JP4522137B2 - 光学系の調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般には、光学系の組立て、調整方法に係り、特に、EUV露光装置の多層膜ミラーで構成される投影光学系の組立て、調整方法に関する。
従来、半導体メモリや論理回路などの微細な半導体素子を製造するための焼き付け(リソグラフィー)方法として、紫外線を用いた縮小投影露光が行われてきた。しかし半導体素子は急速に微細化しており、紫外光を用いたリソグラフィーでは限界がある。50nmを下回るような非常に微細な回路パターンを効率よく焼き付けるために、紫外線よりも更に波長が短い波長13.5nm程度の極端紫外(Extreme Ultraviolet:EUV)光を用いた露光装置(以下、「EUV露光装置」という。)が開発されている。
EUV露光装置は、ミラーなどの反射型光学素子をその光学系に使用し、その反射型光学素子の表面には光学定数の異なる2種類の物質を交互に積層した多層膜が形成される。多層膜は、例えば、精密な形状に研磨されたガラス基板の表面にモリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層する。その層の厚さは、たとえばMo層の厚さは3nm、Si層の厚さは4nm程度である。2種類の物質の層の厚さを加えたものは膜周期と呼ばれ、上記例では膜周期は7nmである。
このような多層膜ミラーにEUV光を入射すると、特定の波長のEUV光が反射される。入射角をθ、EUV光の波長をλ、膜周期をdとすると干渉条件を満たすλを中心とした狭いバンド幅のEUV光だけが効率よく反射される。このときのバンド幅は0.6〜1nm程度である。干渉条件は近似的には以下のブラッグの式の関係式で表現できるが、精密には物質中での屈折等の影響により、この式から求めた値より微小にずれることがある。
2×d×cosθ=λ
投影光学系の反射面の面形状は非常に高い精度であることが要求される。例えば、投影光学系を構成するミラーの枚数をn、EUV光の波長をλとすると許容される形状誤差σ(rms値)は以下のマレシャルの式で与えられる。
σ=λ/(28×√n)
例えば、投影光学系が6枚のミラーから成り、露光光の波長が13nmの場合、σ=0.19nmとなる。また分解能30nmのパターン転写を行う場合に投影光学系全系に許容される波面収差量は0.4nm程度である。
投影光学系を製造方法は、多層膜ミラーの形成工程、形状計測工程、鏡筒への組み込み工程、波面収差調整工程を含む。
多層膜ミラー形成工程は、まず、可視光を用いた干渉計により形状計測を繰り返しながら基板を研磨し、所定の形状の基板を作製する。次に、基板表面に多層膜を成膜する。この際、実際に光学系として機能する際にミラー面内それぞれの位置の多層膜に入射する光の角度と波長を考慮し、最適な膜厚分布とする。
形状計測工程は、多層膜の成膜が終わった多層膜ミラーの表面形状を再び可視光を用いた干渉計により計測を行うと共に、多層膜表面の面形状が所定の形状(即ち、上述の形状誤差σ)を満足しているかどうかを判断する。所定の面形状を有しないと判断された多層膜ミラーは、成膜が不成功であるため、多層膜を剥離して多層膜を再度形成する。
鏡筒への組み込み工程は、形状計測工程において所定の面形状を有すると判断された多層膜ミラーを鏡筒に組込み、ミラー相互の間隔や傾きを調整し、投影光学系が完成する。
波面収差調整工程では、投影光学系の波面収差を調整する。反射による光の位相変化が一定値であれば、ミラーで反射した反射光の波面は、投影光学系への入射光の波面とミラー形状とから求めることができるが、実際には多層膜ミラーで反射した反射光の位相変化は、光の波長、入射角、膜構造によって異なる。このため、可視光によって幾何学的な表面形状を計測しても、EUV光を入射した場合の反射光面を正確に求めることはできない。このため、EUV光を用いて多層膜ミラー又は投影光学系の反射光面を直接計測する方法が限定的に実施されている。例えば、EUV光を用いて多層膜ミラー反射光面を直接計測する手段として、ピンホールにより球面波を生じさせる点回折干渉計(Point Diffraction Interferometer:PDI)は従来から知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
その他の従来技術として、X線多層膜ミラーの層構造及び界面粗さの情報をX線定在波スペクトルの形状から取得する方法も知られている(例えば、特許文献3及び4参照)。
また、物質中での電子のエネルギー損失に関するデータについても開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。多層膜の反射率と反射光の位相の関係については、モデル計算が開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。更に、多層膜表面の光電効果についても開示されている(例えば、非特許文献3参照。)。
特開2001−227909号公報 特開2000−97620号公報 特開2002−243669号公報 特開2000−55841号公報 中井洋太他、「10keV以下の電子に対する物質の阻止能」、応用物理第51巻第3号、279頁、1982年3月 J.H.Underwood and T.W.Barbee,"Layered Synthetic Microstructures as Bragg Diffractors for X−Rays and Extreme Ultraviolet:Theory andPredicted Performance",Applied Optics 20,3027 (1981) Michael E.Malinowski,Chip Steinhaus,W.Miles Clift,Leonard E.Klebanoff,Stanley Mrowka,Regina Soufli"Controlling contamination in Mo/Si multilayer mirrors by Si surface capping modifications"Proc. SPIE Vol.4688,Page 442−453,Jul 2002.
しかし、PDI法は、正確な球面波を発生させるために用いるピンホールの大きさが数十nmと非常に微小であるために製作が困難であるという問題がある。また、その微小なピンホールに充分な量のEUV光を導入する必要がある。更に、光学系を構成する全てのミラーを反射したEUV光を計測するため、例えば、投影光学系を構成するミラーの枚数を6枚とし、反射率を65%とすると、光量は8%にまで低下する。従って、投影光学系全体を測定するには、非常に高輝度の光源を用いる必要があり、測定システムが非常に大形で高価なものとなるという問題もある。
また、特許文献3は、多層膜ミラーの層形状を簡易に測定できるものの反射光の波面は位相を考慮しなければ求めることができないため、反射光の波面を正しく求めることができず、波面収差の調整において十分ではなかった。波面収差の調整が不十分であれば所望の解像度が得られないという問題を有する。
そこで、本発明は、光学系の波面収差の調整を正確、簡易かつ安価に行うことを可能とする光学系の組立て、調整方法を提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面としての多層膜を持つ複数の光学素子を有する光学系(鏡筒)の調整方法は、EUV光が前記光学素子反射された際の位相分布と前記EUV光より波長の長い光(例えば、可視光)が前記光学素子反射された際の位相分布との差を、前記複数の光学素子の夫々について求める第1の計測ステップと、前記波長の長い光が前記光学系を通過した際の位相分布(波面)を計測する第2の計測ステップと、前記第1の計測ステップで求めた差と、前記第2の計測ステップで計測した位相分布(波面)とに基づいて、前記EUV光が前記光学系を通過した際の位相分布(波面)を決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定された位相分布(波面)に基づいて、前記光学素子の位置及び/又は姿勢を調整するステップとを有し、
前記第1の計測ステップは、前記光学素子に前記EUV光を入射させた際の前記多層膜表面の電場強度と前記光学素子に入射させた前記EUV光の電場強度とを計測するステップを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施例等によって明らかにされるであろう。
本発明の鏡筒の組立て、調整方法によれば、鏡筒の波面収差の調整を、より正確、簡易かつ安価に行うことが出来る。
図3を参照して、本実施形態の鏡筒の組立て、調整方法の主要部について説明する。ここで、図3は、本実施形態の鏡筒の組立て、調整方法の主要部を示すフローチャートである。
まず、基板研磨を行う(ステップ1001)。次に、可視光(波長400〜750nmの光)による面の形状計測を行う(ステップ1002)。次に所定形状の基板上に所定の膜厚を有する多層膜を形成する(ステップ1003)。
次いで、多層膜の面形状の測定を行う反射位相計測(ステップ1004)及び可視波面計測(ステップ1005)を行い、この際、従来の形状計測工程が多層膜表面の幾何学的な面形状のみを計測していたのに対して、本実施形態では、以下に詳述するように、多層膜反射面の幾何学的な面形状に加え、入射光と反射光の位相差に基づく等価的な反射面の面形状も算出している。後者を算出するに際しては、所定形状の基板上に所定の膜厚を有する多層膜が形成された光学素子(例えば、多層膜ミラー等)の多層膜にEUV光(波長2〜40nmの光)が入射した際に、多層膜の表面近傍で発生する定在波に伴って放出される二次放射線を利用して、入射光と反射光との位相差を算出し、かかる位相差を利用して後述する「等価的な反射面」の面形状を算出する。この「等価的な反射面」の面形状の設計値あるいは理想的な形状からの差(誤差)が許容範囲(例えば、上述の形状誤差σ)内にある場合に、次のステップである、鏡筒組立を行う(ステップ1006)。この時、許容範囲に無いと判断される場合は、多層膜の剥離を行い、ステップ1003の成膜を再度行う。
鏡筒組立て(ステップ1006)では、ミラーを鏡筒に組み付ける。その後、鏡筒(光学系)の可視光波面計測を行い(ステップ1007)、その結果に基づき、各ミラーの位置、姿勢の調整を行う。そして、可視光での波面収差が所定の値になるまで、各ミラーの位置、姿勢の調整を行う。可視光波面収差が所定の値以下になったら、EUV波面の算出を行う(ステップ1008)。EUV波面算出は、ステップ1004,1005で求められた各ミラーの可視光の位相分布とEUV光の位相分布の差を積算し、それをステップ1007で得られた鏡筒の可視光の位相分布に足し合わせて、鏡筒のEUV光の位相分布を決定することにより行う。このEUV波面の収差が所定の値未満であるか否かを判定し(ステップ1009)、所定の値未満であれば鏡筒の組立て、調整を終了し、所定の値以上であれば、所定の値未満になるまで、各ミラーの位置や姿勢の調整(ステップ1010)、可視波面計測(ステップ1007)、EUV波面算出(ステップ1009)を繰り返す。
本実施形態では、このように、位相差に起因する等価的な反射面の面形状を計測して形状計測精度を高めることで、その後の反射光の波面の算出や、波面収差の調整を容易にしている。
以下に、「等価的な反射面」の面形状の算出方法の詳細について述べる。
光の波面は、電磁場振動の位相の等しい面として定義され、幾何光学的に表現された光線とは直交する。平行な光束の波面は、光の進行方向と直交する平面であり、このような光束は平面波と呼ばれる。
まず、単純化のため、入射角0°の平面波が平面ミラーで反射される場合を考える。入射角0°なので、波面はミラー表面と平行な平面である。ミラー表面での反射における位相差、即ち、反射光と入射光の位相差がミラー表面の至る所で一定である場合、入射光は反射において一定量の位相変化を受ける。このため、反射光の波面(=等位相面)はやはりミラー表面に平行な平面となる。
次に、平面波が、表面が平面でないミラーで反射される場合、ミラー表面での反射における位相差がミラー表面の至る所で一定であれば、反射光は一定の位相変化を受けるが、ミラー面の凹凸によって光路差が生じるので、反射光の波面(=等位相面)は平面からずれる。ミラー面のある位置がhだけ盛り上がっている場合、反射光の波面はそれに対応する位置で2hだけ盛り上がった(ミラー面から離れた)形状になる。
また、平面ミラーであってもミラー表面での反射により生じる位相差がミラー表面の一部で異なる場合、反射光は場所により異なる位相変化を受けるので、反射光の波面(=等位相面)は平面からずれた形状となる。平面ミラー上のある場所で反射における位相差が、その周囲の場所に比べてδ(rad)だけ大きい場合、この場所で反射した反射光の波面は、周囲の場所で反射した波面に比べて、ミラー面よりδλ/2πだけ盛り上がった(ミラー面から離れた)形状になる。ここで、λは入射光の波長である。この場合、表面での反射における位相差が一定であるが、ミラー面がδλ/4πだけ盛り上がったミラーで反射したのと等価である。
このように、表面での反射における位相差をミラー形状に換算したミラー形状のことを「等価的な反射面」と呼ぶ。
更に、平面波が、表面が平面ではなく、反射により生じる位相差が面内で一定ではないミラーで反射される場合について考える。ミラー面のある位置で形状がhだけ盛り上がり、更に、この位置で反射における位相差がその周囲の場所に比べてδ(rad)だけ大きい場合、上記二例の重ね合わせとなって、反射光面の形状は、2h+δλ/2πだけ盛り上がった(ミラー面から離れた)形状になる。この場合、等価的な反射面は、(h+δλ/4π)だけ盛り上がった形状になる。
入射角θが0°でない場合には、幾何学的な光路差を補正すれば同様な考え方が成り立つため、一般的には、等価的な反射面は、h+δλ/(4πcosθ)と補正すればよい。このように、従来の形状計測工程では、hのみを測定していたのに対して、本実施形態ではh+δλ/(4πcosθ)を算出し、これを形状誤差σと比較している。また、従来は、位相差δを正しく測定できなかったが、本実施形態では以下に説明するように位相差δを簡単かつ正確に測定することを可能にしている。なお、ここまでの説明では単純化のため、平面波が入射する場合について説明したが、入射光が平面波でなく球面波やそれに収差が重畳したような場合でも、充分小さい領域を考えれば平面波で近似できるので、上記説明は同様に成り立つ。
多層膜に単色で平行なEUV光を入射した場合、この多層膜で反射されたEUV光は入射光に対して位相差を有する。また多層膜内部や外部では入射光と反射光とが干渉し、定在波が発生する。本発明では、定在波を利用して上記位相差δを求めたり、入射光の波面と反射光の波面との関係を正確に測定したりする。その方法について以下で詳細に述べる。
多層膜にEUV光を入射し、EUV光が反射する場合、入射光と反射光との位相差は多層膜構造や多層膜を構成する物質の光学定数、入射角、EUV光の波長などによって変化する。入射するEUV光の電場強度をE、振幅反射率をrとした時、反射光の電場振幅はr×Eとなる。入射光と反射光の位相差δについて入射光と反射光とが重ね合わされた電場の振幅Eは次式で与えられる。
E0(1+r×cosδ)
電場強度は振幅の自乗に比例すること、光の反射率Rは振幅反射率rの自乗であることから、多層膜表面の(入射光と反射光が干渉して生成する定在波の)電場強度Iと入射光の電場強度I0の比(電場強度比)I/I0は次式で与えられる。
I/I=(1+R+2×R1/2×cosδ)
この式から逆に、多層膜表面の電場強度と入射光の電場強度の比I/I及び反射率Rを取得すれば位相差δを求めることができる。反射率Rは、入射光の強度と反射光の強度を測定して両者の比を取ることで容易に測定することができる。多層膜表面の電場強度と入射光の電場強度の比I/Iを計測する方法については以下に詳細に説明する。
真空中の物質にEUV光が照射されると、光の一部はその物質に吸収され、光電効果を起し、電子が放出される。このとき、放出される光電子の量はその位置での電場強度に比例する。そこで、図4に示すように、多層膜のEUV光照射領域の近傍にマイクロチャンネルプレートや電子増倍管などの光電子検出器を設けて光電子の量を計測する。
物質のごく表面で光電効果が起きた場合には、放出された電子は殆どエネルギーを失うことなく真空中に放出される。この現象は外部光電効果と呼ばれる。一方、物質の内部(表面からおよそ1nmより深い位置)で光電効果が起きた場合には、放出された電子は周囲の原子と非弾性衝突しエネルギーを急速に失い、真空中まで出て来ることは殆どない。また真空中に放出されたとしても、原子から放出された時のエネルギーの大部分を失って低いエネルギーの電子となって放出される。(非特許文献1参照)。このため、外部光電効果によって真空中に放出される電子の量は、物質の最表面近傍(表面からおよそ1nmより浅い領域)の電場強度に比例する。所定の入射角θ、所定の波長λで高い反射率を得るように構成された多層膜に、ブラッグの条件を満たす入射角θで波長λのEUV光を入射した場合、表面から真空中に放出される光電子の量Qは、入射光と反射光との干渉によって生じた物質の最表面近傍における定在波の電場強度に比例する。
なお、真空中の物質にEUV光が照射されると、光の一部はその物質に吸収され、光電子だけでなく、その他の二次放射線として例えば蛍光X線が放出される。このとき、放出される蛍光X線の量もその位置での電場強度に比例する。そこで、図4に示す検出器としてX線検出器を用いて、蛍光X線の量を計測することとし、前述のQとして蛍光X線の量を用いても良い。
蛍光X線のエネルギーは、それを放出する原子に固有のエネルギーを有しており、蛍光X線を分光し特定のエネルギーを有するX線の強度のみを計測することで、特定の原子の位置における電場強度を計測することができる。
従って、多層膜の最表面に、多層膜を構成する元素とは異なる元素から成る薄膜を設けておき、この元素に固有の蛍光X線の強度を計測すれば、多層膜表面近傍の電場強度を計測することができる。
この多層膜に、入射角θから大きく異なる入射角で波長λのEUV光を入射した場合、干渉によって反射光の強度を強め合う条件から外れるので、反射率は非常に低くなり、反射光の強度は入射光の強度に比べて非常に小さくなる。このとき多層膜表面から真空中に放出される光電子または蛍光X線の量Qは、入射光の電場強度にほぼ比例する。但しこのとき、入射角が90度に近くなると全反射が起きることによって反射率が高くなるので、入射角は90度に近くない方がよい。
図6は、反射率と電場強度比の入射角依存性の例を示すグラフである。電場強度比とは、多層膜表面の電場強度と入射光の電場強度の比である。この例では、波長13.5nmである。入射角10°で反射率がピークとなるよう最適化された多層膜を用いている。この例では入射角がおよそ20度〜70度の範囲において、反射率が入射角10度でのピーク反射率(約70%)の10分の1以下になっており、規格化した電場強度は1に近い値となっている。すなわち、入射角がおよそ20度〜70度の範囲において、多層膜表面の電場強度は入射光の電場強度にほぼ等しくなっている。このような角度範囲でこのとき多層膜表面から真空中に放出される光電子の量Qは、入射光の電場強度にほぼ比例する。ここで示した例とは異なる入射角で反射率がピークとなる多層膜に対しても、同様に、ピークとなる入射角とは大きく異なり反射率が低くなる角度において多層膜表面から真空中に放出される光電子量Qは、入射光の電場強度にほぼ比例する。
そこで、多層膜に、ブラッグの条件を満たして高い反射率が得られる入射角と、ブラッグの条件を満たさずに反射率がそれに比べて非常に低くなる入射角との2つの条件でEUV光を照射し、真空中に放出される光電子の量Q、Qを求めれば、以下の式によって多層膜表面の(定在波の)電場強度Iと入射光の電場強度Iの比を求めることができる。
/Q=I/I
入射角の異なる2つの測定条件の間で入射光の強度が変動する可能性がある場合には、入射光強度を計測する検出器を設け、入射光強度で真空中に放出される電子の量を規格化して入射光強度が変動に伴う誤差を抑制することが可能である。すなわち、図1に示した測定装置を用いて、所定の入射角θ、所定の波長λで高い反射率を得るように構成された多層膜に、ブラッグの条件を満たす入射角θで波長λのEUV光を入射した場合、表面から真空中に放出される光電子の量Q、を測定する際にビーム強度モニタ14で測定されたビーム強度をI0Rとする。
この多層膜に、入射角θから大きく異なる入射角で波長λのEUV光を入射した場合、干渉によって反射光の強度を強め合う条件から外れるので、反射率は非常に低くなり、反射光の強度は入射光の強度に比べて非常に小さくなる。このとき多層膜表面から真空中に放出される光電子の量Qを測定する際にビーム強度モニタ14で測定されたビーム強度をI00とする。真空中に放出される光電子の量を入射光強度で規格化して次式のようにすることにより、入射光強度の変動に伴う誤差を抑制することが可能である。
(Q×I00)/(Q×I0R)=I/I
ブラッグの条件を満たす多層膜に、ブラッグの条件を満たす波長λからずれた波長λのEUV光を入射角θで射した場合、干渉によって反射光の強度を強めあう条件から外れるので、反射率は非常に低くなり、反射光の強度は入射光の強度に比べて非常に小さくなる。例えば、図8の例では、波長12.8〜14nmを外れた波長域では、反射率がピークの反射率に比べて10分の1以下と、非常に小さな値になっている。
このとき多層膜表面から真空中に放出される光電子の量Qは、入射光の電場強度にほぼ比例する。但し、このとき用いる波長とブラッグの条件を満たす波長λとが離れすぎると、光電子の放出効率(単位入射光子数当たりに放出される光電子数)がずれてくるので、あまり離れていない波長を用いることが望ましい。具体的には、多層膜表面を構成する元素の吸収端波長を境に光電子の放出効率量は急激に変化するので、多層膜表面を構成する元素の吸収端波長を越えない範囲で波長を変えることが望ましい。
そこで、波長を変えながら多層膜にEUV光を照射し、高い反射率が得られる波長と、反射室がそれに比べて非常に低くなる波長との2つの波長での、真空中に放出される光電子の量Q、Qを求めれば、次式から多層膜表面の電場強度Iと入射光の電場強度Iの比を求めることができる。
/Q=I/I
異なる角度で測定する場合と同様に、波長の異なる2つの条件の測定の間で入射光の強度が変動する可能性がある場合には、入射光強度を計測する検出器を設け、入射光強度で真空中に放出される光電子の量を規格化して入射光強度が変動に伴う誤差を抑制することが可能である。
多層膜の最表面を構成する物質と同一物質で構成された単層膜にEUV光を入射した場合、反射率は非常に低くなり、反射光の強度は入射光の強度に比べて非常に小さくなる。このとき単層膜表面から真空中に放出される光電子の量Q00は、入射光の電場強度にほぼ比例する。そこで、多層膜に、高い反射率が得られる入射角でEUVを照射したときに真空中に放出される光電子の量Qと、多層膜の最表面を構成する物質と同一物質で構成された単層膜にEUV光を入射した場合に真空中に放出される光電子の量Q00を求めれば、次式から多層膜表面の電場強度Iと入射光の電場強度Iの比を求めることもできる。
/Q00=I/I
この場合にも同様に、2つの測定の間で入射光の強度が変動する可能性がある場合には、入射光強度を計測する検出器を設け、入射光強度で真空中に放出される光電子量を規格化して入射光強度が変動に伴う誤差を抑制することが可能である。
次に、以下の式により位相δを算出する。
cosδ=(I/I−1−R)/(2×R1/2
位相差の余弦から位相差を求める際に、位相差に2πの整数倍の不確定性があるが、連続的に測定した領域内であるいは波長変化に対して位相差が連続につながるようにすればよい。また位相差の正負の不確定性があるが、多層膜の反射ピーク近傍で正の傾きを持つようにすればよい。
以上述べたような方法により、多層膜表面の電場強度と入射光の電場強度の比I/Iおよび反射率Rを測定することにより、入射光の位相と反射光の位相差δを求めることができる。次に、多層膜で反射したEUV光の波面を求める方法について説明する。
多層膜の表面形状(即ち、上述のh)は、当業界で既知の方法、例えば、スタイラス(触針)を表面に接触させて形状を機械的に直接測定する方法、可視光や紫外光を用いた干渉計による方法等により精度良く計測することができる。
ミラー表面での反射において入射光と反射光の位相差δが、ミラーの面で一定であり入射角にも依存しない場合には、通常の光線追跡法や回折積分法を用いて、多層膜で反射したEUV光の波面を求めることができる。(例えば、鶴田匡夫 応用光学I(1990年7月発行)を参照のこと。)
ミラー表面での反射において入射光と反射光の位相差δが、ミラーの面内で変化したり、入射角に依存したりする場合には、多層膜表面で光路長がδλ/2πだけ付加するとして回折積分法等を用いれば、多層膜形状から、多層膜で反射したEUV光の波面を求めることができる。
あるいは、図7に示すように、ミラー面上の座標をx,y、多層膜ミラーの幾何学的な面形状をh(x,y)、XY平面に対するミラー法線の傾きをφ(x,y)、EUV光のミラー面に対する入射角分布をθ(x,y)、EUV光としての入射光と反射光の位相差をδ(x,y,λ,θ)としたとき、多層膜をEUV光で見た時の等価的な面形状は次式で表される。この等価的な面形状を用いて、光線追跡法によって反射光の波面あるいは反射光の光線を求めてもよい。ここで、図7は、多層膜ミラーの反射面形状の測定方法を説明するための概略断面図である。
Figure 0004522137
このように、本実施形態によれば、多層膜にEUV光を入射した際に生じる定在波を利用して、入射光と反射光の位相差δを求め、多層膜表面の幾何学的な面形状の計測結果(即ち、h)と位相差δとから、EUV光から見た等価的な反射面の形状としてのh+δλ/(4πcosθ)、あるいは、多層膜で反射したEUV光の波面を求めている。従来の形状測定はhのみを求めているのに対して、本実施形態の形状測定ではh+δλ/(4πcosθ)を求めているので、EUV光から見ると形状測定の精度が向上している。この結果、本実施形態は、その後の波面収差の調整を容易にしている。また、本実施形態によれば、通常の反射率測定装置に光電子または蛍光X線検出器を付加しただけの計測装置によって、容易に入射光と反射光の位相差を求めることが可能であり、従来のPDI等の干渉計測法と比べて非常に小規模な装置で高精度の計測が可能となった。
これらの原理は様々なパターンに応用することができる。それらの例は、以下の実施例において明らかにされるであろう。
図3は多層膜ミラーで構成された光学系(鏡筒)の組立て、調整のフローチャートである。図3を参照して、本実施形態の光学系の組立て、調整方法の主要部について説明する。
まず、基板研磨を行う(ステップ1001)。基板材料は低膨張率ガラスやシリコンカーバイド等の剛性が高く硬度が高く、熱膨張率が小さい材料からなる基板を使用する。次に、可視光による面の形状計測を行なう(ステップ1002)。この面形状計測方法は、従来の方法である参照面の原器を利用した干渉計による計測方法が最適である。次に、所定形状の基板上に所定の膜厚を有する多層膜を形成する(ステップ1003)。
次いで、多層膜の面形状の測定を行う反射位相計測(ステップ1004)及び可視波面計測(ステップ1005)を行う。この際、従来の形状計測工程が多層膜表面の幾何学的な面形状のみを計測していたのに対して、本実施形態では、以下に詳述するように、多層膜反射面の幾何学的な面形状に加え、入射光と反射光の位相差に基づく等価的な反射面の面形状も算出している。後者を算出するに際しては、所定形状の基板上に所定の膜厚を有する多層膜が形成された光学素子の多層膜にEUV光(波長2乃至40nmの光)が入射した際に、多層膜の表面近傍で発生する定在波に伴い放出される二次放射線を利用して、入射光と反射光との位相差を算出し、かかる位相差を利用して後述する「等価的な反射面」の面形状を算出する。
上記、ステップにより、光学系を構成するミラー1枚1枚の可視光による波面と、EUV光の波面との差を求める事が出来る。
図17はこれを説明した図である。図中2001は多層膜ミラーの幾何学的表面、2002は多層膜表面近傍で発生する定在波を利用して算出した「等価的な反射面」である。2003は幾何学的表面で反射した反射波面、2004は「等価的な反射面」から算出されたEUV光の波面である。図中のΔが幾何学的表面で反射されたEUV波面と「等価的な反射面」で反射されたEUV波面の位相の差である。これをミラー面内の複数箇所算出することにより、ミラー面のEUV光の位相分布を得ることが出来る。
これらの1001から1005までのステップを、光学系を構成する全てのミラーについて行い、各ミラーの可視光の位相分布とEUV波面の位相分布の差を求める。
次に光学系組立て(ステップ1006)を行い、その後可視波面の計測(ステップ1007)をおこなう。図18は光学系を構成するミラーの模式図である。図では6枚ミラーの構成としているが、6枚でなくても問題は無い。図中3001は6枚のミラーを反射した後の可視光の波面である。波面は各ミラーの幾何学的反射面の形状誤差を受け、理想の波面(3002)に対してずれている(波面収差がある)。得られた波面3001にステップ1004、1005で得られた可視光とEUV光の位相分布の差を積算する。3003は算出されたEUV波面である。以上が図3のステップ1008のEUV波面算出である。
次に、算出されたEUV波面収差が所定の値以下になっているか判断する(ステップ1009)。可視光での波面収差は計測されているので、ステップ1008から得られたEUV波面からEUV波面収差は算出することが出来る。EUV波面収差が所定の値以下になっていない場合は各ミラーの位置、姿勢の調整(ステップ1010)を行う。調整1010が終了したら、再び、可視波面計測1007、EUV波面検出1008を行ない、EUV波面収差を算出する。この1007〜1010のループをEUV波面収差が所定の値以下になるまで繰り返す。
次に本実施例の反射光の位相分布の計測方法について、説明する。
図1は、本実施例の計測装置の概略ブロック図である。シンクロトロン放射光光源や、レーザープラズマ光源、放電プラズマ光源などのEUV光源10から放射されたEUV光は分光器12により所定の波長だけが取り出され、単色化される。単色化されたEUVビームは測定対象としての多層膜ミラー(又は試料)MLや検出器24、26が設置された測定室20に導かれる。測定室20は大気によるEUV光の減衰や光電子の散乱、あるいは多層膜表面への汚染付着を防止するために、真空ポンプなどの排気手段21によって超高真空領域まで排気されている。測定対象としての多層膜ミラーMLは回転及び並進移動可能なステージ22の上に固定されており、単色化されたEUVビームが、多層膜ミラーMLの所定の位置に所定の角度で入射するようになっている。多層膜ミラーMLによって反射されたEUVビームは、EUV光検出器24に導かれ、反射光の強度が計測される。検出器24は、フォトダイオード、光電子増倍管、CCDなどを使用することができる。ステージ22により多層膜ミラーMLを退避させ、検出器24に単色化されたEUVビームを直接入射することで入射光のビーム強度を計測することもできるようになっている。検出器24の出力は、電荷増幅器を用いて電圧信号に変換し、更にアナログ−デジタルコンバータ(ADC))18を用いてデジタル化したのちにコンピュータなどの演算部16に取り込む。多層膜ミラーMLで反射された反射光のビーム強度と、入射光のビーム強度の比を計算することによって演算部16は反射率Rを求めることができる。
光源10から放射される光強度の時間変動を補正するために、測定室20に導かれる単色のEUV光の強度を測定する入射光モニタ14が設けられている。放射光光源を用いる場合には、光源の電子蓄積リングの電流を測定することで入射光モニタとしてもよい。
多層膜ミラーMLの近傍には光電子を検出する検出器26が設置されている。検出器26は、電子増倍管やマイクロチャンネルプレート(MCP)などを使用することができる。放出された光電子が取り込まれやすいように、検出器26の入射電極は、多層膜ミラーMLに対して正電位になるように設定されている。多層膜ミラーMLの表面から放出された光電子が電子増倍管やMCPに入射すると、内部に印加された高電圧により電子増倍作用をうけ、増幅された電荷信号として出力される。これを電荷増幅器を用いて電圧信号に変換し、更にアナログ−デジタルコンバータ(ADC)18を用いてデジタル化したのちに演算部16に取り込む。
本実施例では、以下の手続によって反射光の位相を計測する。
まず、ステージ22により試料MLを退避し、入射光の強度を検出器24で測定する。このとき分光器12から出射するEUV光の波長λを変えながら、波長走査を行い、入射光の強度の波長依存性を測定する。入射光の強度をIR0(λ)、その測定の際の入射光強度モニタの出力をI00(λ)とする。
次に、ステージ22により単色化されたEUVビームが、多層膜ミラーMLの所定の位置に所定の角度で入射するように設定し、反射光の強度を検出器で測定する。同時に、検出器26によって、試料表面から放出される光電子の量を測定する。このとき分光器12の波長設定を変えながら、波長走査を行い、反射光の強度の波長依存性と、試料MLの表面から放出される光電子の量の波長依存性とを同時に測定する。このとき、多層膜試料で反射された光強度をIR1(λ)、多層膜試料の測定された光電子放出量をQ(λ)、その測定の際の入射光強度モニタの出力をI01(λ)とする。
次に、参照試料RSとして多層膜の最上層を構成する物質で構成された単層膜ミラーの光電子放出量を計測する。参照試料(又は単層膜ミラー)RSの単層膜の厚さは、光電子の脱出深さより充分厚く、また測定しようとする光の透過率が充分小さいことが望ましく、光の波長が13.5nm程度であれば、MoやSi、ルテニウム(Ru)などの場合、数百nm以上の厚さがあればよい。多層膜の最上層がSiの場合、Siウェハを使用してもよい。
多層膜試料MLについて行ったのと同様な方法で参照試料RSに対し、試料表面から放出される光電子の量の波長依存性を測定する。試料表面での電場は、入射光の電場と反射光の電場とを足しあわせたものであるが、単層膜ミラーRSの反射率はEUV光に対して非常に低いため、単層膜表面の電場強度は入射光の電場強度にほぼ等しい。このとき、参照試料の測定された光電子放出量の波長依存性をQ(λ)、その測定の際の入射光強度モニタの出力をI02(λ)とする。
多層膜ミラーMLの反射率の波長依存性R(λ)は以下の式で与えられる。
R(λ)=(IR1(λ)×I00(λ))/(IR0(λ)×I01(λ))・・(※)
多層膜ミラーMLの光電子放出量の参照試料RSの光電子放出量との比の波長依存性F(λ)は以下の式で与えられる。
F(λ)=(Q(λ)×I02(λ))/(Q(λ)×I01(λ))
F(λ)は、多層膜ミラーMLの光電子放出量が、単層膜ミラーRSに比較して何倍になっているかを示すパラメータである。単層膜表面の電場強度は入射光の電場強度にほぼ等しいので、多層膜ミラー試料の光電子放出量の単層膜試料の光電子放出量との比F(λ)は、多層膜表面の電場強度が入射光の電場強度の何倍になっているかを示す量(電場強度比)に等しい。反射率と電場強度比の波長依存性の測定結果の例を図8に示す。
代替的に、波長を変えながら多層膜にEUV光を照射し、高い反射率が得られる波長(この実施例においては13.5nm)と、反射率がそれに比べて非常に低くなる波長(この実施例においては12.5又は14.5nm)との2つの波長での、真空中に放出される電子の量Q、Qを求め、次式により、多層膜ミラー試料の光電子放出量が、単層膜ミラーに比較して何倍になっているかを示すパラメータを求めて電場強度比としてもよい。
F=Q/Q=I/I
次に、以下の式により位相δ(λ)を算出する。
cosδ(λ)=(F(λ)−1−R(λ))/(2×R1/2(λ))
位相差δの余弦から位相差δを求める際に、位相差δに2πの整数倍の不確定性があるが、連続的に測定した領域内であるいは波長変化に対して位相差δが連続につながるようにすればよい。また位相差δの正負の不確定性があるが、多層膜の反射ピーク近傍の波長域で位相の波長依存性が正の傾きを持つように設定すればよい。このようにして求めた入射光と反射光の位相差δの波長依存性を図9に示す。
次に、可視光あるいは紫外光を用いたフィゾー干渉計、ミラウ干渉計などにより、多層膜試料の表面形状を計測する。表面形状計測と定在波による位相計測は、どちらを先に行っても構わないし、同時でもよい。
次に、EUV光で見た等価的な反射面の形状、即ち、δλ/(4πcosθ)及びh+δλ/(4πcosθ)を算出する。
図10に多層膜の構造の一例を示す。この例では、多層膜最下層に段差が生じており、B部はA部に比べて高くなっている。膜周期を6nm、入射するEUV光の波長を12nm、入射角を0°、B部の段差を1.5nmとする。可視光を用いた干渉計で形状を計測すると、B部はA部に比較して1.5nm高く計測される。また先に述べた定在波を用いた位相計測では、A部とB部との間で位相差は認められない。従って、EUV光で見た等価的な反射面の形状は、B部がA部に比較して1.5nm高くなっている。これより、この多層膜に平面波を入射した場合、反射光の波面は、B部がA部に比較して3nmすなわち約1/4波長だけ進んだ形状になることがわかる。
図11に多層膜の構造の別の例を示す。この例では、多層膜最上層に段差が生じており、D部はC部に比べて高くなっている。膜周期を6nm、入射するEUV光の波長を12nm、入射角を0°、D部の段差を1.5nmとする。可視光を用いた干渉計で形状を計測すると、D部はC部に比較して1.5nm高く計測される。また先に述べた定在波を用いた位相計測では、D部とC部との間で位相差がπ/2あることがわかる。従って、EUV光で見た等価的な反射面の形状は表面形状と反射位相差で打ち消し合い平面になる。これより、この多層膜に平面波を入射した場合、反射光の波面は平面となることがわかる。
上述の実施例によれば、多層膜にEUV光を入射した際に生じる定在波を利用して、入射光と反射光の位相差を求めることが可能になった。更に、多層膜表面形状の計測結果と位相差とから、EUV光で見た等価的な反射面の形状あるいは、多層膜で反射したEUV光の波面(位相分布)を求めることができるようになった。また、通常の反射率測定装置に光電子検出器を付加しただけの計測装置によって、容易に入射光と反射光の位相差を求めることが可能であり、従来のPDI等の干渉計測法と比べて非常に小規模な装置で高精度の計測が可能となった。更に、入射光モニタを用いて光源や分光器等の不安定性に伴う入射光の不安定性を補正しているので、それらの不安定性に起因する誤差を抑制して高精度な計測をする事が可能となった。この結果、本実施例の光学系(鏡筒)の組立て、調整方法によれば、光学系の波面収差の調整を、従来よりも正確、簡易かつ安価に行うことが可能となる。
本実施例では、実施例1に示した図3のフローチャートと同様にして光学系(鏡筒)の組立て・調整を行い、実施例1に示したのと同様の計測装置を使用する。実施例1と異なるのは、以下の手続によって反射光の位相を計測することである。
まず、ステージ22が多層膜ミラーMLを退避し、入射光の強度を検出器24で測定する。このとき分光器12から出射するEUV光の波長λを変えながら、波長走査を行い、入射光の強度の波長依存性を測定する。入射光強度をIR0(λ)、その測定の際の入射光強度モニタの出力をI00(λ)とする。次に、単色化されたEUVビームが、多層膜ミラーMLの所定の位置に所定の角度で入射するように設定し、反射光の強度を検出器で測定する。同時に、検出器26によって、試料ML表面から放出される光電子の量を測定する。このとき分光器12の波長設定を変えながら、波長走査を行い、反射光の強度の波長依存性と、試料ML表面から放出される光電子の量の波長依存性とを同時に測定する。このとき、多層膜試料で反射された光強度をIR1(λ)、多層膜試料の測定された光電子放出量をQ(λ)、その測定の際の入射光強度モニタの出力をI01(λ)とする。多層膜ミラーMLの反射率の波長依存性R(λ)は上述した数式(※)で与えられる。
一方、多層膜ミラー試料の光電子放出量の波長依存性G(λ)は次式で与えられる。
G(λ)=Q(λ)/(I01(λ)×λ)
これは、多層膜ミラー試料の光電子放出量と入射光子数との比を示すパラメータである。光子1個あたりの光電子放出量は、多層膜最上層を構成する物質の吸収端波長の近傍以外の波長域ではほぼ一定値であるので、G(λ)は多層膜表面の電場強度が入射光の電場強度の何倍になっているかを示す量(電場強度比)である。反射率と光電子放出量Gの波長依存性の測定結果の例を図12に示す。
次に、多層膜のモデル計算により位相δ(λ)を算出する。多層膜の反射率と反射光の位相に関しては、モデル計算によって求めることができる。モデル計算は、例えば、非特許文献2に記載されている。
多層膜の各界面にフレネルの式を適用し、界面の前後で入射波、透過波、反射波それぞれの電場の複素振幅の関係を各界面に対して求める。この関係から漸化式を立て、多層膜の基板側から始めて最終的に多層膜最表面の入射波と反射波の電場の複素振幅の関係すなわち複素反射率を算出する。複素反射率の虚部より位相が求まる。
その結果から、表面の定在波の電場強度を求める。計算するモデルとして、モリブデンとシリコンの多層膜の最上層のシリコンの厚さとをパラメータとする。図13に計算結果の例を示す。モリブデンとシリコンの多層膜の最上層のシリコンの厚さが0,2,4,6nmの場合それぞれについて、反射率と、表面の電場強度比をプロットしてある。最上層のシリコンの厚さが変化しても反射率は殆ど変化しない。一方、表面の電場強度比は最上層のシリコンの厚さに応じて顕著に変化する。
フィテッィングはまず、計算モデルのモリブデンとシリコンの多層膜の膜周期(モリブデンとシリコンの厚さの和)を変化させ、反射率の計測値が計算値と一致するように最適な膜周期を求める。
次に、計算モデルの最上層のシリコンの厚さを変化させ、電場強度比が測定値と一致するように最適なシリコン厚さを求める。このとき、電場強度比の絶対値については不確定性があるので、電場強度比の波長依存性が一致するようにする。すなわち、観測された電場強度比に定数をかけたものが計算値と一致するように、定数と最上層シリコンの厚さを決める。この際、例えば観測された電場強度比に定数をかけたものとモデル計算により求めた電場強度比の差の自乗和を評価関数として、パラメータを変化させこの評価関数の値が最小になるようにフィッティングを行う。
こうして実測値を最も良く再現する計算モデルを決定する。次に、この決定したモデルで多層膜の反射光の位相を求める。この位相をもって、計測した多層膜試料MLの入射光と反射光の位相差とする。本実施例では、最上層のシリコンの厚さが6nmのモデルが最も図12に示した実測値に一致する。このモデルにより位相を求めると図14のようになる。
多層膜上の各点でこの方法を行い、各点の位相を計測し、多層膜ミラー面形状計測結果とあわせて、EUV光で見た等価的な反射面の形状あるいは、この多層膜にEUV光を入射した場合の反射光の波面(位相分布)を求めることができる。
本実施例によれば、モデル計算との比較を行うことにより、参照試料RSの表面から放出される光電子の量の波長依存性を測定しなくても、入射光と反射光の位相差を求めることが可能であり、測定がより簡略化される。また、参照試料RSの表面から放出される光電子の量の波長依存性を測定する場合にも、更に、モデル計算との比較を行って入射光と反射光の位相差を求めてもよい。この方法によれば、入射光と反射光の位相差をより精密に求めることが可能となる。そして、この結果、本実施例の光学系(鏡筒)の組立て、調整方法によれば、光学系の波面収差の調整を、従来よりも正確、簡易かつ安価に行うことが可能となる。
本実施例では、多層膜ミラーMSにEUV光を照射し、EUV光の反射率と放出される光電子の量とを同時に計測する。この時、試料に対するEUV光の入射角を変化させて、反射率と光電子の量の入射角依存性を計測する。図15に計測結果の例を示す。多層膜のモリブデンとシリコンをあわせた膜厚は8nm、EUV光の波長は13.5nmである。この結果と次式により位相差を算出する。
cosδ(λ)=(F(λ)−1−R(λ))/(2×R1/2(λ))
放出された光電子量から電場強度を換算するためには、実施例1と同様に参照試料RSを用いるか、放出された光電子の量を試料MLの反射率が低い入射角での光電子放出量で規格化し、電場強度比を求める。この例の場合、入射角0°あるいは50°付近での光電子放出量を用いて規格化すればよい。代替的に、光子1個あたりの光電子放出量は、多層膜最上層を構成する物質の吸収端波長の近傍以外の波長域ではほぼ一定値であるので、波長を少しずらし、多層膜の反射率が非常に低くなる波長で測定した光電子放出量で規格化してもよい。
多層膜上の各点でこの方法を行い、各点の位相を計測し、多層膜ミラー面形状計測結果とあわせて、EUV光で見た等価的な反射面の形状あるいは、この多層膜にEUV光を入射した場合の反射光の波面(位相分布)を求めることができる。
本実施例では、実施例1に示した図3のフローチャートと同様にして光学系(鏡筒)の組立て・調整を行う。しかし、実施例1に示したのとは異なる計測装置を使用する。
以下、図16を参照して、本実施例の計測装置を説明する。ここで、図16は、本実施例の計測装置の概略ブロック図である。本実施例の計測装置は、実施例1に示す計測装置の構成と同様であるが、測定室20Aは大気によるEUV光の減衰や蛍光X線の吸収、あるいは多層膜表面への汚染付着を防止するために、真空ポンプなどの排気手段21によって超高真空領域まで排気されている。また、多層膜ミラーMLの近傍には蛍光X線を検出する検出器26Aが設置されている。検出器26Aには半導体X線検出器(SSD)や冷却CCD、マイクロカロリメータ等を用いることができる。この検出器は、蛍光X線の光子のエネルギーを分別できる特性を持っていること、すなわち蛍光X線のスペクトルを計測できるかあるいは、特定のエネルギー範囲のXのみの強度を計測できるようになっていることが望ましい。
多層膜試料の最表面は、多層膜の下層を構成する物質とは異なる特定の物質からなる層が設けられている。例えば、モリブデンとシリコンからなる多層膜の表面にルテニウムの数ナノメートルの厚さの層が設けられている。X線検出器は、この最上層を構成する元素に固有の特性X線のみ検出するように、検出するエネルギー範囲が設定されている。
通常、多層膜ミラーの最上層には、多層膜の酸化やコンタミネーションの付着を防止する為のキャップ層としてルテニウムや炭素からなる薄膜が設けてあり、この層を構成する元素に固有の特性X線のみ検出するように、検出するエネルギー範囲が設定されていてもよい。
本実施例では、実施例1と同様の手続によって反射光の位相を計測する。この場合、測定は、実施例1では、試料の表面から放出される光電子の量を測定していたが、本実施例では試料の表面から放出される蛍光X線の量を測定して位相を計測している。また、本実施例のX線検出器は、多層膜の最上層を構成する元素に固有の特性X線のみ検出するように、検出するエネルギー範囲が設定されているので、検出される蛍光X線の強度は多層膜最表面の電場強度に比例する。
本実施例では、実施例1に示した図3のフローチャートと同様にして光学系(鏡筒)の組立て・調整を行い、実施例4に示したのと同様の計測装置を使用する。本実施例では、多層膜表面から放出される光電子を検出する。図5に示すように、光電子検出器としてマイクロチャンネルプレートを用いる。ここで、図5は多層膜表面の電場強度比を測定するための模式図である。多層膜サンプルにEUV光が照射され、光電効果により放出された光電子はMCPに入射する。光電子を効率的に捕集する為に、MPの入射側の面には多層膜に対してプラスの電位、例えばプラス100から500ボルト程度の電位になるよう、電圧が印加されている。
MCP内部には電子加速の為の2000から6000ボルト程度の強い電位差が与えてあり、入射した電子を106から108程度に増幅し、出射面から放出される。この電子はMCP出射面に対してさらにプラスの電位に保たれた蛍光板に衝突し、可視光の蛍光を発生する。この蛍光を光検出器、例えばフォトダイオードや光電子増倍管で検出する。MCP出射面は電子を加速する為プラスの高電圧に保たれており、蛍光板は電子をひきつける為にさらにプラスの高電圧、例えば多層膜に対してプラス3000〜8000ボルト程度に保たれている。しかし、蛍光面で可視光に変換するので、光検出器は任意の電位に設定することができる。例えば、光検出器は多層膜と同程度の電位に保てばよい。
電子を増幅しそのまま検出する場合、検出器の出力がプラスの高電圧になるので、信号処理系に入力する為にはコンデンサで直流的には切断し、時間的に変化する交流成分のみを入力する手法が用いられる。この方法はレーザープラズマや放電プラズマ光源のような時間的に変動するパルス光源においては有効である。しかしシンクロトロン放射光(SR)のような時間的に連続した光を光源に用いる場合、このコンデンサで直流成分を遮断する方法は使えない。しかし、前述のようにMCPから出力された電子を蛍光体に照射し発生する蛍光を光検出器で検出する構成の場合、光検出器は多層膜と同程度の電位に保つことができるので、そのまま信号処理系に入力することができるという利点を持つ。
本実施例では、計測装置を使用して実施例2と同様の手続によって反射光の位相を計測する。そのため、詳述は省略する。
本実施例では、実施例3と同様の手続によって多層膜ミラーMSにEUV光を照射し、EUV光の反射率と放出される蛍光X線量とを同時に計測する。この場合、測定は、実施例3では、試料の表面から放出される光電子の量を測定していたが、本実施例では試料の表面から放出される蛍光X線の量を測定して位相を計測している。
本実施例は、実施例1と反射光の位相の計測方法が相違するが、それ以外の点は同様である。以下に、本実施例の反射光の位相の計測方法について説明する。なお、この方法については、本出願人による特開2003−222572号公報(米国特許出願公開第2003/144819号明細書)に詳細が記載されている。
図19は本発明の位相測定装置の本実施形態の要部概略図であり、EUV波長域を対象としたミラー面上の膜の位相情報を測定する場合を系している。図19は膜が施されているミラー面上の場所による膜の反射位相分布の測定を示す要部概略図である。
光源1から出た光L1は楕円面や双物面等の反射鏡2で反射し、部材3に設けたピンホール3aを通して点光源からの波面とし、波面を整えている。光源1としてはレーザープラズマ光源や放射光(SR)を用いている。ピンホール3aからの光L2を絞り4を通すことで、直径1mm程度のビームL3にしている。このビームL3をミラーM1を介し、分波グレーティングG1によって2つの光La、Lbに分け、多層膜5に施された被検物体6上の微小にずれた2点5a、5bに角度をもって照射する。ここで光La、Lbの膜5への入射角は僅かに異なるが、ここでは簡単の為に略同一角度θとしてみなしている。
又、入射位置5a、5bの差も僅かであるので略同一位置とみなしている。照射した2点5a、5bからの反射光La、Lbを結合グレーティングG2によって重ね合わせ、干渉させてCCDなどの検出手段7で干渉信号を得ている。尚、光源手段1からの光の波長が検出手段の検出可能な波長域外にあるときは、例えば光を蛍光板に入射させ、該蛍光板に形成される干渉情報を検出手段で検出しても良い。
演算手段8は検出手段7からの干渉信号を用いて、光の入射角θにおける多層膜5の面上における反射位相分布を被検物体6と測定系の相対的位置を変えて計測している。位置による反射位相分布は位置をx、入射角をθであらわすと、位置xにおける膜の位相差は、φ(x+Δx,θ)−φ(x,θ)という位相の差分を干渉信号の強度として求めている。Δx、すなわちビームのずらし量を非常に微小にして(微分により波面をシフトさせて)、dφ(x,θ)/dxを得る。
ビームLa、Lbで被検物体6と測定系の相対的な移動によって多層膜5の全面を走査し、膜5面の位置xで積分することで、第1の入射角θにおける膜5の位相の位置による反射位置分布φ(x,θ)を算出している。ビームは広がりを持たせて膜5面上に入射させ、2次元信号としてデータ採取することにより、積分による位相データのつながりがよくなり、精度の高い測定結果を得られる。もしくは、細いビームで走査し、受光面の小さな検出手段を用いて、高速に走査してデータを採取するようにしても良い。
本実施形態は、分波グレーティングG1と結合グレーティングG2を用いることにより、膜の各位置における反射位相情報を参照波面を形成する光学面を用いずに測定している。
また、図1において、多層膜ミラーに入射する光は、位置微分が可能な範囲の拡がりを持ちつつ、ほぼ一点に集光した状態で多層膜ミラーに入射している。換言すると、位置微分が行える範囲の大きさを持ったほぼ1点に集光している。
本実施形態では、図19に示す系で得られる測定データによって、反射光の相対位相をミラー(膜)の位置の関数として得る事が出来る。これと多層膜表面形状の計測結果から可視光での反射光と、EUV光での反射光の位相差の面内分布を算出することが出来る。
以上、本発明の実施例1〜7によれば、鏡筒を構成する各単体の反射型光学素子の可視光での反射光の位相とEUV光での反射光の位相の差と、鏡筒として組み立てた状態での可視光による反射波面から、鏡筒のEUV光での波面を算出し、このEUV光の反射波面により、鏡筒の反射光学素子の組立て、調整を行うことにより、鏡筒の組立て、調整が容易に安価に行うことが可能となる。
以下、図2を参照して、本発明のEUV露光装置100を説明する。図2は、EUV露光装置の概略断面図である。EUV露光装置100は露光光としてEUV光(例えば、波長13.5nm)を用いてスキャン方式で露光を行う露光装置である。図2を参照するに、露光装置100は、EUV光源部110、照明光学系120、反射型マスク(反射型レチクル)130、マスクステージ132、投影光学系140、ウェハ150、ウェハステージ152を有し、照明光学系120からウェハステージ152までを真空チャンバーVC2に収納する。
EUV光源部110は、真空チャンバーVC1に配置されたターゲット供給システム112によって集光位置113に供給されたターゲットに高強度のパルスレーザー光PLを図示しないレーザー光源から図示しない集光光学系を介して照射し、高温のプラズマを発生させ、これから放射される、波長約13.5nmのEUV光を利用する。より詳しくは、EUV光源110は、ターゲットに高輝度の励起パルスレーザーを照射することにより、そのターゲットが高温のプラズマ状態に励起され、そのプラズマが冷却する際に等方的に放出する赤外から紫外、EUV光までの波長帯の光の中から、集光ミラー114がEUV光を集光して、これを露光光として使用する。
パルスレーザー光PLは、例えば、Nd:YAGレーザーやエキシマレーザーなどである。真空チャンバーVC1は、大気に対する透過率の小さいEUV光に対して真空雰囲気環境を確保する。パルスレーザー光PLは、真空チャンバーVC1に設けられた窓111を介して集光位置113に集光される。ターゲットは、発生させるEUV光波長によるが、Cu、Li、Znなどの金属薄膜、Xeなどの不活性ガス、液滴などが用いられ、ガスジェット等のターゲット供給システム112により真空容器VC1に供給される。供給されたターゲットの全てがプラズマ化に寄与しないため、ターゲット供給システム112は残りのターゲットを回収するターゲット回収システムを備えている。
真空チャンバーVC2に導入されたEUV光は、照明光学系120を介して、所定のパターンを有するマスク130を照明する。照明光学系120はEUV光を伝播してマスク130を照明する機能を有し、複数のミラーと、オプティカルインテグレータと、アパーチャとを有する。オプティカルインテグレータはマスク130を均一に所定の開口数で照明する役割を持っている。アパーチャは、マスク130と共役な位置に設けられ、マスク130面で照明される領域を円弧状に限定する。
反射型マスク130により選択的に反射されたEUV光は、数枚の反射ミラーで構成された投影光学系140によってレジストが塗布されたウェハ150に縮小投影され、マスク130上のパターンをウェハ150に転写する。
マスク130への照明領域及びウェハ150の投影像は、投影光学系140の収差を抑えた良好な像を得るために極めて狭い同一像高の円弧状の範囲に限定されるため、マスク130に形成されたパターン全てをウェハ150に露光するために、露光装置100はマスクステージ132とウェハステージ152が同期してスキャンしながら露光を行う、いわゆるスキャン露光方式を採用している。
集光ミラー112、照明光学系120、反射型マスク130及び投影光学系140はEUV光を効率良く反射させるために基板上にMoとSi等による多層膜が数十ペア成膜されており、その表面粗さは、反射率の低下を抑えるために標準偏差で0.1nmオーダーのものが要求されている。更に、投影光学系140の反射ミラーにおいては、上記表面粗さに加えて、形状精度も同様に標準偏差で0.1nmオーダーのものが要求されている。したがって、極めて高精度にその投影光学系140を構成する光学素子を配置すること必要である。本実施例では、このような投影光学系140に本発明の組立て・調整方法が適用されており、投影光学系140の波面収差が適切に調節されている。
本実施形態の露光装置によれば、波面収差が適切に調節された光学系を有するため、高精度な露光を行うことが可能となる。
次に、図20及び図21を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図20は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図21は、図20に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、上述の露光装置によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれば、波面収差が適切に調節された光学系を使用することにより、所望の解像度を有する高品位のデバイスを製造することができる。このように、かかる露光装置を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面として機能するものである。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
本発明の一実施形態としての多層膜ミラーの入射光と反射光との位相差及び位相変化による等価的な形状変化を求めるためのブロック図である。 本実施形態のEUV露光装置の概略断面図である。 本発明の一実施形態の光学系(鏡筒)の組立て・調整方法を説明するためのフローチャートである。 本実施形態で使用される多層膜表面の電場強度比を測定するための模式図である。 本実施形態で使用される多層膜表面の電場強度比を測定するための模式図である。 反射率と電場強度比の入射角依存性の例を示すグラフである。 多層膜ミラーの反射面形状の測定方法を説明するための概略断面図である。 実施例1で求められた反射率と電場強度比の波長依存性の測定結果の例を示すグラフである。 実施例1で求められた入射光と反射光の位相差の波長依存性の例を示すグラフである。 実施例1で使用される多層膜の構造の一例を示す概略断面図である。 実施例1で使用される多層膜の構造の別の例を示す概略断面図である。 実施例2で使用される反射率と光電子放出量の波長依存性の測定結果の例を示すグラフである。 実施例2で使用されるモデル計算による膜厚、波長、電場強度比及び反射率の関係の例を示すグラフである。 実施例2で使用されるモデル計算による膜厚、波長、位相及び反射率の関係の例を示すグラフである。 実施例3で使用される入射角、反射率及び電場強度比の関係の例を示すグラフである。 本発明の別の実施形態としての多層膜ミラーの入射光と反射光との位相差及び位相変化による等価的な形状変化を求めるためのブロック図である。 図3のEUV波面の算出を説明する図である。 図3の鏡筒のEUV波面収差の算出を説明する図である。 実施例4の位相計測方法を説明する図である。 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。 図20に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
符号の説明
10 EUV光源
12 分光器
14 ビーム強度モニタ
16 演算部
18 電荷増幅部
20 測定室
22 ステージ
24 光強度検出器
26 蛍光X線検出器
100 露光装置
120 照明光学系
130 マスク(レチクル)
140 投影光学系

Claims (4)

  1. 多層膜を持つ複数の光学素子を有する光学系の調整方法であって、
    EUV光が前記光学素子反射された際の位相分布と前記EUV光より波長の長い光が前記光学素子反射された際の位相分布との差を、前記複数の光学素子の夫々について求める第1の計測ステップと、
    前記波長の長い光が前記光学系を通過した際の位相分布を計測する第2の計測ステップと、
    前記第1の計測ステップで求めた差と、前記第2の計測ステップで計測した位相分布とに基づいて、前記EUV光が前記光学系を通過した際の位相分布を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップで決定された位相分布に基づいて、前記光学素子の位置及び/又は姿勢を調整するステップとを有し、
    前記第1の計測ステップは、前記光学素子に前記EUV光を入射させた際の前記多層膜表面の電場強度と前記光学素子に入射させた前記EUV光の電場強度とを計測するステップを有することを特徴とする光学系の調整方法。
  2. 前記第1の計測するステップは、
    光源からの前記EUV光を第1のグレーティングで複数の光束に分け、該複数の光束を前記光学素子の多層膜上の複数の位置に入射させるステップと、
    前記複数の位置で反射した前記複数の光束を第2のグレーティングで結合させるステップと、
    該結合された光束を計測することにより得た干渉情報に基づいて、前記EUV光が前記光学素子を反射した際の位相分布を求めるステップとを有することを特徴とする請求項1記載の調整方法。
  3. 前記EUV光は、波長2〜40nmの光であることを特徴とする請求項1または2に記載の調整方法。
  4. 前記波長の長い光は、波長400〜750nmの光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の調整方法。
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