JP2005022078A - 表面加工基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】砥石を用いて基板を研削する表面加工基板の製造方法であって、砥石自体による切り込み深さを0.05〜20μmに設定し、かつ砥石に含まれている砥粒による切り込み深さを基板の延性−脆性遷移点以下に設定し、平面研削機で研削痕が扇状となるように基板を研削することを特徴とする表面加工基板の製造方法。
【選択図】なし
Description
触針先端半径 :0.6μm(針曲率半径)
触針押し付け圧力:7mg
測定長 :250μm×8箇所
トレース速度 :2.5μm/秒
カットオフ :1.25μm(ローバスフィルター)
dg <dcとなるように設定すればよい。
1)動剛性が極めて高い砥石スピンドルの設計と製作。半径方向、軸方向の運動誤差が100nm以下。
2)動剛性の極めて高い工作物支持及び運動系の設計と製作。経験則から、加工機工具と工作物間のループ剛性として150N/μm(静剛性)以上の値。
3)ホイールの高精度ツルーイング及び適度な気孔度を確保するための砥粒結合剤のドレッシング。さらに、ホイール上の個々の砥粒の切れ刃高さ分布がdc以下であることが望ましい。
1)半径、軸方向の運動精度が100nm以下
2)加工機工具と工作物間のループ剛性が170N/μm(静剛性)
3)ツルーイング精度が100nm
したがって、この超精密平面研削装置(HPG−2A)は上記装置条件のすべてを満たすものである。
(i) X軸、Z軸のT字形平面配置、ねじを用いないクローズドループ位置決め方式、10nmのレーザスケール、
(ii) V−Vすべり案内面、低熱膨張鋳鉄、
(iii) 基準真直ゲージによる真直度インプロセス補正、
である。
(i) 指令分解能10nmでの輪郭加工、
を特徴としている。
研削ホイールの母線形状は修正ホイールの位置をXZで制御することにより創成され、目的とする正確な形状を得ることが可能である。
また、本装置を用いて研削痕が扇状となるように研削するには、例えば図4に示すように、被加工基板をワークテーブル上に取り付ければよい。
本装置は研削ホイール軸単体では1300N/μm以上、ワークテーブル軸単体では1000N/μm以上、ループ剛性として150N/μm以上で、上記条件を満たすものである。
フルフリルアルコール樹脂を公知の方法である成形、予備焼成処理によりカーボン基板を製造した。より具体的には、次のようにして製造した。フルフリルアルコール500重量部、92%ホルムアルデヒド400重量部および水30重量部を80℃で攪拌して溶解した。次いで、攪拌下でフェノール520重量部、水酸化カルシウム9.5重量部および水45重量部の混合液を滴下し、80℃で3時間反応させた。その後フェノール80重量部、上記のフェノール/水酸化カルシウム/水混合液をさらに滴下し、80℃で2時間反応させた。30℃に冷却後、30%パラトルエンスルホン酸水溶液で中和した。この中和物を減圧化で脱水し、170重量部の水を除去し、フルフリルアルコール500重量部を添加混合し、樹脂中の不溶分をメンブランフィルターで濾過した。この樹脂が含むことのできる水の量を測定したところ、35重量%であった。
製造例1で得たカーボン基板を、スピードファーム社製9B5L型両面研磨機を使用し、粉砕炭化ケイ素砥粒のひとつであるGC(緑色炭化ケイ素研磨材)#600を用い、濃度4重量%の遊離砥粒方式によるラッピング加工を行った。定盤には鋳鉄定盤を用いた。研磨しろは、片面当たり300μmとした。得られたカーボン基板のRaは2μmであった。この後、芝技研製チャンファー加工機SG−Tにより、内・外径を所定の寸法に切揃え、面取り加工(45°)(以下、チャンファー加工という。)を行った。
製造例2で得たカーボン基板を、下記条件でさらにラップ研磨を行った。製造例1と同じ装置を使用し、GC#4000砥粒を用い、濃度20重量%の遊離砥粒方式により研磨した。定盤には鋳鉄定盤を用い、研磨しろは、片面当たり50μmとした。得られたカーボン基板のRaは0.1μmであった。この後、製造例2と同様にしてチャンファー加工を行った。
製造例1で得たカーボン基板を延性モード加工により仕上げ研削を行い、表面加工基板を得た。主な加工条件は次の通りである。
研削装置:超精密横型平面研削装置
((株)日進機械製作所製HPG−2A)
ワークテーブルの直径:200mm
ワークテーブルの回転数:530rpm
砥石周速:1260m/min
砥石送り速度:60mm/min
(新東ブレータ(株)製鉄ファイバーボンド砥石:SD600N100FX3)
:#6000ダイヤモンド(平均粒径約2.5μm)
(新東ブレータ(株)製鉄ファイバーボンド砥石:SD6000NFA)
クーラント:ユシロ化学製、ELIDNO.35の2%水溶液
ELID電源:新東ブレータ(株)製、パルス電源EDP−10A
初期ツルーイング:#200ダイヤモンド(平均粒径約75μm)
((株)オリエンタルダイヤ工具研究所製:SD200Q75M)
初期ドレッシング:3A×15分
パルス(矩形波)サイクル:4マイクロ秒
得られた表面加工基板を光学顕微鏡で観察したところ、扇形の加工痕を有するものであった。また加工痕の交差は見られなかった。
製造例2で得たカーボン基板の両面を、下記以外は実施例1と同じ条件で延性モード加工により研削した。
砥粒種類/番手:#2000ダイヤモンド(平均粒径約6μm)
(新東ブレータ(株)製鉄系ボンド砥石:SD2000N100FX3)
:#12000ダイヤモンド(平均粒径約1.2μm)
(新東ブレータ(株)製鉄系ボンド砥石、SD12000N100FX3)
研削は、#2000ホイールを用いて砥石の設定切り込み深さを10μmとして3パス行い、次いで#12000ホイールを用いて砥石の設定切り込み深さを3μmとして1パス、2μmとして1パス行った。研削ホイールの肩は精密ツルーイングにより、#2000ホイールは図5、#12000ホイールは図7に示すように母線形状に整え、個々の砥粒の切り込み深さがカーボン基板の延性−脆性遷移点(約50nm)以下となるように設定した。
製造例3で得たカーボン基板の両面を、下記以外は実施例1と同じ条件で延性モード加工により研削した。
砥石の設定切り込み深さ:2μm×3パス
砥粒種類/番手:#12000ダイヤモンド(平均粒径約1.2μm)
(新東ブレータ(株)製鉄系ボンド砥石、SD12000N100FX3)のみ使用。
製造例3で得たカーボン基板の両面を、下記以外は実施例1と同じ条件で延性モード加工により研削した。
砥石の設定切り込み深さ:(i) 5μm×1パス
:(ii)3μm×1パス
:(iii) 1μm×1パス
砥粒種類/番手:#12000ダイヤモンド(平均粒径約1.2μm)
(新東ブレータ(株)製鉄系ボンド砥石、SD12000N100FX3)のみ使用。
製造例3で得たカーボン基板の両面を、下記以外は実施例1と同じ条件で延性モード加工により研削した。
砥石の設定切り込み深さ:(i) 5μm×1パス
(ii)1μm×1パス
(iii) 0.1μm×2パス
砥粒種類/番手:#3000ダイヤモンド(平均粒径約5μm)
((株)東京ダイヤモンド工具製作所製、レジンボンドホイールSD3000L100B)
クーラント:水
初期ツルーイング:#200ダイヤモンド(実施例1と同じ)ホイールでツルーイング後、そのまま研削に供した(ELIDは使用せず)。
直径1.8インチにカットしたチャンファー加工済み半導体用シリコンウエハー(Ra0.1μm)の両面を、下記以外は実施例1の条件に基づいて延性モード加工により研削した。なお、ここで用いた半導体用シリコンウエハーは、延性−脆性遷移点は約80nmである。
砥石の設定切り込み深さ:(i) 3μm×1パス
(ii)2μm×1パス
(iii) 0.1μm×2パス
砥粒種類/番手:#12000ダイヤモンド(平均粒径約1.2μm)
(新東ブレータ(株)製鉄系ボンド砥石、SD12000N100FX3)のみ使用。
直径1.8インチのチャンファー加工済み強化ガラス基板(Ra10nm)を、下記以外は実施例1と同様に延性モード加工により研削した。なお、ここで用いた強化ガラス基板は、延性−脆性遷移点は約25nmである。
砥石の設定切り込み深さ:(i) 5.0μm×3パス
(ii)1.0μm×1パス
砥粒種類/番手:#12000ダイヤモンド(平均粒径約1.2μm)
(新東ブレータ(株)製鉄系ボンド砥石、SD12000N100FX3)のみ使用。
製造例3で得たカーボン基板を従来の遊離砥粒を用いる公知の方法により仕上げ研磨を行い、表面加工基板を得た。より具体的な加工方法は次のとおりである。装置としてスピードファーム社製、9B5P型両面研磨機を用い、0.45μmアルミナ系砥粒(フジミインコーポレーテッド製WA2000)をスラリー状で供給し、押し付け圧力150gf/cm2 で70分間研磨した。キャリアにはエポキシ・ガラス素材を使用し、パッドには硬質パッド(ロデールニッタ製C14A)を用いた。
製造例3で得たカーボン基板を砥粒に粒径約0.5μmの工業ダイヤモンド(フジミインコーポレーテッド製DIATECWAM0.5)を用いた以外は比較例1と同様に研磨を行った。
製造例2で得たカーボン基板を、研削時の下記以外は実施例1と同様の方法で仕上げ研削を行い、表面加工基板を得た。
砥石の設定切り込み深さ:40μm×2パス
砥粒種類/番手:#6000ダイヤモンド(平均粒径約2.5μm)
(新東ブレータ(株)製鉄系ボンド砥石、SD6000NFA)
得られた表面加工基板を光学顕微鏡で観察したところ、扇形の加工痕を有するものであった。また加工痕の交差は見られなかった。
製造例3で得たカーボン基板を、縦型平面研削機((株)日進機械製作所製VPG)を用い、カップ型砥石を用い下記条件にて両面の研削を行った。
主な研削条件
ワークテーブルの直径:400mm
ワークテーブルの回転数:350rpm
砥石周速:1200m/min
砥粒種類/番手:#3000ダイヤモンド(平均粒径約5μm)
((株)東京ダイヤモンド工具製作所製、レジンボンドホイールSD3000L100B)
クーラント:水
初期ツルーイング:#200ダイヤモンド(平均粒径約75μm)
((株)オリエンタルダイヤ工具研究所製、SD200Q75M)
砥石の設定切り込み深さ:1.0μm
得られた表面加工基板を光学顕微鏡で観察したところ、多重あやめ形状の加工痕を有するものであった。また加工痕の交差が無数確認された。
実施例6で用いた半導体用シリコンウエハーを、比較例4と同様の方法で30μm研削除去した。
得られた表面加工基板を光学顕微鏡で観察したところ、多重あやめ形状の加工痕を有するものであった。また加工痕の交差が無数確認された。
本発明の方法によって得られた表面加工基板は加工後のRaの値が良好であり、欠陥個数も少なく、基板として好ましいものであった(実施例1〜7)。また光顕/SEM観察によると研削面はスムーズで、マイクロクラックも含まず、極めてスムーズな研削痕を残していることから、いずれも延性加工モードで研削されていることが分かった。また、Rvの値からも延性モード加工で研削されたことが支持された。平坦度も1.5〜4.5μmと小さく、良好であった。
さらに、砥石の設定切込み深さを大きくして実施例1と同様の加工を施したカーボン基板(比較例3)は、光顕/SEM観察より延性加工モードで研削されているものの、砥石の設定切り込み深さが大きいために、研削負荷がかかり、その結果欠陥個数が多いものとなった。
以上の結果から、比較例において製造されたいずれの基板も、基板としては適さないことが分かった。
2 研削ホイール
3 修正ホイール
4 チャック
5 スライドベース
6 スピンドル/油静圧軸受け
7 低膨張材料
8 クーラント供給ユニット
9 ワーク(被加工基板)
11 すき間調製ネジ
12 絶縁体
13 電極
14 砥石
21 砥粒コーティング層
NC 数値制御装置
PI 比例・積分制御装置
a 圧力制御サーボ弁
b 圧油源
c 油圧アクチュエータ
d レーザスケール(分解能10nm)
Claims (4)
- 砥石を用いて基板を研削する表面加工基板の製造方法であって、砥石自体による切り込み深さを0.05〜20μmに設定し、かつ砥石に含まれている砥粒による切り込み深さを基板の延性−脆性遷移点以下に設定し、平面研削機で研削痕が扇状となるように基板を研削することを特徴とする表面加工基板の製造方法。
- 砥石に含まれている砥粒の平均粒径が1〜5μmである請求項1記載の製造方法。
- 平面研削機として、ロータリー平面加工機を用い、そのストレートホイールの外周で研削を行う請求項1又は2記載の製造方法。
- 電解インプロセスドレッシングを用いて延性モード加工により、研削を行う請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004245198A JP2005022078A (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | 表面加工基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004245198A JP2005022078A (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | 表面加工基板の製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25697895A Division JPH0976147A (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | 表面加工基板及びその製造方法 |
Publications (1)
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---|---|
JP2005022078A true JP2005022078A (ja) | 2005-01-27 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004245198A Pending JP2005022078A (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | 表面加工基板の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113319655A (zh) * | 2021-06-17 | 2021-08-31 | 无锡派尔福精密模具有限公司 | 一种异型曲面精密光学磨削方法 |
-
2004
- 2004-08-25 JP JP2004245198A patent/JP2005022078A/ja active Pending
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