JP6383981B2 - ガラス板及びガラス板の製造装置並びにガラス板の製造方法 - Google Patents

ガラス板及びガラス板の製造装置並びにガラス板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板及びガラス板の製造装置並びにガラス板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のFPD(Flat Panel Display)に用いられるガラス板は、ガラス板に透明電極、半導体素子が形成される。たとえば、液晶ディスプレイでは、ガラス板に透明電極、TFT(Thin Film Transistor)、CF(Color Filter)等の電子部材が形成される。
ガラス板への電子部材の形成は、ガラス板の第1の表面を吸着ステージに真空吸着によって固定した状態で、第2の表面に対して行われる。しかし、ガラス板の第1の表面は平滑であるため、ガラス板が吸着ステージに強く貼り付いてしまい、無理に剥離しようとすると、ガラス板が破損するという問題があった。また、ガラス板は帯電し易いため、ガラス板を吸着ステージから剥離する際に、ガラス板が帯電して剥離帯電が発生し、電子部材に静電破壊が起こるという問題もあった。
そこで、吸着ステージに貼り付けられるガラス板の第1の表面を粗面化処理し、ガラス板と吸着ステージとの接触面積を小さくして、ガラス板が吸着ステージに強く貼り付くこと、及びガラス板に剥離帯電が発生することを防止したガラス板が特許文献1、2に開示されている。
特許文献1では、ガラス板の第1の表面の平均表面粗さRa(JIS B0601-2001)を、0.8〜2.0nmに規定することが開示され、特許文献2では、ガラス板の第1の表面の平均表面粗さRaを、0.3〜1.5nmに規定することが開示されている。
特許文献1のガラス板は、0.3〜0.5MPaに設定された圧縮空気とともに、液体に研磨砥粒(酸化セリウム)を含有させたスラリーをノズルからガラス板の第1の表面に吹き付けて粗面化処理することにより製造される。
一方、特許文献2のガラス板は、HFを0.05〜5質量%含有する薬液、又はNHFを20質量%以上含有する薬液により化学処理することにより製造される。
ところで、FPD用のガラス板は、複数の工程を経ることにより製造される。
例えば、フロート法によるFPD用のガラス板の製造工程は、大別してガラス板成形工程、研磨工程、洗浄工程、乾燥工程、及び検査工程からなる。また、洗浄工程には、シャワー洗浄工程、ディスクブラシを使用したスラリー洗浄工程、シャワーリンス工程等が設けられている。
特開2008−120638号公報 特開2010−275167号公報
特許文献1、2に開示されたガラス板においても、ガラス板が吸着ステージに強く貼り付くこと、及びガラス板に剥離帯電が発生することを防止できるが、平均表面粗さRaの最大値が2.0nmであるため、吸着ステージの吸着力が大きい場合には、ガラス板が吸着ステージに強く貼り付いたり、ガラス板に剥離帯電が発生したりする場合があった。
また、特許文献1、2のガラス板の製法では、上述したガラス板の製造工程のなかで製造できず、製造工程からガラス板を抜き取って粗面化処理する必要があるので、ガラス板の生産性が悪化するという問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、吸着ステージに対する剥離性を向上させたガラス板及びガラス板の製造装置並びにガラス板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、前記目的を達成するために、第1の表面及び当該第1の表面に対面する第2の表面を有するガラス板において、第1の表面の最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が3.0nm<Rv<5.0nmであることを特徴とするガラス板を提供する。
本発明の一態様は、前記第1の表面は、吸着ステージに接する側となる面であり、前記第2の表面は、電子部材が形成される面であることが好ましい。
本発明の一態様は、ディスプレイ用ガラス板として使用されることが好ましい。
本発明の一態様は、前記第2の表面の解像度が、横1920×縦1080以上であることが好ましい。
ディスプレイ用ガラス板のうち第2の表面の解像度が、横1920×縦1080以上である高精細なディスプレイ用ガラス板は、高精細が故に静電破壊不良が多発していたが、本発明のガラス板は、第1の表面の最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が3.0nm<
Rv<5.0nmであるので、前記吸着ステージに対する剥離性が向上し、静電破壊不良の発生率を低減できる。よって、本発明の一態様は、前記高精細なディスプレイ用ガラス板に有効である。
本発明の一態様は、前記目的を達成するために、ガラス板の相対向する2つの面のうち、第1の表面に研磨材を供給する研磨材供給手段と、前記ガラス板の前記第1の表面に押し当てられるとともに、前記ガラス板の面に直交する軸を中心に回転される研磨具と、を備え、前記ガラス板の第1の表面に前記研磨材供給手段から研磨材を供給しながら、前記研磨具によって前記第1の表面を研削することにより、前記第1の表面における最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が、3.0nm<Rv<5.0nmとなるように、前記第1の
表面を加工することを特徴とするガラス板の製造装置を提供する。
また、本発明の一態様は、前記目的を達成するために、ガラス板の相対向する2つの面のうち、第1の表面に研磨材を供給する研磨材供給手段と、前記ガラス板の前記第1の表面に押し当てられるとともに、前記ガラス板の面に直交する軸を中心に回転される研磨具と、を備えるガラス板の製造装置を用い、前記ガラス板の第1の表面に前記研磨材供給手段から研磨材を供給しながら、前記研磨具によって前記第1の表面を研削することにより、前記第1の表面における最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が、3.0nm<Rv<5.0nmとなるように、前記第1の表面を加工することを含むガラス板の製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、ガラス板の第1の表面に研磨材供給手段から研磨材を供給しながら、研磨具によって第1の表面を研削することにより、第1の表面における最大谷深さRvが、3.0nm<Rv<5.0nmとなるガラス板を製造する。
本発明の一態様によれば、ガラス板の表面の粗さを最大谷深さRvで規定し、最大谷深さRvの範囲は以下の理由により規定した。すなわち、吸着ステージに対する剥離性を保証するためには、最大谷深さRvの最小値が3.0nmを超える必要があることを実験に
て確認した。また、最大谷深さRvが5.0nm未満であれば、ガラス板の面内強度を保
証できることを実験にて確認した。このような理由に基づき、本発明では、3.0nm<Rv<5.0nmと規定した。
これにより、本発明の一態様によれば、吸着ステージに対する剥離性を向上させたガラス板であって、面内強度を保証したガラス板を提供できる。
本発明の一態様は、前記研磨具は、クッション部材の表面に研磨パッドが備えられて構成されることが好ましい。
本発明の一態様によれば、例えば発泡ポリウレタン製の研磨パッドを、ガラス板の第1の表面に押し付けて第1の表面を粗面化処理する。この際、研磨パッドは、例えばスポンジ製のクッション部材の表面に備えられているので、第1の表面のうねりに追従しながら第1の表面を研磨する。これにより、ガラス板の第1の表面を均一な粗さに加工できる。
本発明の一態様は、前記研磨パッドの表面には複数の溝が備えられていることが好ましい。
本発明の一態様によれば、研磨パッドの回転数を制御することにより、研磨パッドの溝によって形成されるガラス板の第1の表面の模様形状を所望の模様形状に制御できる。また、研磨材は、研磨パッドの溝に保持されるので、研磨時による焼き付き等の不具合が防止され、第1の表面の面品質を保持できる。
本発明の一態様は、前記ガラス板の第2の表面に押し当てられて、前記第2の表面を洗浄する洗浄部材が備えられていることが好ましい。
本発明の一態様によれば、研磨パッドによる第1の表面の粗面化処理と、例えばディスクブラシ等の洗浄部材による他方面の洗浄処理とを同時に実施できる。
以上説明したように本発明に係るガラス板及びガラス板の製造装置並びにガラス板の製造方法によれば、吸着ステージに対する剥離性を向上させたガラス板を得ることができる。
実施形態のガラス板の製造装置の全体構成を示した斜視図 図1に示した製造装置の正面図 図1に示した製造装置の底面図 図1の製造装置に用いられた研磨パッドの斜視図 FPD用のガラス板の製造工程の各工程をブロックで示した説明図
以下、添付図面に従って本発明に係るガラス板及びガラス板の製造装置並びにガラス板の製造方法の好ましい実施形態について説明する。
〔ガラス板の製造工程〕
まず、ガラス板の製造工程について、図5を用いて説明する。図5は、FPD用のガラス板の製造工程100の各工程をブロックで示した説明図である。
フロート法によるFPD用のガラス板の製造方法における製造工程100は、ガラス板成形工程102、研磨工程(研磨装置)104、シャワー洗浄工程106、スラリー洗浄工程108、第1の高圧シャワー洗浄工程110、洗剤洗浄工程112、第2の高圧シャワー洗浄工程114、純水洗浄工程116、第3の高圧シャワー洗浄工程118、純水シャワーリンス工程120、最終リンス工程122、乾燥工程(乾燥装置)124、及び検査工程126からなる。なお、ガラス板の製造方法はフロート法に限定されず、フュージョン法及びリドロー法等の他の製造方法であってもよい。
ガラス板成形工程102は、溶融ガラスから帯状の板ガラスを成形する工程と、帯状の板ガラスを所定の矩形状サイズのガラス板に切断する工程とを含む。ガラス板は、研磨工程104にて研磨終了後、検査工程126に至るまでローラコンベアによって水平方向に連続搬送されながら各工程にて所定の処理が施される。そして、最終工程の検査工程126を経たガラス板は、パレットに梱包されて出荷される。
本発明の製造方法における、ガラス板の第1の表面を粗面化処理し、第1の表面の最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が、3.0nm<Rv<5.0nmとなるように加工する工程は、スラリー洗浄工程108にて行われる。すなわち、スラリー洗浄工程108に実施形態のガラス板の製造装置が配置される。この製造装置によって、ガラス板の第1の表面の最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が、3.0nm<Rv<5.0nmとなるようにガラス板の第1の表面が粗面化される。
ガラス板Gの一例として、以下の組成を有するガラスが挙げられる。
酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO:50〜73%
Al:10〜27%
:0〜12%
MgO:0〜10%
CaO:0〜15%
SrO:0〜24%
BaO:0〜15%
MgO+CaO+SrO+BaO:8〜29.5%
ZrO:0〜5%
を含有する無アルカリガラス。
ガラス板Gの厚さは特に限定されず、0.7mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.3mm以下がさらに好ましい。
〔製造装置10の構成〕
図1は、実施形態の製造装置10の全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した製造装置10の正面図、図3は、図1に示した製造装置10の底面図である。
製造装置10は、図2、図3の如くガラス板Gの下面G1(第1の表面)に押圧当接される複数の研磨具12と、図2の如く研磨材である酸化セリウム水溶液(スラリー)14を下面G1に供給する下段ノズル(研磨材供給手段)16とを備えて構成される。
また、製造装置10には、図1の如くガラス板Gの下面G1(図2参照)が当接される下段ローラ群18と、下段ローラ群18の上方に配置され、かつガラス板Gの下面G1に対面する上面G2(第2の表面)に当接されて下段ローラ群18との間でガラス板Gを厚さ方向に挟み込む上段ピンチローラ群20とを備える。ガラス板Gは、下段ローラ群18の矢印Bで示す方向の回転によって、矢印Aで示す方向に水平状態で搬送される。
下段ローラ群18を構成する複数のローラ22は、直棒状であって円柱状に構成される。また、複数のローラ22は、搬送方向に沿って所定の間隔をもって並設される。一方、上段ピンチローラ群20を構成する複数のローラ24も同様に、直棒状であって円柱状に構成される。また、ローラ24もローラ22と同様に、搬送方向に沿って所定の間隔をもって並設される。
隣接するローラ24とローラ24との間には、複数のディスクブラシ26が搬送方向に直交する方向に配列されている。ディスクブラシ26は、ガラス板Gの上面G2に当接され、かつガラス板Gの上面G2に直交する鉛直方向の回転軸26Aを中心に回転される。
ディスクブラシ26の上方には、図2の如く上段ノズル28が配置され、この上段ノズル28からガラス板Gの上面G2にスラリー30が供給される。
スラリー洗浄工程108では、ガラス板Gの上面G2にスラリー30を供給しながらディスクブラシ26で上面G2を研磨することにより、上面G2に残っているスラリー残渣を除去する。また、ガラス板Gの下面G1にスラリー14を供給しながら研磨具12で研磨することにより、下面G1に残っている額縁状のスラリーを除去し、さらに、下面G1を研磨具12によって粗面化(0.3nm<Rv<0.5nm)する。
なお、ディスクブラシ26は、PVA(ポリビニルアルコール)のスポンジ製で外径70〜100mmの円柱形状である。ディスクブラシ26の回転(自転)速度は、100〜500rpmである。なお、これらの値はあくまで一例である。
製造装置10の複数の研磨具12は、図3の如く下段ローラ群18の隣接する2本のローラ22、22の間に、ガラス板Gの搬送方向に直交する方向に所定の間隔を持って配列される。研磨具12は、ガラス板Gの下面G1に押圧当接され、かつガラス板Gの下面G1に直交する鉛直方向の回転軸12A(図2参照)を中心に回転される。したがって、ガラス板Gの下面G1は、スラリー洗浄工程108(図5参照)を通過中に、スラリー14と回転する複数の研磨具12とによって粗面化(0.3nm<Rv<0.5nm)される。
図4は、研磨具12の構成を示した拡大斜視図である。
研磨具12は、不図示の回転駆動源からの回転力が伝達される円柱状のベース部材32と、ベース部材32の端部(図2では上端部)に取り付けられたスポンジ(クッション部材)34と、スポンジ34の端部(図2では上端部)に貼り付けられた発泡ポリウレタン製の研磨パッド36とから構成され、研磨パッド36がガラス板Gの下面G1に図2の如く押圧当接される。また、図4の如く研磨パッド36の表面には、複数の溝38が交差して備えられている。これらの溝38と溝38を除く平坦部40とによって、研磨パッド36のランドLが形成される。なお、研磨パッド36のD硬度は50以上が好ましく、スポンジ34のA硬度は約20である。また、溝38の本数、幅、間隔を変更することにより、研磨パッド36のランドLの形状を任意に変更できる。
〔製造装置10の作用〕
ガラス板Gの下面G1に対する研磨具12の押し込み量を0.6mm〜1.0mmに設定し、かつ研磨具12の回転数を分速30回転に設定する。その後、下面G1における最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が、3.0nm<Rv<5.0nmとなるように、ガラ
ス板Gの下面G1に下段ノズル16からスラリー14を供給しながら、研磨具12によって下面G1を研削する。なお、前記押し込み量、及び回転数はあくまで一例であり、押し込み量、回転数、研磨パッド36の材質は、ガラス板Gの厚さ、ガラス板の硬度、搬送速度等の他の要因を考慮して決定される。
実施形態では、ガラス板Gの表面の粗さを、平均表面粗さRaではなく、最大谷深さRvで規定した。すなわち、透明電極、半導体素子等の電子部材の形成工程において、吸着ステージに対するガラス板Gの剥離性は、最大谷深さRvが大きくなるに従って向上することを実験にて確認した。また、特許文献1、2のように、平均表面粗さRaのみを規定したガラス板では、剥製性の高いガラス板を安定して得ることができず、吸着ステージの吸着力が高い場合には、吸着ステージに強く張り付いてしまうガラス板が存在したことも実験にて確認した。
一方で、最大谷深さRvの範囲は以下の理由により規定した。すなわち、吸着ステージに対する剥離性を保証するためには、最大谷深さRvの最小値が3.0nmを超える必要
があることを実験にて確認した。また、最大谷深さRvが5.0nm未満であれば、ガラ
ス板Gの面内強度を保証できることを実験にて確認した。このような理由に基づき、最大谷深さRvを、3.0nm<Rv<5.0nmと規定した。
これにより、実施形態の製造装置10によれば、吸着ステージに対する剥離性を向上させたガラス板Gであって、面内強度を保証したガラス板Gを製造できる。
また、実施形態の研磨具12は、スポンジ34の表面に研磨パッド36が備えられて構成される。この研磨具12によれば、発泡ポリウレタン製の研磨パッド36を、ガラス板Gの下面G1に押し付けて下面G1を粗面化処理する。この際、研磨パッド36は、スポンジ34の表面に備えられているので、下面G1のうねりに追従しながら下面G1を研磨する。これにより、ガラス板Gの下面G1を均一な粗さに加工できる。
更に、研磨パッド36の表面には複数の溝38が備えられているので、研磨パッド36の回転数を制御することにより、溝38によって形成されるガラス板Gの下面G1の模様形状を所望の模様形状に制御できる。また、スラリー14は、溝38に保持されるので、研磨時による焼き付き等の不具合が防止され、下面G1の面品質を保持できる。
更にまた、製造装置10によれば、研磨パッド36による下面G1の粗面化処理と、ディスクブラシ26による上面G2の洗浄処理とを同時に実施できる。
更にまた、実施形態の製造装置10は、ディスプレイ用ガラス板のうち第2の表面の解像度が、横1920×縦1080以上である高精細なディスプレイ用ガラス板に有効である。高精細なディスプレイ用ガラス板は、高精細が故に静電破壊不良が多発していたが、実施形態のガラス板Gは、第1の表面の最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が3.0n
m<Rv<5.0nmであるので、吸着ステージに対する剥離性が向上し、静電破壊不良の発生率を低減できるからである。
なお、実施形態では、ガラス板Gの製造工程のスラリー洗浄工程108に製造装置10を組込んだ例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、ガラス板Gを連続搬送することなく、固定した状態で粗面化処理する製造装置であってもよい。つまり、ガラス板Gを枚葉処理する製造装置であってもよい。
また、スラリー14、30の供給手段はノズルに限定されず、従来の研磨パッドのように、研磨パッドを貫通する孔から供給してもよい。また、研磨パッド36による粗面化処理は、スラリー洗浄と同時に実施することに限定されず、粗面化処理を単独で実施してもよい。また、図2では、隣接する2つのディスクブラシ26の間の真下に研磨具12を配置したが、ディスクブラシ26の真下に研磨具12を配置してもよい。
〈ガラス板Gの表面粗さの測定方法の一例〉
測定装置として、光干渉を用いた非接触表面形状計測装置を使用した。非接触表面形状計測装置とは、ガラス板Gの表面粗さを、低コヒーレンス干渉の原理を利用して非接触で精密に測定する装置である。非接触表面形状計測装置による測定方法は、スペクトル波長が広い白色光源、いわゆる低コヒーレンス光源から放射される白色光を測定光と参照光とに分割し、測定光をガラス板Gの表面に照射し、ガラス板Gの表面で反射した測定光と参照光とを干渉させることにより、測定光を照射したガラス板Gの表面における粗さを測定するものである。
測定箇所は、少なくとも1つの任意の領域、好ましくは2つ以上の任意領域とした。測定領域の形状を、短辺が70μmで長辺が100μmの矩形状とした。測定領域が1点の場合はその測定値を代表値とし、2点以上の場合はその平均値を代表値とした。
下記表1のNo.1〜No.3は、ガラス板の最大谷深さRv、帯電性、及び面内強度の測定結果を示している。ガラス板は、厚さ0.7mmの無アルカリガラス(旭硝子株式会社製、AN100(商品名))である。
帯電性の測定は、吸着ステージに吸着されているガラス板を、吸着ステージから剥離したときのガラス板の帯電量を測定した。ガラス板表面の最大帯電量の絶対値が小さい順に、「A」、「B」、「C」で表される。
面内強度の測定は、ボールオンリング法により測定した。ガラス板は、下面G1を下向きにして円環状のリングに載せ、リングの中心線上に中心が配置されるボールで上方からガラス板を押圧した。なお、リングの上端縁の直径は30mm、ボールの直径は10mmとした。ガラス板の面内強度が大きい順に、「A」、「B」で表される。
No.1は粗面化処理されていないガラス板であり、No.2及びNo.3は研磨パッドが備えられた研磨具によって、下面G1が粗面化処理されたガラス板であり、No.2及びNo.3の違いは研磨パッドのD硬度である。No.4は、No.1〜No.3の測定結果に基づいて、面内強度がディスプレイ用ガラス板の所望強度を満たさないときの帯電性及び最大谷深さRvを算出した結果である。
No.1〜No.3における平均表面粗さRaは0.3〜1.5nmであったが、表1に示されるように、No.1、No.2、及びNo.4の最大谷深さRvは3.0nm<Rv<5.0nmの範囲になかった。表1に示されるように、低い帯電性及び高い面内強度のものは、No.3であり、最大谷深さRvが3.0nm<Rv<5.0nmであった。
Figure 0006383981
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
G…ガラス板、10…製造装置、12…研磨具、14…スラリー、16…下段ノズル、18…下段ローラ群、20…上段ピンチローラ群、22…ローラ、24…ローラ、26…ディスクブラシ、28…上段ノズル、30…スラリー、32…ベース部材、34…スポンジ、36…研磨パッド、38…溝、40…平坦部、100…製造工程、102…ガラス板成形工程、104…研磨工程、106…シャワー洗浄工程、108…スラリー洗浄工程、110…第1の高圧シャワー洗浄工程、112…洗剤洗浄工程、114…第2の高圧シャワー洗浄工程、116…純水洗浄工程、118…第3の高圧シャワー洗浄工程、120…純水シャワーリンス工程、122…最終リンス工程、124…乾燥工程、126…検査工程

Claims (7)

  1. 第1の表面及び当該第1の表面に対面する第2の表面を有するガラス板において、
    第1の表面の最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が3.0nm<Rv<5.0nmであり、
    前記第1の表面は、吸着ステージに接する側となる面であり、
    前記第2の表面は、電子部材が形成される面であることを特徴とするガラス板。
  2. ディスプレイ用ガラス板として使用される請求項に記載のガラス板。
  3. 前記第2の表面の解像度が、横1920×縦1080以上である請求項に記載のガラス板。
  4. ガラス板の相対向する2つの面のうち、第1の表面に研磨材を供給する研磨材供給手段と、
    前記ガラス板の前記第1の表面に押し当てられるとともに、前記ガラス板の面に直交する軸を中心に回転される研磨具と、
    を備え、
    前記ガラス板の第1の表面に前記研磨材供給手段から研磨材を供給しながら、前記研磨具によって前記第1の表面を研削することにより、前記第1の表面における最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が、3.0nm<Rv<5.0nmとなるように、前記第1の表面を加工し、
    前記ガラス板の第2の表面に押し当てられて、前記第2の表面を洗浄する洗浄部材が備えられていることを特徴とするガラス板の製造装置。
  5. 前記研磨具は、クッション部材の表面に研磨パッドが備えられて構成される請求項に記載のガラス板の製造装置。
  6. 前記研磨パッドの表面には複数の溝が備えられている請求項に記載のガラス板の製造装置。
  7. ガラス板の相対向する2つの面のうち、第1の表面に研磨材を供給する研磨材供給手段と、
    前記ガラス板の前記第1の表面に押し当てられるとともに、前記ガラス板の面に直交する軸を中心に回転される研磨具と、
    を備えるガラス板の製造装置を用い、
    前記ガラス板の第1の表面に前記研磨材供給手段から研磨材を供給しながら、前記研磨具によって前記第1の表面を研削することにより、前記第1の表面における最大谷深さRv(JIS B 0601-2013)が、3.0nm<Rv<5.0nmとなるように、前記第1の表面を加工し、
    前記ガラス板の第2の表面に洗浄部材を押し当てて、前記第2の表面を洗浄することを特徴とするガラス板の製造方法。
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