JP2014138962A - 研削装置及び研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 全自動で効率よく鏡面になるまで研削することが可能で、且つ、他の砥粒より突出している砥粒があったとしても、この砥粒が同じ位置を繰り返して回転することによって生じる擦過痕が残らない研削装置及びその研削方法を提供する。
【解決手段】 主軸に把持される工具ホルダと、この工具ホルダと一体に構成され、先端に砥石を保持する砥石保持体を有する中継軸とからなり、中継軸は、工具ホルダの回転中心と同心に配置された入力軸と、入力軸に対して回転自在であり、且つ、工具ホルダの回転中心に対して偏心した位置に砥石を保持する砥石保持体が設けられた出力軸とを有し、入力軸と出力軸との接続部には、入力軸に出力軸を回転可能に、且つ所定の摩擦を有して接続する摩擦接続部材が配置されていることを特徴とする研削装置によって達成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研削装置、特に、所定の形状に加工した後の金属の表面を棒状の砥石の先端部で研削して、鏡面等の平滑面にするための研削装置、及びその研削装置を使用する研削方法に関するものである。
金型には、レンズやミラーを成形するための金型やプラスチック部品を成形するための金型等を初めとして、自動車部品を製造する大型の金型に至るまで、表面を平滑にして鏡面にする必要があるものが多い。そして、その多くは単なる平坦な形状ではなく、3次元的に変化する複雑な形状をしている。このような場合には、従来技術では、切削加工や研削加工によって所定の形状に加工した後は、通常、人手によって丹念に磨き、表面を所要の表面粗さにまで磨き上げて鏡面とすることが行われていた。
更に、金属をプレス加工する金型のように高い耐磨耗性を要する金型では、金型の材質は焼入れして硬くなった鋼材であり、これを人手によって鏡面になるまで丹念に磨くことになり、非常に手間が掛かり、時間も要する作業となっていた。
特開平2005−14168号公報(第4、図1−2参照) 特開平6−106470号公報(第3−4頁、図1) 特開2001−38592号公報(第4−6頁、図1−2参照)
従来技術の金型の磨き作業は、このように非常に手間と時間が掛かる作業だったので、これを自動化しようとする種々の試みがなされてきた。例えば、特許文献1(特開平2005−14168号公報)には、レンズ等のワークを凹型の球面に加工するために、砥石を保持する工具軸とワークを保持するワーク軸とを傾けて交差させて研削する球面加工機が記載されているが、この加工方法は、ほぼ球面の加工に限定されるものであり、一般的な自由形状の金型には使用することができない。
また、特許文献2(特開平6−106470号公報)には、マシニングセンタ等の工具自動交換加工機を使用して、工具の自動交換を行い、成形金型のポケット孔の表面を仕上げる表面仕上げ方法が記載されている。この表面仕上げ方法は、ほぼ自動化されたものであるが、この明細書の段落0019に記載されているように、砥石の中心では研削ミガキが出来ないので、砥石中心の軌跡をずらしながら研削ミガキをしなければならない上に、ゴム砥石等の弾性砥石にラップ粉を塗布し、砥石を往復動させながら研磨するので、どうしてもかなりの時間を要する上に、ラップ粉を塗布する等の作業があり、完全な自動化にはなっていないものであった。
一方、特許文献2に記載された砥石の中心では研削ミガキが出来ないという欠点については、特許文献3(特開2001−38592号公報)に記載されているように、主軸の回転中心と研削パッド(砥石)の中心とを偏心させ、砥石軸を自由回転させることによって、砥石を連回りさせることで解消することが知られていた。しかしながら、この加工方法では、たまたま基準より大きな砥粒等が研削面に存在していると、この砥粒が他の砥粒より突出した状態となり、この状態のままで主軸を高速回転させるので、研削面の同じ位置をこの突出した砥粒が繰り返して通過することになり、研削面に、砥石の通過した跡が円形の擦過痕として残ることとなる。
(発明の目的)
本発明は、上記の課題を解決して、全自動で効率よく鏡面になるまで研削することが可能であり、且つ、他の砥粒より突出している砥粒があったとしても、この砥粒が同じ位置を繰り返して回転することによって生じる擦過痕が残らない研削装置及びその研削装置を用いた加工方法を提供することを目的とする。
尚、上記の記載で明らかなように、本明細書では、「研削」の語は、研磨、ポリッシング、ラッピングなどの砥粒によって表面を平滑にして鏡面とする加工の全てを含む広義の意味に用いられている。
上記目的を達成するために、本発明における研削装置は、主軸に把持される工具ホルダと、該工具ホルダと一体化することが可能に構成され、先端に砥石を保持する砥石保持体を有する中継軸とからなり、該中継軸は、前記工具ホルダの回転中心と同心に配置された入力軸と、該入力軸に対して回転自在であり、且つ、前記工具ホルダの回転中心に対して偏心した位置に前記砥石を保持する砥石保持体が設けられた出力軸とを有し、前記入力軸と前記出力軸との接続部には、前記入力軸に前記出力軸を回転可能に、且つ所定の摩擦を有して接続する摩擦接続部材が配置されていることを特徴とする。
また、本発明における研削装置は、前記摩擦接続部材が、リング状のゴム部品であることを特徴とする。
また、本発明における研削装置は、前記入力軸と前記出力軸との接続部には、前記出力軸を軸方向に弾性的に支持する軸方向緩衝部材を有することを特徴とする。
また、本発明における研削装置は、更に、前記軸方向緩衝部材が、圧縮コイルバネであることを特徴とする。
また、本発明における研削装置は、前記砥石が、先端が球面またはこれに近い回転体の形状に形成された弾性砥石であることを特徴とする。
また、本発明における研削装置は、前記弾性砥石が、ラバーボンドされたダイヤモンド砥石であることを特徴とする。
また、本発明における研削装置は、前記中継軸の偏心量が調整可能であることを特徴とする。
更に、上記目的を達成するために、本発明における研削方法は、回転する主軸と、該主軸に設けられ、該主軸の回転に対して摩擦をもって回転可能に接続する摩擦接続部材と、前記主軸の中心線に対して偏心した位置に砥石を保持する砥石保持部とを有する中継軸とを有し、前記主軸の回転による公転に対して、研削面の摩擦と前記摩擦接続部材の摩擦とによるより低い回転の自転とからなる前記砥石の遊星運動によって、前記砥石の先端部で研削することを特徴とする。
また、本発明における研削方法は、前記砥石が、砥石の先端で研削する棒状の砥石であることを特徴とする。
本発明の研削装置及び研削方法は、以上のように構成されているので、マシニングセンタ等の金属加工機械で金属の表面を所定の形状に加工した後、引き続いて自動工具交換装置で本願発明の研削装置と自動交換することによって、或いは本願発明の研削装置を設備した加工機械を使用することによって、全自動で効率よく鏡面になるまで研削することが可能であり、且つ、他の砥粒より突出している砥粒があったとしても、この砥粒が同じ位置を繰り返して回転することによって生じる擦過痕が残らない研削装置及びその加工方法を提供することができる。
本発明の研削装置の中継軸の1実施例(第1の実施形態)を示す断面図である。 図1の実施例における偏心機構を示すA−A断面図である。 本発明の研削装置の中継軸の他の実施例(第2の実施形態)を示す断面図である。 本発明の研削装置の中継軸の第3の実施例(第3の実施形態)を示す先端部の断面図である。 図4の実施例における偏心機構を示すB−B断面図である。 図4の実施例における砥石組立体の詳細を示す断面図である。 主軸と砥石が偏心した位置に配置されている場合の砥石の任意の一点の軌跡を示す説明図であり、(a)は中継軸が一体となって回転している状態における砥石の任意の一点の軌跡を示し、(b)は中継軸が自由に回転している状態(連回り状態)における砥石の任意の一点の軌跡を示し、(c)は本願発明の研削装置の研削時における砥石の任意の一点の軌跡の1例を示す。
以下に、本発明の実施形態について、実施例を示す図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の研削装置の1実施例(第1の実施形態)を示す図面であり、図1では、中継軸10のみを示している。この中継軸10は、左端のシャンク11を図示しない工具ホルダに固定して一体とし、この工具ホルダをマシニングセンタの主軸に取り付けることによって、中継軸10が工具ホルダを介してマシニングセンタの主軸に固定され、マシニングセンタの主軸の回転と共に回転する。
尚、本明細書に記載する実施形態では、いずれも、中継軸10を汎用化するために、工具ホルダで把持するものとして記載されているが、工具ホルダと中継軸10とを一体のものとして、その機械の専用工具とすることも可能であることは勿論である。
シャンク11は、中継軸10の内側に延びて、シャンク11と同心の入力軸12となっており、その外側に、出力軸の一部を構成するインナースリーブ13が軸受14を介して回転自在に配置されている。そして、入力軸12とインナースリーブ13との接続部は、入力軸12側はシャンク11の大径部15において、出力軸であるインナースリーブ13側はインナースリーブ13の左端の斜面において、摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16、具体的な実施例としては、例えばOリングなどのゴムの部材を介して接続されている。
このように構成された中継軸10は、摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16(Oリング)を介して接続されているので、シャンク11の大径部15とインナースリーブ13の斜面との間が摩擦をもって接続されており、リング状のゴム部品16(Oリング)の接触圧を調整リング17を調整することによって、任意の摩擦抵抗をもって入力軸12と出力軸(インナースリーブ13)とを接続することができる。
インナースリーブ13の外周には、キー18で回転不能にすると共に、軸方向には摺動可能に構成されたアウタースリーブ19が設けられている。そして、インナースリーブ13とアウタースリーブ19との間には、アウタースリーブ19を軸方向に弾性的に支持する軸方向緩衝部材である圧縮コイルバネ20が設けられていて、アウタースリーブ19を図1の右方向に付勢している。
このインナースリーブ13とアウタースリーブ19は、共に出力軸を構成するものであり、入力軸12との間に軸受14を有しているので、シャンク11(マシニングセンタの主軸)とは独立して回転可能であり、且つ、摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16によってシャンク11の回転が伝達されるように構成されている。このため、摩擦接続部材の摩擦抵抗より大きな回転力が出力軸に加えられるときには、摩擦接続部材で滑りが生じて、シャンク11(入力軸12)と独立した回転が可能になっている。
そして、研削位置において、軸方向に大きな負荷が掛かったときには、軸方向緩衝部材である圧縮コイルバネ20が撓むことによって、主軸に過剰な負荷が掛かることを避けられるようになっている。
アウタースリーブ19の先端(右端)には、端面に、出力軸の回転中心に直交してアリ溝21が設けられており、このアリ溝21に嵌合して、棒状の砥石22の軸23を把持して回転する砥石保持体24が設けられている。砥石保持体24は、図2に示すように、アリ溝21によって横方向(図1の紙面に直交する方向)に移動可能であり、工具ホルダの回転中心(シャンク11の回転中心)に対して所要の偏心量eとなる位置に固定することが出来る。
ここで、図2において、縦に2本描かれた中心線の内、左側の線が工具ホルダの回転中心(シャンク11の回転中心)であり、右側の線が所定の偏心量eだけ偏心した棒状の砥石22の中心線を示している。
そして、本願発明の研削装置に用いられる砥石22は、図示されているように、先端が球面またはこれに近い回転体の形状に形成された弾性砥石であることが好ましく、更に、ラバーボンドされたダイヤモンド砥石であることが好ましい。
この先端が球面またはこれに近い回転体の形状に形成された弾性砥石は、被研削物の表面の形状が3次元的に変化する複雑な形状のときに、この形状に対応するためのものであり、そのためには、砥石の先端の曲率半径は被研削物の表面の形状の曲率半径以下とすることが望ましい。
従って、先端が球面またはこれに近い回転体の形状と記載した形状は、図示のような半球状に限定されるものでなく、放物線を軸回りに回転して形成される回転放物面や双曲線を軸回りに回転して形成される回転双曲面、或いは、これに近似する形状のいずれでも良く、砥石が磨耗して自然に形成される球面状の形状でも、先端が球面またはこれに近い回転体の形状になっていれば、同様の効果が得られることが認められる。
また、この研削装置で鏡面を生成するには、接触圧によって砥石に変形が生じる弾性砥石であることが好ましく、更に、砥粒が硬く対磨耗性があり、且つ弾性的にボンドされているラバーボンドされたダイヤモンド砥石を使用することによって、最も大きな効果を発生する。
従って、図1及び図2に描かれた中継軸10を有する研削装置は、中継軸10に摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16(Oリング)を有しているので、棒状の砥石22で研削していないとき(無負荷のとき)には、中継軸10の入力軸12とインナースリーブ13との間が、リング状のゴム部品16(Oリング)の摩擦で一体となって回転するが、研削作業を始めて砥石22に研削抵抗が生じると、中継軸10は、入力軸12とインナースリーブ13との間のリング状のゴム部品16(Oリング)による摩擦抵抗と、研削抵抗とのバランスで入力軸12とインナースリーブ13との間に滑りが生じて、砥石22は、主軸(シャンク11)の回転による公転と入力軸12とインナースリーブ13との間の滑りによって生じる回転(自転)とからなる一種の遊星運動を行うことになる。
図3は、本発明の研削装置の他の実施例(第2の実施形態)を示す図面であり、中継軸30は、図1に示す実施例と同様に、左端のシャンク31を図示しないマシニングセンタの主軸に把持される工具ホルダに固定して回転するものであって、主軸の工具ホルダにシャンク31を把持することによって主軸と共に回転する。この実施形態では、中継軸30を汎用化するために、工具ホルダで把持するものとして記載されているが、工具ホルダと中継軸30とを一体のものとして、その機械の専用工具とすることも可能であることは勿論である。
シャンク31は、中継軸30の外側に延びて入力軸32となっており、その内側のシャンク31に対して偏心量eだけ偏心した位置に、出力軸33が軸受34を介して回転自在に配置されている。そして、入力軸32と出力軸33との接続部として、入力軸32の右端において、キャップ35の内面に設けられた摩擦接続部材であるリング状のゴム部品37と軸受34の内輪押え36とからなる摩擦接続機構が設けられている。
そして、出力軸33には中空部38が設けられており、この中空部38に砥石保持体39の基体40がねじ込まれており、基体40の中心孔に砥石保持体39の軸41が軸方向に摺動自在に挿入されて、軸方向緩衝部材である圧縮コイルバネ42によって軸方向に弾性的に支持されていて、砥石保持体39を図3の右方向に付勢されている。そして、砥石保持体39の砥石取付孔43に砥石44の軸45が挿入して、砥石44が砥石保持体39に固定されている。
このように構成された中継軸30は、摩擦接続部材であるリング状のゴム部品37で接続されているので、キャップ35を調整することによって、シャンク31と一体の入力軸32と、これに偏心して配置された出力軸33との間の摩擦抵抗を調整し、任意の摩擦抵抗をもって接続することが可能となっている。
従って、図3に描かれた中継軸30を有する研削装置は、棒状の砥石44で研削していないとき(無負荷のとき)には、中継軸30の入力軸32と出力軸33との間が、リング状のゴム部品37の摩擦で一体となって回転するが、研削作業を開始して砥石44に研削抵抗が生じると、中継軸30は、入力軸32と出力軸33との間のリング状のゴム部品37による摩擦抵抗と砥石44による研削抵抗との差で、入力軸32と出力軸33との間に滑りが生じて、砥石44は、主軸(シャンク31)の回転による公転と入力軸32と出力軸33との間の回転による自転とからなる一種の遊星運動を行うことになる。
図4は、本発明の研削装置の第3の実施形態を示す図面であり、図1の第1の実施形態における偏心機構の他の例を示すものである。従って、アウタースリーブ19の先端部までの図面は省略し、アウタースリーブ19の先端部に設けられた偏心機構のみを断面図で示したものであり、図5は、図4のB−B断面図である。
この実施形態は、図1に示す実施形態のアリ溝による偏心機構をガイド溝による偏心機構に変更し、砥石の形状を砥石の先端が揺動可能な構造に変更したものである。即ち、アウタースリーブ19の先端に、アリ溝21に変えてガイド溝となる平行溝51を形成し、この平行溝51に嵌合する平行な突起52を砥石保持体53側に設け、この平行溝51と突起52とで砥石保持体53を案内して、砥石54を有する砥石組立体55をシャンク11(図示しない)から偏心量eだけ偏心した位置に固定するものである。
即ち、固定ネジ56を緩め、図5に示すように、所定の偏心量eだけ偏心させて、固定ネジ56を固定すると、極めて容易に、所定の偏心量だけ偏芯させた中継軸10を得ることが出来る。
砥石保持体53の先端には、図6に示すように、砥石54を揺動可能に保持する砥石組立体55が固定されている。この砥石組立体55は、軸57を有する基体58に互いに直交するピン59で砥石54を支持するものであって、ピン59と砥石54の支持枠60との間に軸方向の隙間を設け、この隙間で、砥石54を砥石保持体53の基体58に対して揺動可能に且つ回転不能に支持するものである。
このように構成されているので、第3の実施形態の研削装置では、より簡便に偏心の調整が可能になり、且つ、砥石54が揺動するので、後述する連回り運動に際して、連回りの方向に応じて砥石と被加工物との接触点を変更することが出来る。
尚、第2及び第3の実施形態においても、第1の実施形態で述べたように、先端が球面またはこれに近い回転体の形状に形成された弾性砥石であることが好ましく、更に、ラバーボンドされたダイヤモンド砥石であることが好ましい。
以下に、本発明の研削装置の研削時における砥石の運動軌跡を、図7を参照して説明する。ここで、図7(a)は中継軸が一体となって回転している状態における砥石の任意の一点Pの軌跡を示し、図7(b)は中継軸が自由に回転している状態(連回り状態)における砥石の任意の一点Pの軌跡を示し、図7(c)は本願発明の研削装置の研削時における砥石の任意の一点Pの軌跡の1例を示す。
本発明の研削装置は、上述したように、シャンク11、31と一体になった入力軸12、32と出力軸13、33(正確には、第1の実施形態では、出力軸を構成するインナースリーブ13及びアウタースリーブ19)は、摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16、37によって所定の摩擦を有して接続されているので、研削作業時以外の無負荷で回転しているときには、中継軸10、30が一体となって回転し、入力軸12、32と出力軸13、33の間で回転を生じることなく回転する。
即ち、主軸の公転のみで出力軸の自転がゼロの回転となるので、図7(a)に示すように、砥石22、44、54の任意の一点Pの軌跡は、主軸の回転中心(シャンク11、31の回転中心)Oを中心として回転する。ここで、Oが主軸の回転中心で、eが中継軸10、30による棒状の砥石22、44、54の偏心量、Pが砥石の任意の点であり、任意の点Pの回転軌跡を太い実線tで示し、砥石22、44、54の外形61は、始点となる右側の位置のみを実線で描いている。
この場合は、主軸の回転中心Oから偏心量eだけ偏心した位置にある砥石の中心oは、主軸と相対移動することなく主軸の回転によって回転するので、図7(a)の中心の小さな円の上を移動し、砥石の任意の点Pは、主軸の回転中心である点Oを中心とする太い実線tの上を移動する。
このとき、偏心量eが砥石の半径より小さいときには、砥石の内側に主軸の回転中心Oが位置するので、この点では、砥石の面が回転するのみで移動しないことになり、依然として、主軸の回転中心に位置する砥石の面では研削出来ないということになる。即ち、特許文献2(特開平6−106470号公報)に記載された研削ミガキが出来ないという欠点は、単に主軸の回転中心Oと砥石の中心oを偏心量eだけ偏心したのみでは解消せず、偏心量eが砥石の半径より大きいことが必要となる。
また、入力軸12、32と出力軸13、33の間の摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16、37が存在せず、或いは接触圧がゼロのとき(リング状のゴム部品16、37が入力軸12、32又は出力軸13、33の少なくとも一方と接していないとき)には、特許文献3(特開2001−38592号公報)に記載されている主軸の回転と研削パッド(砥石)の中心とを偏心させて回転するものに相当する。
この場合には、研削作業を行うときに、軸受14、34があるので、出力軸13、33が自由に回転することになり、図7(b)に示すように連回り回転となって、主軸による公転と、この公転と同じ回転数で逆方向に出力軸が自転することになり、棒状の砥石22、44、54は回転せず、砥石の全ての点が主軸の回転数で、砥石の中心oと同じ形状の軌跡を移動することになる。
即ち、図7(b)に示すように、砥石の中心oは、主軸の中心Oの周りを中心部の小さな円で示すように移動し、砥石の任意の点Pは、右上の太い実線で示される円の上を、砥石の中心oと同じ軌跡で移動する。このとき、任意の点に突出した砥粒があると、高速の主軸と同じ回転数で回転するので、繰り返して同じ軌跡上を砥粒が回転し、研削面に砥石の通過した跡が円形の擦過痕として残ることとなる。
本発明の研削装置においては、研削作業が開始されて砥石と研削面との間に研削抵抗が生じると、研削抵抗によって出力軸13、33を回転させる負荷が生じ、摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16、37による摩擦抵抗より研削作業による出力軸13、33の負荷が大きくなると、その力の差によって連回り運動が生じるようになり、主軸の回転数(公転)より遅い回転数で逆方向に出力軸13、33が自転することになる。このときの砥石の任意の点Pの移動軌跡の1例を示すと、図7(c)のようになる。
ここで、上記の例と同様に、砥石の中心oは、主軸の中心Oの周りを中心部の小さな円で示すように移動するが、砥石の任意の点Pは、主軸の公転と出力軸13、33の自転との影響を受け、例えは、図7(c)に太い実線tで示すような移動軌跡となる。
このとき、出力軸13、33の自転は、入力軸12、32と出力軸13、33との接続部であるリング状のゴム部品16、37の接触圧による摩擦抵抗と、砥石の研削面における摩擦抵抗とのバランスによって生じるので、図7(c)に示す形状に限定されることなく、図7(a)に示す移動軌跡と、図7(b)に示す移動軌跡との間の各種の形状となることが出来る。
また、この移動軌跡は、リング状のゴム部品16、37の接触圧による摩擦抵抗と、砥石の研削面における摩擦抵抗とのバランスによって生じるので、研削面の状態によって生じる研削面の摩擦抵抗の変動に応じて常に変動し、このため一定に軌跡を通ることがないので、仮に突出した砥粒があったとしても、繰り返して同じ軌跡を通る可能性はなく、擦過痕として残ることはない。
このように構成された中継軸10、30は、摩擦接続部材であるリング状のゴム部品16、37を有しているので、入力軸12、32と出力軸13、33との接続点であるリング状のゴム部品16、37の接触圧を調整し、必要に応じて、最適となる摩擦をもって接続することが可能となっている。
そして、入力軸12、32と出力軸13、33との接続点であるリング状のゴム部品16、37の接触圧を適正に調整することによって、研削作業時に、図7(a)と図7(b)との中間の状態、即ち、主軸の公転に対してより遅い回転数で逆方向に出力軸が自転する図7(c)に例示する遊星運動をさせることが出来る。
更に、中継軸10、30には、砥石21、44、54を軸方向に弾性的に支持する軸方向緩衝部材である圧縮コイルバネ20、42が設けられているので、研削面に非常に大きな負荷が生じたときには、この圧縮コイルバネ20、42が撓んで負荷を逃がすので、更に、研削面に擦過痕などを残す可能性が低くなる。
本願発明の研削装置及び研削方法は、以上のように構成されているので、全自動で効率よく鏡面になるまで研削することが可能で、且つ、他の砥粒より突出している砥粒があったとしても、この砥粒が同じ位置を繰り返して回転することによって生じる擦過痕が残らない研削装置及びその加工方法を提供することが出来る。
そして、マシニングセンタ等の金属加工機械で金属の表面を所定の形状に加工した後、引き続いて自動工具交換装置で本願発明の研削装置と自動交換することによって、或いは本願発明の研削装置を配置した加工機械を使用することによって、全自動で効率よく鏡面になるまで研削することが可能であり、且つ、他の砥粒より突出している砥粒があったとしても、この砥粒が同じ位置を繰り返して回転することによって生じる擦過痕が残らない研削装置及びその加工方法を提供することができる。
特に、砥石としてラバーボンドされたダイヤモンド砥石を使用すると、弾性砥石なので研削面になじんで密着しやすく、且つ、耐摩耗性が高いので砥石を長期間交換する必要がなくなり、さらに効率的に全自動で鏡面になるまで研削することが可能となる。
10:中継軸
11:シャンク
12:入力軸
13:インナースリーブ
14:軸受
15:大径部
16:リング状のゴム部品
17:調整リング
18:キー
19:アウタースリーブ
20:圧縮コイルバネ
21:アリ溝
22:棒状の砥石
23:軸
24:砥石保持体
30:中継軸
31:シャンク
32:入力軸
33:出力軸
34:軸受
35:キャップ
36:内輪押え
37:リング状のゴム部品
38:中空部
39:砥石保持体
40:基体
41:軸
42:圧縮コイルバネ
43:孔
44:砥石
45:軸
51:平行溝
52:突起
53:砥石保持体
54:砥石
55:砥石組立体
56:固定ネジ
57:軸
58:基体
59:ピン
60:支持枠
61:砥石の外形

Claims (9)

  1. 主軸に把持される工具ホルダと、
    該工具ホルダと一体に構成され、先端に砥石を保持する砥石保持体を有する中継軸とからなり、
    該中継軸は、前記工具ホルダの回転中心と同心に配置された入力軸と、該入力軸に対して回転自在であり、且つ、前記工具ホルダの回転中心に対して偏心した位置に前記砥石を保持する砥石保持体が設けられた出力軸とを有し、
    前記入力軸と前記出力軸との接続部には、前記入力軸に前記出力軸を回転可能に、且つ所定の摩擦を有して接続する摩擦接続部材が配置されていることを特徴とする研削装置。
  2. 前記摩擦接続部材が、リング状のゴム部品であることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  3. 前記入力軸と前記出力軸との接続部には、前記出力軸を軸方向に弾性的に支持する軸方向緩衝部材を有することを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  4. 前記軸方向緩衝部材が、圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項3記載の研削装置。
  5. 前記砥石が、先端が球面またはこれに近い回転体の形状に形成された弾性砥石であることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  6. 前記弾性砥石が、ラバーボンドされたダイヤモンド砥石であることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  7. 前記中継軸の偏心量が調整可能であることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  8. 回転する主軸と、
    該主軸に設けられ、該主軸の回転に対して摩擦をもって回転可能に接続する摩擦接続部材と、前記主軸の中心線に対して偏心した位置に砥石を保持する砥石保持部とを有する中継軸とを有し、
    前記主軸の回転による公転に対して、研削面の摩擦と前記摩擦接続部材の摩擦とによるより低い回転の自転とからなる前記砥石の遊星運動によって、前記砥石の先端部で研削することを特徴とする研削方法。
  9. 前記砥石が、砥石の先端で研削する棒状の砥石であることを特徴とする請求項8記載の検索方法。
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