JP3581689B2 - 位相測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学薄膜の位相測定装置に関し、例えばIC、LSI等の半導体デバイス、CCD等の撮影デバイス、液晶パネル等の表示デバイス等のデバイス製造用のステップ・アンド・リピート方式やステップ・アンド・スキャン方式等の露光装置に用いる光学系の反射面や透過面につけられている光学薄膜の位相を計測する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
デバイスパターンの微細化に伴い、デバイスパターンを感光材料に投影露光するときの露光波長はますます短波長化されている。例えば露光波長として、KrF(波長248nm)からArF(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)さらにはEUVの波長13.4nmの光まで用いるようになってきている。
【0003】
デバイスパターンの微細化は半導体産業のダイナミックスを支えるもっとも大きなファクタで、256M DRAMで線幅0.25ミクロンの解像を要求した時代から、さらに線幅180nm、130nm、100nmへと世代が急速に変わりつつある。露光光としてi線(波長365nm)を利用したリソグラフィでは波長以下の線幅の解像は使われてこなかった。
【0004】
これに対してKrFは248nmの波長でありながら180nmさらには150nmの線幅を対象としたリソグラフィに適用されている。レジストの改良、超解像技術等の成果を駆使して、波長以下の線幅の解像が実用化されつつある。種々の超解像技術を駆使すれば、lines and spacesで1/2波長の線幅のパターン解像が実用の視野に入ってきている。
【0005】
しかしながら超解像技術にはパターンの製造上の制約が伴うことも多く、解像力向上の王道は何といっても露光光の波長を短くし、投影光学系のNAを向上させることである。上記事実が露光光の短波長化への大きなモーティベーションとなっており、波長10〜15nmの光を露光光として用いるEUVリソグラフィを開発する所以となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
EUV光を露光光として用いる場合は、EUV波長域で透明な物質が存在しない為、EUV領域を対象とする光学系では使用できる材料に大きな制限が加わる。特に透過型の光学素子はもはや使用できず総て反射系の構成となるEUV領域では光学材料の光学定数が1に近い為にミラー表面の反射率が低くなる。所定の反射率を得る為に反射鏡(ミラー)につける反射増強用の膜の特性が大きな課題となっている。膜についても材料の制約が大きく、実質的にはMoとSiの交互層で作られる膜(多層膜)が基本構成をなすことになる。この他にも、例えばBe−Si、Rh−Siの多層膜等がある。膜はMoとSiの交互層を1ペアと考えると40ペアほどの多層が要求されることになり、光学特性の変化が非常に激しくなる。
【0007】
EUV領域を対象とした膜で特徴的なのは反射率とともに膜の位相(位相分布)の管理が要求されることである。EUV光が膜で反射する際に、その位相が変化する。膜の位相分布はミラー面に入射した波面をひずませることになり、ミラー面内で膜の周期長にずれがあると収差(波面収差)を発生させる原因となる。このため、ミラー面に膜をつけた時点で膜の位相(位相分布)を測定することが望ましい。特に、膜を施した各位置における位相と膜に種々な角度で入射したときの角度特性を測定することが望ましい。
【0008】
特に反射結像系の収差を補正するためには、ミラーの基板の曲率や非球面量など、基板の形状を高精度に製造する他に、反射増強用の多層膜の性能も精度良く管理する必要がある。このときの多層膜は1つのミラー面の中でも反射する位置に応じて反射の際に光に与える位相が大きく異ならないように精度良く制御する必要がある。
【0009】
この他、反射結像系を組み上げる前に、ミラーの形状を仕上げ、ミラー面上に多層膜を積層させたそれぞれの位置での反射位相が設計値と同じく製造されているかを検査する必要がある。
【0010】
本発明は、曲率のある反射鏡や平面反射鏡に施した膜の各位置における位相特性又は/及び入射角に依存する膜の位相特性を容易に、しかも高精度に測定することができる位相測定装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の位相測定装置は、光源手段と、該光源手段からの光束を集光し、入射角にある幅を有するようにして、表面上に膜を施した被検物体上に入射させる反射手段と、該被検物体で反射した光の波面を検出する検出手段と、を有し、該検出手段で得られる波面情報より、該被検物体上に施した膜への入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明の位相測定装置は、光源手段と、該光源手段からの光束を、表面上に膜を施した被検物体上の所定の位置に集光させることにより、該所定の位置に入射角に幅を持った光を入射させる反射手段と、該被検物体で反射した光を複数の光束に分岐する分岐グレーティングと、該分岐グレーティングにより分岐した複数の光束のうち2つの光に基づく干渉情報を検出する検出手段と、を有し、該検出手段で得られる干渉情報より、該被検物体上の該所定の位置における入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記被検物体に入射する光束は、前記被検物体上の1点に入射することを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明の位相測定装置は、光源手段と、該光源手段からの光束を複数の光束に分岐し、表面上に膜を施した被検物体上の複数の位置に導光する分岐グレーティングGaと、該被検物体上の該複数の位置のうち、近傍する2点で反射した2つの反射光を結合させる結合グレーティングと、該結合グレーティングにより結合された2つの光に基づく干渉情報を検出する検出手段と、を有し、該検出手段で得られる干渉情報より、該被検物体上に施した膜の位置に依存する位相情報を測定することと共に、該分岐グレーティングGaと結合グレーティングを光路中より退避させ、それらの代わりに該光源手段からの光束を集光し、入射角にある幅を有するようにして,表面上に膜を施した被検物体上に入射させる反射手段と、該被検物体で反射した光を複数の光束に分岐する分岐グレーティングGbを光路中に設け、該分岐グレーティングGbにより分岐した複数の光束のうち2つの光に基づく干渉情報を該検出手段で検出し、該検出手段で得られる干渉情報より、該被検物体上に施した膜への入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴としている。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項の発明において、さらに偏光選択手段を有し、選択した偏光における位相情報を測定することを特徴としている。
【0016】
請求項6の発明の露光装置は、請求項1乃至5いずれか1項の位相測定装置で測定した光学部材を有していることを特徴としている。
【0017】
請求項7の発明の位相測定方法は、表面上に膜を施した被検物体に対して、実質的に1点に光束を入射し、前記1点からの光束をシアリング干渉させることにより、膜の位置及び/又は角度依存の位相情報を、位置及び/又は角度に関して概略微分することにより、前記膜への入射位置及び/又は入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴としている。
【0018】
請求項8の発明の露光装置は、請求項7に記載の前記位相測定方法により位相測定を行った光学部材を有していることを特徴としている。
【0019】
請求項9の発明のデバイスの製造方法は、請求項8に記載の露光装置により被露光体に露光する工程と、露光された前記被露光体を現像する工程とを有することを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の膜(多層膜)の反射位相分布の測定では、膜が施されている面の場所による膜の反射位相分布の特定と、膜への入射角の違いによる反射位相(膜の入射角依存性)の測定とを行っている。
【0022】
図1、図2は本発明の位相測定装置の実施形態1の要部概略図であり、EUV波長域を対象としたミラー面上の膜の位相情報を測定する場合を系している。図1は膜が施されているミラー面上の場所による膜の反射位相分布の測定を示す要部概略図である。図2は膜が施されているミラー面の光の入射角による膜の反射位相の測定を示す要部概略図である。
【0023】
本実施形態において測定は図1と図2に示す装置で2回に分けて行う。まず図1の測定系について説明する。光源1から出た光L1は楕円面や双物面等の反射鏡2で反射し、部材3に設けたピンホール3aを通して点光源からの波面とし、波面を整えている。光源1としてはレーザプラズマ光源や放射光(SR)を用いている。ピンホール3aからの光L2を絞り4を通すことで、直径1mm程度のビームL3にしている。このビームL3をミラーM1を介し、分波グレーティングG1によって2つの光La、Lbに分け、多層膜5に施された被検物体6上の微小にずれた2点5a、5bに角度をもって照射する。ここで光La、Lbの膜5への入射角は僅かに異なるが、ここでは簡単の為に略同一角度θとしてみなしている。
【0024】
又、入射位置5a、5bの差も僅かであるので略同一位置とみなしている。照射した2点5a、5bからの反射光La、Lbを結合グレーティングG2によって重ね合わせ、干渉させてCCDなどの検出手段7で干渉信号を得ている。尚、光源手段1からの光の波長が検出手段の検出可能な波長域外にあるときは、例えば光を蛍光板に入射させ、該蛍光板に形成される干渉情報を検出手段で検出しても良い。
【0025】
演算手段8は検出手段7からの干渉信号を用いて、光の入射角θにおける多層膜5の面上における反射位相分布を被検物体6と測定系の相対的位置を変えて計測している。位置による反射位相分布は位置をx、入射角をθであらわすと、位置xにおける膜の位相差は、
φ(x+Δx,θ)−φ(x,θ)
という位相の差分を干渉信号の強度として求めている。Δx、すなわちビームのずらし量を非常に微小にして(微分により波面をシフトさせて)、
【0026】
【数1】
Figure 0003581689
【0027】
を得る。
【0028】
ビームLa、Lbで被検物体6と測定系の相対的な移動によって多層膜5の全面を走査し、膜5面の位置xで積分することで、第1の入射角θにおける膜5の位相の位置による反射位置分布φ(x,θ)を算出している。ビームは広がりを持たせて膜5面上に入射させ、2次元信号としてデータ採取することにより、積分による位相データのつながりがよくなり、精度の高い測定結果を得られる。もしくは、細いビームで走査し、受光面の小さな検出手段を用いて、高速に走査してデータを採取するようにしても良い。
【0029】
本実施形態は、分波グレーティングG1と結合グレーティングG2を用いることにより、膜の各位置における反射位相情報を参照波面を形成する光学面を用いずに測定している。
【0030】
また、図1において、多層膜ミラーに入射する光は、位置微分が可能な範囲の拡がりを持ちつつ、ほぼ一点に集光した状態で多層膜ミラーに入射している。換言すると、位置微分が行える範囲の大きさを持ったほぼ1点に集光している。
【0031】
次に、図2の膜による反射位相の入射角分布の測定について説明する。光源1からの光L1は反射鏡2で反射し、部材3に設けたピンホール3aを通して点光源とし、波面を整える。ピンホール3aから広がったビームL4を、楕円面、放物面、回転非対称非球面等の反射鏡9を介して、膜(被検光面)5上で第1の入射角θから第2の入射角θまでの幅(範囲)をもった光束L5として膜5面上の測定点5cに集光するように照射する。膜5上の測定点5cで反射した光L6を分波グレーティングG1によって反射した光束L6をシアリングして2つの光束に分離し、互いに干渉させ、該干渉情報をCCDなどの検出手段7によって検出する。
【0032】
そして演算手段8によって検出手段7からの信号を用いて測定点5cの反射位相の入射角θ〜θにおける入射角分布を得ている。入射角分布は、
φ(x,θ+Δθ)−φ(x,θ
という位相の差分を干渉信号の強度として求めている。
【0033】
ΔθはビームL6のずらし角によって決まり、上記式は第1の入射角での値を示しているが、入射角θに幅を持っているので、第1の入射角θから第2の入射角θまでの範囲でこの値を求めている。Δを非常に微小にして、
【0034】
【数2】
Figure 0003581689
【0035】
を第1の位置xにおいて測定している。
【0036】
ビームL5は被検物体6と測定系の相対的な移動によって多層膜全面を走査し、全面における入射角度特性を求めている。また、この積分値を微分することでその位置xにおける入射角分分布φ(x,θ)を得ている。
【0037】
以上のように本実施形態では、一定のNAを有する集光光学系(反射鏡)9によって膜5面上に入射角に幅(範囲)をもった光を入射させ、膜5面からの反射光をグレーティングG1によって波面をシアリングさせて、干渉させ、該干渉情報より膜5の入射角による位相情報を得ている。
【0038】
本実施形態では、図1に示す系で得られる第1の測定のデータによって、ある入射角θにおける反射光の相対位相をミラー(膜)の位置の関数として得ており、図2に示す系で得られる第2の測定のデータによって、それぞれの位置における反射の相対位相を入射角θの関数として得ていて、2つの相対位相測定によって全データを繋げている。例えば必要に応じて、第1と第2の入射角θとθの間にある、第3の入射角θにおける位置の位相データを算出している。
【0039】
膜を施したミラーの種類によっては実際の結像に寄与する光の入射角分布はミラー内の位置に依存しているため、全ての面において入射角θで測定する必要がない場合もある。
【0040】
本実施形態の測定装置では、膜5面上への光の入射角が可変となっており、図1に示す第1の測定においては入射角を場所に応じて変化しながら測定を行い、それぞれの場所近傍での基準入射角での相対位相差を求めており、一方で図2に示す第2の測定においても入射角θと入射角θを変化させて、常にそれぞれの位置では第1の測定を行った基準入射角が入射角θと入射角θの間にあるような関係を保って測定している。こうして基準入射角を通して位置の相対位相のつながりと、第2の測定での基準入射角を含む入射角範囲の相対位相とのつながりを行っている。
【0041】
尚、図2の構成としては、図1の構成において絞り4とミラーM1、分岐グレーティングG1の代わりに集光光学系9を交換して用い、結合グレーティングG2の代わりに分岐グレーティングを交換して用い、これらの各部材を目的に応じて交換可能にして1つの装置とに用いるようにしても良い。
【0042】
分波グレーティングG1や結合グレーティングG2は透過型でも反射型でも構わない。また、ビームを分ける、もしくは結合させる部材であればグレーティング以外のものでも構わない。
【0043】
例えば図1の2つのグレーティングG1,G2は平面ミラーM1に対しては同じ格子定数のグレーティングがCCD7への波面の入射角度を揃えるために望ましい形態である。図2の波面も干渉波面の角度が大きい場合は2つのグレーティングを重ねて使い、角度を合わせるなどの工夫も可能である。
【0044】
以上の実施形態において、膜5面上に光を集光させずに少しデフォーカスした光束で膜面上を走査しても良く、これによれば位置と入射角の両方が複合的にシアリングされた位相データが得られる。つまり、
φ(x+Δx,θ+Δθ)−φ(x,θ
である。光束のずれ量を微小にすることで、
【0045】
【数3】
Figure 0003581689
【0046】
が得られる。この測定データから、位置と角度で積分することで位置と角度の位相分布データを得るようにしても良い。
【0047】
また、各実施形態において、入射光学系の中に偏光素子を挿入することで、所望の偏光に対する反射位相分布を測定できる。具体的な挿入位置としては例えば図1の分波グレーティングG1の前、もしくは後や、図2の集光ミラー9の後などである。または、反射直後に偏光素子をいれることで同様の効果は得られる。この場合の偏光素子の挿入位置は、例えば図1の結合グレーティングG2の前、もしくは後や、図2の分波グレーティングG1の前、もしくは後である。
【0048】
偏光素子としては、例えば、W. Hu, M. Yamamoto, M. Watanabe, ”Development of EUV free−standing multilayer polarizers,” Proc. SPIE Vol. 2873, p. 74−77 に紹介されている透過型のものや、一般的に垂直入射用の高反射膜として設計製作された多層膜ミラーを入射角45度で使うような反射型のものがある。
【0049】
以上の各実施形態において、膜MLの位相分布の測定はEUV光に限らず、可視光であっても同様に測定できる。
【0050】
図3は本発明の位相測定装置で測定対象となる反射鏡(ミラー)を用いたEUV波長域(10〜15nm)の光を露光光として用いたデバイス製造用のEUV露光装置の要部概略図である。
【0051】
図3に示すEUV露光装置は、EUV光源、照明光学系、反射型レチクル、投影光学系、レチクルステージ、ウエハステージ、アライメント光学系、真空系などを有している。
【0052】
本実施形態のEUV光源にはレーザプラズマ光源が用いられる。これは真空容器701中に供給されたターゲット材TAに、高強度のパルスレーザ光を照射し、高温のプラズマ705を発生させ、これから放射される例えば波長13nm程度のEUV光を利用するものである。ターゲット材としては、金属薄膜、不活性ガス、液滴などが用いられ、ガスジェット等の手段を具備したターゲット供給装置702によって真空容器701内に供給される。また、パルスレーザ光は励起用パルスレーザ703より出力され、集光レンズ704を介してターゲット材TAに照射される。放射されるEUV光の平均強度を高くするためにはパルスレーザの繰り返し周波数は高い方が良く、励起用パルスレーザ703は通常数kHzの繰り返し周波数で運転される。
【0053】
なお、EUV光源として放電プラズマ光源を用いることも可能である。放電プラズマ光源は、真空容器中に置かれた電極周辺にガスを放出し、電極にパルス電圧を印加して放電を起こし高温のプラズマを発生させ、これから放射される例えば波長13nm程度のEUV光を利用するものである。放射されるEUV光の平均強度を高くするためには放電の繰り返し周波数は高い方が良く、通常数kHzの繰り返し周波数で運転される。
【0054】
照明光学系は、複数の多層膜または斜入射ミラーとオプティカルインテグレータ等を有している。本実施形態の照明光学系は、照明系第1ミラー706、オプティ力ルインテグレータ707、照明系第2ミラー708、照明系第3ミラー709を有し、これらの部材によってプラズマ705から放射されたEUV光をレチクル(マスク)711に導いている。
【0055】
照明光学系の初段の集光ミラー(照明系第1ミラー)706はレーザプラズマ705からほぼ等方的に放射されるEUV光を集める役割を果たす。オプティカルインテグレータ707はレチクル711を均一に所定の開口数で照明する役割を持っている。また照明光学系のレチクル711と共役な位置にはレチクル面で照明される領域を円弧状に限定するための円弧開口のアパーチャ710が設けられている。
【0056】
アパーチャ710を通過した円弧状の光束によりレチクル711が照射され、その反射光が反射鏡721〜724を含む投影光学系を経てウエハ731に照射される。EUV領域で用いられる多層膜を施したミラー(多層膜ミラー)は可視光のミラーに比べて光の損失が大きいので、ミラーの枚数は最小限に抑えることが必要である。725は開口制限用の絞りである。
【0057】
本実施形態では、少ない枚数のミラーで広い露光領域を有した投影光学系を実現するに、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状の領域(リングフィールド)だけを用いるリングフィールド光学系を利用している。そしてレチクル711とウエハ731を同時に同期走査して広い露光面積で転写する方法(スキャン露光)を用いている。レチクル711面上の円弧状の照明領域は照明光学系内のオプティカルインテグレータ707や前後のミラー708、709によって形成している。
【0058】
投影光学系にも複数のミラーを用いている。図3では、投影系第1〜第4ミラー(721〜724)によって、レチクル711からの反射光をウエハチャック733に装着されたウエハ731上に導いている。ミラーの枚数は少ない方がEUV光の利用効率が高いが、収差補正が難しくなる。良好なる収差補正を行う為に、ミラー枚数を4枚から6枚程度としている。ミラーの反射面の形状は凸面または凹面の球面、非球面、そして回転非対称非球面等を用いている。投影光学系の開口数NAは0.1〜0.3程度である。
【0059】
各ミラーは低膨張率ガラスやシリコンカーバイド等の剛性が高く硬度が高く、熱膨張率が小さい材料からなる基板を、研削・研磨して所定の反射面形状を創生した後、反射面にモリブデン/シリコンなどの多層膜を成膜したものを用いている。ミラー面内の場所によって入射角が一定でない場合、ブラツグの式から明らかなように、膜周期一定の多層膜では場所によって反射率が高くなるEUV光の波長がずれてしまう。そこでミラー面内で同一の波長のEUV光が効率よく反射されるように膜周期分布を持たせるようにしている。
【0060】
レチクルステージ712とウエハステージ732は、投影光学系の縮小倍率に比例した速度比で同期して走査する機構をもつ。ここで座標系として、レチクル711又はウエハ732の面内で走査方向をX軸、それに垂直な方向をY軸、レチクル又はウエハ面に垂直な方向をZ軸とする。
【0061】
レチクル711は、レチクルステージ712上のレチクルチャック713に保持される。レチクルステージ712はX方向に高速移動する機構をもつ。また、X方向、Y方向、Z方向、および各軸の回りの回転方向に微動機構をもち、レチクル711の位置決めができるようになっている。レチクルステージ712の位置と姿勢はレーザ干渉計(不図示)によって公知の方法で計測され、その結果に基いて、位置と姿勢が制御される。
【0062】
ウエハ731はウエハチャック733によってウエハステージ732に保持される。ウエハステージ732はレチクルステージ712と同様にX方向に高速移動する機構をもつ。また、X方向、Y方向、Z方向、および各軸の回りの回転方向に微動機構をもち、ウエハ位置決めができるようになっている。ウエハステージ732の位置と姿勢はレーザ干渉計(不図示)によって公知の方法で計測され、その結果に基いて、位置と姿勢が制御される。
【0063】
レチクル711とウエハ731の相対的な位置関係を検出する為、アライメント検出機構714、734によってレチクル711の位置と投影光学系の光軸との位置関係、およびウエハ731の位置と投影光学系の光軸との位置関係が計測され、レチクル711の投影像がウエハ731の所定の位置に一致するようにレチクルステージ712およびウエハステージ732の位置と角度が設定されている。
【0064】
また、投影光学系の最良結像位置を検出するフォーカス位置検出機構735によってウエハ面でZ方向のフォーカス位置が計測され、ウエハステージ732の位置及び角度を制御することによって、露光中は常時ウエハ面を投影光学系による最良結像位置に保つ。
【0065】
ウエハ731上で1回のスキャン露光が終わると、ウエハステージ732はX,Y方向にステップ移動して次の走査露光開始位置に移動し、再びレチクルステージ712及びウエハステージ732が投影光学系の縮小倍率に比例した速度比でX方向に同期走査して、レチクル711のパターンをウエハ731に露光している。
【0066】
このようにして、レチクル711の縮小投影像がとウエハ731上に結像した状態でそれらを同期走査するという動作が繰り返され(ステップ・アンド・スキャン)、ウエハ全面にレチクルの転写パターンが転写される。
【0067】
以上述べたように各実施形態によれば、簡単な構成で光学素子表面に形成された光学薄膜の位相を精度良く測定することができる。又、各実施形態の構成は波長によらないため、EUVのように極端に使用する光学素子の種類が限られた系であっても適用が可能である。
【0068】
また、上記に記載の位相測定装置を用いて測定を行った光学素子を露光装置に組み込んでも良いし、その他の光学機器に組み込んでも良い。
また、上記に記載の位相測定方法、或いは位相測定装置を用いた露光装置により被露光体(ウエハ等)を露光する工程、露光された被露光体を現像する工程を経て、デバイスを製造するようにしても良い。このデバイスの製造方法には、上記の工程の他に、公知の様々な工程を含む。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、曲率のある反射鏡や平面反射鏡に施した膜の各位置における位相特性又は/及び入射角に依存する膜の位相特性を容易に、しかも高精度に測定することができる位相測定装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の位置による位相測定の要部概略図
【図2】本発明の実施形態1の入射角による位相測定の要部概略図
【図3】本発明の露光装置の要部概略図
【符号の説明】
1 光源手段
2 反射鏡
3 部材
4 絞り
5 膜
5c 物体面
6 被検物体
7 検出手段
8 演算手段
9 集光光学系
G1 分岐グレーティング
G2 結合グレーティング

Claims (9)

  1. 光源手段と、該光源手段からの光束を集光し、入射角にある幅を有するようにして、表面上に膜を施した被検物体上に入射させる反射手段と、
    該被検物体で反射した光の波面を検出する検出手段と、
    を有し、該検出手段で得られる波面情報より、該被検物体上に施した膜への入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴とする位相測定装置。
  2. 光源手段と、
    該光源手段からの光束を表面上に膜を施した被検物体上の所定の位置集光させることにより、該所定の位置に入射角に幅を持った光を入射させる反射手段と、
    該被検物体で反射した光を複数の光束に分岐する分岐グレーティングと、
    該分岐グレーティングにより分岐した複数の光束のうち2つの光に基づく干渉情報を検出する検出手段と、
    を有し、該検出手段で得られる干渉情報より、該被検物体上の該所定の位置における入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴とする位相測定装置。
  3. 前記被検物体に入射する光束は、前記被検物体上の1点に入射することを特徴とする請求項又は記載の位相測定装置。
  4. 光源手段と、該光源手段からの光束を複数の光束に分岐し、表面上に膜を施した被検物体上の複数の位置に導光する分岐グレーティングGaと、
    該被検物体上の該複数の位置のうち、近傍する2点で反射した2つの反射光を結合させる結合グレーティングと、
    該結合グレーティングにより結合された2つの光に基づく干渉情報を検出する検出手段と、
    を有し、該検出手段で得られる干渉情報より、該被検物体上に施した膜の位置に依存する位相情報を測定することと共に、該分岐グレーティングGaと結合グレーティングを光路中より退避させ、それらの代わりに該光源手段からの光束を集光し、入射角にある幅を有するようにして,表面上に膜を施した被検物体上に入射させる反射手段と、
    該被検物体で反射した光を複数の光束に分岐する分岐グレーティングGbを光路中に設け、該分岐グレーティングGbにより分岐した複数の光束のうち2つの光に基づく干渉情報を該検出手段で検出し、
    該検出手段で得られる干渉情報より、該被検物体上に施した膜への入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴とする位相測定装置。
  5. さらに偏光選択手段を有し、選択した偏光における位相情報を測定することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項の記載の位相測定装置。
  6. 請求項1乃至いずれか1項の位相測定装置で測定した光学部材を有していることを特徴とする露光装置。
  7. 表面上に膜を施した被検物体に対して、実質的に1点に光束を入射し、前記1点からの光束をシアリング干渉させることにより、膜の位置及び/又は角度依存の位相情報を、位置及び/又は角度に関して概略微分することにより、前記膜への入射位置及び/又は入射角度に依存する位相情報を測定することを特徴とする位相測定方法。
  8. 請求項に記載の前記位相測定方法により位相測定を行った光学部材を有していることを特徴とする露光装置。
  9. 請求項に記載の露光装置により被露光体に露光する工程と、露光された前記被露光体を現像する工程とを有することを特徴とするデバイスの製造方法。
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