JP6050086B2 - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス基板は、例えば、オーバーフローダウンドロー法によって製造される。オーバーフローダウンドロー法では、成形体に流し込まれてオーバーフローした熔融ガラスが、成形体の表面を伝って流下し、成形体の下端の近傍で合流して、ガラスシートに成形される。成形されたガラスシートは、下方に引き延ばされながら冷却され、所定の大きさに切断されてガラス基板が製造される。ガラス基板は、端面加工工程、表面洗浄工程および検査工程等を経て、梱包されて出荷される。
成形されたガラスシートを所定の大きさに切断する工程では、一般的に、カッターまたはレーザによる切断方法が用いられる。カッターによるガラスシートの切断方法では、ガラスシートに機械的に切れ目を入れて切断するため、切断されたガラス基板の端面には、数μm〜100μm程度の深さのクラックが形成される。このクラックは、ガラス基板の機械的強度の劣化を招く。また、レーザによるガラスシートの切断方法では、熱応力を利用してガラスシートに切れ目を入れてガラスシートを切断するため、切断されたガラス基板の端面は鋭利で欠けやすい状態になる。切断されたガラス基板の端面に形成されたクラックまたは鋭利な部分は、端面を研削および研磨することによって取り除かれる。すなわち、ガラス基板の機械的強度を上げ、ガラス基板の欠陥の発生を抑制し、後工程での取り扱いを容易にするために、ガラス基板の端面加工工程が行われる。
ガラス基板の端面加工工程の例として、特許文献1(特開2011−110648号公報)には、切断されたガラス基板の端面に沿って砥石を追従させて、ガラス基板を面取り加工する方法が開示されている。この方法では、テーブルに固定されたガラス基板の端面の位置がレーザ変位計によって測定され、砥石による端面の加工開始位置および加工終了位置が算出される。具体的には、レーザ変位計による測定値から、端面の加工開始位置および加工終了位置の座標が外挿補間により算出され、これらの座標と基準となる座標との差異、および、所望の研削代に基づいて、端面の加工開始位置および加工終了位置が補正される。
しかし、ガラス基板の製造ラインの省スペース化を実現するため、端面加工工程においてガラス基板の端面の位置測定および端面の加工を同じテーブル上で行う場合、ガラス基板の端面の位置を測定するためにレーザ変位計を用いることは適切ではない。例えば、ガラス基板の端面を面取り加工する前に、面取り砥石とガラス基板の端面との接触部に研削液を供給する際に、レーザ変位計の検出部に研削液が付着して、レーザ変位計の検出精度が低下するおそれがある。そのため、ガラス基板の端面の位置測定および端面の加工を同じテーブル上で行う場合、レーザ変位計を用いてガラス基板の位置を測定する特許文献1に開示される方法は、ガラス基板の端面を高い精度で加工することが難しい。
本発明の目的は、ガラス基板の端面加工を、小さいスペースで、かつ、精度良く行うことができるガラス基板の製造方法を提供することである。
本発明に係るガラス基板の製造方法は、基板固定工程と、位置情報取得工程と、加工位置算出工程と、端面加工工程とを備える。基板固定工程は、テーブルに載置されたガラス基板をテーブルに固定する。位置情報取得工程は、テーブルに固定されたガラス基板の端面の位置情報を取得する。加工位置算出工程は、ガラス基板の端面を面取り加工するための面取り砥石の加工開始位置および加工終了位置を、ガラス基板の端面の位置情報に基づいて算出する。端面加工工程は、面取り砥石と端面との接触部に研削液を供給し、加工開始位置から加工終了位置に向かって面取り砥石を移動させることによって、ガラス基板の端面を面取り加工する。面取り砥石は、ガラス基板の端面までの距離が変更可能であるように、第1軸に沿って移動可能である。面取り砥石は、ガラス基板の端面と対向するように、第1軸と直交する第2軸に沿って移動可能である。位置情報取得工程では、第1センサと第2センサとによって、ガラス基板の端面の複数のポイントの位置情報が取得される。第1センサは、面取り砥石に連結され面取り砥石と共に移動可能である。第2センサは、第1軸に沿って移動可能である。加工位置算出工程では、面取り砥石を第1軸に沿って加工開始位置まで移動させるために必要な距離である加工補正値が算出される。
このガラス基板の製造方法では、最初に、テーブル上に固定されたガラス基板の端面の位置が測定され、次に、ガラス基板を移動させることなくガラス基板の端面が面取り砥石によって加工される。ガラス基板の端面加工は、端面と面取り砥石との接触部に研削液を供給することにより、ウエットの環境下で行われる。ガラス基板の端面の位置を測定する第1センサおよび第2センサは、研削液が付着しても検出精度が低下しない、接触式のセンサである。第1センサおよび第2センサによって、ガラス基板の端面の加工開始位置および加工終了位置が算出される。ガラス基板の端面の加工前に、面取り砥石の位置を加工補正値だけ変更することで、面取り砥石は加工開始位置まで移動させられる。そして、面取り砥石を加工開始位置から加工終了位置まで移動させることで、面取り砥石によってガラス基板の端面が加工される。
従って、このガラス基板の製造方法は、ウエットの環境下でガラス基板の端面加工を行う場合において、ガラス基板の端面の位置の測定と、ガラス基板の端面の加工とを、同じテーブル上で行うことができるので、少ないスペースでガラス基板の端面加工を行うことができる。また、ガラス基板の端面の加工前に、端面の位置情報に基づいて面取り砥石の位置を補正することで、ガラス基板の端面加工を精度良く行うことができる。
また、位置情報取得工程では、第1センサによって取得される第1軸方向の端面の位置情報と、第2センサによって取得される第1軸方向の端面の位置情報とが関連付けられることが好ましい。この場合、位置情報取得工程は、位置情報を取得する前に、第1センサを、第2軸に沿って、第2センサと第2軸方向において同じ位置に移動させ、さらに、第1センサを用いて第1軸方向における第2センサの位置を取得する。
また、加工位置算出工程では、第1距離、第2距離および第3距離に基づいて、加工補正値が算出されることが好ましい。第1距離は、第1センサと第2センサとの間の第2軸方向の距離である。第2距離は、第1センサと面取り砥石との間の第2軸方向の距離である。第3距離は、第2センサによって測定され、予め設定された端面の基準位置と端面の位置との間の第1軸方向の距離である。
また、加工位置算出工程では、加工補正値は、第2距離に第3距離を乗じた値を、第1距離で除することによって算出されることが好ましい。
このガラス基板の製造方法では、ガラス基板の端面の位置を測定する前に、第1センサの位置と第2センサの位置とを予め関連付けることで、第1センサと第2センサとの間の距離が正確に測定される。また、第1センサは面取り砥石に連結されているので、第1センサと面取り砥石との間の距離は予め定まっている。そのため、第1センサ、第2センサおよび面取り砥石の間の位置関係、および、第2センサにより測定されたガラス基板の端面の位置に基づいて、面取り砥石の加工補正値を算出することができる。
また、第1センサは、面取り砥石の高さ位置と異なる高さ位置に設けられ、かつ、面取り砥石と共に鉛直方向に移動可能であることが好ましい。また、位置情報取得工程では、第1センサの高さ位置が端面の高さ位置と同じになるように、第1センサの高さ位置が調整されることが好ましい。また、端面加工工程では、面取り砥石の高さ位置が端面の高さ位置と同じになるように、面取り砥石の高さ位置が調整されることが好ましい。
このガラス基板の製造方法では、ガラス基板の端面の位置を第1センサで測定する際において、面取り砥石はガラス基板と異なる高さ位置にあるので、面取り砥石は第1センサによる端面の測定を妨げない。逆に、面取り砥石がガラス基板の端面を加工する際において、第1センサはガラス基板と異なる高さ位置にあるので、第1センサは面取り砥石による端面の加工を妨げない。
本発明に係るガラス基板の製造方法は、ガラス基板の端面加工を、小さいスペースで、かつ、精度良く行うことができる。
実施形態に係るガラス基板の製造工程のフローチャートである。 実施形態に係るガラス基板端面加工装置の平面図である。 実施形態に係るガラス基板端面加工装置の側面図である。 ガラス基板搬送装置が吸着テーブルの上にガラス基板を載置している状態を表す図である。 ガラス基板の端面の加工工程のフローチャートである。 ガラス基板の端面、面取り砥石、第1センサおよび第2センサの位置関係を表す概略図である。 ガラス基板の端面、面取り砥石、第1センサおよび第2センサの位置関係を表す概略図である。 変形例に係る面取り砥石の外観図である。
(1)ガラス基板の製造工程の概略
本発明に係るガラス基板の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。最初に、本実施形態で用いられるガラス基板端面加工装置100によって加工されるガラス基板10の製造工程について説明する。ガラス基板10は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイおよび有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に用いられる。ガラス基板10は、例えば、0.2mm〜0.8mmの厚みを有し、かつ、縦680mm〜2200mmおよび横880mm〜2500mmのサイズを有する。
ガラス基板10の一例として、以下の組成を有するガラスが挙げられる。
(a)SiO2:50質量%〜70質量%、
(b)Al23:10質量%〜25質量%、
(c)B23:5質量%〜18質量%、
(d)MgO:0質量%〜10質量%、
(e)CaO:0質量%〜20質量%、
(f)SrO:0質量%〜20質量%、
(g)BaO:0質量%〜10質量%、
(h)RO:5質量%〜20質量%(Rは、Mg、Ca、SrおよびBaから選択される少なくとも1種である。)、
(i)R’ 2O:0質量%〜2.0質量%(R’は、Li、NaおよびKから選択される少なくとも1種である。)、
(j)SnO2、Fe23およびCeO2から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物。
なお、上記の組成を有するガラスは、0.1質量%未満の範囲で、その他の微量成分の存在が許容される。
図1は、ガラス基板10の製造工程を表すフローチャートの一例である。ガラス基板10の製造工程は、主として、成形工程(ステップS1)と、採板工程(ステップS2)と、切断工程(ステップS3)と、粗面化工程(ステップS4)と、端面加工工程(ステップS5)と、洗浄工程(ステップS6)と、検査工程(ステップS7)と、梱包工程(ステップS8)とからなる。
成形工程S1では、ガラス原料を加熱して得られた熔融ガラスから、ダウンドロー法またはフロート法によって、ガラスシートが連続的に成形される。成形されたガラスシートは、歪みおよび反りが発生しないように温度制御されながら、ガラス徐冷点以下まで冷却される。
採板工程S2では、成形工程S1で成形されたガラスシートが切断されて、所定の寸法を有する素板ガラスが得られる。
切断工程S3では、採板工程S2で得られた素板ガラスが切断されて、製品サイズのガラス基板10が得られる。一般的に、素板ガラスは、カッターまたはレーザを用いて切断される。
粗面化工程S4では、切断工程S3で得られたガラス基板10の表面粗さを増加させる粗面化処理が行われる。ガラス基板10の粗面化処理は、例えば、フッ化水素を含むエッチャントを用いるウエットエッチングである。
端面加工工程S5では、粗面化工程S4で粗面化処理が行われたガラス基板10の端面加工が行われる。端面加工は、例えば、ガラス基板10の端面の面取り加工、および、ガラス基板10のコーナーカットである。
洗浄工程S6では、端面加工工程S5で端面加工処理が行われたガラス基板10が洗浄される。ガラス基板10には、素板ガラスの切断、および、ガラス基板10の端面加工によって生じた微小なガラス片や、雰囲気中に存在する有機物等の異物が付着している。ガラス基板10の洗浄によって、これらの異物が除去される。
検査工程S7では、洗浄工程S6で洗浄されたガラス基板10が検査される。具体的には、ガラス基板10の形状が測定され、ガラス基板10の欠陥が光学的に検知される。ガラス基板10の欠陥は、例えば、ガラス基板10の表面に存在する傷およびクラック、ガラス基板10の表面に付着している異物、および、ガラス基板10の内部に存在している微小な泡等である。
梱包工程S8では、検査工程S7における検査に合格したガラス基板10が、ガラス基板10を保護するための合紙と交互にパレット上に積層されて、梱包される。梱包されたガラス基板10は、FPDの製造業者等に出荷される。
(2)ガラス基板端面加工装置の構成
図2は、ガラス基板端面加工装置100の平面図である。図3は、図2に示される矢印IIIの方向から見た、ガラス基板端面加工装置100の側面図である。ガラス基板端面加工装置100は、端面加工工程S5において、水平状態のガラス基板10の端面を面取り加工するための装置である。ガラス基板端面加工装置100は、主として、ガラス基板搬送装置20と、吸着テーブル30と、一対の面取り砥石40,42と、一対の第1センサ50,52と、一対の第2センサ60,62と、一対の移動機構70,72と、研削液供給装置80と、水供給装置90と、制御装置(図示せず)とから構成される。
ガラス基板端面加工装置100によって加工されるガラス基板10は、長方形の形状を有する。ガラス基板10は、その長辺に平行な端面11,12、および、その短辺に平行な端面13,14を有する。
図2に示されるように、ガラス基板10の表面に平行な平面上に、X軸およびY軸からなる二次元の直交座標系を設定する。X軸およびY軸を含む平面に直交し、かつ、鉛直方向上向きであるZ軸を設定する。X軸の向きは、一対の第1センサ50,52から一対の第2センサ60,62に向かう方向であり、Y軸の向きは、第1センサ50から第1センサ52に向かう方向である。
以下、ガラス基板端面加工装置100がガラス基板10の長辺に平行な端面11,12を面取り加工する工程について説明する。しかし、以下の説明は、ガラス基板端面加工装置100がガラス基板10の短辺に平行な端面13,14を面取り加工する工程にも適用することができる。
(2−1)ガラス基板搬送装置
ガラス基板搬送装置20は、ガラス基板10を搬送するロボットである。ガラス基板搬送装置20は、ガラス基板10を搬送して、ガラス基板10を吸着テーブル30の上に載置し、または、吸着テーブル30の上に載置されているガラス基板10を持ち上げて、ガラス基板10を搬送する。
図4は、ガラス基板搬送装置20が吸着テーブル30の上にガラス基板10を載置している状態を表す図である。ガラス基板搬送装置20は、複数の歯を有する櫛型のロボットハンド22を有する。ロボットハンド22は、ガラス基板10の下面を吸着して保持することができる。ガラス基板搬送装置20は、ガラス基板10を保持しているロボットハンド22の位置を変更したり、水平面に平行な面内において回転させたりすることができる。ガラス基板搬送装置20は、図4に示されるように、ロボットハンド22の歯を、吸着テーブル30の支持ピン32の間に挿入することができる。
(2−2)吸着テーブル
吸着テーブル30は、図4に示されるように、複数の支持ピン32を有している。支持ピン32は、X軸方向およびY軸方向に沿って所定の間隔を空けて吸着テーブル30の上面に取り付けられる。吸着テーブル30の上面には、吸着テーブル30の上に載置されたガラス基板10の下面を吸着するための多数の吸引孔(図示せず)が形成されている。吸着テーブル30は、吸引孔の吸引による吸着力によって、載置されたガラス基板10を固定する。吸着テーブル30の上面は長方形の形状を有する。吸着テーブル30の上面の長辺は、X軸に平行であり、吸着テーブル30の上面の短辺は、Y軸に平行である。吸着テーブル30の上面の長辺および短辺の長さは、それぞれ、ガラス基板10の表面の、X軸に平行な辺、および、Y軸に平行な辺の長さより、5mm〜8mm短い。
ガラス基板搬送装置20が、ガラス基板10を吸着テーブル30の上に載置する過程について説明する。最初に、ロボットハンド22の歯が支持ピン32の間に位置するように、ガラス基板10を保持しているロボットハンド22を下降させる。ロボットハンド22は、支持ピン32がガラス基板10の下面と接する高さ位置まで下降する。次に、ロボットハンド22によるガラス基板10の吸着を解除する。これにより、ガラス基板10は、支持ピン32のみによって支持されている状態となる。次に、ロボットハンド22を水平に移動させて、ロボットハンド22を支持ピン32の間から抜き出す。次に、支持ピン32を下降させて、ガラス基板10を吸着テーブル30の上に載置する。次に、吸引孔の吸引によって、ガラス基板10を吸着テーブル30の上に固定する。
ガラス基板搬送装置20が、吸着テーブル30の上に載置されているガラス基板10を取り出す過程について説明する。最初に、吸引孔の吸引を解除し、支持ピン32を上昇させて、ガラス基板10を支持ピン32のみによって支持する。次に、ロボットハンド22を水平方向に移動させて、吸着テーブル30の支持ピン32の間に挿入する。次に、ロボットハンド22によるガラス基板10の吸着を開始し、ロボットハンド22を上昇させて、ガラス基板10を持ち上げる。次に、ロボットハンド22の動作によって、ガラス基板10を後工程に搬送する。
(2−3)面取り砥石
一対の面取り砥石40,42は、それぞれ、ガラス基板10の端面11,12を面取りするための研削ホイールである。面取り砥石40,42は、それぞれ、移動機構70,72に取り付けられている。
面取り砥石40,42は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に沿って移動可能である。面取り砥石40,42のX軸方向およびY軸方向の位置は、それぞれ、移動機構70,72によって調節される。面取り砥石40,42のZ軸方向の位置は、それぞれ、移動機構70,72に設けられるサーボアクチュエータ(図示せず)によって、任意に調節することができる。
面取り砥石40,42は、例えば、ダイヤモンドホイール、および、樹脂結合研磨ホイールである。ダイヤモンドホイールは、例えば、ダイヤモンド砥粒を、鉄を含む金属系の結合剤で固めた研削ホイールである。ダイヤモンド砥粒は、例えば、粒度が♯400であるダイヤモンド砥粒である。樹脂結合研磨ホイールは、例えば、通常用いられる砥粒を、柔軟性および弾性を有する樹脂系の結合剤で固めた研削ホイールである。砥粒の粒度は、例えば、JIS R6001−1987で規定される♯300〜♯500程度である。
(2−4)第1センサ
一対の第1センサ50,52は、それぞれ、ガラス基板10の端面11,12の位置を測定するセンサである。以下、端面11,12の位置は、端面11,12にある測定ポイントの、X軸方向の位置およびY軸方向の位置で表される。第1センサ50,52は、それぞれ、移動機構70,72に取り付けられている。
第1センサ50,52は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に沿って移動可能である。第1センサ50,52のX軸方向およびY軸方向の位置は、それぞれ、移動機構70,72によって調節される。第1センサ50,52のZ軸方向の位置は、それぞれ、移動機構70,72に設けられるサーボアクチュエータ(図示せず)によって、任意に調節することができる。
第1センサ50,52は、接触型のセンサである。端面11,12の位置を測定するために、最初に、第1センサ50,52の高さ位置(すなわち、Z軸方向の位置)が、ガラス基板10の端面11,12の高さ位置に調節される。次に、第1センサ50,52の先端部が、ガラス基板10の端面11,12と接触するように、第1センサ50,52のY軸方向の位置が調節される。次に、ガラス基板10の端面11と接触している第1センサ50,52の先端部の座標が測定される。「座標」は、X軸方向の位置およびY軸方向の位置から構成される。
第1センサ50,52は、図2に示されるように、ガラス基板10の端面11,12の一方の端部の近傍において、端面11,12の位置を測定する。一方、第2センサ60,62は、図2に示されるように、ガラス基板10の端面11,12の他方の端部の近傍において、端面11,12の位置を測定する。
(2−5)第2センサ
一対の第2センサ60,62は、それぞれ、ガラス基板10の端面11,12の位置を測定するセンサである。第2センサ60,62は、それぞれ、移動機構70,72から独立して移動可能である。第2センサ60,62は、図3に示されるように、床19に設置されているエアシリンダー64に取り付けられている。なお、エアシリンダー64は、吸着テーブル30の基部に取り付けられている支持部材によって支持されていてもよい。
第2センサ60,62は、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能である。第2センサ60,62のY軸方向の位置は、第2センサ60,62に接続されているサーボアクチュエータ(図示せず)によって、高速モードまたは低速モードで調節される。第2センサ60,62のZ軸方向の位置は、エアシリンダー64によって調節される。
第2センサ60,62は、接触型のセンサである。端面11,12の位置を測定するために、最初に、第2センサ60,62の高さ位置が、ガラス基板10の端面11,12の高さ位置に調節される。次に、第2センサ60,62の先端部が、ガラス基板10の端面11,12と接触するように、第2センサ60,62のY軸方向の位置が調整される。次に、ガラス基板10の端面11と接触している第2センサ60,62の先端部の座標が測定される。
(2−6)移動機構
一対の移動機構70,72は、X軸方向およびY軸方向に沿って移動可能なユニットである。移動機構70は、面取り砥石40および第1センサ50が取り付けられるユニットである。移動機構72は、面取り砥石42および第1センサ52が取り付けられるユニットである。移動機構70において、第1センサ50の高さ位置は、面取り砥石40の高さ位置と異なっている。移動機構72において、第1センサ52の高さ位置は、面取り砥石42の高さ位置と異なっている。
移動機構70,72は、それぞれ、上述のサーボアクチュエータによって、面取り砥石40,42のZ軸方向の位置、および、第1センサ50,52のZ軸方向の位置を、独立に調節することができる。移動機構70,72は、それぞれ、面取り砥石40,42に対する、第1センサ50,52のX軸方向およびY軸方向の相対的な位置を固定する。そのため、面取り砥石40と第1センサ50との間のX軸方向およびY軸方向の距離、および、面取り砥石42と第1センサ52との間のX軸方向およびY軸方向の距離は、不変であり、予め設定されている。
(2−7)研削液供給装置
研削液供給装置80は、図2に示されるように、ガラス基板10の側方、かつ、面取り砥石40,42の近傍に設置され、ガラス基板10の端面11,12に向かって、研削液を吹きかける装置である。研削液は、例えば、水、界面活性剤が添加された水、その他の薬剤が添加された水である。なお、研削液として、洗浄工程S6の後においてガラス基板10に残留するおそれがある液体、および、ガラス基板端面加工装置100の劣化を促進させるおそれがある液体は用いられない。図2および図3において示されていないが、ガラス基板10の上方には、ガラス基板10の表面に研削液が付着することを防止するためのカバーが設置されている。
研削液は、表面張力が小さいので、ガラス基板10の端面11,12と、面取り砥石40,42との接触部である研削点に入り込みやすい。そのため、研削液は、ガラス基板10の研削により発生したガラス微粒子等の異物を洗い流す効果を有する。また、研削液は、摩擦により高温になりやすい研削点を冷却する効果を有する。なお、洗浄工程S6で用いられる界面活性剤を研削液として使用する場合、ガラス基板10の表面に研削液が付着して泡残りが発生しても、接触式センサである第1センサ50,52および第2センサ60,62は、ガラス基板10の端面11,12の位置を精度良く測定することができる。
(2−8)水供給装置
水供給装置90は、図3に示されるように、ガラス基板10の上方に設置され、ガラス基板10の端面11,12に向かって、水を吹きかける装置である。ガラス基板10の端面11,12が面取り砥石40,42によって加工されることで、ガラスの微小片であるカレットが端面11,12から飛散する。水供給装置90は、ガラス基板10の表面の内側から端面11,12に向かって水を噴出して、水の膜を形成する。これにより、水供給装置90は、ガラス基板10の表面の内側に向かって飛散するカレットの量を低減することができる。従って、水供給装置90は、ガラス基板10の表面に付着するカレットの量を抑えることができる。
(2−9)制御装置
制御装置は、例えば、ガラス基板端面加工装置100の動作を制御するコンピュータである。制御装置は、ガラス基板搬送装置20、吸着テーブル30、一対の面取り砥石40,42、一対の第1センサ50,52、一対の第2センサ60,62、一対の移動機構70,72および研削液供給装置80の動作を個別に制御する。次に、制御装置によって、ガラス基板端面加工装置100がガラス基板10の端面11,12を面取り加工する工程について説明する。
(3)ガラス基板端面加工装置の動作
図5は、ガラス基板端面加工装置100がガラス基板10の端面11,12を面取り加工する工程を表すフローチャートである。図6および図7は、ガラス基板10の端面11、面取り砥石40、第1センサ50および第2センサ60の位置関係を表す概略図である。以下、第1センサ50および第2センサ60が、ガラス基板10の端面11の位置を測定して、面取り砥石40が端面11を面取りする一連の工程について、図6および図7を参照しながら説明する。以下の説明は、第1センサ52および第2センサ62が、ガラス基板10の端面12の位置を測定して、面取り砥石42が端面12を面取りする一連の工程にも適用することができる。
最初に、ステップS11において、ガラス基板搬送装置20が、ガラス基板10を、吸着テーブル30の上に移送する。吸着テーブル30の上に載置されたガラス基板10は、位置調整されることなく、吸着テーブル30の上面に形成される多数の吸引孔の吸着力によって、吸着テーブル30に固定される。
次に、ステップS12において、第1センサ50および第2センサ60によって、ガラス基板10の端面11の位置が測定される。具体的には、最初に、第1センサ50および第2センサ60の高さ位置(Z軸方向の位置)を、ガラス基板10の高さ位置に調節し、かつ、面取り砥石40がガラス基板10と接触しないように、面取り砥石40の高さ位置を、ガラス基板10より上方または下方の高さ位置に調節する。次に、第1センサ50および第2センサ60をY軸方向に移動させて端面11に接触させることで、第1センサ50の先端部が端面11と接触する第1ポイントP1の座標、および、第2センサ60の先端部が端面11と接触する第2ポイントP2の座標を測定する。
次に、ステップS13において、ステップS12で測定されたガラス基板10が、ガラス基板10の各製造ロットの最初のガラス基板10であるか否かが判断される。ガラス基板10が、各製造ロットの最初のガラス基板10である場合、ステップS14に進む。ガラス基板10が、各製造ロットの最初のガラス基板10でない場合、ステップS15に進む。
次に、ステップS14において、第1センサ50の位置情報と、第2センサ60の位置情報とを関連付ける。ステップS14は、ガラス基板10の各製造ロットの開始時に、1回だけ行われる工程である。ステップS14では、最初に、第2センサ60の高さ位置を下げ、第1センサ50をX軸方向に移動させて、第2センサ60のX軸方向の位置と同じ位置まで、第1センサ50を移動させる。次に、第1センサ50をY軸方向に移動させて、第2センサ60のY軸方向の位置と同じ位置まで、第1センサ50を移動させる。この状態において、第1センサ50の先端部の座標を測定して、第1センサ50の位置情報と、第2センサ60の位置情報とを関連付ける。このとき、第1センサ50の座標、すなわち、X軸方向の位置およびY軸方向の位置は、第2センサ60の座標と同じである。そのため、以降、第1センサ50および第2センサ60を移動させても、第1センサ50と第2センサ60との間の相対的な位置、すなわち、距離を常に取得することができる。なお、ステップS14において各製造ロットの開始時に第1センサ50と第2センサ60との関連付けを行うだけではなく、所定の数のガラス基板10を加工した時点、または、製造ロットの開始から所定の時間が経過した時点においても、第1センサ50と第2センサ60との関連付けを行ってもよい。
次に、ステップS15において、加工補正値Dを算出して、ガラス基板10の端面11を面取り砥石40で面取り加工するために必要な加工開始位置および加工終了位置を算出する。加工補正値Dは、面取り砥石40をY軸方向に沿って加工開始位置まで移動させるために必要な距離である。
加工補正値Dを算出するために、最初に、X軸およびY軸を含む面内に、ゼロ基準線ZLを設定する。ゼロ基準線ZLは、面取り砥石40をY軸方向に沿って加工補正値Dだけ移動させる際の基準である。ゼロ基準線ZLは、図6および図7に示されるように、面取り砥石40の外周に位置する第3ポイントP3と、第1ポイントP1とを連結する線である。第3ポイントP3は、面取り砥石40が加工する端面11の反対側の端面12に最も近いポイントである。図6および図7において、ゼロ基準線ZLは、X軸に平行であるが、X軸に平行でなくてもよい。ゼロ基準線ZLの向きは、移動機構70に取り付けられる面取り砥石40と第1センサ50との間の位置関係によって決まる。
加工補正値Dを算出するために、次に、図6および図7に示される第1距離L1、第2距離L2および第3距離L3を求める。第1距離L1は、第1センサ50と第2センサ60との間のX軸方向の距離である。具体的には、第1距離L1は、第1ポイントP1と第2ポイントP2との間のX軸方向の距離である。第1距離L1は、ステップS14において第1センサ50の位置情報と第2センサ60の位置情報とが関連付けられているので、計算により容易に求めることができる。第2距離L2は、第1センサ50と面取り砥石40との間のX軸方向の距離である。具体的には、第2距離L2は、第1ポイントP1と第3ポイントP3との間のX軸方向の距離である。X軸方向およびY軸方向において、第1センサ50と面取り砥石40との間の距離は一定であるので、第2距離L2は、予め得ることができる。第3距離L3は、図6および図7に示される第4ポイントP4と、第2ポイントP2との間のY軸方向の距離である。第4ポイントP4は、第2センサ60のX軸方向の位置における、ゼロ基準線ZL上の座標である。第3距離L3は、ステップS14において第1センサ50の位置情報と第2センサ60の位置情報とが関連付けられているので、計算により容易に求めることができる。また、図6および図7に示されるように、面取り砥石40による加工開始位置である第5ポイントP5を定義する。第5ポイントP5は、端面11の延長線上11aに位置し、第3ポイントP3のX軸方向の位置と同じX軸方向の位置を有するポイントである。第5ポイントP5は、計算により容易に求めることができる。
図6および図7において、第1ポイントP1,第2ポイントP2および第4ポイントP4からなる三角形T1と、第1ポイントP1,第3ポイントP3および第5ポイントP5からなる三角形T2は、互いに相似である。そのため、計算によって、第3ポイントP3と第5ポイントP5との間の距離である加工補正値Dを算出することができる。具体的には、加工補正値Dは、第2距離L2に第3距離L3を乗じた値を、第1距離L1で除することによって算出される。なお、算出された加工補正値Dに、さらに、面取り砥石40による研削加工の研削代が加えられてもよい。研削代は、例えば、数μm〜100μmである。
次に、ステップS16において、ステップS15で算出された加工補正値Dに基づいて、面取り砥石40の位置を補正する。具体的には、最初に、面取り砥石40の高さ位置を、ガラス基板10の高さ位置に調節し、同時に、第1センサ50がガラス基板10と接触しないように、第1センサ50の高さ位置を、ガラス基板10より上方または下方の高さ位置に調節する。また、第2センサ60がガラス基板10と接触しないように、第2センサ60の高さ位置を、ガラス基板10より上方または下方の高さ位置に調節する。次に、面取り砥石40をY軸方向に沿って加工補正値Dだけ移動させる。これにより、面取り砥石40の第3ポイントP3の位置は、端面11の加工開始位置である第5ポイントP5になる。
次に、ステップS17において、面取り砥石40を、加工開始位置である第5ポイントP5から、加工終了位置である第2ポイントP2まで移動させて、端面11の研削加工を行う。このとき、端面11と面取り砥石40との接触部には、研削液供給装置80によって研削液が供給される。
なお、ガラス基板10の端面11の反対側の端面12を面取り砥石42で面取りする一連の工程において算出される加工補正値は、端面11を面取り砥石40で面取りする上記の工程において算出された加工補正値Dと、符号のみが異なり、かつ、絶対値が等しい関係にある。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係るガラス基板端面加工装置100は、最初に、位置調整せずに吸着テーブル30上にガラス基板10を固定し、次に、ガラス基板10の端面11,12の位置を測定し、次に、端面11,12を面取り砥石40,42で研削して面取り加工する。端面11,12の面取り加工は、端面11,12と面取り砥石40,42との接触部に研削液を供給することによって、ウエットの環境下で行われる。端面11,12の位置を測定する第1センサ50,52および第2センサ60,62は、接触式のセンサである。そのため、第1センサ50,52および第2センサ60,62に研削液が付着しても、その検出精度は低下しない。
ガラス基板端面加工装置100は、ウエットの環境下でガラス基板10の端面11,12の面取り加工を行う際に、ガラス基板10の端面11,12の位置の測定と、ガラス基板10の端面11,12の加工とを、同じ吸着テーブル30上で行うことができる。従って、ガラス基板端面加工装置100は、少ないスペースにおいて、ガラス基板10の端面11,12の面取りを行うことができる。
(4−2)
本実施形態に係るガラス基板端面加工装置100は、第1センサ50,52および第2センサ60,62を用いて、ガラス基板10の端面11,12の加工開始位置および加工終了位置を予め算出する。その際、面取り砥石40,42をY軸方向に沿って加工開始位置まで移動させるために必要な距離である加工補正値が算出される。そして、端面11,12の加工前に、面取り砥石40,42をY軸方向に沿って加工補正値だけ移動させることで、面取り砥石40,42を加工開始位置に設定することができる。これにより、ガラス基板端面加工装置100は、面取り砥石40,42を加工開始位置から加工終了位置まで移動させることで、ガラス基板10の端面11,12を精度良く加工することができる。
次に、図6および図7を参照しながら、ガラス基板端面加工装置100が、面取り砥石40をY軸方向に沿って加工補正値Dだけ移動させることで、面取り砥石40の第3ポイントP3を加工開始位置である第5ポイントP5に設定する工程について、具体的に説明する。
図6は、ゼロ基準線ZLに対して、ガラス基板10の端面11が、時計回りに角度θだけ傾いている例を表す図である。この場合、端面11の加工開始位置である第5ポイントP5は、位置補正前の面取り砥石40の第3ポイントP3よりも、Y軸の正の方向に向かって、加工補正値Dだけ離れている。そのため、位置補正前の面取り砥石40は、端面11と接触することができないので、端面11を面取りすることができない。しかし、面取り砥石40のY軸方向の位置を、Y軸の正の方向に向かって、加工補正値Dだけ移動させることで、面取り砥石40は、加工開始位置である第5ポイントP5に接触することができる。これにより、ガラス基板10の端面11は、面取り砥石40によって確実に研磨される。
一方、図7は、ゼロ基準線ZLに対して、ガラス基板10の端面11が、反時計回りに角度θだけ傾いている例を表す図である。この場合、端面11の加工開始位置である第5ポイントP5は、位置補正前の面取り砥石40の第3ポイントP3よりも、Y軸の負の方向に向かって、加工補正値Dだけ離れている。そのため、位置補正前の面取り砥石40は、端面11を必要以上に研削して、ガラス基板10を破損するおそれがある。しかし、面取り砥石40のY軸方向の位置を、Y軸の負の方向に向かって、加工補正値Dだけ移動させることで、面取り砥石40は、加工開始位置である第5ポイントP5に接触することができる。これにより、ガラス基板10の端面11は、面取り砥石40によって適切に研磨される。
(4−3)
本実施形態に係るガラス基板端面加工装置100では、ガラス基板10の端面11,12を研削する面取り砥石40,42は、例えば、ダイヤモンドホイール、および、樹脂結合研磨ホイールであるが、樹脂結合研磨ホイールが特に好ましい。樹脂結合研磨ホイールは、端面加工工程S5のような、ガラス基板10の中仕上げに特に有効である。
樹脂結合研磨ホイールは、ガラス基板10の脆性破壊層および加工変質層を効果的に除去することができる。そして、ガラス基板端面加工装置100は、ガラス基板10の脆性破壊層および加工変質層を除去しつつ、新たに生成しないようにするために、ガラス基板10の端面11,12の加工開始位置および加工終了位置を正確に算出して、面取り砥石40,42による研削量および研削圧力を抑えることができる。
(5)変形例
以上、本発明に係るガラス基板の製造方法について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および変更が施されてもよい。
本実施形態では、面取り砥石40,42は、例えば、ダイヤモンドホイール、および、樹脂結合研磨ホイールである。しかし、面取り砥石は、図8に示されるように、共通の回転軸150を有するダイヤモンドホイール140aおよび樹脂結合研磨ホイール140bが、回転軸方向に沿って連結している二段構成を有する面取り砥石140であってもよい。
本変形例では、面取り砥石140がガラス基板10の端面11,12の研削加工を行う端面加工工程は、砥粒を第1結合剤で固めた第1研削ホイールを用いてガラス基板10の端面11,12を研削する第1研削工程と、第1研削工程の後、砥粒を第1結合材よりも硬度および剛性が低い第2結合剤で固めた第2研削ホイールを用いてガラス基板10の端面11,12を研削する第2研削工程とを有する。なお、ガラス基板10の端面11,12は、JIS B 0601−1994で規定される算術平均粗さRaが0.2μm未満、好ましくは0.1μm未満になるように、端面加工される。
図8に示される二段構成の面取り砥石140による端面加工工程では、最初に、ダイヤモンドホイール140aを用いてガラス基板10の端面11,12を一端から他端へ加工する第1研削工程を行い、次に、面取り砥石140の高さ位置を変えて、樹脂結合研磨ホイール140bを用いてガラス基板10の端面11,12を他端から一端へ加工する第2研削工程を行う。
本変形例では、算出された加工補正値Dにより、ダイヤモンドホイール140aによるガラス基板10の端面11,12の加工工程において、加工によって生じる端面11,12への負荷を小さくして、加工変質層の形成を低減することができる。また、加工補正値Dに基づいて算出された、加工されたガラス基板10の端面11,12の位置情報に基づいて、樹脂結合研磨ホイール140bを用いて、さらにガラス基板10の端面11,12の加工を行うことができる。
本変形例では、ガラス基板10の端面11,12の形状加工後における加工変質層の深さのバラツキを小さくすることができる。すなわち、ダイヤモンドホイール140aにより形成される加工変質層の深さを予め算出しておくことで、樹脂結合研磨ホイール140bの加工ラインを、除去すべき加工変質層の深さに応じて決定することができる。従って、二段構成の面取り砥石140を用いることで、最小限の加工量で、形状加工により生じた加工変質層を除去することができる。
10 ガラス基板
30 吸着テーブル(テーブル)
40,42 面取り砥石
50,52 第1センサ
60,62 第2センサ
100 ガラス基板端面加工装置
D 加工補正値
L1 第1距離
L2 第2距離
L3 第3距離
Y軸 第1軸
X軸 第2軸
特開2011−110648号公報

Claims (5)

  1. テーブルに載置されたガラス基板を前記テーブルに固定する基板固定工程と、
    前記テーブルに固定された前記ガラス基板の端面の位置情報を取得する位置情報取得工程と、
    前記端面を面取り加工するための面取り砥石の加工開始位置および加工終了位置を、前記位置情報に基づいて算出する加工位置算出工程と、
    前記面取り砥石と前記端面との接触部に研削液を供給し、前記加工開始位置から前記加工終了位置に向かって前記面取り砥石を移動させることによって、前記端面を面取り加工する端面加工工程と、
    を備え、
    前記面取り砥石は、前記端面までの距離が変更可能であるように、第1軸に沿って移動可能であり、かつ、前記端面と対向するように、前記第1軸と直交する第2軸に沿って移動可能であり、
    前記位置情報取得工程では、前記面取り砥石に連結され前記面取り砥石と共に移動可能である第1センサと、前記第1軸に沿って移動可能である第2センサとによって、前記端面の複数のポイントの前記位置情報が取得され、
    前記加工位置算出工程では、前記面取り砥石を前記第1軸に沿って前記加工開始位置まで移動させるために必要な距離である加工補正値が算出される、
    ガラス基板の製造方法。
  2. 前記位置情報取得工程では、前記位置情報を取得する前に、前記第1センサを、前記第2軸に沿って、前記第2センサと前記第2軸方向において同じ位置に移動させ、さらに、前記第1センサを用いて前記第1軸方向における前記第2センサの位置を取得することで、前記第1センサによって取得される前記第1軸方向の前記位置情報と、前記第2センサによって取得される前記第1軸方向の前記位置情報とが関連付けられる、
    請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記加工位置算出工程では、前記第1センサと前記第2センサとの間の前記第2軸方向の距離である第1距離、前記第1センサと前記面取り砥石との間の前記第2軸方向の距離である第2距離、および、前記第2センサによって測定され、予め設定された前記端面の基準位置と前記端面の位置との間の前記第1軸方向の距離である第3距離に基づいて、前記加工補正値が算出される、
    請求項1または2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記加工位置算出工程では、前記加工補正値は、前記第2距離に前記第3距離を乗じた値を、前記第1距離で除することによって算出される、
    請求項3に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記第1センサは、前記面取り砥石の高さ位置と異なる高さ位置に設けられ、かつ、前記面取り砥石と共に鉛直方向に移動可能であり、
    前記位置情報取得工程では、前記第1センサの高さ位置が前記端面の高さ位置と同じになるように、前記第1センサの高さ位置が調整され、
    前記端面加工工程では、前記面取り砥石の高さ位置が前記端面の高さ位置と同じになるように、前記面取り砥石の高さ位置が調整される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
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