JP6630231B2 - リテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置 - Google Patents

リテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6630231B2
JP6630231B2 JP2016105180A JP2016105180A JP6630231B2 JP 6630231 B2 JP6630231 B2 JP 6630231B2 JP 2016105180 A JP2016105180 A JP 2016105180A JP 2016105180 A JP2016105180 A JP 2016105180A JP 6630231 B2 JP6630231 B2 JP 6630231B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
retainer ring
polishing
substrate
polishing pad
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016105180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017209757A (ja
Inventor
鍋谷 治
治 鍋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2016105180A priority Critical patent/JP6630231B2/ja
Publication of JP2017209757A publication Critical patent/JP2017209757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6630231B2 publication Critical patent/JP6630231B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、半導体ウェーハ等の基板を保持するための基板保持装置で用いられるリテーナリングに関する。また、本発明は、そのようなリテーナリングを備えた基板保持装置及び基板研磨装置に関する。
半導体デバイスの製造工程では、ウェーハの表面を研磨処理する研磨装置が広く使用されている。この種の研磨装置では、ウェーハはトップリング又は研磨ヘッドと称される基板保持装置により保持された状態で回転する。この状態で、研磨パッドとともに研磨テーブルを回転させながら、ウェーハの表面を研磨パッドの研磨面に押し付け、研磨液の存在下でウェーハの表面を研磨面に摺接させることで、ウェーハの表面が研磨される。
ウェーハの研磨中は、ウェーハには摩擦力が作用するのでウェーハを保持する必要がある。研磨中のウェーハが基板保持装置から外れないようにするために、基板保持装置には、リング状に形成されたリテーナリングが、基板保持装置に保持されたウェーハの外周を囲むように設けられている。このリテーナリングは、その下端面が研磨パッドに接触し、研磨中のウェーハを内周面で受け止めることで、ウェーハの飛び出しを防止する。
リテーナリングには、研磨パッドを押し付けてウェーハのエッジ部が研磨パッドに強く接触しないように制御する、リバウンド制御と呼ばれる役目もある。リテーナリングが無い場合、ウェーハを研磨パッドに押し付けると研磨パッドは弾性変形して圧縮される。このとき、ウェーハのエッジ部には、圧縮している部分と圧縮していない部分の変化領域が存在し、研磨パッドが圧縮される過程でエッジ部には大きな圧力が作用し、ウェーハの他のエリアよりも研磨量が大きくなる。そこで、リテーナリングの荷重を制御することで研磨パッドの圧縮量を調整し、ウェーハエッジ部の研磨量を制御することができる。
研磨パッドとウェーハとの間に生じる摩擦力によって、ウェーハはリテーナリング内周に押しつけられ、リテーナリングと接触するウェーハ端部が、パッドとウェーハの摩擦力をリテーナリングに伝達する。ここで、ウェーハの脱着をスムーズに行うために、ウェーハ外径よりもリテーナリング内径が大きく作られているので、ウェーハはリテーナリングに非常に狭い範囲で接触することになる。ウェーハに発生する摩擦力がこの狭い範囲に集中するため、ウェーハ端部はその圧縮力に負けて局所(座屈)変形する。局所変形したウェーハは研磨パッドに均一に接触することができず、この変形が研磨パッドから逃げる凹部分では研磨レートが低くなり、変形が研磨パッドに向かう凸部分では研磨レートが高くなってしまう。この変形によって生じる研磨レートの不均一性は従来の面圧分布制御では対応できない。
ウェーハ端部の局所変形を抑制するため、ウェーハとリテーナリングの接触範囲を増やすことが有効だが、単純にリテーナリングの内径を小さくすると研磨前のウェーハを研磨ヘッドに吸着(装着)する際にウェーハの位置決めが厳しくなってしまい、搬送の安定性を低下させてしまう。また、ウェーハ端部の全域に亘ってリテーナリング内周と近接すると、リテーナリング面圧によるパッドのリバウンドの影響を強く受けてしまい、パッドのリバウンドの不均一性によってウェーハ端部の研磨レートが不均一になってしまう弊害がある。
この点に関して、例えば特許文献1に係る研磨装置では、リテーナリングの少なくとも内周部をゴム等の弾性体で構成しているので、ウェーハとリテーナリングの接触範囲を増やすことが可能となる。
特開2010−40604号公報
しかしながら、ゴム等の弾性体を用いた場合には、リテーナリングの強度が不足するため早期に破損・摩耗が進んでしまう問題がある。更に、リテーナリングの役目の一つである研磨パッドのリバウンド制御に対しても、ゴム等の弾性体では十分な役目を果たすことができない。
また、ウェーハとの接触範囲を増やす方法としては、研磨パッドとリテーナリングが接触する面から上方向に向かって細い縦方向溝を設け、この溝によって分断された内周側部分がウェーハから横力を受けて外周側に変形する、というものも考えられる。この場合、変形した内周部分は根本部分の位置が変わらないままウェーハと研磨パッドに接触する先端部分が外側に移動(変形)するので、内周面が傾きを持つことになる。この傾きによって、ウェーハ端部は研磨パッドに向かう方向にズレようとするため、ウェーハ端部の研磨面圧が高くなり、研磨レートが高くなってしまう。つまり、ウェーハとの接触範囲は広くできても、均一に研磨する目的は達成できない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、ウェーハ端部における研磨プロファイルのばらつきを抑制するためのリテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、基板を研磨パッドに押しつけるための基板保持装置に用いられ、当該基板保持装置に保持される前記基板の外周を支持するためのリテーナリングであって、少なくとも内周面が弾性を有する材料で構成された略円環形状のリング本体であり、内周面から径方向に形成されたスリットと、前記研磨パッドと当接する底面に周方向に沿って形成された複数の窪みが形成されたリング本体を備えたことを特徴とする。この構成により、ウェーハの摩擦力を受けた時にリテーナリングの内周面が外周に向かって弾性変形することで、ウェーハ端部とリテーナリング内周の接触範囲を増やし、ウェーハの局所変形を抑制する。横方向の剛性を落とす一方で、縦方向のリテーナリング荷重が研磨パッドに伝達し、パッドのリバウンドを制御することが可能となる。
リテーナリングは、リング本体に形成されたスリットに入り込むスペーサを備えることが好ましい。また、リング本体に形成されたスリットは円環形状であることが好ましく、また、前記窪みと接続されていることが好ましい。リング本体に形成された複数の窪みは前記リング本体の周方向に延び、リテーナリングの内周側にも外周側にも貫通しない形状であることが好ましい。さらにリテーナリング全体で弾性変形を均一にするために、隣接する2つの窪みは部分的にオーバーラップする配置であることが好ましい。このオーバーラップとは、リテーナリングの中心側から見て重なっている状態のことを言い、窪み同士は干渉せずに独立した形状である。つまり、これらの窪みはリテーナリングの周方向に平行な形状ではなく、例えば内周から外周へ斜めに変化する形状となっている。
径方向に弾性変形をしやすくするため、リング本体に形成されたスリットの深さは、前記リング本体の前記研磨パッドと当接する底面の径方向の長さの1/2以上であることが好ましい。
本発明の一態様は、基板を保持して研磨パッドに押しつけるためのトップリングと、前記トップリングに保持された前記基板を囲むように配置される前記リテーナリングを備えた基板保持装置である。また、本発明の一態様は、当該基板保持装置と、研磨パッドを支持するための研磨テーブルと、前記研磨パッド上に研磨液を供給する研磨液供給ノズルと、前記基板保持装置に保持された基板を研磨パッドに押しつけた状態で前記基板保持装置を回転させて、前記基板を研磨する駆動機構とを備えたことを特徴とする基板研磨装置である。
本発明によれば、リテーナリングを構成する略円環状のリング本体にスリット及び窪みを形成するようにしたから、研磨中のウェーハがリング本体の内周面を押圧する場合に、スリットで分断されたリング本体の内周面のうち、下側部分のみが弾性変形する。よって、リテーナリングよりウェーハ端部にかかる鉛直方向の荷重を低減することができ、ウェーハ端部の局所的な変形に伴う研磨プロファイルのばらつきを抑制することができる。
基板研磨装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1の基板研磨装置の構成を示す平面図である。 基板保持装置の内部構成を示す断面図である。 ドライブリング及び連結部材を示す平面図である。 球面軸受を示す要部断面図である。 リテーナリングの分解斜視図である。 リテーナリングを底面から見た外観斜視図である。 図7のリテーナリングの底面図である。 スペーサの配置を示す平面図である。 リテーナリングの一部を示す要部断面図であり、(a)はウェーハとリテーナリングが離れている様子を、(b)はウェーハがリテーナリングを押圧する様子を示している。 別の実施形態に係るリテーナリングの底面図である。 さらに別の実施形態に係るリテーナリングの底面図である。
以下、本発明に係る基板保持装置を備えた基板処理装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板保持装置を備えた基板処理装置を示す模式図であり、基板処理装置は、ウェーハ(基板)Wを保持して回転させるトップリング(基板保持装置)11と、研磨パッド12を指示する研磨テーブル13と、研磨パッド12にスラリー(研磨液)を供給する研磨液供給ノズル15と、ウェーハWの膜厚に応じて変化する信号を取得する膜厚センサ17とを備えている。
トップリング11は、その下面に真空吸着によりウェーハWを保持できるように構成されている。トップリング11と研磨テーブル13は、矢印で示す方向に回転し、この状態でトップリング11は、ウェーハWを研磨パッド12の上側の研磨面12aに押しつける。研磨液供給ノズル15から研磨パッド12上に供給される研磨液の存在下で、ウェーハWは研磨パッド12に摺接されて研磨される。
膜厚センサ17は、例えば光学式センサや渦電流センサが用いられ、研磨テーブル13の内部に設置されている。ウェーハWの研磨中、膜厚センサ17は研磨テーブル13とともに回転し、ウェーハWの表面を横切る際に膜厚に応じた膜厚信号を取得する。膜厚センサ17からの膜厚信号は研磨制御部19に送信され、膜厚制御部19は膜厚信号で示されるウェーハWの膜厚が設定値に達したときに、ウェーハWの研磨を終了する。
図2において、トップリング11は、ウェーハWを研磨面12aに対して押圧するヘッド本体18と、ウェーハWの外周部を支持してウェーハWがトップリング11から飛び出すのを防止するリテーナリング19とを備えている。トップリング11は、トップリングシャフト21に接続されており、トップリングシャフト21の上端には、ロータリージョイント35が取り付けられている。トップリングシャフト21は、上下動機構37によりヘッドアーム26に対して上下動するように構成されており、ヘッドアーム26に対してトップリング11の全体を昇降させ位置決めするようになっている。
トップリングシャフト21およびトップリング11を上下動させる上下動機構37は、軸受36を介してトップリングシャフト21を回転可能に支持するブリッジ38と、ブリッジ38に取り付けられたボールねじ42と、支柱40により支持された支持台39と、支持台39上に設けられたサーボモータ48とを備えている。サーボモータ48を支持する支持台39は、支柱40を介してヘッドアーム26に固定されている。
ボールねじ42は、サーボモータ48に連結されたねじ軸42aと、このねじ軸42aが螺合するナット42bとを備えている。トップリングシャフト21は、ブリッジ38と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ48を駆動すると、ボールねじ48を介してブリッジ38が上下動し、これによりトップリングシャフト21およびトップリング11が上下動する。
トップリングシャフト21はキー(図示せず)を介して回転筒22に連結されている。この回転筒22はその外周部にタイミングプーリ24を備えている。ヘッドアーム26にはヘッドモータ28が固定されており、上記タイミングプーリ24は、タイミングベルト29を介してヘッドモータ28に設けられたタイミングプーリ30に接続されている。ヘッドモータ28を回転駆動することによってタイミングプーリ30、タイミングベルト29、およびタイミングプーリ24を介して回転筒22およびトップリングシャフト21が一体に回転し、トップリング11が回転する。ヘッドアーム26は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持されたアームシャフト31によって支持されている。研磨装置は、ヘッドモータ28、サーボモータ48をはじめとする装置内の各機器を制御する制御装置を備えている。
ヘッドアーム26はアームシャフト31を中心として旋回可能に構成されており、下面にウェーハWを保持したトップリング11は、ヘッドアーム26の旋回によりウェーハWの受取位置から研磨テーブル12の上方の研磨位置に移動される。トップリング11および研磨テーブル12をそれぞれ回転させ、研磨液供給ノズル15から研磨パッド12上に研磨液を供給する。この状態で、トップリング11を所定の位置(高さ)まで下降させ、この所定の位置でウェーハWを研磨パッド12の研磨面12aに押圧することで、ウェーハWは研磨面12aに摺接されてその表面が研磨される。
図3は、基板保持装置としてのトップリング11の断面図であり、トップリング11を構成するトップリング本体18およびリテーナリング19は、トップリングシャフト21の回転により一体に回転するように構成されている。リテーナリング19は、トップリング本体18に対して相対的に上下動可能に構成されている。
トップリング本体18は、円形のフランジ51と、このフランジ51の下面に取り付けられたスペーサ52と、スペーサ52の下面に取り付けられたキャリア53とを備えており、エンジニアリングプラスティック(例えば、PEEK)などの樹脂により形成されている。フランジ51は、トップリングシャフト21に連結されている。キャリア53は、スペーサ52を介してフランジ51に連結されており、これらは一体に回転し、かつ上下動する。なお、フランジ51をSUS、アルミニウムなどの金属で形成してもよい。
キャリア53の下面には、ウェーハWの裏面に当接する弾性膜55が取り付けられており、弾性膜55の下面が基板保持面55aを構成する。弾性膜55は環状の複数の隔壁55bを有しており、これらの隔壁55bにより、弾性膜55とトップリング本体18との間に、本実施形態では4つの圧力室60〜63が形成されている。
これら圧力室60〜63はロータリージョイント35を経由して圧力調整装置75に接続されており、圧力調整装置75から加圧流体が供給されるようになっている。圧力調整装置75は、これら4つの圧力室60〜63内の圧力を独立に調整できるように構成されており、圧力室60〜63内に負圧を形成することも可能となっている。また、これら圧力室60〜63は大気開放機構(図示せず)に接続されており、圧力室60〜63を大気開放することも可能である。
弾性膜55は、内側の圧力室61または圧力室62に対応する位置に通孔(図示せず)を有しており、この通孔に負圧を形成することにより、トップリング11はその基板保持面55a上にウェーハWを保持できるようになっている。弾性膜55は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
リテーナリング19は、トップリング本体18のキャリア53および弾性膜55を囲むように配置されている。このリテーナリング19は、研磨パッド12の研磨面12aに接触するリング状の部材であり、トップリング本体18に保持されるウェーハWの外周縁を囲むように配置されており、研磨中のウェーハWがトップリング11から飛び出さないようにウェーハWの外周縁を支持している。
リテーナリング19の上面はドライブリング91に固定されている。ドライブリング91の上部は、環状のリテーナリング押圧機構70に連結されており、このリテーナリング押圧機構70は、ドライブリング91を介してリテーナリング19の上面の全体に均一な下向きの荷重を与え、これによりリテーナリング19の下面を研磨パッド12の研磨面12aに対して押圧する。
リテーナリング押圧機構70は、ドライブリング91の上部に固定された環状のピストン71と、ピストン71の上面に接続された環状のローリングダイヤフラム72とを備えている。ローリングダイヤフラム72の内部にはリテーナリング圧力室73が形成されている。このリテーナリング圧力室73はロータリージョイント35を経由して圧力調整装置75に接続されている。
圧力調整装置75からリテーナリング圧力室73に加圧流体(例えば、加圧空気)を供給すると、ローリングダイヤフラム72がピストン71を下方に押し下げ、さらに、ピストン71はドライブリング91を介してリテーナリング19の全体を下方に押し下げる。このようにして、リテーナリング押圧機構70は、リテーナリング19の下面を研磨パッド12の研磨面12aに対して押圧する。さらに、圧力調整装置75によりリテーナリング圧力室73内に負圧を形成することにより、リテーナリング19の全体を上昇させることができる。また、リテーナリング圧力室73は大気開放機構(図示せず)にも接続されており、リテーナリング圧力室73を大気開放することもできる。
ドライブリング91は、リテーナリング押圧機構70に着脱可能に連結されている。より具体的には、ピストン71は金属などの磁性材から形成されており、ドライブリング91の上部には複数の磁石70が配置されている。これら磁石80がピストン71を引き付けることにより、ドライブリング91がピストン71に磁力により固定される。ピストン71の磁性材としては、例えば、耐蝕性の磁性ステンレスが使用される。なお、ドライブリング91を磁性材で形成し、ピストン71に磁石を配置してもよい。また、着脱可能とする構成としては磁石ではなく、ネジ留め等の機械的な連結でもよい。
リテーナリング19は、ドライブリング91および連結部材85を介して球面軸受95に連結されている。この球面軸受95は、リテーナリング19の半径方向内側に配置されている。図4は、ドライブリング91および連結部材85を示す平面図であり、連結部材75は、トップリング本体18の中心部に配置された軸部86と、この軸部86に固定されたハブ87と、このハブ87と一体に形成され放射状に延びる複数のスポーク88とを備えている。本実施形態では、ハブ87、スポーク88及びドライブリング91は一体に形成されている。
キャリア53には、スポーク88が収容される複数の放射状の溝53aが形成されており、スポーク88は各溝53aの内側で図3の上下方向(図4の紙面に垂直な方向)に移動自在となっている。スポーク88の両側には、一対の駆動ピン90が配置されており、これら駆動ピン90はキャリア53に固定されている。キャリア53の回転は、駆動ピン90を介してドライブリング91およびリテーナリング19に伝達され、これによりトップリング本体18とリテーナリング19とは一体に回転する。
連結部材85の軸部86は、トップリング本体18の中央部に配置された球面軸受95に図3の上下方向に移動自在に支持されている。これにより、連結部材85およびこれに連結されたドライブリング91およびリテーナリング19は、トップリング本体18に対して上下方向に移動可能となっている。さらに、ドライブリング91およびリテーナリング19は、球面軸受95により傾動可能に支持されている。
図5に示すように、連結部材85の軸部86は、複数のねじ89によりハブ87に固定されている。軸部86には縦方向に延びる貫通穴98が形成されており、この貫通穴98は、軸部86が球面軸受95に対して縦方向に移動する際の空気抜き穴として作用し、これによりリテーナリング19はトップリング本体18に対して上下方向にスムーズに移動可能となっている。
球面軸受95は、環状の内輪101と、内輪101の外周面を摺動自在に支持する外輪102とを備えている。内輪101は、連結部材85を介してドライブリング91およびリテーナリング19に連結されている。外輪102は支持部材103に固定されており、この支持部材103はキャリア53の内側で固定されている。外輪102の内周面は、内輪101の外周面に沿った凹面から構成されており、外輪102は内輪101を摺動自在に支持している。
軸部86は、内輪101に形成された貫通孔を挿通するように配置されており、内輪101に対して縦方向にのみ移動可能となっており、軸部86に連結されたリテーナリング19の横方向(水平方向)の位置は球面軸受95によって固定される。これにより、球面軸受95は、研磨中のウェーハWと研磨パッド12との摩擦に起因してリテーナリング19がウェーハWから受ける横方向の力(ウェハの径方向外側に向かう力)を受けつつ、リテーナリング19の横方向の移動を制限する(すなわちリテーナリング19の水平方向の位置を固定する)支持機構として動作する。
図6は、リテーナリング19の構成を示す斜視図であり、リテーナリング19は、略円環形状のリング本体110と、このリング本体110の内周面110aに形成されたスリット110bに入り込むようにして配置される複数のスペーサ111とを備えている。複数のピン112が、リング本体110に形成される位置決め穴110cと、スペーサ111に形成される位置決め穴111aを挿通し、これによりリング本体110がスペーサ111に固定される。リング本体110は、少なくともウェーハWが当接する部分が弾性を有する材料(例えばPEEK、PPS、PETなどのエンジニアリングプラスチック)から構成され、後述するウェーハWの外縁部からの押圧を受けてその内周面110aが変形する。
図7は、リテーナリング19を底面(研磨パッド12と接触する面)から見たときの斜視図であり、図8はリテーナリング19の底面図である。リテーナリング19の研磨パッド12と接触する底面には、リテーナリング19の周方向に沿って延びた複数の長穴110dが形成されている。リテーナリング19の長穴110dが形成される周方向の部分では、長穴110dが形成されていない部分に比べて、ウェーハWの押圧による弾性変形量が大きくなる。また、長穴110dの幅が大きくなるほど、ウェーハWの押圧による弾性変形量が大きくなる。長穴110dの数や長さは、適宜変更することができる。
この長穴110dの深さは、リテーナリング19の内周面110aに形成されたスリット110bに達する程度であり、長穴110dとスリット110bとが接続されている。なお、リテーナリング19のスリット110bの底面からの高さは、リテーナリング19の摩耗代よりも大きくされており、例えばリテーナリング19の摩耗代が3mm程度である場合には、スリット110bの高さ(底面からの高さ)を5mm程度とすることが好ましい。
リテーナリング19のスリット110bは、研磨中のウェーハWから受ける荷重によりリテーナリング19の内周面110aを変形しやすくすることが目的である。スリット110bの底面からの位置が高くなると、内周面110aの剛性が上がるために変形量が小さくなり、位置を低くすると変形量が大きくなる。また、スリット110bの径方向の深さは、リング本体110の研磨パットと接触する底面の径方向の長さの1/2以上であることが好ましい。スリット110bの深さが大きいほど、ウェーハWと当接する内周面110aの剛性が下がるために変形量が大きくなる。
スリット110bが開いている状態では、リテーナリング19の荷重がスリットが形成されていない外側部分に集中してしまい、リテーナリング19の荷重が均等に研磨パッド12に伝達することができない。このため、図6で示すとおり、スリット110bの内部にスペーサ111が入り込んでおり、リテーナリング19の内周側においても、リテーナリング19の荷重をスペーサ111を介して研磨パッド12に伝達できるようにしている。なお、スペーサ111の厚さは、スリット110bの高さとほぼ同じとされている。
図9は、スペーサ111の構成を示す平面図であり、スペーサ111をリング本体110の内周面110aからスリット110bに差し込むことができるように、円環状のリングを6つに分割した形状とされている。スリットの枚数は適宜変更することができる。また、スペーサ111の周方向の端部111bは、径方向に対して角度がつけられており、これによりスペーサ111をスリット110bに差し込み易くするとともに、スリット110bの全面にわたり隙間無くスペーサ111を収容することができる。
図6において、スペーサ111は、ピン112によりリング本体110に固定されている。スペーサ111とピン112の材質は、剛性や耐久性の観点からSUS304等の金属であることが好ましいが、ウェーハWに積層された金属膜の厚みを測定するセンサの測定精度に影響を及ぼす場合には、PEEKやPPS等といったエンジニアリングプラスチックを用いることができる。
図10は、リテーナリング19とウェーハWとの位置関係を示したものであり、図10(a)は、ウェーハWがトップリング18により保持されているが研磨(トップリングの回転)は行われていない状態を示したものである。このとき、ウェーハWはリテーナリング19のリング本体110の内周面110aから離れた位置に支持されている。
この状態で、研磨テーブル12が回転すると、ウェーハWは研磨テーブル12との摩擦力を受けて、図10(b)で矢印で示した方向に移動し、ウェーハWの外周縁がリング本体110の内周面110aを押圧する。このとき、スリット110bにより内周面110aが上下に分断されているため、当該内周面110aのうち、スリット110bの下側部分のみが径方向(図中矢印の方向)に弾性変形する。
このように、リテーナリング19が弾性変形することにより、ウェーハWの縁とリテーナリング19とが接触する領域が大きくなってウェーハWのエッジ部に生じる局所変形が抑制される。さらに、リテーナリング19のスリット110bにスペーサ111が収容されているため、リテーナリング19の荷重を研磨パッド12に対して均等にかけることができる。
上記実施形態では、リテーナリング19に形成された長穴は、リテーナリングの周方向に略平行とされているが、本発明はこれに限られることはない。例えば、図11に示すように、リング本体120の円周の接線に対して角度を持つ(斜め方向の)長穴120aとしてもよく、また、図12に示すように、リング本体130の長穴130aをS字形状としてもよい。これら図11,12のような形状とすることで、リテーナリングの周方向において、長穴が部分的にオーバーラップするため、リテーナリングの周方向において長穴が形成されていない領域がなくなる。これにより、リテーナリングの全周にわたって均一な弾性変形を実現することができる。
上記実施形態では、リテーナリング19の底面に周方向に沿った長穴を形成しているが、底面に形成する穴(窪み)の形状は長穴に限られることはなく、円形や四角形、三角形など、適宜の形状とすることができる。また、上記実施形態では、リテーナリングの底面に形成される長穴はスリットに貫通し、径方向の両側に段差を有する凹形状とされているが、本発明はこれに限られることはなく、径方向に関して階段状に深さが変化する窪み(スリットに貫通しない)であっても良い。
上記実施形態では、リテーナリングに形成された長穴は空洞とされているが、長穴には研磨液(スラリー)が入り込むことから、基板研磨装置の長時間の使用若しくは使用条件によっては、研磨液が長穴の内部に固着する場合がある。固着凝集した研磨砥粒が研磨中に長穴から脱落すると、ウェーハWの表面に成される酸化膜などを傷つけるおそれがあることから、リテーナリングよりも変形量の大きなシリコンゴムのような材料で長穴を塞ぐようにしても良い。
上記実施形態では、リテーナリングの底面には長穴のみを形成しているが、リテーナリングの底面に、研磨液をリテーナリングの内側に導くためのガイド溝を、径方向に沿って形成してもよい。
上記実施形態では、トップリングが旋回するタイプの基板研磨装置を例にして説明しているが、本発明はこれに限られることはなく、例えば基板を保持する複数のキャリアヘッドと、当該キャリアヘッドを保持するカルーセルがチャンバ内に備えられ、カルーセルを回転させることで基板を移動させるタイプの基板研磨装置に対しても、等しく適用することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
11 トップリング
12 研磨パッド
13 研磨テーブル
15 研磨液供給ノズル
18 トップリング本体
19 リテーナリング
110、120、130 リング本体
110a 内周面
110b スリット
110d、120a、130a 長穴
111 スペーサ
112 ピン

Claims (12)

  1. 基板を研磨パッドに押しつけるための基板保持装置に用いられ、当該基板保持装置に保持される前記基板の外周を支持するためのリテーナリングであって、
    前記リテーナリングは、
    少なくとも内周面が弾性を有する材料で構成された略円環形状のリング本体と、
    前記リング本体の内周面から径方向に形成されたスリットと、
    前記スリットに収容されるスペーサと、
    を備え、
    前記リング本体には、前記研磨パッドと当接する底面に周方向に沿って複数の窪みが形成され
    前記スリットは、前記リング本体の内周面から前記研磨パッドと当接する底面に平行に、かつ、前記リング本体の内周面の全域に形成されていることを特徴とするリテーナリング。
  2. 前記リング本体に形成されたスリットは円環形状であることを特徴とする、請求項1記載のリテーナリング。
  3. 前記リング本体の前記スリットは前記窪みと接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のリテーナリング。
  4. 前記複数の窪みは、前記リング本体の周方向に延びる長穴であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリテーナリング。
  5. 隣接する2つの前記窪みの一部が、前記リング本体の周方向に関してオーバーラップすることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリテーナリング。
  6. 前記複数の窪みには、前記リング本体の内周面よりも変形量の大きな弾性材料が埋め込まれていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリテーナリング。
  7. 前記リング本体に形成されたスリットの深さは、前記リング本体の前記研磨パッドと当接する底面の径方向の長さの1/2以上であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリテーナリング。
  8. 前記リング本体に形成された窪みは、前記リング本体の前記研磨パッドと当接する底面の径方向の縁まで延びていないことを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリテーナリング。
  9. 前記スペーサは、前記スリットの高さとほぼ等しい厚みを有することを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリテーナリング。
  10. 前記スペーサは、複数のスペーサ部材から構成され、リング部材の周方向における端部は径方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリテーナリング。
  11. 基板を保持して研磨パッドに押しつけるためのトップリング本体と、
    前記トップリングに保持された前記基板を囲むように配置される請求項1ないし10のいずれか一項に記載のリテーナリングと
    を備えたことを特徴とする基板保持装置。
  12. 請求項11に記載の基板保持装置と、
    研磨パッドを支持するための研磨テーブルと、
    前記研磨パッド上に研磨液を供給する研磨液供給ノズルと、
    前記基板保持装置に保持された基板を研磨パッドに押しつけた状態で前記基板保持装置を回転させて、前記基板を研磨する駆動機構と
    を備えたことを特徴とする基板研磨装置。
JP2016105180A 2016-05-26 2016-05-26 リテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置 Active JP6630231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016105180A JP6630231B2 (ja) 2016-05-26 2016-05-26 リテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016105180A JP6630231B2 (ja) 2016-05-26 2016-05-26 リテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017209757A JP2017209757A (ja) 2017-11-30
JP6630231B2 true JP6630231B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=60476675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016105180A Active JP6630231B2 (ja) 2016-05-26 2016-05-26 リテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6630231B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI840511B (zh) * 2019-02-28 2024-05-01 美商應用材料股份有限公司 用於化學機械研磨承載頭的固定器
US20230356354A1 (en) * 2022-05-03 2023-11-09 Applied Materials, Inc. Compliant inner ring for a chemical mechanical polishing system

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11333712A (ja) * 1998-05-21 1999-12-07 Nikon Corp 研磨ヘッド及びそれを用いた研磨装置
JP2000052242A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Speedfam-Ipec Co Ltd ワークホルダー
US6821192B1 (en) * 2003-09-19 2004-11-23 Applied Materials, Inc. Retaining ring for use in chemical mechanical polishing
JP2008093810A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Shin Etsu Handotai Co Ltd リテーナリング及び研磨ヘッド並びに研磨装置
JP2009142947A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Renesas Technology Corp 研磨装置およびそれを用いた半導体装置の製造方法
JP2009224680A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Fujitsu Microelectronics Ltd リテーナリングおよび半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017209757A (ja) 2017-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102208160B1 (ko) 기판 보유 지지 장치, 연마 장치, 연마 방법 및 리테이너 링
TWI639485B (zh) Substrate holding device, polishing device, and polishing method
KR102024130B1 (ko) 웨이퍼 연마 장치 및 이것에 이용하는 연마 헤드
US12068189B2 (en) Elastic membrane, substrate holding device, and polishing apparatus
US7488240B2 (en) Polishing device
KR102260613B1 (ko) 연마 장치
KR100299804B1 (ko) 워크피스의연마장치및방법
US11478895B2 (en) Substrate holding device, substrate polishing apparatus, and method of manufacturing the substrate holding device
US9550271B2 (en) Substrate holding apparatus and polishing apparatus
JP6630231B2 (ja) リテーナリング、基板保持装置及び基板研磨装置
TWI727121B (zh) 工件硏磨頭
US20160243670A1 (en) Retainer ring, substrate holding apparatus, and polishing apparatus, and retainer ring maintenance method
JP7219009B2 (ja) 基板保持装置およびドライブリングの製造方法
KR101613153B1 (ko) 화학 기계적 연마 장치의 캐리어 헤드의 멤브레인 및 이를 구비한 캐리어 헤드
KR20170043749A (ko) 화학 기계적 연마 장치 및 연마 장치용 연마 정반 조립체
TW202233359A (zh) 研磨頭及研磨裝置
KR20150129197A (ko) 화학 기계적 연마 장치의 캐리어 헤드의 리테이너 링 및 이를 구비한 캐리어 헤드
JP2007260872A (ja) ラップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6630231

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250