27aとワーク31の被加工面31a
との摩擦力、および両者の相対速度の差により、ワーク
31は従属回転しながら、ワーク31の被加工面31a
は研磨具27によって研削、または研磨加工される。
【0045】このとき、ワーク31には、加工圧力N、
研磨具27の回転および揺動により加工抵抗力F(不図
示)が加わる。この加工抵抗力Fに対して、保持具13
の凸球面部13aと支持具12の円錐面12gとの接触
稜線でラジアル方向の力F(不図示)とアキシアル方
向の力F(不図示)とが抗力となる。すなわち、ラジ
アル方向の抗力Fと、加工抵抗力Fとのバランスによ
り、ワーク31の回転軸hのズレを防ぐことができる。
また、保持具13の凸球面部13aが、支持具12の円
錐面12gと線接触しているので、保持具13は容易に
摺動することができる。研磨具27の加工面27aの回
転時に発生する振れ、および、研磨機の上軸と下軸との
揺動による傾きの変化に対して、保持具13の凸球面部
13aが支持具12に形成された円錐面12gに対して
摺動することにより、研磨具27の加工面27aにワー
ク31の被加工面31aが常に全面当接して追従する。
これにより、ワーク31の被加工面31aには常に均等
な加工圧力が加わるようになっている。
【0046】なお、支持具12は回転しないように研磨
機の上軸(不図示)に固着されているので、研磨具27
の加工面27aの回転時の振れ、および、研磨機の上軸
と下軸との傾きによる保持具の摺動運動が必要以上に発
生することはない。
【0047】加工が終了すると、磁石34により貼付皿
33は保持皿32に保持された状態で上軸が上昇する。
上軸の上昇が停止したところで、ワーク31と一体にな
った貼付皿33を保持皿32より引き出して回収する。
なお、上軸が上昇し始めると、保持具13は重力により
下方に下がるが、外輪ナット20の傾斜部20aと支持
具12の突起部12cの傾斜面12eとが接触し、保持
具13の落下を防止する。また、加工中は、外輪ナット
20の傾斜部20aと支持具12の突起部12cの傾斜
面12eとは、一定の隙間を維持しているので、保持具
13の動きを損なうことはない。
【0048】本実施の形態によれば、凹球面を有するワ
ークの場合、およびワークが貼付された貼付皿の場合で
あっても、実施の形態2と同様に、ワークを均等な加工
圧力で安定して加工することができ、高精度のワークを
得ることができる。また、保持皿の有底穴の底面には、
磁石が配設されているので、貼付皿を保持皿に保持しつ
つ、研磨機の上軸を上昇させることができるので、ワー
クの着脱を容易に行うことができ、自動搬送にも対応可
能である。
【0049】本実施の形態では、凹球面を有するワーク
を例として説明したが、凸球面を有するワークであって
も、各部材の寸法を設定変更して本実施の形態を適用す
ることができる。また、本実施の形態においては、支持
具12の貫通孔12を介して、研磨機の上軸(不図示)
よりエアーを供給することにより、支持具12の中空部
12aは圧力が上がり、研削液または研磨液のベアリン
グ16A、16Bへの侵入を防止することができ、ベア
リングの寿命が延びるという効果がある。
【0050】なお、本発明の具体的な実施の形態から、
つぎのような技術的思想が導き出される。 (付記) (1) ワークを保持する保持皿と、該保持皿を回転自
在に支承するとともに外周に凸球面を形成した保持具
と、該保持具の凸球面を摺動自在に支持する支持具とを
有する研削研磨保持装置において、前記保持具の凸球面
は半球よりも少ない球面で形成され、前記支持具は円柱
空間状の中空部と該中空部の下端に環状稜線とを形成
し、前記保持具を前記中空部に収納し、かつ、前記保持
具の凸球面と前記環状稜線とで線接触させるように構成
したことを特徴とする研削研磨保持装置。
【0051】付記(1)に係る研削研磨保持装置によれ
ば、保持具の凸球面部と支持具の環状稜線とは、摺動抵
抗の少ない線接触で加工抵抗力に対する抗力を得ている
ので、加工条件またはワーク形状の変更があっても、均
等な加工圧力で安定した加工ができ、高精度のワークを
得ることができる。
【0052】(2) ワークを保持する保持皿と、該保
持皿を回転自在に支承するとともに外周に凸球面を形成
した保持具と、該保持具の凸球面を摺動自在に支持する
支持具とを有する研削研磨保持装置において、前記保持
皿は中心部に貫通孔が形成され、前記保持具はベアリン
グを介して前記保持皿を回転自在に保持し、前記凸球面
は半球よりも少ない球面で形成され、前記支持具は円柱
空間状の中空部とエアーの給排出装置に連通する貫通孔
とを形成し、前記中空部の下端にOリングを装着して、
前記保持具を前記中空部に収納し、かつ、前記保持具の
凸球面と前記Oリングとで線接触させるように構成した
ことを特徴とする研削研磨保持装置。
【0053】付記(2)に係る研削研磨保持装置によれ
ば、保持具の凸球面部と支持具の下端に装着したOリン
グとは、摺動抵抗の少ない線接触で加工抵抗力に対する
抗力を得ているので、加工条件またはワーク形状の変更
があっても、均等な加工圧力で安定した加工ができ、高
精度のワークを得ることができる。また、ワークをエア
ーによる吸引にて保持しつつ、研磨機の上軸を上昇させ
ることができるので、ワークの着脱を容易に行うことが
でき、自動搬送に対応可能となる。
【0054】(3) ワークを保持する保持皿と、該保
持皿を回転自在に支承するとともに外周に凸球面を形成
した保持具と、該保持具の凸球面を摺動自在に支持する
支持具とを有する研削研磨保持装置において、前記保持
皿は中心部の有底穴に磁石を装備してワークを貼付した
貼付皿を保持し、前記保持具はベアリングを介して前記
保持皿を回転自在に保持し、前記凸球面は半球よりも少
ない球面で形成され、前記支持具は円柱空間状の中空部
と該中空部の内周下部に円錐面とを形成して、前記保持
具を前記中空部に収納し、かつ、前記保持具の凸球面と
前記円錐面とで線接触させるように構成したことを特徴
とする研削研磨保持装置。
【0055】付記(3)に係る研削研磨保持装置によれ
ば、保持具の凸球面部と支持具の内周下部の円錐面と
は、摺動抵抗の少ない線接触で加工抵抗力に対する抗力
を得ているので、加工条件またはワーク形状の変更があ
っても、均等な加工圧力で安定した加工ができ、高精度
のワークを得ることができる。また、ワークを貼付した
貼付皿を磁石により吸引しているので、貼付皿を保持皿
に保持しつつ、研磨機の上軸を上昇させることができる
ので、ワークの着脱を容易に行うことができ、自動搬送
に対応可能となる。
【0056】
【発明の効果】請求項1、2、3または4に係る発明に
よれば、研磨具の回転および揺動による加工抵抗力およ
び上方より作用する加工圧力を、保持具の凸球面から支
持具の支持部に受け、発生した加工抵抗力に対する抗力
を発生させてバランスを保つ。また、支持部がワークを
保持する保持具の凸球面に線接触しているので、ワーク
と研磨具との相対的な運動に伴う保持具と支持具との摺
動運動が円滑に行われる。これにより、加工条件または
ワーク形状に変更があっても、均一な加工圧力で安定し
た加工ができ、高精度のワークを得ることができる。請
求項2に係る発明によれば、上記効果に加え、環状稜線
が保持具の凸球面に接触して摺動運動しながら加工抵抗
力と抗力とのバランスを保つとともに、平面状の被加工
面を有するワークの保持装置を小型にすることが可能と
なるので、保持具による慣性モーメントの影響を抑える
ことができる。請求項3に係る発明によれば、上記効果
に加え、Oリングが保持具の凸球面に接触して摺動運動
しながら加工抵抗力と抗力とのバランスを保つととも
に、球面状の被加工面を有するワークの保持装置を小型
にすることが可能となるので、保持具による慣性モーメ
ントの影響を抑えることができる。請求項4に係る発明
によれば、上記効果に加え、円錐面が凸球面に接触して
摺動運動しながら加工抵抗力と抗力とのバランスを保つ
とともに、球面状の被加工面を有するワークの保持装置
を小型にすることが可能となるので、保持具による慣性
モーメントの影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の研削研磨保持装置の縦断面図で
ある。
【図2】実施の形態2の研削研磨保持装置の縦断面図で
ある。
【図3】実施の形態3の研削研磨保持装置の縦断面図で
ある。
【図4】従来技術の研削研磨装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ワーク 2 支持具 2c 環状稜線 3 保持具 3a 凸球面部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを保持する保持皿と、該保持皿を
    回転自在に支承するとともに外周に凸球面を形成した保
    持具と、該保持具の凸球面を摺動自在に支持する支持具
    とを有する研削研磨保持装置において、 前記保持具の凸球面は半球より少ない球面で形成され、
    該凸球面に前記支持具の支持部が線接触するように構成
    したことを特徴とする研削研磨保持装置。
  2. 【請求項2】 前記支持具の支持部は、前記支持具の下
    端面内周に形成された環状稜線であるとともに、ワーク
    の被加工面とワークの回転軸との交点を基準点として、
    前記凸球面と前記環状稜線との接触稜線とワークの回転
    軸とのなす角が90度未満となるように構成したことを
    特徴とする請求項1記載の研削研磨保持装置。
  3. 【請求項3】 前記支持具の支持部は、前記支持具の下
    端面内周に装着されたOリングであるとともに、ワーク
    の外周位置における接線とワークの回転軸との交点を基
    準点として、前記Oリングと前記凸球面との接触稜線と
    ワークの回転軸とのなす角が90度未満となるように構
    成したことを特徴とする請求項1記載の研削研磨保持装
    置。
  4. 【請求項4】 前記支持具の支持部は、前記支持具の内
    周下部に形成された円錐面であるとともに、ワークの外
    周位置における接線とワークの回転軸との交点を基準点
    として、前記円錐面と前記凸球面との接触稜線とワーク
    の回転軸とのなす角が90度未満となるように構成した
    ことを特徴とする請求項1記載の研削研磨保持装置。
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