JP4918542B2 - 6枚の反射鏡を備えたeuv投影光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、光学軸に沿って配置された少なくとも6枚の反射鏡を有し、波長が193nm以下の投影対物光学系に関する。
(関連出願のクロスリファレンス)
本出願は、2005年5月13日に米国特許商標局に出願した米国仮出願第60/680663号に基づく優先権を主張する。米国仮出願第60/680663号の内容は、参照により本願明細書に全体が包含される。
EUVリソグラフィー光学系の設計では、照明領域と投影光学系双方における系の透過率が中心的な課題となっている。透過率は2つの要因によって決定される。一つは、垂直入射鏡、斜入射鏡、光学素子、フィルタなどの光学素子の数であり、もう一つは、光学素子の反射率である。透過率を最適化するためには、光学素子の数を最小限として、更に光学素子各々の反射率を最大限にする必要がある。好ましくは、これは、それぞれの境界条件、特に、結像性能(imaging power)、構造及び製造に関する観点から光学系の仕様を考慮して決定される。
光学素子の数を削減する一つの方法は、投影レンズ光学系の入射瞳の交差(intersection)距離又は遮蔽(intercept)距離が負となるように選択することである。これについては国際公開第WO2004/010224A2号に記載している。国際公開第WO2004/010224A2号に記載の照明光学系では、交差距離又は遮蔽距離を正とした光学系と比較して、照明光学系内の垂直入射鏡を省くことができ、系の透過率も二倍になる。しかしながら、この出願に示した第1の投影光学系では、物体側の動作距離が極めて小さくなるために、照射光束に結合することが不可能又は極めて困難である。国際公開第WO2004/010224A2号に示す他の光学系では、物体側の動作距離が大きく、約400mmとなっているが、第1部の3枚の反射鏡への入射角が大きいため、これらの鏡の反射率は比較的小さくなっている。
国際公開第WO2004/010224A2号に開示された交差距離又は遮蔽距離が負の投影光学系において、入射角の小さい実施の形態では、レチクルと第2部の鏡M2の距離が約226mmで、全長は1500mmである。即ち、自由な動作距離の値が、投影光学系の全長の約15%に相当している。入射角の大きい実施の形態では、レチクルと鏡の距離は400mmである。
交差距離が負の光学系は、米国特許第6781671B2号にも開示されている。ここに開示されたものは、入射瞳も負の交差距離を有している。特に、鏡M22、鏡M24、鏡M25への入射角が大きいため、これらの鏡に対する反射率の損失は極めて大きい。米国特許第6781671B2号に開示された6枚の反射鏡を備えた投影対物光学系は、物体側の動作距離が約29mmで、全長は698mmである。即ち、動作距離は対物光学系の全長の4.2%に過ぎず、入射角は極めて大きく、20°を上回る。米国特許第6781671B2号に開示された6枚の反射鏡を備えた光学系で、レチクルと第2部の鏡との距離が55mmで、全長の7.9%に相当する。
米国特許第6033079号は、入射角を最小限にして、個々の鏡の反射率をコーティングによって調整し、投影レンズ光学系の透過率を最大とする投影光学系を開示している。しかしながら、米国特許第6033079号に開示された光学系は、入射瞳の交差距離が 正であり、照明光学系は、交差距離が正であることから、極めて大きな損失を示している。
本発明は、従来技術の欠点を克服することを目的とする。特に、入射角を小さくして入射瞳の交差距離又は遮蔽距離を負とする有利な特性を組み合わせた投影光学系を提供する。更に、簡単に照明に結合できるものとする。
この目的は、本発明に従って、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の特徴の投影対物光学系又は投影光学系によって達成される。
本発明の第1の実施の形態では、投影光学系は、少なくとも6枚の鏡を備える。6枚の鏡は光学軸HAに沿って配置される。6枚の鏡はそれぞれ光学軸を中心としている。更に、各鏡は、投影光学系の物体面から像面に進む光が入射する鏡表面を有する。各鏡は、各鏡表面と光学軸との交差点によって画定される頂点を有する。6枚の鏡は、物体面から像面に進む光の光路上に、物体面からの光が第1の鏡に入射し、第1の鏡表面によって反射され、第1の鏡から第2の鏡に進み、第2の鏡表面によって反射され、第2の鏡から第3の鏡に進み、第3の鏡表面によって反射され、第3の鏡から第4の鏡に進み、第4の鏡表面によって反射され、第4の鏡から第5の鏡に進み、第5の鏡表面によって反射され、第5の鏡から第6の鏡に進み、第6の鏡表面によって反射され、第6の鏡から第1の手法では像面に直接、第2の手法では、更なる鏡などの他の光学素子を介して像面に進むように配置されている。
本出願において、鏡と鏡との間の距離、又は鏡と平面、例えば、物体面との間の距離とは、光学軸に沿った2枚の鏡の頂点の間の距離、又は鏡と平面の頂点の間の距離である。本発明の一つの目的によると、第1の鏡は、光学軸に沿って幾何学的に第5の鏡と第6の鏡の間に位置する。更に第3の鏡は凸面鏡である。
本発明の更なる実施の形態では、第3の鏡、第4の鏡、第6の鏡は、空間的に、又は幾何学的に第1の鏡と第2の鏡の間に配置されている。
この結果、少なくとも6枚の鏡を備えた上述の実施の形態の投影光学系では、物体面と物体面に空間的に最も近接した鏡との間の距離を拡大できる。こうして距離を拡大することによって、投影光学系の物体側の作業空間が広がる。光学軸に沿って第1の鏡と第2の鏡の間に第3の鏡、第4の鏡、第6の鏡を配置することによって、第1の鏡M1と第2の鏡M2の間の空間的な距離が拡大し、結果として第1の鏡と第2の鏡の入射角が小さくなる。
更に、上述の実施の形態によって物体面と物体面に最も近接した鏡の間の空間的な距離を拡大できる。これによって、例えば、光束を結合するために、物体面の前面に斜入射鏡を配置するなど、十分な空間を設けることができる。
物体側の自由な動作距離が好ましくは対物光学系の全長の8%を上回る、より好ましくは16%を上回る、更に好ましくは20%を上回る、更に好ましくは25%を上回るのがよい。物体側の動作距離とは、レチクルが配置された物体面と物体面に最も近接した鏡との軸方向の距離を意味するものとする。物体面に最も近接した鏡とは、第2の鏡と第4の鏡の何れかが好ましい。
物体面と物体面に最も近接した鏡、例えば鏡M2又は鏡M4との距離の絶対値は、160nm以上、好ましくは360nm以上、より好ましくは520nm以上がよい。好ましくは、中央フィールド点への主光線の法線に対する第1の鏡M1の入射角は4°を下回る、第2の鏡M2への入射角は14°を下回る、第3の鏡M3への入射角は18°を下回る。
第4の鏡M4が、上述の定義の範囲でレチクルが配置された物体面に最も近接した鏡である場合、物体面と第2の鏡との距離は、照明光束を結合するために重要である。
好ましくは、光束経路における第2の鏡とレチクルが配置された物体面との距離は、投影対物光学系の全長の16%を上回る、より好ましくは20%を上回る、更に好ましくは25%を上回る。
本発明の好ましい実施の形態において、物体面に配置された物体によって反射された電磁放射の主光線(CR)が、投影対物光学系又は投影光学系内に像面の像の方向へ光学軸から離れて進み、物体面から第2の鏡(M2)への距離が、対物光学系の全長の16%を上回る、好ましくは20%を上回る、より好ましくは25%を上回り、対物光学系の全長とは物体面から像面への光学軸に沿った距離であり。好ましくは、中央フィールド点への主光線(CR)は各鏡に、それぞれの鏡の鏡表面の法線に対して25°を下回る、好ましくは20°を下回る、より好ましくは18°を下回る入射角で入射する。
他の好ましい実施の形態において、物体面に配置された物体から反射された電磁放射の主光線が、投影光学系内に像面の像の方向へ光学軸から離れて進み、物体面から物体(マイクロリソグラフィー光学系ではレチクルとも呼ばれる)に最も近接した鏡への距離が、対物光学系の全長の8%を上回る、好ましくは15%を上回る、より好ましくは20%を上回り、対物光学系の全長は物体面と像面の距離であり、中央フィールド点に関連する主光線(CR)は各鏡に、それぞれの鏡の鏡表面の法線に対して25°を下回る、好ましくは20°を下回る、より好ましくは18°を下回る入射角で入射する。
好ましくは、投影対物光学系の像側開口数(NA)は、0.2以上である、より好ましくは0.3以上である、更に好ましくは0.35以上である。投影対物光学系の絞りは、好ましくは、第1の鏡と第3の鏡の間に配置される。
絞りは、好ましくは、取扱い可能な(accessible)絞りであり、好ましくは虹彩絞りである。
本発明の第1の実施の形態において、第2の鏡は、平面鏡、凸面鏡、凹面鏡の何れかである
本発明の更なる実施の形態において、第3の鏡は凸面鏡である。
更なる実施の形態において、第4の鏡は凹面鏡である。
投影対物光学系において、好ましくは第5の鏡が凸面鏡である。
更なる実施の形態の投影対物光学系において、第6の鏡は凹面鏡である。
更なる実施の形態において、第1の鏡は凹面鏡である。
好ましくは、投影光学系は、縮小光学系であり、物体面の物体フィールドは、物体フィールドに対して所定の比率、例えば、4:1投影光学系の場合は4倍に、5:1投影光学系の場合は5倍に、像フィールドに縮小されて結像される。
投影対物光学系に加えて、本発明は更に、光源と、複数のフィールド点を含むフィールドが形成され、照明される、フィールド面とを有した照明光学系とを備えた、193nm以下の波長を用いたマイクロリソグラフィー用投影露光光学系を提供する。フィールドの各フィールド点から主光線が発散される。マイクロリソグラフィー投影露光光学系は更に、本発明の投影対物光学系を備える。フィールド面の物体は、本発明の投影光学系の支援によって、投影光学系の像面に結像される。物体とは、好ましくは構造を有するマスク、特にレチクルである。本発明の投影対物光学系又は投影光学系は、光学軸を備え、物体面のフィールドを構成するそれぞれのフィールド点に対応する主光線(CR)が対物投影光学系内に光学軸の光の方向に発散して進む点に特徴がある。スキャナ型投影露光光学系では、照射されるフィールド面のフィールドは、当業者には、国際公開番号第WO2004/010224、図1に開示されて公知のように、対称軸と中央フィールド点を有する環状フィールドを形成する。国際公開番号第WO2004/010224の内容は、参照により本願明細書に全体が包含される。
投影露光光学系に支援によってマイクロエレクトロニクス部品又はマイクロエレクトロニクス部品の一部を製造できる。構造を有するマスクを、投影露光光学系の支援によって、投影対物光学系の像面に位置する感光性レイヤに投影し、構造を有するマスクを現像して、マイクロエレクトロニクス部品の一部又はマイクロエレクトロニクス部品自体を生成する。
以下、本発明について図面を参照しながら実施の形態を例示して説明する。
図1に、像側開口NA=0.25、像側フィールドの寸法が2x26mmの、第1の実施の形態の6反射鏡型投影対物光学系又は投影光学系を示す。像側スリット長は、2mmとなる。フィールドは弓形形状フィールドで、当業者には環状フィールド(ring field)とも呼ばれている。例えば、国際公開第WO2004/010224で当業者に示された弓形形状フィールドは、この図1に示すように、物体面のz,y,z座標系の中心に中央フィールド点を有している。更に、この出願の図8の代表的な実施の形態に、環状フィールドが示されている。図1の投影光学系の入射瞳は、物体面の左側にあるため、投影光学系の交差距離、即ち、物体面のフィールドから発散する主光線が投影対物光学系又は投影光学系に分散して進む距離は負となる。図1で、参照番号の1は、物体面を示し、3は像面を示し、M1は第1の鏡、M2は第2の鏡、M3は第3の鏡、M4は第4の鏡、M5は第5の鏡、M6は第6の鏡、HAは光学軸、CRは、物体面の環状フィールドの中央フィールド点へ進む主光線を示す。第4の鏡5と第5の鏡の間に中間像Zが形成されている。
図1〜図5に示す全ての実施の形態において、物体面は、xyz座標系のyz面に示す。図1〜図6は、投影対物光学系、即ち投影光学系の子午切断面を示す。環状フィールドスキャナにおいて、y方向が走査方向と一致する。更に、図1〜6に示す全ての実施の形態では、鏡の使用領域のみを示す。鏡の使用領域とは、投影光学系の物体側から像側へ進む光が当たる鏡表面上の領域である。更に、各鏡の鏡表面MS1,MS2,MS3,MS4,MS5,MS6は、例えば、Code Vなどのプログラムを用いて算出している。鏡表面MS1,MS2,MS3,MS4,MS5,MS6は、光学軸と交差して、各鏡M1,M2,M3,M4,M5,M6の頂点V1,V2,V3,V4,V5,V6を形成している。例えば、鏡M2と物体面1との距離は、光学軸HAに沿った頂点V2と物体面1との距離として定義される。物体面1と最も近接した鏡との距離は、ここでは、鏡M2と物体面との距離で360mmを上回り、図7に示す斜入射鏡10によって、照明光束を結合できるようになっている。斜入射鏡10は、レチクルが位置する物体面の直前に配置されている。系の波面誤差(wavefront error)は0.015λrmsを下回り、静的な歪みも、3nmを下回るように補正されている。個々の鏡の中央フィールド点に進む主光線CRの入射角を非球面度(asphericity)と非球面勾配(aspheric gradient)とともに以下の表1に示す。
Figure 0004918542
光学系の開口絞りBは、第2の鏡M2と第3の鏡M3の間の光束経路上に位置する。光束が容易に通過できるため、絞りが鏡の直前に設けられている場合と同様に、口径食効果は発生しない。絞りの上部と下部に自由な作業可能な空間があるため、開口絞りBは、虹彩絞りとしても構成できる。第1の実施の形態による光学系(図1)の光学データをCode V形式で表2に記す。
Figure 0004918542
図2に第2の実施の形態を示す。図2に示す実施の形態は第1の実施の形態と類似しているが、物体面1と物体面に最も近接した鏡との空間が全体的に更に大きくなっている点が相違している。物体面1と第2の鏡M2の反射面との距離は526mmである。これによって、照明光学系に斜入射鏡を設置することが可能になるだけでなく、例えば、物体面に合わせてフィールドを改善するための、いわゆるユニコム(Unicom)などの光学素子を設置する空間も設けられる。図1と同様の構成には同様の参照番号を付している。図1〜図7に示す全ての実施の形態に関する一例として、図2に、本願における主光線CRの中央フィールド点への入射角の定義を説明する。ここでは、一例として鏡M1を示す。主光線CRは、鏡M1の鏡表面MS1のポイントIMPに当たる。ポイントIMPでは、鏡表面MS1の法線Nが画定される。法線Nに対する主光線CRの中央フィールド点への入射角をαで示す。
この例についても、入射角、非球面度及び非球面勾配に関するデータを算出して以下の表3に記す。
Figure 0004918542
本実施の形態でも、最大非球面勾配の値は2.0μm/mmに制限された。
第2の実施の形態による光学系(図2)の光学データをCode V形式で表4に記す。
Figure 0004918542
図3に示す第3の実施の形態は、先行する2つの実施例と類似しているが、本光学系では残余波面誤差(residual wavefront error)を0.006λに、歪みを0.1nm未満に修正した。入射角も大幅に低減している。図1及び図2と同様の構成には同様の参照番号を付している。
しかしながら、以下の表5から明らかなように、他の二つの光学系と比較して、非球面勾配を高くする必要があった。
Figure 0004918542
3つの実施の形態の比較から、第3の鏡M3の非球面勾配が、投影品質、例えば、残余波面誤差及び歪みに、比較的影響を与えていることが明確になった。
図3の光学系の光学データをCode V形式で表6に記す。
Figure 0004918542
第4の実施の形態として、入射瞳の交差距離が負で、像側開口数がNA=0.30の6反射鏡型投影対物光学系を示す。波面の残差(residual error)は0.017λで、歪みを修正して最大値を1nmとした。先行する図面と同様の構成には同様の参照番号を付している。
本実施の形態の入射角、非球面度及び非球面誤差を以下の表7に記す。
Figure 0004918542
図4に示す実施の形態の更なる特徴は、第2の鏡M2が光束経路に対して近軸平面状の構成(paraxial flat configuration)を有する、即ち、鏡ペアレント(mirror parent)の基本曲率がゼロと等価である点にある。このような鏡は、「軸外しを用いたシュミット鏡」とも呼ばれる。これによって製造工程が大幅に簡略化される。図4に示す実施の形態の光学データをCode V形式で以下の表8に示す。
Figure 0004918542
第5の実施の形態は、像側が高開口数でNA=0.35、像側走査スリット長が1mmの6反射鏡型投影光学系である。波面の残差は約0.040λr.m.s.で、歪みを修正して最大値を2nmとした。この光学系を図5に示す。
この入射角、非球面度及び勾配を以下の表9に示す。
Figure 0004918542
図5に示す実施の形態の光学データをCode V形式で表10に示す。
Figure 0004918542
図6に示す第6の実施の形態は、像側の開口数がNA=0.25、像側走査スリット長が2mmの6反射鏡型投影対物光学系である。光学系の波面の残差は僅か約0.006λであり、主光線の歪みの最大値は0.4nmである。
本実施の形態において、物体面とレチクルに最も近接した鏡(この場合第4の鏡M4)との距離は僅か160mmであるが、斜入射鏡によって照明光学系を結合することに関係する鏡M2と物体面との間の距離は十分に大きい。第4の鏡M4と物体面1との距離とは、第4の鏡M4の頂点V4と物体面1との距離である。この特性を組み合わせることによって、本光学系の入射角は極めて小さくなっている。このようにして、鏡M2、鏡M3、鏡M6を鏡M1と鏡M4の間の空間に配置し、絞りBを物体面1から像面3迄の光路において2枚の鏡M2、M3の間に配置することを可能としている。
この入射角、非球面度及び勾配を以下の表11に記す。
Figure 0004918542
図6に示す実施の形態は、入射角、非球面度及び勾配の値が小さく、波面の修正が極めて有利である点に特に特徴がある。
図6に示す実施の形態の光学データをCode V形式で以下の表12に示す。
Figure 0004918542
図1〜図6に示した全ての実施の形態において波長λは13.5nmである。
図7に、交差距離又は遮蔽距離が負である本発明の投影光学系を備えた投影露光光学系の構成を示す。
6反射鏡型投影対物光学系を参照番号2000で、照明光学系は参照番号3000で示す。6反射鏡型投影光学系は、図1〜図6に従った対物光学系であることが好ましい。図7の実施の形態は、図1に従った投影光学系を備える。これは例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。図2〜図6の何れかに従った対物光学系を備えた光学系の場合であってもほぼ同様の構成を有するため、当業者であれば、創意工夫を用いずに実現可能である。
照明光学系3000は、例えば、欧州特許EP1225481号に記載のもののように、光源3010及び斜入射集光器3012を備える。これは、回折スペクトルフィルタとして構成可能なスペクトルフィルタ要素3020に続く。光源の中間像ZQに近接して絞り3030を組み合わせることによって、波長が所望の波長より長い望ましくない放射が絞り3030の背後に位置する照明光学系の部分に入らないようにすることができる。回折スペクトルフィルタ3020の後には、EUV波長領域、例えば、波長λが13.5nmの光学系用の第1ラスタ要素、いわゆるフィールドミラーファセットを有する第1ラスタ鏡3040が続く。フィールドファセットは、スペクトルフィルタから入射するビーム束3050を、それぞれが二次光源に対応する複数の個別のビーム束に分ける。複数の二次光源3052は、第2ラスタ鏡の複数の個別のラスタ要素に近接して位置する。第2ラスタ鏡3042のラスタ要素は、EUV波長領域、好ましくは1〜20nmの波長用に設計された光学系の場合、瞳ミラーファセットとなる。二重ファセット型照明光学系については、米国特許第6195201号から、いわゆるフィールドラスタ要素又はフィールドファセットが、物体面で照射されるフィールドの形状を有し、これによって物体面のフィールドの形状を決定するものが知られている。物体面のフィールドが円弧形状の場合、フィールドファセットもまた弓形形状の構成となる。
或いは、フィールドラスタ要素は長方形でもよい。この種の照明光学系については、米国特許第6198793号に開示されている。この照明光学系では、フィールドの形状は、フィールド形成(field−forming)鏡の補助によって成形する。
フィールドが形成される物体面3100は、投影対物光学系の物体面と一致する。物体面のフィールドを像面3200のフィールドに投影するようになっている。この投影光学系は、図1の実施の形態に従った投影光学系に対応している。したがって、図1の実施の形態と同様の鏡には同様の参照番号を付しており、光路上で最初に位置する鏡には、参照番号M1を付している。
投影光学系の像面3200には、感光性レイヤを有する基板、例えば、ウェーファを配置できる。
図7に示す投影露光光学系は、主光線が投影対物光学系又は投影光学系の入射瞳に分散して入射する点に特徴がある。かかる光学系では、投影光学系の入射瞳は照明光学系の射出瞳と一致する。主光線が投影対物光学系又は投影光学系に分散して入射する光学系は、交差距離が負であり、投影対物光学系又は投影光学系の入射瞳(図示されてない)は物体面3100で反射され、反射された入射瞳は光源から物体面3100へ進む光路上で物体面3100の前面に配置される。
交差距離が負の投影光学系については、開示範囲全体が本発明に包含される国際公開番号第WO2004/010224に記載している。
最も近接した鏡(本例では鏡M2)の物体面との距離が大きくなった結果、照明光学系の光を投影対物光学系又は投影光学系に導く結合用鏡3060に十分な空間が生じた。本例では、結合用鏡3060は、斜入射鏡として配置されている。この鏡3060は、フィールド形成に関与できるが、必ずしも関与する必要はない。
投影光学系の物体面の投影露光装置の物体フィールド11100を図8に示す。像面の像フィールドは、物体面の物体フィールドと同様の形状を有するが、寸法は投影光学系の縮小倍率比に応じて縮小されている。投影露光装置が環状フィールドスキャナで、環状フィールドが対称軸11200を有する場合、物体又は像フィールド11100は環状フィールドの一部を構成する。
更に、環状フィールド11000の中央フィールド点11500における対称軸11200に対するz,y,z座標系のx軸及びy軸を示す。図1から明らかなように、環状フィールドの対称軸11200は、y軸方向に延在する。y軸は、環状フィールドスキャナである投影露光装置の走査方向と一致する。x軸方向は、物体面内の走査方向に対して垂直な方向である。環状フィールドは、投影光学系の光学軸(HA)から物体フィールドの中央フィールド点11500迄の距離によって画定される、いわゆる環状フィールド半径Rを有する。像面及び物体面の弓形形状フィールドは、いわゆる走査スリット長である、走査方向又はy方向に延在するフィールド延長部のフィールド幅Wと、セカント長(secant length)Sを有する。フィールドは、複数のフィールド点に分割できる。図8では、複数のフィールド点を代表して中央フィールド点11500のみを示す。各フィールド点から主光線(図示してない)を有する光束が発散する。
本発明による投影露光光学系を用いて、1以上の感光性レイヤを首尾良く露光し、続けて現像することによって、マイクロエレクトロニクス部品を製造できる。
本発明の第1の実施の形態の投影光学系を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の投影光学系を示す図である。 本発明の第3の実施の形態の投影光学系を示す図である。 本発明の第4の実施の形態の投影光学系を示す図である。 本発明の第5の実施の形態の投影光学系を示す図である。 本発明の第6の実施の形態の投影光学系を示す図である。 投影露光光学系を示す図である。 環状フィールドを示す図である。

Claims (17)

  1. 波長が193nm以下の光を物体面(1)から像面(3)へ導く投影光学系であって、
    光学軸(HA)を中心として、前記光学軸(HA)に沿って配置された、第1の鏡(M1)、第2の鏡(M2)、第3の鏡(M3)、第4の鏡(M4)、第5の鏡(M5)、第6の鏡(M6)を少なくとも備え、
    前記光は前記物体面(1)から前記第1の鏡(M1)へ、前記第1の鏡(M1)から前記第2の鏡(M2)へ、前記第2の鏡(M2)から前記第3の鏡(M3)へ、前記第3の鏡(M3)から前記第4の鏡(M4)へ、前記第4の鏡(M4)から前記第5の鏡(M5)へ、前記第5の鏡(M5)から前記第6の鏡(M6)へ進み、
    前記第1の鏡(M1)は前記光学軸(HA)に沿って、幾何学的に前記第5の鏡(M5)と前記第6の鏡(M6)の間に配置され、前記第3の鏡(M3)は凸面鏡であり、
    前記第3の鏡(M3)、前記第4の鏡(M4)、前記第6の鏡(M6)は前記光学軸(HA)に沿って、幾何学的に前記第1の鏡(M1)と前記第2の鏡(M2)の間に配置されることを特徴とする投影光学系。
  2. 波長が193nm以下の光を物体面(1)から像面(3)へ導く投影光学系であって、
    光学軸(HA)を中心として、前記光学軸(HA)に沿って配置された、第1の鏡(M1)、第2の鏡(M2)、第3の鏡(M3)、第4の鏡(M4)、第5の鏡(M5)、第6の鏡(M6)を少なくとも備え、
    前記光は前記物体面(1)から前記第1の鏡(M1)へ、前記第1の鏡(M1)から前記第2の鏡(M2)へ、前記第2の鏡(M2)から前記第3の鏡(M3)へ、前記第3の鏡(M3)から前記第4の鏡(M4)へ、前記第4の鏡(M4)から前記第5の鏡(M5)へ、前記第5の鏡(M5)から前記第6の鏡(M6)へ進み、
    前記物体面(1)に配置された物体から反射された電磁放射の中央フィールド点(11500)への主光線(CR)が、投影光学系内に前記像面(3)の像の方向へ前記光学軸(HA)から離れて進み、
    前記物体面から前記第2の鏡(M2)の頂点(V2)への距離が、対物光学系の全長の16%を上回る、好ましくは20%を上回り、前記対物光学系の全長は前記物体面(1)と前記像面(3)の距離であり、前記中央フィールド点(11500)への主光線(CR)は各鏡に、それぞれの鏡の鏡表面の法線(N)に対して25°を下回る、好ましくは20°を下回る、より好ましくは18°を下回る入射角で入射し、
    前記第1の鏡(M1)は前記光学軸(HA)に沿って、幾何学的に前記第5の鏡(M5)と前記第6の鏡(M6)の間に配置され、前記第3の鏡(M3)は凸面鏡であり、
    前記第3の鏡(M3)、前記第4の鏡(M4)、前記第6の鏡(M6)は前記光学軸(HA)に沿って、幾何学的に前記第1の鏡(M1)と前記第2の鏡(M2)の間に配置されることを特徴とする投影光学系。
  3. 波長が193nm以下の光を物体面(1)から像面(3)へ導く投影光学系であって、
    光学軸(HA)を中心として、前記光学軸(HA)に沿って配置された、第1の鏡(M1)、第2の鏡(M2)、第3の鏡(M3)、第4の鏡(M4)、第5の鏡(M5)、第6の鏡(M6)を少なくとも備え、
    前記光は前記物体面(1)から前記第1の鏡(M1)へ、前記第1の鏡(M1)から前記第2の鏡(M2)へ、前記第2の鏡(M2)から前記第3の鏡(M3)へ、前記第3の鏡(M3)から前記第4の鏡(M4)へ、前記第4の鏡(M4)から前記第5の鏡(M5)へ、前記第5の鏡(M5)から前記第6の鏡(M6)へ進み、
    前記物体面(1)に配置された物体から反射された電磁放射の中央フィールド点(11500)への主光線(CR)が、投影光学系内に前記像面(3)の像の方向へ前記光学軸(HA)から離れて進み、
    前記物体面から前記物体に最も近接して配置された鏡の頂点への距離が、前記投影光学系の全長の8%を上回る、好ましくは15%を上回る、より好ましくは20%を上回り、
    前記対物光学系の全長は前記物体面(1)と前記像面(3)の距離であり、前記主光線(CR)は各鏡に、それぞれの鏡の鏡表面の法線(N)に対して25°を下回る、好ましくは20°を下回る、より好ましくは18°を下回る入射角で入射し、
    前記第1の鏡(M1)は前記光学軸(HA)に沿って、幾何学的に前記第5の鏡(M5)と前記第6の鏡(M6)の間に配置され、前記第3の鏡(M3)は凸面鏡であり、
    前記第3の鏡(M3)、前記第4の鏡(M4)、前記第6の鏡(M6)は前記光学軸(HA)に沿って、幾何学的に前記第1の鏡(M1)と前記第2の鏡(M2)の間に配置されることを特徴とする投影光学系。
  4. 中央フィールド点(11500)への主光線(CR)が、前記第1の鏡に、前記第1の鏡の鏡表面の法線(N)に対して4°を下回る入射角で入射する、請求項1から請求項迄の何れかに記載の投影光学系。
  5. 中央フィールド点(11500)への主光線(CR)が、前記第2の鏡に、前記第2の鏡の鏡表面の法線(N)に対して14°を下回る入射角で入射する、請求項1から請求項迄の何れかに記載の投影光学系。
  6. 中央フィールド点(11500)への主光線(CR)が、前記第3の鏡に、前記第3の鏡の鏡表面の法線(N)に対して18°を下回る入射角で入射する、請求項1から請求項迄の何れかに記載の投影光学系。
  7. 像側開口数を有し、前記像側開口数(NA)が0.2を上回る、より好ましくは0.25を上回る、より好ましくは0.28を上回る、より好ましくは0.3を上回る、より好ましくは0.32を上回る、更に好ましくは0.35以上である、請求項1から請求項迄の何れかに記載の投影光学系。
  8. 前記第2の鏡(M2)と前記第3の鏡(M3)の間に絞りを配設した、請求項1から請求項迄の何れかに記載の投影光学系。
  9. 前記絞りが取扱い可能な絞りであり、好ましくは虹彩絞りである、請求項に記載の投影光学系。
  10. 前記第2の鏡(M2)が平面鏡、凸面鏡、凹面鏡の何れかである、請求項1から請求項迄の何れかに記載の投影光学系。
  11. 前記第3の鏡(M3)が凸面鏡である、請求項1から請求項10迄の何れかに記載の投影光学系。
  12. 前記第4の鏡(M4)が凹面鏡である、請求項1から請求項11迄の何れかに記載の投影光学系。
  13. 前記第5の鏡(M5)が凸面鏡である、請求項1から請求項12迄の何れかに記載の投影光学系。
  14. 前記第6の鏡(M6)が凹面鏡である、請求項1から請求項13迄の何れかに記載の投影光学系。
  15. 前記第1の鏡(M1)が凹面鏡である、請求項1から請求項14迄の何れかに記載の投影光学系。
  16. 物体面の物体を照射する照明光学系と、前記物体面の物体を像面の像に結像する請求項1から請求項14迄の何れかに記載の投影対物光学系を備えた、193nm以下の波長を用いたマイクロリソグラフィー用投影露光光学系。
  17. 請求項16に記載の投影露光光学系によって、
    構造を有するマスクを投影対物光学系の像面に位置する感光性レイヤに投影するステップと、
    前記構造を有するマスクを現像して、マイクロエレクトロニクス部品の一部又はマイクロエレクトロニクス部品自体を生成するステップとを有する、マイクロエレクトロニクス部品の製造方法。
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