JP2008142840A - 表面加工方法、表面加工装置 - Google Patents

表面加工方法、表面加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コバ厚さが薄く、加工中の保持が難しいレンズを、接着技術を用いることなく容易かつ確実に保持して表面加工を行う。
【解決手段】レンズホルダ3を構成する基材6の凹座面6aおよびコバ押さえ5の中に、緩衝材4を介してレンズ1の保持球面13を嵌め込み式に密着させて固定し、加工工具7を支持する工具台皿8に回動自在に継承されるカンザシ9の支点10と、レンズ1の保持球面13の曲率半径中心13aとをほぼ一致させるように支点10の位置を設定し、カンザシ9の揺動変位の揺動中心11と、レンズ1の被加工面1aの加工面球心12とを一致させるようにして、レンズ1と加工工具7の相対的な回転および揺動変位を組み合わせた研磨加工を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面加工技術に関し、たとえば、脆性材料であるガラスからなるレンズ等の表面加工を行う研削・研磨方法およびその装置に関するものである。より詳細には、たとえば、レンズの中心厚さやレンズ外径部分のコバ厚さが薄く加工中のレンズ保持が難しく、加工に伴いレンズが脱落したり、圧力によって変形などに伴う形状精度低下を生じやすくなる凸メニスカスレンズ等の加工に有効な技術に関する。
一般にレンズ、プリズム、ミラーなどの光学素子の表面加工を行なう手法としては、被加工物(以降、レンズと称する)と加工用の研削工具や弾性工具(ピッチやポリウレタン製のパッド、ポリシャを示し、以降、研磨皿と称する)とを互いに摺動運動させ、工具に含有する研削用砥粒や界面に介在する研磨用砥粒でレンズを除去する加工法が用いられる。
このように工具を押圧してすり合わせにより被加工物を摩滅させて加工を行う加工装置としては、特許文献1に開示される技術が知られている。すなわち、この特許文献1では、高速加工であっても高精度な研磨加工が実現でき、しかも加工動作の終了後にホルダの脱落を回避するために、被加工物およびホルダを筐体側に下端が支持された上向きのロッドの先端に球面で回転自在に支持し、この被加工物に対して、往復回転運動する下向きの砥石を押し当て研磨動作させる構成が開示されている。
また、レンズの中心厚さやコバの厚さが薄くなるレンズの加工に関しては、レンズを加工する際の保持によって生じるレンズの変形を抑制した手法として、特許文献2が提案されている。この特許文献2では、レンズの背面側に、当該レンズの周辺部を避けて、接着シートを介してリング状の台皿を張り付けることにより、接着によるレンズの薄いコバ部のピッチ材の熱収縮等による歪みを抑制しようとする技術が開示されている。
しかしながら、上述の特許文献1の研磨装置は、加工動作の終了後にホルダの脱落がない研磨装置を提供するために、被加工物およびホルダを固定側から支持されたロッドの先端に載置した構成であり、これは脱落防止のために既存の研磨装置の軸構成を上下反転させた構造となっているにすぎず、反転するのみでは、必ずしもコバの薄いレンズの加工を容易にするものではない。
また特許文献2ではコバの薄いレンズを容易に研磨できるように配慮しているが、あくまでピッチ材による接着でのレンズ保持を前提としており、はめ込み式のホルダを利用する構成については開示されていない。
レンズをロボットや装置にて搬送するようなレンズ自動研磨装置においては、レンズの脱着や搬送を容易に行なうために、レンズを研磨装置の上軸側に配置して加工を行うことが一般的である。これはレンズを研磨するときにレンズを研磨皿や加工工具に当接させる必要があるが、レンズを上軸に配置すれば装置の上軸を上下動させることでレンズを上下動させることができ、レンズの取り付け取り出しが容易に行なえるようになるからである。
はめ込み式のホルダでレンズを保持するような場合に、この上軸の上下動に伴ってレンズを上下動させ脱着させるためには、空気の負圧によってレンズをホルダに吸着させて持ち上げることが一般的に行なわれる。
しかしながら研磨皿とレンズは擦り合わせにより研磨加工を行っているため、研磨加工終了後の両者は非常に強い力で密着しており、負圧によるレンズ保持力だけではレンズ自重を含めてレンズを持ち上げることができない場合が多々ある。このためレンズを持ち上げることができずに、研磨を行なったレンズが落下して破損する懸念があった。
これを防止するために特許文献1では、上下を反転した構成を採用し、レンズおよびホルダを装置の下側となる下軸に配置して落下を防止しているが、あくまで落下防止であるため上下の構成を逆さまにしただけである。つまり上軸からは研磨皿で押圧されているが、下軸に配置されたレンズとこれを保持するホルダは通常の研磨装置と同様に回転傾斜自在となるようにロッドを介して取り付けられており、加圧力こそ研磨皿より付加されるがロッドおよびレンズの配置が同じ側に配置されているため、レンズに対して付加される研磨圧力は既存の研磨装置、すなわちレンズおよびロッドを上軸に配置して上軸から加圧する研磨方式と全く同じとなる。このため特許文献1の研磨装置で生じる研磨圧力の作用は、単に上軸にレンズとロッドを配置し上軸から加圧する既存の研磨機構と同じである。
また特許文献2は前述したように、コバの薄いレンズをピッチ材による接着で保持することを前提としており、はめ込み式のホルダを利用できない。このためコバの薄いレンズをピッチで治具に貼り付けたり、剥がしたりする付帯作業や工程を必要とする。接着・剥離を行なうための作業に加え、接着剤を除去するための洗浄工程も必須となってしまう。さらにピッチ材の使用や洗浄工程の追加により環境負荷も大きくなる。
また、特許文献2とは異なり、コバの薄いレンズを治具に貼り付けずにホルダなどに嵌合装着して研磨行なう場合は、嵌合装着してレンズを支えるのがコバ部分となるため、一般的にコバの薄いレンズでは押えることが難しく、特に研磨加工中に生じる研磨加工力によってレンズがホルダより外れてしまうことが多々あり、接着せずに実施することが難しいといった技術的課題もある。
特開2001−170855号公報 特開2001−88001号公報
本発明の目的は、周辺部の厚さの薄い被加工物を、接着技術を用いることなく容易かつ安定に保持して表面加工を実施することが可能な表面加工技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、コバ厚さが薄く、加工中の保持が難しいレンズを、接着技術を用いることなく容易かつ確実に保持して表面加工を行うことが可能な表面加工技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工方法であって、
回転自在に継承されたワークホルダに前記被加工物をはめ込み式で装着するステップと、
前記被加工物の前記被加工面と反対側に位置し前記ワークホルダと接する曲面が有する曲率半径中心の近傍で回動傾斜自在に取り付けられた前記加工工具に前記被加工物を当接させるステップと、
前記回動傾斜自在に保持された前記加工工具を前記被加工物に押圧しつつ、前記加工工具および前記ワークホルダの相対的な回転および揺動運動を行いながら前記被加工物を加工するステップと、
を含む表面加工方法を提供する。
本発明の第2の観点は、被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
前記被加工物をはめ込み式で回転自在に保持するワークホルダと、
被加工物の被加工面と反対側に位置し前記ワークホルダと接する曲面が有する曲率半径中心の近傍で回動傾斜自在に保持された加工工具と、
前記加工工具を回動傾斜自在に結合したカンザシ軸と、
前記カンザシ軸を介して前記加工工具を前記被加工物に押圧する加圧機構と、
前記被加工物に対して前記加工工具を相対的に回転および揺動させる運動機構と、
を具備した表面加工装置を提供する。
本発明の第3の観点は、被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
前記被加工物をはめ込み式に保持して回転駆動するワークホルダと、
前記被加工物の被加工面と反対側に位置し前記ワークホルダと接する曲面が有する曲率半径中心の近傍で回動傾斜自在に保持された加工工具と、
前記加工工具を傾斜自在に継承したカンザシ軸と、
前記カンザシ軸を介して前記加工工具を加圧する加圧機構と、
前記加工工具を揺動させる揺動機構と、
を具備した表面加工装置を提供する。
本発明の第4の観点は、被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
前記被加工物をはめ込み式に回転自在に保持するワークホルダと、
前記表面加工装置の筐体に固定される支持部材と、
前記支持部材に第1の支軸を介して前記第1の支軸の軸回り方向に回動自在に継承された第1の支持リンク部材と、
前記第1の支軸の軸線と直交する第2の支軸を介して前記第1の支持リンク部材に継承された第2の支持リンク部材と、
前記加工工具を前記第2の支持リンク部材に対して回転駆動可能に支持し、前記第1の支軸の前記軸線と前記第2の支軸の交点が前記ワークホルダと接する前記被加工物の曲面が有する曲率半径中心の近傍で交差するように配置された工具台と、
前記被加工物に対して前記加工工具を押圧する加圧機構と、
前記加工工具の回転および揺動を行なう運動機構と、
を具備した表面加工装置を提供する。
本発明の第5の観点は、被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
前記被加工物をはめ込み式に保持して回転するワークホルダと、
前記表面加工装置の筐体に固定される支持部材と、
前記支持部材に第1の支軸を介して前記第1の支軸の軸回り方向に回動自在に継承された第1の支持リンク部材と、
前記第1の支軸の軸線と直交する第2の支軸を介して前記第1の支持リンク部材に継承された第2の支持リンク部材と、
前記加工工具を前記第2の支持リンク部材に対して回転自在に支持し、前記第1の支軸の軸線と第2の支軸の交点が前記ワークホルダと接する前記被加工物の曲面が有する曲率半径中心の近傍で交差するように配置された工具台と、
前記被加工物に対して前記加工工具を押圧する加圧機構と、
前記加工工具を揺動させる揺動機構と、
を具備した表面加工装置を提供する。
上述の本発明の第1の観点によれば、加圧軸が傾動自在に継承した加工工具の側に備わるとともに、傾動自在に継承する支点が被加工物であるレンズ等の被加工物の被加工面と反対側の球面等の曲面が有する曲率中心と概略一致する構成をとることで、加工で発生するレンズのたわみや揺動運動に伴うレンズの移動、微動によるコバ押さえからの脱落を防止することができる。これにより、薄いコバのレンズ等の被加工物を、当該被加工物を、接着技術を用いることなく、嵌め込み式で保持するホルダから外れないように加工を行うことが可能になる。
また、上述の本発明の第2の観点によれば、たとえば、被加工物であるレンズを加工する際に、レンズの外径よりやや大きめのワークホルダに装着し、加工工具に当てつけて保持する。その状態で加工工具より加工圧が付加されるとともに、回転運動および揺動運動が与えられ、当接されたワークホルダはレンズを介して加工工具の回転運動に連れ周りし、両者の相対運動で加工が進行する。このとき本装置では、レンズの保持球面の球心に概略一致する位置で傾斜自在に継承されながらも回転駆動する加工工具が揺動運動するとともに、加工工具より加圧機構によってレンズに加工圧力が付加される。つまり加工工具がレンズ保持球面に沿って傾斜可能な状態で揺動運動しながらレンズに加工圧力が付加されるため、上述の第1の観点に開示される原理構成を実現することができ、薄コバであってもコバ押さえからはみ出すような位置に移動することがなく、嵌め込み式のワークホルダでも安定した加工を行うことができる。
また、上述の本発明の第3の観点は、上述の第2の観点に開示された表面加工装置に対して、回転駆動軸をワークホルダ側に設けた構成となっている。つまり第2の観点で記載した表面加工装置から、加工圧力を付加する加工工具側にあった回転駆動機構をワークホルダ側に移設した構造となっている。加工工具側はレンズの回転に連動して連れ周りができるように継承されており、駆動することはない。
また加工工具側は加工圧力が付加されるうえに傾斜自在に配置されているため、上述の第2の観点に開示された回転駆動機構をレンズ側に配置しただけであることから、同様の効果を得ることができる。
また、上述の本発明の第4の観点では、加圧する加工工具を支持するカンザシに変わって、2つの支持リンク部材を用いて加工工具を支持する構成が開示されている。カンザシではその先端に有する球体部分の球心が、ワークホルダと接するレンズの球面が有する曲率半径中心の近傍で交差するように配置されていたのに対して、この第4の観点では、第1の支軸の軸線と第2の支軸の交点がワークホルダと接するレンズの球面が有する曲率半径中心の近傍で交差するように配置されている。カンザシでも球心を概略一致させることが可能であるが、ワークホルダと接するレンズの球面の曲率半径が小さくなり、その球心位置がレンズもしくは加工工具の内部に存在する場合、カンザシの先端部をそこに合わせて構成することができなくなる。これに対して、この第4の観点では第1および第2の両支軸の軸線を前記の曲率半径の球心に概略一致させるように構成すれば、あたかもカンザシ先端の球がそこに存在するかのように回動自在に継承されるため、一致させたい球心がレンズや加工工具の内部に存在しても問題なく支点を形成することができる。
また、上述の本発明の第5の観点では、第4の観点に開示された表面加工装置に対して、回転駆動を行なう軸をワークホルダ側に設けた構成となっている。つまり第4の観点で開示された表面加工装置において、加工圧力を付加する加工工具側にあった回転駆動機構をワークホルダ側に移設した構造となっている。加工工具側はレンズの回転に連動して連れ周りができるように継承されており、駆動することはない。
また加工工具側は加工圧力が付加されるうえに傾斜自在に配置されているため、第4の観点に開示された回転駆動と揺動運動の機構のみレンズ側に配置しただけであることから、第4の観点に開示された構成と同様の効果を得ることができる。
上述の第1〜第5の観点における被加工物としては、たとえば、ワークホルダより外れやすくなるレンズに適用することができる。たとえば、両面とも凸面を有する両凸レンズもしくはメニスカスレンズに適用することができる。
すなわち、第1〜第5の観点の表面加工技術では、ワークホルダと接するレンズの球面が有する曲率半径中心の近傍で自在に傾斜可能に配置することが必要であるため、両面とも凸形状を有する両凸レンズ、凸面と凹面からなるメニスカスレンズにおいて有効な手段となる。
また、上述の第1〜第5の観点における被加工物としては、たとえば、ワークホルダより外れやすい凸メニスカスレンズに適用することができる。たとえば、この凸メニスカスレンズの凹面を加工する工程に適用することができる。
すなわち、本発明の表面加工技術では、ワークホルダと接するレンズ等の被加工物の曲面が有する曲率半径中心の近傍で自在に傾斜可能に配置することができるため、両面とも凸形状を有する両凸レンズ、凸面と凹面からなるメニスカスレンズにおいて有効な手段となる。その中でも加工工具とレンズの相対運動でワークホルダと接するレンズの球面が有する曲率半径中心の近傍で傾斜しながらレンズがワークホルダより外れやすくなるのは、特に凸メニスカスレンズで凹面を加工する際に大きくなり、そのときに本発明の効果が、より有効に発揮される。
本発明によれば、周辺部の厚さの薄い被加工物を、接着技術を用いることなく容易かつ安定に保持して表面加工を実施することが可能な表面加工技術を提供することができる。
また、コバ厚さが薄く、加工中の保持が難しいレンズを、接着技術を用いることなく容易かつ確実に保持して表面加工を行うことが可能な表面加工技術を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の表面加工方法の一実施の形態であるレンズ加工方法の原理について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である表面加工方法の原理を実現するレンズ加工装置の構成の一例を示す概念図である。この実施の形態では、表面加工方法の一例として凸メニスカスレンズの凹面の研磨加工を行う例を示す。
本実施の形態のレンズ加工装置M1では、レンズ1とレンズ1の被加工面1a(この場合、凸メニスカスレンズの凹面)を概略反転させた形状を有する加工工具7とを互いに加圧当接させ、互いの回転運動と、どちらか一方の揺動運動による両者の相対運動で加工を行なうレンズ加工方法を実施する。
レンズ加工装置M1は、図示しない回転機構によって回転駆動されるレンズホルダ3に対向する位置に加工工具7が配置されている。
加工工具7の背面側は、工具台皿8によって支持され、さらにこの工具台皿8の背面は、球軸受等の支点10によってカンザシ9の端部に傾動自在に支持されている。カンザシ9は、図示しない揺動機構によって、揺動中心11を支点として揺動する。
レンズホルダ3は、レンズ1の被加工面1aの反対側の保持球面13の形状に対応した凹座面6aを有する基材6と、凹座面6aを取り囲むように基材6に装着され、基材6に保持されるレンズ1の外周部(コバ2)を保持するリング状のコバ押さえ5を備えている。凹座面6aには、レンズ1の背面に接する緩衝材4が設けられている。
これにより、レンズ1は、レンズホルダ3の基材6の凹座面6aに対して接着されることなく、嵌め込み式で保持される。
この場合、カンザシ9と加工工具7(工具台皿8)の接続位置である支点10と、保持球面13の曲率半径中心13aはほぼ一致するように、支点10の位置が設定されている。
そして、レンズ加工装置M1では、被加工物であるレンズ1をはめ込み式のレンズホルダ3に装着し、レンズ1の被加工面1aと反対にありレンズホルダ3の凹座面6aと接する保持球面13が有する曲率半径中心13aの近傍でカンザシ9に対して支点10により回動傾斜自在に取り付けられた加工工具7にレンズ1を当接させ、前記回動傾斜自在に保持された加工工具7より加圧しながら回転および揺動運動を行いレンズ1を加工するレンズ加工方法を実行する。
以下、本実施の形態のレンズ加工方法の作用を説明する。
レンズ1は、その外径よりわずかに大きな内径を有するコバ押さえ5に嵌合してレンズホルダ3に装着されている。このときレンズ1は、その被加工面1aと反対側の球面である保持球面13で基材6の凹座面6aに接して支えられるため、レンズ1の背面(保持球面13)が基材6の凹座面6aと擦れてキズなどの不良が発生しないように緩衝材4を介してレンズホルダ3の凹座面6aに押し付けられて保持される。
ここでレンズ1の押圧による研削もしくは研磨加工を行うために、その被加工面1aと反転した近似形状を有する加工工具7が図示省略した押圧機構より押し付けられ、レンズ1をレンズホルダ3と加工工具7の間で挟持するように作用する。
ここでレンズ1を加工するために、加工工具7が回転および揺動運動を行なうが、この揺動運動は被加工面1aの球面を形成するために、その曲率半径の中心となる加工面球心12を中心に円弧状に行われる。このとき加工工具7は、先端に球形状の支点10を有するカンザシ9を介して、揺動運動に伴う微小な軸位置のズレや回転の振れなどを吸収するためにカンザシ9に対して傾斜自在に結合されている。加工工具7が回転および揺動運動することで、レンズ1はレンズホルダ3とともに連れ周りを行い、両者の相対運動からレンズ1が加工されることになる。このときレンズ1はレンズホルダ3にその外径にて嵌合して保持されているが、図1に示すような凸メニスカスレンズの場合はレンズ1の外径部分であるコバ2が薄く、コバ押さえ5で押えることが難しくなる。さらにレンズ1と加工工具7の相対運動に伴う加工の力によって、レンズホルダ3内でレンズ1が微小に動いたり、加工工具7がカンザシ9に対して微小に傾斜し動くことが発生するため、よりコバ押さえ5からコバ2が外れやすくなる。
すなわち、図1に示すような凸メニスカスレンズの凹面を加工する際には、よりコバ2が外れやすい状態となる。その理由は加工工具7の揺動運動に応じてレンズ1がその被加工面1aに沿ってレンズホルダ3内より引きずり出されるような力が作用することに加え、凸メニスカス形状を有しているためレンズホルダ3に装着されている保持球面13も加工工具7と球心を同じ方向(側)に有する凸面形状であることから、加工力によって引きずり出される方向に滑りやすい保持状態となっているためである。このようなレンズ1の形状に起因する要因とコバ2が薄いこととあわせて、容易にコバ押さえ5を乗り越えてレンズ1が外れてしまうことが多発してしまう。
これを防止するために図1に示す本実施の形態のレンズ加工装置M1の構成では、カンザシ9の先端球の球心を支点10として、この支点10をレンズ1の保持球面13の曲率半径中心13aと近い位置に設定した上で加工工具7を回転、傾斜自在に取り付けている。この配置をとると、加工工具7の揺動運動に伴ってレンズ1を引きずり出すような力が働いた際に、加工工具7はカンザシ9の先端にある支点10を中心に傾斜しようとするが、この支点10がレンズ1を支える保持球面13の曲率半径中心13aと概略近いため、レンズ1を引きずり出す力の方向は保持球面13に沿った方向で働くことになる。保持球面13に沿った方向でレンズ1がレンズホルダ3から引きずり出されようとしても、コバ2に対向してコバ押さえ5があるため、ここにコバ2が引っかかり容易には引きずり出されなくなる。従って薄いコバ2を有する凸メニスカスレンズ等のレンズ1であっても、コバ押さえ5を乗り越えにくくなり、接着材等を用いない、本実施の形態の嵌め込み式のレンズホルダ3でも薄いコバ2のレンズ1を、確実に保持することができる。
また、カンザシ9が加工工具7(工具台皿8)を傾動自在に支持する支点10が保持球面13の曲率半径中心13aに概略近い構成とした理由は以下の通りである。
すなわち、レンズ1を加工するために加工工具7が被加工面1aの加工面球心12(曲率中心)である揺動中心11の周りで円弧運動するため、保持球面13の曲率半径中心13aと支点10は一致していることができないため、概略近い位置となる。
このため、本実施の形態のレンズ加工方法の場合には、曲率半径中心13aと支点10の概略近い位置関係として、レンズ1の中心(回転)軸と加工工具7の中心(回転)軸が一致する位置に配置した際、すなわち図1で示す相対角度14が零度となる位置に加工工具7を配置したときに、カンザシ9の先端部にある支点10とレンズ1の保持球面13が有する曲率半径中心13aが概略一致する位置関係を採用する。
また本実施の形態のレンズ加工方法では上記構成に加えて、加工圧力を揺動軸であるカンザシ9の側から付加させている点も、コバ2がコバ押さえ5を乗り越えて外れることを防止している。通常、レンズ1を加工工具7にすり合わせて加工を行う際は、両者の相対運動(滑り)を得ながらレンズ1の被加工面1aの曲率半径を形成するために、図1に示すようにレンズ1に対して相対角度14の位置にカンザシ9を傾斜させた位置に加工工具7を配置して加工を行う。このときレンズ1の被加工面1aの球面形状を維持するために、加工工具7より、はみ出し位置35で示すようにはみ出した状態ですり合わせを行なう。
このため既存の研磨機などでレンズ1側にカンザシ9を配置し、レンズ1上方より圧力をかけて加圧する手法では、相対角度14の増加に伴って加圧位置とはみ出し位置35が近づくためにレンズ1がはみ出す位置に応力集中が発生するとともに、はみ出し位置を支点としてレンズ1を傾斜させる力が働き、コバ2がコバ押さえ5より外れやすくなってしまう。
これに対して本実施の形態のレンズ加工装置M1では、カンザシ9を介して、加工工具7の側より加圧を行っているため、相対角度14を設けてレンズ1が加工工具7よりはみ出しても、カンザシ9を介して伝達される加圧位置がレンズ1のはみ出し位置35から遠ざかるために、はみ出し位置35での応力集中を避けられるとともにレンズ1が傾斜するような力が作用しない。このため薄いコバ2であってもコバ押さえ5からはみ出すような位置に移動することがなく、本実施の形態のような嵌め込み式のレンズホルダ3でも安定した加工を行うことができる。
以上より本実施の形態のレンズ加工方法の構成では、薄いコバ2のレンズ1をコバ押さえ5より外れないように加工を行うために、加圧軸が、カンザシ9が傾動自在に継承した加工工具7側に備わるとともに、傾動自在に継承する点(支点10)が被加工物であるレンズ1の被加工面1aと反対側の球面が有する曲率半径中心13aと概略一致する構成をとることで、研磨加工で発生するレンズ1のたわみや揺動運動に伴うレンズ1の移動、微動によるコバ押さえ5からの脱落を防止することができる。
(実施の形態2)
図2は本発明の他の実施の形態であるレンズ加工装置に関する断面図を示す。本実施の形態2では、コバ2の薄い凸メニスカスレンズ等のレンズ1で、たとえば被加工面1aとして凹面を研磨加工する例を示す。
本実施の形態のレンズ加工装置M2は、レンズホルダ3が軸受16を介して回転自在に上軸17に支持されている。加工工具7の背面を支持する工具台皿8は、カンザシ9を介して主軸20に支持されている。主軸20は、レンズ加工装置M2の図示しない筐体に固定された下軸ハウジング27に、軸受21を介して回転自在に支持されている。
上軸17は、レンズ加工装置M2に設けられた図示しない変位機構によって上下動が可能になっている。また、下軸ハウジング27は、レンズ加工装置M2に設けられた後述の運動機構によって、上下動および揺動中心11を中心とする揺動変位が可能になっている。
すなわち、このレンズ加工装置M2において加工工具7を相対的に回転および揺動させる運動機構は、回転運動を発揮するモーター24、軸受21、プーリー22、ベルト23と、揺動機構であるダイレクトドライブモーター38である。
ここで、モーター24をベルト23、プーリー22を介して加工工具7を回転運動させているが、モーター24の回転を加工工具7に伝達すれば良いため、このための構成は公知手段として広く多くの手法があり、プーリー22やベルト23を利用することが、本発明を実施する上で必須の構成でないことは明らかであり、本構造に限定されるものではない。
レンズホルダ3では、凸メニスカス形状を有するレンズ1を、緩衝材4を介して基材6に挿入して嵌め込み式に保持する構成となっている。このとき緩衝材4は、レンズ1の裏面となる保持球面13にキズなどの不良を発生させず、かつレンズ1の変形を抑えつつ保持球面13と大きな面積で接触保持できるように、ポリウレタンやシリコーンゴムなどの軟質素材でできている。レンズ1はコバ2に対向した位置に配置されるコバ押さえ5に嵌合するように挿入され、レンズ1の径方向の移動を規制された状態でレンズホルダ3に保持される。上述のように、レンズホルダ3の基材6は保持したレンズ1と反対側で、レンズ加工装置M2の図示しない筐体に固定された上軸17に、軸受16を介して装着されている。レンズ1は研磨加工を行うために、その被加工面1aを反転させた球面面形状を有する加工工具7に当接される。
本実施の形態では、コバ2の薄い凸メニスカス形状のレンズ1の凹球面を研磨する事例であるため、加工工具7は既存のポリウレタンシートなどを利用した研磨工具ではなく、たとえば、樹脂で研磨材を固めた固定砥粒工具などを想定している。そのため加工工具7は、金属製の工具台皿8に接着固定されている。
工具台皿8はその反対側で先端部が球形状を有するカンザシ9およびピストン19を介して加圧され、加工工具7をレンズ1に押し付けている。ピストン19は、レンズ加工装置M2の図示しない筐体に取り付けられた下軸ハウジング27に軸受21を介して回転可能に装着された主軸20の内部に設けられたシリンダー20aの中に軸方向に移動可能に挿入され、空気圧によって加工工具7(工具台皿8)を背後から加圧する構成となっている。
回転する主軸20の内部のシリンダー20aに与圧空気を供給すべく、シリンダー20aは、回転体に気密に接続される回転継ぎ手25を介し空気圧配管26に接続され、与圧空気が供給される構成となっている。
すなわち、このレンズ加工装置M2において、加工工具7を押圧する加圧機構は、カンザシ9を介して押圧するピストン19と、ピストン19に空気圧力を与える回転継ぎ手25および空気圧配管26と、空気圧配管26に接続され、圧縮空気を送るコンプレッサー37により構成される。
主軸20は、カンザシ9と反対側でプーリー22およびベルト23を介して主軸20を駆動回転させるモーター24につながれている。また主軸20の先端、すなわちカンザシ9が配置される側では、工具台皿8にモーター24を動力とした主軸20の駆動回転を伝達させるために連結ピン18が取り付けられている。この連結ピン18は工具台皿8に設けた空洞部である切欠部8aに、工具台皿8のカンザシ9の軸方向における変位を拘束することなく、隙間を有する状態で挿入されている。
以下、本実施の形態のレンズ加工装置M2の作用の一例を説明する。
レンズ1を研磨加工するために、レンズ1と加工工具7の両者に相対的な運動を与える必要がある。図示しないコンプレッサーなどの空気圧力発生装置から、空気圧配管26および回転継ぎ手25を介して空気圧力がシリンダー20a内のピストン19に付加される。ピストン19は付加された空気圧により押し上げられる。
この状態で図示しない変位機構によって上軸17を適宜上下動させることによって、上軸17に支持されたレンズホルダ3に装着されたレンズ1の被加工面1aを加工工具7に押し当てる。このときレンズ1の研磨すべき被加工面1aの曲率半径の中心、すなわち加工面球心12と、加工工具7が有する球面、もしくは下軸ハウジング27に支持された主軸20(加工工具7)が揺動運動するための揺動中心11が、ほぼ一致するような位置に上軸17を上下動させ停止させる。
このとき両者(レンズ1の被加工面1aと加工工具7)の球心がほぼ一致するのとあわせて、空気による圧力がレンズ1に付加されるような位置にピストン19を停止させる必要がある。このためレンズ1の上下動でピストン19が押し込まれ、かつ両者(レンズ1の被加工面1aと加工工具7)の球心がほぼ一致するような位置に配置する必要があり、それによりレンズ1は加工工具7を介して加圧され、同時にレンズ1で研磨加工を施す球面(被加工面1a)の加工面球心12と加工工具7の揺動中心11が一致した状態となる。
次にこの加圧した状態でレンズ1と加工工具7の相対運動を発生させるために、レンズ加工装置M2の図示しない制御装置からの指令に基づきモーター24を回転させ、その回転動力がベルト23、プーリー22を介して主軸20に伝達され、主軸20に取り付けられた連結ピン18が一緒に回転を始める。連結ピン18は工具台皿8の切欠部8aの部分に挿入されているので、連結ピン18がその隙間分回転すると工具台皿8と接触し、工具台皿8および加工工具7にその回転が伝達される。
加工工具7の回転に伴って、加圧接触しているレンズ1が、当該レンズ1を保持したレンズホルダ3とともに上軸17に対して軸受16を介して連れ周り回転を行なう。また該連れ回り回転とともに、図示しない制御装置からの指令によって加工工具7を搭載する下軸ハウジング27が揺動中心11を中心に円弧揺動運動を行ない、レンズ1と加工工具7の相対角度14を連続的に変化させる。これによりレンズ1と加工工具7には両者の回転と揺動運動に伴う相対運動が発生し、レンズ1が加工工具7によって研磨される。
本実施の形態のレンズ加工装置M2は、上述のような動作によってレンズ1と加工工具7を相対的に回転および揺動変位させることで、多様な形状のレンズ1を研磨することができることはもちろんであるが、図2に示すような外周部のコバ2が薄い凸メニスカスレンズ等のレンズ1の凹面(被加工面1a)の研磨加工に好適である。
本実施の形態のレンズ加工装置M2では、加圧を加工工具7よりレンズ1に対して付加するとともに、付加する加工工具7がカンザシ9を介して傾斜自在に配置している。さらにこのカンザシ9による傾動自在な支持によって加工工具7が傾斜変位するときの支点10が、研磨されるレンズ1の保持球面13の球心(曲率半径中心13a)と概略一致する構成となっている。ここで保持球面13とは、レンズ1が研磨される球面とは反対にあり、レンズホルダ3の緩衝材4と接する面である。
また、上述の支点10と保持球面13の曲率半径中心13aとを概略一致させる構成とした理由は以下の通りである。すなわち、加工工具7の揺動運動に伴ってその支点10の位置が変化するためであり、図2に示すような相対角度14の位置では、その傾斜量に応じて支点10の位置が(相対角度14)=0度のときより下方に下がってしまう。そのためある程度のズレとなる概略一致範囲15を含んで揺動することとなる。
支点10と曲率半径中心13aの位置関係の最適な設定方法としては、加工工具7を揺動運動させる際に、その揺動する角度範囲の中心となる相対角度14の位置で保持球面13の曲率半径中心13aと支点10が一致するように設定すれば、加工で揺動する際に最も概略一致範囲15を小さく抑えることができる。また、簡便な設定方法としてはレンズ1の回転軸と加工工具7の回転軸が一致する、相対角度14が0度の状態で支点10と保持球面13の曲率半径中心13aが概略一致するようにあわせる手法でも、概ね球心位置が合致して加工を行うことはできる。これは凸メニスカスレンズ等のレンズ1の凹面(被加工面1a)の側では、曲率半径が大きなサイズとなるため支点10と曲率半径中心13aとの一致精度を高く必要としないためでもある。
上述のように加工工具7をレンズ1に加圧する主軸20に傾斜可動機能も持たせて揺動運動を行なう構成をとれば、レンズ1と加工工具7の揺動運動によってレンズ1に対するカンザシ9の位置が変化すること、つまりレンズ1に対してカンザシ9の延長線上に存在する加圧力が作用する加圧点36が、加工工具7の揺動運動に応じてレンズ1の加工面上でその場所を変化させることになる。特に相対角度14が大きくなった際にはカンザシ9を介してレンズ1を加圧する位置が、図2で示すレンズ1の右側に移動することになる。図2で示すレンズ1の右側とは、相対角度14の増加する方向であり、その位置はレンズ1と加工工具7が常に接触している位置になるため、レンズ1と加工工具7が接触しなくなるはみ出し位置35から遠ざかる位置となってくる。
ここでレンズ1の加工工具7からのはみ出し位置35であるが、レンズ1の研磨加工で被加工面1aの球面精度を安定して得るためには、加工工具7の磨耗や変化に応じて相対角度14を変化させ、はみ出し位置35を変化させることが必要であることが経験的にわかっている。しかしながら図2で示すようなコバ2が薄いレンズ1で相対角度14を大きくすると、はみ出し位置35の移動に伴ってレンズ1の厚さが薄いコバ部分が加工工具7よりはみ出してくることになる。コバの部分は薄い構造となっているため、その部分でのレンズ1の変形やたわみが発生しやすくなる。
特に前述の特許文献1や特許文献2で示したような従来例では本実施の形態のレンズ加工装置M2とは異なって、被加工物であるレンズの側に傾斜自在とするカンザシを配置しているため、カンザシのレンズ中心に対する相対角度の変化があっても、加圧が作用する位置は常にカンザシの軸の延長となるレンズの中心となってしまう。つまり相対角度を変化させても、レンズに作用する加圧の作用点は、常にレンズの中心軸上に固定されることとなる。このため揺動運動で相対角度が大きくなってレンズが加工工具よりはみ出す位置がレンズの中心に近づくと、それは加圧が作用する点がはみ出し位置に近づくことになり、はみ出し位置に大きな応力が作用することとなる。このためはみ出した部分でのレンズのたわみが生じやすくなり、特に、本実施の形態で例示したコバ2が薄いレンズ1ではコバ押さえを乗り越えてレンズホルダより外れやすくなってしまう。
これに対して本実施の形態のレンズ加工装置M2では、加圧が作用する位置が、相対角度14の増加に伴って図2で示す右側に移動する。すなわち加圧点36が相対角度14の増加に伴ってはみ出し位置35から遠ざかる。このため加圧によるはみ出し位置35での応力緩和が行なわれ、従来例のようにレンズ1の薄くなるコバ2での変形やたわみが小さくなり、コバ押さえ5を乗り越えてレンズ1がレンズホルダ3より外れることがなくなる。
また逆に相対角度14が小さくなってきたときでも、加圧点36は図2で示す左側、つまりはみ出し位置35に近づいてくるが、相対角度14が小さくなれば、はみ出し位置35も図中左に移動し、はみ出し量が小さくなってくるため、はみ出し位置35におけるレンズ1の変形やたわみは小さくなりレンズ1が外れるようなことはない。
また、さらに本実施の形態のレンズ加工装置M2では、前述したように加工工具7が傾斜するカンザシ9の先端部に存在する支点10の位置に関してもレンズ1の形状を考慮して配置しているため、よりコバ2の薄いレンズ1であってもレンズホルダ3よりレンズ1が外れることなく研磨を行なうことができる。これは、支点10がレンズ1の保持球面13の球心(曲率半径中心13a)と概略一致する概略一致範囲15に構成しているため、研磨加工で発生する加工力でレンズ1が引き摺られてもレンズ1がレンズホルダ3より外れにくい位置関係にあるためである。
すなわち、研磨加工によって加工工具7とレンズ1との間で生じる加工力によってレンズ1は加工面に沿って引き摺られるような力が作用する。この力は図2では加工工具7とレンズ1が接する加工球面に沿って働くが、凸メニスカスレンズの凹面を被加工面1aとして研磨する本実施の形態では、この球面に沿った方向とレンズ1を保持している保持球面13に沿った方向が同じ方向であるため、緩衝材4とレンズ1の摩擦力が小さいとレンズ1は加工工具7に容易に引きずり出されてしまう。このためコバ2をコバ押さえ5によって規制することでレンズホルダ3から外れることを防いでいるが、実際には研磨加工中には装置の軸位置ズレや加工力の変動、加工工具の回転振れなどで微小に振動を生じており、それを支点10の自由度で補っているが、コバ2が図2で示すように薄い場合は容易にコバ押さえ5を乗り越えてレンズ1が外れてしまう。
ここで本実施の形態では、その加工に伴って生じる微小な振動を吸収する支点10を、レンズ1の保持球面13の球心(曲率半径中心13a)と一致する概略一致範囲15に設定しているため、加工中の微小な振動で支点10を中心に加工工具7およびレンズ1が引きずり出されるような状況になっても、レンズ1が保持球面13に概略沿ったような方向に移動するため、コバ2が薄いレンズ1であってもコバ押さえ5に引っかかりやすく、レンズホルダ3より外れることを防止できるのである。
このように、本実施の形態のレンズ加工装置M2によれば、研磨加工時の加圧によるレンズ1の変形を防止しながら、同時に加工力で生じるレンズホルダ3からのレンズ1の脱落を防止することができる。
換言すれば、周辺部の厚さの薄いレンズ1等の被加工物を、接着技術を用いることなく容易かつ安定にレンズホルダ3に保持して研磨等の表面加工を実施することが可能となる。
(実施の形態3)
図3に本発明のさらに他の実施の形態であるレンズ加工装置M3の略断面図を示す。本実施の形態でもコバ2の薄い凸メニスカスレンズ等のレンズ1で、被加工面1aとして凹面を研磨加工する例を示し、前述の実施の形態2と同じ構成要素に関しては同じ符号を付して重複した説明を省略する。
前述の実施の形態2と比較して、本実施の形態のレンズ加工装置M3では研磨加工を行うための相対運動で駆動回転を行なうための機構を、レンズ1を保持する上軸17側に配置した構成となっている。このためレンズ1を保持するレンズホルダ3の基材6は、プーリー22およびベルト23を介して基材6を駆動回転させるモーター24につながれている。したがって、主軸20の側には、加工工具7を揺動運動させるためのダイレクトドライブモーター38による揺動機構のみが配置されている。
すなわち、このレンズ加工装置M3において、加工工具7を揺動させる揺動機構は、加工工具7の揺動中心11と同一軸上に配置されたダイレクトドライブモーター38で構成され、ダイレクトドライブモーター38による旋回運動にて加工工具7を揺動運動させる。
加工工具7を被加工物に対して揺動運動させることは、被加工物と加工工具を摺り合わせて加工を行う加工方法においては、一般的な動作手法であり、本実施の形態で例示したダイレクトドライブモーター38による揺動運動機構に限定されるものではなく、既存の研磨装置などが有する公知な揺動運動機構を利用できることは言うまでもない。
本実施の形態のレンズ加工装置M3では駆動回転するための機構をレンズ1を保持する上軸17側に配置したため、下軸側となる主軸20に回転機構や回転伝達を行なう機構が不要となっている。ただし加工を行う際には加工工具7の回転運動が必要であるが、これに対しては加工工具7を加圧するためのカンザシ9の先端部(支点10)が球形状を有しているため、加工工具7の連れ周り回転はカンザシ9の先端部の支点10で行なわれる。レンズ1と加工工具7の相対運動を行わせるための駆動回転力は、レンズ1側のモーター24によりレンズホルダ3を介してレンズ1に伝達され、これに連れ周って加工工具7が回転する。その他の加圧機構は前述の実施の形態2と同様にカンザシ9側に配置され、支点10の配置など含め他の構成は実施の形態2と同じである。
本実施の形態のレンズ加工装置M3によれば、たとえば、レンズホルダ3に対して嵌め込み式でレンズ1を保持させる場合において、既存の研磨機と同様に回転機構を片側のみに配置したまま研磨加工時の加圧によるレンズ1の変形を防止し、同時に加工力で生じるレンズホルダ3からのレンズ1の脱落を防止することができる。
(実施の形態4)
図4A、図4B、図4Cに本発明のさらに他の実施の形態のレンズ加工装置M4の略断面図を示す。図4Aは加工工具7を相対角度14で0度に配置したときの正面図である。図4Bは同様の側面図、図4Cは相対角度14を傾斜させ、実際に研磨加工を実施している位置での正面図である。
本実施の形態のレンズ加工装置M4でも、コバ2の薄い凸メニスカスレンズ等のレンズ1で、被加工面1aとして凹面を研磨加工する例を示し、前述までの実施の形態1〜実施の形態3と同じ構成要素に関しては同じ符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のレンズ加工装置M4は、前述の各実施の形態のようにカンザシ9で加工工具7を支持する構成の代わりに、互いに交差する2つの部材を利用したリンク式の支持構造を利用して加工工具7を支持する点が異なっている。
すなわち、本実施の形態のレンズ加工装置M4では、加工工具7を貼り付け保持する工具台皿8の下面に突設された回転軸8bが、軸受21を介して、その断面が『コ』の字形状をした第1リンク部材31に回転可能に装着されている。第1リンク部材31の開口する両端部では第2支軸34を介して、その第2支軸34の周りに回動自在に断面が『コ』の字形状をした第2リンク部材33が継承されている。第2リンク部材33の中央部分では、第1支軸32を介して第1支軸32の周りに回動自在に支持部材30が継承されている。
支持部材30は第1支軸32での結合部分からオーバーハングするような形状で工具台皿8の回転軸8bの下方まで延びている。支持部材30上でかつ工具台皿8の回転軸上に一致する部分には、モーター24が取り付けられ、連結部材29と連結ピン18を介して工具台皿8と継承されている。
また支持部材30においてモーター24と反対側にはピストン19を介して、レンズ加工装置M4の図示しない筐体に固定されたシリンダー28がつながっており、シリンダー28には空気圧配管26、回転継ぎ手25を介して圧縮空気を供給するコンプレッサー37が接続されている。
すなわち、このレンズ加工装置M4において、加工工具7を押圧する加圧機構は、支持部材30を介して押圧するピストン19とシリンダー28、および回転継ぎ手25、空気圧配管26と圧縮空気を送るコンプレッサー37により構成される。
このレンズ加工装置M4において、加工工具7を相対的に回転および揺動させる運動機構は、回転運動を発揮するモーター24、軸受21、プーリー22、ベルト23と、揺動機構であるダイレクトドライブモーター38である。
ここで、モーター24をベルト23、プーリー22を介して加工工具7を回転運動させているが、モーター24の回転を加工工具7に伝達すれば良いため、このための構成は公知手段として広く多くの手法があり、プーリー22やベルト23を利用することが、本発明を実施する上で必須の構成でないことは明らかであり、本構造に限定されるものではない。
以下、本実施の形態のレンズ加工装置M4の作用について説明する。
上述のように、本実施の形態のレンズ加工装置M4では前述の各実施の形態で使用していたカンザシ9の先端に設けた支点10にある球状の継承に代わって、2つの第1リンク部材31、第2リンク部材33を組み合わせることで同じ効果を得られるように構成している。
具体的には第1支軸32の回転軸と、これと90度の位置にある第2支軸34の回転軸と、第1支軸32と第2支軸34を有する平面に対して垂直方向にある工具台皿8の回転軸8bが、保持球面13の球心(曲率半径中心13a)で一致するように配置される。3つの回転軸が1つの点で交差するため、その交差する点を支点10とすることで、あたかも支点10が前述までのカンザシ9による球体での継承構造と同じように、加工工具7は自由な傾動動作を行なうことができる。第1支軸32、第2支軸34および工具台皿8のそれぞれの回転軸を1点で交差させれば、そこを支点10として利用できるため、レンズ1の保持球面13の曲率半径が小さく、球心位置(曲率半径中心13a)が加工工具7の内部、あるいはレンズ1の内部に存在するような場合であっても、3軸の交点をその球心に一致するように構成すれば、加工工具7の自在な傾動保持を実現することができるため、いかなる保持球面13のサイズであっても対応することが可能となる。
また工具台皿8への駆動回転の動力伝達は、工具台皿8の回転軸8bの下端部に圧入された連結ピン18と連結部材29の伝達で行なうことができる。連結部材29には連結ピン18を充分な隙間を有して挿入できる切欠部29aが設けてあり、モーター24の回転に伴う連結部材29の回転で連結ピン18が引っかかりながら回転するとともに、連結ピン18の径よりも充分に大きな隙間が形成されているため、加工工具7が支点10において第1支軸32および第2支軸34の回りに回動して傾斜するような動作に対しても、当該傾斜を規制することなく回転動力伝達が可能となっている。
また加工工具7の研磨加工に必要な加圧力は、加工工具7や工具台皿8、これらを支える第1リンク部材31や第2リンク部材33を全て第1支軸32を介して支えている支持部材30を、レンズ加工装置M4の図示しない筐体に取り付けられたシリンダー28を介して押圧することで発生させることができる。
本実施の形態のレンズ加工装置M4によれば、たとえば、レンズ1の保持球面13の曲率半径が小さく、レンズ1の凹形の被加工面1aの外部に支点を形成することが困難な場合でも、研磨加工時の加圧によるレンズ1の変形を防止し、同時に加工力で生じるレンズホルダ3からのレンズ1の脱落を防止することができる。
(実施の形態5)
図5A、図5B、図5Cに本発明のさらに他の実施の形態であるレンズ加工装置M5の略断面図を示す。図5Aには加工工具7を相対角度14で0度に配置したときの正面図、図5Bは同様の側面図、図5Cには相対角度14を傾斜させ、実際に研磨加工を実施している位置での正面図を示す。
本実施の形態でも、コバ2の薄い凸メニスカスレンズ等のレンズ1で、被加工面1aとして凹面を研磨加工する例を示し、前述までの各実施の形態と同じ構成要素に関しては同じ符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のレンズ加工装置M5は、前述の実施の形態4で、研磨加工を行うための駆動回転機構を、レンズ1を保持する上軸17の側に配置した構成となっている。したがって、支持部材30の側には、当該支持部材30を揺動させるための揺動機構のみが設けられている。
すなわち、このレンズ加工装置M5において、加工工具7を揺動させる揺動機構は、加工工具7の揺動中心11と同一軸上に配置されたダイレクトドライブモーター38で構成され、ダイレクトドライブモーター38による旋回運動にて加工工具7を揺動運動させる。
加工工具7を被加工物に対して揺動運動させることは、被加工物と加工工具を摺り合わせて加工を行う加工方法においては、一般的な動作手法であり、本実施の形態で例示したダイレクトドライブモーター38による揺動運動機構に限定されるものではなく、既存の研磨装置などが有する公知な揺動運動機構を利用できることは言うまでもない。
すなわち、前述の実施の形態4のレンズ加工装置M4と比較して、本実施の形態のレンズ加工装置M5では研磨加工を行うための相対運動で駆動回転を行なうための機構を、レンズ1を保持する上軸17側に配置した構成となっている。このためレンズ1を保持するレンズホルダ3の基材6は、プーリー22およびベルト23を介して基材6を駆動回転させるモーター24につながれている。これに伴い、工具台皿8は軸受21を介して第1リンク部材31に回転自在に取り付けられているのみである。
本実施の形態のレンズ加工装置M5では上述の実施の形態1〜3で使用していたカンザシ9の先端に設けた支点10にある球状の継承に代わって、2つのリンク部材を組み合わせることで同じ効果を得られるように構成している。具体的には第1支軸32の回転軸と、これと90度の位置にある第2支軸34の回転軸と、第1支軸32と第2支軸34を有する平面に対して垂直方向にある工具台皿8の回転軸8bが、保持球面13の球心(曲率半径中心13a)で一致するように配置される。
第1支軸32、第2支軸34、工具台皿8の回転軸8bの3つの回転軸が1つの点で交差するため、その交差する点を支点10とすることで、あたかも支点10が上述のカンザシ9による球体での継承と同じように、加工工具7の傾動動作を行なうことができる。
第1支軸32、第2支軸34および工具台皿8のそれぞれの回転軸を1点で交差させれば、そこを支点10として利用できるため、レンズ1の保持球面13の曲率半径が小さく、球心位置(曲率半径中心13a)が加工工具7の内部、あるいはレンズ1の内部に存在するような場合であっても、3軸の交点を曲率半径中心13aに一致するように構成すれば加工工具7の自由な傾動動作を実現することができるため、いかなる保持球面13のサイズであっても研磨加工を行うことが可能となる。
この場合、レンズ1を保持するレンズホルダ3の側が、モーター24によって回転することにより、レンズ1は、加工工具7に対して相対的に回転する。
このように、本実施の形態のレンズ加工装置M5では、回転機構を加工工具7の側からレンズホルダ3の側に移したことにより、回転力の伝達のために支持部材30と工具台皿8の回転軸8bとを接続する機構がなくなり、上述のレンズ加工装置M4の場合と比較して、工具台皿8に保持された加工工具7の、第1リンク部材31および第2リンク部材33を組合せたリンク機構による傾動動作の範囲や自由度を大きくできる、という利点がある。
また加工に必要な加工工具7の加圧力は、加工工具7や工具台皿8、これらを支える第1リンク部材31や第2リンク部材33を全て第1支軸32を介して支えている支持部材30を、レンズ加工装置M5の筐体に支持されたシリンダー28を介して押圧することで実現できる。
本実施の形態のレンズ加工装置M5によれば、レンズ1の保持球面13の曲率半径が小さく支点を形成することが困難な場合でも、研磨加工時の加圧によるレンズ1の変形を防止し、同時に加工力で生じるレンズホルダ3からのレンズ1の脱落を防止することができる。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、たとえば、レンズ1のコバ2が薄く、加工中の保持が難しいレンズ1であっても、レンズホルダ3に接着することなく、嵌め込み式に容易かつ確実に保持して研磨加工することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、被加工物としてはレンズ等に限らず、周辺部の厚さの薄い被加工物の研削や研磨等の表面加工に適用することもできる。
本発明の第1の実施の形態である表面加工方法の原理を実現するレンズ加工装置の構成の一例を示す概念図である。 本発明の第2の実施の形態であるレンズ加工装置の断面図である。 本発明の第3の実施の形態であるレンズ加工装置の略断面図である。 本発明の第4の実施の形態のレンズ加工装置の略断面図である。 本発明の第4の実施の形態のレンズ加工装置の側面図である。 本発明の第4の実施の形態のレンズ加工装置の動作中の正面図である。 本発明の第5の実施の形態であるレンズ加工装置の略断面図である。 本発明の第5の実施の形態であるレンズ加工装置の側面図である。 本発明の第5の実施の形態であるレンズ加工装置の動作中の正面図である。
符号の説明
1 レンズ
1a 被加工面
2 コバ
3 レンズホルダ(ワークホルダ)
4 緩衝材
5 コバ押さえ
6 基材
6a 凹座面
7 加工工具
8 工具台皿
8a 切欠部
8b 回転軸
9 カンザシ
10 支点
11 揺動中心
12 加工面球心
13 保持球面
13a 曲率半径中心
14 相対角度
15 概略一致範囲
16 軸受
17 上軸
18 連結ピン
19 ピストン
20 主軸
20a シリンダー
21 軸受
22 プーリー
23 ベルト
24 モーター
25 回転継ぎ手
26 空気圧配管
27 下軸ハウジング
28 シリンダー
29 連結部材
29a 切欠部
30 支持部材
31 第1リンク部材
32 第1支軸
33 第2リンク部材
34 第2支軸
35 はみ出し位置
36 加圧点
37 コンプレッサー
38 ダイレクトドライブモーター
M1〜M5 レンズ加工装置(表面加工装置)

Claims (9)

  1. 被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工方法であって、
    回転自在に継承されたワークホルダに前記被加工物をはめ込み式で装着するステップと、
    前記被加工物の前記被加工面と反対側に位置し前記ワークホルダと接する曲面が有する曲率半径中心の近傍で回動傾斜自在に取り付けられた前記加工工具に前記被加工物を当接させるステップと、
    前記回動傾斜自在に保持された前記加工工具を前記被加工物に押圧しつつ、前記加工工具および前記ワークホルダの相対的な回転および揺動運動を行いながら前記被加工物を加工するステップと、
    を含むことを特徴とする表面加工方法。
  2. 請求項1記載の表面加工方法において、前記被加工物は、外周部に薄いコバ部を有し、両面とも凸面を有する両凸レンズもしくはメニスカスレンズであることを特徴とする表面加工方法。
  3. 請求項1記載の表面加工方法において、前記被加工物が凸メニスカスレンズであり、前記凸メニスカスレンズの凹面の加工を行うことを特徴とする表面加工方法。
  4. 被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
    前記被加工物をはめ込み式で回転自在に保持するワークホルダと、
    被加工物の被加工面と反対側に位置し前記ワークホルダと接する曲面が有する曲率半径中心の近傍で回動傾斜自在に保持された加工工具と、
    前記加工工具を回動傾斜自在に結合したカンザシ軸と、
    前記カンザシ軸を介して前記加工工具を前記被加工物に押圧する加圧機構と、
    前記被加工物に対して前記加工工具を相対的に回転および揺動させる運動機構と、
    を具備したことを特徴とする表面加工装置。
  5. 被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
    前記被加工物をはめ込み式に保持して回転駆動するワークホルダと、
    前記被加工物の被加工面と反対側に位置し前記ワークホルダと接する曲面が有する曲率半径中心の近傍で回動傾斜自在に保持された加工工具と、
    前記加工工具を傾斜自在に継承したカンザシ軸と、
    前記カンザシ軸を介して前記加工工具を加圧する加圧機構と、
    前記加工工具を揺動させる揺動機構と、
    を具備したことを特徴とする表面加工装置。
  6. 被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
    前記被加工物をはめ込み式に回転自在に保持するワークホルダと、
    前記表面加工装置の筐体に固定される支持部材と、
    前記支持部材に第1の支軸を介して前記第1の支軸の軸回り方向に回動自在に継承された第1の支持リンク部材と、
    前記第1の支軸の軸線と直交する第2の支軸を介して前記第1の支持リンク部材に継承された第2の支持リンク部材と、
    前記加工工具を前記第2の支持リンク部材に対して回転駆動可能に支持し、前記第1の支軸の前記軸線と前記第2の支軸の交点が前記ワークホルダと接する前記被加工物の曲面が有する曲率半径中心の近傍で交差するように配置された工具台と、
    前記被加工物に対して前記加工工具を押圧する加圧機構と、
    前記加工工具の回転および揺動を行なう運動機構と、
    を具備したことを特徴とする表面加工装置。
  7. 被加工物と前記被加工物の被加工面と概略反転させた形状を有する加工工具とを互いに摺接させつつ、前記被加工物および前記加工工具に相対的な回転運動および揺動運動を行わせることで加工を行なう表面加工装置であって、
    前記被加工物をはめ込み式に保持して回転するワークホルダと、
    前記表面加工装置の筐体に固定される支持部材と、
    前記支持部材に第1の支軸を介して前記第1の支軸の軸回り方向に回動自在に継承された第1の支持リンク部材と、
    前記第1の支軸の軸線と直交する第2の支軸を介して前記第1の支持リンク部材に継承された第2の支持リンク部材と、
    前記加工工具を前記第2の支持リンク部材に対して回転自在に支持し、前記第1の支軸の軸線と第2の支軸の交点が前記ワークホルダと接する前記被加工物の曲面が有する曲率半径中心の近傍で交差するように配置された工具台と、
    前記被加工物に対して前記加工工具を押圧する加圧機構と、
    前記加工工具を揺動させる揺動機構と、
    を具備したことを特徴とする表面加工装置。
  8. 請求項4から請求項7記載の表面加工装置において、前記被加工物は、両面とも凸面を有する両凸レンズもしくはメニスカスレンズであることを特徴とする表面加工装置。
  9. 請求項4から請求項7記載の表面加工装置において、前記被加工物が凸メニスカスレンズであり、前記凸メニスカスレンズの凹面の加工が行われることを特徴とする表面加工装置。
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