JP7219009B2 - 基板保持装置およびドライブリングの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェハなどの基板を保持する基板保持装置に関し、特に基板を研磨パッドなどの研磨具に押し付けて基板の表面を研磨するために使用される基板保持装置に関する。また、本発明は、上記基板保持装置に使用されるドライブリングの製造方法に関する。
半導体デバイスの製造工程では、ウェハの表面を研磨するために研磨装置が広く使用されている。この種の研磨装置は、研磨面を有する研磨パッドを支える研磨テーブルと、ウェハを保持するための研磨ヘッドと称される基板保持装置と、研磨液を研磨面に供給する研磨液供給ノズルとを備えている。
研磨装置は次のようにしてウェハを研磨する。研磨パッドとともに研磨テーブルを回転させながら、研磨液供給ノズルから研磨液を研磨面に供給する。基板保持装置によりウェハを保持し、さらにウェハをその軸心を中心として回転させる。この状態で、基板保持装置はウェハの表面を研磨パッドの研磨面に押し付け、研磨液の存在下でウェハの表面を研磨面に摺接させる。ウェハの表面は、研磨液に含まれる砥粒の機械的作用と、研磨液の化学的作用により研磨される。このような研磨装置はCMP(化学機械研磨)装置とも呼ばれる。
ウェハの研磨中、ウェハの表面は回転する研磨パッドに摺接されるため、ウェハには摩擦力が作用する。そこで、ウェハの研磨中にウェハが基板保持装置から外れないようにするために、基板保持装置はリテーナリングを備えている。このリテーナリングは、ウェハを囲むように配置され、ウェハの外側で研磨パッドを押し付けている。基板保持装置は、リテーナリングにトルクを伝えるドライブリングをさらに備えており、リテーナリングはドライブリングに固定される。
特開2017-74639号公報
リテーナリングは、ウェハの研磨中にウェハが基板保持装置から外れないようにする役割に加えて、研磨パッドのリバウンド量を制御することで、ウェハの周縁部の研磨レートを制御する役割も持つ。しかしながら、リテーナリングから研磨パッドに加えられる圧力が周方向において不均一であると、これに依存してウェハに対する研磨パッドの反発力も周方向において不均一になる。リテーナリングから研磨パッドに加えられる圧力の周方向における不均一は、ウェハの周方向における研磨レートのばらつきを引き起こす要因の1つとなる。
そこで、本発明は、ウェハなどの基板の周方向における研磨レートのばらつきを抑制することができる基板保持装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、このような基板保持装置に使用されるドライブリングの製造方法を提供することを目的とする。
一態様では、研磨ヘッド本体と、前記研磨ヘッド本体の下方に配置されたドライブリングと、前記ドライブリングに固定されたリテーナリングとを備え、前記ドライブリングは、前記リテーナリングに接触する環状の接触面を有し、前記接触面の周方向における平面度は4.6μm以下であり、前記平面度は、前記接触面の最も高い位置と、最も低い位置との高さの差を表すことを特徴とする基板保持装置である。
一態様では、前記接触面の内側領域の周方向における平面度が4.6μm以下であり、前記内側領域は、前記接触面の最も内側の端部を含む領域であることを特徴とする。
一態様では、前記接触面の外側領域の周方向における平面度が4.6μm以下であり、前記外側領域は、前記接触面の最も外側の端部を含む領域であることを特徴とする。
一態様では、前記接触面の中間領域の周方向における平面度が4.6μm以下であり、前記中間領域は、前記接触面の最も内側の端部よりも径方向外側に位置し、かつ前記接触面の最も外側の端部よりも径方向内側に位置することを特徴とする。
一態様では、前記ドライブリングの下部には、前記リテーナリングに挿入された複数の補強ピンが固定されており、前記複数の補強ピンは、周方向に沿って互いに離間して配列されていることを特徴とする。
一態様では、前記ドライブリングおよび前記リテーナリングを傾動可能に支持する球面軸受をさらに備えていることを特徴とする。
一態様では、前記ドライブリングの剛性は、前記リテーナリングの剛性よりも大きいことを特徴とする。
一態様では、基板を研磨パッドに押し付けるための基板保持装置に使用されるドライブリングの製造方法であって、前記ドライブリングの接触面の周方向における平面度が4.6μm以下となるように前記接触面を研磨し、前記接触面は、前記基板保持装置に使用されるリテーナリングに接触する環状の接触面であり、前記平面度は、前記接触面の最も高い位置と、最も低い位置との高さの差を表すことを特徴とする製造方法である。
一態様では、前記平面度が4.6μm以下となるように前記接触面を研磨する工程は、前記ドライブリングの前記接触面を研削加工し、その後、前記ドライブリングと研磨具との間に砥粒が存在する状態で、前記接触面を前記研磨具に押し付けながら、前記ドライブリングと前記研磨具とを相対運動させることによって、前記平面度が4.6μm以下になるまで前記接触面を研磨する工程であることを特徴とする。
ドライブリングの接触面は、4.6μmと平坦であるため、リテーナリングから研磨パッドに加えられる圧力の周方向における不均一を抑制することができる。結果として、基板保持装置は、基板の周方向における研磨レートのばらつきを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る基板保持装置を備えた研磨装置を示す模式図である。 研磨装置の詳細な構成を示す図である。 図1に示す研磨ヘッドの断面図である。 ドライブリングおよびリテーナリングの断面図である。 ドライブリングの下面図である。 リテーナリングが研磨パッドの研磨面を押圧している状態を模式的に示した側面図である。 図7(a)は、図6のA-A線断面図であり、図7(b)は、図6のB-B線断面図である。 図8(a)は、ドライブリングの接触面の周方向における高さのばらつきの一例を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のドライブリングを使用したときのウェハの周縁部の研磨レートを示す図である。 図9(a)は、本実施形態における、ドライブリングの接触面の周方向における高さのばらつきの一例を示す図であり、図9(b)は、本実施形態におけるウェハの周縁部の研磨レートを示す図である。 ドライブリングの接触面の周方向における平面度と、ウェハの周縁部の周方向における研磨レートのばらつきの関係を示すグラフである。 ドライブリングの製造方法を説明するフローチャートである。 研磨ヘッドの他の実施形態の断面図である。 ドライブリングおよび連結部材を示す平面図である。 球面軸受を示す図である。 図15(a)は、連結部材が球面軸受に対して上下動している様子を示し、図15(b)および図15(c)は、連結部材が内輪と共に傾動している様子を示す図である。 球面軸受の他の構成例を示す拡大断面図である。 図17(a)は、連結部材が球面軸受に対して上下動している様子を示し、図17(b)および図17(c)は、連結部材が中間輪と共に傾動している様子を示している図である。 図18(a)は、図12に示すドライブリングおよびリテーナリングの断面図であり、図18(b)は図12に示すドライブリングの一部を示す下面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る基板保持装置を備えた研磨装置を示す模式図である。図1に示すように、研磨装置は、基板の一例であるウェハWを保持し回転させる基板保持装置としての研磨ヘッド1と、研磨パッド2を支持する研磨テーブル3と、研磨パッド2に研磨液(スラリー)を供給する研磨液供給ノズル5と、ウェハWの膜厚に従って変化する膜厚信号を取得する膜厚センサ7とを備えている。膜厚センサ7は、研磨テーブル3内に設置されており、研磨テーブル3が1回転するたびに、ウェハWの中心部を含む複数の領域での膜厚信号を生成する。膜厚センサ7の例としては、光学式センサや渦電流センサが挙げられる。
研磨ヘッド1は、その下面に真空吸着によりウェハWを保持できるように構成されている。研磨ヘッド1および研磨テーブル3は、矢印で示すように同じ方向に回転し、この状態で研磨ヘッド1は、ウェハWを研磨パッド2の研磨面2aに押し付ける。研磨液供給ノズル5からは研磨液が研磨パッド2上に供給され、ウェハWは、研磨液の存在下で研磨パッド2との摺接により研磨される。ウェハWの研磨中、膜厚センサ7は研磨テーブル3と共に回転し、記号Aに示すようにウェハWの表面を横切りながら膜厚信号を生成する。この膜厚信号は、膜厚を直接または間接に示す指標値であり、ウェハWの膜厚の減少に従って変化する。膜厚センサ7は研磨制御部9に接続されており、膜厚信号は研磨制御部9に送られるようになっている。研磨制御部9は、膜厚信号によって示されるウェハWの膜厚が所定の目標値に達したときに、ウェハWの研磨を終了させる。
図2は、研磨装置の詳細な構成を示す図である。研磨テーブル3は、テーブル軸3aを介してその下方に配置されるモータ13に連結されており、そのテーブル軸3a周りに回転可能になっている。研磨テーブル3の上面には研磨パッド2が貼付されており、研磨パッド2の上面がウェハWを研磨する研磨面2aを構成している。モータ13により研磨テーブル3を回転させることにより、研磨面2aは研磨ヘッド1に対して相対的に移動する。したがって、モータ13は、研磨面2aを水平方向に移動させる研磨面移動機構を構成する。
研磨ヘッド1は、研磨ヘッドシャフト11に接続されており、この研磨ヘッドシャフト11は、上下動機構27により研磨ヘッド揺動アーム16に対して上下動するようになっている。この研磨ヘッドシャフト11の上下動により、研磨ヘッド揺動アーム16に対して研磨ヘッド1の全体を昇降させ位置決めするようになっている。研磨ヘッドシャフト11の上端にはロータリージョイント25が取り付けられている。
研磨ヘッドシャフト11および研磨ヘッド1を上下動させる上下動機構27は、軸受26を介して研磨ヘッドシャフト11を回転可能に支持するブリッジ28と、ブリッジ28に取り付けられたボールねじ32と、支柱30により支持された支持台29と、支持台29上に設けられたサーボモータ38とを備えている。サーボモータ38を支持する支持台29は、支柱30を介して研磨ヘッド揺動アーム16に固定されている。
ボールねじ32は、サーボモータ38に連結されたねじ軸32aと、このねじ軸32aが螺合するナット32bとを備えている。研磨ヘッドシャフト11は、ブリッジ28と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ38を駆動すると、ボールねじ32を介してブリッジ28が上下動し、これにより研磨ヘッドシャフト11および研磨ヘッド1が上下動する。
また、研磨ヘッドシャフト11はキー(図示せず)を介して回転筒12に連結されている。この回転筒12はその外周部にタイミングプーリ14を備えている。研磨ヘッド揺動アーム16には研磨ヘッド用モータ18が固定されており、上記タイミングプーリ14は、タイミングベルト19を介して研磨ヘッド用モータ18に設けられたタイミングプーリ20に接続されている。したがって、研磨ヘッド用モータ18を回転駆動することによってタイミングプーリ20、タイミングベルト19、およびタイミングプーリ14を介して回転筒12および研磨ヘッドシャフト11が一体に回転し、研磨ヘッド1がその軸心を中心として回転する。研磨ヘッド用モータ18、タイミングプーリ20、タイミングベルト19、およびタイミングプーリ14は、研磨ヘッド1をその軸心を中心として回転させる回転機構を構成する。研磨ヘッド揺動アーム16は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持された支軸21によって支持されている。研磨ヘッド1は、その下面にウェハWなどの基板を保持できるようになっている。研磨ヘッド揺動アーム16は支軸21を中心として旋回可能に構成されている。
ウェハWの研磨は次のようにして行われる。研磨ヘッド1および研磨テーブル3をそれぞれ回転させ、研磨テーブル3の上方に設けられた研磨液供給ノズル5から研磨パッド2上に研磨液を供給する。下面にウェハWを保持した研磨ヘッド1は、研磨ヘッド揺動アーム16の旋回によりウェハWの受取位置から研磨テーブル3の上方に移動される。そして、研磨ヘッド1を下降させてウェハWを研磨パッド2の研磨面2aに押圧する。ウェハWは、研磨液の存在下で研磨面2aに摺接され、ウェハWの表面は、研磨液に含まれる砥粒の機械的作用と、研磨液の化学的作用により研磨される。
次に、基板保持装置を構成する研磨ヘッド1について説明する。図3は、図1に示す研磨ヘッド1の断面図である。図3に示すように、研磨ヘッド1は、ウェハWを研磨パッド2の研磨面2aに対して押し付けるための弾性膜45と、弾性膜45を保持する研磨ヘッド本体10と、研磨ヘッド本体10の下方に配置された環状のドライブリング81と、ドライブリング81の下面に固定された環状のリテーナリング40とを備えている。弾性膜45は、研磨ヘッド本体10の下部に取り付けられている。研磨ヘッド本体10は、研磨ヘッドシャフト11の端部に固定されており、研磨ヘッド本体10、弾性膜45、ドライブリング81、およびリテーナリング40は、研磨ヘッドシャフト11の回転により一体に回転するように構成されている。リテーナリング40およびドライブリング81は、研磨ヘッド本体10に対して相対的に上下動可能に構成されている。研磨ヘッド本体10は、エンジニアリングプラスティック(例えば、PEEK)などの樹脂により形成されている。
弾性膜45と研磨ヘッド本体10との間には、4つの圧力室50,51,52,53が設けられている。圧力室50,51,52,53は弾性膜45と研磨ヘッド本体10によって形成されている。中央の圧力室50は円形であり、他の圧力室51,52,53は環状である。これらの圧力室50,51,52,53は、同心上に配列されている。
圧力室50,51,52,53にはそれぞれ気体移送ラインF1,F2,F3,F4が接続されている。気体移送ラインF1,F2,F3,F4の一端は、研磨装置が設置されている工場に設けられたユーティリティとしての圧縮気体供給源(図示せず)に接続されている。圧縮空気等の圧縮気体は、気体移送ラインF1,F2,F3,F4を通じて圧力室50,51,52,53にそれぞれ供給されるようになっている。
圧力室52に連通する気体移送ラインF3は、図示しない真空ラインに接続されており、圧力室52内に真空を形成することが可能となっている。圧力室52を構成する、弾性膜45の部位には開口が形成されており、圧力室52に真空を形成することによりウェハWが研磨ヘッド1に吸着保持される。また、この圧力室52に圧縮気体を供給することにより、ウェハWが研磨ヘッド1からリリースされる。弾性膜45は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
リテーナリング40は、弾性膜45の周囲に配置されており、研磨パッド2の研磨面2aに接触する環状の部材である。リテーナリング40は、ウェハWの外周縁を囲むように配置されており、ウェハWの研磨中にウェハWが研磨ヘッド1から飛び出してしまうことを防止する。
ドライブリング81の上部は、環状のリテーナリング押圧機構60に連結されている。リテーナリング押圧機構60は、ドライブリング81を介してリテーナリング40の上面40bの全体に下向きの荷重を与え、これによりリテーナリング40の下面40aを研磨パッド2の研磨面2aに対して押圧する。
リテーナリング押圧機構60は、ドライブリング81の上部に固定された環状のピストン61と、ピストン61の上面に接続された環状のローリングダイヤフラム62とを備えている。ローリングダイヤフラム62の内部にはリテーナリング圧力室63が形成されている。このリテーナリング圧力室63は、気体移送ラインF5を介して上記圧縮気体供給源に連結されている。圧縮気体は、気体移送ラインF5を通じてリテーナリング圧力室63内に供給される。
上記圧縮気体供給源からリテーナリング圧力室63に圧縮気体を供給すると、ローリングダイヤフラム62がピストン61を下方に押し下げ、ピストン61はドライブリング81を押し下げ、さらにドライブリング81はリテーナリング40の全体を下方に押し下げる。このようにして、リテーナリング押圧機構60は、リテーナリング40の下面40aを研磨パッド2の研磨面2aに対して押圧する。
ドライブリング81は、リテーナリング押圧機構60に着脱可能に連結されている。より具体的には、ピストン61とドライブリング81を締結部材等により機械的に連結している。なお、締結部材として、樹脂固定部材、磁石や金属ボルトを用いてもよい。
気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5は、研磨ヘッドシャフト11に取り付けられたロータリージョイント25を経由して延びている。圧力室50,51,52,53、およびリテーナリング圧力室63に連通する気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5には、それぞれ圧力レギュレータR1,R2,R3,R4,R5が設けられている。圧縮気体供給源からの圧縮気体は、圧力レギュレータR1~R5を通って圧力室50~53、およびリテーナリング圧力室63内にそれぞれ独立に供給される。圧力レギュレータR1~R5は、圧力室50~53、およびリテーナリング圧力室63内の圧縮気体の圧力を調節するように構成されている。
圧力レギュレータR1~R5は、圧力室50~53、およびリテーナリング圧力室63の内部圧力を互いに独立して変化させることが可能であり、これにより、ウェハWの対応する4つの領域、すなわち、中央部、内側中間部、外側中間部、およびエッジ部に対する研磨圧力、およびリテーナリング40の研磨パッド2への押圧力を独立に調節することができる。気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5は大気開放弁(図示せず)にもそれぞれ接続されており、圧力室50~53、およびリテーナリング圧力室63を大気開放することも可能である。本実施形態では、弾性膜45は、4つの圧力室50~53を形成するが、一実施形態では、弾性膜45は4つよりも少ない、または4つよりも多い圧力室を形成してもよい。
図4は、ドライブリング81およびリテーナリング40の断面図であり、図5は、ドライブリング81の下面図である。図4および図5に示すように、ドライブリング81は、リテーナリング40に接触する環状の接触面81aを有している。本実施形態では、ドライブリング81の下面は、接触面81aを形成している。リテーナリング40の上面40bは、ドライブリング81の下面(接触面81a)に固定される。より具体的には、リテーナリング40の上面には、複数のボルト84がそれぞれねじ込まれる複数のねじ穴40cが形成されており、ドライブリング81にはボルト84が貫通する複数の通孔81fが形成されている。図4では、1つの通孔81f、1つのねじ穴40c、および1つのボルト84のみが描かれている。複数のボルト84を通孔81fを通じて複数のねじ穴40cにそれぞれねじ込むことによって、リテーナリング40の上面40bはドライブリング81の下面(接触面81a)に固定される。
ドライブリング81の接触面81aは、ドライブリング81の周方向において平坦である。より具体的には、接触面81aの周方向における平面度は4.6μm以下である。本明細書において、平面度とは、接触面81aの最も高い位置と、最も低い位置との高さの差と定義される。本実施形態では、接触面81aの3つの領域において、それぞれの領域の周方向における平面度が4.6μm以下である。上記3つの領域とは、内側領域81b、外側領域81c、中間領域81dである。図5に示すように、内側領域81bは、接触面81aの最も内側の端部を含む領域である。外側領域81cは、接触面81aの最も外側の端部を含む領域である。中間領域81dは、内側領域81bと外側領域81cとに挟まれた領域である。すなわち、中間領域81dは、接触面81aの最も内側の端部よりも径方向外側に位置し、かつ接触面81aの最も外側の端部よりも径方向内側に位置する。本実施形態では、内側領域81b、中間領域81d、および外側領域81cは同じ幅を有するが、異なる幅を有してもよい。
本実施形態では、接触面81aの周方向における平面度は、接触面81aの全体において(すなわち、内側領域81b、中間領域81d、および外側領域81cにおいて)、4.6μm以下である。一実施形態では、内側領域81b、中間領域81d、および外側領域81cのうちの少なくともいずれか1つにおいて接触面81aの周方向における平面度が4.6μm以下であってもよい。
図6は、リテーナリング40が研磨パッド2の研磨面2aを押圧している状態を模式的に示した側面図である。ドライブリング81の剛性は、リテーナリング40の剛性よりも大きい。そのため、図6に示すように、リテーナリング40をドライブリング81に固定したとき、リテーナリング40の上面40bおよび下面40aの形状は、ドライブリング81の接触面81aの形状に沿う。ドライブリング81の材質の例として、ステンレス鋼やセラミックが挙げられる。リテーナリング40の材質の一例として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂が挙げられる。
図7(a)は、図6のA-A線断面図であり、図7(b)は、図6のB-B線断面図である。リテーナリング40から研磨パッド2の研磨面2aに加えられる圧力は、ドライブリング81の接触面81aの形状に依存して変わりうる。すなわち、図7(a)および図7(b)に示すように、接触面81aの位置が低いほどリテーナリング40の位置が下がり、結果として、リテーナリング40から研磨パッド2の研磨面2aに加えられる圧力(研磨パッド2の押し込み量)が大きくなる。
図7(a)および図7(b)に示すように、リテーナリング40を研磨パッド2に押し付けると、研磨パッド2の研磨面2aが窪むとともに、研磨面2aの他の部分が上方に盛り上がる。上方に盛り上がった研磨面2aの部分はウェハWの周縁部に上向きの力を加える。以下の説明では、この上向きの力を反発力と称する。ウェハWに対する研磨パッド2の反発力は、リテーナリング40から研磨パッド2に加えられる圧力に依存する。したがって、ドライブリング81の接触面81aの形状は、ウェハWの周縁部に対する反発力に影響する。
図7(a)に示すリテーナリング40から研磨パッド2に加えられる圧力は、図7(b)に示す上記圧力よりも大きくなり、図7(a)に示すウェハWの周縁部に対する研磨パッド2の反発力は、図7(b)に示す上記反発力よりも大きくなる。ウェハWの周縁部に対する研磨パッド2の反発力が大きいとき、その箇所におけるウェハWの研磨レートが大きくなり、上述の反発力が小さいとき、その箇所におけるウェハWの研磨レートが小さくなる。したがって、ウェハWの周縁部の研磨レートは、ドライブリング81の接触面81aの形状に依存して変わりうる。
図8(a)は、ドライブリングの接触面の周方向における高さのばらつきの一例を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のドライブリングを使用したときのウェハの周縁部の研磨レートを示す図である。図8(a)の縦軸は、仮想の基準平面からのドライブリングの接触面の高さを表し、図8(a)の横軸は、ドライブリングの接触面上のある基準点からの角度を表している。図8(a)におけるドライブリングの接触面の周方向における平面度は、14μmである。図8(b)の縦軸は、ウェハの周縁部の研磨レートを表し、図8(b)の横軸は、ウェハの周縁部上のある基準点からの角度を表している。図8(a)の基準点と図8(b)の基準点は、径方向において一致している。
図9(a)は、本実施形態における、ドライブリング81の接触面81aの周方向における高さのばらつきの一例を示す図であり、図9(b)は、本実施形態におけるウェハWの周縁部の研磨レートを示す図である。図9(a)の縦軸は、仮想の基準平面からのドライブリング81の接触面81aの高さを表し、図9(a)の横軸は、ドライブリング81の接触面81a上のある基準点からの角度を表している。図9(a)におけるドライブリング81の接触面81a面の周方向における平面度は、4.6μm以下である。図9(b)の縦軸は、ウェハWの周縁部の研磨レートを表し、図9(b)の横軸は、ウェハWの周縁部上のある基準点からの角度を表している。図9(a)の基準点と図9(b)の基準点は、径方向において一致している。
図8(a)、図8(b)、図9(a)、および図9(b)に示すように、ウェハの周縁部の周方向における研磨レートは、ドライブリングの接触面の周方向における形状に依存して変わる。したがって、ドライブリングの接触面の周方向における平面度が大きいとき、ウェハの周縁部の周方向における研磨レートのばらつきが大きくなり、ドライブリングの接触面の周方向における平面度が小さいとき、ウェハの周縁部の周方向における研磨レートのばらつきは小さくなる。
上記平面度の上限値である4.6μmは、ウェハの周縁部における研磨レートのばらつきの大きさに基づいて決定される。図10は、ドライブリングの接触面の周方向における平面度と、ウェハの周縁部の周方向における研磨レートのばらつきの関係を示すグラフである。図10において使用されたウェハは、シリコンウェハの表面の全体に酸化膜等の膜が均一に形成された試験用のブランケットウェハである。図10の横軸は、ドライブリングの接触面の周方向における平面度を表している。図10の縦軸は、試験用ウェハの周縁部の周方向における研磨レートのばらつきの大きさを表している。より具体的には、図10の縦軸の値は、以下の式で与えられる。
Figure 0007219009000001
ただし、Nはウェハの枚数、σは、i番目のウェハの周方向に分布する研磨レートの標準偏差、RAはi番目のウェハの研磨レートの平均値である。
図10に示すように、研磨レートのばらつきの大きさは、ドライブリングの接触面の周方向における平面度が4.6μm以下ではほとんど変わらないことがわかる。この測定結果から、ドライブリング81の接触面81aの周方向における平面度は4.6μm以下に決定された。
上述したように、本実施形態では、接触面81aの周方向における平面度は、接触面81aの全体において(すなわち、図5に示す内側領域81b、中間領域81d、および外側領域81cにおいて)、4.6μm以下である。図7(a)および図7(b)から分かるように、ウェハWの周縁部の研磨レートは、リテーナリング40の内側部位の研磨パット2に対する圧力に影響されるので、一実施形態では、少なくとも内側領域81bにおける周方向における平面度は、4.6μm以下である。
ドライブリング81は、接触面81aの周方向における平面度が4.6μm以下となるように接触面81aを研磨することによって製造される。ドライブリング81の製造方法の一実施形態について、図11に示すフローチャートに沿って説明する。最初にドライブリング81の接触面81aを研削加工によって粗削りする(ステップ1)。このような研削加工の一例として、旋盤加工が挙げられる。
次に、仕上げ研磨用のラッピング装置によって、接触面81aの周方向における平面度が4.6μm以下となるまでドライブリング81の接触面81aを研磨する(ステップ2)。より具体的には、ドライブリング81と、上記ラッピング装置の研磨具との間に砥粒が存在する状態で、ドライブリング81の接触面81aを上記研磨具に押し付けながら、ドライブリング81と上記研磨具とを相対運動させることによって、接触面81aを研磨する(ステップ2)。
接触面81aの研磨終了後、接触面81aの周方向における平面度を測定する(ステップ3)。上記平面度が4.6μm以下のときは、一連の製造工程を終了する。上記平面度が4.6μmよりも大きいときは、再びステップ2を繰り返し、接触面81aをさらに研磨する。
接触面81aの周方向における平面度の測定は、径方向の3箇所以上の位置におけるそれぞれの周方向において行われる。このような測定は、それぞれの円周で予め定められた一定の間隔毎に行われる。上述の間隔は、リテーナリング40とドライブリング81を固定する複数のボルト84の間隔に基づいて決定される。
一実施形態では、接触面81aの径方向の位置にかかわらず、径方向のどの位置においても周方向の平面度が4.6μm以下であってもよい。さらに一実施形態では、予め定められた接触面81a上の1つの円周において、その周方向における平面度が4.6μmであってもよい。
図12は、研磨ヘッド1の他の実施形態の断面図である。特に説明しない本実施形態に関する構成は、図1乃至図10を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態の研磨ヘッド本体10は、円形のフランジ41と、フランジ41の下面に取り付けられたスペーサ42と、スペーサ42の下面に取り付けられたキャリア43とを備えている。フランジ41は、研磨ヘッドシャフト11に連結されている。キャリア43は、スペーサ42を介してフランジ41に連結されており、フランジ41、スペーサ42、およびキャリア43は、一体に回転し、かつ上下動する。フランジ41、スペーサ42、およびキャリア43から構成される研磨ヘッド本体10は、エンジニアリングプラスティック(例えば、PEEK)などの樹脂により形成されている。なお、フランジ41をSUS、アルミニウムなどの金属で形成してもよい。
リテーナリング40は、ドライブリング81および連結部材75を介して球面軸受85に連結されている。この球面軸受85は、リテーナリング40の半径方向内側に配置されている。図13は、ドライブリング81および連結部材75を示す平面図である。図13に示すように、連結部材75は、研磨ヘッド本体10の中心部に配置された軸部76と、この軸部76に固定されたハブ77と、このハブ77からから放射状に延びる複数のスポーク78とを備えている。
スポーク78の一方の端部は、ハブ77に固定されており、スポーク78の他方の端部は、ドライブリング81に固定されている。ハブ77と、スポーク78と、ドライブリング81とは一体に形成されている。キャリア43には、複数対の駆動ピン80,80が固定されている。各対の駆動ピン80,80は各スポーク78の両側に配置されており、キャリア43の回転は、駆動ピン80,80を介してドライブリング81およびリテーナリング40に伝達され、これにより研磨ヘッド本体10とリテーナリング40とは一体に回転する。
図12に示すように、軸部76は球面軸受85内を縦方向に延びている。図13に示すように、キャリア43には、スポーク78が収容される複数の放射状の溝43aが形成されており、各スポーク78は各溝43a内で縦方向に移動自在となっている。連結部材75の軸部76は、研磨ヘッド本体10の中央部に配置された球面軸受85に縦方向に移動自在に支持されている。このような構成により、連結部材75およびこれに連結されたドライブリング81およびリテーナリング40は、研磨ヘッド本体10に対して縦方向に移動可能となっている。さらに、ドライブリング81およびリテーナリング40は、球面軸受85により傾動可能に支持されている。
図14は、球面軸受85を示す図である。軸部76は、複数のねじ79によりハブ77に固定されている。軸部76には縦方向に延びる貫通穴88が形成されている。この貫通穴88は軸部76が球面軸受85に対して縦方向に移動する際の空気抜き穴として作用し、これによりリテーナリング40は研磨ヘッド本体10に対して縦方向にスムーズに移動可能となっている。
球面軸受85は、環状の内輪101と、内輪101の外周面を摺動自在に支持する外輪102とを備えている。内輪101は、連結部材75を介してドライブリング81およびリテーナリング40に連結されている。外輪102は支持部材103に固定されており、この支持部材103はキャリア43に固定されている。支持部材103はキャリア43の凹部43b内に配置されている。
内輪101の外周面は、上部および下部を切り欠いた球面形状を有しており、その球面形状の中心点(支点)Oは、内輪101の中心に位置している。外輪102の内周面は、内輪101の外周面に沿った凹面から構成されており、外輪102は内輪101を摺動自在に支持している。したがって、内輪101は、外輪102に対して全方向(360°)に傾動可能となっている。
内輪101の内周面は、軸部76が挿入される貫通孔101aを構成している。軸部76は内輪101に対して縦方向にのみ移動可能となっている。したがって、軸部76に連結されたリテーナリング40は、横方向に移動することは許容されず、リテーナリング40の横方向(水平方向)の位置は球面軸受85によって固定される。球面軸受85は、ウェハの研磨中に、ウェハと研磨パッド2との摩擦に起因してリテーナリング40がウェハから受ける横方向の力(ウェハの半径方向外側に向かう力)を受けつつ、リテーナリング40の横方向の移動を制限する(すなわちリテーナリング40の水平方向の位置を固定する)支持機構として機能する。
図15(a)は、連結部材75が球面軸受85に対して上下動している様子を示し、図15(b)および図15(c)は、連結部材75が内輪101と共に傾動している様子を示している。連結部材75に連結されたリテーナリング40は、内輪101と一体に支点Oを中心として傾動可能であり、かつ内輪101に対して上下に移動可能となっている。
図16は、球面軸受85の他の構成例を示す拡大断面図である。図16に示すように、球面軸受85は、連結部材75を介してリテーナリング40に連結された中間輪91と、中間輪91を上から摺動自在に支持する外輪92と、中間輪91を下から摺動自在に支持する内輪93とを備えている。中間輪91は、球殻の上半分よりも小さい部分球殻形状を有し、外輪92と内輪93との間に挟まれている。
外輪92は凹部43b内に配置されている。外輪92は、その外周部につば92aを有しており、このつば92aを凹部43bの段部にボルト(図示せず)により固定することにより、外輪92がキャリア43に固定されるとともに、中間輪91および内輪93に圧力を掛けることが可能となっている。内輪93は凹部43bの底面上に配置されており、中間輪91の下面と凹部43bの底面との間に隙間が形成されるように、中間輪91を下から支えている。
外輪92の内面92b、中間輪91の外面91aおよび内面91b、および内輪93の外面93aは、支点Oを中心とした略半球面から構成されている。中間輪91の外面91aは、外輪92の内面92bに摺動自在に接触し、中間輪91の内面91bは、内輪93の外面93aに摺動自在に接触している。外輪92の内面92b(摺接面)、中間輪91の外面91aおよび内面91b(摺接面)、および内輪93の外面93a(摺接面)は、球面の上半分よりも小さい部分球面形状を有している。このような構成により、中間輪91は、外輪92および内輪93に対して全方向(360°)に傾動可能であり、かつ傾動中心である支点Oは球面軸受85よりも下方に位置する。
外輪92、中間輪91、および内輪93には、軸部76が挿入される貫通孔92c,91c,93bがそれぞれ形成されている。外輪92の貫通孔92cと軸部76との間には隙間が形成されており、同様に、内輪93の貫通孔93bと軸部76との間には隙間が形成されている。中間輪91の貫通孔91cは、外輪92および内輪93の貫通孔92c,93bよりも小さな直径を有しており、軸部76は中間輪91に対して縦方向にのみ移動可能となっている。したがって、軸部76に連結されたリテーナリング40は、横方向に移動することは実質的に許容されず、リテーナリング40の横方向(水平方向)の位置は球面軸受85によって固定される。
図17(a)は、連結部材75が球面軸受85に対して上下動している様子を示し、図17(b)および図17(c)は、連結部材75が中間輪91と共に傾動している様子を示している。図17(a)乃至図17(c)に示すように、連結部材75に連結されたリテーナリング40は、中間輪91と一体に支点Oを中心として傾動可能であり、かつ中間輪91に対して上下に移動可能となっている。図16に示す球面軸受85は、傾動の中心である支点Oがリテーナリング40の中心軸線上にある点では図14に示す球面軸受85と同じであるが、図16に示す支点Oは図14に示す支点Oよりも低い位置にある点で異なっている。図16に示す球面軸受85は、支点Oの高さを研磨パッド2の表面と同じか、それよりも低くすることができる。
図18(a)は、図12に示すドライブリング81およびリテーナリング40の断面図であり、図18(b)は図12に示すドライブリング81の一部を示す下面図である。リテーナリング40には、その周方向に沿って複数の穴124が形成されている(図18(a)では1つの穴124のみを示す)。より具体的には、これらの穴124は、リテーナリング40の上面40bに形成されている。ドライブリング81の下部には、リテーナリング40に接続可能なステンレス製の複数の補強ピン82が固定されており、これら複数の補強ピン82は、周方向に沿って互いに離間して配列されている。複数の補強ピン82のそれぞれは、リテーナリング40の複数の穴124のそれぞれに挿入されている。リテーナリング40の強度は補強ピン82によって補強される。図18(a)および図18(b)を参照して説明した実施形態の構成は、図1乃至図10を参照して説明した各実施形態にも適用することができる。
上述した各実施形態におけるドライブリング81の接触面81aの周方向における平面度は、4.6μmと平坦であるため、リテーナリング40から研磨パッド2に加えられる周方向における圧力の不均一を抑制することができる。結果として、研磨ヘッド1は、ウェハWの周方向における研磨レートのばらつきを抑制することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 研磨ヘッド
2 研磨パッド
2a 研磨面
3 研磨テーブル
3a テーブル軸
5 研磨液供給ノズル
7 膜厚センサ
9 研磨制御部
10 研磨ヘッド本体
11 研磨ヘッドシャフト
12 回転筒
13 モータ
14 タイミングプーリ
16 研磨ヘッド揺動アーム
18 研磨ヘッド用モータ
19 タイミングベルト
20 タイミングプーリ
21 支軸
25 ロータリージョイント
26 軸受
27 上下動機構
28 ブリッジ
29 支持台
30 支柱
32 ボールねじ
32a ねじ軸
32b ナット
38 サーボモータ
40 リテーナリング
40a 下面
40b 上面
40c ねじ穴
41 フランジ
42 スペーサ
43 キャリア
45 弾性膜
50~53 圧力室
60 リテーナリング押圧機構
61 ピストン
62 ローリングダイヤフラム
63 リテーナリング圧力室
75 連結部材
76 軸部
77 ハブ
78 スポーク
79 ねじ
80 駆動ピン
81 ドライブリング
81a 接触面
81b 内側領域
81c 外側領域
81d 中間領域
81f 通孔
82 補強ピン
84 ボルト
85 球面軸受
88 貫通穴
91 中間輪
92,102 外輪
93,101 内輪
124 穴

Claims (6)

  1. 研磨ヘッド本体と、
    前記研磨ヘッド本体の下方に配置されたドライブリングと、
    前記ドライブリングに固定されたリテーナリングとを備え、
    前記ドライブリングは、前記リテーナリングに接触する環状の接触面を有し、
    前記接触面は、前記接触面の最も内側の端部を含む内側領域と、前記接触面の最も外側の端部を含む外側領域と、前記内側領域よりも径方向外側に位置し、かつ前記外側領域よりも径方向内側に位置する中間領域を有し、
    前記内側領域、前記中間領域、および前記外側領域の周方向における平面度は4.6μm以下であり、
    前記平面度は、最も高い位置と、最も低い位置との高さの差を表すことを特徴とする基板保持装置。
  2. 前記ドライブリングの下部には、前記リテーナリングに挿入された複数の補強ピンが固定されており、
    前記複数の補強ピンは、周方向に沿って互いに離間して配列されていることを特徴とする請求項に記載の基板保持装置。
  3. 前記ドライブリングおよび前記リテーナリングを傾動可能に支持する球面軸受をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の基板保持装置。
  4. 前記ドライブリングの剛性は、前記リテーナリングの剛性よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の基板保持装置。
  5. 基板を研磨パッドに押し付けるための基板保持装置に使用されるドライブリングの製造方法であって、
    前記ドライブリングの接触面の内側領域、中間領域、および外側領域の周方向における平面度が4.6μm以下となるように前記接触面を研磨し、
    前記接触面は、前記基板保持装置に使用されるリテーナリングに接触する環状の接触面であり、
    前記内側領域は、前記接触面の最も内側の端部を含む領域であり、
    前記外側領域は、前記接触面の最も外側の端部を含む領域であり、
    前記中間領域は、前記内側領域よりも径方向外側に位置し、かつ前記外側領域よりも径方向内側に位置するであり、
    前記平面度は、最も高い位置と、最も低い位置との高さの差を表すことを特徴とする製造方法。
  6. 前記内側領域、前記中間領域、および前記外側領域の前記平面度が4.6μm以下となるように前記接触面を研磨する工程は、前記ドライブリングの前記接触面を研削加工し、その後、前記ドライブリングと研磨具との間に砥粒が存在する状態で、前記接触面を前記研磨具に押し付けながら、前記ドライブリングと前記研磨具とを相対運動させることによって、前記内側領域、前記中間領域、および前記外側領域の前記平面度が4.6μm以下になるまで前記接触面を研磨する工程であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
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