JPH09103950A - ワーク保持装置 - Google Patents

ワーク保持装置

Info

Publication number
JPH09103950A
JPH09103950A JP7259660A JP25966095A JPH09103950A JP H09103950 A JPH09103950 A JP H09103950A JP 7259660 A JP7259660 A JP 7259660A JP 25966095 A JP25966095 A JP 25966095A JP H09103950 A JPH09103950 A JP H09103950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
support shaft
shaft
hole
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7259660A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Akita
俊哉 秋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP7259660A priority Critical patent/JPH09103950A/ja
Publication of JPH09103950A publication Critical patent/JPH09103950A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの微少な振動を抑制しつつ、良好な従
属回転を長く維持し、かつ、前工程の段取り替え時間を
短縮する。 【解決手段】 加工機に固定するステー部材7と、ステ
ー部材7に第1の支軸を介して回動自在に支持され、第
1の支軸を対称軸とするコの字形状を有する揺動アーム
5と、揺動アーム5の両端5aに、第1の支軸と交差す
る第2の支軸を介して回動自在にそれぞれ支持されるコ
の字形状のアッパーアーム2と、アッパーアーム2の中
央に、第2の支軸と直交する第3の支軸に回転自在に保
持された貼付皿3を有するワーク保持装置において、ア
ッパーアーム2の第3の支軸上に設けた固定軸4と、固
定軸4の棒状部に嵌合したベアリング12と、ベアリン
グ12を覆うように回転自在に保持され固定軸4の先端
部4aと接触可能に設けたカバー21と、ワーク1を保
持しカバー21を挿入するための孔3bを設けた貼付皿
3とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、セラミッ
クス等の光学素子や金型等のワークを加工する加工機に
用いるワーク保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学素子や金型等のワークを加工する加
工機に用いられるワーク保持装置は、特開昭63−12
0069号公報(全請求項に対する従来技術)に開示さ
れている。図9は上記装置による原理図(斜視図)を示
したもので、図において、ワーク61は、コ字形状のア
ッパーアーム62に支承されたワーク支持部63に保持
されるようになっている。64で示すのはワーク軸支持
部である。アッパーアーム62は、平面コの字形状に形
設された揺動アーム65にアッパーアーム支持部66を
介して連結されており、揺動アーム65は揺動アーム支
持部67を介してステー68に連結されている。そし
て、揺動アーム65の回転中心の軸線をX、アッパーア
ーム62の回転中心の軸線をY、ワーク軸支持部64の
軸線をZとすると、各軸線X、Y、Zが1点Oにて交わ
るように設定してある。
【0003】前記原理構成により具体化にした構成例を
図10(a)、(b)に示す。図10(a)は、凸形状
のワーク61をワーク支持部に相当する貼付皿73に保
持させた構成例を示すものであり、図10(b)は、凹
形状のワーク61を貼付皿73に保持させた構成例を示
すものである。両図ともに、貼付皿73はベアリング7
0(図9におけるワーク軸支持部64に相当する)を介
して、アッパーアーム62に回転自在に保持されてい
る。前記ベアリング70の外輪は止め具71、ネジ69
によりアッパーアーム62に固定されている。また、ア
ッパーアーム62は図9における軸線Y上でピン72を
介して揺動アーム65に回転自在に保持されるように構
成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成によるワーク
保持装置を用いた加工は、図11に示すように、ワーク
61に対向して工具74を接触させる。工具74をα方
向に揺動運動、あるいはワーク61を前後揺動運動(β
方向)によりワーク61と工具74とを相対的に揺動運
動させる。また、工具74を回転運動(γ方向)させ
る。このとき、ワーク61は工具74の回転運動により
同方向に連れ回りする(以下、この回転を従属回転とす
る)。このような構成により加工を行う。
【0005】しかし、ワーク61の従属回転運動がない
と、工具74の外周部の方が内周部よりも周速度が大き
いために内周部よりも摩耗が促進され、工具74が偏摩
耗する。その結果、ワーク61の形状も崩れてしまう。
故に、ワーク61を従属回転させることにより工具74
の偏摩耗を防止し、安定した加工が行える。
【0006】ワーク61の従属回転は、工具74の回転
力がワーク61と工具74との摩擦によりワーク61に
回転力となって伝わる。この回転力を低下させる要因と
して、貼付皿73を保持しているベアリング70が挙げ
られる。(1)ベアリング70の起動トルクが従属回転
の回転力より大きいと、従属回転が不可能になる。
(2)加工中にクーラントがベアリング70の内部に入
ると、クーラントに混入された切り屑がベアリング70
の内外輪、および球にダメージを与える。これにより起
動トルクが大きくなり、従属回転が不可能になる。
【0007】故に、従来技術のワーク保持装置では、ベ
アリング70の起動トルクを小さくするためにベアリン
グ70の球の公転直径を小さくしたものにすると、切り
屑によるダメージが大きくなり、従属回転が不可能にな
る。また、加工荷重がベアリング70に加わるので、ベ
アリング70の球の公転直径がレンズ径より小さいもの
を使用すると、本来の寿命も低下してしまう。そのた
め、従来技術では良好な従属回転を維持することができ
ないために安定した加工ができないという問題点があ
る。
【0008】また、従来技術では、加工中にベアリング
70における内外輪と球との隙間があるためにワーク6
1と工具74との間で振動が発生する。この振動により
ワーク61の加工精度が低下するという問題点が発生す
る。以下にこの問題点の詳細を述べる。
【0009】図12は従来技術によるワーク保持装置で
平面形状のワーク61の加工状態を示した正面図であ
る。また、図13は、図12におけるワーク61と工具
74の上面図である。工具74を回転させるとともに、
ワーク61を前後(H方向)に直線揺動させる加工装置
では、工具74の回転力によりワーク61に対してF方
向に力が作用する。ワーク61を貼付けた貼付皿73と
ベアリング70は、このF方向の力に対抗し、その位置
にワーク61を維持しつつ、ワーク61を回転自在に保
持している。しかしながら、前記したように、ベアリン
グ70の内外輪と球との隙間により貼付皿73は、軸線
Zに対してF方向に傾こうとする。この隙間がなくなる
ところまで傾いたとき、ワーク61と工具74との状態
は、図14に示すように、F方向側は傾斜により非接触
状態となる。このとき、ワーク61と工具74との接触
面積が最小となり、ワーク61は工具74に対してすべ
りが生じ、ワーク61の回転中心は軸線Zの位置まで戻
る。すなわち、ワーク61と工具74が全面接触とな
る。このような状態が繰り返される。これが微少な振動
となる。ベアリング70を大きくすれば、振動の振幅も
大きくなる。また、ベアリング70とワーク61の加工
面までの距離が大きくなれば、振動の振幅も大きくなる
(傾斜角が大きくなるため)。さらに、工具74の回転
数を上げれば(F方向の力が大きくなれば)、振動の周
波数は高くなる。
【0010】振動の振幅、および周波数が大きくなると
いうことは、ワーク61と工具74の非接触状態が増加
することになる。また、ワーク61に均等に荷重がかか
らないことになる。故に、ワーク61の加工形状は悪化
する。従来技術では、加工形状の維持するために、この
振動を小さくするために工具74の回転数を低くした
り、ベアリング70を小径化し、ベアリング70の交換
頻度を増す等の対応をする必要がある。故に、加工時間
が長くなったり、ベアリング70の費用がかかったり、
機械の稼動率が低下するという問題点がある。
【0011】さらに、ワーク61を貼付皿73に貼付け
て、精研削、および研磨加工を行う場合、その前工程で
ある粗研削加工(カーブジェネレータ方式)のモデル図
を図15に示す。その加工は、ワーク61を貼付けた貼
付皿73をワーク軸部本体81に取付けられたチャック
82に保持し、カップ型研削工具80を回転するととも
に前後方向に移動することにより粗研削加工を行う。
【0012】上記したように、ワーク61の従属回転を
良好にするためには、ワーク61の直径に対してベアリ
ングの大きさを設定する必要がある。即ち、個々のワー
ク61に対して貼付皿73の外径を設定する必要があ
る。そのため、前工程である粗研削加工におけるチャッ
ク82をワーク61に合わせて設定する必要がある。そ
のため、ワーク61に対して個々のチャックを用意する
必要があり、費用がかかる。また、段取り替えに時間が
かかるという問題点がある。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、ワークの微少な振動を抑制しつつ、良
好な従属回転を長く維持し、かつ、前工程の段取り替え
時間を短縮することができるワーク保持装置を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下のように構成した。請求項1の発明
は、加工機に固定するステー部材と、前記ステー部材に
第1の支軸を介して回動自在に支持され、第1の支軸を
対称軸とするコの字形状を有する揺動アームと、前記揺
動アームの両端に、第1の支軸と交差する第2の支軸を
介して、回動自在にそれぞれ支持されるコの字形状のア
ッパーアームと、前記アッパーアームの中央に、第2の
支軸と直交する第3の支軸に回転自在に保持されたワー
ク支持部を有するワーク保持装置において、前記アッパ
ーアームの第3の支軸上に設けた円柱形状の固定軸と、
前記固定軸の棒状部に嵌合した少なくとも2つ以上のベ
アリングと、前記ベアリングを覆うように回転自在に保
持され、かつ前記固定軸の球面形状の先端部とが接触す
るように設けたカバーと、ワークを保持し、かつ前記カ
バーを挿入するための孔を設けた貼付皿とから構成し
た。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の構成にあっ
て、ツバ部が前記アッパーアームの方向に折り返しが設
けられた貼付皿と、前記貼付皿をカバーに挿入したと
き、前記折り返しが接近するように底面部にリング状の
座ぐりを設けたアッパーアームとを設けて構成した。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の構成にあっ
て、円錐形状の凹みの先端部を有する固定軸と、前記固
定軸の先端に対向する位置にセラミックの板を設けたカ
バーと、前記凹みとセラミックの板との間に設けた球と
を設けて構成した。
【0017】請求項4の発明は、請求項1の構成にあっ
て、第3の支軸方向にメクラ状の孔を設け、前記孔と貫
通した第3の支軸と垂直な方向に設けた貫通孔を有する
固定軸と、前記孔と連結されたエアーチューブとを設け
て構成した。
【0018】請求項5の発明は、加工機に固定するステ
ー部材と、前記ステー部材に第1の支軸を介して回動自
在に支持され、第1の支軸を対称軸とするコの字形状を
有する揺動アームと、前記揺動アームの両端に、第1の
支軸と交差する第2の支軸を介して、回動自在にそれぞ
れ支持されるコの字形状のアッパーアームと、前記アッ
パーアームの中央に、第2の支軸と直交する第3の支軸
に回転自在に保持されたワーク支持部を有するワーク保
持装置において、加工機の上軸部の底面に保持されたエ
アーシリンダーと、前記エアーシリンダーのピストン軸
の先端に上下運動自在に保持された永久磁石と、前記ア
ッパーアームの第3の支軸上に設けた円柱形状の固定軸
と、前記固定軸の棒状部に嵌合した少なくとも2つ以上
のベアリングと、前記ベアリングを覆うように回転自在
に保持され、かつ前記固定軸の先端部とが接触するよう
に設けたカバーと、ワークを保持し、かつ前記カバーを
挿入するための孔を設けた貼付皿とから構成した。
【0019】請求項6の発明は、加工機に固定するステ
ー部材と、前記ステー部材に第1の支軸を介して第1の
支軸の軸回りに回動自在に支持され、第1の支軸を対称
軸とするコの字形状を有する揺動アームと、前記揺動ア
ームの両端に、前記第2の支軸を介して第2の支軸の軸
回りに回動自在にそれぞれ支持されるコの字形状のアッ
パーアームと、前記アッパーアームの中央に、第2の支
軸と直交する第3の支軸に回転自在に保持されたワーク
支持部を有するワーク保持装置において、前記アッパー
アームの上面部に、円柱形状の孔部の軸が第3の支軸と
一致するように設けたハウジングと、前記ハウジングの
孔部に嵌合された複数のベアリングを介して、第3の支
軸とその軸線が一致するように回転自在に保持されると
ともに、その上端部が前記ハウジングの孔部上面と接触
された回転棒と、前記回転棒を非接触で挿入するととも
に、前記ベアリングのワーク側の外輪部を保持するため
に前記ハウジングと前記アッパーアームの間に設けた止
め板と、一方の先端部にワークを保持し、もう一方の先
端部が前記回転棒に挿入する孔を設けた貼付皿と、前記
回転棒の下端部に保持された永久磁石とから構成した。
【0020】請求項7の発明は、請求項6の構成にあっ
て、前記止め板の孔部端面をワーク側にかえり部を設
け、前記回転棒を前記止め板のかえり部の接近、かつ干
渉しないようにザクリ部を設けた構成した。
【0021】請求項8の発明は、請求項6の構成にあっ
て、前記ハウジングの上部に設けた中空構造で、かつ、
その上面部が前記上軸部の下端面を接近するように配設
された中継ぎと、前記中継ぎの中空部の中側に貫通する
貫通孔を有するハウジングと、前記上軸部において、前
記中継ぎの中空部に対向した位置からエアー供給源に接
続されたホースと連結する位置までを中空部とした前記
上軸部を設けて構成した。
【0022】次に、本発明の作用を説明する。請求項1
の構成あっては、加工機構により上軸部が加圧され、ス
テー、揺動アーム、アッパーアームを介して、固定軸が
加圧される。さらに、固定軸の先端部、カバー、貼付皿
を介して、ワークが加圧される。この加圧が加工荷重と
なる。加工荷重が一定の場合、ベアリングを小径にすれ
ばするほど、寿命は短くなる。しかし、本請求項のワー
ク保持装置では、加工荷重は固定軸の球面形状の先端部
がカバーと接触して受けるので、ベアリングにはスラス
ト方向の力がかからない。また、粗研削工程において
は、貼付皿の外径を個々のワークの直径により変更する
必要がない。
【0023】請求項2の構成あっては、貼付皿をカバー
に挿入したとき、貼付皿のツバ部の折り返しが、アッパ
ーアームに設けたリング状のザグリ部に接近し、ラビリ
ンス効果によりベアリングに侵入するクーラントに混入
されたスラッジを抑制することができる。そのため、ス
ラッジによるベアリングの劣化を低減できる。
【0024】請求項3の構成あっては、加工荷重が固定
軸の先端部に設けた球、および、カバー上面に設けたセ
ラミックの板を介して固定軸からカバーに伝達される。
そのため、固定軸の先端、およびカバーの傷みが軽減さ
れる。
【0025】請求項4の構成あっては、エアー源よりエ
アーをエアーホース、固定軸のメクラ状の孔、貫通孔を
介して、カバー、および、ベアリング内に供給され、正
圧状態となる。これにより、飛散したクーラントがベア
リング内に入り込むことを防止する。
【0026】請求項5の構成あっては、貼付皿を磁性体
とし、エアーシリンダーに保持された永久磁石を下方に
移動して貼付皿に接近させることで貼付皿を磁化させて
取付ける。また、永久磁石を上方に移動し、貼付皿から
離すことで自動的に貼付皿を取り外すことができる。
【0027】請求項6の構成あっては、貼付皿を回転棒
に挿入すると、磁性体の貼付皿は回転棒に保持された永
久磁石により引き寄せられる。加工は、工具にワークを
当て付け、工具を回転させるとともに揺動させ、加工部
にクーラントを供給することにより行う。このとき、加
圧機構により上軸部が加圧され、ステー、揺動アーム、
アッパーアーム、ハウジング、板を介して、回転棒が加
圧される。さらに、貼付皿を介してワークが加圧され
る。そのため、ベアリングには、スラスト方向の荷重が
かからない。また、ベアリングは貼付皿より上方に位置
するので、飛散したクーラントがベアリングの内部に入
ることを抑制される。さらに、ハウジングの孔部上面は
板を介して荷重が伝わるので、ハウジングの摩耗が低減
される。また、粗研削工程においては、貼付皿の外径を
個々のワークの直径により変更する必要がない。
【0028】請求項7の構成あっては、止め具のかえり
部と回転棒のザグリ部の分だけベアリングまでの距離が
長く、かつ、その隙間が接近されているので、飛散した
クーラントがベアリングの内部に入ることを抑制するこ
とができる。
【0029】請求項8の構成あっては、エアー供給源か
らレギュレータで絞られたエアーは、エアーホース、上
軸部の中空部、中継ぎの中空部、ハウジングの孔部を介
してベアリングの内部に供給される。このとき、若干エ
アーは上軸部の下端部と中継ぎの上端面との隙間から漏
れるが、中継ぎの中空部は上軸部の中空部の孔径より大
きいので、エアーの大半はベアリングの内部に供給され
る。そのため、ベアリングは他の部分より圧力が上が
り、飛散したクーラントが侵入できない。
【0030】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]本発明の実施の形態1を図1お
よび図2に基づいて説明する。図1はワーク保持装置を
一部破断して示す正面図、図2はワーク保持装置を一部
破断して示す側面図である。
【0031】ステー7は加工機本体の上軸部9にネジ1
8により固定されている。前記ステー7の下端部7aに
は、コの字形状に形設した揺動アーム5がワーク回転中
心軸(軸線Z)に直交する軸線X上で支軸19、ワッシ
ャ20を介して回動自在に連結されている。
【0032】揺動アーム5の開口部両端5aには、揺動
アーム5と同様にコの字形状に形設したアッパーアーム
2が、ワーク回転中心軸(軸線Z)に直交し、かつ前記
軸線Xに交差する軸線Y上でピン6を介して回動自在に
連結されている。アッパーアーム2には、ワーク回転中
心軸(Z軸)を中心とした貫通孔2cが設けられてい
る。貫通孔2cの上端となるアッパーアーム2の上面に
はザグリ部2bが形成されている。また、アッパーアー
ム2の下面には、前記軸線Zを中心としたリング状のザ
クリ部2aが設けられている。
【0033】アッパーアーム2には固定軸4が取り付け
られている。固定軸4は軸径が3段に形成され、図にお
いて上から1段目の大径部(円盤部)4d、2段目の中
径部4c、3段目の小径部(棒状)4bとなっており、
各径部4d、4c、4bは同一軸線上で固定軸4の中心
に設けられている。固定軸4の取り付けは、大径部4d
をアッパーアーム2の上面に設けたザグリ部2bに挿入
して上方からネジ8により締結して固定され、中径部4
c、小径部4bが前記軸線Z上に配置されるようになっ
ている。3段目の小径部(棒状)4bには、ベアリング
12を介してカバー21が回転自在に保持されている。
前記ベアリング12は、その軸線Z方向の移動を防止す
るため、2段目の中径部4cと3段目の小径部4bの段
差で、ベアリング12の内輪が受けられ、かつ小径部4
bの先端側から止め具10を圧入してベアリング12の
内輪が押さえられている。また、カバー21は、その軸
線Z(ワーク回転中心軸)方向の移動を防止するため
に、前記カバー底面の上側21bと小径部4bの球形状
(あるいはエッジ)の先端部4aとを接触させるととも
に、カバー21の内側面21a上部に止め具11が圧入
されている。
【0034】上軸部9の底面にはエアーシリンダー15
が固定されている。前記エアーシリンダー15のピスト
ン軸14の先端には永久磁石13が配設されている。ま
た、前記エアーシリンダー15には、図示省略した電磁
弁を介してエアー源に接続されたエアーホース16、1
7が接続されており、エアー圧の切り替えによって、永
久磁石13を上下運動させることができるように構成さ
れている。
【0035】凸形状のワーク1(ガラス、セラミックス
等の光学素子や金型等)が貼付皿3に接続されている。
前記貼付皿3は上面部中央に穴3bが設けられていて、
この穴部3bにカバー21が挿入されるようになってお
り、前記穴部3bの底面とこの底面に対向するカバー2
1の下面が接触した状態が挿入状態である。また、前記
貼付皿3は、その穴部3bとワーク1を接続保持する面
の中間部に、穴部3bの外径より大きい外径を持つ円盤
形状のツバ部3aが形成されている。前記ツバ部3aの
先端はアッパーアーム2の方向に折り返してあり、貼付
皿3をカバー21に挿入したとき、アッパーアーム2の
リング状のザグリ部2aに接近し挿入するように構成さ
れ、ラビリンス効果をだすようになっている。これによ
り、加工中の飛び散ったクーラントがベアリング12の
内部に入り込むことを防止している。
【0036】次に、上記構成からなるワーク保持装置の
作用を説明する。ワーク1の着脱は、貼付皿3を磁性体
とし、エアーシリンダー15に保持された永久磁石13
を下方に移動し、近接することで貼付皿3を磁化させて
取付ける。また、永久磁石13を上方に移動し、離すこ
とで貼付皿3を取り外す。
【0037】貼付皿3に取り付けたワーク1の加工は、
図示省略した加工機構により上軸部9が加圧され、ステ
ー7、揺動アーム5、アッパーアーム2を介して、固定
軸4が下方に加圧される。さらに、固定軸4の先端部4
a、カバー21、貼付皿3を介してワーク1が加圧さ
れ、ワーク1の下方に配置した工具(図示省略)により
加工される。このとき、図示省略した加圧機構による加
工荷重は、固定軸4の先端部4aが受けることになるの
でベアリング12にはかからず、ベアリング12が受け
る荷重は従属回転で発生する工具の回転方向の力のみと
なる。そのため、加工荷重を受けない分だけ、ベアリン
グ12は長寿命となる。
【0038】また、ベアリング12は従来技術のものよ
り小さいものを用いることができるので、ベアリング1
2の内外輪と球との隙間が小さく、振動の振幅を小さく
できる。このことで、ワーク1と工具との間で発生する
微少な振動を抑えることができる。
【0039】したがって、上記構成によるワーク保持装
置では、ベアリングを小径化することで起動トルクを下
げ、かつ長寿命を可能にしたことで、ワークの従属回転
を良好な状態を維持でき、安定した加工ができる。ま
た、加工時間が短縮できる。なお、固定軸4、およびカ
バー21に磁性材料を用いることで、永久磁石13を接
近し、固定軸4、カバー21を磁化させて貼付皿3を取
付けてもよい。
【0040】また、従属回転を良好な状態で維持するた
めには、前記ベアリング12の球の公転直径:φDB
ワークの直径:φDW の関係がφDB ≦(2〜3)×φ
Wになるようにベアリング12を設定する。ベアリン
グ12のφDB をそれ以上にすると、ベアリング12の
起動トルクが従属回転力より大きくなり、その結果、従
属回転の低下、および、停止になることが以下に示す実
験から明らかとなっている。
【0041】それは、ワーク1をレンズとし、その直径
がφ1mm、φ2mm、φ10mm、φ20mm、φ5
0mmという条件で、メタルボンド砥石で加工した場合
の実験結果である。また、上式での2〜3という係数の
範囲は、精研削工程のメタルボンド、あるいはレジンボ
ンドの工具、研磨工程の遊離砥石を用いた研磨方法、あ
るいはレジンボンドの研磨工程(砥粒は酸化セリウム、
ジルコニア等)などによりワーク1と工具との摩擦力が
若干変化する。メタルボンドの工具の場合、レジンボン
ドの工具と比較して、砥粒が大きく、ボンドの弾性が低
いためにワーク1とボンドとの接触が少ない。そのた
め、従属回転を引き起こすためのワーク1との摩擦力が
低い。故に、係数は2となる。逆に、砥粒が小さく、ボ
ンドの弾性が高いレジンボンドの研磨工具の場合、摩擦
力が高いために、係数は3となる。ただし、上式は従属
回転を良好に維持するためのものであり、微少な振動を
抑制するためには、ベアリング12は小さいほどよい。
【0042】[発明の実施の形態2]本発明の実施の形
態3を図3に基づいて説明する。図3は本実施の形態3
のワーク保持装置を一部破断して示す正面図である。本
発明の実施の形態2は、前記実施の形態1における貼付
皿3のツバ部3aの折り返しと、永久磁石13と、ピス
トン軸14と、エアーシリンダー15と、エアーホース
16、17を廃止し、以下のように構成した点に特徴を
有する。
【0043】固定軸4には、その上面から軸線Z上にメ
クラ状の孔4eが設けられ、軸線Z方向と垂直方向に開
けられた貫通孔4fが前記孔4eと接続するように小径
部4bに貫通されている。前記貫通孔4fの開口部はベ
アリング12間に設けられていて、固定軸4は一体化さ
れており、ベアリング12間に前記貫通孔4fの開口部
がベアリング12の内輪によって塞がないようにスペー
サー32がベアリング12の外輪間に設けられている。
また、前記孔4eの上側の開口部4gには、エアーホー
ス35を介して上軸部9の底面9aに保持された継手3
3に接続されており、前記継手33は図示省略したレギ
ュレータを介してエアー源に接続されたエアーホース3
4に接続されている。さらに、カバー21の内側底面部
にセラミックの板31が設けられるとともに、前記カバ
ー21の外側底面部に貼付皿3を吸着保持するための永
久磁石30が設けられている。その他の構成は実施の形
態1と同一の構成部分からなるもので同一構成部分には
同一番号を付し、その説明を省略する。
【0044】また、前記貼付皿3の直径:φDS は、前
工程の粗研削工程(カーブジェネレータ方式)で用いる
チャックに挿入できるように設定されている。そのと
き、前記貼付皿3のツバ部3aが、チャックに対する当
て付け面となる。これにより、前工程におけるワーク1
の中肉は、前記当て付け面からの距離で管理される。
【0045】次に、上記構成からなるワーク保持装置の
作用を説明する。ワーク1の着脱は、貼付皿3を磁性体
とし、カバー21に保持された永久磁石30により取付
ける。また、取り外しは永久磁石30の磁力よりも強い
下方の力により引っ張ることにより行う。
【0046】貼付皿3に取り付けたワーク1の加工は、
図示省略した加圧機構により上軸部9が加圧され、ステ
ー7、揺動アーム5、アッパーアーム2を介して、固定
軸4が下方に加圧される。さらに、固定軸4の先端部4
a、板31、カバー21、貼付皿3を介してワーク1が
加圧され、ワーク1の下方に配置した工具(図示省略)
により加工される。このとき、ベアリング12には、加
工荷重がかからないので、ベアリング12は長寿命であ
る。
【0047】また、図示省略したエアー源よりエアーを
エアーホース34、継手33、エアーホース35、固定
軸4の孔4e、貫通孔4fを介して、カバー21内に供
給し、カバー21内を正圧にすることで、飛散したクー
ラントがベアリング12内に入り込むことを防止する。
これにより、クーラントに混入されたワーク1の切り屑
によるベアリング12の破損を防止することができる。
さらに、カバー21の内側上面には板31を介して固定
部材4の先端部4aから荷重を受けるので、カバー21
の摩耗が低減される。
【0048】したがって、上記構成によるワーク保持装
置では、飛散したクーラントがベアリング12内に入り
込むことを完全に防止することができ、かつ、カバー2
1の摩耗を低減できるので、さらに長期にわたり、ワー
クの従属回転を良好な状態を維持でき、安定した加工が
できる。また、貼付皿3の外径を個々のワーク1の直径
により変更する必要がないので、粗研削工程の段取り替
えの時間を短縮することができ、費用も削減できる。
【0049】なお、飛散したクーラントの混入防止のた
めのエアーの供給は、ワーク1の着脱時にも行うこと
で、クーラントの混入防止がより効果的となる。また、
板31の材質をセラミックの代わりに、低摩擦係数材料
であるナイロン、あるいは、テフロンなどを用いても同
様な効果が得られる。
【0050】[発明の実施の形態3]本発明の実施の形
態3を図4に基づいて説明する。図4は本実施の形態3
のワーク保持装置を一部破断して示す正面図である。本
実施の形態は、前記実施の形態2におけるワーク1を凸
形状から凹形状に変更した点と、スペーサー32を廃止
し、貫通孔4fを固定軸4の中径部4cに形成しその開
口部をベアリング12の上側に設けた点、カバー21の
穴口にツバ部21cを設けた点、固定軸4の円錐状の窪
みを有する先端部と板31の間にセラミックの球40を
設けた点が異なり、他の構成は前記実施の形態2と同一
の構成部分からなるもので同一構成部分には同一番号を
付し、その説明を省略する。
【0051】次に、上記構成からなるワーク保持装置の
作用を説明する。ワーク1の着脱は、貼付皿3を磁性体
とし、カバー21に保持された永久磁石30により取付
ける。また、取り外しは永久磁石30の磁力よりも強い
下方の力により引っ張ることにより行う。
【0052】加工は、図示省略した加圧機構により上軸
部9が加圧され、ステー7、揺動アーム5、アッパーア
ーム2を介して、固定軸4が下方に加圧される。さら
に、固定軸4の先端部に設けた球40、板31、カバー
21、貼付皿3を介して、ワーク1が加圧される。この
とき、ベアリング12には、スラスト方向(軸線Z方
向)の荷重がかからないので、ベアリング12は長寿命
である。
【0053】また、図示省略したエアー源よりエアーを
エアーホース34、継手33、エアーホース35、固定
軸4の孔4e、4fを介して、カバー21内に供給す
る。さらに、カバー21にツバ部21cを設けたこと
で、飛散したクーラントがベアリング12内に入り込み
難くなっている。これにより、クーラントに混入された
ワーク1の切り屑によるベアリング12の破損を防止す
ることができる。さらに、固定軸4の先端部に設けた球
40を介して荷重を受けるので、固定軸4の先端部の摩
耗が低減される。
【0054】したがって、上記構成によるワーク保持装
置では、飛散したクーラントがベアリング12内に入り
込むことを完全に防止することができ、かつ、固定軸4
の先端部の摩耗を低減できるので、さらに長期にわた
り、ワーク1の従属回転を良好な状態で維持でき、安定
した加工ができる。なお、飛散したクーラントの混入防
止のためのエアーの供給は、ワーク1の着脱時にも行う
ことで、クーラントの混入防止がより効果的となる。
【0055】[発明の実施の形態4]本発明の実施の形
態4を図5および図6に基づいて説明する。図5は本実
施の形態4のワーク保持装置を一部破断して示す正面
図、図6はワーク保持装置を一部破断して示す側面図で
ある。
【0056】ステー7は加工機本体の上軸部9にネジ1
8により固定されている。前記ステー7の下端部7aに
コの字形状に形設した揺動アーム5が軸線X上で支軸1
9、ワッシャ20を介して回動自在に連結されている。
揺動アーム5の開口部両端5aには、コの字形状に形設
されたアッパーアーム2が軸線Y上でピン6を介して回
動自在に連結されている。
【0057】アッパーアーム2の上面中央部には、段付
き円柱形状のハウジング44がリング状の止め板45を
介してネジ8により固定されている。前記ハウジング4
4の孔部44aには、2つのベアリング43を介して、
段付きの円柱形状の回転棒48がその軸と軸線Zとが一
致するように、回転自在に保持されている。前記ベアリ
ング43内の内輪間には、スペーサー42が配設されて
いる。前記回転棒48の軸線Z方向の移動を防止するた
めに、ワーク1側のベアリング43の外輪は前記止め板
45の孔部45aの端面により固定されるとともに、も
う一方のベアリング43の内輪は、上端から前記回転棒
48の小径部の外周面に圧入された止め具41により固
定されている。前記回転棒48の小径部の上端面48a
は球形状に形成されており、ハウジング44の上部下面
に設けたセラミックの板46を介して、ハウジング44
に接触するように構成されている。また、回転棒48は
止め板45の孔部45aを貫通して設けられ、回転棒4
8の大径部がアッパーアーム2の貫通孔2c内に配置す
るようになっている。前記軸線Xと軸線Yとの交点は、
軸線Z上になるように設定されている。
【0058】凸形状のワーク1(ガラス、セラミック等
の光学素子や金型等)は磁性体の貼付皿3に接着されて
いる。前記貼付皿3の中心部には、上面から内部に向か
って孔部3dが形成されており、この孔部3dに前記回
転棒48の大径部が挿入されるようになっている。この
回転棒48の大径部の下端部48bには永久磁石47が
装着されており、貼付皿3の孔部3d内に回転棒48の
大径部が挿入されたときに、磁力で貼付皿3を保持する
ように構成されている。また、前記貼付皿3の直径:φ
DS は、前工程の粗研削工程(カーブジェネレータ方
式)で用いるチャックに挿入できるように設定されてい
る。そのとき、前記貼付皿3のツバ部3aが、チャック
に対する当て付け面となる。これにより、前工程におけ
るワーク1の中肉は、前記当て付け面からの距離で管理
される。
【0059】次に、上記構成からなるワーク保持装置の
作用を説明する。ワーク1と対向した形状の工具(図示
省略)を上軸部9の加圧機構により加圧し、工具を回転
させるとともに、ワーク1の曲率中心を支点として球心
揺動する加工機、あるいは工具を軸線Zに対して傾斜さ
せるとともに、上軸部9を前後、あるいは左右、あるい
は旋回させて加工を行う加工機において、貼付皿3を回
転棒48の大径部に挿入すると、磁性体の貼付皿3は回
転棒48に保持された永久磁石47により引き寄せられ
る。これにより、ワーク1が工具(図示省略)と接触す
るまでの間、および加工が終了して上軸部9が上昇する
間、ワーク1が回転棒48から外れない。これにより、
ワーク1の落下による破損が防止できる。
【0060】ワーク1の加工は、工具(図示省略)にワ
ーク1を当て付け、工具を回転させるとともに揺動さ
せ、加工部にクーラントを供給することにより行う。こ
のとき、図示省略した加圧機構により上軸部9が加圧さ
れ、ステー7、揺動アーム5、アッパーアーム2、ハウ
ジング44、板46を介して、回転棒48が加圧され
る。さらに、貼付皿3を介してワーク1が加圧される。
そのため、ベアリング43には、スラスト方向(軸線Z
方向)の荷重がかからない。また、ベアリング43は貼
付皿3より上方に位置するので、飛散したクーラントが
ベアリング43の内部に入ることを抑制される。さら
に、ハウジング44の孔部上面は板46を介して荷重が
伝わるので、ハウジング44の摩耗が低減される。
【0061】したがって、上記構成によるワーク保持装
置では、ベアリングを小径化し、起動トルクを下げ、か
つ、軸線Z方向の荷重がベアリングにかからないので、
長寿命となり、かつ、ワークの従属回転が良好な状態を
維持でき、安定した加工ができる。特に、φ10mm以
下の直径のワーク1の場合、ベアリングが小径となり、
球の数も減少するために加工荷重をベアリングを介して
受けるものと比較して寿命が延びる。また、貼付皿3の
外径を個々のワーク1の直径により変更する必要がない
ので、粗研削工程の段取り替えの時間を短縮することが
でき、費用も削減できる。
【0062】なお、板46の材質をセラミックの代わり
に、低摩擦係数材料であるナイロン、あるいはテフロン
などを用いても同様な効果が得られる。
【0063】[発明の実施の形態5]本発明の実施の形
態5を図7に基づいて説明する。図7は本実施の形態5
のワーク保持装置を一部破断して示す正面図である。本
実施の形態は、前記実施の形態4のワーク1を凹形状に
変更するとともに、前記実施の形態4におけるスペーサ
ー42を廃止し、止め具45の孔部45a先端にワーク
1側の方向へ円柱形状のかえり部45bを設け、この部
分が干渉しないように、回転棒48の大径部48bにザ
グリ部48cを設けた点が異なり、他の構成は前記実施
の形態4と同一の構成部分からなるもので同一構成部分
には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0064】次に、上記構成からなるワーク保持装置の
作用を説明する。ワーク1の取付けは、貼付皿3を回転
棒48に挿入すると、磁性体の貼付皿3は回転棒48に
保持された永久磁石47により引き寄せられる。これに
より、ワーク1が工具(図示省略)と接触するまでの
間、および、加工が終了して上軸部9が上昇する間、ワ
ーク1が回転棒48から外れることがなく、落下による
破損は防止できる。
【0065】ワーク1の加工は、図示省略した加圧機構
により上軸部9が加圧され、ステー7、揺動アーム5、
アッパーアーム2、ハウジング44、板46を介して、
回転棒48が加圧される。さらに、貼付皿3を介してワ
ーク1が加圧される。そのため、ベアリング43には、
スラスト方向(軸線Z方向)の荷重がかからない。ま
た、止め具45のかえり部45bと回転棒48のザグリ
部48cの分だけベアリング43までの距離が長く、か
つ、その隙間が接近されているので、飛散したクーラン
トがベアリング43の内部に入ることを抑制することが
できる。したがって、上記構成によるワーク保持装置で
は、飛散したクーラントの侵入をさらに抑止できるの
で、ベアリングの寿命が延び、ワークの従属回転が良好
な状態をさらに維持することができる。
【0066】[発明の実施の形態6]本発明の実施の形
態6を図8に基づいて説明する。図8は本実施の形態6
のワーク保持装置を一部破断して示す正面図である。本
実施の形態は、前記実施の形態4の構成にハウジング4
4の孔部44a内にエアーを供給する機構を付加した構
成部分が実施の形態4と異なり、他の構成は同一の構成
部分からなるもので同一構成部分には同一番号を付し、
その説明を省略する。
【0067】ハウジング44の中央上部には、リング状
の中継ぎ50が配設されている。また、ハウジング44
の中央上面部、すなわち、ベアリング43が挿入された
孔部44aと前記中継ぎ50との間に少なくとも1つ以
上の孔44bが設けられ、前記中継ぎ50の円柱形状の
中空部50aまで貫通されている。また、揺動アーム
5、およびアッパーアーム2が軸線X、軸線Yを中心軸
として揺動したときに、前記中継ぎ50の上端面50b
と上軸部9の下端部9aとが接触しないように、上軸部
9の下端部9aは点O(軸線Xと軸線Yと軸線Zとの交
点)を曲率中心とした球面形状にざぐられ、かつ、中継
ぎ50の上端面50bとの隙間を有するようになってい
る。
【0068】上軸部9の内部には、下端部9aから軸線
Z上に中空部9bが設けられていて、その一端が中継ぎ
50の中空部50aに臨むように開口され、もう一端が
上軸部9の側面に接続されたエアーホース49まで貫通
されている。前記エアーホース49は図示省略したレギ
ュレータを介してエアー供給源に接続されている。
【0069】次に、上記構成からなるワーク保持装置の
作用を説明する。ワーク1の取付けは、貼付皿3を回転
棒48に挿入すると、磁性体の貼付皿3は回転棒48に
保持された永久磁石47により引き寄せられる。これに
より、ワーク1が工具と接触するまでの間、および、加
工が終了して上軸部が上昇する間において、ワーク1が
回転棒48から外れることがなく、落下による破損は防
止できる。
【0070】ワーク1の加工は、図示省略した加圧機構
により上軸部9が加圧され、ステー7、揺動アーム5、
アッパーアーム2、ハウジング44、板45を介して回
転棒48が加圧される。さらに、貼付皿3を介して、ワ
ーク1が加圧される。そのため、ベアリング43には、
スラスト方向(軸線Z方向)の荷重がかからない。さら
に、図示省略したエアー供給源からレギュレータで絞ら
れたエアー(好ましくは、供給圧力が0.1〜1.0K
gf/cm2 であり、圧力を上げすぎると、圧縮エアー
がベアリング43の起動トルクを大きくしてしまう。ま
た、0.1Kgf/cm2 以下では、エアーをベアリン
グ43の内部まで送る機能が低下し、飛散したクーラン
トを排除できない。)は、エアーホース49、上軸部9
の中空部9b、中継ぎ50の中空部50a、ハウジング
44の孔部44aを通じてベアリング43の内部に供給
される。このとき、若干のエアーは上軸部9の下端部9
aと中継ぎ50の上端面50bとの隙間から漏れるが、
中継ぎ50の中空部50aは上軸部9の中空部9bの孔
径より大きいので、エアーの大半はベアリング43の内
部に供給される。そのため、ベアリング43の他の部分
より圧力が上がり、飛散したクーラントが侵入できな
い。
【0071】したがって、上記構成によるワーク保持装
置では、飛散したクーラントの侵入を抑止することがで
きるので、ベアリングの寿命が延び、ワークの従属回転
が良好な状態をさらに維持することができる。なお、飛
散したクーラントの侵入防止のためのエアーの供給は、
ワーク1の着脱時にも行うと、より効果的となる。
【0072】
【発明の効果】請求項1の効果は、ワークの従属回転を
良好な状態を維持でき、安定した加工ができるとともに
加工時間が短縮でき、粗研削工程の段取り替えの時間を
短縮、チャックの費用の削減ができるワーク保持装置を
提供するものである。
【0073】請求項2の効果は、クーラントに混入した
スラッジがベアリング内に入り込むことをラビリンス効
果により抑制できるので、ベアリングの劣化を防止する
ことができるワーク保持装置を提供するものである。
【0074】請求項3の効果は、固定軸、カバーの摩耗
を低減できるので、治具費が低減されるワーク保持装置
を提供するものである。
【0075】請求項4の効果は、飛散したクーラントが
ベアリング内に入り込むことを完全に防止することがで
きるので、さらに長期にわたって、ワークの従属回転を
良好な状態を維持でき、安定した加工ができるワーク保
持装置を提供するものである。
【0076】請求項5の効果は、貼付皿を自動的に搬送
ができるワーク保持装置を提供するものである。
【0077】請求項6の効果は、ベアリングが長寿命と
なり、かつ、ワークの従属回転が良好な状態を維持で
き、安定した加工ができる。また、粗研削工程の段取り
替えの時間を短縮することができ、費用も削減できる。
【0078】請求項7の効果は、飛散したクーラントの
侵入をさらに抑制できるので、ベアリングの寿命が延
び、ワークの従属回転が良好な状態をさらに維持するこ
とができる。
【0079】請求項8の効果は、飛散したクーラントの
侵入を防止することができるので、ベアリングの寿命が
延び、ワークの従属回転が良好な状態をさらに維持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を一部破断して示す正面
図である。
【図2】本発明の実施の形態1を一部破断して示す側面
図である。
【図3】本発明の実施の形態2を一部破断して示す正面
図である。
【図4】本発明の実施の形態3を一部破断して示す正面
図である。
【図5】本発明の実施の形態4を一部破断して示す正面
図である。
【図6】本発明の実施の形態4を一部破断して示す側面
図である。
【図7】本発明の実施の形態5を一部破断して示す正面
図である。
【図8】本発明の実施の形態6を一部破断して示す正面
図である。
【図9】従来技術の原理図である。
【図10】従来技術を示す半截正面図である。
【図11】従来技術を示す断面図である。
【図12】従来技術を一部破断して示す正面図である。
【図13】従来技術のワークと工具を示す上面図であ
る。
【図14】従来技術を一部破断して示す正面図である。
【図15】従来技術を一部破断して示す正面図である。
【符号の説明】
1 ワーク 2 アッパーアーム 3 貼付皿 4 固定軸 5 揺動アーム 7 ステー 9 上軸部 12 ベアリング 13 永久磁石 21 カバー 40 球 43 ベアリング 44 ハウジング

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工機に固定するステー部材と、前記ス
    テー部材に第1の支軸を介して回動自在に支持され、第
    1の支軸を対称軸とするコの字形状を有する揺動アーム
    と、前記揺動アームの両端に、第1の支軸と交差する第
    2の支軸を介して、回動自在にそれぞれ支持されるコの
    字形状のアッパーアームと、前記アッパーアームの中央
    に、第2の支軸と直交する第3の支軸に回転自在に保持
    されたワーク支持部を有するワーク保持装置において、
    前記アッパーアームの第3の支軸上に設けた円柱形状の
    固定軸と、前記固定軸の棒状部に嵌合した少なくとも2
    つ以上のベアリングと、前記ベアリングを覆うように回
    転自在に保持され、かつ前記固定軸の球面形状の先端部
    とが接触するように設けたカバーと、ワークを保持し、
    かつ前記カバーを挿入するための孔を設けた貼付皿を有
    することを特徴とするワーク保持装置。
  2. 【請求項2】 ツバ部が前記アッパーアームの方向に折
    り返しが設けられた貼付皿と、前記貼付皿をカバーに挿
    入したとき、前記折り返しが接近するように底面部にリ
    ング状の座ぐりを設けたアッパーアームとを有する請求
    項1記載のワーク保持装置。
  3. 【請求項3】 円錐形状の凹みの先端部を有する固定軸
    と、前記固定軸の先端に対向する位置にセラミックの板
    を設けたカバーと、前記凹みとセラミックの板との間に
    設けた球とを有することを特徴とする請求項1記載のワ
    ーク保持装置。
  4. 【請求項4】 第3の支軸方向にメクラ状の孔を設け、
    前記孔と貫通した第3の支軸と垂直な方向に設けた貫通
    孔を有する固定軸と、前記孔と連結されたエアーチュー
    ブとを有する請求項1記載のワーク保持装置。
  5. 【請求項5】 加工機に固定するステー部材と、前記ス
    テー部材に第1の支軸を介して回動自在に支持され、第
    1の支軸を対称軸とするコの字形状を有する揺動アーム
    と、前記揺動アームの両端に、第1の支軸と交差する第
    2の支軸を介して、回動自在にそれぞれ支持されるコの
    字形状のアッパーアームと、前記アッパーアームの中央
    に、第2の支軸と直交する第3の支軸に回転自在に保持
    されたワーク支持部を有するワーク保持装置において、
    加工機の上軸部の底面に保持されたエアーシリンダー
    と、前記エアーシリンダーのピストン軸の先端に上下運
    動自在に保持された永久磁石と、前記アッパーアームの
    第3の支軸上に設けた円柱形状の固定軸と、前記固定軸
    の棒状部に嵌合した少なくとも2つ以上のベアリング
    と、前記ベアリングを覆うように回転自在に保持され、
    かつ前記固定軸の先端部とが接触するように設けたカバ
    ーと、ワークを保持し、かつ前記カバーを挿入するため
    の孔を設けた貼付皿を有することを特徴とするワーク保
    持装置。
  6. 【請求項6】 加工機に固定するステー部材と、前記ス
    テー部材に第1の支軸を介して、第1の支軸の軸回りに
    回動自在に支持され、第1の支軸を対称軸とするコの字
    形状を有する揺動アームと、前記揺動アームの両端に、
    前記第2の支軸を介して第2の支軸の軸回りに回動自在
    にそれぞれ支持されるコの字形状のアッパーアームと、
    前記アッパーアームの中央に、第2の支軸と直交する第
    3の支軸に回転自在に保持されたワーク支持部を有する
    ワーク保持装置において、前記アッパーアームの上面部
    に、円柱形状の孔部の軸が第3の支軸と一致するように
    設けたハウジングと、前記ハウジングの孔部に嵌合され
    た複数のベアリングを介して、第3の支軸とその軸線が
    一致するように回転自在に保持されるとともに、その上
    端部が前記ハウジングの孔部上面と接触された回転棒
    と、前記回転棒を非接触で挿入するとともに、前記ベア
    リングのワーク側の外輪部を保持するために前記ハウジ
    ングと前記アッパーアームの間に設けた止め板と、一方
    の先端部にワークを保持し、もう一方の先端部が前記回
    転棒に挿入する孔を設けた貼付皿と、前記回転棒の下端
    部に保持された永久磁石とを有することを特徴とするワ
    ーク保持装置。
  7. 【請求項7】 前記止め板の孔部端面をワーク側にかえ
    り部を設け、前記回転棒を前記止め板のかえり部の接
    近、かつ干渉しないようにザクリ部を有することを特徴
    とする請求項6記載のワーク保持装置。
  8. 【請求項8】 前記ハウジングの上部に設けた中空構造
    で、かつ、その上面部が前記上軸部の下端面を接近する
    ように配設された中継ぎと、前記中継ぎの中空部の中側
    に貫通する貫通孔を有するハウジングと、前記上軸部に
    おいて、前記中継ぎの中空部に対向した位置からエアー
    供給源に接続されたホースと連結する位置までを中空部
    とした前記上軸部を有することを特徴とする請求項6記
    載のワーク装置。
JP7259660A 1995-10-06 1995-10-06 ワーク保持装置 Withdrawn JPH09103950A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7259660A JPH09103950A (ja) 1995-10-06 1995-10-06 ワーク保持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7259660A JPH09103950A (ja) 1995-10-06 1995-10-06 ワーク保持装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09103950A true JPH09103950A (ja) 1997-04-22

Family

ID=17337139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7259660A Withdrawn JPH09103950A (ja) 1995-10-06 1995-10-06 ワーク保持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09103950A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005271202A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Wendt Gmbh ロッド緊締装置
KR100963438B1 (ko) * 2008-05-31 2010-06-17 한밭대학교 산학협력단 경사 가능한 렌즈 연마장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005271202A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Wendt Gmbh ロッド緊締装置
JP4705391B2 (ja) * 2004-03-25 2011-06-22 ヴェント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ロッド緊締装置
KR100963438B1 (ko) * 2008-05-31 2010-06-17 한밭대학교 산학협력단 경사 가능한 렌즈 연마장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000094307A (ja) ポリッシング装置
JPS62193704A (ja) 超精密旋盤
JP2009248195A (ja) ワーク保持装置
JPH09103950A (ja) ワーク保持装置
JPH08192348A (ja) 研削研磨方法および装置
JP2007098541A (ja) 研磨工具及び研磨方法
JP2008142840A (ja) 表面加工方法、表面加工装置
JPH11151649A (ja) レンズ保持装置
JP3207787B2 (ja) ウエハの加工方法及び平面研削盤及びワーク支持部材
JP4229582B2 (ja) 研削研磨装置
JPH08229795A (ja) ワーク保持装置
JPS6315096B2 (ja)
JP2886205B2 (ja) 研摩用ワークホルダー
JP2002307278A (ja) 研磨工具保持装置および研磨装置
JP2001310252A (ja) ワーク研削研磨方法及びワーク研削研磨装置
JP2001062633A (ja) 曲面加工方法および装置
JP2010188438A (ja) ワークホルダおよび研磨装置
JP2002239886A (ja) ワーク保持装置
JP4851713B2 (ja) 鉱物材料例えばサファイアの形状を形成する整形する、特に時計用クリスタルの光学表面を整形する回転ツール
JP2000326194A (ja) 研削研磨保持装置
JP3890188B2 (ja) 研磨装置
JP2004098267A (ja) 研磨工具、研磨装置および研磨方法
JP3228528B2 (ja) ワーク保持装置
JP3584058B2 (ja) ウェーハノッチ部の鏡面研摩方法およびその装置
JP2002254305A (ja) 研磨ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030107