JP2014089111A - ディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置、および、ガラス基板の製造方法 - Google Patents

ディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置、および、ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板の推定無重力下における形状を効率的に測定することができるディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置、および、ガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置100は、基板浮上ユニット20と、形状測定ユニット30と、形状算出ユニット40とを備える。基板浮上ユニット20は、ガラス基板10の下面に気体を吹き付けてガラス基板10を浮上させる。形状測定ユニット30は、浮上しているガラス基板10の形状を測定する。形状算出ユニット40は、仮想ガラス基板の形状を算出し、かつ、形状測定ユニット30によって測定されたガラス基板10の形状と、仮想ガラス基板の形状とに基づいて、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出する。仮想ガラス基板は、平面度がゼロである表面を有する仮想的なガラス基板である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置、および、ガラス基板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス基板は、例えば、オーバーフローダウンドロー法によって製造される。オーバーフローダウンドロー法では、成形体に流し込まれてオーバーフローした熔融ガラスが、成形体の表面を伝って流下し、成形体の下端の近傍で合流して、ガラスシートに成形される。成形されたガラスシートは、下方に引き延ばされながら冷却され、所定のサイズに切断されてガラス基板が製造される。ガラス基板は、端面加工工程、表面洗浄工程および検査工程等を経て、梱包されて出荷される。
オーバーフローダウンドロー法によって製造されるガラス基板の表面には、位置に応じて、様々な方向および大きさを有する応力が作用している。そのため、ガラス基板は、その表面に作用する応力によって生じるガラス基板の反りおよび歪みに起因する固有の形状を有している。平面度がゼロの仮想的な水平面上にガラス基板を載置した場合、ガラス基板は、その固有の形状により、周辺領域よりも高さ位置が高い凸状部、および、周辺領域よりも高さ位置が低い凹状部を有することがある。そして、凸状部および凹状部に起因するガラス基板の固有の反りは、小さいほど好ましい。ガラス基板の固有の反りが大きい場合、例えば、検査工程等においてガラス基板を水平方向に搬送する際に、ガラス基板の垂れ下がった端部が搬送装置と接触して、ガラス基板が破損してしまうおそれがある。また、大型のガラス基板から小型のガラス基板を得る場合において、反りが大きい領域から小型のガラス基板を切り出すと、切り出されたガラス基板は、切り出された領域の周囲の領域に作用する応力から解放されるため、ガラス基板の表面の単位面積当たりの形状変化率が変化する。そのため、切り出されたガラス基板の形状を予測することは困難である。
そのため、ガラス基板の製造工程において、ガラス基板の固有の反りを、短時間かつ簡便に測定する方法が求められている。ガラス基板の固有の反りを測定するためには、ガラス基板自体の形状を、重力の影響ができるだけ少ない状態で測定することが好ましい。例として、特許文献1(特開2012−47745号公報)には、高さ位置が調節可能な多数の細いピンでガラス基板を支持して、ガラス基板の推定無重力下における形状を測定するガラス基板の形状測定方法が開示されている。この方法では、各ピンがガラス基板から受ける荷重が測定され、測定された荷重に基づいて各ピンの高さ位置が調節されて、ガラス基板の形状が測定される。また、この方法では、高さ位置が調節されたピンに支持される仮想的な平坦物体の形状が算出される。そして、ガラス基板の測定された形状と、仮想的な平坦物体の算出された形状とに基づいて、ガラス基板の推定無重力下における形状が算出される。
しかし、特許文献1に開示されるガラス基板の形状測定方法では、多数のピンのそれぞれの高さ位置を調節する必要があるため、ガラス基板の形状の測定に必要な時間が長い。そのため、大量生産されるガラス基板のそれぞれについて、推定無重力下における形状を効率的に測定することは困難である。また、大量生産されるガラス基板から検査用のガラス基板を抜き取って形状を測定して、特定の生産ロットにおけるガラス基板の反りの傾向を予測しようとしても、ガラス基板の形状はある程度の範囲で変化してしまう。そのため、ガラス基板の推定無重力下における形状を効率的に測定する方法が求められている。
本発明の目的は、ガラス基板の推定無重力下における形状を効率的に測定することができるディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置、および、ガラス基板の製造方法を提供することである。
本発明に係るディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置は、基板浮上ユニットと、形状測定ユニットと、形状算出ユニットとを備える。基板浮上ユニットは、ディスプレイ用のガラス基板の下面に気体を吹き付けてガラス基板を浮上させるユニットである。形状測定ユニットは、基板浮上ユニットによって浮上しているガラス基板の形状を測定するユニットである。形状算出ユニットは、仮想ガラス基板の形状を算出し、かつ、形状測定ユニットによって測定されたガラス基板の形状と、仮想ガラス基板の形状とに基づいて、ガラス基板の推定無重力下における形状を算出するユニットである。仮想ガラス基板は、平面度がゼロである表面を有する仮想的なガラス基板であって、基板浮上ユニットによって浮上していると仮定されたガラス基板である。
このディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置は、浮上しているガラス基板の形状の測定値と、浮上している仮想ガラス基板の形状の理論値とから、推定無重力下におけるガラス基板の形状を算出する。ガラス基板は、ガラス基板の下面に吹き付けられる気体の圧力を受けて浮上する。浮上しているガラス基板には、ガラス基板にかかる重力と、ガラス基板を浮上させる力であって、重力の向きと反対方向の力が作用している。しかし、ガラス基板の下面にかかる圧力は、ガラス基板の下面内において均一でない。そのため、浮上しているガラス基板の形状は、ガラス基板の下面における不均一な圧力分布の影響を受ける。
このディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置は、浮上している仮想ガラス基板の下面にかかる圧力が均一でないと仮定した場合における、浮上している仮想ガラス基板の形状を算出する。そして、不均一な圧力分布に起因する、仮想ガラス基板の形状の変化を加味して、不均一な圧力分布の影響が除去された、浮上しているガラス基板の形状を算出する。また、浮上しているガラス基板の形状を非接触測定することにより、ガラス基板の破壊を伴わない測定が可能となる。この場合、ガラス基板の形状の測定が、ガラス基板の歩留まりに与える影響は小さい。従って、このディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置は、ガラス基板の推定無重力下における形状を効率的に測定することができる。
また、形状測定ユニットは、ガラス基板の上面に存在する複数の測定ポイントの高さ位置を測定することが好ましい。形状算出ユニットは、仮想ガラス基板の下面が受ける気体の圧力の分布に基づいて、仮想測定ポイントの高さ位置を算出することが好ましい。仮想測定ポイントは、形状測定ユニットによって測定される測定ポイントのそれぞれに対応するポイントであって、仮想ガラス基板の上面に存在する複数のポイントである。形状算出ユニットは、ガラス基板の測定ポイントの高さ位置、および、仮想ガラス基板の仮想測定ポイントの高さ位置に基づいて、ガラス基板の推定無重力下における形状を算出することが好ましい。
また、基板浮上ユニットは、フロートパネルおよび排気空間を有することが好ましい。フロートパネルは、気体を噴出する気体噴出孔が形成される面であって、浮上しているガラス基板の下面と対向する面である基板対向面を有する。排気空間は、基板対向面より上方、かつ、ガラス基板の下面より下方の空間と連通する空間である。気体噴出孔から噴出された気体の一部は、排気空間を流れて基板浮上ユニットから排出される。
このガラス基板の形状測定装置では、ガラス基板の下面に吹き付けられる気体の一部は、排気空間を流れて、基板浮上ユニットから排気される。これにより、ガラス基板の下面にかかる圧力をできるだけ均一にすることができる。そのため、浮上しているガラス基板の下面における不均一な圧力分布に起因する、ガラス基板の形状の変化が抑制される。
また、基板浮上ユニットは、間隔を空けて配置される複数のフロートパネルを有し、排気空間は、隣り合うフロートパネルの間の空間であることが好ましい。
また、本発明に係るディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置は、基板浮上ユニットによって浮上しているガラス基板を搬送する基板搬送ユニットをさらに備えることが好ましい。基板搬送ユニットは、基板浮上ユニットによって浮上しているガラス基板の端部を保持する基板保持部と、基板保持部を移動させてガラス基板を搬送する搬送動力部とを有する。形状測定ユニットは、基板搬送ユニットによってガラス基板が搬送されている状態で、ガラス基板の形状を測定する。形状算出ユニットは、基板搬送ユニットによってガラス基板が搬送されている状態で、ガラス基板の推定無重力下における形状を算出する。
このディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置は、ガラス基板を搬送しながら、ガラス基板の推定無重力下における形状を効率的に測定することができる。
本発明に係るガラス基板の製造方法は、基板成形工程と、基板浮上工程と、形状測定工程と、形状算出工程とを備える。基板成形工程は、ダウンドロー法によりガラス基板を成形する工程である。基板浮上工程は、ガラス基板の下面に気体を吹き付けてガラス基板を浮上させる工程である。形状測定工程は、基板浮上工程によって浮上しているガラス基板の形状を測定する工程である。形状算出工程は、仮想ガラス基板の形状を算出し、かつ、形状測定工程によって測定されたガラス基板の形状と、仮想ガラス基板の形状とに基づいて、ガラス基板の推定無重力下における形状を算出する工程である。仮想ガラス基板は、平面度がゼロである表面を有する仮想的なガラス基板であって、基板浮上工程によって浮上していると仮定されたガラス基板である。
本発明に係るディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置、および、ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の推定無重力下における形状を効率的に測定することができる。
実施形態に係るガラス基板の製造工程のフローチャートである。 実施形態に係るガラス基板形状測定装置の外観図である。 基板浮上ユニットの上面図である。 基板浮上ユニットの側面図である。 ガラス基板の下面における圧力分布が示された、基板浮上ユニットの側面図である。 ガラス基板の形状を測定する過程のフローチャートである。 浮上している仮想ガラス基板の形状を表す図である。 変形例Aに係る、ガラス基板形状測定装置の外観図である。 基板保持部の一例を示す概略構成図である。 変形例Bに係る、ガラス基板形状測定装置の外観図である。
(1)ガラス基板の製造工程の概略
本発明に係るガラス基板の形状測定装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。最初に、本実施形態で用いられるガラス基板形状測定装置100によって検査されるガラス基板10の製造工程について説明する。ガラス基板10は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイおよび有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)や、電子デバイスの製造に用いられる。ガラス基板10は、例えば、0.2mm〜0.8mmの厚みを有し、かつ、縦680mm〜2200mmおよび横880mm〜2500mmのサイズを有する。
ガラス基板10の一例として、以下の組成を有するガラスが挙げられる。
(a)SiO2:50質量%〜70質量%、
(b)Al23:10質量%〜25質量%、
(c)B23:5質量%〜18質量%、
(d)MgO:0質量%〜10質量%、
(e)CaO:0質量%〜20質量%、
(f)SrO:0質量%〜20質量%、
(g)BaO:0質量%〜10質量%、
(h)RO:5質量%〜20質量%(Rは、Mg、Ca、SrおよびBaから選択される少なくとも1種である。)、
(i)R’ 2O:0質量%〜2.0質量%(R’は、Li、NaおよびKから選択される少なくとも1種である。)、
(j)SnO2、Fe23およびCeO2から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物。
なお、上記の組成を有するガラスは、0.1質量%未満の範囲で、その他の微量成分の存在が許容される。
図1は、ガラス基板10の製造工程を表すフローチャートの一例である。ガラス基板10の製造工程は、主として、成形工程(ステップS1)と、採板工程(ステップS2)と、切断工程(ステップS3)と、粗面化工程(ステップS4)と、端面加工工程(ステップS5)と、洗浄工程(ステップS6)と、検査工程(ステップS7)と、梱包工程(ステップS8)とからなる。
成形工程S1では、ガラス原料を加熱して得られた熔融ガラスから、ダウンドロー法またはフロート法によって、ガラスシートが連続的に成形される。成形されたガラスシートは、歪みおよび反りが発生しないように温度制御されながら、ガラス徐冷点以下まで冷却される。
採板工程S2では、成形工程S1で成形されたガラスシートが切断されて、所定の寸法を有する素板ガラスが得られる。
切断工程S3では、採板工程S2で得られた素板ガラスが切断されて、製品サイズのガラス基板10が得られる。一般的に、素板ガラスは、カッターまたはレーザを用いて切断される。
粗面化工程S4では、切断工程S3で得られたガラス基板10の表面粗さを増加させる粗面化処理が行われる。ガラス基板10の粗面化処理は、例えば、フッ化水素を含むエッチャントを用いるウエットエッチングである。
端面加工工程S5では、粗面化工程S4で粗面化処理が行われたガラス基板10の端面加工が行われる。端面加工は、例えば、ガラス基板10の端面の研磨および研削、ガラス基板10のコーナーカットである。
洗浄工程S6では、端面加工工程S5で端面加工処理が行われたガラス基板10が洗浄される。ガラス基板10には、素板ガラスの切断、および、ガラス基板10の端面加工によって生じた微小なガラス片や、雰囲気中に存在する有機物等の異物が付着している。ガラス基板10の洗浄によって、これらの異物が除去される。
検査工程S7では、洗浄工程S6で洗浄されたガラス基板10が検査される。具体的には、ガラス基板10の形状が測定され、ガラス基板10の欠陥が光学的に検知される。ガラス基板10の欠陥は、例えば、ガラス基板10の表面に存在する傷およびクラック、ガラス基板10の表面に付着している異物、および、ガラス基板10の内部に存在している微小な泡等である。
梱包工程S8では、検査工程S7における検査に合格したガラス基板10が、ガラス基板10を保護するための合紙と交互にパレット上に積層されて、梱包される。梱包されたガラス基板10は、FPDの製造業者等に出荷される。
(2)ガラス基板形状測定装置の構成
図2は、ガラス基板形状測定装置100の外観図である。ガラス基板形状測定装置100は、検査工程S7においてガラス基板10の形状を測定するために用いられる。具体的には、ガラス基板形状測定装置100は、製造された各ガラス基板10の固有の形状を測定して、例えば、ガラス基板の面内の反りを検出するために用いられる。
ガラス基板検査装置100は、水平状態のガラス基板10を浮上させた状態でガラス基板10の形状を測定することで、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出する。ガラス基板検査装置100は、基板浮上ユニット20と、形状測定ユニット30と、形状算出ユニット40とからなる。以下、図2に示されるX軸に平行な方向を「X軸方向」と呼び、図2に示されるY軸に平行な方向を「Y軸方向」と呼ぶ。X軸およびY軸は、水平面内において互いに直交している。
(2−1)基板浮上ユニット
図3は、基板浮上ユニット20の上面図である。図4は、基板浮上ユニット20の側面図である。基板浮上ユニット20は、水平状態のガラス基板10の下面10aに気体を吹き付けてガラス基板10を浮上させるユニットである。基板浮上ユニット20は、主として、複数のフロートパネル22と、4つの端面支持部材28とから構成される。また、基板浮上ユニット20は、製造されたガラス基板10を、フロートパネル22の上に搬送するための基板搬送装置(図示せず)を備えている。なお、図3に示されるように、以下、ガラス基板10は長方形の形状を有し、かつ、ガラス基板10の長辺はX軸方向に平行であり、ガラス基板10の短辺はY軸方向に平行であるとする。
フロートパネル22は、図3に示されるように、上面視において、Y軸方向に延びている形状を有している。フロートパネル22は、気体噴出機構22aと、基板対向面22bとを有する。ガラス基板10は、基板搬送装置によって、基板対向面22b上に載置され、気体噴出機構22aによって、基板対向面22bの上方において浮上させられる。
基板対向面22bは、図4に示されるように、フロートパネル22の上端面であって、浮上しているガラス基板10の下面10aと対向する面である。フロートパネル22は、その基板対向面22bが水平面と平行になるように、設置される。フロートパネル22は、X軸方向に沿って一定の間隔を空けて配置される。すなわち、図3および図4に示されるように、各フロートパネル22と、X軸方向に沿って隣り合うフロートパネル22との間には、隙間23が形成されている。
気体噴出機構22aは、基板対向面22bから上方に向かって、圧縮空気等の気体を噴出するための機構である。気体噴出機構22aは、基板対向面22bの全面に均一に形成されている多数の微小孔である。微小孔の径は、例えば、20μmである。基板対向面22bから上方に向かって噴出される気体は、基板対向面22b上に載置されているガラス基板10の下面10aに衝突する。これにより、ガラス基板10は、上向きの力を受ける。この上向きの力は、基板対向面22bからガラス基板10を浮上させる。浮上しているガラス基板10の下面10aと、フロートパネル22の基板対向面22bとの間の距離は、例えば、25μm〜35μmである。図4では、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間が、鉛直方向に誇張して描かれている。浮上しているガラス基板10と基板対向面22bとの間の距離は、気体噴出機構22aから噴出される気体の流量および流速によって決定される。
浮上しているガラス基板10は、ガラス基板10の自重および大気圧により作用する下向きの力と、気体噴出機構22aから噴出される気体により作用する上向きの力とが釣り合った状態にある。また、ガラス基板10の下面10aの近傍の空間では、気体噴出機構22aから噴出される気体による乱流が発生する。この気体の乱流によって、ガラス基板10の下面10aは粘性抵抗を受けやすく、ガラス基板10の下面10aの近傍の空間では気体が自由に拡散できない状態にあるので、ガラス基板10は、その下面10aにおいて、気流に対する抵抗力を受けていると考えられる。
従って、ガラス基板10の水平面内における位置は安定的に維持される。さらに、基板対向面22bからガラス基板10の下面10aに向かって吹き付けられた気体は、ガラス基板10の下面10aの端部と基板対向面22bとの間から、ガラス基板10の自重と、ガラス基板10の上面10bにかかる大気圧とによって、押し出されるように放出される。これにより、気体噴出機構22aから噴出される気体がガラス基板10の下面10aに加える力の大きさは、ガラス基板10の自重による重力と、ガラス基板10の上面10bにかかる大気圧による力との合力の大きさを上回ることがない。そのため、ガラス基板10の下面10aと基板対向面22bとの間の空間の圧力は水平面内において安定しているので、浮上しているガラス基板10の高さは安定的に維持される。
また、ガラス基板10が自身の固有の形状によって湾曲している場合、ガラス基板10の下面10aと基板対向面22bとの間の空間において、ガラス基板10の下面10aと基板対向面22bとの間の距離(すなわち、ガラス基板10の下面10aの高さ位置)が大きいほど、ガラス基板10の高さを安定的に維持するために必要である気体であって、ガラス基板10の下面10aに吹き付けられる気体の量が多い。そのため、ガラス基板10が湾曲している場合において、ガラス基板10の下面10aの全体に向かって気体噴出機構22aが気体を均一に噴出し始めた段階では、ガラス基板10の下面10aにかかる圧力は不均一になる。しかし、ガラス基板10の下面10aと基板対向面22bとの間の空間において、圧力が高い領域から圧力が低い領域に向かって気体が流れるので、ある程度の時間が経過することにより、ガラス基板10の下面10aにかかる圧力は均一になる。従って、時間の経過によって、浮上しているガラス基板10の高さは安定的に維持される。
また、全てのフロートパネル22の全ての気体噴出機構22aは、同じ流量の気体を噴出する。すなわち、フロートパネル22は、気体噴出機構22aによって、基板対向面22bの全面から、ガラス基板10の下面10aに向かって気体を均一に吹き付ける。浮上しているガラス基板10の下面10aは、基板対向面22bに形成されている多数の気体噴出機構22aから噴出される気体を受けている。すなわち、浮上しているガラス基板10は、気体噴出機構22aの数と同じ数の多数のエアースプリングで支持されている状態にある。このように、浮上しているガラス基板10は、多数の弾性部材によって支持されている状態にあると近似できるので、少数の弾性部材によってガラス基板10が支持されている状態と比べて、浮上しているガラス基板10の自由形状は良好に維持される。そのため、ダウンドロー法により製造されるガラス基板10が、面内における歪みの影響によって微小かつ複雑な固有の形状および反りを面内に有していても、ガラス基板10の固有の形状を維持しつつ、ガラス基板10の形状の測定が可能となる。
端面支持部材28は、浮上しているガラス基板10の各端面を支持する。具体的には、端面支持部材28は、浮上しているガラス基板10が水平方向に移動することを阻止する。4つの端面支持部材28のそれぞれは、図3に示されるように、ガラス基板10の各辺の中間部に配置されている。端面支持部材28がガラス基板10の端面に与える力は、ロードセルを用いて所定値以下になるように管理されている。
上述したように、浮上しているガラス基板10の下面10aには、フロートパネル22の基板対向面22bに形成される気体噴出機構22aから、気体が均一に吹き付けられている。しかし、浮上しているガラス基板10を支持している気体の力、すなわち、ガラス基板10の下面10aにかかる気体の圧力は、下面10a内において均一でない。具体的には、ガラス基板10を上面視した場合において、ガラス基板10の下面10aにかかる圧力は、各フロートパネル22の基板対向面22bのX軸方向の中央部と、その周辺部との間で異なっている。
図5は、図4の一部の拡大図である。図5は、ガラス基板10の下面10aとフロートパネル22の基板対向面22bとの間の空間における圧力分布を示す、基板浮上ユニット20の側面図である。図5において、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間は、圧力が高いほど、濃いハッチングの領域として描かれている。各フロートパネル22は、隙間23を空けて配置されているので、気体噴出機構22aから噴出された気体の一部は、隙間23に流入して、基板浮上ユニット20から排出される。そのため、図5に示されるように、ガラス基板10の下面10aにかかる圧力は、各フロートパネル22の基板対向面22bのX軸方向の中央部の上方において最も高く、かつ、フロートパネル22間の隙間23の上方において最も小さくなる。すなわち、ガラス基板10を上面視した場合において、基板対向面22bのX軸方向の中央部から、基板対向面22bのX軸方向の両端部に向かうに従って、ガラス基板10の下面10aにかかる圧力は次第に減少する。なお、図5において、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間の圧力分布は、複数種類のハッチングによって段階的に描かれているが、実際の圧力分布の圧力は、連続的に変化している。ガラス基板10の下面10aにかかる不均一な圧力は、後述するように、気体噴出機構22aによって浮上しているガラス基板の形状に影響を与える。
(2−2)形状測定ユニット
形状測定ユニット30は、基板浮上ユニット20によって浮上しているガラス基板10の形状、および、フロートパネル22の基板対向面22bの形状を測定するユニットである。形状測定ユニット30は、センサヘッド32と、センサコントローラ34とからなるレーザ変位計である。レーザ変位計は、例えば、キーエンス株式会社製の共焦点レーザ変位計である。
センサヘッド32は、基板浮上ユニット20の上方に位置し、X軸方向およびY軸方向に沿って水平面内を移動可能なユニットである。センサヘッド32は、下方の測定対象物に向かって半導体レーザの光線を照射し、測定対象物から反射された光線を受光する。
センサコントローラ34は、センサヘッド32に接続され、センサヘッド32を制御するユニットである。センサコントローラ34は、センサヘッド32の位置をX軸方向およびY軸方向に沿って調節し、かつ、センサヘッド32から測定対象物までの変位量を測定する。
本実施形態において、形状測定ユニット30は、浮上しているガラス基板10の上面10bに設定されている多数の測定ポイントにおける高さ位置を測定する。これにより、形状測定ユニット30は、浮上しているガラス基板10の形状を測定することができる。
また、形状測定ユニット30は、基板浮上ユニット20の上方にガラス基板10が存在していない状態において、ガラス基板10の上面10bの各測定ポイントに対応するポイントにおける、フロートパネル22の基板対向面22bの高さ位置を測定する。これにより、形状測定ユニット30は、フロートパネル22の基板対向面22bの形状を測定することができる。
(2−3)形状算出ユニット
形状算出ユニット40は、例えば、形状測定ユニット30に接続されるコンピュータである。形状算出ユニット40は、基板浮上ユニット20によって浮上している仮想ガラス基板12の形状を算出する。仮想ガラス基板12は、ガラス基板10と同じサイズを有し、平面度がゼロである表面を有する仮想的なガラス基板である。形状算出ユニット40は、形状測定ユニット30によって測定されたガラス基板10の形状と、仮想ガラス基板12の算出された形状とに基づいて、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出する。
(3)ガラス基板形状測定装置の動作
次に、図6のフローチャートを参照しながら、ガラス基板形状測定装置100が、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出する過程について説明する。なお、ガラス基板10の上面10bには、形状測定ユニット30による測定の対象である、多数の測定ポイントが予め設定されている。仮想ガラス基板12の上面12bにも、ガラス基板10の各測定ポイントに対応する仮想測定ポイントが予め設定されている。ガラス基板10と仮想ガラス基板12とを重ね合わせた場合、上面視において、各仮想測定ポイントは、対応する測定ポイントと同じ位置にある。測定ポイントおよび仮想測定ポイントは、X軸方向およびY軸方向に沿って等間隔に配置されている。なお、ガラス基板10の形状を精密に測定するためには、測定ポイントおよび仮想測定ポイントの数が多いほど好ましい。測定ポイントおよび仮想測定ポイントの間隔の最小値は、例えば、形状測定ユニット30のセンサ分解能によって決定される。本実施形態では、測定ポイントおよび仮想測定ポイントの間隔は、30mm〜50mmである。なお、小型ディスプレイおよび携帯端末向けにガラス基板10から切り出されるディスプレイ用ガラス基板の形状測定においても、測定ポイントおよび仮想測定ポイントの間隔は、本実施形態と同様に、30mm〜50mmで十分である。
最初に、ステップS11において、形状測定ユニット30が、仮想平面を構築する。仮想平面は、ガラス基板10の上面10bの平面度がゼロであると仮定した場合において、上面10bが有するべき平面である。仮想平面は、形状測定ユニット30がガラス基板10の上面10bの形状、および、仮想ガラス基板12の上面12bの形状を測定する際に、測定の基準となる平面である。仮想平面を構築するために、形状測定ユニット30は、最初に、センサヘッド32がX軸方向およびY軸方向に沿って水平面内を移動することによる、センサヘッド32自身の鉛直方向の変位量を予め計測する。次に、形状測定ユニット30は、測定対象であるガラス基板10の上面10bにある一の測定ポイントを基準点と定める。そして、形状測定ユニット30は、ガラス基板10の上面10bにある他の測定ポイントにおける仮想平面の高さ位置を、先に定めた基準点に、予め計測したセンサヘッド32の変位量を加味することによって求める。これにより、形状測定ユニット30は、全ての測定ポイントにおける仮想平面の高さ位置を算出して、仮想平面を構築する。ガラス基板10の形状は、仮想平面に対する、ガラス基板10の上面10bの変位量によって測定される。なお、ガラス基板10の面内の反りを測定する場合、仮想平面に対する、ガラス基板10の上面10bの変位量の最大値と最小値との差を、反りを表すパラメータとして用いてもよい。また、ガラス基板10の上面10bおよび下面10aの両面について、上述した仮想平面を構築する処理を行い、ガラス基板10の厚みを考慮して各面の仮想平面の平均を求めることで、仮想平面の構築の精度の向上を図ってもよい。また、形状測定ユニット30は、センサヘッド32の変位量を、ステップS2の後、かつ、ステップS3の前に計測してもよく、また、より精度が高い測定を行うために常に計測してもよい。なお、仮想ガラス基板12の形状も、仮想平面に対する、仮想ガラス基板12の上面12bの変位量によって測定される。
次に、ステップS2において、形状算出ユニット40が、基板浮上ユニット20によって浮上している仮想ガラス基板12の形状を算出する。図7は、浮上している仮想ガラス基板12の形状を、鉛直方向に誇張して描いた図である。図7において、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間は、圧力が高いほど、濃いハッチングの領域として描かれている。仮想ガラス基板12の下面12aにかかる圧力は、図5に示されるガラス基板10と同様に、各フロートパネル22の基板対向面22bのX軸方向の中央部の上方において最も高く、かつ、隙間23の上方において最も小さい。仮想ガラス基板12は、その下面12aにかかる圧力がより高い部分において、より大きな上向きの力が与えられる。そのため、図7に示されるように、浮上している仮想ガラス基板12は、部分的に変形して、その上面12bに凸部が形成される。仮想ガラス基板12の凸部は、その下面12aにかかる圧力が周囲より高い部分に相当する。形状算出ユニット40は、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間における圧力分布を算出し、その圧力分布に基づいて、各仮想測定ポイントにおいて、仮想平面に対する、仮想ガラス基板12の上面12bの変位量を求める。これにより、形状算出ユニット40は、浮上している仮想ガラス基板12の形状を算出することができる。
次に、ステップS3において、形状測定ユニット30が、基板浮上ユニット20によって浮上しているガラス基板10の形状を測定する。形状測定ユニット30は、各測定ポイントにおいて、仮想平面に対する、ガラス基板10の上面10bの変位量を求めて、ガラス基板10の形状を測定する。測定されたガラス基板10の形状は、その下面10aにかかる不均一な圧力に起因する形状の変位量、および、ガラス基板10の固有の形状に由来する変位量の影響を受けている。
次に、ステップS4において、形状算出ユニット40が、ステップS3で測定したガラス基板10の形状、および、ステップS2で算出した仮想ガラス基板12の形状に基づいて、推定無重力下におけるガラス基板10の形状を算出する。浮上している仮想ガラス基板12は、仮想ガラス基板12の下面12aにかかる不均一な圧力によって変形している。また、仮想ガラス基板12とフロートパネル22との間の空間における圧力分布は、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間における圧力分布に等しいと近似することができる。そのため、ステップS3で測定されたガラス基板10の上面10bの、各測定ポイントにおける仮想平面に対する変位量から、ステップS2で算出された仮想ガラス基板12の上面12bの、各仮想測定ポイントにおける仮想平面に対する変位量を減じることによって、ガラス基板10の下面10aにかかる不均一な圧力の影響が除去された、浮上しているガラス基板10の形状が算出される。これにより、ガラス基板形状測定装置100は、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出することができる。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係るガラス基板形状測定装置100は、浮上しているガラス基板10の形状の測定値と、浮上している仮想ガラス基板12の形状の算出値とから、推定無重力下におけるガラス基板10の形状を算出する。
ガラス基板形状測定装置100は、浮上している仮想ガラス基板12の下面12aとフロートパネル22の基板対向面22bとの間の空間における圧力分布を求め、浮上している仮想ガラス基板12の上面12bの、各仮想測定ポイントにおける変位量を算出する。また、ガラス基板形状測定装置100は、浮上しているガラス基板10の上面10bの、各測定ポイントにおける変位量を測定する。そして、ガラス基板形状測定装置100は、算出された仮想ガラス基板12の形状に基づいて、ガラス基板10の下面10aにかかる不均一な圧力の影響が除去された、浮上しているガラス基板10の形状を算出する。これにより、ガラス基板形状測定装置100は、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出することができる。
ガラス基板形状測定装置100は、従来のガラス基板10の製造装置に用いられている基板浮上ユニット20を用いることができる。従って、ガラス基板形状測定装置100は、その製造に必要なコストを抑えることができる。
また、浮上している仮想ガラス基板12とフロートパネル22との間の空間における圧力分布、および、浮上している仮想ガラス基板12の形状を予め算出しておくことによって、ガラス基板形状測定装置100は、基板浮上ユニット20によって浮上しているガラス基板10の形状を測定するだけで、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出することができる。従って、ガラス基板形状測定装置100は、ガラス基板10の推定無重力下における形状を効率的に算出することができる。
(4−2)
本実施形態に係るガラス基板形状測定装置100は、所定の間隔を空けてX軸方向に沿って配置されている複数のフロートパネル22を有する基板浮上ユニット20を備えている。フロートパネル22の基板対向面22bから、気体噴出機構22aによって噴出された気体は、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間において、ガラス基板10の下面10aに吹き付けられる。ガラス基板10の下面10aに吹き付けられた気体は、基板対向面22bの上方において、ガラス基板10の下面10aの端部に向かって流れるか、または、隙間23を流れることによって、排出される。すなわち、フロートパネル22間の隙間23は、気体噴出機構22aによって噴出された気体の逃げ道として機能する。
ここで、所定の間隔を空けずにX軸方向に沿って配置されている複数のフロートパネル22を有する基板浮上ユニット20について考える。この場合、気体噴出機構22aによって噴出された気体は、ガラス基板10とフロートパネル22との間の空間において、ガラス基板10の下面10aの端部に向かって流れることによってのみ、排出される。そのため、ガラス基板10の下面10aの中央部において、気体噴出機構22aによって噴出された気体が溜まりやすく、その結果、ガラス基板10の下面10aの中央部にかかる圧力は、本実施形態においてガラス基板10の下面10aにかかる圧力の最大値よりも高くなりやすい。ガラス基板10の下面10aにかかる圧力に関して、圧力の最大値と最小値との差が大きいほど、浮上しているガラス基板10の変形の程度が大きくなり、ガラス基板10の固有の形状、および、その測定に影響を与えるおそれがある。また、この場合、浮上しているガラス基板10は、実質的に1本のエアースプリングで支持されている状態にあるので、浮上しているガラス基板10が不安定になるおそれがある。そのため、ガラス基板10の下面10aにかかる圧力は、できるだけ均一であることが好ましい。
本実施形態に係るガラス基板形状測定装置100は、気体噴出機構22aによって噴出された気体の一部は、フロートパネル22間の隙間23を流れて排出される。そのため、ガラス基板10の下面10aの中央部に高い圧力がかかることが防止される。具体的には、ガラス基板形状測定装置100では、図5に示されるように、各フロートパネル22の基板対向面22bのX軸方向の中央部の上方において、ガラス基板10の下面10aに、周囲より大きい圧力がかかる。しかし、各フロートパネル22間の隙間23から、気体噴出機構22aによって噴出された気体の一部が排出されるので、ガラス基板10の下面10aにかかる圧力が均一化される。
(5)変形例
以上、本発明に係るガラス基板の製造方法について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および変更が施されてもよい。
(5−1)変形例A
本実施形態に係るガラス基板形状測定装置100では、ガラス基板10は、基板浮上ユニット20の基板搬送装置によって、フロートパネル22の上に一枚ずつ搬送されて、その形状が測定される。しかし、本発明に係るガラス基板の形状測定装置は、ガラス基板10を搬送しながら、ガラス基板10の形状を測定する装置に用いられてもよい。次に、このようなガラス基板形状測定装置200について説明する。図8は、ガラス基板形状測定装置200の外観図である。ガラス基板形状測定装置200は、例えば、ガラス基板10の出荷前の最終検査工程、および、ガラス基板10を小型デバイス用のガラス基板に切り出す前の形状検査工程に用いられる。
ガラス基板形状測定装置200は、主として、基板浮上ユニット120と、基板搬送ユニット150と、形状測定ユニット130と、形状算出ユニット140とから構成される。形状測定ユニット130および形状算出ユニット140は、それぞれ、本実施形態のガラス基板形状測定装置100の形状測定ユニット30および形状算出ユニット40と同じである。ガラス基板形状測定装置200は、基板搬送ユニット130によってガラス基板10を所定の搬送方向D1に搬送しながら、ガラス基板10の推定無重力下における形状を測定する。なお、搬送方向D1は、X軸方向と平行である。
基板浮上ユニット120は、ガラス基板10を浮上させるユニットである。基板浮上ユニット120は、ガラス基板10の搬送方向D1に沿って、所定の間隔を空けて配置されている複数のフロートパネル122を有する。隣り合うフロートパネル122の間には、隙間123が形成されている。基板浮上ユニット120は、本実施形態のガラス基板形状測定装置100の基板浮上ユニット20と同じ基本的構成を有している。
基板搬送ユニット150は、基板浮上ユニット120によって浮上させたガラス基板10を、搬送方向D1に沿って搬送するユニットである。基板搬送ユニット150は、主として、基板保持部152と、基板搬送部154とを備える。
基板保持部152は、搬送方向D1に平行な、ガラス基板10の側端部の一方を保持する。基板保持部152は、例えば、ガラス基板10の側端部の表面を吸着して保持する機構である。図9は、基板保持部152の一例を示す概略構成図である。図9において、基板保持部152は、吸着ピン152aと、ボトムストッパ152bと、ピン支持部152cとを有する。吸着ピン152aは、バキュームポンプ(図示せず)に接続される吸引通路152dを内部に有する細管である。吸着ピン152aは、ガラス基板10の側端部の下面10aを支持している状態で、バキュームポンプによる吸引力によって、下面10aに吸着する。基板保持部152は、少なくとも2本以上の吸着ピン152aによって、ガラス基板10の側端部の下面10aを吸着する。吸着ピン152aによって吸着される領域は、小さいほど好ましい。ボトムストッパ152bは、吸着ピン152aに固定され、吸着ピン152aの自重と同じ弾性定数を有する、バネ等の弾性部材である。吸着ピン152aがガラス基板10の下面10aに吸着している状態において、ボトムストッパ152bが吸着ピン152aを支持することによって、ガラス基板10は、吸着ピン152aをぶら下げている状態になる。ピン支持部152cは、吸着ピン152aを支持し、ボトムストッパ152bを載置するための基部である。ピン支持部152cは、吸着ピン152aと軸受(図示せず)を介して接触している。なお、吸着ピン152aの上端の高さ位置は、浮上しているガラス基板10の下面10aの高さ位置よりも上方に設定される。ガラス基板10が吸着ピン152aの上端面に載置されることによって、吸着ピン152aの高さ位置が調節される。基板搬送部154は、基板保持部152を搬送方向D1に沿って移動させるリニア駆動機構を備える。
ガラス基板形状測定装置200は、例えば、基板搬送ユニット150によって、ガラス基板10を搬入して所定の位置まで搬送し、次に、形状測定ユニット130および形状算出ユニット140によって、搬送されたガラス基板10の推定無重力下における形状を算出し、次に、基板搬送ユニット150によって、形状が算出されたガラス基板10を搬出して、次の測定対象であるガラス基板10を搬入する。従って、ガラス基板形状測定装置200は、量産されるガラス基板10を搬送しながら、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出することができる。
(5−2)変形例B
変形例Aに係るガラス基板形状測定装置200は、形状測定ユニット130を備えている。形状測定ユニット130は、本実施形態のガラス基板形状測定装置100の形状測定ユニット30と同様に、基板浮上ユニット120の上方に位置している一のセンサヘッド32をX軸方向およびY軸方向に沿って移動させて、ガラス基板10の上面10bの各測定ポイントにおける、センサヘッド32とガラス基板10との間の距離を測定する。
しかし、形状測定ユニット130は、ガラス基板10の幅方向D2に沿って配置された、複数のセンサヘッド32を有してもよい。図10は、ガラス基板形状測定装置200の外観図である。図10において、基板搬送ユニット150は省略されている。幅方向D2は、水平面内において搬送方向D1に直交する方向であり、Y軸方向に平行な方向である。各センサヘッド32は、ガラス基板10の上面10bの異なる領域を測定する。これにより、ガラス基板10の上面10bの全体を測定する時間が短縮される。従って、形状測定ユニット130は、変形例Aと比べて、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出するために必要な時間を抑えることができる。
なお、本実施形態に係るガラス基板形状測定装置100も、形状測定ユニット130と同様の構成を有する形状測定ユニットを備えてもよい。すなわち、ガラス基板形状測定装置100の形状測定ユニット30は、複数のセンサヘッド32を有してもよい。これにより、ガラス基板形状測定装置100は、ガラス基板10の推定無重力下における形状を算出するために必要な時間を抑えることができる。
10 ガラス基板
20 基板浮上ユニット
22 フロートパネル
22a 気体噴出機構
22b 基板対向面
30 形状測定ユニット
40 形状算出ユニット
100 ガラス基板形状測定装置
特開2012−47745号公報

Claims (6)

  1. ディスプレイ用ガラス基板の下面に気体を吹き付けて前記ディスプレイ用ガラス基板を浮上させる基板浮上ユニットと、
    前記基板浮上ユニットによって浮上している前記ディスプレイ用ガラス基板の形状を測定する形状測定ユニットと、
    平面度がゼロである表面を有する仮想的なガラス基板であって、前記基板浮上ユニットによって浮上していると仮定されたガラス基板である仮想ガラス基板の形状を算出し、かつ、前記形状測定ユニットによって測定された前記ディスプレイ用ガラス基板の形状と、前記仮想ガラス基板の形状とに基づいて、前記ディスプレイ用ガラス基板の推定無重力下における形状を算出する形状算出ユニットと、
    を備える、ディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置。
  2. 前記形状測定ユニットは、前記ディスプレイ用ガラス基板の上面に存在する複数の測定ポイントの高さ位置を測定し、
    前記形状算出ユニットは、前記仮想ガラス基板の下面が受ける前記気体の圧力の分布に基づいて、前記形状測定ユニットによって測定される前記測定ポイントのそれぞれに対応するポイントであって、前記仮想ガラス基板の上面に存在する複数の仮想測定ポイントの高さ位置を算出し、
    前記形状算出ユニットは、前記ディスプレイ用ガラス基板の前記測定ポイントの高さ位置、および、前記仮想ガラス基板の前記仮想測定ポイントの高さ位置に基づいて、前記ディスプレイ用ガラス基板の推定無重力下における形状を算出する、
    請求項1に記載のディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置。
  3. 前記基板浮上ユニットは、前記気体を噴出する気体噴出孔が形成される面であって、浮上している前記ディスプレイ用ガラス基板の下面と対向する面である基板対向面を有するフロートパネルを有し、前記基板対向面より上方、かつ、前記ディスプレイ用ガラス基板の下面より下方の空間と連通する排気空間を有し、
    前記気体噴出孔から噴出された前記気体の一部は、前記排気空間を流れて前記基板浮上ユニットから排出される、
    請求項1または2に記載のディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置。
  4. 前記基板浮上ユニットは、間隔を空けて配置される複数の前記フロートパネルを有し、
    前記排気空間は、隣り合う前記フロートパネルの間の空間である、
    請求項3に記載のディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置。
  5. 前記基板浮上ユニットによって浮上している前記ディスプレイ用ガラス基板を搬送する基板搬送ユニットをさらに備え、
    前記基板搬送ユニットは、前記基板浮上ユニットによって浮上している前記ディスプレイ用ガラス基板の端部を保持する基板保持部と、前記基板保持部を移動させて前記ディスプレイ用ガラス基板を搬送する搬送動力部とを有し、
    前記形状測定ユニットは、前記基板搬送ユニットによって前記ディスプレイ用ガラス基板が搬送されている状態で、前記ディスプレイ用ガラス基板の形状を測定し、
    前記形状算出ユニットは、前記基板搬送ユニットによって前記ディスプレイ用ガラス基板が搬送されている状態で、前記ディスプレイ用ガラス基板の推定無重力下における形状を算出する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のディスプレイ用ガラス基板の形状測定装置。
  6. ダウンドロー法によりガラス基板を成形する基板成形工程と、
    前記ガラス基板の下面に気体を吹き付けて前記ガラス基板を浮上させる基板浮上工程と、
    前記基板浮上工程によって浮上している前記ガラス基板の形状を測定する形状測定工程と、
    平面度がゼロである表面を有する仮想的なガラス基板であって、前記基板浮上工程によって浮上していると仮定されたガラス基板である仮想ガラス基板の形状を算出し、かつ、前記形状測定工程によって測定された前記ガラス基板の形状と、前記仮想ガラス基板の形状とに基づいて、前記ガラス基板の推定無重力下における形状を算出する形状算出工程と、
    を備える、ガラス基板の製造方法。
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